JP2005249784A - モード減結合構造を有する微細機械加工された非共振ジャイロスコープ - Google Patents
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Abstract
【課題】4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープが、減結合された構造を有する2自由度の駆動方向発振器と感知方向発振器の両方における動的増幅を利用して、共振なしで大きい振動振幅を達成する。
【解決手段】全体で4自由度の動的システムは、三つの検定質量を備えてなっている。第二と第三の質量が、2自由度の感知方向発振器を形成している。第一の質量及び第二質量と第三質量の結合体が、2自由度の駆動方向発振器を形成している。この駆動モード発振器と感知モード発振器の周波数応答は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有している。そのデバイスは、駆動モード発振器と感知モード発振器に属する応答曲線の平坦領域で名目上作動し、その領域での利得は、周波数の変動に対して感度が低い。このことは、駆動と感知の反共振周波数が整合するように設計することによって達成される。
【選択図】図2
【解決手段】全体で4自由度の動的システムは、三つの検定質量を備えてなっている。第二と第三の質量が、2自由度の感知方向発振器を形成している。第一の質量及び第二質量と第三質量の結合体が、2自由度の駆動方向発振器を形成している。この駆動モード発振器と感知モード発振器の周波数応答は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有している。そのデバイスは、駆動モード発振器と感知モード発振器に属する応答曲線の平坦領域で名目上作動し、その領域での利得は、周波数の変動に対して感度が低い。このことは、駆動と感知の反共振周波数が整合するように設計することによって達成される。
【選択図】図2
Description
この発明は、微細機械加工されたジャイロスコープ、特に、三つの検定質量を有する4自由度(DOF)の微細機械加工された非共振ジャイロスコープに関する。
微細機械加工されたジャイロスコープは、高価で嵩高の従来の慣性センサの代替品になると予想されている。微細機械システムをそれらの制御と信号調整を行う電子回路とともにチップ上に量産できる微細機械加工プロセスによって、低価格で微小サイズのジャイロスコープが、高精度の回転測定をもたらし、その用途範囲は先進の自動車安全システム及びオンチップナビゲーションシステムから対話型消費者電子機器に至る範囲にわたって非常に広くなっている。
しかしながら、スケーリング(縮小設計)の好ましくない影響のため、現在の技術水準の微細機械加工ジャイロスコープは、性能、安定性及び堅牢性を桁違いに改良する必要がある。従来の微細機械されたレートジャイロスコープ(rate gyroscopes)は、基板に固定されたフレクシャで懸架された、単一の検定質量を有する2自由度(DOF)のシステムの振動原理で作動する。この構造は、その検定質量が二つの直交する方向、すなわち駆動方向と感知方向に振動するのを許容する。その検定質量は、駆動方向には共鳴状態で保持され、そして角度方向の回転の存在下で、入力角速度に比例するコリオリの力が誘発されて、その検定質量を感知方向に励振する。高感度を達成するため、駆動共振周波数と感知共振周波数は典型的には整合するように設計されかつ同調が取られ、そしてデバイスは、応答曲線のピークで又はその近傍で作動するように制御される。さらに感度を高めるため、デバイスは、高真空度の容器内にパッケージして、機械構造の周囲の空気の粘性作用によるエネルギ浪費を最小限にする。
広範な研究が、モード整合をするため及び温度依存性を最小限にするために対称形のサスペンションと共振器システムの設計に集中している。しかし、特に軽度にダンプされたデバイスの場合、モードの整合のための要求事項が製作の許容誤差範囲を充分に超えるので、対称形の設計をしたのでは、能動的なチューニングとフィードバックの制御なしで所望の程度のモード整合を行うことができない。さらに、両モード間の機械的干渉、そしてその結果起こる作動の不安定性とドリフトは、モード整合の度合に比例している。結合された振動とそのために起こるゼロレートドリフト(zero-rate drift)を抑制するために、駆動モード振動及び感知モード振動のために独立したフレクシャを採用した各種のデバイスが提案されている。
