JP2005258994A - コンピュータによる患者院内呼び出しシステムおよび診察順番決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、診察待ちや薬受け取り待ちなどの患者の呼び出しに対して、何をもとにどのような形(方法)で呼び出しを行うかを解決し、最適な呼び出しシステムを構築することである。音声合成技術は既存のものを使用するが、その技術をもとに診察待ち患者の診察順番の決定方法を結び付け、音声合成による呼び出しシステムの構築を主目的としている。
【解決手段】診察待ちなどの病院内の患者を、各部門(あるいは担当医)ごとに作成された受付表に基づいて患者を呼び出すシステムにおいて、予めコンピュータによって作成された受付表を基に診察や検査などの順番の回ってきた患者を、患者の氏名などの文字情報を音声合成機能で音声化し、スピーカーで患者を呼び出す手段、を備えたことを特徴とするコンピュータによる患者院内呼び出しシステムである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンピュータが作成した受付表を基に患者の呼び出しを合成音声で行うシステムと、そのための診察、検査、治療などの順番を決定する方法に関する。
現在、病院や診療所などでの患者の呼び出しは受付で、来院患者の受付順に行っている。予約受付では予約した時間に幅をもたせ、ある時間帯内(多くは30分単位の幅)に診察や治療が受けられるという目安にしている。もちろん予定の時間帯内で診察が受けられれば問題はないが、飛込患者(予約なしの患者)の多い場合には、予約患者も予約時間を大幅に遅れて診察を受けることが日常的になっている。
コンピュータで予約受付を行う場合、患者の希望を聞き、スケジュール表(予約スケジュール表)の空きを調べ、空きのある場合にはその空きに埋めていく方式が採られている。一方、受付は来院順に受付番号を渡し、受付順に診察が行われている。予約患者でも飛込患者でも、扱いは同等である。大きな総合病院では、同じ部門(内科、外科、脳神経科、眼科等)でも診察室ごとに受付が設けられていて、同一部門間においてさえも融通性を持っていないところもある。もちろん、同じ部門では共通した受付(一つの受付)で予約受付や来院患者の受付を行っているところもある。その場合でも、診察室(担当医)が決まると、診察室を変更することなく受付順番通りに診察が行われている。
診察順番が回ってきた患者に対しては、一般に看護士が患者の氏名を呼び出している。ところによっては、表示装置を設け、受付番号を表示する方法が採られている場合もある。また、病院内で薬を引き渡す場合には、大きな電子表示装置(例えば100人分の表示が可能な電光表示盤)に受付番号を表示し、薬の引き渡し準備ができた患者の受付番号を点灯させる方法が採られているところもある。
最近は音声合成技術が進歩し、様々な分野で音声合成技術を使った案内が行われている。音声合成技術では、文字情報を音声化することもできるようになり、その応用分野は広がりを見せている。例えば、盲人のために本を機械に読ませて音声化する朗読システムなどがある。合成音声による呼び出しとしては、『受付・交付呼出しトータル番号表示システム』(特許文献1)や『音声合成指令システム』(特許文献2)がある。前者は、諸証明受付、届け書受付の受付窓口業務で発生する交付業務に関するデータを交付窓口へ移送し、交付呼出し番号表示盤により最終的な呼出しを行うシステムである。この中で、合成音声による交付呼出し放送について触れられている。後者は、消防署の指令台より署所への指令、消防団への指令、住民よりの電話に対する応答の音声を、指令台よりの指示信号にて合成した音声で行う、音声合成指令システムである。
音声合成そのもののシステムとしては、『テキスト音声合成方法および装置』(特許文献3)がある。これは、スペクトルパラメータ列をHMMに学習させ、テキストによりHMMからスペクトルパラメータ列を生成して音声合成するボコーダ型のテキスト音声合成システムである。このシステムはより高品質の合成音声を生成するとともに、システムの自動構築を容易にすることを目的にしている。そのため、ボコーダ型の音声符号化方式における高精度励振源モデルのパラメータ列を隠れマルコフモデル(HMM)の学習によりモデル化し、テキストに基づいてHMMから高精度励振源パラメータ列を生成して高精度励振源を制御し、高精度励振源からつくられた励振信号を合成フィルタに加えることによって、音声波形を生成している。
特開2002−109142号公報 特開平6−314393号公報 特開2002−268660号公報
