JP2005295726A - 超音波モータの駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズに強く、起動時から環境温度に適応した最適な駆動周波数を高分解能で検出でき、また、従来必要とされていた温度特性データを保存する記憶領域を用いることなく最適な駆動周波数を検出できる超音波モータの駆動回路を提供する。
【解決手段】所定周波数の信号を発振する発振部1と、発振部1から発振された信号を増幅して、圧電素子の外部電極8Aに印加する電力増幅部3と、発振部1から発振された信号を移相する移相部5と、移相部5で移相された信号を増幅する電力増幅部4と、圧電素子の外部電極4からの励起電流を検出する電流測定部6と、発振部1で発振する信号の周波数を可変制御し、電流測定部6で検出された励起電流が最大となるときの周波数を検出する制御部1と、圧電素子の外部電極8Bの接続対象を、電力増幅部4と電流測定部6のいずれかに切替える切替えスイッチSW7とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】所定周波数の信号を発振する発振部1と、発振部1から発振された信号を増幅して、圧電素子の外部電極8Aに印加する電力増幅部3と、発振部1から発振された信号を移相する移相部5と、移相部5で移相された信号を増幅する電力増幅部4と、圧電素子の外部電極4からの励起電流を検出する電流測定部6と、発振部1で発振する信号の周波数を可変制御し、電流測定部6で検出された励起電流が最大となるときの周波数を検出する制御部1と、圧電素子の外部電極8Bの接続対象を、電力増幅部4と電流測定部6のいずれかに切替える切替えスイッチSW7とを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、超音波振動子を有する超音波モータの駆動回路に関する。詳しくは、温度、負荷等により変化する超音波モータの駆動周波数を最適に制御する超音波モータの駆動回路に関する。
従来、超音波モータの駆動装置としては、例えば、次の特許文献1に振動アクチュエータ駆動装置が提案されている。
特開平10−174464号公報
特開平10−174464号公報
振動アクチュエータ駆動装置の基本的な構成及び作用について、図15、図16を用いて説明する。
図15は振動アクチュエータ駆動装置の駆動回路の一従来例を示すブロック図、図16は図15の駆動アクチュエータ駆動装置における駆動周波数と測定電流との関係で示すグラフである。
図15は振動アクチュエータ駆動装置の駆動回路の一従来例を示すブロック図、図16は図15の駆動アクチュエータ駆動装置における駆動周波数と測定電流との関係で示すグラフである。
図15の振動アクチュエータ駆動装置は、駆動信号(駆動周波数と駆動電圧)を制御する制御器59と、発振器51と、増幅器53と、移相器55と、増幅器54と、電流計56を備えている。
ここで、発振器51は、制御器59の駆動信号に基づいて、所定の周波数の信号(交流電圧)を生成する。増幅器53は、発振器51からの信号(交流電圧)を増幅して、増幅した信号を圧電体58aに印加する。移相器55は、発振器51からの信号(交流電圧)の位相を90度異ならせる。増幅器54は、移相器55からの信号(交流電圧)を増幅して、増幅した信号(交流電圧)を圧電体58bに印加する。電流計56は、圧電体58bに流れる電流を検出して、制御器59に出力する。なお、増幅器53と圧電体58a、増幅器54と圧電体58bは、それぞれ互いに直結されている。
ここで、発振器51は、制御器59の駆動信号に基づいて、所定の周波数の信号(交流電圧)を生成する。増幅器53は、発振器51からの信号(交流電圧)を増幅して、増幅した信号を圧電体58aに印加する。移相器55は、発振器51からの信号(交流電圧)の位相を90度異ならせる。増幅器54は、移相器55からの信号(交流電圧)を増幅して、増幅した信号(交流電圧)を圧電体58bに印加する。電流計56は、圧電体58bに流れる電流を検出して、制御器59に出力する。なお、増幅器53と圧電体58a、増幅器54と圧電体58bは、それぞれ互いに直結されている。
このように構成された振動アクチュエータ駆動装置では、予め、発振器51で生成させる信号の周波数を、駆動周波数(共振周波数)から十分に離れた周波数f0にセットする。そして、この周波数f0で、発信器51を発振させて信号(交流電圧)を生成する。発信器51から出力された信号は、圧電体58a,58bに印加される。そして、圧電素子58bへ印加した信号によって生じる電流を、電流計56で測定する。この測定を複数の温度条件のもとで行い、圧電体58bの温度と電流値との相関を求めておく。このようにしておけば、圧電素子58bに周波数f0の信号を印加した時に生じる電流量を測定することで、この相関関係から圧電体58bの温度を検出することができるようになる。
また、圧電体58bの最適駆動周波数と温度との相関を求めておく。
制御器59では、駆動電圧と電流計56により測定された電流値とに基づいて、インピーダンスを算出する。そして、算出したインピーダンスから周波数を検出する。
この周波数検出を複数の温度条件で行い、圧電体58bの最適駆動周波数と温度との相関を求めておく。
制御器59では、駆動電圧と電流計56により測定された電流値とに基づいて、インピーダンスを算出する。そして、算出したインピーダンスから周波数を検出する。
この周波数検出を複数の温度条件で行い、圧電体58bの最適駆動周波数と温度との相関を求めておく。
そして、圧電体58bの温度と電流との相関と、圧電体58bの最適駆動周波数と温度との相関に基づいて、所定温度における圧電素子58bの電流i0と最適駆動周波数f1との相関を求める(図16参照)。この相関情報を、装置内部の記憶部(図示省略)で記憶しておく。
次に、実際に装置を駆動させる場合を説明する。
まず、モータが非駆動になっている状態で、電流量の測定を行う。この場合、圧電体58a,58bに与える信号の周波数は、共振周波数から十分に離れた周波数f0である。また、信号の電圧は、圧電体58a,58bを駆動させることがない程度に小さい電圧である。このような信号を圧電体58a,58bに印加し、電流計56で電流量を測定する。測定した電流値i0から、図16に示した相関に基づき、この状態での最適駆動周波数f1を求める。そして、求めた最適駆動周波数f1を実際の駆動周波数として、発信器51を駆動させる。そして、発信器51で生成された信号(駆動電圧)を圧電体58a,58bに印加する。そして、印加した信号により、圧電体58a,58bのそれぞれで、調和した振動を発生させることができる。これにより、楕円運動を発生させて、アクチュエータを駆動させることができる。
