JP2005302848A - 半導体製造装置および半導体製造方法 - Google Patents

半導体製造装置および半導体製造方法 Download PDF

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博隆 荻原
Yukio Nishiyama
幸男 西山
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Abstract

【課題】アスペクト比の高い凹部に対する優れた埋め込み特性を有する半導体製造装置および半導体製造方法を提供すること。
【解決手段】絶縁性を有する材料により基板の縁部に沿う環形状をなしその内縁部がその外側の部分よりも高く形成され内縁部の上面が基板の成膜が施される側の主面と同等以下の高さに配置されるリングを設けた基板ホルダ4と、表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみからなる第1のガスを反応室内に導入する第1ノズル801と、前記基板の表面に平行方向の噴射方向を有し、前記第1ノズルよりも本数が少なく、前記成膜若しくはエッチングされる物質に対するスパッタ効率が前記第1イオン種より高い第2イオン種を生成する原料、若しくは前記基板の表面反応に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスを前記反応室内に導入する第2ノズル901とを備え、前記第1ノズルおよび前記第2のノズルの少なくとも一方からHeガスを前記反応室内に導入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製造装置および半導体製造方法に関し、特にアスペクト比の高い溝を埋め込む技術に関する。
近年、半導体素子の微細化や高密度化などに伴って、微細でアスペクト比の高い凹部(溝)をその内部に空孔(ボイド)を作らずに薄膜で埋め込むことができる、優れた埋め込み特性を有する埋め込み技術(薄膜形成技術)が要求されている。このような要求を満たすために、例えばいわゆるプラズマCVD装置が用いられつつある。具体的には、半導体基板に素子分離(shallow trench isolation:STI)領域を形成する場合、高密度プラズマ(high density plasma:HDP)型のCVD装置を用いて、基板の表層部に形成された凹部内にシリコン酸化膜(SiO2膜)の薄膜を成膜する。プラズマCVD装置については、特許文献1〜4に開示されている。
しかし、近年の半導体装置の微細化や高密度化などに伴い、凹部のアスペクト比はさらに高くなり、ボイド無く埋め込むことは非常に困難である。また従来の方法では、半導体基板でのプラズマ密度の不均一性の改善やプラズマ密度自体の向上を図る効果は少なく、凹部の埋め込み性能の向上には限界がある。
特開平7−106316号公報 特開2001−7090号公報 特開2002−241946号公報 特開2002−110646号公報
本発明の目的は、アスペクト比の高い凹部に対する優れた埋め込み特性を有する半導体製造装置および半導体製造方法を提供することにある。
本発明の一形態の半導体製造装置は、プラズマを用いた表面反応により、基板上に成膜若しくは基板をエッチングする装置であって、真空排気可能な反応室と、前記基板を配置するために前記反応室内に配置され、絶縁性を有する材料により前記基板の縁部に沿う環形状をなしその内縁部がその外側の部分よりも高く形成されているとともに前記内縁部の上面が前記基板の前記成膜が施される側の主面と同等以下の高さに配置されるリング本体を設けた基板ホルダと、前記反応室の側壁部に根本部が配置され、前記側壁部から前記反応室の頂部方向に噴射方向が設定され、前記表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみから実質的になる第1のガスを前記反応室内に導入するための複数本の第1ノズルと、前記第1ノズルの根本部と実質的に同一水平レベル、若しくは前記第1ノズルの根本部より前記基板寄りの水平位置に配置され、前記基板の表面に平行方向の噴射方向を有し、前記第1ノズルよりも本数が少なく、前記成膜若しくはエッチングされる物質に対するスパッタ効率が前記第1イオン種より高い第2イオン種を生成する原料、若しくは前記基板の表面反応に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスを前記反応室内に導入するための第2ノズルと、前記第1ノズルが配置された位置と前記反応室の頂部との間の空間に前記第1イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成するための高周波電界印加手段と、を備え、前記第1ノズルおよび前記第2のノズルの少なくとも一方からHeガスを前記反応室内に導入する。
本発明の一形態の半導体製造方法は、反応室内に基板を配置し、前記反応室の頂部と前記基板の間に、前記基板に隣接したイオン走行領域、該イオン走行領域に隣接した第1低密度プラズマ形成領域、該第1低密度プラズマ形成領域に隣接した高密度プラズマ形成領域、及び該高密度プラズマ形成領域と前記反応室の頂部に挟まれた第2低密度プラズマ形成領域を位置させ、前記高密度プラズマ形成領域のプラズマを用いた前記基板の表面反応により、前記基板上に成膜若しくは前記基板をエッチングする方法であって、前記反応室内に前記基板を配置するステップと、前記反応室内を減圧にするステップと、前記反応室の側壁部に設けられ、前記第1低密度プラズマ形成領域に根本部を有し、先端部が前記高密度プラズマ形成領域方向に向かうノズルを用い、前記基板表面の仰角方向に、前記表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみから実質的になる第1のガスを噴射するステップと、前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記第1低密度プラズマ形成領域において、前記基板の表面に対して平行方向に、前記成膜若しくはエッチングされる物質に対するスパッタ効率が、前記第1イオン種より高い第2イオン種を生成する第2のガスを噴射するステップと、前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記反応室内にHeガスを噴射するステップと、前記高密度プラズマ形成領域、第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に高周波電界を印加することにより、前記高密度プラズマ形成領域に前記第1イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成し、前記第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に低密度プラズマを生成し、前記第1イオン種を前記イオン走行領域を介して前記基板の表面に到達させ、前記第1イオン種による前記表面反応を生じさせるとともに、前記基板の縁部付近に、前記基板の表面に沿って前記基板の前記成膜が施される側の主面の上方から前記主面の下方に向かって下がるように電界を形成しつつ、前記第1イオン種および前記Heガスを前記主面に向けて供給するステップと、を含む。
本発明の一形態の半導体製造方法は、反応室内に基板を配置し、前記反応室の頂部と前記基板の間に、前記基板に隣接したイオン走行領域、該イオン走行領域に隣接した第1低密度プラズマ形成領域、該第1低密度プラズマ形成領域に隣接した高密度プラズマ形成領域、及び該高密度プラズマ形成領域と前記反応室の頂部に挟まれた第2低密度プラズマ形成領域を位置させ、前記高密度プラズマ形成領域のプラズマを用いた前記基板の表面反応により、前記基板上に成膜若しくは前記基板をエッチングする方法であって、前記反応室内に前記基板を配置するステップと、前記反応室内を減圧にするステップと、前記反応室の側壁部に設けられ、前記第1低密度プラズマ形成領域に根本部を有し、先端部が前記高密度プラズマ形成領域方向に向かうノズルを用い、前記基板表面の仰角方向に、前記表面反応に必要なイオン種を生成する化合物ガスのみから実質的になる第1のガスを噴射するステップと、前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記第1低密度プラズマ形成領域において、前記基板の表面に対して平行方向に、前記基板の表面反応に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスを噴射するステップと、前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記反応室内にHeガスを噴射するステップと前記高密度プラズマ形成領域、第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に高周波電界を印加することにより、前記高密度プラズマ形成領域に前記イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成し、前記第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に低密度プラズマを生成し、前記イオン種を前記イオン走行領域を介して前記基板の表面に到達させるとともに、前記基板の縁部付近に、前記基板の表面に沿って前記基板の前記成膜が施される側の主面の上方から前記主面の下方に向かって下がるように電界を形成しつつ、前記イオン種および前記Heガスを前記主面に向けて供給し、前記イオン種及びラジカル種による前記表面反応を生じさせるステップとを含む。
本発明によれば、アスペクト比の高い凹部に対する優れた埋め込み特性を有する半導体装置装置および半導体製造方法を提供できる。
以下、実施形態を図面を参照して説明する。以下の実施形態では、半導体基板にアスペクト比の高い素子分離(STI)領域を形成する際に、高密度プラズマCVD装置において、凹部をSiO膜で埋め込む。このときに、SiHガスを導入するノズルを高密度領域に向け、Oガスを導入するノズルをその他の方向に向け、さらにHeガスを導入する。また、半導体基板周りに特殊形状のセラミックリングを設ける。また、Heガスを導入するノズルは、上記Oガス用ノズル、上記SiHガス用ノズル、および単独のノズルの少なくとも一つとする。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態は、ICP型、HWP型、ECR型、マグネトロン放電型、表面波励起型等の種々の高密度プラズマを利用して基板(被処理基体)を処理する方法及び装置に適用可能であるが、以下の実施形態においては、ICP型高密度プラズマ処理装置について例示的に説明する。又、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造装置であるプラズマ処理装置は、真空排気可能な反応室(1,2)と、この反応室(1,2)内に配置された、基板(半導体基板、Siウェーハ)5を配置するための基板ホルダ4(4a,4b,4c,4d)と、反応室(1,2)に接続された、反応室(1,2)内を減圧にする真空排気配管16と、斜め上方向を向いた複数本の第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・と、水平方向を向いた複数の第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・と、反応室(1,2)の内部にプラズマを生成するための高周波電界印加手段(3,6)とを少なくとも有するICP型高密度プラズマ処理装置(ICP方式のHDP−CVD装置)である。反応室(1,2)はステンレス等の耐腐食性金属からなる容器基体(ベース)1と、この容器基体1の上部のフランジに密閉構造で接続された誘電体容器2とから構成されている。誘電体容器2は、例えば、半透明石英(SiO)や不透明アルミナ(Al)で構成されている。基板ホルダ4(4a,4b,4c,4d)は、金属製の埋め込み電極4dと、この埋め込み電極4dを囲んだ、絶縁性材料で構成された基板ホルダ上部4a及び基板ホルダ下部4bとで構成され、更に基板ホルダ支持部4cにより容器基体1に固定されている。埋め込み電極4dには、例えば13.56MHzのRFバイアス電源7が図示を省略したブロッキングコンデンサを介して接続されている。埋め込み電極4dには、バイアス電源7の他に、静電チャック用のDC電源を接続しても良い。更に、図示を省略しているが、基板温度制御用のガス冷却手段等を基板ホルダ4(4a,4b,4c,4d)の内部に収納している。複数本の第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・は、反応室(1,2)の側壁部に根本部が配置され、側壁部から反応室(1,2)の頂部方向に噴射方向が設定されている。この第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・からは、半導体基板5の表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみから実質的に構成された第1のガスとHeガスとが反応室(1,2)内に導入される。更に、誘電体容器2の頂部中央部に設けられた単独の頂部ノズル921からも、第1のガスとHeガスとが反応室(1,2)内に導入される。第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・・及び頂部ノズル921の先端は直径0.1mm〜0.8mm程度のオリフィスが設けられていて、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・及び頂部ノズル921の前には超音速領域、或いは亜音速領域が生成される。第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・には、ガス配管81が接続され、ガス配管81には、図示を省略した第1のガスとHeガスの導入量を制御するマスフローコントローラ等の導入ガス制御バルブが設けられている。図示を省略しているが頂部ノズル921にも、第1のガスとHeガスの導入量を制御する制御手段を具備したガス配管が接続されている。