背景技術で見てきたように、音声合成技術は日進月歩で進歩している。音声合成を導入するメリットとして、人手不足の解消や人的ミスの回避などが挙げられる。例えば、今日、おびただしい書籍が出版されているが、視力の衰えた人や幼い子供のために本を朗読するシステムは、音声合成技術で朗読を機械化することによって、アナウンサの肉声を用いなくても、文字情報(テキスト)から直接合成音声で本の朗読を可能にしている。これらの音声合成技術の特徴を生かした応用分野の一つが、音声合成技術を使った呼び出しシステムである。
医療分野においてもコンピュータ化が進んでおり、事務処理はもちろんのこと、カルテの電子化、医療検査の自動化、病院内や病院間の情報交換など、様々な分野でコンピュータ技術が利用されている。しかし音声合成技術を用いて病院内での呼び出しを行うシステムについては現在のところ見当たらない。音声合成による患者の自動呼び出しを行うためには、何をもとに呼び出しをすればよいかなどを解決しなければならないため、単に現在ある呼び出しシステムをそのまま利用すればよいというものでもないからだ。
以上の点を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、診察待ちや薬受け取り待ちなどの患者の呼び出しに対して、何をもとにどのような形(方法)で呼び出しを行うかを解決し、最適な呼び出しシステムを構築することである。とくに本発明では、音声合成技術は既存のものを使用するが、その技術をもとに診察待ち患者の診察順番の決定方法を結び付け、音声合成による呼び出しシステムの構築を主目的としている。
発明が解決しようとする課題のために、本発明の請求項1に記載された発明は、診察待ちなどの病院内の患者を、各部門(あるいは担当医)ごとに作成された受付表に基づいて患者を呼び出すシステムにおいて、
予めコンピュータによって作成された受付表を基に診察や検査などの順番の回ってきた患者を、患者の氏名などの文字情報を音声合成機能で音声化し、スピーカーで患者を呼び出す手段、
を備えたことを特徴とするコンピュータによる患者院内呼び出しシステムである。
本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の受付表を基に、患者の診察順番を決める方法において、
スケジュール表(予約患者)と予約なしに来院した患者(飛込患者)とから受付表を埋めていく手段と、患者のタイプ(予約定期患者、予約なしの定期患者、緊急飛込患者、一般飛込患者等)によって付けられた優先順位に従って患者の診察順番を決める手段、
を備えたことを特徴とするコンピュータによる自動診察順番決定方法である。
本発明の請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の診察順番を決定する方法において、
(1)一患者の診察終了後、診察待ち患者一覧表(受付表のうち、実際に来院している患者の一覧)を画面に表示し、診察待ち患者の氏名、受付番号、優先順位、待ち時間等から判断し、コンピュータが算出した診察順番を変更して、医師が次の診察患者を決定する割込処理手段、
(2)前記の診察待ち患者一覧表画面に他の診察室の診察待ち患者のうち、担当医が指定されていない患者で、かつ緊急を要する患者や待ち時間の長い患者を表示し、同じ部門(例えば脳神経科、内科等の同じ専門分野)の診察室間で次の診察患者決定を医師の判断で行う割込処理手段、
を備えたことを特徴とする診察順番決定方法である。
本発明では各部門ごとにスケジュール管理DBを設ける(DB:データベース)。ここで部門とは、受付、診察室、検査室、医局(薬の調合と引き渡し室)などを指す。スケジュール管理DBはスケジュール表(予約スケジュール表)テーブルと受付表テーブルとから構成され、前者は医師の担当日や患者の予約などの情報を管理し、後者は予約患者と飛込患者(予約なしに直接来院した患者)の受付管理を行うテーブルである。本発明においては、以下の点を重視して各テーブルを管理する。ただし、以下の配慮は最も待ち時間の長くなる可能性のある診察部門に対応し、他の場合(部門)では基本的に受付順または準備のできた患者から対処する。例えば、病院内での薬の引き渡しは薬の調合ができた患者から薬の引き渡しを行うとか、レントゲン撮影は先に受付を済ませた患者から行うなうなどである。従って、以下は基本的に診察時の患者の診察順序を決めるためのルールである。
R1:患者のタイプによって優先順位を設ける。
R2:優先順位によって診察順番の入れ替えを行う。