このように、従来の駆動アクチュエータ駆動装置では、予め圧電体の温度特性を利用して電流と駆動周波数との相関を求め、この相関情報を記憶させておき、この相関情報から最適な駆動周波数を導出していた。
まず、モータが非駆動になっている状態で、電流量の測定を行う。この場合、圧電体58a,58bに与える信号の周波数は、共振周波数から十分に離れた周波数f0である。また、信号の電圧は、圧電体58a,58bを駆動させることがない程度に小さい電圧である。このような信号を圧電体58a,58bに印加し、電流計56で電流量を測定する。測定した電流値i0から、図16に示した相関に基づき、この状態での最適駆動周波数f1を求める。そして、求めた最適駆動周波数f1を実際の駆動周波数として、発信器51を駆動させる。そして、発信器51で生成された信号(駆動電圧)を圧電体58a,58bに印加する。そして、印加した信号により、圧電体58a,58bのそれぞれで、調和した振動を発生させることができる。これにより、楕円運動を発生させて、アクチュエータを駆動させることができる。
このように、従来の駆動アクチュエータ駆動装置では、予め圧電体の温度特性を利用して電流と駆動周波数との相関を求め、この相関情報を記憶させておき、この相関情報から最適な駆動周波数を導出していた。
従来の振動アクチュエータ駆動装置では、非駆動の状態で印加する信号の大きさを、駆動時に比べて十分小さくしなければならない。これでは、測定しようとする電流量が非常に小さくなる。この場合、測定値がノイズ等、外乱の影響を大きく受けるので、測定値における誤差が大きくなる。このため、最適な駆動周波数を得るのが難しい。
また、共振周波数から十分に離れた周波数f0における温度特性を用いたのでは、駆動周波数に対する測定電流値のピーク部分の波形が緩やかな形状となる。これでは、最適駆動周波数の前後において波形に顕著な変化がないため、所望の共振周波数を高い分解能で特定することができない。
更に、従来の振動アクチュエータ駆動装置では、相関関係を保存する記憶データ領域も必要となっていた。
また、共振周波数から十分に離れた周波数f0における温度特性を用いたのでは、駆動周波数に対する測定電流値のピーク部分の波形が緩やかな形状となる。これでは、最適駆動周波数の前後において波形に顕著な変化がないため、所望の共振周波数を高い分解能で特定することができない。
更に、従来の振動アクチュエータ駆動装置では、相関関係を保存する記憶データ領域も必要となっていた。
なお、振動アクチュエータ駆動装置において、非駆動状態で印加する信号(印加電圧)の大きさを、駆動時に比べてさらに十分に小さくすることもできる。この場合、共振周波数に近い周波数で、電流を測定することができる。しかしながら、それでは、測定しようとする電流量が更に小さくなる。そのため、測定値がノイズ等、外乱の影響を更に大きく受けるので、測定値における誤差がより一層大きくなる。また、測定した波形(電流値の波形)のピークの絶対値が小さくなるため、最適な駆動周波数の検出分解能が低くなってしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ノイズに強く、環境温度に適応した最適な駆動周波数を高分解能で検出でき、また、従来必要とされていた温度特性データを保存する記憶領域を用いることなく最適な駆動周波数を検出できる超音波モータの駆動回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による超音波モータの駆動回路は、圧電素子に印加するための所定周波数の信号を発振する発振部と、前記発振部から発振された信号を増幅して、前記圧電素子の第1の外部電極に印加する第1の電力増幅部と、前記発振部から発振された信号を移相する移相部と、前記移相部で移相された信号を増幅して、前記圧電素子の第2の外部電極に印加する第2の電力増幅部と、前記圧電素子の第2の外部電極からの励起電流を検出する電流測定部と、前記発振部で発振する信号の周波数を可変制御し、前記電流測定部で検出された励起電流が最大となるときの周波数を検出する制御部と、前記圧電素子の第2の外部電極の接続対象を、前記第2の電力増幅部と前記電流測定部のいずれかに切替える切替えスイッチと、を具備することを特徴としている。
また、本発明による超音波モータの駆動回路は、圧電素子に印加するための所定周波数の信号を発振する発振部と、前記発振部で発振する信号のパルス数を制限するパルスゲート部と、前記発振部から発振された信号を増幅して、前記圧電素子の第1の外部電極に印加する第1の電力増幅部と、前記発振部から発振された信号を移相する移相部と、前記移相部で移相された信号を増幅して、前記圧電素子の第2の外部電極に印加する第2の電力増幅部と、前記第2の電力増幅部で増幅された圧電素子の第2の外部電極への印加電流、又は前記圧電素子からの励起電流を検出する電流測定部と、前記パルスゲート部で制限する信号のパルス数を圧電素子が駆動しない所定量に制御しながら、前記発振部で発振する信号の周波数を可変制御し、前記電流測定部で検出された印加電流が最大となるときの周波数を検出する制御部と、を具備することを特徴としている。
本発明の超音波モータの駆動回路によれば、圧電素子の1つの外部電極にパルスを印加し、1つの外部電極から、励起された電流を測定することにより、非駆動状態で、最適な駆動周波数を設定することができる。
また、本発明の他の超音波モータの駆動回路によれば、圧電素子が動作しないパルス列を圧電素子の外部電極に印加することにより、非駆動状態で、最適な駆動周波数を設定することができる。
そして、これらの本発明の駆動回路によれば、ノイズに強く、最適駆動周波数を高分解能で検出することができ、しかも、従来の駆動回路のような温度特性データを保存する記憶領域を設ける必要が無く、起動時から環境温度等に適応して最適な駆動周波数を設定することができる。
また、本発明の他の超音波モータの駆動回路によれば、圧電素子が動作しないパルス列を圧電素子の外部電極に印加することにより、非駆動状態で、最適な駆動周波数を設定することができる。
そして、これらの本発明の駆動回路によれば、ノイズに強く、最適駆動周波数を高分解能で検出することができ、しかも、従来の駆動回路のような温度特性データを保存する記憶領域を設ける必要が無く、起動時から環境温度等に適応して最適な駆動周波数を設定することができる。