一方、第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・は、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の根本部よりと実質的に同一水平レベル、若しくは第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の根本部より半導体基板5寄りの水平位置の側壁部に根本部が配置されている。即ち、第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・の付け根は、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の根本部よりも下方にあっても良い。第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・からは、第1イオン種より成膜若しくはエッチングされる物質に対するスパッタ効率の高い第2イオン種を生成する原料となる第2のガスとHeガスとが反応室(1,2)内に導入される。第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・の先端は、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・と同様に、直径0.1mm〜0.8mm程度のオリフィスが設けられており、ノズル前には超音速領域、或いは亜音速領域が生成される。第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・には、図示を省略したガス配管が接続され、ガス配管には、第2のガスとHeガスの導入量を制御するマスフローコントローラ等の導入ガス制御バルブが設けられているのは、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・と同様である。なお、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・、頂部ノズル921及び第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・のオリフィス径は、ガスの到達、混合を助長するために、0.2mm〜0.6mm程度であることがより好ましい。
優れた反応の均一性を確保するためには、第1イオン種の分布を決定する第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の本数が多いことが重要になる。なぜなら、全体のノズル本数が多くなると、ノズルから出るガス噴流間の干渉が起こり、この干渉によって半導体基板5方向にガスが逃げ、膜厚分布は悪化する。したがって、図2に示すように、膜厚分布にあまり影響を与えない第2のガスを導入する水平方向を向いた第2ノズル901,902,・・・・・,906の本数は少なく、表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみから実質的に構成された第1のガスを導入する第1ノズル801,802,・・・・・,812の本数は増やすことが必要となる(図2のA−A方向に沿った断面図が図1に対応する。)。図2においては、第2ノズル901,902,・・・・・,906の本数が6本、第1ノズル801,802,・・・・・,812の本数が12本の例が示されているが、この本数に限定されないことは勿論である。要は、第2ノズル901,902,・・・・・,906の本数が第1ノズル801,802,・・・・・,812の本数より少なければ、目的とするプラズマ反応の種類や特性に応じて、ノズルの本数は適宜選択可能である。
図示を省略するが、容器基体1にはダイヤフラム型の圧力計やその他の真空ゲージ等所定の圧力測定器が配置され、この圧力測定器の信号を用いて、自動的に反応室(1,2)内の圧力が制御出来るようになっている。真空排気配管16には、図示を省略するが、この圧力測定器の信号をフィードバックして制御する圧力制御バルブが接続され、更に圧力制御バルブには、排気速度2〜8m/s程度のケミカル型ターボ分子ポンプ、拡散ポンプ、クライオポンプ、或いはメカニカルブースタポンプ等の真空排気系が接続されている。
高周波電界印加手段(3,6)は、誘電体容器2の頂部近傍に設けられたRFコイル3と、このRFコイル3に高周波電力を供給する、例えば13.56MHzのRF電源6とから構成されている。RF電源6からの高周波出力は、図示を省略したマッチングボックスを介して、RFコイル3に供給される。高周波電界印加手段(3,6)は、第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・が配置された位置と反応室(1,2)の頂部との間の空間にプラズマを生成する。一般に、反応室(1,2)内のプラズマ生成部には分布があり、RF電界が集中する高密度プラズマ形成領域11とその周辺の低密度プラズマ形成領域(12a,12b)が存在する(図1では、それぞれ「高密度プラズマ領域」11、「低密度プラズマ領域」(12a,12b)と略記している。)。ICP型、表面波励起プラズマ型等の高密度プラズマ処理装置でその分布は特に顕著になり、ICP型高密度プラズマ処理装置の場合、コイル3が設置される誘電体容器2の近傍、半導体基板5に対して上方に高密度プラズマ形成領域11(プラズマ中のイオン種密度、電子密度が高い領域)が存在しその周囲に低密度プラズマ形成領域(12a,12b)が存在する。
図1においては、反応室(1,2)内において、半導体基板5の表面の法線方向に、順に、半導体基板5に隣接したイオン走行領域10、このイオン走行領域10に隣接した第1低密度プラズマ形成領域(図1では、「第1低密度プラズマ領域」と略記)12a、この第1低密度プラズマ形成領域12aに隣接した高密度プラズマ形成領域(図1では、「高密度プラズマ領域」と略記)11、及びこの高密度プラズマ形成領域11に隣接した第2低密度プラズマ形成領域(図1では、「第2低密度プラズマ領域」と略記)12bが生成されている。第1低密度プラズマ形成領域12aと第2低密度プラズマ形成領域12bとは、高密度プラズマ形成領域11を包み込むように誘電体容器2の側壁部近傍で互いに連続している。
図1において、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・のノズル長Lは、基板ホルダ(4a,4b,4c)と容器基体1との間のギャップ長L及び第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の半導体基板5に対する仰角(上向き角度)θ、容器基体1の内径2R、半導体基板5の半径rによって決まる次式:
R−r≧L・cosθ≧0.9L ・・・・・(1)
の範囲の値であることが好ましい。第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の容器基体1の壁面における半導体基板5からの高さ(以下において「ノズル付け根高さ」という。)Hは、容器基体1の内径を2R、半導体基板5の半径r、反応室(1,2)の中央天井(頂部)の半導体基板5からの高さHとすれば、ノズル長L及び仰角θから、
H=R−r―L・cosθ ・・・・・(2)
を定義し、このHを用いて、
−L・sinθ−(R−L・cosθ)・tanθ≧H≧H・tan(50−θ)−L・sinθ ・・・・・(3)
の範囲とするのが好ましい。
又、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の半導体基板5に対する仰角θは、反応室(1,2)の中央天井(頂部)の半導体基板5からの高さH、容器基体1の内径2R、ノズル付け根高さHから、
―H―L・sinθ=(R−L・cosθ)・tanθ・・・・・(4)
の関係で求まる角度θ、及び
+L・sinθ=(R−r−L・cosθ)・tan(50−θ)・(5)
の関係で求まる角度θを定義し、これらの角度θ及び角度θを用いて、
θ≧θ≧θ ・・・・・(6)
の範囲とするのが好ましい。
容器基体1の内径を2R=380mm、反応室(1、2)の中央天井(頂部)の半導体基板5からの高さH=140mm、基板ホルダ4(4a,4b,4c,4d)と容器基体との間のギャップ長L=50mm、半導体基板5の半径r=100mm(8インチウエハ)の場合、後述するように、埋め込み特性・面内膜厚均一性から第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の仰角θは8°から30°の範囲が好ましい。
式(1)〜式(6)を考慮すると、例えば、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の仰角θ=8°の場合、91mm≧L≧45mm、仰角θ=30°の場合、103mm≧L≧52mmの範囲のノズル長が好ましい。更に例えば、ノズル長L=55mmとすると、仰角θ=8°の場合、113mm≧H≧24mm、仰角θ=30°の場合、35mm≧H≧−12mmのノズル付け根高さHの範囲が好ましい。ここで、「マイナス」のノズル付け根高さH1は、文字通り、「半導体基板5の表面よりも下側」という意味である。
又、容器基体1の内径を2R=500mm、反応室(1、2)の中央天井(頂部)の半導体基板5からの高さH=160mm、基板ホルダ4(4a,4b,4c,4d)と容器基体との間のギャップ長L=60mm、半導体基板5の半径r=150mm(12インチウエハ)の場合、式(1)〜式(6)を考慮すると、例えば、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の仰角θ=8°の場合、101mm≧L≧54mm、θ=30°の場合、115mm≧L≧62mmの範囲のノズル長が好ましい。更に例えば、ノズル長L=55mmとすると、仰角θ=8°の場合、140mm≧H≧45mm、仰角θ=30°の場合、0≧H≧−14mmのノズル付け根高さHの範囲が好ましい。