R3:予約受付は診察可能時間帯単位で行い、過去の実績(統計)を基に予約人数を決める。ここでいう診察可能時間帯とは、30分とか1時間といった時間幅を意味し、予約で受け付けた時間は、診察可能時間帯内で診察が受けられる時間幅である。例えば、診察可能時間帯が30分に設定されている場合に、午後1時に予約した患者は、午後1時までに来院すれば、1時から1時半までの間に診察が受けられることになる(大幅な遅れがない場合には、午後1時を過ぎても可)。
R4:予約患者に対しては、飛込患者よりも高い優先順位を設定し、診察患者のリストをスケジュール表から受付表に移すとき、まだ来院していない患者に対しても受付を完了しているものとして扱う。
R5:優先順位は患者のタイプで決定されているが、受付表での管理時には、待ち時間の長さによって優先順位を変更することもある。
R6:医師が受付表の状況を見て、コンピュータ(以下、管理サーバーと呼ぶ)が決定した診察順番を変更して次の診察患者を決めることができる(割込処理)。実施の形態で詳しく説明するが、医師がディスプレイ上で診察待ち患者一覧表として見るのは、受付表のうち、実際に来院している患者の一覧表である。従って、請求項で記述したように、医師が割込処理によって患者の診察順番を変更するときの資料は、端末のディスプレイ画面に表示された診察待ち患者一覧表(受付表のサブセット)である。
R7:割込処理のもう一つの目的は、他の診察室の患者に対しても、別の診察室の医師が診察順番を決定することである。ただしこの場合、対象になる患者は担当医(主治医)の決まっていない飛込患者のみであり、しかも待ち時間の長い患者や緊急患者が対象になる。他の診察室の患者といっても、この場合はあくまでも同一部門(内科、外科、眼科、脳神経科、産婦人科などの各専門分野内)での患者が割込診察の対象になる。
スケジュール表は各部門各担当医ごとに1日単位に1テーブルが作られ、定期検診の患者の場合には1カ月先の予約も含まれるために、何ヵ月か先までのテーブルが作られる。これに対して受付表は現時点で起きている受付状況を管理するものであり、基本的に1診察室(担当医)1テーブル(当日分のテーブル)からなる。優先順位を決める患者のタイプには、予約定期患者、緊急飛込患者、予約なし定期患者(定期患者であるが直接来院した患者<飛込患者>)、一般飛込患者(定期患者ではない予約なしの来院患者)などがある。優先順位は低くても緊急飛込患者や待ち時間の長い一般飛込患者の場合には、医師または受付担当者(例えば看護士)の意思によって優先的に診察を行える割込処理を用意しておく。
ある患者の診察終了後、医師はスケジュール管理DBから診察待ち患者一覧表を端末のディスプレイに表示する。診察待ち患者一覧表には、管理サーバーが決定した順番で患者名などの情報が表示されている。医師は管理サーバーが決定した順で患者の呼び出しを行うか、あるいは割り込みを行うかを決定し、管理サーバーに端末からその旨を送信する。管理サーバーは医師の決定に従って患者を選出し、患者名(場合によっては受付番号も含むデータ)を音声合成し、端末に送信し、端末に接続のスピーカーを通して患者の呼び出しを行う。
音声合成の基となるデータは患者の名前(半角で登録されている名前の読み名<振り仮名>)であり、名前をテキスト解析し、音声DBから音声合成処理を通して合成音信号を作成する。合成音信号には名前のほか、受付番号を加えてもよい。また、どの診察室に患者が行けばよいかの診察室名(通常は番号)も合成音信号に含める。
本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムおよび診察順番決定方法より、診察順番の決定手段と音声合成による患者の呼び出し手段を有することによって、自動的に次に患者の選択が行えるとともに、患者の診察待ち時間を極力短くすることができるようになった。多くの病院では予約患者が予約時間を大幅に超過して診察を受けているのが現実である。これは事実上、予約はその日に診察(検査や治療なども含む)が受けられますという約束ごとでしかなく、予約時間が無視された状態になっている。本発明では、この点を大幅に改善し、予約患者の予約時間を診察可能時間帯内(例えば30分といった幅)で診察が受けられるようにしているのが特徴である。
また本発明においては、医師(場合によっては看護士や受付担当者)によってコンピュータが決定した診察順番を入れ替えることのできる割込処理を追加することにより、緊急事態あるいは待ち時間の極端に長くなった患者などに対処できるようにしている点も、本発明の利用範囲を広げている。
