JP2005307349A - プラズマ表面処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 接地された真空容器2の内部に、別に設けたプラズマ発生用電源7及びプラズマ発生用アンテナ又は電極6によってプラズマ3を発生させる。導電性の支持体10に支持され、直接容器の底部に置かれた被処理物1がこのプラズマ3の中に浸される。被処理物1及び支持体等10は接地電位にある。真空容器壁の一部が導電性包囲体12で覆われる。真空容器2内にプラズマ3に正バイアス電圧を印加するための電極(陽極)11を真空フィードスルー及び支持体8を介して挿入する。陽極11は真空容器2外で正の電圧パルスを発生する高電圧パルス発生器9と直流バイアス電源13に接続される。イオン注入により被処理物表面に混合層を形成し、その上に成膜させる。
【選択図】 図1
Description
「プラズマイオン注入法とその応用」電気学会技術報告第60号,2001年、第36頁〜第59頁
正バイアス法を基本に、被処理物を接地電位に保持する。外部から挿入する陽極に正の電圧パルスと直流電圧を同時に加える。こうして、プラズマイオン注入による混合層の形成とイオン支援成膜の複合によって、密着性、緻密性、結晶性のより高い膜を接地電位にある被処理物に形成できる。そして処理中に被処理物を運動、操作する自由度も確保される。連続一貫処理システムが構築しやすくなる。ここで被処理物に負の直流電圧を加えても前述した成膜時のイオン衝撃効果を得ることができる。
被処理物と容器壁の間にあって、被処理物を囲み、又は容器壁を覆う包囲体の役目は、プラズマから容器壁に流れる電流の一部乃至は全部を阻止し、前述の正パルスバイアス条件を達成させることにある。従って、包囲体は、容器壁から電気的に絶縁されていれば、導体であって差し支えない。更に、包囲体は分割されても差し支えない。例えば、ステンレス鋼の薄板を成形して容器壁に内張したり、被処理物の形に合わせて成形して被処理物を取り囲むように(但し、包囲体と被処理物の間には表面処理に十分な量のプラズマが存在できること)設置することは適切である。これらの薄板は絶縁性の支持体を介して容器壁などに取り付けられる。絶縁性支持体はプラズマと容器壁の間にかかる高電圧に対して十分な耐力を持つものとする。支持体の表面に導電性堆積物が付着して表面が汚損されると、支持体の電気絶縁性、耐電圧性が損なわれるので、包囲体と支持体は汚染物が届きにくく、付着しにくい構造にするなど設計に工夫する必要がある。
パイプの内面、およびトレンチ、穴の側面、底面など、従来のプラズマイオン注入法では処理が困難な部位に近接して小面積の小型陽極を設置し、局所的にパルスプラズマを発生させて、イオンを被処理物内に加速・注入する。即ち、正パルスバイアス・プラズマイオン注入を被処理物上の小面積で局所的、選択的に行う。その際、正パルスバイアス電圧によって直接ガスをイオン化する方法を用いる。これを「パルスグロー放電」という。パルスグロー放電では、プラズマ源が不要になる。正パルスバイアスがプラズマ生成とイオン注入の両方の役割を果たす。具体的に局所正パルスバイアス法が可能となるパラメータ領域、即ち、被処理物と陽極の最近接距離d[mm]、容器内ガス圧P[Pa]、陽極電圧VA [kV]、電圧パルス幅tp [μs]、陽極の形状、寸法、表面積SA [m2]、材質を規定する。
処理物が複数でそれぞれの材料が異なる場合、加えて容器壁の材料が場所によって異なる場合などより複雑、かつ広範な条件下で適用できる正パルスバイアス法の条件式を導く。陽極も一般的には分割されていて差し支えない。基本はプラズマ診断で多用されるラングミュアプローブである。図6にモデルの概要図を示す。
I=IA =IK (1)
である。ここで、IA は以下のように表される。
I≦Ies (8)
となる。
I≦αIes (9)
となる。ここでαは無次元の係数で、α=1.0−1.5、望ましくは1.0である。即ち、
SK =ST +SW (11)
と表される。
2 真空容器(導電性)
3 プラズマ
4 イオンシース
5 正イオン
6 プラズマ発生用アンテナ又は電極
7 プラズマ発生用電源
8 真空フィードスルー及び支持体
9 高電圧パルス発生器又は高電圧パルスモジュレータ
10 導電性の支持体又は運動・移動機構
11 陽極
12 絶縁性包囲体乃至は真空容器から絶縁された導電性包囲体