より具体的に、シリコン酸化膜(SiO膜)をCVDする場合で説明すると、第1のガスとしてシリコン(Si)を含む化合物ガスを用いれば良い。例えばSiHガスを第1のガスとして、高密度プラズマ形成領域11を向いたノズル長L=50mm、ノズル付け根高さH=40mmの第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から流量50sccmで導入する。一方、第2のガスとして、流量100sccmのOガス、或いはOガスとAr等の希ガスの混合ガスが採用可能である。この第2のガスを8インチウエハ(半導体基板)5の基板表面に対して平行となっているノズル長L =20mm、ノズル付け根高さH =40mmの第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・から導入すれば良い。そして、RF電源6から3kW程度のプラズマ生成用高周波電界を印加し、同時にバイアス電源7を用いて、1〜2kW程度のバイアス用高周波電界を印加すればプラズマが生成される。図1に示すように、SiHを導入する第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・を上方に向けているので、高密度プラズマ形成領域11でのSiHガス濃度が高くなる。この結果、第1イオン種(SiH 、SiH 、SiH、Si)がイオン走行領域10を介して半導体基板5の表面に到達し、半導体基板5の表面において、第1イオン種(SiH 、SiH 、SiH、Si)を介した表面反応が促進され、半導体基板5上にSiO膜が堆積する。
以下において、SiH/Ar/Oガス系を用いた高密度プラズマにより、半導体基板5上にシリコン酸化膜(SiO膜)を堆積する反応を、詳細に説明する。以下の説明では、添え字(s)、(g)、(d)は、それぞれ表面、気体、堆積膜状態を表すとする。即ち、SiO膜のプラズマCVDにおいては、以下の5つの主反応が生じる。
(a) 表面の酸化(OH基作成):
Si(s)−H+酸化剤→Si(s)−OH+副生成物 ・・・・・(7)
ここで、p=1,2,3、q=1,2,3、酸化剤はO、O*、OH、副生成物はOH、HOである。
(b) イオン種励起によるHの脱離(成膜表面サイトSi(s)−OH生成):
Si(s)−OH+イオン種X→Si(s)−OH+副生成物+X・・・・・(8)
ここで、q=1,2,3、イオン種XはAr、O、O 、Si 、副生成物はH、HOである。
(c) Si源供給(表面の成膜サイトで成膜反応):
Si(s)−OH+Si源中性ラジカル種SiH→SiO2(d)+Si(s)−Hx+1 ・・・・・(9)
Si(s)−OH+Si源イオン種SiH +e →SiO2(d)+Si(s)−Hx+1 ・・・・・(10)
ここで、Si源中性ラジカル種SiHはSiH、SiH、SiH、Si、SiOであり、Si(s)−Hx+1はSi(s)−H、Si(s)−H、Si(s)−Hであり、Si源イオン種SiH はSiH 、SiH 、SiH、Siである。
(d)スパッタエッチング:
イオン種X+SiO2(d)→SiO2(g)+X ・・・・・(11)
ここで、イオン種XはAr、O、O 、Si である。
(e)SiOの直接成膜(スパッタ種の再付着、成膜):
SiO2(g)→SiO2(d) ・・・・・(12)
溝部への埋め込み特性は式(8)、式(10)に示されるイオン反応により改善され、式(9)、式(12)に示される反応により悪化される。本実施形態によれば、表面反応に必要な第1イオン種であるSi源イオン種SiH (SiH 、SiH 、SiH、Si)を増大させ、Si源中性ラジカル種SiH(SiH、SiH、SiH、Si、SiO)密度を減少させ、更に、第2イオン種である非Si源イオン種(Ar、O、O 等)密度を減少させるために、式(10)に示されるイオン反応が促進され、式(9)で示される中性ラジカル種の反応及び式(12)(式(11)の反応が抑制されるため)で示されるSiO膜に対するスパッタ反応が抑制される。そのため、従来方法では埋め込めなかった狭い配線間をSiO膜で埋め込むことが可能となる。
図4は、Si源イオン種密度のRFパワー依存性、及び(Si源イオン種密度/Si源中性ラジカル種密度)で定義されるSi源イオン種相対密度のRFパワー依存性を示す。図4は、ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・エンド・テクノロジー(J.Vac.Sci.Technol.),第A16巻,第2号,1998年に記載されたエレン・ミーク(Ellen Meeks)らの反応モデルを用いた反応シミュレーションの結果である。この反応シミュレーションは、完全混合槽(PSR)及び槽列モデルを解析するアプリケーションであるケミキン・アウロラ(Chemkin Aurora)を用いて計算した。図4に示すように、RFパワーが1kW以上では、RFパワーの増加とともに、Si源中性ラジカル種密度([SiH]=[SiH]+[SiH]+[SiH]+[Si]+[SiO])はあまり変化しない一方、Si源イオン種密度([SiH ]=[SiH ]+[SiH ]+[SiH]+[Si])は増大し続けることが分かる。その結果、図4に示すように、Si源イオン種相対密度(= Si源イオン種密度/Si源中性ラジカル種密度密度)は8kWまでは増大することが分かる。
図5は、RFパワー3kWにおけるSi源イオン種密度のSiHガス濃度依存性、及びSi源イオン種相対密度のSiHガス濃度依存性を示す。SiHガス濃度は、[SiH]/([SiH]+[O]+[Ar])で定義される。図5に示すように、SiHガス濃度の増大とともに、Si源中性ラジカル種(SiH)密度、Si源イオン種(SiH )密度ともに増大するが、Si源中性ラジカル種密度が飽和状態になるため、SiHガス濃度0.4以上においてSi源イオン種相対密度は、急激に増大する。即ち、SiHを噴出する第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・を斜め上方に向けたことより、高密度プラズマ形成領域11でのSiHガス濃度が高くなったことが分かる。この結果、Si基板5上の表面反応の反応速度(成長速度)を支配する第1イオン種(SiH )の、中性ラジカル種(SiH)に対する密度比が、0.015〜0.025になり、Si源イオン種(第1のイオン種)の中性ラジカル種に対する相対密度が高くなっていることが分かる。
図6は、RFパワー7kWにおけるSi源イオン種密度のSiHガス濃度依存性、及びSi源イオン種相対密度のSiHガス濃度依存性を示す。図6に示すように、SiHガス濃度の増大とともに、Si源中性ラジカル種(SiH)密度、Si源イオン種(SiH )密度ともに増大するが、Si源中性ラジカル種密度が飽和状態になるため、SiHガス濃度0.4以上においてSi源イオン種相対密度は、急激に増大する。この結果、「第1のガスから生成された第1のイオン種(SiH )」の、「第1のガスから生成された中性ラジカル種(SiH)」に対する密度比が、0.025〜0.045になり、Si源イオン種(第1のイオン種)の中性ラジカル種に対する相対密度が極めて高くなっていることが分かる。図5及び図6に示す結果を見れば、ガスにかかるRFパワー増大効果とSiHガス濃度増大効果の相乗効果により、Si源イオン種相対密度は高くなり、埋め込み限界が大きく改善されることが分かる。
実際の、Si源中性ラジカル種、Si源イオン種の基板へのフラックスΓ(SiH)、Γ(SiH+)はそれぞれ、
Γ(SiH) =(1/4)・[SiH]・v(SiH) ・・・・・(13)
Γ(SiH ) =0.6・[SiH ]・v(SiH ) ・・・・・(14)
v(SiH )= (2・q・Vdc/m1/2 ・・・・・(15)
で示される。ここで、qは電気素量、xはイオン化数、mはイオンの質量、Vdcはセルフバイアス電圧、v(SiH)は中性ラジカルの熱速度、v(SiH )はイオン種の基板入射速度である。典型的な一例をとると、Vdc=85V、温度T(gas)=700[K]の場合、
v(SiH)=660[m/s], v(SiH )=22000[m/s]
となり、Si源イオン種相対密度を約80倍したものがフラックス比となる。
図7は、第1の実施形態における埋め込み限界の向上を、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・のノズル角度(仰角)θ依存性として示す。図7中に示されるように、アスペクト比5程度では、従来例(θ=0°)では140nm程度に埋め込み限界があったが、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・のみを上向きにすることにより、溝部への埋め込み特性は大きく改善され、少なくとも8°≦θ≦40°の範囲において、溝部の深さ400nm〜800nm程度において、溝幅110nm程度までは、簡単に埋め込み可能であることが分かる。図示を省略しているが、更に条件を最適化すると、溝部の深さ400nm〜800nm程度において、溝幅95nmまで埋め込み可能である。条件の最適化には、式(11)及び(12)で示されるArイオンによるスパッタ、再付着・成膜(反応)を防止するために、Arガス流量を下げること、或いはArガスをまったく流さないことが有効となる。
一方、図7に示すように、膜厚均一性は第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・を上に向けたことにより、半導体基板5周辺部でのSi源が減少して基板5周辺部でCVD膜の成長速度が低くなるため、膜厚均一性が大きく変化する。実用レベルとして、均一性が±8%以下になる条件を要求すれば、角度は8°≦θ≦30°の範囲が好ましい。これらは、3sccm≦SiH流量/ノズル1本≦7sccm、10sccm≦O流量/ノズル1本≦26sccm、0sccm≦Ar流量/ノズル1本≦10sccmの範囲で有効となる。CVD膜の成長速度を落とさないため、又、SiO膜の絶縁特性確保するために、Oガス或いはO/Ar混合ガスは、水平に向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・から、低密度プラズマ形成領域(12a,12b)に供給される。
SiHガスの20%以下の流量となる少量であれば、キャリアガスとして、Ar等の希ガスも第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・からSiHに混合しても良い。即ち、本実施形態においては、第1のガスに、「表面反応に必要なイオン種を生成する化合物ガス」に対して、流量比で20%以下のキャリアガス等の他のガスが混合されていても、「イオン種を生成する化合物ガスのみから“実質的”になる」と解釈可能である。いずれにせよ、優れた溝部への埋め込み特性と優れた膜厚均一性を両立させるために、これらのノズル配置においては、角度は8°≦θ≦30°の範囲が有効となる。
既に、式(1)〜(6)を用いて説明したように、均一性を確保しつつ溝部への埋め込み特性を向上させるためには、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・のノズル長L、ノズル付け根高さH、角度θ、半導体基板5の大きさ(半径r)、プラズマ空間の大きさ、即ち反応室(1,2)大きさ(半径R)、誘電体容器2の天井から半導体基板5の表面までの高さH、基板ホルダ(4a,4b,4c,4d)と反応室(1,2)の側壁(胴)との間のギャップ長Lとの関係を最適化することが重要である。第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・の仰角θが、式(4)で定義される誘電体容器2の天井の中心を向く角度θよりも大きくなると、半導体基板5の周辺部へのSi源供給が大きく減少し、膜厚均一性を確保出来なくなる。逆に仰角θが小さく、ガス噴流広がりが半導体基板5に直接当たる方向を向いていると、半導体基板5周辺部での溝部への埋め込み特性が悪化すると共に、膜厚が局所的に大きくなり、均一性が悪化する。ノズル付け根高さHの上限についても同様な制限が加わる。又、ノズル長Lが短くなると排気側にガスが引っ張られ、原料効率が大きく悪化する。ノズル長Lが長すぎると、半導体基板5の周辺部での膜厚均一性確保が困難になり、高密度プラズマによるノズル劣化の問題も発生する。
本発明の第1の実施形態に係る第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・を用いる場合、プロセスの合間、例えば半導体基板5の搬送時等に微小パーティクルがノズル穴から入り込み、後の成膜プロセスでの安定性劣化となり得る。成膜時の原料ガスが流れている以外の時間において、希ガス、或いはN等の不活性ガスを流すことが長期安定性確保のために必要となる。
