JP2005320368A - 半導体封止用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】突起電極付半導体素子がフェイスダウン構造で配線回路基板上に搭載された半導体装置をノーフロー方式で製造する方法において好適に使用される、優れたポットライフ、耐湿性およびハンダ接続性を有する半導体封止用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】半導体装置のノーフロー方式製造に用いるための、
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子中に2個以上の水酸基を有するフェノール樹脂、(C)フラックス活性剤、および(D)下記一般式(I):
【化1】
Figure 2005320368

(式中、X1〜X5は水素、炭素数1〜9のアルキル基またはフッ素であり、互いに同一であっても異なっていてもよい)で表され、最大粒子径が30μm以下かつ平均粒子径の標準偏差が5μm以下である硬化促進剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置において配線回路基板と半導体素子との間の空隙を封止するための半導体封止用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という場合がある)およびその半導体封止用樹脂組成物で封止されてなる半導体装置に関するものである。
最近の半導体装置の高機能化、軽薄短小化に伴う要求として、半導体素子をフェイスダウン構造で配線回路基板に搭載するフリップチップ実装が行われている。一般にフリップチップ実装においては、半導体素子を保護するために半導体素子と配線回路基板の空隙を熱硬化性樹脂組成物で封止している。
フリップチップ実装方式においては、互いの線膨張係数が異なる半導体素子と配線回路基板とをダイレクトに電気接続することから、接続部分の信頼性が問題となっている。
この対策としては、半導体素子と配線回路基板との空隙に液状樹脂材料を充填し硬化させて樹脂硬化体を形成し、電気接続部に集中する応力を上記樹脂硬化体にも分散させることにより接続信頼性を向上させる方法が採られている。
近年、このような半導体装置の生産性向上を図るため、配線回路基板上にハンダ接続性の熱硬化性樹脂組成物を予め塗布した後、フリップチップを配線回路基板上に搭載すると同時に樹脂封止を行い、次いでハンダ接続を行う方式(以下、ノーフロー方式と称す)が鋭意検討されている(例えば、特許文献1参照)。
このノーフロー方式ではハンダ接続過程において熱硬化性樹脂組成物がゲル化に達する前にハンダ接続が十分になされる必要があることから該熱硬化性樹脂組成物は高い潜在性を有している必要がある(例えば、特許文献2参照)。
一方、トランスファーモールドにより半導体装置を製造する分野においては、一般にエポキシ樹脂とフェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物が広く用いられており、その硬化促進剤としてはイミダゾール誘導体、三級アミン化合物、三級ホスフィン化合物やその誘導体、四級ホスホニウム塩等が従来から使用されている。これら、硬化促進剤の中でも耐湿性や成形性、保存安定性の観点から四級ホスホニウム塩は特に有効であることはすでに報告されている(例えば、特許文献3および4参照)。
特開2001−329048号公報 特表平11−510961号公報 特公昭56−45491号公報 特開平6−228279号公報
これらは樹脂モールド時において効果的に樹脂硬化を進行させるため、該四級ホスホニウム塩は予め硬化剤であるフェノール樹脂中へ溶融混合により相溶化した状態で用いられている。しかしながら、上述したノーフロー方式において該四級ホスホニウム塩を予め硬化剤であるフェノール樹脂中へ相溶化して用いた場合、四級ホスホニウム塩が熱解離して活性状態となり、潜在性が失活するので、所望とするポットライフおよびハンダ接続性は得られるものではなかった。
従って、本発明は、突起電極付半導体素子がフェイスダウン構造で配線回路基板上に搭載された半導体装置をノーフロー方式で製造する方法において好適に使用される、ポットライフに優れるだけでなく、耐湿性およびハンダ接続性にも優れる半導体封止用樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
〔1〕半導体装置のノーフロー方式製造に用いるための、
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
(B)1分子中に2個以上の水酸基を有するフェノール樹脂、
(C)フラックス活性剤、および
(D)下記一般式(I):
Figure 2005320368
(式中、X1〜X5は水素、炭素数1〜9のアルキル基またはフッ素であり、互いに同一であっても異なっていてもよい)
で表され、最大粒子径が30μm以下かつ平均粒子径の標準偏差が5μm以下である粒子からなる硬化促進剤
