JP2005261621A - 医療用処置具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 体内での鉗子による処理範囲を広げる。
【解決手段】 軸部(1)の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部(3)を備えた医療用処置具であって、処理部(2)を軸部(1)に対し平面上での首振り動作が可能に連結する可撓継手(4)が設けられ、基部(3)に首振り操作部(17)が設けられ、首振り操作部(17)と処理部(2)との間に伝動索(26a,26b)が渡される。軸部(2)を患者の体内に挿入した場合に基部(3)の首振り操作部(17)を操作して可撓性継手(4)の箇所で処理部(2)を首振り動作させることができる。従って、患者の体内における処理部(2)の突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 軸部(1)の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部(3)を備えた医療用処置具であって、処理部(2)を軸部(1)に対し平面上での首振り動作が可能に連結する可撓継手(4)が設けられ、基部(3)に首振り操作部(17)が設けられ、首振り操作部(17)と処理部(2)との間に伝動索(26a,26b)が渡される。軸部(2)を患者の体内に挿入した場合に基部(3)の首振り操作部(17)を操作して可撓性継手(4)の箇所で処理部(2)を首振り動作させることができる。従って、患者の体内における処理部(2)の突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、鉗子、鋏、キュレット、吸引管等の医療用処置具に関する。
従来、鉗子等の医療用処置具は鋏状に構成され、手元のレバーを操作して先端のブレードを開閉動作させ患部の組織等を除去したり、切除したりするようになっている。
ところが、従来の医療用処置具は例えば鉗子であればブレードを単に開閉動作させるようになっているだけであるから、患者の体内に確保したトンネル状の通路から鉗子を挿入した場合、通路の突き当たりの箇所については処置することができるが、この突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができないという問題がある。
例えば、下垂体手術のような狭い箇所の手術では、腫瘍を取り除くためには一種類の鉗子で患部にアプローチすることが難しく、処理部の形状を変えた多種類の鉗子を使用して行われる。そのため、手術が煩雑となり術者と患者の双方に負担がかかるという問題がある。
したがって、本発明は上記不具合を解消することができる医療用処置具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、軸部(1)の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部(3)を備えた医療用処置具であって、処理部(2)を軸部(1)に対し平面上での首振り動作が可能に連結する可撓継手(4)が設けられ、基部(3)に首振り操作部(17)が設けられ、首振り操作部(17)と処理部(2)との間に伝動索(18)が渡された医療用処置具を採用する。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の医療用処置具において、首振り操作部(17)が基部(3)を持つ手の指で操作しうるダイアル(17a)を備え、このダイアル(17a)に伝動索(26a,26b)が連結された医療用処置具を採用する。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具において、処理部(2)を所望の首振り位置に固定するロック手段(33等)を備えた医療用処置具を採用する。
請求項1に係る発明によれば、軸部(1)の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部(3)を備えた医療用処置具であって、処理部(2)を軸部(1)に対し平面上での首振り動作が可能に連結する可撓継手(4)が設けられ、基部(3)に首振り操作部(17)が設けられ、首振り操作部(17)と処理部(2)との間に伝動索(26a,26b)が渡された医療用処置具であるから、軸部(2)を患者の体内に挿入した場合に基部(3)の首振り操作部(17)を操作して可撓継手(4)の箇所で処理部(2)を首振り動作させることができる。従って、患者の体内における処理部(2)の突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の医療用処置具において、首振り操作部(17)が基部(3)を持つ手の指で操作しうるダイアル(17a)を備え、このダイアル(17a)に伝動索(26a,26b)が連結された医療用処置具であるから、首振り操作部(17)を簡易に操作することができ、処理部(2)を適正に動作させることができる。