上記の説明では、SiO膜のプラズマCVDにおける表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスとして、SiHガスを例に説明したが、SiHガス以外でも、ジシラン(Si)ガス等のSi水素化物、四塩化珪素(SiCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)等のハロゲン化物、或いはテトラエチルシリケート(TEOS)等の有機ソースを第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から導入し、Oガス、CO、NO等の酸素を含むガスを水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から導入することにより、溝部への埋め込み特性、膜厚均一性に優れたSiO膜が成膜可能である。
図8は、図1に示す半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。図9(a)は、本実施形態に係る成膜用リングをその上方から臨んで示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)中破断線A−A’に沿って示す断面図である。
本実施形態は、基板もしくは基板上に形成された微細でアスペクト比の高い凹部(溝、段差)を、その内部に空孔(ボイド)を殆ど発生させずに所定の膜を用いて埋め込む成膜技術に係る。例えば、素子分離(STI)領域となる溝内に、高密度プラズマ(HDP)型のCVD装置を用いてシリコン酸化膜(SiO膜)を殆ど隙間無く埋め込む成膜技術に関する。具体的には、半導体基板を支持する基板支持具に半導体基板を囲むように取り付けられる成膜用リングを、プラズマ状態の原料ガス(成膜原料)が半導体基板の縁部付近において半導体基板に向かって斜めに入射するのを抑制できる形状に形成する。より詳しくは、イオン化されたプラズマ状態の原料ガス(成膜原料)の各成分が、半導体基板の縁部付近において半導体基板に向かって略垂直に入射するように電界を生じさせることができる空間を、成膜用リングの周囲に設ける。これにより、半導体基板の成膜処理が施される側の主面に対する原料ガスの入射方向のうち、その主面の法線方向に沿った垂直成分を半導体基板の縁部付近で増加させて、埋め込み特性を向上させる。以下、詳しく説明する。なお、以下の説明において、イオン化されたプラズマ状態の原料ガスの各成分のことを、単にプラズマ状態の原料ガスと称することとする。
以下、図1に示すICP(Induction Coupled Plasma)方式のHDP−CVD装置を用いて、半導体基板5上にシリコン酸化膜(SiO膜)を成膜する。図1に示したように、このCVD装置内には、半導体基板5を支持する基板ホルダ4が設けられている。本実施形態の基板ホルダ4は、いわゆる静電チャック(E−チャック、E−chuck)であり、静電気力により半導体基板5を吸着する。また、この静電チャック4には、半導体基板5を冷却するための図示しない冷却孔が複数個設けられている。各冷却孔からは、冷却媒体として例えばHeガスが、静電チャック4が吸着した半導体基板5と静電チャック4の吸着面4a1との間に導入される。これにより、静電チャック4が吸着した半導体基板5を処理室内の雰囲気に拘らず効率良く冷却して、CVD装置の成膜能力を向上させることができる。すなわち、CVD装置による凹部(溝、段差)の埋め込み特性を向上させることができる。
さらに、静電チャック4には、図1および図8に示すように、後述する成膜用リング13が設けられる。成膜用リング13は、静電チャック4に吸着された半導体基板5をその外側から囲むように静電チャック4に取り付けられる。成膜用リング13は、絶縁性を有する材料により形成されている。このため、処理室内にプラズマが生成されると成膜用リング13はマイナスに帯電し、その表面に沿うように電界(等電位面)が生じる。これにより、処理室内で生成されたプラズマ状態の原料ガスを、成膜用リング13の内側に位置する半導体基板5の上面5aに向けて収束させることができる。すなわち、プラズマ状態の原料ガスを、半導体基板5の被処理面(上面)5aに向けて収束させることができる。この成膜用リング13は、フォーカスリングとも称される。以下、本実施形態の成膜用リング13について詳しく説明する。
図9(a)に示すように、本実施形態の成膜用リング13は、半導体基板5の縁部に沿う環形状に形成されている。具体的には、成膜用リング13は、半導体基板5の縁部に沿うように略円環形状に形成されたリング本体14のみから構成されている。図1、図8、および図9(b)に示すように、リング本体14は、その断面視において、内縁部(内側壁部)14aがその外側の部分よりも高い略L字形状に形成されている。より具体的には、リング本体14は、図8および図9(b)中h1で示す、その内縁部14aの上面と内縁部14aの外側の部分の上面との高さの差が約3.5mmに形成されている。それとともに、リング本体14は、図8および図9(a)中w1で示す、その内縁部14aの外側面からリング本体14の外縁(外周側面)までの幅が約38mmに形成されている。すなわち、リング本体14の内縁部14aの高さh1は、内縁部14aの外側の部分のリング本体14の径方向に沿った幅w1の1/11以上の大きさに設定されている。
このように、成膜用リング13のうち、半導体基板5の被処理面5aに平行な部分の殆どは、リング本体14の内縁部14aの上面から約3.5mm低く下げられた位置において、成膜用リング13の径方向外側に向けて張り出されて形成されている。また、リング本体14は、図9(a)中Rで示す、その内径(内縁部14aの内径)が約198mmに形成されている。また、リング本体14の内縁部14aの厚さは、リング本体14の内縁部14aの高さh1に比べて十分に薄く設定されている。さらに、本実施形態のリング本体14は、絶縁性を有する材料であるセラミックを用いて形成されている。したがって、本実施形態の成膜用リング13は、セラミックリングとも称される。
リング本体14は、その内縁部14aが半導体基板5の縁部に沿って、かつ、内縁部14aの上面が半導体基板5の被処理面5aと同等以下の高さに位置して、静電チャック4に取り付けられる。本実施形態では、図8に示すように、リング本体14は、その内縁部14aの上面が静電チャック4の吸着面4a1と略同じ高さに位置して静電チャック4に取り付けられる。すなわち、リング本体14は、その内縁部14aが半導体基板5の縁部に沿って、かつ、内縁部14aの上面が半導体基板5の被処理面5aの裏面と略同じ高さに位置して、静電チャック4に取り付けられる。
高密度プラズマCVD装置を用いてシリコン酸化膜を成膜する場合、シリコン酸化膜の堆積とスパッタリングとが平行して起こる。これにより、基板の表層部もしくは基板の上方に形成された凹部や溝の開口部、あるいは段差などの上部に一旦堆積したシリコン酸化膜がスパッタリングされ、堆積していた箇所とは反対側の側壁などに再付着する。この結果、凹部や溝の開口部、あるいは段差などの上部に、シリコン酸化膜からなるオーバーハング部が形成される。特に、ウェーハの縁部(ウェーハエッジ部)では、ウェーハの中央部(ウェーハセンター部)と異なり、プラズマ状態の原料ガスがウェーハの中央側から径方向外側に向かって、ウェーハの被処理面にその斜め上方から入射する。このため、ウェーハエッジ部においては、凹部や段差などのウェーハの径方向外側の箇所に形成されるオーバーハング部が、その他の箇所に形成されるオーバーハング部よりも大きくなる。そして、そのような環境下で成膜処理を続けると、ウェーハエッジ部では、オーバーハング部により凹部や溝の開口部(間口)が容易に塞がれてしまう。すなわち、ウェーハエッジ部では、凹部や溝の内部にボイド(空孔)が容易に生じてしまう。
また、前述したように、処理室内にプラズマが生成されると絶縁体からなるフォーカスリングに電子が帯電し、その表面に沿うように電界(等電位面)が生じる。図示は省略するが、従来のフォーカスリングは、前述した本実施形態のセラミックリング13と異なり、表面に段差や凹部の無い平坦な円環形状に形成されている。あるいは、従来のフォーカスリングは、本実施形態のセラミックリング13とは反対に、内縁部がその外側の部分よりも低く下げられて形成されている。したがって、従来のフォーカスリングを用いると、ウェーハおよびフォーカスリングの周囲では、ウェーハの被処理面と略同等以上の高さに電界が発生する。これにより、ウェーハのエッジ部付近においては、プラズマ状態の原料ガスがウェーハの中央側から径方向外側に向かって被処理面に対して斜め上方から引き寄せられる。この結果、ウェーハエッジ部において、凹部や段差などのウェーハの径方向外側の箇所に形成されるオーバーハング部が、その他の箇所に形成されるオーバーハング部よりも大きくなる傾向がさらに助長される。
この結果、ウェーハエッジ部において、オーバーハング部により凹部や溝の開口部が極めて容易に塞がれて、それらの内部にボイドが極めて容易に生じてしまう。すなわち、従来のフォーカスリングを用いると、ウェーハエッジ部における凹部などの埋め込み特性が、ウェーハセンター部における凹部などの埋め込み特性に比べてさらに劣化する。そして、凹部などの埋め込み特性が劣化して凹部などの内部にボイドが生じると、ウェーハ(半導体基板)の品質、性能、および歩留まりなどが低下するとともに、ウェーハの製造コストが高騰する。ひいては、そのようなウェーハを備えた半導体装置の品質、性能、および歩留まりなどが低下するとともに、製造コストが高騰する。
これに対して、本実施形態の成膜用リング13(リング本体14)は、前述したように、内縁部14aがその外側よりも約3.5mm高く形成されている。そして、成膜用リング13は、その内縁部14aの上面が半導体基板5の被処理面5aの裏面と略同じ高さに位置して静電チャック4に取り付けられる。すなわち、静電チャック4に取り付けられた成膜用リング13の内縁部14aは、図8に示すように、半導体基板5の縁部に近接しつつ、半導体基板5の被処理面5aと直交する方向に沿って被処理面5aから約3.5mm以上下方に向けて延ばされている。それとともに、静電チャック4に取り付けられた成膜用リング13のうち、半導体基板5の被処理面5aに平行な部分の殆どは、半導体基板5の被処理面5aから約3.5mm以上低く下げられた位置において、半導体基板5および成膜用リング13の径方向外側に向けて張り出されている。このような構造からなる成膜用リング13をHDP−CVD装置に適用すると、次に述べるような現象が生じる。
先ず、処理室内にプラズマが生成されると、図8に示すように、成膜用リング13に電子が帯電する。これにより、半導体基板5の被処理面5a付近、ならびに成膜用リング13の表面付近およびその内部を通過するように、図示しない電界(等電位面)が発生する。前述したように、成膜用リング13の内縁部14aは、半導体基板5の被処理面5aに対して略垂直かつ下向きに延びる垂直部として、半導体基板5の縁部近傍においてその表面積を広げられて設けられている。このため、半導体基板5の縁部近傍においては、半導体基板5の被処理面5aおよび外側面、ならびに成膜用リング13の内縁部14aの上面および外側面に沿って曲がるように電界が発生する。すなわち、等電位面は、半導体基板5の被処理面5aおよび成膜用リング13の内縁部14aの双方に対して斜め下向きの勾配(傾き)を付けられるように半導体基板5の縁部近傍を通過する。また、等電位面は、半導体基板5の縁部近傍において半導体基板5の被処理面5aの上方から被処理面5aの下方に向かって延びるように発生する。さらに、等電位面は、半導体基板5の被処理面5a付近から被処理面5aよりも低い位置に下がる際に、半導体基板5の縁部近傍を収束しつつ通過する。すなわち、半導体基板5の被処理面5a付近には、半導体基板5の縁部付近において等電位面同士の間隔が密になる電界が形成される。
このように、半導体基板5の被処理面5aに対して略垂直下向きに延ばされた成膜用リング13の内縁部14aに電子が帯電すると、半導体基板5の縁部付近には、半導体基板5の表面に沿って半導体基板5の被処理面5aの上方から被処理面5aの下方に向かって下がるように電界が形成される。プラズマ状態の原料ガスは、電界(等電位面)に対して略垂直な方向から入射する。それとともに、プラズマ状態の原料ガスは、等電位面同士の間隔が疎な領域よりも密な領域に向けてより強く引き寄せられる。したがって、成膜用リング13を用いることにより、プラズマ状態の原料ガスは、半導体基板5の縁部付近において半導体基板5の径方向外側(縁部側)から半導体基板5の径方向内側(中央部側)へ向けて引き寄せられる。以下、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の径方向外側から径方向内側へ向けて引き寄せる電界の成分(力)を、例えば内向き成分と称することとする。また、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の径方向内側から径方向外側へ向けて引き寄せる電界の成分(力)を、例えば外向き成分と称することとする。
