JP2005290403A - 導電性ダイヤモンド粒子による電解方法及び導電性ダイヤモンド粒子の製造方法 - Google Patents

導電性ダイヤモンド粒子による電解方法及び導電性ダイヤモンド粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性を有し、エネルギー変換効率が高く、また溶液中において化学的安定性に優れ、耐久性の高い電解反応用導電性粒子電極を用いる電解方法を提供することを第1の目的とする。また、上記の電解方法で用いる導電性粒子電極に好適な導電性ダイヤモンド結晶粒子の製造方法を提供することを第2の目的とする。
【解決手段】 導電性を付与したダイヤモンド結晶粒子31を電解液中に浸漬すると共に、該導電性ダイヤモンド結晶粒子31を対向配置させた電極11、12によって挟み電圧を印加する。導電性ダイヤモンド結晶粒子は、ホウ素と黒鉛及びダイヤモンド転換金属触媒の反応系に、結晶格子中にホウ素を含む導電性ダイヤモンド粒子を種結晶として共存させ、高温高圧条件下で種結晶粒子を成長させたものを用いることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気分解に利用される電極、特に不純物の添加によって導電性を付与したダイヤモンド粒子を電極に用いた電解方法及び導電性ダイヤモンド粒子の製造方法に関するものである。
電気分解の技術は、水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸、オゾンなどの各種酸化剤の製造、各種化学物質の合成の他、電気メッキや水の電気分解による水素製造、排水中の有害物質の分解除去などに有用な手段を与えるものである。従来、その電極としては金属が使用されているが、金属電極は一般に酸素過電圧が低く酸化剤の発生や酸化分解の際には酸素ガスの発生によって、エネルギーの変換効率が悪くなると言う問題点があった。また、金属電極は、これを陽極に用いた場合、金属溶出や自身の酸化などの劣化が進行する為、寿命にも問題があった(非特許文献1参照)。
一方、ダイヤモンドは一般に絶縁体と考えられているが、シリコンと同様の結晶構造を有した共有結合結晶であり、不純物を添加することによって、半導体となる。更に不純物濃度を高くすることによって金属電極とほぼ同等の導電性を付与することが可能である。このときの不純物にはリン、窒素、ホウ素などが一般的であるが、硫黄やその他金属原子などでも可能である。このようにして導電性を付与した導電性ダイヤモンドは電解溶液中で化学的に非常に安定で、負の親和力を持ち、電位窓が非常に広く電気分解反応用電極としては非常に好都合の素材となる(特許文献1、2参照)。
上記導電性ダイヤモンドを得る際には、例えば、各種金属やシリコンの基盤上にプラズマCVD法によって薄膜化させたものなどが用いられている。この他に、導電性ダイヤモンド微粒子を高温高圧下で製造してこれを皮膜にして用いるものが知られている(例えば特許文献3)。
特開平7−299467号公報 特開2000−226682号公報 特開2001−170474号公報 Pt電極の損耗について:電気化学、65,No.12,1997
しかしながら、導電性ダイヤモンドを各種金属やシリコンの基盤上にプラズマCVD法などによって薄膜化させたものは、基盤との密着性の問題や、ピンホールの存在により高電流密度になるほど基盤からの薄膜の剥離が生じやすくなるといった問題がある。
また、プラズマCVD法にはHFCVD法やMPCVD法などが有り、前者は大面積化が可能であるものの、フィラメントからの汚染によって耐久性の低下が起こる。一方後者は、汚染は無いものの、マイクロ波によって生じるプラズマの均一性に課題があり、実用的な電極面積の確保が困難である。このため、電気分解においては必要電極面積を補うために高電流密度で電解を行う必要が出てくるが、これも耐久性の面においては不利である。
また、従来、ダイヤモンド転換触媒または原料黒鉛粉末にホウ素を混合した混合粉末体を使用して、高温高圧下で導電性ダイヤモンド粒子を製造することは、特許文献3に示されるように従来から提案されている。従来の一般的な方法では、ホウ素の含有量が0.5質量%以下の低濃度ホウ素を含む条件での製造では粒径0.1mm以上のダイヤモンド結晶粒子が得られるものの、得られた粒子の導電性が低く、これを電気分解用電極として適用する場合、抵抗が大きく、電解操作でのエネルギー効率が低いとの問題点がある。特許文献3では、ホウ素の含有量が大きくなる条件で平均粒径0.02〜0.03mmの導電性ダイヤモンド結晶粒子を製造する方法が提案されている。しかし、この方法で得られた粒径0.02〜0.03mmの導電性ダイヤモンド結晶粒子でも、電極材料に適用しようとした場合、対象液(電解液)と電極材料(導電性ダイヤモンド結晶粒子)の分離が困難であり、該技術を利用して電気分解用の電極を得ることは実用上困難である。