を含有してなる半導体封止用樹脂組成物、
〔2〕前記(C)成分が下記一般式(II):
Figure 2005320368
で表される化学結合を有する化合物である前記〔1〕記載の半導体封止用樹脂組成物、
〔3〕示差熱量測定における反応発熱ピーク温度が170℃〜250℃である前記〔1〕または〔2〕記載の半導体封止用樹脂組成物、ならびに
〔4〕前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の半導体封止用樹脂組成物で封止されてなる半導体装置
に関する。
本発明により、突起電極付半導体素子がフェイスダウン構造で配線回路基板上に搭載された半導体装置をノーフロー方式で製造する方法において使用される、ポットライフに優れ、かつ耐湿性およびハンダ接続性にも優れる半導体封止用樹脂組成物を提供することができる。
本発明の半導体封止用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という場合がある)は、半導体装置のノーフロー方式製造に用いられ、
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
(B)1分子中に2個以上の水酸基を有するフェノール樹脂、
(C)フラックス活性剤、および
(D)最大粒子径が30μm以下かつ平均粒子径の標準偏差が5μm以下の粒子であり、下記一般式(I):
Figure 2005320368
(式中、X1〜X5は水素、炭素数1〜9のアルキル基またはフッ素であり、互いに同一であっても異なっていてもよい)
で表される硬化促進剤を含むことに、1つの大きな特徴を有する。
本明細書において、ノーフロー方式とは、前記したように、配線回路基板上にハンダ接続性の樹脂組成物を予め塗布した後、半導体素子を配線回路基板上に実装すると同時に樹脂封止を行い、次いでハンダ接続を行う方式をいう。
本発明の樹脂組成物に含まれる(A)成分である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などが挙げられ、溶融時の流動性の確保の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好適に使用される。これらは単独で使用されてもよく、あるいは、2種以上併用されてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、樹脂組成物の硬化体の機械的強度およびガラス転移温度の制御の観点から、好ましくは90〜1000g/eq、より好ましくは100〜500g/eqである。樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、耐熱性や耐湿性の観点から、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%である。
本発明の樹脂組成物に含まれる(B)成分である1分子中に2個以上の水酸基を有するフェノール樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、クレゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン環型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール樹脂、それらのアリル化フェノール樹脂などが挙げられ、流動性および硬化性の観点から、40〜70℃に軟化点を有する樹脂、例えば、フェノールノボラック樹脂、または上記フェノール樹脂をアリル化したアリル化フェノール樹脂が好適に使用される。これらは単独で使用されてもよく、あるいは、2種以上併用されてもよい。
本発明の樹脂組成物中のフェノール樹脂の含有量は、前記エポキシ樹脂との混合割合が好適となるような量であるのが好ましい。前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合割合は、本発明の樹脂組成物の硬化性、硬化体の耐熱性および耐湿信頼性の確保の観点から、エポキシ樹脂のエポキシ当量1g/eqに対して、フェノール樹脂の水酸基当量が、好ましくは0.5〜1.5g/eq、より好ましくは0.7〜1.2g/eqとなるような割合であるのが好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる(C)成分であるフラックス活性剤とは、プロトンを有する酸性物質であって、金属酸化物の酸化膜を除去するという性質を有する物質をいい、その具体例としては、例えば、吉草酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10-ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、1,2,4-トリメリット酸、ピメリン酸などの芳香族カルボン酸、ロジン誘導体などが挙げられる。あるいは、かかる有機カルボン酸とビニルエーテル化合物との反応によって生成される下記一般式(II):