本発明のコンピュータによる呼び出しシステムは、次の患者の決定から音声合成による呼び出しまでの一連の処理を自動的に行うものである。これにより、人手が加わることによるミスをなくすことができるようになる。また、これまで受付が行っていた次の患者の決定を医師が行うことができるようになり、患者のニーズや医師の考えを反映した対応が可能になっている。本稿では専門分野が複数集まった総合病院を対象にして説明してきたが、医師が数人の小さな病院や担当医が1人の診療所などの小規模の診療機関にも応用ができるので、それぞれの運営規模に応じた予約、受付、呼び出しといった一連の処理が自動化でき、規模に応じた効果的な活用が期待できる。現在、看護士不足は病院運営の一つのネックになっている。看護士が予約患者の受付、来院患者の受付、患者の呼び出しなど、1人で何役もこなさなければならない病院に対しては、本発明の呼び出しシステムよってこれらの作業が軽減され、看護士が看護士師としての本来の仕事に専念できる職場環境を提供できる。いずれにしろ、本発明は病院の規模によらないシステム構築が可能であり、幅広い医療機関での応用が期待できる。
本発明の形態を図を用いて説明する。図1は、本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムの構成図である。病院内は管理センター1の管理サーバー100と各部門2、3、4(2は受付、3は診察室、4は検査室、レントゲン室、CT室等の部屋)に設置の端末200、300、400とから構成され、端末と管理サーバーはLANで接続されている。スケジュール管理DB101、音声DB102、患者DB103、その他のDB104(電子カルテDB、会計情報DB等)は管理サーバーの制御下にあり、予約スケジュール管理、受付管理、音声合成等の主要処理がこの管理サーバーで行われる。一方端末は医師や看護士あるいは作業担当者とのコミュニケーションツールとして使用される。例えば、管理サーバーで作成された合成音信号を受信し、スピーカーsにその信号を伝えて患者の呼び出しを行ったり、診察待ち患者一覧表を端末のディスプレイに表示して待ち状況を知らせたり、医師や担当者による次の呼び出し患者の決定を管理サーバーに伝えるための信号を送信する働きをする。
図2と図3は診察室3と端末300の設置見取り図の例である。前者は各部屋単位に端末とスピーカーsを設置した場合の例である。患者pは診察室の前で診察待ちをしている。各診察室の前にスピーカーが設けられ、廊下に面した個所に受付2が設置され、看護士nr(または事務担当者)が端末200で診察状況を見ることも、また医師drの前に置かれた端末300から見ることもできるようになっている。後者は同一部門のいくつかを一つの共通受付2(総合受付)で処理する場合の例である。図の例では三つの診察室3を一つの受付2が受け持ち、診察室から離れた廊下側に患者pが待機している。端末200、300は受付と各診察室に設けられているが、次の患者の決定は通常、医師drが行う。眼科のように通常患者と対面して検眼などの検査を行うために、患者と医師は机を挟んで対面状態で診察を行う。また机には通常検眼に必要な機器310が置かれている。
本発明は、予約管理や受付管理を音声合成と結び付けて処理するシステムである。スケジュール管理DB101の構造例が図4である。スケジュール表テーブルTS11および受付表テーブルTS12は部門テーブルTS00、部屋(または担当医)テーブルTS10の下に位置する。部門とは内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻咽喉科、脳神経科、眼科などの専門分野に分かれた診察室や、レントゲン室、CT室、MRI室、採血・採尿などを行う検査室などの各生理検査・生体検査や手術などの治療を行う各治療・処置室などである。とくに総合病院のような大きなところでは診察室は各部門(専門科)ごとに分類されていて、同一部門で複数の診察室を設けている。予約受付や部屋ごとの担当医は1カ月とか半年という単位でスケジュールが決められている。また患者の予約は、定期患者の場合、1カ月後の診察日時が予約されていることもある。電話予約患者も含め、この予約はスケジュール表テーブルに登録される。一方、受付表テーブルは当日の患者のみが対象になり、予約患者と飛込患者が登録されている。多くの病院では、予約患者と飛込患者の両方を受け付けているが、基本的に早く来た患者から先に診察を行っている。本発明においては、予約患者が予約した時間帯内に来院すれば、決められた時間帯内で診察できることを目標においている。