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、電解用電極として要求される様々な特性を満たす電極として、導電性を有し、エネルギー変換効率が高く、また溶液中において化学的安定性に優れ、耐久性の高い電解反応用導電性粒子電極を用いる電解方法を提供することを第1の目的とする。
本発明は更に、上記の電解方法で用いることができ、導電性粒子電極に好適な導電性ダイヤモンド粒子の製造方法を提供することを第2の目的とする。
すなわち、本発明のうち、請求項1記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、導電性を付与したダイヤモンド粒子を電解液中に浸漬するとともに対向配置した電極で挟み、該電極を介して前記ダイヤモンド粒子に挟み電圧を印加することを特徴とする。
請求項2記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、上記請求項1の発明において、前記導電性ダイヤモンド粒子が、黒鉛に不純物を混合して高温高圧合成法によって製造されたものであることを特徴とする。
請求項3記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、請求項1の発明において、前記導電性ダイヤモンド粒子が、CVD法によって製造された結晶粒子もしくはCVD法によって製造された多結晶体を破砕したものであることを特徴とする。
請求項4記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、請求項1の発明において、前記導電性ダイヤモンド粒子が、イオン注入法によって導電性を付与されたものであることを特徴とする。
請求項5記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、請求項1の発明において、前記導電性ダイヤモンド粒子が、炭素原子及び導電性を付与するための不純物原子のみから構成される粒子単体であることを特徴とする。
請求項6記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、上記請求項5の発明において、前記導電性ダイヤモンド粒子の前記不純物濃度が、0.5〜20質量%であることを特徴とする。
請求項7記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記導電性ダイヤモンド粒子が、導電性ダイヤモンド粒子をさらに焼結した焼結体粒子であることを特徴とする。
請求項8記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、上記請求項1の発明において、前記ダイヤモンド粒子が、導電性ダイヤモンドとホウ素を含んだ焼結助剤からなる焼結体粒子であることを特徴とする。
請求項9記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記ダイヤモンド粒子の大きさが、0.04mm〜50mmであることを特徴とする。
即ち、本発明では、導電性を有するダイヤモンド粒子を電極として使用するができるため、電解における表面積を非常に大きくすることが可能で、目的物との接触効率向上による電解効率の向上へと繋がる。また、三次元表面が電極となるため、平板電極単独の場合に比べ、有効表面積が増大し、装置も非常にコンパクトとなる。導電性ダイヤモンド粒子の大きさは、小さいほど単位容積当たりの表面積を大きく取ることができるが、電解反応槽でのダイヤモンド粒子電極と処理対象液との接触反応時の電極粒子と液の分離性や反応槽内の通液抵抗を考えると、0.04mm〜30mmが好ましく、さらに0.1mm〜3mmの範囲が一層好ましい。また、反応槽の種別によって、膨張層型電解反応槽では、粒径0.1〜0.7mm、固定層型電解反応槽では粒径0.5〜3mmが好ましい。
また、ダイヤモンド結晶粒子を焼結することによって、粒子径を大きくする方法も適用できる(例えば特開平9−142932号)。なお、Si球等に導電性薄膜を合成し、粒子電極として用いる方法もあるが、この場合、基盤との密着性の問題や、ピンホールの存在により高電流密度になるほど基盤からの薄膜の剥離が生じやすくなると言った問題がある。したがって、導電性ダイヤモンド粒子は、基盤を用いることなく単体で用いるのが好ましい。これによって基盤との密着性の問題や、ピンホールの問題が回避される。
ダイヤモンド粒子の製造方法は、前記したように高温高圧合成法やCVD法、また、粒径調整のための焼結法などを採用することができる。これら方法には常法を採用することができるが、高温高圧合成法に関しては後述する本発明の製造方法によるのが好ましい。
上記CVD法では、粒子を直接に製造しても良く、また、CVD法によって多結晶体を得た後、破砕することで粒子としても良く、また、大径の粒子を破砕して所定の大きさに調製してもよい。