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具において、処理部(2)を所望の首振り位置に固定するロック手段(33等)を備えた医療用処置具であるから、処理部(2)を所望の位置に固定し、患部等に対して適正な処置を施すことができる。
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1乃至図3に示すように、この医療用処置具である鉗子は、軸部1の先端と後端にそれぞれ処理部2と基部3を備える。
軸部1は、図6乃至図8に示すように、剛性のあるパイプ1aを備える。パイプ1aはステンレス鋼等で形成され、鼻腔等に挿入可能に細長く形成される。
処理部2は、図6及び図7に示すように、鉗子用の一対のブレード2a,2bを備える。一対のブレード2a,2bはフォーク状のホルダ5に回動可能に支持される。一対のブレード2a,2bの後端はホルダ5の縦溝内に挿入され、縦溝内においてホルダ5に一本の支点ピン6で枢着される。各ブレード2a,2bの支点ピン6を後方に越えた箇所には、それぞれ連接棒7a,7bの先端がピン結合され、連接棒7a,7bの後端はスライダ8の先端に一本の枢ピン9で連結される。スライダ8はホルダ5を前後方向に貫通するガイド孔5a内にスライド可能に挿入される。このスライダ8がホルダ5のガイド孔5a内を後方にスライドすると図6中実線で示すように一対のブレード2a,2bが閉じ、逆に前方にスライドすると図6中二点鎖線で示すように一対のブレード2a,2bが開く。
処理部2は、軸部1に対し平面上での首振り動作が可能に可撓継手4を介し連結される。この可撓継手4は、図6、図7及び図9に示すように、複数個の関節部材4a,4b,4cを直列に接続した構造となっている。関節部材4a,4b,4c同士は上下方向に伸びる枢軸10を介して連結される。後尾の関節部材4cは、関節部材4a,4b,4c同士の連結と同様にして上下方向に伸びる枢軸10を介し軸部1のパイプ1aの先端に連結される。また、先頭の関節部材4aは、後述する接続構造により処理部2のブレード2a,2bを保持するホルダ5に連結される。これにより、可撓継手は図2に示すごとく水平面上で屈曲自在となり、処理部2のブレード2a,2bは軸部1の先で左右方向に首振り動作が可能になる。
なお、関節部材4a,4b,4cの枢軸10の向きは上下方向に限るものではなく、例えば左右方向に向けてもよくその場合は処理部2のブレード2a,2bは上下方向に首振り動作が可能になる。また、関節部材は一個設けるだけでもブレード2a,2bを左右に振らせることができるが、望ましくは二個以上設けられる。関節部材を増設することにより、処理部2の屈曲性が増大する。
上記処理部2のブレード2a,2bは、可撓継手4に対し首振り動作が可能なだけでなく軸回りに回転可能でもある。すなわち、図6、図7及び図10に示すように、ホルダ5の後部が先頭の関節部材4aに形成された円筒孔11内に軸回りに回転可能に挿入される。ホルダ5の後部の外周には環状溝12が形成され、この環状溝12内に先頭の関節部材4aに植設されたガイドピン13が挿入される。また、図6及び図10に示すように、スライダ8とホルダ5とは非円形断面部で接している。これにより、スライダ8が軸回りに捩られると、ホルダ5がガイドピン13と環状溝12との摺接作用で先頭の関節部材4aに対し軸回りに回転し、ブレード2a,2bもホルダ5と一体で軸回りに回転する。
基部3は、図1乃至図5に示すように、その前部で軸部1の後端を保持し、その下側には術者が把持するハンドル14が設けられる。また、基部3には、ハンドル14を持つ術者の指で操作しうるように、ブレード開閉操作部15と、ブレード回転操作部16と、ブレード首振り操作部17とが設けられる。