Figure 2005320368
で表される化学結合を有する化合物が用いられてもよい。ビニルエーテル化合物としては、1分子中に1個以上のビニルエーテル基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどが挙げられる。上記化学結合を有する化合物をフラックス活性剤として用いる場合、所望とする温度以上で熱解離しカルボキシル基を発現し、エポキシ樹脂と反応し、ポットライフおよびハンダ接続性をさらに向上させることができるので好適に使用される。これらは単独で使用されてもよく、あるいは、2種以上併用されてもよい。
樹脂組成物中のフラックス活性剤の含有量は、耐熱性およびハンダ接続性の観点から、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
本発明の樹脂組成物に含有される(D)成分である硬化促進剤は、一般式(I):
Figure 2005320368
で表され、X1〜X5は水素、炭素数1〜9のアルキル基またはフッ素であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。具体例としては、例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(4メチル−フェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(4フルオロ−フェニル)ボレートなどが挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、あるいは、2種以上併用されてもよい。
硬化促進剤の最大粒子径は、硬化性およびハンダ接続性の観点から、30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。また、平均粒子径の標準偏差は、5μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。ここで、本明細書において最大粒子径とは、レーザー回折/散乱式によって検出された最大の粒子径を表し、標準偏差とは下記式:
Figure 2005320368
により求められる値であり、粒子の分布の広がり具合を数値化したものである。
上記範囲の最大粒子径および平均粒子径の標準偏差を有する硬化促進剤は、例えば、市販の一般式(I)で表される化合物を乳鉢、ジェットミル、ビーズミルなどで所望の粒度分布になるように粉砕することにより調製することができる。その粉砕条件は、使用される化合物、粉砕機器などにより異なるため一概にはいえず、所望の粒度分布が得られるように適宜設定される。
上記のような粒度分布の粒子からなる硬化促進剤が樹脂組成物中に存在していることにより、調製後の急激な硬化を抑制することができ、優れたポットライフを有する樹脂組成物を提供することができる。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、所望の半導体封止用樹脂組成物の硬化性およびハンダ接続性が阻害されなければ特に限定されないが、(B)成分であるフェノール樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、所望により、硬化体の低応力化の観点から、無機充填剤、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、表面調整剤、酸化防止剤、粘着付与剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム、合成ゴムなどを、半導体装置の耐湿信頼性の向上の観点からハイドロタルサイト類、水酸化ビスマスなどのイオントラップ剤を加えることができる。これらは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。これらの添加剤の含有量は、各添加剤の所望の効果が得られる範囲で適宜調整すればよい。
本発明の樹脂組成物は、例えば、以下のようにして調製することができる。すなわち、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラックス活性剤を所定量混合し、さらに所望により、それら以外の成分を適宜添加し、各材料の軟化点以上の温度でホモミキサーなどを用いて予め溶融混合する。得られた溶融混合物の温度を、好ましくはフェノール樹脂の軟化点(以下、Mp(H)という場合がある)+20℃以下、より好ましくはMp(H)以下に維持した状態で所定量の(D)成分を加えホモディスパーにより攪拌分散を行う。つぎに、これをフィルターを用いて濾過し、次いで減圧脱泡することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。