この発明の具体的に詳解する実施態様において、我々は、駆動方向の振動を感知方向の振動から機械的に減結合しながら、共振しないでで大きい振動振幅を達成するため、動的増幅を利用した4自由度の微細機械加工ジャイロスコープシステムを提案する。この全体で4自由度の動的システムは、三つの検定質量を含んで構成されている。2自由度の感知方向発振器は、第二と第三の質量で構成され、感知モードにおいて応答を増幅するように設計されている。第一の質量と、第二及び第三の質量の結合体によって、2自由度の駆動方向発振器が形成されている。駆動モード発振器と感知モード発振器は機械的に減結合されていて、駆動モードと感知モードの間の動的結合に起因する不安定性を最小限にしている。駆動モード発振器と感知モード発振器の両者の周波数応答は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦部分を有している。駆動と感知の反共振周波数が整合するように設計することによって、両発振器の平坦領域の周波数帯域をオーバーラップさせて、デバイスの公称の作動領域を定義し、そこでは応答利得がパラメータ変動に対して感度が低い。
共振ではなくて、2自由度の発振器で動的増幅を利用することにより、帯域幅の増大と、構造及び熱によるパラメータの変動並びにダンピングの変化に対する感度の低下とが達成される。デバイスの作動時間にわたる堅牢性と長期安定性の改良が期待され、制御システムの要求事項及び製作とパッケージングの厳しい許容誤差が緩和される。
さらに詳しく述べると、この発明は、2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器を備えてなり、その駆動モード発振器と感知モード発振器が機械的に減結合されてていて、三つの相互に接続された検定質量を採用している、4自由度の微細機械加工された非共振のジャイロスコープである。
その2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器は、駆動方向と感知方向における動的増幅を利用して、共振なしで大きい振動振幅を達成し、その結果、帯域幅が増大し、構造及び熱によるパラメータの変動並びにダンピングの変化に対する感度が低下する。
三つの質量のうちの一つは、中間の検定質量であり、もう一つの質量は、感知要素である。2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器は、駆動方向において感知方向から機械的に減結合されていて、堅牢性と長期間の安定性が得られている。感知要素を励振するコリオリの力は、大きい方の質量と一緒に前記中間の検定質量によって発生し、その結果コリオリの力がより大きくなってセンサの感度を高め、制御システムの要求事項及び製作とパッケージングの厳しい許容誤差が緩和され、モードの整合を行う必要がなくなり、かつ駆動モードと感知モードの間の機械的結合に起因する不安定性とゼロレートドリフトが最小限になる。
前記2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器には、質量を駆動方向に駆動する駆動手段と感知方向の質量の運動を感知する感知手段が含まれている。前記三つの相互に接続された質量は、第一、第二及び第三の質量を含んでいる。第一質量は、駆動手段で励振される唯一の質量である。その第一質量は、駆動方向には振動して、感知方向には動きが抑制される。第二と第三の質量は、駆動方向には互いに他に対しての動きが抑制されて駆動方向には一緒に振動するが、感知方向には互いに他から独立して振動する。第三の質量は、駆動方向には第二の質量に対して固定されているが、感知方向には自由に振動する。第一質量は、駆動される質量として働き、第二と第三の質量は合わさって受動質量として働き、駆動モードの発振器を構成している。第二と第三の質量は、感知モードの発振器を構成している。
第二質量は、駆動方向と感知方向に振動して、2自由度の感知モード発振器を励振する回転誘発のコリオリの力を発生させる。感知方向の応答は、2自由度の感知モード発振器の振動吸収体を構成する第三質量に由来し、そしてその応答が検出されて入力角速度が測定される。
前記2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器は、駆動方向に質量を駆動する静電駆動装置、感知方向の質量の運動を感知する容量センサを含んでいる。これら発振器は、基板の上に取り付けられている。三つの相互に接続された質量は、第一、第二及び第三の質量を含み、その第一質量は、実質的に駆動方向にのみ運動を許容する第一フレクシャによって基板に固定され、第二質量は、駆動方向と感知方向に運動を許容する第二フレクシャによって第一質量に結合され、そして第三質量は、実質的に感知方向にのみ運動を許容する第三フレクシャによって第二質量に結合されている。