そこで本発明においては、過去の実績に基づいて予約受付を行う。図5は過去の統計に基づいて飛込患者(予約なしに直接来院した患者)数と予約不履行(無断キャンセル)・予約解除患者数の過去の実績から、時間帯ごとに予約受付患者数を決めるための表である。図の例では予約受付の単位時間を30分、この表の担当医の平均診察患者数は5人/30分とした場合である。表内の数字は30分の平均患者数を表している。例えば9:00〜11:30の2時間半の間に、30分単位で見たとき、飛込患者数は3人(2時間半では15人)、キャンセル患者数は0.3人(2時間半では1.5人)であるから、キャンセル患者数は無視して2人(2時間半では10人)の患者の予約受け付けをすれば、予約患者を単位時間内に消化することができる。ここで単位時間というのは、ある時間で予約した患者はその時間帯内で診察が受けられることを意味する。本発明ではこれを「診察可能時間帯」と呼ぶ。例えば、診察希望時間を11時で予約した患者の場合、11時から11時半の間に診察が受けられることを意味している。ただ最近の傾向としては、予約が浸透してきているために、図5の例のように飛込患者数が予約患者を上回ることは少ない。その理由の一つとして、飛込患者でも一度診察を受けた患者が次に来るときには、予め予定来院日時を決めている場合が多いことが挙げられる。上記ではキャンセル患者を無視したが、実際に患者が来られない場合の数を見込んで、適当な時間帯内に予約患者数を増やしておくこともできる。例えば、上記の例では9時から11時半の間に1.5人がキャンセルする可能性があるから、もう1人予約数を増やしておいてもよい。いずれにしろ、このようなロジックをプログラムに組み込んでおくことによって、予約患者の診察時間の遅れを生じない自動予約受付ができる。
予約した人が予約なしに来た人(飛込患者)よりも大幅に診察時間が遅れることは、予約の意味がなくなってしまう。また、定期患者がそうでない患者に対しても何らかの特権を持つことは必ずしも不公平とはならない。そこで本発明では患者のタイプによって優先順位を設ける。例えば、
優先順位 患者のタイプ
==== ==================
1 緊急患者で予約あり
2 定期患者で予約あり
3 緊急患者で予約なし
4 一般患者で予約あり
5 定期患者で予約なし(飛込の定期患者)
6 一般飛込患者(予約なしの一般患者)
のような設定をした場合、患者の診察順番を優先順位でダイナミックに変更することができるようにしておく。例えば図6は、n時より少し前の時点で優先順位(図では四角で表現)が6、5、3、5、6の患者が予約なしに来院したときの受付表に登録される診察順番を表した例である。定期患者かそうでないかは、患者DBに登録のデータで管理サーバーが判断する。緊急か一般かは、受付係が患者または保護者の意思表示(例えば初診時のアンケートや口頭諮問)によって決める。定期患者の場合、基本的に担当医が決まっているために、来院日時が決まると診察室は自動的に決まる。定期でない一般患者は基本的に同一部門では、どの担当医が診察するかは管理サーバーがスケジュール表を見て、空きのある時間に埋め込みを行う。図において、丸印は予約患者で、スケジュール表から自動的に受付表に移される。その際、診察可能時間帯で優先順位に従って診察順番が決められる。予約なしで来院した患者は基本的に診察可能時間帯での診察順番は、予約患者が来院しているかいないかに関わらず、診察順番は予約患者の後になる。また優先順位の低い患者は同じ診察可能時間帯では、診察順番は優先順位の高い患者の後になる。例えば図において、優先順位6の患者は、優先順位5の患者よりも先に来ているが、診察室Aで割り当てられたときには、5よりも後の診察順になる。ただ同じ診察可能時間帯であるから、極端に診察時間が遅れることはない。予約なしに来院した緊急患者(優先順位が3)は、診察室Bに割り当てられ、しかも早い診察順番が与えられている。
現時点(図の▽の時間)までに来院した*印の付いた飛込患者(優先順位6)は、診察可能時間帯1の診察待ち患者が診察室A、Bともにすでに埋まっているために、次の診察可能時間帯2に配置され、しかも予約患者の後に置かれる。これは、診察可能時間帯2で予約している患者の診察時間を重視しているためである。もちろん、予約患者が来なかったり、あるいは診察可能時間帯1の患者が予定より早く診察が終了した場合には、患者6*は繰り上げて、診察可能時間帯1で診察を受ける可能性はある。優先順位6*の患者は担当医が決まっていないから、診察室Bでの受診になることもある。