成膜用リング13を用いることにより半導体基板5の縁部付近に発生する電界の内向き成分は、例えば前述した従来のフォーカスリングを用いる場合などに半導体基板5の縁部付近に発生する電界の外向き成分に対して逆向きである。したがって、電界の内向き成分を発生させることにより、電界の外向き成分を実質的に抑制(緩和)することができる。すなわち、成膜用リング13を用いることにより、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の径方向内側へ向けて引き寄せる力が、半導体基板5の縁部近傍において実質的に増大された電界を発生させることができる。これにより、半導体基板5の縁部近傍において、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の中央部側から縁部側へ向けて被処理面5aに対して斜め上方から入射させる力を低減することができる。この結果、半導体基板5の縁部において、半導体基板5の被処理面5aに対してその上方から被処理面5aの法線方向に略沿うように、プラズマ状態の原料ガスを供給することができる。ひいては、半導体基板5の被処理面5a上の位置に拘らず、被処理面5aに対してその上方から被処理面5aの法線方向に略沿うように、プラズマ状態の原料ガスを供給することができる。
また、電界の内向き成分を増大させるにつれて、電界の外向き成分をより低減することができる。好ましくは、電界の外向き成分と互いに相殺し合う大きさの電界の内向き成分を半導体基板5の縁部付近に発生させることができる形状に、成膜用リング13を形成するとよい。これにより、半導体基板5の縁部付近において電界の内向き成分と外向き成分とを互いに打ち消し合わせて、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の径方向に沿って引き寄せる電界の成分を殆ど消滅させることができる。この結果、半導体基板5の被処理面5a上の位置に拘らず、半導体基板5の表層部あるいは半導体基板5の上方に設けられた図示しない凹部等の中に、被処理面5aの法線方向に略沿った方向からプラズマ状態の原料ガスを入射させることができる。具体的には、図8中実線矢印で示すように、半導体基板5の縁部付近において、図示しないイオン化されたプラズマ状態のSiO薄膜の原料ガス(成分)を、被処理面5aに対して略垂直な方向から凹部等の底部まで到達させることができる。
以上説明したように、この第1の実施形態によれば、半導体基板(ウェーハ)5の縁部付近に、半導体基板5の被処理面5aに平行な方向から垂直な方向に向かうように、半導体基板5の被処理面5aより低い位置に向う電界を生じさせることができる。これにより、半導体基板5上の位置に拘らず、イオン化されたプラズマ状態の原料ガス(成膜原料)の各成分を半導体基板5の被処理面5aに対して略垂直な方向から半導体基板5に向けて供給して、成膜処理の埋め込み特性を向上させることができる。この結果、従来のHDP成膜では埋め込み不可能であった微細でアスペクト比の高いSTI(凹部)を、ボイドを殆ど作ること無く薄膜を用いて埋め込むことが出来る。すなわち、半導体基板5あるいは半導体基板5の上方に形成された微細でアスペクト比の高い凹部を、その形成された位置に拘らず、殆ど隙間なく、かつ、容易に埋め込むことができる。また、本実施形態に係る成膜用リング13、半導体装置の製造装置、または本実施形態に係る半導体装置の製造方法を用いて製造される図示しない半導体装置は、成膜処理の埋め込み特性が向上されたプラズマ状態の原料ガスを用いる成膜処理が施された半導体基板を具備している。したがって、本実施形態に係る半導体装置は、その品質、性能、および歩留まりが向上されている。
(第2の実施形態)
第1の実施形態ではICP型プラズマCVDを説明したが、第2の実施形態ではプラズマエッチングを説明する。第2の実施形態に係るプラズマエッチングに用いるプラズマ処理装置の構成は、実質的に図1及び図2に示す構成と同様である。但し、プラズマCVDとは導入するガスが異なり、特に、水平方向の第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・からは、基板5の表面反応に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスとHeガスとを噴射する点が主なる相違点である。又、第1の実施形態に係るプラズマCVD装置では、図示を省略したガス冷却手段が基板ホルダ4(4a,4b,4c,4d)の内部に収納されていると説明したが、第2の実施形態に係るプラズマエッチング装置では、半導体基板5を冷却するための水冷配管が設けられている点が異なる。ウェハステージとなる基板ホルダ上部4aの冷却方法については、冷媒として液体窒素、液体ヘリウムやフロロカーボンを使っても構わない。他は、第1の実施形態に係るICP型プラズマCVD装置と実質的に同様であるので、プラズマ処理装置の構造の重複した記載を省略する。
ここでは、図1及び図2に示すICP型プラズマCVD装置を、プラズマエッチング装置として説明する。即ち、図1及び図2に示すプラズマ処理装置において、反応室(1,2)の第1低密度プラズマ形成領域12aに隣接した側壁部から高密度プラズマ形成領域11方向に向かって傾斜した方向に沿って、半導体基板5の表面反応に必要、若しくは表面反応の反応速度(エッチング速度)を支配するイオン種(第1の実施形態の「第1イオン種」に対応する。)を生成する化合物ガスのみから実質的に構成された第1のガスを噴射し、この第1のガスを噴射するステップと同時に、反応室(1,2)の第1低密度プラズマ形成領域12aに隣接した側壁部から基板5の表面に対して平行方向に基板5の表面反応(エッチング反応)に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスを噴射することにより、第2の実施形態に係るプラズマエッチングが実施出来る。そして、高密度プラズマ形成領域11、第1低密度プラズマ形成領域12a及び第2の低密度プラズマ形成領域12bに高周波電界を印加することにより、高密度プラズマ形成領域11にイオン種が高密度に生成された高密度プラズマが生成され、第1低密度プラズマ形成領域12a及び第2の低密度プラズマ形成領域12bに低密度プラズマが生成される。そして、生成されたイオン種及びラジカル種がイオン走行領域10を介して半導体基板5の表面に到達し、半導体基板5の表面において、イオン種及びラジカル種を介した表面反応によりプラズマエッチングが促進する。
RIEにおいては、イオン種の異方性を用いて奥行き方向に長くエッチングを進めるが、アスペクト比の大きいトレンチやコンタクトホール、或いはバイアホールを開孔するためには、イオン種と中性ラジカル種の密度制御が重要となる。中性ラジカル種は、エッチング表面での反応層生成、及びエッチング中に現れる側壁保護のために用いられる。一般には、イオン種の生成量不足が発生する。
具体的には、エッチング速度を支配するイオン種を生成する化合物ガスのみから実質的に構成された第1のガスとして、例えば、CH イオンを生成しやすいハロゲン化アルキルのガス、例えば沃化メチル(CHI)ガス、塩化メチル(CHCl)ガス、若しくはフッ化メチル(CHF)ガスを用いる。一方、第2のガスとして、CFラジカルを生成しやすいパーフルオロカーボンのガス、例えばテトラフルオロエチレン(C)ガス、若しくはパーフルオロソンクロブタン(C)ガスを用いる。CHIガス等のハロゲン化アルキルを用いることでイオン種密度は増大するが、それでも不足が残る。第2の実施形態に係るプラズマエッチング装置においては、ハロゲン化アルキルのガスとHeガスとを第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から導入し、パーフルオロカーボンのガスとHeガスとを水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から導入することにより、ハロゲン化アルキルの分解効率が上昇し、表面反応に不足するイオン種を増大させることが可能となる。その結果、開口幅が100nmレベルで、アスペクト比の大きなトレンチ、コンタクトホール、バイア・ホール等が高精度、且つ再現性良く、エッチング出来る。
ハロゲン化アルキル/パーフルオロカーボン系以外でも、イオン種生成を目的とするガスを第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から導入し、中性ラジカル種生成を目的とするガス、或いはイオン種生成目的以外のガスを水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から導入することにより、同様に、アスペクト比の大きなトレンチ、コンタクトホール、バイア・ホール等が高精度、且つ再現性良く、エッチング出来る。
(第3の実施形態)
ノズルの仰角θを最適化することにより、増大するイオン量とラジカル量を制御することが可能となる。例えば、プラズマCVDにおいては、厳しい溝部への埋め込み特性を必要とする部分には第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・を用い、デポレートを優先するプロセスでは仰角θを小さくする、水平にする、或いは水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・からSiHガスとHeガス等を導入することにより、高速プロセスが達成される。一つの成膜プロセス中でも、埋め込み後は仰角θを小さく変え、或いは水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・を用いて成膜レートを大きくし、スループットを稼ぐことも可能となる。
エッチングにおいては、エッチング速度と異方性形状(エッチング形状)を制御が可能となる。
角度調整機構は、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・全体で同時に調節される機構と、1本1本個々に調節される機構がある。個々の制御機構の場合には、膜厚分布改善のために、ノズル個体差補正のために、微調整が可能となる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1の実施形態においては、SiO膜のプラズマCVDを例に説明したが、水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から流すガスを、窒素(N)ガス、アンモニア(NH)ガス等の窒素を含む化合物ガスとHeガス、或いは水素(H)ガスとHeガスに換えると、溝部への埋め込み特性、膜厚均一性に優れたシリコン窒化膜(Si膜)或いはアモルファスシリコンa−SiH膜がプラズマ反応を用いて成膜可能となる。又、SiHガスと共に、第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・からモノゲルマン(GeH)ガス、フッ化ゲルマニウム(GeF)ガスとHeガスを、第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・からメタン(CH)ガス、エタン(C)ガス、エチレン(C)ガス、アセチレン(C)ガス等のガスとHeガスを導入することにより、溝部への埋め込み特性、膜厚均一性に優れたa−SiC、a−SiGe:H膜も成膜可能となる。
更に、第1のガスとなる「表面反応に必要なイオン種(第1イオン種)を生成する化合物ガス」として6フッ化タングステン(WF)を第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から噴射し、第2のガスとして、SiHガス若しくはHガスを第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から噴射すれば、タングステン(W)膜が堆積出来る。同様に、第1のガスとして4塩化チタン(TiCl)ガスを第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から噴射し、第2のガスとしてNHガス,Hガス、若しくはNガスを第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から噴射すれば、窒化チタン(TiN)膜が堆積出来る。この様にすれば、100nmレベルの微細なコンタクトホールやバイアホールへのW,TiN膜等の金属膜の埋め込み特性を改善し、電気伝導特性、信頼性、膜厚均一性に優れた金属配線が成膜可能である。この様に、イオン化を目的としたガスとHeガスとを第1ノズル801,・・・・・,807,・・・・・から導入し、その他のガスとHeガスとを水平方向を向いた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・から導入することにより、種々のメタル膜、ダイヤモンド膜、セラミック膜、化合物半導体膜が堆積可能である。