13 直流バイアス電源
14 インダクタ
15,16 コンデンサ
17 パルストランス
18 絶縁性支持体
19 ジョイント
20 絶縁管
22 外側が絶縁被覆された導線
23 絶縁性支持体
30 移送機構
31 支持機構
32 ハッチ
33 真空ポンプ
Claims (10)
- 接地電位に保たれた被処理物(基材)の周囲に正電位にバイアスされたプラズマを発生させ、前記被処理物とプラズマの間にイオンシースを形成させ、プラズマ内のイオンをイオンシース内の電界によって加速し、前記被処理物の表面に堆積、ないしは前記被処理物の内部にイオン注入させ、被処理物の表面物性を物理的ないし化学的に改質することを特徴とするプラズマ表面処理法にあって、特にプラズマをバイアスするために外部から挿入される陽極に、プラズマイオン注入用の正のパルス電圧と、イオン支援成膜用の正の直流電圧を同時に印加して、被処理物との密着性が高く、緻密で欠陥の少ない膜を形成することを特徴とするプラズマ表面処理方法。
- 前記被処理物に同時に負の直流電圧を印加して、被処理物との密着性が高く、繊密で欠陥の少ない膜を形成することを特徴とする請求項1記載のプラズマ表面処理方法。
- 前記プラズマイオン注入用の正のパルス電圧は10kV乃至100kVであり、前記イオン支援成膜用の正の直流電圧は100V乃至1000Vであり、前記被処理物に同時に印加する負の直流電圧は−100V乃至−1000Vであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマ表面処理方法。
- 接地電位に保たれた被処理物が、導電性パイプの場合は内面に小型の円柱状の陽極を、又は湾曲パイプの場合には内面に円柱状で容易に湾曲する構造の陽極を、又はトレンチの場合には球状陽極を、又は刃先やウエッジなどの場合には鋭利な部分を平板ないし円板陽極を、夫々必要に応じて選択して、被処理物上の小面積で局所的に正パルスバイアス法による表面処理をすること(局所的に正パルスバイアス法と称する)を特徴とする請求項1記載のプラズマ表面処理方法。
- プラズマに正電位のパルスバイアス、又は直流バイアス、又はこれらの同時バイアス、又は局所正パルスバイアス法において、プラズマを局所的に正バイアスするために必要な条件は、Iは正バイアス用の陽極に流れる全電流、Iesは同じ陽極に流れる電子飽和電流、αは無次元の係数で1.0乃至1.5とすると、I≦αIesであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表面処理方法。
- 接地された真空容器と、該真空容器の内部に導電性の支持体又は運動・移動機構に支持されて配置され接地電位にある被処理物と、前記真空容器の内部に正電位にバイアスされたプラズマを発生させる、プラズマ発生用電源及びプラズマ発生用アンテナ又は電極及びバイアス用陽極とからなり、前記被処理物の周囲に容器壁及び被処理物から電気絶縁された包囲体を設け、プラズマの正電位バイアスを可能にし、前記被処理物の表面処理・成膜を行なうことを特徴とするプラズマ表面処理装置。
- 前記包囲体として、被処理物の周囲を覆う真空容器から絶縁された導電性包囲体を設けたことを特徴とする請求項6記載のプラズマ表面処理装置。
- 前記包囲体として、被処理物の周囲を覆う絶縁性の包囲体を設けたことを特徴とする請求項6記載のプラズマ表面処理装置。
- 接地された真空容器と、該真空容器の内部に、導電性の支持体又は運動・移動機構に支持されて配置され接地電位にある被処理物と、前記真空容器の内部に正電位にバイアスされたプラズマを発生させる、プラズマ発生用電源及びプラズマ発生用アンテナ又は電極と、前記被処理物の周囲に容器壁及び被処理物から電気絶縁されたバイアス用陽極を設け、プラズマの正電位バイアスを可能にし、前記被処理物の表面処理・成膜を行なうことを特徴とするプラズマ表面処理装置。
- 被処理物の据え付け用、処理用、取り出し用の3つの接地された真空容器と、該各真空容器の内部に前記被処理物を移送する移送機構、前記被処理物を前記各真空容器中に接地電位の状態で支持する導電性の支持機構とを有し、連続一貫プラズマ表面処理・成膜を行なうことを特徴とする請求項6または請求項9記載のプラズマ表面処理装置。
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