以上のようにして調製された本発明の樹脂組成物の示差熱量測定における昇温速度10℃/分での反応発熱ピーク温度は、保存性およびハンダ接続性の観点から170〜250℃であることが好ましく、180〜250℃であることが好ましい。ここで、示差熱量測定とは、試料および基準物質を加熱または冷却によって調節しながら等しい条件下におき、この二つの間の温度差をゼロに保つために必要なエネルギーを時間または温度に対して記録する方法をいい、反応発熱ピーク温度とは、温度差をゼロに保つために必要なエネルギーが最大であるときの温度をいう。
本発明の樹脂組成物により封止されてなる半導体装置は、図1に示すように、配線回路基板1の片面に、複数の突起電極2を介して半導体素子3が搭載された構造をとる。さらに、配線回路基板1と半導体素子3との間に封止樹脂層4が形成されている。
配線回路基板1の材質としては、特に限定するものではないが、大別してセラミック基板、プラスチック基板があり、プラスチック基板としては、例えばガラスエポキシ基板などのエポキシ基板、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド基板などが挙げられる。
配線回路基板1と半導体素子3とを電気的に接続する複数の突起電極2は、予め配線回路基板1の表面に配設されていてもよいし、半導体素子3の表面に配設されていてもよい。さらには、予め配線回路基板1の表面および半導体素子3の表面の双方にそれぞれ配設されていてもよい。
複数の突起電極2の材質としては、特に限定するものではないが、例えば、低融点および高融点ハンダ、錫、銀−錫などが挙げられ、また配線回路基板上の電極が上記の材質からなるものに対しては金、銅などであってもよい。
半導体素子3は、特に限定されず、通常使用されるものが使用できる。例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体などの各種の半導体が使用される。
本発明の樹脂組成物を用いて封止してなる半導体装置は、先に述べたように、配線回路基板と半導体素子との間に樹脂組成物を介在させて、封止樹脂層を形成させることにより製造される。ここで、樹脂組成物の塗布は、配線回路基板上に行ってもよいし、半導体素子上に行ってもよい。本発明の半導体装置の製造方法の態様の一例を図面に基づき順を追って説明する。
配線回路基板への樹脂組成物の塗布は、まず図2に示すように、配線回路基板1上に、例えば、40℃に加温した溶融状態の本発明の樹脂組成物5をポッティングする。次いで図3に示すように樹脂組成物の上の所定位置に、複数の突起電極2が設けられた半導体素子3を載置し、加熱ステージ上で樹脂組成物5をさらに溶融状態として、半導体素子3の突起電極2が溶融状態の樹脂組成物5を押しのけて配線回路基板1と突起電極2とが接触するようにし、かつ、半導体素子3と配線回路基板1との間の空隙内に溶融状態の樹脂組成物を充填させた後、ハンダリフローによる金属接続を行い、その後樹脂組成物を硬化させることにより封止樹脂層4を形成して空隙を封止する。樹脂組成物の硬化温度としては、通常、130〜200℃が好適である。このようにして、図1に示す半導体装置を製造する。
なお、半導体装置の製法は、複数の突起電極2が設けられた半導体素子3を用いた場合について述べたが、これに限定するものではなく、予め配線回路基板1に複数の突起電極2が配設されたものを用いてもよい。
樹脂組成物5の厚さおよび重量は、搭載される半導体素子3の大きさおよび半導体素子3に設けられた突起電極の大きさ、すなわち、半導体素子3と配線回路基板1との空隙を充填し封止することにより形成される封止樹脂層4の占める容積により適宜設定される。
また、半導体装置の製造方法において、樹脂組成物5を加熱溶融して溶融状態とする際の加熱温度は、半導体素子3および配線回路基板1の耐熱性、接続用電極2の融点、および樹脂組成物5の軟化点、耐熱性などを考慮して適宜設定される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はかかる実施例によりなんら限定されるものではない。
以下に実施例および比較例で用いた原料をまとめて示す。
(1)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂として、
(a)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:158g/eq、粘度:1240mPa・s/50℃)、または
(b)ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:141g/eq、粘度:560mPa・s/50℃)
を用いた。
(2)フェノール樹脂
フェノール樹脂として、
(a)フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:104g/eq、軟化点:63℃)、または
(b)フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:103g/eq、軟化点:50℃)
を用いた。
(3)フラックス活性剤
フラックス活性剤として、