既に述べた第1〜第3の実施形態の説明においては、プラズマCVD、プラズマエッチングの系で説明したが、これ以外のアッシング等の場合であっても、イオン化が必要なガスを高密度なプラズマ部に導入し、他の原料ガスを低密度なプラズマ領域に導入することにより、イオン種密度を増大させることが可能となる。
又、容器基体1の前後に基板搬送ゲートバルブを介して真空予備室が配置するようにしても良い。こうすれば、半導体基板5の搬送は、まず半導体基板5を真空予備室(ロードロック室)内にセットし、真空予備室を真空排気後、基板搬送ゲートバルブを開け、セットされた半導体基板5をローダーロボットアームにより容器基体1内に移す。次に基板ホルダ上部4a周辺に配置される基板受け渡しのためのピン上に移し、このピンを下げることで半導体基板5を基板ホルダ上部4aにセットし、所定の静電チャック電圧を埋め込み電極に印加し、静電チャックで半導体基板5をクランプするようにしても良い。
なお、図1に示すようなプラズマ処理装置を用いれば、以下のような工程で半導体装置が製造可能である。
(イ)まず、半導体基板(Si基板)5の表面を熱酸化し、300nm〜800nmの酸化膜を形成する。そして、フォトレジスト膜を酸化膜の表面にスピン塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジスト膜をパターニングする。そして、このフォトレジスト膜をマスクとして、RIEなどにより酸化膜をエッチングする。酸化膜をエッチング後、フォトレジスト膜を除去する。そして、パターニングされた酸化膜をマスクとして、半導体基板5の表面に、図3に示すような開口部の幅lが95nm〜130nm、深さ400nm〜800nmの溝部を設ける。溝部形成後、エッチング用マスクとして用いた酸化膜を除去する。
(ロ)次に、図1に示すプラズマ処理装置の容器基体1の側壁に、基板搬送ゲートバルブ(図示省略)を介して設けられた真空予備室(図示省略)の内部に、溝部を設けられた半導体基板5を配置する。そして、この真空予備室を真空排気後、基板搬送ゲートバルブを開け、真空予備室にセットされた半導体基板5をローダーロボットアームにより容器基体1内に移す。次に基板ホルダ上部4a周辺に配置される基板受け渡しのためのピン上に移し、このピンを下げることで半導体基板5を基板ホルダ上部4aにセットし、所定の静電チャック電圧を埋め込み電極に印加し、静電チャックで半導体基板5をクランプする。そして、ローダーロボットアームを戻し、基板搬送ゲートバルブを閉じる。この結果、反応室(1,2)内部に、半導体基板5が配置される。
(ハ)次に、図1に示すプラズマ処理装置の真空排気配管16に接続された主ゲートバルブ(図示省略)を開け、反応室(1,2)内の圧力を、容器基体1に設けられた圧力測定器でモニタしながら、10−3Pa〜10−7Pa程度の所定の圧力に到達するまで真空排気する。この際、真空排気配管16に主ゲートバルブを介して接続されたケミカル型ターボ分子ポンプ等の真空排気ポンプを用いる。
(ニ)所定の圧力に到達したら、基板温度制御用のガス冷却手段を用いて、半導体基板5の冷却を開始する。更に、図1に示すように、反応室(1,2)の側壁部に設けられ、第1低密度プラズマ形成領域12aに根本部を有し、先端部が高密度プラズマ形成領域11方向に向かう第1ノズル801,802,・・・・・,812を用い、基板表面の仰角θ方向に、シリコンの水素化合物(SiH)ガスとHeガスとを噴射する。この際、第1ノズル801,802,・・・・・,812に接続されたガス配管81の一部に設けられたマスフローコントローラ等の導入ガス制御バルブで、シリコンの水素化合物ガスとHeガスの流量を制御する。又、真空排気配管16に接続された圧力制御バルブを利用してCVD圧力を制御する。
(ホ)シリコンの水素化合物ガスを噴射するステップと同時に、図1に示す第1低密度プラズマ形成領域12aに設けられた第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・を用いて、半導体基板5の表面に対して平行方向に、酸素ガス若しくは酸素の化合物ガスとHeガスとを噴射する。この際、第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・に接続されたガス配管の一部に設けられた導入ガス制御バルブで、酸素ガス若しくは酸素の化合物ガスとHeガスの流量を制御する。又、真空排気配管16に接続された圧力制御バルブを利用してCVD圧力を制御する。
(ヘ)RF電源6からの、例えば13.56MHzの高周波電力をRFコイル3に供給し、高周波電界を印加することにより、高密度プラズマ形成領域11にSi源イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成し、第1低密度プラズマ形成領域12a及び第2の低密度プラズマ形成領域12bに低密度プラズマを生成する。この際、図1に示す埋め込み電極4dには、RFバイアス電源7を用い、例えば13.56MHzのRFバイアスを印加する。この結果、Si源イオン種を介した表面反応により、シリコン酸化膜59が半導体基板5の表面に堆積し、図3(a)に示すように溝部が埋め込まれる。図3(a)は、埋め込みの途中の段階の模式図であるが、更に深さ400nm〜800nmの溝部が完全に埋まるまで堆積を続ける。
(ト)溝部が完全に埋まれば、RF電源6及びRFバイアス電源7のスイッチを切り、更に第1ノズル801,802,・・・・・,812及び第2ノズル901,・・・・・,905,・・・・・からのガス供給を停止する。そして、図1に示すプラズマ処理装置の真空排気配管16に接続された主ゲートバルブ(図示省略)を閉じ、容器基体1の側壁に設けられた基板搬送ゲートバルブ(図示省略)を介して、真空予備室(図示省略)の半導体基板5を戻す。そして、基板搬送ゲートバルブを閉じた後、真空予備室の窓を開け、半導体基板5を大気中に取り出す。
(チ)この後、必要に応じて化学的機械研磨(CMP)等を用いて、シリコン酸化膜59の表面を平坦化する。この後は、フォトリソグラフィー技術を駆使した選択的イオン注入等の周知の半導体製造プロセスであるので、説明を省略する。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る第4の実施形態を図10を参照しつつ説明する。図10は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態は、成膜用リングの形状が前述した第1実施形態の成膜用リング13の形状と異なっている。以下、具体的に説明する。
図10に示すように、本実施形態の成膜用リング(リング本体)21は、その外縁部21bの上面が内縁部21aの上面よりも若干低く位置して形成されている。それとともに、リング本体21の内縁部21aと外縁部21bとの間に、実質的にリング本体21の上面から凹まされて、高さがh2、幅がw2からなる第1の凹部22が形成されている。例えば、第1の凹部22の高さh2は約6mmに、また幅w2は約12mmに設定される。このような形状からなる成膜用リング21を、HDP−CVD装置とともに使用する。これにより、図10中実線矢印で示すように、イオン化されたプラズマ状態のシリコン酸化膜(SiO薄膜)の原料ガスを、半導体基板5の被処理面5aに対して略垂直な方向から供給することができる。
なお、本実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置は、前述した第1実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置と同様なので、それらの説明を省略する。
以上説明したように、この第4実施形態によれば、図10中実線矢印で示すように、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、半導体基板5上の凹部をHDP−CVD装置によりSiO薄膜を成膜して埋め込む際に、成膜用リング21を用いることにより、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の中央部側から縁部側へ向けて被処理面5aに対して斜め上方から入射させる力(イオンの斜め成分)を抑制することができる。これにより、半導体基板5上の位置に拘らず、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の被処理面5aに対して略垂直な方向から半導体基板5に向けて供給して、成膜処理の埋め込み特性をより向上させることができる。この結果、半導体基板5の表層部あるいは半導体基板5の上方に形成された微細でアスペクト比の高い凹部を、その形成された位置に拘らず、SiO薄膜により殆ど隙間なく、かつ、容易に埋め込むことができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態を図11〜図13を参照しつつ説明する。図11は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。図12は、第1,第4,第5の各実施形態に係る半導体装置の製造装置による凹部の埋め込み特性をグラフを用いて示す図である。図13は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の付近に発生する電界をシミュレーションした結果を簡略化して示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態は、成膜用リングの形状が前述した第1実施形態の成膜用リング13の形状と異なっている。以下、具体的に説明する。
図11に示すように、本実施形態の成膜用リング(リング本体)31は、その外縁部31bの上面が内縁部31aの上面と同等以下の高さに形成されている。それとともに、外縁部31bの上部は、成膜用リング31の径方向外側から径方向内側に向けて延ばされて形成されている。ただし、外縁部31bの上部は、内縁部31aに接触していない。なお、以下の説明において、成膜用リング31の外縁部31bの上部をオーバーハング部31cと称することとする。
また、リング本体31の内縁部31aの外側には、前述した第4実施形態の成膜用リング21と同様に、実質的にリング本体31の上面から凹まされて、高さがh3の第1の凹部32aが形成されている。それとともに、リング本体31の内縁部31aの外側には、第1の凹部32aの底部に連通する幅(奥行き)がw3の第2の凹部32bが、リング本体31の径方向外側(外縁部31b)に向けて形成されている。例えば、第1の凹部32aの高さh2は約6mmに、また第2の凹部32bの幅w2は約24mmに設定される。
図13に、本実施形態の成膜用リング31をHDP−CVD装置33とともに使用する場合に成膜用リング31および半導体基板5の付近に発生する電界をシミュレーションした結果を示す。この図13によれば、本実施形態の成膜用リング31を用いることにより、第1実施形態の成膜用リング13および第4実施形態の成膜用リング21を用いる場合と同様に、半導体基板5の被処理面5a付近、ならびに成膜用リング31の内縁部31aの表面付近および内部を通過するように等電位面を発生させることができることが分かる。また、成膜用リング31を用いる場合、図13中実線矢印で示す部分に電界(等電位面)が密集することが分かる。本実施形態では、第1および第4の各実施形態と異なり、第1の凹部32a内および第2の凹部32b内に等電位面が集まることが分かる。すなわち、等電位面が、誘電率の低い空間に集まることが分かる。このため、等電位面は、図13中実線の円で囲んで示すように、成膜用リング31の内縁部31a付近において半導体基板5の被処理面5aの上方から第1の凹部32aの底部に向かうように、斜め下向きの勾配を付けられて半導体基板5の縁部近傍を通過する。この際、等電位面は、半導体基板5の縁部近傍を収束しつつ通過する。