第一と第三のフレクシャは、実質的に一方向にのみ弾性を有する折りたたまれた微細加工ばねである。第二フレクシャは、折りたたまれた微細加工ばね二つを結合して構成され、その各ばねは、実質的に、二つの異なる方向のうちの一方向にのみ弾性を有している。
前記2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器の各々は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦な領域を有している。このジャイロスコープは、駆動モード発振器と感知モード発振器の平坦領域で作動される。
前記2自由度の駆動モード発振器と2自由度の感知モード発振器は、駆動方向と感知方向の反共振周波数が整合するように取り合わせられ配置構成されている。
第二と第三の質量は、結合して駆動モード発振器の振動吸収体を形成し、その振動吸収体は、第一質量の振動を機械的に増幅する。
第一質量は、入力の力Fdによって駆動周波数ωdriveで駆動され、その駆動周波数ωdriveは、第二と第三の質量及びこれら質量に結合されたフレクシャからなる隔離された受動質量−ばねシステムの共振周波数と整合されている。その受動質量−ばねシステムは、第一質量に加えられた入力の力Fdを打ち消すように動き、最大の動的増幅が達成される。
第三の質量は、感知モード発振器において振動吸収体として働き、機械的増幅による大きい感知方向の振動振幅を達成する。
正弦波のコリオリの力が第二質量に加えられ、その周波数が、第三質量及びそれに結合されたフレクシャからなる隔離された受動質量−ばねシステムの共振周波数と整合されていて、第三質量で最大の動的増幅を達成されるようになっている。
駆動モード発振器と感知モード発振器の両者の周波数応答は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有している。駆動モード発振器と感知モード発振器の両者は、それらの応答曲線の平坦領域で作動する。第二質量の駆動反共振周波数ω2xと第三質量の感知反共振周波数ω3yが整合され、すなわちω3y=ω2x又は等価的に(k3y/m3)1/2= (k2x/(m2+m3))1/2となる。この整合条件は、最適なシステムパラメータを決定するとともに、最適化された比率μx = (m2+m3)/m1、νx = ω2x/ω1x、μy = m3/m2及びνy = ω3y/ω2yを決定する。ここに、k3yは第三質量に結合されたフレクシャのばね定数であり、m3は第三質量の大きさであり、k2xは第二質量に結合されたフレクシャのばね定数であり、m2は第二質量の大きさであり、m3は第三質量の大きさであり、ω1xは第一質量の駆動反共振周波数であり、そしてω2yは第二質量の感知反共振周波数である。
この発明の装置及び方法は、文法的な流暢さのために作用面からの説明でもって記述してきたし、また記載していくが、請求の範囲は、米国特許法第112条でことさらに規定されていない限り、いかなる形でも「手段」又は「ステップ」の限定解釈により必然的に限定して解釈されるべきでないこと、請求の範囲により規定される定義の意味及び均等の全範囲が司法上の均等論の下に与えられるべきであること、そして請求の範囲が米国特許法第112条の下で明言的に規定されている場合は、米国特許法第112条の下で全法定均等物が与えられるべきであることを、まさにその旨理解されたい。ここで図面に移ることにより、この発明はよりよく思い描くことができ、そこでは同じ要素は同じ番号で参照されている。
次に、請求の範囲に定義されるこの発明の具体的な詳解例として提示する好適な実施態様についての以下の詳細な説明に移ることにより、この発明及びその種々の実施態様をよりよく理解することができよう。請求の範囲により定義される発明は、以下に記述する具体的に詳解された実施態様よりも範囲が広くあり得ると、ここでは正にそのように理解される。
最初に、我々は、関連する課題解決を強調しながら、従来のジャイロスコープの動力学を詳細に分析する。二番目に、設計手法及び作動原理を、4自由度システムの特徴を従来のジャイロスコープと詳細に比較しながら、提供する。三番目に、デバイスの動力学を分析し、そして四番目に、設計概念のMEMS化を、最適のシステムパラメータを決定してセンサの性能を最大限にする手法とともに呈示する。