(a)アジピン酸−イソプロピルビニルエーテル付加物(酸当量:160g/mol、解離温度:170℃)、または
(b)アジピン酸−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル重合体(酸当量:270g/mol、平均分子量(Mn):1300、解離温度:200℃)
を用いた。
(4)硬化促進剤
硬化促進剤として、
(a)テトラフェニルホスホニウム・テトラ(4メチル−フェニル)ボレート、
(b)テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、
(c)テトラフェニルホスホニウム・テトラ(4フルオロ−フェニル)ボレート、
(d)トリフェニルホスフィン、または
(e)2-フェニル-4,5-ジヒドロキシジメチルイミダゾール
を用いた。
(5)反応性希釈剤
反応性希釈剤として、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(エポキシ当量:116g/eq、粘度:12mPa・s/25℃)を用いた。
以下に実施例および比較例における評価方法をまとめて示す。
(1)硬化促進剤の粒子分散性
得られた樹脂組成物中の硬化促進剤の粒子分散性を評価するために光路長:10mmの石英セルに樹脂組成物を入れ分光光度計(島津製作所社製:UV3101PC)を用いて透過率を測定し、以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
透過率80%未満:○
透過率80%以上:×
(2)ポットライフ
得られた樹脂組成物の調製直後の粘度および40℃で24時間放置した後の粘度を、E型粘度計(HAAKE社製:RS-1)を用いて樹脂組成物1g、回転プレートの直径35mm、ギャップを100μm、および回転速度10(1/s)で40℃にて測定した。次に、得られた値を以下の式:
変化率(%)=(V(24)-V(0))×100/V(0)
V(24):40℃で24時間放置した時の粘度
V(0):調製直後の40℃における粘度
にあてはめ、得られた値について以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
変化率が20%未満:○
変化率が20%以上:×
(3)反応発熱ピーク温度
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製:PYRIS1)を用いて樹脂組成物10mg、昇温速度10℃/分で測定した。
(4)耐湿信頼性
調製直後の樹脂組成物を配線回路基板(銅配線幅/配線間隔:50μm/50μm、くし型)上にコートした。これを175℃にて60分間樹脂組成物の硬化を行い、評価用サンプルを得た。得られたサンプルを121℃で100%の高温高湿条件下で交流5.5ボルトの電圧を銅配線に印加し、イオンマイグレーション評価システムAMI-075(タバイエスペック社製)を用いて測定される絶縁抵抗値が1.0E+5(Ω)以下となった時点を確認し、以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
100時間以上:○
100時間未満:×
(5)ハンダ接続性
得られた半導体装置(n=10)について接続不良突起電極をカウントし、以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
接続不良突起電極なし:○
接続不良突起電極あり:×
製造例1 所定の粒度分布を有する硬化促進剤の製造
表1に示すように、前記硬化促進剤(a)〜(e)をジェットミル(日本ニューマチック工業社製:PJM-80SP)を用いて粉砕し、種々の粒度分布を有する硬化促進剤(A)〜(G)を作製した。なお、粒度分布はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製:LA-910)を用いて測定した。
Figure 2005320368
実施例1〜10および比較例1〜3
表2〜4に示す各原料を同表に示す割合で、ホモミキサー(特殊機化工業社製:T.K.ホモミキサーモデルM)を用いて溶融混合し、次いで、400メッシュのフィルターを用いて70℃で濾過した。その後、70℃で60分間、3.3×10-3MPaで減圧脱泡し、これを室温にて冷却して樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物について、硬化促進剤粒子分散性、反応発熱ピーク温度、ポットライフおよび耐湿信頼性を上記の評価方法に従い評価した。その値を表2〜4に示す。なお、溶融混合は以下のように実施した。
溶融混合
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラックス活性剤および反応性希釈剤を仕込み、70℃で10分間、1000rpmで混合し、固形分を充分に分散もしくは溶解させた。次に、60℃の温度に調整した後、硬化促進剤を加え、10分間、3000rpmで混合した。
比較例4