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の超音波モータの駆動回路は、切替えスイッチを備えている。この切替えスイッチを介して、圧電素子の第2の外部電極の接続先を、第2の電力増幅部か電流測定部のいずれかに切り替えることができる。なお、切替スイッチの制御は、制御部で行う。
この駆動回路において、第2の外部電極を電流測定部に接続する。そして、超音波モータを駆動するのに必要な大きさの信号を、発信部から第1の外部電極に加える。この場合、発振部からの信号は、圧電素子の第1の外部電極のみに印加され、第2の外部電極には印加されない。超音波モータを駆動するには、外部電極を用いて、2つの圧電素子に信号を印加する。すると、圧電素子は、縦振動と屈曲振動を発生する。超音波モータは、縦振動と屈曲振動が調和的に発生し、楕円運動になると駆動する。従って、第1の外部電極のみ信号を印加したのでは、駆動条件を満足したことにならない。故に、超音波モータは駆動しない。
このため、最適駆動周波数を検出する際に、超音波モータを駆動させないで、実際に、超音波モータを駆動するのに必要な周波数及び電圧を、超音波モータに印加することができる。
本発明の超音波モータの駆動回路は、切替えスイッチを備えている。この切替えスイッチを介して、圧電素子の第2の外部電極の接続先を、第2の電力増幅部か電流測定部のいずれかに切り替えることができる。なお、切替スイッチの制御は、制御部で行う。
この駆動回路において、第2の外部電極を電流測定部に接続する。そして、超音波モータを駆動するのに必要な大きさの信号を、発信部から第1の外部電極に加える。この場合、発振部からの信号は、圧電素子の第1の外部電極のみに印加され、第2の外部電極には印加されない。超音波モータを駆動するには、外部電極を用いて、2つの圧電素子に信号を印加する。すると、圧電素子は、縦振動と屈曲振動を発生する。超音波モータは、縦振動と屈曲振動が調和的に発生し、楕円運動になると駆動する。従って、第1の外部電極のみ信号を印加したのでは、駆動条件を満足したことにならない。故に、超音波モータは駆動しない。
このため、最適駆動周波数を検出する際に、超音波モータを駆動させないで、実際に、超音波モータを駆動するのに必要な周波数及び電圧を、超音波モータに印加することができる。
超音波モータの駆動回路について、具体的に説明する。制御部は、発振部の発振周波数を、圧電素子の共振周波数近傍に設定する。また、この制御部は、印加電圧を駆動電圧に近い電圧に設定する。そして、発振部で生成された信号は、第1の電力増幅部に入力され増幅される。第1の電力増幅部で増幅された信号は、圧電素子の第1の外部電極に入力される。
また、発振部で生成された信号は、移相器を介して90度、信号の位相が移相させられる。この移相した信号は、第2の電力増幅部に入力され増幅される。
第2の外部電極と第2の電力増幅部の接続、第2の外部電と電流測定部との接続は、切替スイッチによって行われる。よって、切替えスイッチによって接続先が第2の電力増幅部に切替えられた場合に、第2の電力増幅部で増幅された信号が第2の外部電極に入力される。一方、接続先が電流測定部に接続された場合には、第2の外部電極には、第2の電力増幅部で増幅された信号は入力されない。
なお、切替えスイッチの制御は、制御部で行なうようにするとよい。
また、発振部で生成された信号は、移相器を介して90度、信号の位相が移相させられる。この移相した信号は、第2の電力増幅部に入力され増幅される。
第2の外部電極と第2の電力増幅部の接続、第2の外部電と電流測定部との接続は、切替スイッチによって行われる。よって、切替えスイッチによって接続先が第2の電力増幅部に切替えられた場合に、第2の電力増幅部で増幅された信号が第2の外部電極に入力される。一方、接続先が電流測定部に接続された場合には、第2の外部電極には、第2の電力増幅部で増幅された信号は入力されない。
なお、切替えスイッチの制御は、制御部で行なうようにするとよい。
切替えスイッチで、第2の外部電極の接続先を電流測定部に切替えると、圧電素子の第1の外部電極のみに信号が印加される。この信号の印加によって圧電素子が励起され、電流(励起電流)が発生する。この電流は、第2の外部電極を通じて電流測定部に入力される。電流測定部では、この入力された電流を検出する。なお、実験により、最適駆動周波数は、電流の値が最大になった時の周波数、つまり共振点となるときの周波数であることがわかっている。
そこで、切替えスイッチで接続先を電流測定部に切替えた状態で、制御部を介して圧電素子に印加する周波数を可変させていく。そして、変化させた周波数ごとに電流測定部で電流を測定し、電流最大値を検出する。このようにして、電流の測定最大値が検出されたときの周波数を、駆動周波数として得る。
そこで、切替えスイッチで接続先を電流測定部に切替えた状態で、制御部を介して圧電素子に印加する周波数を可変させていく。そして、変化させた周波数ごとに電流測定部で電流を測定し、電流最大値を検出する。このようにして、電流の測定最大値が検出されたときの周波数を、駆動周波数として得る。
次に、切替えスイッチで、第2の外部電極の接続先を第2の電力増幅部に切替える。すると、発振部から出力された信号は、移相器を介して90度移相させられる。続いて、この信号は、第2の電力増幅部で増幅される。そして、増幅された信号は、圧電素子の第2の外部電極に入力される。一方、第1の電力増幅部で増幅された信号は、圧電素子の第1の外部電極に入力される。
このため、圧電素子には、位相は90度異なるが最適駆動周波数が同じである2つの信号(2相の信号)が入力される。これにより、圧電素子は2つの信号により、調和した振動を発生させる。その結果、この振動により楕円運動が発生し、超音波モータを駆動することができる。
このため、圧電素子には、位相は90度異なるが最適駆動周波数が同じである2つの信号(2相の信号)が入力される。これにより、圧電素子は2つの信号により、調和した振動を発生させる。その結果、この振動により楕円運動が発生し、超音波モータを駆動することができる。
このとき、この駆動回路によれば、実際に圧電素子を駆動させるときに近い電圧を、圧電素子に印加させることができる。よって、測定時の電流の値が大きいので、ノイズ等の外乱に影響されにくくなる。
また、この駆動回路によれば、共振周波数に近い周波数で、電圧を圧電素子に印加することができる。よって、最適駆動周波数の前後において、電流の変化の割合が激しくなる。例えば、図2に示すように、電流の波形のピーク形状が鋭くなる。このため、最適駆動周波数を高分解能で検出することができる。