1.従来のジャイロスコープの動力学の詳細な分析
既存の微細機械されたレートジャイロスコープの殆ど全ては、基板上に懸架された単一の振動する検定質量を使用して、回転により誘発されるコリオリの加速度を検出する原理で作動する。その検定質量は、固定されたフレクシャで支持され、そのフレクシャは検定質量と基盤の間の可撓性サスペンションとして働き、検定質量を、二つの直交方向すなわち駆動方向(軸)と感知方向(軸)に自由に振動させる。全体の動的システムは、単に2自由度の質量−ばね−ダンパシステムであり、そのシステムでは、駆動方向が正弦波の静電力で励振され、そして感知方向が回転誘発のコリオリの力によって励振される。従来の単一質量ジャイロスコープの運動は、二つの主振動方向、すなわち駆動方向と感知方向に分解すると、下記の二つの運動方程式で表わすことができる。
既存の微細機械されたレートジャイロスコープの殆ど全ては、基板上に懸架された単一の振動する検定質量を使用して、回転により誘発されるコリオリの加速度を検出する原理で作動する。その検定質量は、固定されたフレクシャで支持され、そのフレクシャは検定質量と基盤の間の可撓性サスペンションとして働き、検定質量を、二つの直交方向すなわち駆動方向(軸)と感知方向(軸)に自由に振動させる。全体の動的システムは、単に2自由度の質量−ばね−ダンパシステムであり、そのシステムでは、駆動方向が正弦波の静電力で励振され、そして感知方向が回転誘発のコリオリの力によって励振される。従来の単一質量ジャイロスコープの運動は、二つの主振動方向、すなわち駆動方向と感知方向に分解すると、下記の二つの運動方程式で表わすことができる。
上記式中、mは検定質量であり、Fdは駆動方向の励振力であり、そしてΩ=(Ωx,Ωy,Ωz)は入力角速度のベクトルである。二つの最終の項の2mΩzdy/dtと2mΩzdx/dtは、回転が誘発するコリオリの力であり、この力は、角速度入力に比例する二振動軸間の動的結合を起こす。報告されている大部分の微細機械加工された振動レートジャイロスコープ(vibratory rate gyroscopes)の場合、検定質量mは、正弦波の外力によって駆動方向に共振周波数で又はその近傍で駆動され、その外力は一般に櫛状駆動構造体で加えられる静電力である。このジャイロスコープが角度方向に回転されると、駆動信号と同じ周波数のコリオリの力が、y方向に誘発される。駆動共振周波数と感知共振周波数とが整合されていると、そのコリオリの力は、システムを励振して感知方向にも共振させる。感知方向に得られた振動振幅は、コリオリの力に比例し、したがって測定されるべき角速度に比例する。
2自由度の単一質量ジャイロスコープの動力学は、そのシステムが、フィードバック制御なしで、駆動周波数がωdで一定振幅の駆動力FdすなわちFd=F0 sinωdtで、駆動方向に駆動されるという想定で出発することにより、より明確に理解される。この2自由度の動的システムは、二つの独立した共振周波数、すなわち感知方向の共振周波数ωy=(ky/m)1/2及び駆動方向の共振周波数ωx=(kx/m)1/2を有する。
回転誘発のコリオリの力Fc=2mΩzdx/dtは、駆動方向振動の振幅に比例しているが、理想ジャイロスコープにとって感知方向の唯一の駆動力である。感知方向の振幅は、コリオリの力に比例し、したがって、駆動方向振動の振幅に比例する。検定質量mが駆動方向に共振して駆動されると、すなわち、ωd=ωxであると、共振によって駆動方向の振幅が大きくなることからコリオリの力が増大するため、高い感知方向の振幅が期待される。このシステムが感知方向共振周波数で駆動されると、すなわち、ωd=ωyであると、感知方向振幅が、共振のためQ(quality factor)倍に増幅される。したがって、共振周波数が整合していないと、すなわち、ωd≠ωxであると、2自由度のシステムの周波数応答は、二つの共振ピークを有し、一つはωxに、他はωyにある。両共振周波数が正確に整合するように同調が取られていると、すなわち、ωx=ωyであると、2自由度システムの周波数応答は合わさった一つの共振ピークを有し、それにより応答振幅がずっと大きくなり、可能な限り最高の感度をもたらす。しかし、モード整合の要求は、システムの応答を、製作の欠陥や作動条件の変動に起因するシステムパラメータの変動に対して非常に敏感にならせ、その結果、駆動又は感知の共振周波数がずれる。避けがたい製作の諸欠陥は、MEMSデバイスの幾何学的形態及び材料諸特性の両者に影響する。設計された剛性値は、エッチングプロセス、蒸着条件又は残留応力に起因して著しくずれる。構造体の温度の変動も、ヤング率の温度依存性及び熱で誘発される局在応力のために動的システムのパラメータを混乱させることがある。