なお、ダイヤモンド結晶粒子への導電性付与については、高温高圧合成時に不純物を予め添加しておく手法やプラズマCVD法によって不純物を添加しながら導電性ダイヤモンドを合成する方法や単結晶を合成する方法、さらには、不導体のダイヤモンド結晶粒子にイオン注入法によって不純物を添加する方法などを採用することができる。これらの方法では、常法を採用することができる。なお、上記各方法の中では、経済性の点において高温高圧合成法が最も実用的と言える(神田、「人工ダイヤモンド単結晶の育成」:資源処理技術、Vol.37,No.1,P23−28)。以上のことから、導電性ダイヤモンド結晶粒子を得る方法としては、予め不純物を添加して高温高圧合成を行う手法が最も技術的、経済的にメリットが大きい。
ダイヤモンド結晶粒子に導電性を付与するために添加される不純物は、リン、窒素、ホウ素、硫黄などが考えられるが、金属イオンなど導電性を付与することができればその種類は問わない。しかしながら通常はホウ素を添加したものが一般的である。これらの添加濃度はダイヤモンド結晶の炭素に対して0.5〜20質量%の範囲が適している。
また、上記ダイヤモンド粒子を挟んで挟み電圧を印加する給電用電極には、Ptなどの金属電極やカーボン電極、もしくは、板状の導電性ダイヤモンド電極など、工業電解に適用されている一般的な電極を用いることができる。また、導電性ダイヤモンド結晶粒子の配し方については、酸化分解である場合には陽極側の給電用電極に固定床として接する方法を取ることができ、還元を目的とする場合には、陰極側に接する方法を取ることができる。また、給電電極の間に流動層として導電性ダイヤモンド結晶粒子を配し、粒子が分極して陽極および陰極の両方の効果を得ることもできる。
また、本発明の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法は、上記した本発明の電解方法に用いることのできるものとして提案される。
すなわち、本発明の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法のうち、請求項10記載の発明は、ホウ素と黒鉛及びダイヤモンド転換金属触媒を含む反応系に、結晶格子中にホウ素を含む導電性ダイヤモンド粒子を種結晶として共存させ、1,000℃以上の温度および3Gpa以上の圧力の高温高圧条件下で前記種結晶粒子を成長させて導電性ダイヤモンド結晶粒子とすることを特徴とする。
上記種結晶を反応系で共存させて高温高圧下で反応させることによって導電性ダイヤモンド粒子が十分に成長することができる。上記温度、圧力未満の条件では、導電性ダイヤモンド粒子を良好に得ることができない。
請求項11記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法の発明は、請求項10記載の発明において、前記種結晶は結晶格子中にホウ素を0.05〜5質量%含む粒径0.005〜0.05mmの導電性ダイヤモンド粒子であり、該種結晶粒子を平均粒径0.1〜3mmの導電性ダイヤモンド結晶粒子に成長させることを特徴とする
種結晶のホウ素含有量を上記条件に定めることによって、成長結晶に十分な導電性を持たせることができる。そのためにホウ素含有量は0.05%以上とすることが必要である。一方、5%を超えてホウ素を含有させるのは困難であるばかりか、かえってダイヤモンドの結晶性を損なうおそれがある。また、所望の成長結晶の大きさを得るために、種結晶は上記粒径とするのが望ましい。種結晶の粒径が0.005mm未満であると結晶成長の大きさが不足し、一方、種結晶の粒径を0.05mmを超えるものとすると、種結晶の均質性が損なわれるおそれがある。成長結晶の大きさは、電解用の電極として用いた際に、効率的な電解を行うために上記範囲が望ましい。成長結晶の平均粒径が0.1mm未満であると電解時に電極材料の分離が困難になる。一方、成長結晶の平均粒径が3mmを超えると電極表面積の増大効果が小さくなるので上記範囲が望ましい。
請求項12記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法の発明は、請求項11記載の発明において、前記反応系で、ホウ素の黒鉛に対する割合が0.05質量%以上、5質量%以下であることを特徴とする。
反応前に前記反応系でホウ素の割合が上記条件を満たすことにより、種結晶が良好に成長して所望のホウ素含有量を有する成長結晶を得ることができる。上記割合が範囲を外れると成長結晶のホウ素含有量を所望の範囲に制御することが難しくなる。なお、反応系における上記ホウ素割合と、種結晶におけるホウ素含有量とは同等にしておくのが好ましい。
請求項13記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法の発明は、請求項11または12記載の発明において、前記種結晶の導電性ダイヤモンド粒子の量が、前記反応系に含まれる黒鉛量の0.005〜10質量%であることを特徴とする。
反応系における黒鉛量を適切な範囲に定めることで結晶の成長を効率的にすることができる。前記種結晶の導電性ダイヤモンド粒子の量が、上記反応系に含まれる黒鉛量の0.005%未満であると、結晶の成長が十分になされない。一方、黒鉛量の10%を超えてもそれ以上の結晶の成長効果が得られないばかりか経済的でないので、黒鉛量は、上記範囲が望ましい。