このように、半導体基板5および成膜用リング31の近傍に発生する等電位面は、第1の凹部32aにより半導体基板5の被処理面5aより下側に下げられる。そして、第1の凹部32aで被処理面5aより低い位置に下げられた等電位面は、その高さを、第2の凹部32bによって第1および第2の各実施形態よりも成膜用リング31の内縁部31aから遠い位置まで保持される。具体的には、第1の凹部32aの底部付近に収束された等電位面は、第2の凹部32bを通過するまで第2の凹部32bの高さと同等以下の高さに保持される。それとともに、少なくとも第1の凹部32aの中央部から第2の凹部32bの入り口付近にかけては、成膜用リング31のオーバーハング部31cの下面から図13中実線矢印で挟んで示す間隔(高さ)Dだけ、等電位面がさらに下げられる。このため、半導体基板5の縁部付近には、等電位面同士の間隔が第1および第4の各実施形態の等電位面同士の間隔がよりも密な電界が形成される。すなわち、半導体基板5の縁部近傍に、電界の内向き成分がより増大された電界を発生させることができる。このように、半導体基板5の縁部付近において電界の内向き成分をより増大させることにより、電界の外向き成分をより低減させることができる。この結果、プラズマ状態の原料ガスを半導体基板5の中央部側から縁部側へ向けて被処理面5aに対して斜め上方から入射させる力(イオンの斜め成分)を、より抑制することができる。
図12に、本発明者らが行った凹部の埋め込み特性の実験結果を示す。この実験は、前述した第1,第4,第5の各実施形態の成膜用リング13,21,31をHDP−CVD装置とともに用いた場合の、各成膜用リング13,21,31の内縁部14a,21a,31aの高さhと、埋め込み可能な凹部のアスペクト比との関係を調べたものである。すなわち、凹部(トレンチ)と半導体基板5の被処理面5aとの距離に対する、各成膜用リング13,21,31が取り付けられたHDP−CVD装置により埋め込み可能な凹部のアスペクト比の依存性をグラフにより示すものである。図12によれば、各成膜用リング13,21,31の内縁部14a,21a,31aの高さhが、第1実施形態の成膜用リング13の内縁部14aの高さh1と同じ約3.5mmの場合、ボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比は各成膜用リング13,21,31とも全て約4.15であった。
ところが、各成膜用リング13,21,31の内縁部14a,21a,31aの高さhを、第4および第5の各実施形態の成膜用リング13,21の内縁部14a,21aの高さh1,h2と同じ約6mmにした場合、ボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比は各成膜用リング13,21,31で異なっていた。具体的には、第1実施形態の成膜用リング13でボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比は約4.23であった。これに対して、第4実施形態の成膜用リング21でボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比は約4.27であった。さらに、第5実施形態の成膜用リング31でボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比は約4.37であった。このように、各成膜用リング13,21,31の内縁部14a,21a,31aの高さhを約6mmに設定すると、従来では殆ど不可能であったアスペクト比が約4.2以上の凹部を、ボイドを殆ど作らずに埋め込むことができることが分かった。また、第1実施形態の成膜用リング13に比べて、第4実施形態の成膜用リング21の方が埋め込み特性が高いことが分かった。同様に、第4実施形態の成膜用リング21に比べて、第5実施形態の成膜用リング31の方が埋め込み特性が高いことが分かった。なお、この場合の第1実施形態の成膜用リング13の内縁部14aの高さh1は、幅w1の約1/7以上の大きさになっている。
また、第5実施形態の成膜用リング31の内縁部31aの高さhを約9mmにした場合、ボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比は約4.55であった。すなわち、各成膜用リング13,21,31の内縁部14a,21a,31aの高さhを約3.5mmに設定した場合に比べて、ボイドを殆ど作らずに埋め込むことができた凹部のアスペクト比を約1割も高めることができた。すなわち、第5実施形態の成膜用リング31の内縁部31aの高さhを約9mmに設定すると、ボイドを殆ど作らずに埋め込み可能な凹部のアスペクト比は極めて高くなる。
なお、本実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置は、前述した第1実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置と同様なので、それらの説明を省略する。
以上説明したように、この第5実施形態によれば、図11中実線矢印で示すように、前述した第1および第4の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、成膜用リング31の内縁部31aの高さhを約6mm以上に設定することにより、埋め込み特性をさらに向上させて、アスペクト比が極めて高い凹部を埋め込むことができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態を図14を参照しつつ説明する。図14は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態は、成膜用リングの形状が前述した第1実施形態の成膜用リング13の形状と異なっている。以下、具体的に説明する。
図14に示すように、本実施形態では、前述した第5実施形態の成膜用リング(リング本体)31を用いる。ただし、第2の凹部32b内に、セラミックよりも誘電率が低い低誘電率物質41を設ける。これにより、半導体基板5の周囲および成膜用リング31の近傍に発生する電界を、低誘電率物質41の内部、すなわち第2の凹部32b内に積極的に通すことができる。
なお、本実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置は、前述した第1実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置と同様なので、それらの説明を省略する。
以上説明したように、この第6実施形態によれば、図14中実線矢印で示すように、前述した第1,第4,第5の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、成膜用リング31に設けられた第1の凹部32aの外側に第2の凹部32bを設けるとともに、この第2の凹部32b内に低誘電率物質41を設ける。これにより、第1の凹部32aで半導体基板5の被処理面5aより下側に下げられた等電位面を、セラミック材とセラミック材とで挟み込まれた低誘電率物質41内に実質的に強制的に通過させる。この結果、イオンの斜め成分をさらに抑制して、埋め込み特性をさらに向上させることができる。すなわち、第5実施形態と同様に、アスペクト比が極めて高い凹部を埋め込むことができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明に係る第7実施形態を図15を参照しつつ説明する。図15は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態は、成膜用リングの形状および構成が前述した第1実施形態の成膜用リング13の形状と異なっている。以下、具体的に説明する。
図15に示すように、本実施形態の成膜用リング51は、前述した第1実施形態の成膜用リング13に補助リング52を組み合わせて構成されている。補助リング52は、絶縁性を有する材料によりリング本体14の内縁部14aをその外側から囲む環形状に形成されている。補助リング52は、リング本体14の上面から離間され、かつ、リング本体14の内縁部14aの上面と同等以下の高さに配置される。本実施形態では、補助リング52は、リング本体14と同様にセラミック製とする。また、少なくとも補助リング52の外縁部の下面とリング本体14の外縁部の上面との間に、セラミックよりも誘電率が低い低誘電率物質53が設けられている。すなわち、成膜用リング51の外縁部に、リング本体14と補助リング52との間に挟まれて低誘電率物質53が設けられている。ただし、本実施形態では、低誘電率物質53は補助リング52の下面のうち径方向外側の一部を覆うように設けられている。この結果、前述した第5実施形態と同様に、成膜用リング51には、リング本体14、補助リング52、および低誘電率物質53により、実質的に第1の凹部32aおよび第2の凹部32bが設けられている。
以上説明したように、この第7実施形態によれば、図15中実線矢印で示すように、前述した第1,第4〜第6の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、低誘電率物質53の厚さを変えることにより、補助リング52および第2の凹部32bの高さを適宜、適正な位置に容易に設定できる。それとともに、低誘電率物質53の幅を変えることにより、第2の凹部32bの奥行きを適宜、適正な位置に容易に設定できる。これにより、埋め込むべき凹部などの大きさや形状、およびアスペクト比などに応じて、埋め込み特性を適宜、適正な状態に容易に設定できる。この結果、埋め込み特性を向上できる。
(第8の実施形態)
次に、本発明に係る第8実施形態を図16を参照しつつ説明する。図16は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態は、成膜用リングの形状および構成が前述した第1実施形態の成膜用リング13の形状と異なっている。以下、具体的に説明する。
図16に示すように、本実施形態の成膜用リング61は、前述した第1実施形態の成膜用リング13および第7実施形態の補助リング52を組み合わせて構成されている。ただし、補助リング52の外縁部の下面とリング本体14の外縁部の上面との間に、補助リング52の下面を全面的に覆ってセラミックよりも誘電率が低い低誘電率物質62が設けられている。この結果、成膜用リング61には、前述した第7実施形態と異なり、図示しない第2の凹部が低誘電率物質62により略完全に塞がれて、実質的に第1の凹部32aのみが設けられている。
なお、本実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置は、前述した第1実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置と同様なので、それらの説明を省略する。
以上説明したように、この第8実施形態によれば、図16中実線矢印で示すように、前述した第1,第4〜第7の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、補助リング52の下面とリング本体14の上面との間に低誘電率物質62を全面的に設けることにより、第7実施形態よりもさらに積極的に電界を低誘電率物質62の内部に通すことができる。この結果、埋め込み特性をさらに向上できる。
(第9の実施形態)
次に、本発明に係る第9実施形態を図17を参照しつつ説明する。図17は、本実施形態に係る半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態は、成膜用リングの形状および構成が前述した第1実施形態の成膜用リング13の形状と異なっている。以下、具体的に説明する。
図17に示すように、本実施形態の成膜用リング71は、前述した第1実施形態の成膜用リング13および第7実施形態の補助リング52を組み合わせて構成されている。ただし、補助リング52は、リング本体14の上面上に設けられた補助リング支持具としての支柱72により支持されている。これにより、リング本体14の上面上から離間されて配置されている。
なお、本実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置は、前述した第1実施形態に係る半導体装置の製造装置および製造方法、ならびに半導体装置と同様なので、それらの説明を省略する。