さらに、この駆動回路によれば、最適駆動周波数の検出にあたっては、周波数を変化させながら、測定した電流の変化の様子を観察(監視)すればよい。よって、従来の駆動回路のように記憶領域を設け、温度特性データを保存する必要が無くなる。
また、他の駆動回路では、切替えスイッチを設ける代わりに、発振部で発振する信号のパルス数を制限するパルスゲート部を設け、制御部で前記パルスゲート部で制限する信号のパルス数を圧電素子が駆動しない所定量に制御するように構成している。
このように構成した場合、圧電素子の第1及び第2の外部電極には、信号が印加されることになる。しかし、圧電素子は、信号が印加されていても、所定量以上のパルス数で印加しなければ、駆動しないという特性を有している。そこで、この点に着目して、この駆動回路では、パルスゲート部を介して、圧電素子に印加する信号のパルス量を圧電素子が駆動しない所定量に制限するようにしている。
このため、この駆動回路によれば、最適駆動周波数を検出する際に、実際の超音波モータの駆動時に近い周波数及び電圧を印加することができる。
このように構成した場合、圧電素子の第1及び第2の外部電極には、信号が印加されることになる。しかし、圧電素子は、信号が印加されていても、所定量以上のパルス数で印加しなければ、駆動しないという特性を有している。そこで、この点に着目して、この駆動回路では、パルスゲート部を介して、圧電素子に印加する信号のパルス量を圧電素子が駆動しない所定量に制限するようにしている。
このため、この駆動回路によれば、最適駆動周波数を検出する際に、実際の超音波モータの駆動時に近い周波数及び電圧を印加することができる。
具体的には、他の駆動回路では、制御部は、発振部の発振周波数を、圧電素子の共振周波数近傍に設定する。また、発振部の出力信号のパルス数は、パルスゲート部を介して一定量に制限される。これにより一定量に制限されたパルス数の信号が、第1の電力増幅部に入力される。第1の電力増幅部で増幅された信号は、圧電素子の第1の外部電極に入力される。
また、発振部で生成された信号は、移相器を介して90度、信号の位相が移相させられる。この移相した信号の出力信号のパルス数も、パルスゲート部を介して一定量に制限される。この信号は、第2の電力増幅部に入力され増幅される。この第2の電力増幅部で増幅されたパルスは、圧電素子の第2の外部電極に入力される。
また、発振部で生成された信号は、移相器を介して90度、信号の位相が移相させられる。この移相した信号の出力信号のパルス数も、パルスゲート部を介して一定量に制限される。この信号は、第2の電力増幅部に入力され増幅される。この第2の電力増幅部で増幅されたパルスは、圧電素子の第2の外部電極に入力される。
上述のように、圧電素子は、印加するパルス数が一定量を超えないと、駆動しない。そのため、この駆動回路のように、パルスゲート部を用い、出力パルスにゲートを設けると、圧電素子の非駆動状態をつくることができる。制御部は、一定量のパルス数を圧電素子に印加するように、パルスゲート部を制御する。その時の圧電素子に印加する電流値、または圧電素子から出力された電流(励起電流)を、外部電極を介して電流測定部で検出する。この外部電極は、圧電素子に信号を印加するための第1及び第2の外部電極とは異なる外部電極である。なお、実験により、最適駆動周波数は、電流の値が最大になった時の周波数、つまり共振点となるときの周波数であることがわかっている。
そこで、制御部を介して圧電素子に印加する周波数を可変させていく。そして、変化させた周波数ごとに電流測定部で測定し、電流最大値を検出する。このようにして、電流の測定最大値が検出されたときの周波数を、駆動周波数として得る。設定後、パルスゲート部の出力ゲート設定を解除する。
このため、圧電素子には、位相は90度異なるが最適駆動周波数が同じである2つの信号(2相の信号)が入力される。これにより、圧電素子は2つの信号により調和した振動を発生させる。その結果、この振動により楕円運動が発生し、超音波モータを駆動することができる。
そこで、制御部を介して圧電素子に印加する周波数を可変させていく。そして、変化させた周波数ごとに電流測定部で測定し、電流最大値を検出する。このようにして、電流の測定最大値が検出されたときの周波数を、駆動周波数として得る。設定後、パルスゲート部の出力ゲート設定を解除する。
このため、圧電素子には、位相は90度異なるが最適駆動周波数が同じである2つの信号(2相の信号)が入力される。これにより、圧電素子は2つの信号により調和した振動を発生させる。その結果、この振動により楕円運動が発生し、超音波モータを駆動することができる。
このため、他の駆動回路によれば、上述した本発明の超音波モータの駆動回路と同様、ノイズ等に強い回路となる。また、共振点付近を測定するため、分解能が高い回路となる。さらに、温度特性データを保存する記憶領域が不要となる。
以下、実施例1について図1〜図7を用いて説明する。
図1は実施例1にかかる超音波モータの駆動回路のブロック図、図2は共振周波数近傍における圧電素子部8の印加周波数と、励起電流との関係図、図3は実施例1の超音波モータの駆動回路の動作手順を示すフローチャートである。
また、図4、図5は本発明の各実施例の超音波モータの駆動回路を用いて駆動する超音波振動子80の形態を示す図で、図4は超音波振動子80の側面図、図5は正面図である。図6は超音波振動子80の基本構成を詳しく示す分解斜視図、図7は図6に示す圧電板21,21’の説明図である。
図1は実施例1にかかる超音波モータの駆動回路のブロック図、図2は共振周波数近傍における圧電素子部8の印加周波数と、励起電流との関係図、図3は実施例1の超音波モータの駆動回路の動作手順を示すフローチャートである。
また、図4、図5は本発明の各実施例の超音波モータの駆動回路を用いて駆動する超音波振動子80の形態を示す図で、図4は超音波振動子80の側面図、図5は正面図である。図6は超音波振動子80の基本構成を詳しく示す分解斜視図、図7は図6に示す圧電板21,21’の説明図である。
実施例1の駆動回路の構成の説明に先立ち、本発明の駆動回路を用いて駆動する超音波振動子80について説明する。
図7に示す圧電板21,21’は、幅30mm、高さ10mm、厚さ100μmを有する圧電素子で構成されている。
圧電板21の前面には、内部電極27aが配置されている。この内部電極27aは、厚さ10μm程度の銀−パラジウム合金が塗布されたものである。また、内部電極27aは、上端部1mm、下部5mm、また、幅方向の中央部には、1mmの絶縁部がそれぞれ設けられている。内部電極27aは、更に2つの領域に分割されて配置されている。