次に、請求項14記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法の発明は、請求項11〜13のいずれかに記載の発明において、前記ダイヤモンド転換金属触媒が、Fe、Ni、Coの1種または2種以上またはこれらの金属の1種又は2種以上を主成分とする合金であることを特徴とする。
なお、本発明では、ダイヤモンド結晶粒子に導電性機能付与を目的にホウ素をダイヤモンドの結晶格子に組み込む条件で調製する方法を示しているが、ホウ素の変わりにリン、窒素、硫黄などを導入することも考えられる。しかし、得られた結晶の安定性等から判断するとホウ素を添加したものが最適であるといえる。添加濃度はダイヤモンド結晶の炭素に対して0.05〜5質量%の範囲が適している。
以上説明したように、本発明の電解方法によれば、不純物を添加して導電性を付与した導電性ダイヤモンド結晶粒子に電圧を印加することによって、電解用電極として要求される様々な特徴を有する電極として振る舞い、エネルギー変換効率が高く、また電解溶液中において化学的安定性に優れ、耐久性の高い電解反応用粒子を用いる電解方法を提供するという所期の目的を達成できる。
また本発明の導電性ダイヤモンド結晶粒子の製造方法によれば、導電性が良好で上記本発明の電解方法に好適な導電性ダイヤモンド粒子を提供することができる。
以下、本発明の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法の実施例と、該実施例によって得られた導電性ダイヤモンド粒子を用いた電解方法の実施例について説明する。
高温高圧反応容器(内径20mm)中に、黒鉛とホウ素の混合粉末―Ni,Fe,Co合金板―黒鉛とホウ素の混合粉末―Ni,Fe,Co合金板―のように黒鉛とホウ素の混合粉末とダイヤモンド転換金属触媒(Ni,Fe,Co合金板)を多層に繰り返し積層した。上記黒鉛とホウ素の混合粉末にはダイヤモンドの種結晶を混ぜ込んだ。種結晶には、ホウ素の含有量1質量%、平均粒径0.05mmの導電性ダイヤモンド結晶粒子を用いた。
高温高圧反応容器への全仕込み量を以下に示す。
黒鉛(反応系) :4g
ホウ素(反応系) :0.04g
Ni,Fe,Co合金(反応系):8g
ダイヤモンド種結晶 :0.02g
昇圧に1時間、昇温に0.5時間かけて圧力5.5GPa、温度1500±100℃の反応条件で15分間保持した。その後、2時間かけて減圧、放冷した後に取り出した試料を王水中で煮沸して金属を溶解除去し、ダイヤモンドを回収した。
回収したダイヤモンドを乳鉢で軽くすりつぶして粒状の導電性ダイヤモンド結晶粒子として回収した。回収した導電性ダイヤモンド結晶粒子の平均粒径は0.12mmであった。
図1に、実施例で使用した電解槽10を示す。電解槽10の内側に陽極21と陰極22が対向して設置されている。陽極21と陰極22には直流電源23が接続され、両電極間に電圧が印加できるようになっている。電解槽10の下部には電解液の入口11が設けられ、上部には出口12が設けられて、入口11から出口12へと電解槽10内を被処理水(電解液)が流動できるようにしてあり、入口11と出口12間は、電解液が通過可能な仕切を設けて電解セルを構成している。また、電解槽10の内部は、陽極21と陰極22間にテフロン(商標)メッシュ24で仕切りをして、陽極21側に前記実施例1で得られたホウ素を添加した導電性ダイヤモンド結晶粒子31を充填し、陰極22側に前記導電性ダイヤモンド結晶粒子と略同じ大きさのガラス粒子32を充填した。ガラス粒子32を充填したのは、電解セル内の圧損を均一にし、被処理水の流れが偏らないようにするためである。導電性ダイヤモンド結晶粒子31とガラス粒子32とは、電解セル内で流動可能になっており、膨張層を形成する。
前記陽極21と陰極22は、導電性ダイヤモンド電極で構成した。更に、比較のために、陽極21をPt、陰極22をTiとして、両極間には何も充填しない装置装置と、陽極21と陰極22を導電性ダイヤモンド電極で構成し、両極間には何も充填しない装置を比較例として準備した。
各装置に排水を入り口11から出口12へ流して有機物濃度の変化を測定した。排水の性状と流量及び電解装置としての諸元を以下に示す。
有機物濃度(TOC) :6,500mg/L
入口温度 :25℃
流量 :500L/h
電極のサイズ :50×50mm
電極間距離 :10mm
電極間電圧 :18V
電流密度(平板面積に対して) :20A/dm
導電性ダイヤモンド結晶粒子の径 :0.5〜0.8mm
図2に有機物の分解結果を示した。図中、ダイヤモンド粒子とあるのが、電極間に導電性ダイヤモンド結晶粒子を充填した場合である。ダイヤモンド板のみとあるのは導電性ダイヤモンド電極を対向させ、電極間には何も充填しない場合であり、Pt電極のみとあるのは、陽極をPt、陰極をTiとして、両極間に何も充填しない場合である。実施例で流した排水中の有機物は、Pt/Ti電極を単独で用いた場合、これら電極では容易には分解できない物質であったため、有機物(TOC)の分解が全くといって良いほど進行しなかった。また、導電性ダイヤモンド平板電極を単独で用いた場合は、投入電流量の増加に伴い分解は進行したが、その効率は、粒子を充填した場合に比較して低かった。導電性ダイヤモンド平板電極間に導電性ダイヤモンド粒子を充填した場合、有機物分解における電流効率はほぼ100%であった。これは、対象とした有機物が電解セル内を通過する際の電極との接触効率の高さに起因している。つまり導電性ダイヤモンド粒子を充填した場合、容積当たりの電極面積が非常に大きくなることによる効果である。