以上の患者の診察順番は管理サーバーが決定し、スケジュール管理DBに患者情報とともに登録されている。受付担当者あるいは医師は、これらの診察待ち患者を管理サーバーに対して診察待ち患者一覧表送信要請を出すことによって、端末のディスプレイに一覧表を表示することができる。図7は、診察待ち患者一覧表の画面表示例である。スケジュール管理DBの受付表テーブルでは予約患者も含めた、図6に示したような診察順番が登録されているが、この画面には来院している患者のみが選択されて予定診察順に表示される。画面左に表示される診察待ち一覧は、当該診察室の診察待ち患者の診察順番と待ち状況を表し、画面右には他の診察室の待ち状況が表示される。他の診察室といっても、同一部門の診察室が対象であり、専門分野が異なる診察室は含まない。またこの欄に表示される患者は、担当医が決まっていない待ち時間の長い患者(例えば診察可能時間帯で診察を受けられていない患者)とか緊急度の高い患者が対象で、正常に診察が進んでいるときには、通常空欄になっている。
表の備考欄は受付で記入するコメント欄で、「腹痛あり」とか「激痛あり」などのコメントが記される(記述はコード化しておいてもよい)。緊急患者の場合でも耐えられる痛みと耐えられない痛みがあり、また診察待ちの間に容体が悪化した場合などに受付(看護士)によって記述される。医師はこのような状況を見て総合的に判断し、管理サーバーが決めた診察順番を入れ替えることができる。通常はリターンキーを単に押すか、あるいはマウスで画面下の“===>1”の欄をクリックすることによって、管理サーバーが決めた順番で次の診察対象患者が選択される。しかし、順番を変えたいときには、変更する番号を入力するか、あるは氏名(基本的には氏名を含む行)をマウスでダブルクリックすると、管理サーバーが決めた順番とは異なる患者を次の診察患者とすることができる。他の診察室に割り当てられた患者に対しても、同様に診察室を変えて診察の対象とすることも可能である。これが、診察順番の割込処理である。
端末で次の診察患者が決まると、その情報は管理サーバーに伝えられ、管理サーバーで呼び出しのための音声合成が行われ、合成音信号が端末に返され、端末からスピーカーで患者の呼び出しが行われる。図8は、そのときの情報の流れを中心に描いた処理フローである。以下順を追って説明する。
1)一患者の診察が終了後、医師は診察待ち患者一覧表を端末に表示する。このもとになるデータはスケジュール管理DB101の受付表テーブルに登録されている。
2)医師は診察待ち患者一覧表から次の患者を決定し、その旨を管理サーバーに伝える。
3)管理サーバーは端末からの情報をもとに、スケジュール管理DBに登録の患者名と診察室名を取り出して音声DB102を使って音声合成を行い、合成音信号にして端末に送信する。端末では、その合成音信号(合成音声信号)をスピーカーに送信し、スピーカーで呼び出しを行う。
本発明における呼び出しメッセージは、ほとんどが定型的な文章が対象となるために、音声辞書(音声DB)はシンプルな構造でよい。例えば、呼び出しメッセージを「xxさん、○○室にお越しください」としたとき、患者名xxのみが臨機応変に対応しなければならない情報で、他は定型音声データが使用できる。氏名は半角の読み名(振り仮名)をテキスト情報として使用し、テキスト解読処理を通して解読データから音声合成を行う。日本の名字は世界的にも多く、10万以上あるといわれている。しかしその中でも、日本人に多い名字や名前を名字単位、名前単位で音声データ(姓名データ)として姓名辞書にして登録しておけば、大半の姓名が辞書から直接引き出せ、洗練された合成音が作れるうえに、処理速度もアップする。もちろん姓名辞書だけでは対応できない。とくに最近では外国人も多く、読み名から姓名を合成しなければならない。従って、姓名についての音声合成は姓名辞書と音声辞書を用いた合成音の並立が必要である。
本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムおよび診察順番決定方法より、診察順番の決定手段と音声合成による患者の呼び出し手段を有することによって、自動的に次に患者の選択が行えるとともに、患者の診察待ち時間を極力短くすることができるようになった。多くの病院では予約患者が予約時間を大幅に超過して診察を受けているのが現実である。これは事実上、予約はその日に診察(検査や治療なども含む)が受けられますという約束ごとでしかなく、予約時間が無視された状態になっている。本発明では、この点を大幅に改善し、予約患者の予約時間を診察可能時間帯内(例えば30分といった幅)で診察が受けられるようにしているのが特徴である。
また本発明においては、医師(場合によっては看護士や受付担当者)によってコンピュータが決定した診察順番を入れ替えることのできる割込処理を追加することにより、緊急事態あるいは待ち時間の極端に長くなった患者などに対処できるようにしている点も、本発明の利用範囲を広げている。