図7に示す圧電板21,21’は、幅30mm、高さ10mm、厚さ100μmを有する圧電素子で構成されている。
圧電板21の前面には、内部電極27aが配置されている。この内部電極27aは、厚さ10μm程度の銀−パラジウム合金が塗布されたものである。また、内部電極27aは、上端部1mm、下部5mm、また、幅方向の中央部には、1mmの絶縁部がそれぞれ設けられている。内部電極27aは、更に2つの領域に分割されて配置されている。
一方、圧電板21’における内部電極27bは、左右両端部に1mm、下部に5mm、また、幅方向の中央部に1mmの絶縁部がそれぞれ設けられ、更に、2つの領域に分割されて配置されている。
圧電板21、21’の内部電極27a,27bは、図7に示すように、それぞれ端面が左右及び上側に露呈するように塗布されている。このような内部電極27a,27bが施された2種類の圧電板21,21’を交互に40層程度積層して、圧電素子部28が形成される(図5参照)。(なお、圧電素子部28は後述の各実施例における圧電素子部8に相当する。)
圧電板21、21’の内部電極27a,27bは、図7に示すように、それぞれ端面が左右及び上側に露呈するように塗布されている。このような内部電極27a,27bが施された2種類の圧電板21,21’を交互に40層程度積層して、圧電素子部28が形成される(図5参照)。(なお、圧電素子部28は後述の各実施例における圧電素子部8に相当する。)
超音波振動子80の前後面は、図6に示すように、矩形状の絶縁板22が配設されている。絶縁板22は、幅30mm、高さ10mm、厚さ0.5mmを有する素子である。また、超音波振動子80の上面には内部電極27bが、露呈し、また側面には内部電極27aが露呈しており、これらで合わせて4つの露呈部を形成されている(不図示)。
この4つの露呈部には、それぞれ導電性銀ペーストからなる4つの外部電極24−1,24−2,24−3,24−4が、該内部電極27a,27bと導通するように互いに独立して設けられている(図4、図5参照)。
この4つの露呈部には、それぞれ導電性銀ペーストからなる4つの外部電極24−1,24−2,24−3,24−4が、該内部電極27a,27bと導通するように互いに独立して設けられている(図4、図5参照)。
外部電極24−1〜24−4には、それぞれリード線が接続されている(図示省略)。また、超音波振動子80の上面には、2つの外部電極24−1,24−2が配置されている。2つの外部電極24−1,24−2は、図4に示すように、本発明における一方及び他方の外部電極の端子A,Bとして用いられている(例えば、実施例1では圧電素子部8の外部電極8A,8Bを構成している)。また、超音波振動子80の側面には、外部電極24−3,24−4が配置されている。外部電極24−3,24−4は、グランド端子として、図示しない駆動回路のグランド端子に接続されている。
一方、超音波振動子80の底部において、長子方向端部から9mmの位置には、幅4mm、奥行き4mm、厚さ1mmの駆動子26が接着剤を介して該底部に接合されている。
一方、超音波振動子80の底部において、長子方向端部から9mmの位置には、幅4mm、奥行き4mm、厚さ1mmの駆動子26が接着剤を介して該底部に接合されている。
なお、駆動子26は、高分子材料にアルミナを分散して形成されている。また、超音波振動子80のほぼ中央部には、直径φ1mmの穿孔が穿設されている。この該穿孔には、ステンレス材よりなるピン29が貫通して接着されている。
このように構成された超音波振動子80は、駆動子26を介して図示しない摺動部材に対し、ある一定の押圧力を加える。この押圧力を保持することで、超音波モータが構成できる。
このように構成された超音波振動子80は、駆動子26を介して図示しない摺動部材に対し、ある一定の押圧力を加える。この押圧力を保持することで、超音波モータが構成できる。
次に、実施例1の駆動回路の構成及び動作について説明する。
実施例1の超音波モータの駆動回路は、図1に示すように、発振部1と、第1の電力増幅部3と、移相部5と第2の電力増幅部4と、電流測定部6と、制御部9を有して構成されている。
実施例1の超音波モータの駆動回路は、図1に示すように、発振部1と、第1の電力増幅部3と、移相部5と第2の電力増幅部4と、電流測定部6と、制御部9を有して構成されている。
図1において、発振部1は、制御部9を介して制御されている。発振部1は周波数発振部として構成されており、出力する信号の周波数を可変させることができる。発振部1は所定の周波数及び電圧の出力信号を移相部5、及び第1の電力増幅部3に出力する。移相部5は、入力された信号の位相をπ/2又は−π/2移相して、第2の電力増幅部4に出力する。電力増幅部3,4は、それぞれ入力された信号を増幅する。そして、第1の電力増幅部3より出力された信号は、圧電素子部8の第1の外部電極8Aに印加される。また、第2の電力増幅部4より出力された信号は、切替えSW7を介して圧電素子部側に切替えられたときに、圧電素子部8の第2の外部電極8Bに印加される。
切替えSW7は、圧電素子部8へ印加する状態(7A)、及び圧電素子部8で発生する励起電流を測定する状態(7B)を選択するスイッチである。
制御部9を介して、切替えSW7を励起電流測定状態7Bに切替える。すると、第1の外部電極8Aに対して、第1の電力増幅部3で増幅された信号が印加される。圧電素子部8は、印加された電圧に応じた励起電流を発生する。励起電流は、電流測定部6で測定される。更に電流測定部6で測定された電流値は、制御部9に入力される。
制御部9を介して、切替えSW7を励起電流測定状態7Bに切替える。すると、第1の外部電極8Aに対して、第1の電力増幅部3で増幅された信号が印加される。圧電素子部8は、印加された電圧に応じた励起電流を発生する。励起電流は、電流測定部6で測定される。更に電流測定部6で測定された電流値は、制御部9に入力される。
次に、図3を用いて、実施例1の駆動回路の動作手順を説明する。
まず、制御部9は、発振部1の周波数FをF1にセットする(ステップS101)。ここで、F1は、測定範囲の下限周波数である。
また、切替えSW7を制御して、接続を励起電流測定状態7Bにする(ステップS102)。
これにより、圧電素子部8で発生した励起電流を、第2の外部電極8Bから取り出すことができる。
まず、制御部9は、発振部1の周波数FをF1にセットする(ステップS101)。ここで、F1は、測定範囲の下限周波数である。
また、切替えSW7を制御して、接続を励起電流測定状態7Bにする(ステップS102)。
これにより、圧電素子部8で発生した励起電流を、第2の外部電極8Bから取り出すことができる。