ブレード開閉操作部15は、図1乃至図10に示すように、開閉操作レバー15aと、開閉操作レバー15aの動きをブレード2a,2bに伝達する伝動ケーブル18とを具備する。開閉操作レバー15aは、ハンドル14を持つ手の指で引くことができるように基部3の下側に支点ピン19を介して保持され、ハンドル14との間に介装される弾性体である板バネ20により常時前方に付勢される。伝動ケーブル18は、ブレード2a,2b後方のスライダ8と開閉操作レバー15aとの間に伝動可能に掛け渡される。具体的には、伝動ケーブル18は上記軸部1と上記可撓継手4に夫々形成されたトンネル状の中央孔に通され、その前端はスライダ8に連結される。また、後端は軸部1の中央孔と連通するように基部3に形成された貫通孔3aを後方に貫通し長さ調整具21に連結される。
長さ調整具21は、具体的にはコレットチャックであり、基部3の後端から貫通孔内にスライド可能に挿入されたコレット21aと、コレット21aに螺合するナット21bとを具備する。コレット21aには複数個のすり割り溝が形成され、ナット21bの回転により縮径するようになっている。伝動ケーブル18をコレット21aに通しブレード2a,2bの開閉に都合のよい長さに調整した後、ナット21bを回することによりコレット21aで伝動ケーブル18を締め付け固定することができる。
伝動ケーブル18と開閉操作レバー15aとは直結してもよいが、この実施の形態では図4に示すように中間リンク22を介して動力的に連結される。中間リンク22はその中央部が支点ピン22aにより基部3に支持され、中間リンク22の一端の枢ピン22bが開閉操作レバー15aの基端に形成されたフォークに嵌め込まれ、中間リンク22の他端に形成されたフォークが伝動ケーブル18の中間部に固定された突起23に係止される。基部3の貫通孔3a内には摺動筒24が挿入され、この摺動筒24内に伝動ケーブル18が挿入され摺動筒24に固定される。上記突起23はこの摺動筒24と一体化され、また、上記コレット21aは摺動筒24の後端に固定される。
これにより、開閉操作レバー15aが図1中実線で示す解放状態にあるとき、板バネ20の付勢力により伝動ケーブル18が前方にスライドし、ブレード2a,2bは図6中二点鎖線で示すように開いた状態にあるが、開閉操作レバー15aが板バネ20の付勢力に抗して図1中二点鎖線位置へと引かれると、伝動ケーブル18が後方にスライドし、ブレード2a,2bは図6中実線で示すように閉じる。
伝動ケーブル18はその全長をワイヤーロープのごとく可撓性を有する線材で形成することも可能であるが、この実施の形態では図6に示すように後端から軸部1内までの箇所が剛性線材18aで形成され、可撓継手4内から前端までの箇所が可撓性線材18bで形成され、この二種類の線材18a,18bが継手25により連結されている。
ブレード回転操作部16は、図1乃至図5に示すように、回転操作ダイアル16aを備える。回転操作ダイアル16aは基部3の上部に貫通孔3aと交差するように形成された切欠3b内にその周面が基部3外に露出するように挿入され、その中央を上記摺動筒24が貫通する。回転操作ダイアル16aは摺動筒24に固着され、上記ハンドル14を持つ手の指で回転操作ダイアル16aを回すと、伝動ケーブル18が摺動筒24と一体で軸回りに回転する。上述のごとく伝動ケーブル18の先端はスライダ8を介しホルダ5に共回り可能に連結され、ホルダ5は可撓継手4に対して軸回りに回転可能であるから、回転操作ダイアル16aの回転に伴いブレード2a,2bも軸回りに回転する。
ブレード首振り操作部17は、図1、図2、図4、図5、図7〜図9に示すように、首振り操作ダイアル17aと、首振り操作ダイアル17aの動きを処理部2のブレード2a,2bに伝達する伝動索26a,26bとを具備する。首振り操作ダイアル17aは基部3における開閉操作レバー15aよりもやや前方に支点軸27を介し軸支される。この首振り操作ダイアル17aと処理部2のブレード2a,2bとの間に伝動索26a,26bが渡される。すなわち、首振り操作ダイアル17aにはプーリ28が固定され、このプーリ28に伝動索26a,26bが巻き付けられる。伝動索26a,26bは左右二列になって軸部1及び可撓継手4内を前後方向に貫通し、それぞれの前端が可撓継手4の先頭の関節部材4aに連結される。また、各伝動索26a,26bの各後端はプーリ28に沿って湾曲し首振り操作ダイアル17aに止めネジ29により固定される。止めネジ29を緩めることにより各伝動索26a,26bの長さを加減し、ブレード2a,2bの首振り具合を調整することができる。軸部1のパイプ1a内には左右二本のガイド筒30a,30bが挿入され、可撓継手4の各関節部材4a,4b,4cには左右にガイド孔31a,31bが形成され、左右の伝動索26a,26bは各ガイド筒30a,30b及びガイド孔31a,31b内を前後方向に通っている。