以上説明したように、この第9実施形態によれば、図17中実線矢印で示すように、前述した第1,第4〜第8の各実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、半導体基板5の縁部から下げられた電界(等電位面)を補助リング52とリング本体14の上面との間を通過させるように導くことができる。また、支柱72の高さを変えることにより、補助リング52の高さを適宜、適正な位置に容易に設定できる。すなわち、リング本体14の内縁部14aの外側におけるリング本体14付近の空間の占有領域を適宜、適正な大きさに容易に設定できる。これにより、埋め込むべき凹部などの大きさや形状、およびアスペクト比などに応じて、埋め込み特性を適宜、適正な状態に容易に設定できる。この結果、埋め込み特性をさらに向上できる。
なお、本発明に係る半導体装置は、前述した第1,第4〜第9の各実施形態には制約されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、それらの構成、あるいは製造工程などの一部を種々様々な設定に変更したり、あるいは各種設定を適宜、適当に組み合わせて用いたりして実施することができる。
例えば、成膜用リング13(リング本体14)および補助リング52の形成材料は、セラミックには限られない。前述した第1,第4〜第9の各実施形態と同様に、半導体基板5の縁部付近において電界を半導体基板5の被処理面5aよりも低い位置に向けて下げることができる材料であればよい。また、成膜用リング13(リング本体14)および補助リング52の大きさや形状などは、半導体基板5の大きさや形状、あるいは埋め込むべき凹部等の位置、大きさ、およびアスペクト比等に応じて適正な埋め込み特性が得られるように適宜、適正な大きさや形状に設定して構わない。同様に、低誘電率物質41,53,62、および支柱72の位置や形状等も、ウェーハ2の大きさや形状、あるいは埋め込むべき凹部等の位置、大きさ、およびアスペクト比等に応じて適正な埋め込み特性が得られるように適宜、適正な大きさや形状に設定して構わない。また、上記各実施形態では、Heガスを第1ノズルと第2ノズルと単独の頂部ノズル921とから導入したが、これらの少なくとも一つから導入するように構成することができる。
なお、本発明は上記各実施形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。
本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略を示す断面図。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置のガスノズルの配置の概略を示す上面図。 (a)は、Arイオンのフラックスが少ない場合、(b)は、Arイオンのフラックスが多い場合における溝部への酸化膜の埋め込み特性を示す模式的な断面図。 RFパワーとSi源中性ラジカル種密度との関係、及びRFパワーとSi源イオン種相対密度との関係を示す図。 RFパワー3kWにおけるSiHガス濃度とSi源中性ラジカル種密度との関係、SiHガス濃度とSi源イオン種相対密度との関係を示す図。 RFパワー7kWにおけるSiHガス濃度とSi源中性ラジカル種密度との関係、SiHガス濃度とSi源イオン種相対密度との関係を示す図。 ノズルの角度と膜厚の均一性の関係、及びノズルの角度と埋め込み限界幅の関係を示す図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。 成膜用リングをその上方から臨んで示す平面図および断面図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。 半導体装置の製造装置による凹部の埋め込み特性をグラフを用いて示す図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の付近に発生する電界をシミュレーションした結果を簡略化して示す断面図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。 半導体装置の製造装置の成膜用リングおよび半導体基板の縁部付近を拡大して示す断面図。
符号の説明
1…容器基体(ベース、メタルチャンバー部) 2…誘電体容器(セラミックドーム部) 3…RFコイル 4…基板ホルダ(静電チャック) 4a…基板ホルダ上部 4a1…吸着面 4b…基板ホルダ下部 4c…基板ホルダ支持部 …4d 埋め込み電極 5…半導体基板 6…RF電源 7…バイアス電源 10…イオン走行領域 11…高密度プラズマ形成領域(高密度プラズマ領域) 12a…第1低密度プラズマ形成領域(第1低密度プラズマ領域) 12b…第2低密度プラズマ形成領域(第2低密度プラズマ領域) 16点真空排気配管 59…シリコン酸化膜(SiO2膜) 61…スパッタ種による成膜 62…オーバーハング 81…ガス配管 801〜812…上向きノズル(第1ノズル) 901〜906…水平ノズル(第2ノズル) 921…頂部ノズル 33…HDP−CVD装置(半導体装置の製造装置)、5a…半導体基板の被処理面(基板の成膜処理が施される側の主面)、13,21,31,51,61,71…成膜用リング(セラミックリング、フォーカスリング)、14…リング本体、14a,31a…リング本体の内縁部(成膜用リングの内縁部)、32a…第1の凹部、32b…第2の凹部、41,53,62…低誘電率物質、52…補助リング、72…支柱

Claims (4)

  1. プラズマを用いた表面反応により、基板上に成膜若しくは基板をエッチングする装置であって、
    真空排気可能な反応室と、
    前記基板を配置するために前記反応室内に配置され、絶縁性を有する材料により前記基板の縁部に沿う環形状をなしその内縁部がその外側の部分よりも高く形成されているとともに前記内縁部の上面が前記基板の前記成膜が施される側の主面と同等以下の高さに配置されるリング本体を設けた基板ホルダと、
    前記反応室の側壁部に根本部が配置され、前記側壁部から前記反応室の頂部方向に噴射方向が設定され、前記表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみから実質的になる第1のガスを前記反応室内に導入するための複数本の第1ノズルと、
    前記第1ノズルの根本部と実質的に同一水平レベル、若しくは前記第1ノズルの根本部より前記基板寄りの水平位置に配置され、前記基板の表面に平行方向の噴射方向を有し、前記第1ノズルよりも本数が少なく、前記成膜若しくはエッチングされる物質に対するスパッタ効率が前記第1イオン種より高い第2イオン種を生成する原料、若しくは前記基板の表面反応に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスを前記反応室内に導入するための第2ノズルと、
    前記第1ノズルが配置された位置と前記反応室の頂部との間の空間に前記第1イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成するための高周波電界印加手段と、を備え、
    前記第1ノズルおよび前記第2のノズルの少なくとも一方からHeガスを前記反応室内に導入することを特徴とする半導体製造装置。
  2. 前記Heガスを前記反応室内に導入するための単独のノズルを備え、
    前記第1ノズルおよび前記第2のノズルおよび前記単独のノズルの少なくとも一つから前記Heガスを前記反応室内に導入することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  3. 反応室内に基板を配置し、前記反応室の頂部と前記基板の間に、前記基板に隣接したイオン走行領域、該イオン走行領域に隣接した第1低密度プラズマ形成領域、該第1低密度プラズマ形成領域に隣接した高密度プラズマ形成領域、及び該高密度プラズマ形成領域と前記反応室の頂部に挟まれた第2低密度プラズマ形成領域を位置させ、前記高密度プラズマ形成領域のプラズマを用いた前記基板の表面反応により、前記基板上に成膜若しくは前記基板をエッチングする方法であって、
    前記反応室内に前記基板を配置するステップと、
    前記反応室内を減圧にするステップと、
    前記反応室の側壁部に設けられ、前記第1低密度プラズマ形成領域に根本部を有し、先端部が前記高密度プラズマ形成領域方向に向かうノズルを用い、前記基板表面の仰角方向に、前記表面反応に必要な第1イオン種を生成する化合物ガスのみから実質的になる第1のガスを噴射するステップと、
    前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記第1低密度プラズマ形成領域において、前記基板の表面に対して平行方向に、前記成膜若しくはエッチングされる物質に対するスパッタ効率が、前記第1イオン種より高い第2イオン種を生成する第2のガスを噴射するステップと、
    前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記反応室内にHeガスを噴射するステップと、
    前記高密度プラズマ形成領域、第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に高周波電界を印加することにより、前記高密度プラズマ形成領域に前記第1イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成し、前記第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に低密度プラズマを生成し、前記第1イオン種を前記イオン走行領域を介して前記基板の表面に到達させ、前記第1イオン種による前記表面反応を生じさせるとともに、前記基板の縁部付近に、前記基板の表面に沿って前記基板の前記成膜が施される側の主面の上方から前記主面の下方に向かって下がるように電界を形成しつつ、前記第1イオン種および前記Heガスを前記主面に向けて供給するステップと、
    を含むことを特徴とする半導体製造方法。
  4. 反応室内に基板を配置し、前記反応室の頂部と前記基板の間に、前記基板に隣接したイオン走行領域、該イオン走行領域に隣接した第1低密度プラズマ形成領域、該第1低密度プラズマ形成領域に隣接した高密度プラズマ形成領域、及び該高密度プラズマ形成領域と前記反応室の頂部に挟まれた第2低密度プラズマ形成領域を位置させ、前記高密度プラズマ形成領域のプラズマを用いた前記基板の表面反応により、前記基板上に成膜若しくは前記基板をエッチングする方法であって、
    前記反応室内に前記基板を配置するステップと、
    前記反応室内を減圧にするステップと、
    前記反応室の側壁部に設けられ、前記第1低密度プラズマ形成領域に根本部を有し、先端部が前記高密度プラズマ形成領域方向に向かうノズルを用い、前記基板表面の仰角方向に、前記表面反応に必要なイオン種を生成する化合物ガスのみから実質的になる第1のガスを噴射するステップと、
    前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記第1低密度プラズマ形成領域において、前記基板の表面に対して平行方向に、前記基板の表面反応に必要なラジカル種を生成する原料となる第2のガスを噴射するステップと、
    前記第1のガスを噴射するステップと同時に、前記反応室内にHeガスを噴射するステップと
    前記高密度プラズマ形成領域、第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に高周波電界を印加することにより、前記高密度プラズマ形成領域に前記イオン種が高密度に生成された高密度プラズマを生成し、前記第1及び第2の低密度プラズマ形成領域に低密度プラズマを生成し、前記イオン種を前記イオン走行領域を介して前記基板の表面に到達させるとともに、前記基板の縁部付近に、前記基板の表面に沿って前記基板の前記成膜が施される側の主面の上方から前記主面の下方に向かって下がるように電界を形成しつつ、前記イオン種および前記Heガスを前記主面に向けて供給し、前記イオン種及びラジカル種による前記表面反応を生じさせるステップとを含むことを特徴とする半導体製造方法。
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