電力増幅部3は、圧電素子部8を駆動するための信号を増幅する増幅器である。上記のように、接続状態は、励起電流測定状態7Bに切替えられている。そこで、この状態において、第1の外部電極8Aに信号が印加されると、第2の外部電極8Bから圧電素子部8で励起した励起電流が出力される。モニタ信号は、切替えSW7を介して電流測定部6に入力される。
電流測定部6は、入力された励起電流を、電流計を介して測定する(ステップS103)。
電流測定部6で測定した電流値を、制御部9で保存する(このときの測定値をD1とする)(ステップS104)。
電流測定部6は、入力された励起電流を、電流計を介して測定する(ステップS103)。
電流測定部6で測定した電流値を、制御部9で保存する(このときの測定値をD1とする)(ステップS104)。
次に、電流最大値の検出手順を説明する。
図2は、第1の外部電極8Aに加えた信号の周波数と、電流測定部6で測定した電流値の関係を示している。実線は低温時、点線は高温時のデータをそれぞれ示している。このように圧電素子部8は温度特性を持ち、電流値が最大になるときの最適駆動周波数が変化する。
ここでは、低温時(実線)において最適駆動周波数を得る過程を説明する。図2においては、低温時での周波数F1における励起電流は、上記ステップS101〜ステップS104を経たときに電流値I1を得る。
図2は、第1の外部電極8Aに加えた信号の周波数と、電流測定部6で測定した電流値の関係を示している。実線は低温時、点線は高温時のデータをそれぞれ示している。このように圧電素子部8は温度特性を持ち、電流値が最大になるときの最適駆動周波数が変化する。
ここでは、低温時(実線)において最適駆動周波数を得る過程を説明する。図2においては、低温時での周波数F1における励起電流は、上記ステップS101〜ステップS104を経たときに電流値I1を得る。
次いで、発振部1の周波数FをF1から1ステップ(ΔF:ΔFは任意)上げる(ステップS105)。第1の外部電極8Aに信号が印加されると、圧電素子部8で励起された励起電流が第2の外部電極8Bから出力される。モニタ信号は切替えSW7を介して電流測定部6に入力される。
電流測定部6は、入力された励起電流を、電流計を介して測定する(ステップS106)。
電流測定部6で測定した電流値を、制御部9で保存する(このときの測定値をD2とする)(ステップS107)。
電流測定部6は、入力された励起電流を、電流計を介して測定する(ステップS106)。
電流測定部6で測定した電流値を、制御部9で保存する(このときの測定値をD2とする)(ステップS107)。
次いで、周波数F(F1+ΔF)と上限値F2とを比較する(ステップS108)。
周波数が上限値F2を上回っていない場合、測定値D1と測定値D2とを比較する(ステップS109)。
測定値D2が測定値D1よりも大きい場合、制御部9は、測定値D2を測定値D1の記憶領域にセットするとともに、このときの周波数Fを保存する(ステップS110)。
次いで、ステップS105以降の手順を繰り返す。
ステップS108において、周波数Fが上限値F2を上回ったとき(F>F2)、処理を終了する。
処理終了時に制御部9に保存されていた測定値D1が電流最大値であり、そのときに保存されていた周波数F3が最適駆動周波数となる。
周波数が上限値F2を上回っていない場合、測定値D1と測定値D2とを比較する(ステップS109)。
測定値D2が測定値D1よりも大きい場合、制御部9は、測定値D2を測定値D1の記憶領域にセットするとともに、このときの周波数Fを保存する(ステップS110)。
次いで、ステップS105以降の手順を繰り返す。
ステップS108において、周波数Fが上限値F2を上回ったとき(F>F2)、処理を終了する。
処理終了時に制御部9に保存されていた測定値D1が電流最大値であり、そのときに保存されていた周波数F3が最適駆動周波数となる。
次に、切替えSW7を制御して、接続を圧電素子部8への印加状態7Aにする。そして、周波数F3の信号を生成するように、制御部9は発振部1を制御する。この結果、発振部1からは、周波数F3で所定電圧の駆動信号が出力される。この駆動振動は、第1の電力増幅部3で増幅された、第1の外部電極8Aに入力される。また、この駆動振動は移相部5で移相され、第2の電力増幅部4で増幅される。そして、増幅された駆動信号は、第2の外部電極8Bに入力される。
これにより、圧電素子部8は2つの信号により、調和した振動を発生させる。この振動により楕円運動が発生し、超音波モータとして動作する。
これにより、圧電素子部8は2つの信号により、調和した振動を発生させる。この振動により楕円運動が発生し、超音波モータとして動作する。
このとき、実施例1の駆動回路によれば、スイッチSW7が設けられているので、励起電流測定状態7Bにすることができる。この状態では、第1の外部電極8Aにのみ信号が印加される。しかしながら、第1の外部電極8Aにのみ信号が印加される場合には、圧電素子は駆動されない。このため、実施例1の駆動回路によれば、実際に圧電素子部8を駆動させるときと同様の大きい電圧を、圧電素子部8に印加することができる。そのため、励起電流も大きく得ることができる。励起電流とノイズ成分との比率(S/N)が低いと、電流最大値に大きな誤差を生じることになるが、実施例1の駆動回路では、励起電流が大きく得ることができる。そのため、実施例1の駆動回路では、励起電流におけるノイズ成分の影響を抑えられるので、正確な最適駆動周波数F3を得ることができる。
また、図2に示すように、最適駆動周波数F3の近傍における電流最大値(波形)の変化が急峻である。しかるに実施例1の駆動回路では、大きな励起電流で電流最大値を検出できるため、わずかな周波数変化に対しても、励起電流に変化が顕著に現れる。このため、周波数の分解能が高い回路となる。
更に、実施例1の駆動回路によれば、個別に温度特性データを取る必要がなく、温度に対する記憶データ領域も不要となる。
次に、本発明の実施例2を図8〜図12を用いて説明する。
図8は本発明の実施例2にかかる超音波モータの駆動回路のブロック図、図9は圧電素子部8に入力する駆動周波数のパルス数と駆動量の関係図、図10は実施例2の超音波モータの駆動回路の動作手順を示すフローチャートである。
なお、図2に示した圧電素子部8へ印加する信号の周波数と、励起電流との関係は実施例1と同一のため説明を省略する。また、図8において、図1と重複し同様に機能する部分については、図1と同一の符号を用い、説明を省略する。