以上、実施例について説明したが、本発明は実施例の装置に適用が限られるものではない。導電性ダイヤモンド結晶粒子を対向配置した電極によって挟み電圧を印加できる構造であれば何ら問題は無く、同様の効果を得ることができる。
実施例2で使用した電解槽の構造を示す図である。 実施例2において排水を通液電解処理した結果のグラフである。
符号の説明
10 電解槽
11 入口
12 出口
21 陽極
22 陰極
23 直流電源
24 テフロンメッシュ
31 ダイヤモンド結晶粒子
32 ガラス粒子

Claims (14)

  1. 導電性を付与したダイヤモンド粒子を電解液中に浸漬するとともに対向配置した電極で挟み、該電極を介して前記ダイヤモンド粒子に挟み電圧を印加することを特徴とする導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  2. 前記導電性ダイヤモンド粒子が、黒鉛に不純物を混合して高温高圧合成法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  3. 前記導電性ダイヤモンド粒子が、CVD法によって製造された結晶粒子もしくはCVD法によって製造された多結晶体を破砕したものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  4. 前記導電性ダイヤモンド粒子が、イオン注入法によって導電性を付与されたものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  5. 前記導電性ダイヤモンド粒子が、炭素原子及び導電性を付与するための不純物原子のみから構成される粒子単体であることを特徴とする請求項1記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  6. 前記導電性ダイヤモンド粒子の前記不純物濃度が、0.5〜20質量%であることを特徴とする請求項5記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  7. 前記導電性ダイヤモンド粒子が、導電性ダイヤモンド粒子をさらに焼結した焼結体粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  8. 前記ダイヤモンド粒子が、導電性ダイヤモンドとホウ素を含んだ焼結助剤からなる焼結体粒子であることを特徴とする請求項1記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  9. 前記ダイヤモンド粒子の大きさが、0.04mm〜50mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の導電性ダイヤモンド粒子による電解方法。
  10. ホウ素と黒鉛及びダイヤモンド転換金属触媒を含む反応系に、結晶格子中にホウ素を含む導電性ダイヤモンド粒子を種結晶として共存させ、1,000℃以上の温度および3Gpa以上の圧力の高温高圧条件下で前記種結晶粒子を成長させて導電性ダイヤモンド結晶粒子とすることを特徴とする導電性ダイヤモンド粒子の製造方法。
  11. 前記種結晶は結晶格子中にホウ素を0.05〜5質量%含む粒径0.005〜0.05mmの導電性ダイヤモンド粒子であり、該種結晶粒子を平均粒径0.1〜3mmの導電性ダイヤモンド結晶粒子に成長させることを特徴とする請求項10記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法。
  12. 前記反応系において、ホウ素の黒鉛に対する割合が0.05質量%以上、5質量%以下であることを特徴とする請求項11記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法。
  13. 前記種結晶の導電性ダイヤモンド粒子の量が、前記反応系に含まれる黒鉛量の0.005〜10質量%であることを特徴とする請求項11または12に記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法。
  14. 前記ダイヤモンド転換金属触媒が、Fe、Ni、Coの1種または2種以上またはこれらの金属の1種又は2種以上を主成分とする合金であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の導電性ダイヤモンド粒子の製造方法。
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