本発明のコンピュータによる呼び出しシステムは、次の患者の決定から音声合成による呼び出しまでの一連の処理を自動的に行うものである。これにより、人手が加わることによるミスをなくすことができるようになる。また、これまで受付が行っていた次の患者の決定を医師が行うことができるようになり、患者のニーズや医師の考えを反映した対応が可能になっている。本稿では専門分野が複数集まった総合病院を対象にして説明してきたが、医師が数人の小さな病院や担当医が1人の診療所などの小規模の診療機関にも応用ができるので、それぞれの運営規模に応じた予約、受付、呼び出しといった一連の処理が自動化でき、規模に応じた効果的な活用が期待できる。現在、看護士不足は病院運営の一つのネックになっている。看護士が予約患者の受付、来院患者の受付、患者の呼び出しなど、1人で何役もこなさなければならない病院に対しては、本発明の呼び出しシステムよってこれらの作業が軽減され、看護士が看護士としての本来の仕事に専念できる職場環境を提供できる。いずれにしろ、本発明は病院の規模によらないシステム構築が可能であり、幅広い医療機関での応用が期待できる。
本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムのシステム構成図である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムを導入した診察室の見取り図の一例である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムを導入した診察室の見取り図の一例である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムで用いるスケジュール管理データベースの構造図である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムにおける、予約受付患者数を決定する方法の一例として挙げた説明図である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムにおいて、予約患者と飛込患者との関係から診察順番を決定する方法の説明図である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムおける診察待ち患者一覧表画面の説明図である。 本発明のコンピュータによる患者院内呼び出しシステムおける音声合成による患者呼び出しを行うときの処理の流れの説明図である。
符号の説明
1 管理センター
100 管理サーバー
101 スケジュール管理データベース
102 音声データベース
103 患者データベース
104 その他のデータベース(電子カルテDB、会計情報DBなど)
2 受付
200 端末
3 診察室
300 端末
310 検査機器
4 その他の部門(検査室、レントゲン室、CT室など)
400 端末
l LAN
p 患者
s スピーカー
dr 医師
nr 看護士あるいは事務担当者
(注)DB:データベース
他の記号は本文参照

Claims (3)

  1. 診察待ちなどの病院内の患者を、各部門(あるいは担当医)ごとに作成された受付表に基づいて患者を呼び出すシステムにおいて、
    予めコンピュータによって作成された受付表を基に診察や検査などの順番の回ってきた患者を、患者の氏名などの文字情報を音声合成機能で音声化し、スピーカーで患者を呼び出す手段、
    を備えたことを特徴とするコンピュータによる患者院内呼び出しシステム。
  2. 請求項1に記載の受付表を基に、患者の診察順番を決める方法において、
    スケジュール表(予約患者)と予約なしに来院した患者(飛込患者)とから受付表を埋めていく手段と、患者のタイプ(予約定期患者、予約なしの定期患者、緊急飛込患者、一般飛込患者等)によって付けられた優先順位に従って患者の診察順番を決める手段、
    を備えたことを特徴とするコンピュータによる自動診察順番決定方法。
  3. 請求項2に記載の診察順番を決定する方法において、
    (1)一患者の診察終了後、診察待ち患者一覧表(受付表のうち、実際に来院している患者の一覧)を画面に表示し、診察待ち患者の氏名、受付番号、優先順位、待ち時間等から判断し、コンピュータが算出した診察順番を変更して、医師が次の診察患者を決定する割込処理手段、
    (2)前記の診察待ち患者一覧表画面に他の診察室の診察待ち患者のうち、担当医が指定されていない患者で、かつ緊急を要する患者や待ち時間の長い患者を表示し、同じ部門(例えば脳神経科、内科等の同じ専門分野)の診察室間で次の診察患者決定を医師の判断で行う割込処理手段、
    を備えたことを特徴とする診察順番決定方法。
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