図8は本発明の実施例2にかかる超音波モータの駆動回路のブロック図、図9は圧電素子部8に入力する駆動周波数のパルス数と駆動量の関係図、図10は実施例2の超音波モータの駆動回路の動作手順を示すフローチャートである。
なお、図2に示した圧電素子部8へ印加する信号の周波数と、励起電流との関係は実施例1と同一のため説明を省略する。また、図8において、図1と重複し同様に機能する部分については、図1と同一の符号を用い、説明を省略する。
図8に示すように、制御部9は、パルスゲート部2に、発振部1の出力パルスを一定量に制限するように制御する。また、実施例2では、切替えスイッチ7は設けられてなく、第2の電力増幅部4から出力された信号は常時、圧電素子部8の第2の外部電極8Bに印加されるようになっている。また、電流測定部11は、圧電素子部8の第2の外部電極8Bへの印加電流を測定するように配置されている。電流測定部11で測定した印加電流の値は、制御部9に入力されるようになっている。
次に、図10を用いて、実施例2の超音波モータ駆動回路の動作手順を説明する。
まず、制御部9は、発振部1の周波数FをF1にセットする(ステップS201)。ここで、F1は、測定範囲の下限周波数である。
また、制御部9は、パルスゲート部2を介して発振部8で発振される信号のパルス数を圧電素子部8が駆動しない一定量に制御する(ステップS202)。
まず、制御部9は、発振部1の周波数FをF1にセットする(ステップS201)。ここで、F1は、測定範囲の下限周波数である。
また、制御部9は、パルスゲート部2を介して発振部8で発振される信号のパルス数を圧電素子部8が駆動しない一定量に制御する(ステップS202)。
圧電素子部8は、図9に示すように、駆動周波数において、所定のパルス列n以上のパルス(パルスの数)を印加しないと、駆動しない。実験においては、100パルス以下のパルス列を圧電素子部8の第1及び第2の外部電極8A,8Bに印加しても、圧電素子部8は動作しなかった。
パルスゲート部2を介してパルス列の数が一定量nに制限された信号は、電力増幅部3で増幅され、圧電素子部8の第1の外部電極8Aに印加される。また、移相部5でπ/2又は−π/2移相され、第2の電力増幅部4で増幅され圧電素子部8の第2の外部電極8Bに印加される。
圧電素子部8の第2の外部電極8Bに印加する電流を、電流測定部11で測定する(ステップS203)。
電流測定部11で測定した電流値を、図8の制御部9で保存する(このときの測定値をD1’とする)(ステップS204)。
電流測定部11で測定した電流値を、図8の制御部9で保存する(このときの測定値をD1’とする)(ステップS204)。
次いで、図8の発振部1の周波数FをF1から1ステップ上げる(ステップS205)。
次いで、圧電素子部8の第2の外部電極8Bに印加する電流を、電流検出部11で測定する(ステップS206)。
次いで、圧電素子部8の第2の外部電極8Bに印加する電流を、電流検出部11で測定する(ステップS206)。
図11は最適駆動周波数時の電流振幅を示す説明図、図12は最適駆動周波数から離れた電流振幅を示す説明図である。
図11、図12において、所定パルス数での信号印加時の電流値は、振幅の幅で求まる。このため、印加電流の振幅の幅を求めることにより、最適駆動周波数を求めることができる。
電流測定部11で測定された電流値を、図8の制御部9に保存する(このときの測定値をD2’とする)(ステップS207)。
図11、図12において、所定パルス数での信号印加時の電流値は、振幅の幅で求まる。このため、印加電流の振幅の幅を求めることにより、最適駆動周波数を求めることができる。
電流測定部11で測定された電流値を、図8の制御部9に保存する(このときの測定値をD2’とする)(ステップS207)。
次いで、周波数Fと上限値F2とを比較する(ステップS208)。
周波数が上限値F2を上回っていない場合、得られた測定値D1’と測定値D2’とを比較する(ステップS209)。
測定値D2’が測定値D1’よりも大きい場合、制御部9は、測定値D2’を測定値D1’の記憶領域にセットするとともに、このときの周波数Fを保存する(ステップS210)。
次いで、ステップS205以降の手順を繰り返す。
ステップS208において、周波数Fが上限値F2を上回ったとき(F>F2)、処理を終了する。
処理終了時に制御部9に保存されていた測定値D1’が電流最大値であり、そのときに保存されていた周波数が最適駆動周波数となる。
周波数が上限値F2を上回っていない場合、得られた測定値D1’と測定値D2’とを比較する(ステップS209)。
測定値D2’が測定値D1’よりも大きい場合、制御部9は、測定値D2’を測定値D1’の記憶領域にセットするとともに、このときの周波数Fを保存する(ステップS210)。
次いで、ステップS205以降の手順を繰り返す。
ステップS208において、周波数Fが上限値F2を上回ったとき(F>F2)、処理を終了する。
処理終了時に制御部9に保存されていた測定値D1’が電流最大値であり、そのときに保存されていた周波数が最適駆動周波数となる。
実施例2の駆動回路では、パルスゲート部2を介して、印加する信号を圧電素子部8が駆動しないパルス数に制御したので、駆動時に近い電流及び周波数でもって第2の電力増幅部4より出力された印加電流を測定することができる。そのため、切替えスイッチが不要となり、接点磨耗による劣化がなくなる。更には、スイッチを制御する制御部9の負担も軽減できる。
その他のノイズに強い回路、周波数の分解能が高い回路、となる効果や、温度に対する記憶データ領域も不要となる効果は、実施例1と同様である。
その他のノイズに強い回路、周波数の分解能が高い回路、となる効果や、温度に対する記憶データ領域も不要となる効果は、実施例1と同様である。
次に、本発明の実施例3の説明を図13、図14を用いて説明する。
図13は本発明の実施例3にかかる超音波モータの駆動回路のブロック図、図14は実施例3の超音波モータの駆動回路の動作手順を示すフローチャートである。
図13に示す実施例3のように電流測定部11で圧電素子部8の励起電流を測定する構成としても、図8の電流測定部11で圧電素子部8への印加電流を測定する駆動回路と同様、最適駆動周波数でもって圧電素子部8を駆動することができる。
なお、図2に示した共振周波数近傍における圧電素子部8の印加周波数と、励起電流との関係は実施例1と同一のため説明を省略する。また、図13において、図8と重複し同様に機能する部分については、図8と同一の符号を用い、説明を省略する。
図13は本発明の実施例3にかかる超音波モータの駆動回路のブロック図、図14は実施例3の超音波モータの駆動回路の動作手順を示すフローチャートである。