これにより、上記ハンドル14を持つ手の指で首振り操作ダイアル17aを回すと、左右の伝動索26a,26bが軸部1及び可撓継手4内を互いに逆向きにスライドし、首振り操作ダイアル17aの回転方向に応じて処理部2のブレード2a,2bが可撓継手4と共に図2に示すごとく左又は右に首を振る。
図4に示すように、基部3には処理部2のブレード2a,2bを所望の首振り位置に固定するロック手段が設けられる。具体的には、ロック手段はクリックストップ装置であり、首振り操作ダイアル17aの周面に形成された多数の凹凸32と、首振り操作ダイアル17aの周面に臨むように基部3に取り付けられる突起33とを備える。突起33は基部3との間に挿入される弾性体である圧縮コイルバネ34により首振り操作ダイアル17aの周面に向かって常時付勢される。首振り操作ダイアル17aを所望角度回して停止させると、突起33が首振り操作ダイアル17aの周面の凹凸と嵌合し、これによりブレード2a,2bが所望の首振り位置に固定される。
次に、上記構成の医療用処置具の作用について説明する。
図11に示すように、例えばこの治療用処置具を下垂体の腫瘍Aの摘出に使用するものとする。まず、図示しない鼻鏡を鼻孔Bから下垂体の方へと挿入し、鼻鏡をガイドとして内視鏡Cを下垂体へと挿入し、内視鏡Cにより患部を照明する。
術者が医療用処置具のハンドル14を持ち、開閉操作レバー15aを板バネ20の付勢力に抗して図1中二点鎖線位置へと引く。これにより、伝動ケーブル18が後退しブレード2a,2bを図6中実線で示すように閉動作させる。
鼻鏡をガイドとしてこの閉じたブレード2a,2bから軸部1を鼻孔B内に挿入する。ブレード2a,2bが下垂体の腫瘍Aに到達すると開閉操作レバー15aを解放する。板バネ20の復元作用により開閉操作レバー15aが元の位置に復帰し、これに伴いブレード2a,2bが開く。
続いて、回転操作ダイアル16aや首振り操作ダイアル17aをハンドル14を持つ手の指で操作し、ブレード2a,2bを軸回りに回転させ、或いは首振り動作させて、ブレード2a,2bを腫瘍Aに接近させる。ブレード2a,2bはクリップストップ装置のロック作用によりこの所望の首振り位置に固定される。
そこで、開閉操作レバー15aを引き操作し、ブレード2a,2bを閉動作させ、ブレード2a,2bで腫瘍Aを掴み、首振り操作ダイアル17aを逆向きに操作してブレード2a,2bを軸部1の延長線上に戻した後、軸部1を鼻鏡外に引き出す。これにより、腫瘍Aが体外に除去される。この操作が腫瘍Aの大きさに応じて繰り返され腫瘍Aの全体が体外に摘出される。
このように、軸部1を患者の体内に挿入した場合に基部3の首振り操作部17を操作して可撓継手4の箇所で処理部2を首振り動作させることができるので、患者の体内における処理部2の突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記実施の形態では内視鏡手術用の鉗子として説明したが、鋏、キュレット、吸引管等の医療用処置具についても適用可能である。鋏、キュレット、吸引管の場合は処理部がそれぞれ一対の刃、キュレット片、吸引口として構成される。吸引管として使用する場合は、軸部等に挿入される伝動ケーブルに代えて吸引パイプが挿入される。
1…軸部
2…処理部
3…基部
4…可撓継手
17…首振り操作部
17a…首振り操作ダイアル
26a,26b…伝動索
33…突起
2…処理部
3…基部
4…可撓継手
17…首振り操作部
17a…首振り操作ダイアル
26a,26b…伝動索
33…突起
Claims (3)
- 軸部の先端と後端にそれぞれ処理部と基部を備えた医療用処置具であって、処理部を軸部に対し平面上での首振り動作が可能に連結する可撓継手が設けられ、基部に首振り操作部が設けられ、首振り操作部と処理部との間に伝動索が渡されたことを特徴とする医療用処置具。
- 請求項1に記載の医療用処置具において、首振り操作部が基部を持つ手の指で操作しうるダイアルを備え、このダイアルに伝動索が連結されたことを特徴とする医療用処置具。
- 請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具において、処理部を所望の首振り位置に固定するロック手段を備えたことを特徴とする医療用処置具。
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