硬化促進剤(A)0.64gとフェノール樹脂(a)100gとを150℃で1時間混合して、硬化促進剤含有フェノール樹脂を調製した。
次に、表4に示す各原料を同表に示す割合で、ホモミキサー(特殊機化工業社製:T.K.ホモミキサーモデルM)を用いて70℃で10分間、1000rpmで混合し、次いで、400メッシュのフィルターを用いて70℃で濾過した。その後、70℃で60分間、3.3×10-3MPaで減圧脱泡し、これを室温にて冷却して樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物について、硬化促進剤粒子分散性、反応発熱ピーク温度、ポットライフおよび耐湿信頼性を上記の評価方法に従い評価した。その値を表4に示す。
Figure 2005320368
Figure 2005320368
Figure 2005320368
実施例11〜20および比較例5〜8
以上のようにして得られた調製直後の実施例1〜10および比較例1〜4の樹脂組成物を用い、前述の半導体装置の製造方法に従って半導体装置(図1に示す半導体装置に相当)を製造した。すなわち、配線回路基板(ガラスエポキシ基板厚さ:1mm)上に樹脂組成物を40℃に加温し溶融状態でポッティングした。これを120℃に加熱したステージ上に置き、樹脂組成物の上の所定の位置に、接続用電極(鉛フリーハンダ:融点220℃、電極高さ:80μm)を設けた半導体素子(厚さ:600μm、大きさ10mm×10mm)をフリップチップボンダー(九州松下社製:FB30T-M)を用いて半導体素子実装(温度120℃、圧力=5.0×10-3N/電極、時間=1秒)すると同時に樹脂封止した。その後、220℃にて10秒間ハンダ溶融を行って半導体装置を製造した。得られた半導体装置に対して、乾燥炉(タバイエスペック社製:PHH-100)を使用して、175℃にて60分間樹脂組成物のポストキュアを行い、目的とする半導体装置を得た。
得られた半導体装置について、ハンダ接続性の評価を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2005320368
表2〜5から、実施例で得られた樹脂組成物は、硬化促進剤が相溶せずに樹脂組成物中に固体粒子として存在しており、40℃で24時間放置した後も、初期粘度と比較し大きな粘度変化は見られず、耐湿信頼性も良好であり、また実施例で得られた半導体装置は良好なハンダ接続性を有することが確認された。これに対し、比較例1で得られた樹脂組成物は、硬化促進剤が樹脂組成物中に固体粒子として存在しているものの、その粒子サイズが大きいため、半導体装置に用いた場合、良好なハンダ接続性を得ることができなかった。一方、比較例2〜4で得られた樹脂組成物では硬化促進剤が樹脂組成物中に相溶しており、40℃で24時間放置した後の粘度は極めて大きく変化し、調製から24時間以降の樹脂組成物は半導体装置の製造には利用できないことがわかる。さらに比較例2で得られた樹脂組成物の耐湿信頼性は良好なものの、反応発熱ピーク温度が低いため、半導体装置に用いた場合(比較例6)、良好なハンダ接続性が得られなかった。さらに比較例3では良好な耐湿信頼性が得られなかった。
従って、実施例は比較例と比較して、長時間安定した粘度を維持し、かつ優れた耐湿信頼性およびハンダ接続性を有していることが確認された。
本発明は、半導体産業において配線回路基板と半導体素子との間の空隙を封止するために利用できる。
本発明の半導体装置の一態様を示す。 本発明の半導体装置の製造方法の工程説明図の一例を示す。 本発明の半導体装置の製造方法の工程説明図の一例を示す。
符号の説明
1 配線回路基板
2 突起電極
3 半導体素子
4 封止樹脂層
5 樹脂組成物

Claims (4)

  1. 半導体装置のノーフロー方式製造に用いるための、
    (A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
    (B)1分子中に2個以上の水酸基を有するフェノール樹脂、
    (C)フラックス活性剤、および
    (D)下記一般式(I):
    Figure 2005320368
    (式中、X1〜X5は水素、炭素数1〜9のアルキル基またはフッ素であり、互いに同一であっても異なっていてもよい)
    で表され、最大粒子径が30μm以下かつ平均粒子径の標準偏差が5μm以下である粒子からなる硬化促進剤
    を含有してなる半導体封止用樹脂組成物。
  2. 前記(C)成分が下記一般式(II):
    Figure 2005320368
    で表される化学結合を有する化合物である請求項1記載の半導体封止用樹脂組成物。
  3. 示差熱量測定における反応発熱ピーク温度が170℃〜250℃である請求項1または2記載の半導体封止用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の半導体封止用樹脂組成物で封止されてなる半導体装置。
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