図13に示す実施例3のように電流測定部11で圧電素子部8の励起電流を測定する構成としても、図8の電流測定部11で圧電素子部8への印加電流を測定する駆動回路と同様、最適駆動周波数でもって圧電素子部8を駆動することができる。
なお、図2に示した共振周波数近傍における圧電素子部8の印加周波数と、励起電流との関係は実施例1と同一のため説明を省略する。また、図13において、図8と重複し同様に機能する部分については、図8と同一の符号を用い、説明を省略する。
図9に示すように、実施例3の駆動回路では、圧電素子部8には第3の外部電極8Cが設けられている。そして、第3の外部電極8Cから圧電素子部8で励起した電流(以下モニタ電流と記す)を電流測定部11で測定するようになっている。また、電流測定部11で測定した電流値は、制御部9に入力されるようになっている。
このように印加電流の代わりにモニタ電流を測定するようにして、図10と同一手順の処理を行なうことにより、実施例2と同様の結果が得られる(図14のステップS303,S306参照)。
このように印加電流の代わりにモニタ電流を測定するようにして、図10と同一手順の処理を行なうことにより、実施例2と同様の結果が得られる(図14のステップS303,S306参照)。
実施例3の駆動回路では、電流測定部11は、圧電素子部8の励起電流を第3の外部電極8Cから計測する。しかるに、実施例2の駆動回路では、圧電素子部8の第2の外部電極8Bへの印加電流を測定するように構成されているので、測定する電流値が大きくなる。これに対し、実施例3の駆動装置では、圧電素子8の励起電流を測定するように構成されているので、実施例2の構成に比べて測定する電流値が大きくならない。このため、測定に用いる電流測定部11を小型化できる。
1 発振部
2 パルスゲート部
3、4 電力増幅部
5 移相部
6、11 電流測定部
7 切替スイッチ
8 圧電素子部
8A、8B、8C 外部電極
9 制御部
21、21’ 圧電板
22 絶縁板
24−1、24−2、24−3、24−4 外部電極
26 駆動子
27a、27b 内部電極
28 圧電素子部
29 ピン
51 発振器
53、54 増幅器
55 移相器
56 電流計
58a、58b 圧電体
59 制御器
80 超音波振動子
2 パルスゲート部
3、4 電力増幅部
5 移相部
6、11 電流測定部
7 切替スイッチ
8 圧電素子部
8A、8B、8C 外部電極
9 制御部
21、21’ 圧電板
22 絶縁板
24−1、24−2、24−3、24−4 外部電極
26 駆動子
27a、27b 内部電極
28 圧電素子部
29 ピン
51 発振器
53、54 増幅器
55 移相器
56 電流計
58a、58b 圧電体
59 制御器
80 超音波振動子
Claims (2)
- 圧電素子に印加するための所定周波数の信号を発振する発振部と、
前記発振部から発振された信号を増幅して、前記圧電素子の第1の外部電極に印加する第1の電力増幅部と、
前記発振部から発振された信号を移相する移相部と、
前記移相部で移相された信号を増幅して、前記圧電素子の第2の外部電極に印加する第2の電力増幅部と、
前記圧電素子の第2の外部電極からの励起電流を検出する電流測定部と、
前記発振部で発振する信号の周波数を可変制御し、前記電流測定部で検出された励起電流が最大となるときの周波数を検出する制御部と、
前記圧電素子の第2の外部電極の接続対象を、前記第2の電力増幅部と前記電流測定部のいずれかに切替える切替えスイッチと、
を具備することを特徴とする超音波モータの駆動回路。 - 圧電素子に印加するための所定周波数の信号を発振する発振部と、
前記発振部で発振する信号のパルス数を制限するパルスゲート部と、
前記発振部から発振された信号を増幅して、前記圧電素子の第1の外部電極に印加する第1の電力増幅部と、
前記発振部から発振された信号を移相する移相部と、
前記移相部で移相された信号を増幅して、前記圧電素子の第2の外部電極に印加する第2の電力増幅部と、
前記第2の電力増幅部で増幅された圧電素子の第2の外部電極への印加電流、又は前記圧電素子からの励起電流を検出する電流測定部と、
前記パルスゲート部で制限する信号のパルス数を圧電素子が駆動しない所定量に制御しながら、前記発振部で発振する信号の周波数を可変制御し、前記電流測定部で検出された印加電流が最大となるときの周波数を検出する制御部と、
を具備することを特徴とする超音波モータの駆動回路。
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JP2004109329A JP2005295726A (ja) | 2004-04-01 | 2004-04-01 | 超音波モータの駆動回路 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010226883A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Konica Minolta Holdings Inc | 超音波アクチュエータ |
RU2631332C2 (ru) * | 2015-07-09 | 2017-09-21 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Пензенский государственный университет" (ФГБОУ ВО "Пензенский государственный университет") | Устройство и способ управления самочувствительным ультразвуковым пьезоэлектрическим двигателем |
CN111480005A (zh) * | 2017-12-26 | 2020-07-31 | 株式会社村田制作所 | 泵装置 |
-
2004
- 2004-04-01 JP JP2004109329A patent/JP2005295726A/ja not_active Withdrawn
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US11959472B2 (en) | 2017-12-26 | 2024-04-16 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric pump device |
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