モードの整合によって性能を高めかつ温度依存性を最小限にすることに基づいた各種の対称ジャイロスコープの設計が報告されている。しかしながら、モード整合の要求事項は、前記混乱が存在すると、対称の設計の場合でさえ、フィードバック制御無しでは満たされない。感度を高めるため高真空度内にパッケージされたデバイスについては、共振ピークの帯域幅が極端に狭く、モード整合の要求事項が非常に厳しくなる。また、利得もダンピング条件の変動によって重大に影響され、その結果、デバイスは、パッケージにおいて起こりうるいかなる真空漏洩に対しても非常に損傷されやすくなる。さらに、両モードがより近く整合すればするほど、それらモード間の機械的干渉がより重大な意味を持つことになって、作動が不安定になりかつドリフトが起こる。振動とドリフトが結合するのを抑制するため、駆動モードと感知モードのための独立したサスペンションビームを利用する各種デバイスが報告されている。
この明細書で具体的に詳解する4自由度のジャイロスコープの設計概念は、モード整合の要求事項、ダンピング感度、及び結合した振動の問題に起因する制限を、機械的に減結合された、三つの検定質量が組み込まれている2自由度の非共振の駆動発振器と感知発振器を採用することによって、解消する。二つの相互に接続された検定質量を含んでなる4自由度のMEMSジャイロスコープが、改良された堅牢性を達成したと報告されているが、その駆動発振器と感知発振器を機械的に減結合することができないので、これら発振器の動的応答特性は、これらの手法では独立して設定することはできない。
2.4自由度ジャイロスコープの構造と作動原理
具体的に詳解された実施態様では、共振なしで大きい振動振幅を達成するために、減結合された2自由度の駆動発振器12と感知発振器14における動的増幅を利用する4自由度の微細機械加工されたジャイロスコープシステム10が開示されている。全体で4自由度の動的システム10、すなわち駆動方向に2自由度と感知方向に2自由度のシステムは、図1に示すように、三つの相互に接続された検定質量16、18及び20を含んで構成されている。
具体的に詳解された実施態様では、共振なしで大きい振動振幅を達成するために、減結合された2自由度の駆動発振器12と感知発振器14における動的増幅を利用する4自由度の微細機械加工されたジャイロスコープシステム10が開示されている。全体で4自由度の動的システム10、すなわち駆動方向に2自由度と感知方向に2自由度のシステムは、図1に示すように、三つの相互に接続された検定質量16、18及び20を含んで構成されている。
第一質量16すなわちm1は、図1のx方向である駆動方向に励振される唯一の質量16であるが、図1のy方向である感知方向には制限されており、駆動方向にのみ自由に振動できる。第二質量18すなわちm2と第三質量20すなわちm3は、x駆動方向には互いに他に対して制限されていて、x駆動方向には一つの結合した質量として振動する。しかしながら、質量18と20は、y感知方向には独立して自由に振動でき、2自由度の感知方向発振器を形成している。第一質量16と、第二及び第三の質量18及び20の結合体とは、2自由度の駆動方向発振器12を形成しており、その質量16は、図2に線図的に描かれているように被駆動質量である。
駆動モードと感知モードの間の動的結合に起因する不安定性を最小限にするため、駆動モード発振器12と感知モード発振器14は、機械的に減結合されている。被駆動質量16は、x駆動方向にのみ振動して、製作の欠陥に起因してあり得る弾性異方性が、y感知方向に固定されているサスペンション22によって抑制されており、それが図4に最もよく示されている。第二質量18は、x駆動方向とy感知方向の両方向に振動して、2自由度の感知方向発振器14を励振する回転誘発のコリオリの力を発生させる。2自由度の感知方向発振器14の振動吸収体を含む第三質量20の感知方向の応答は、入力された角速度を測定するために検出される。感知質量20を質量18に結合する図2に示すばね24は、相対的y感知方向振動に対してのみ変形するので、駆動方向と感知方向の機械的結合に起因する不安定性が最小限になり、ドリフトが低下することによりジャイロスコープとしての性能が有意に向上する。
A.コリオリ応答
2自由度の駆動モード発振器12と2自由度の感知モード発振器14の周波数応答は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有している。デバイス10は、公称、駆動モード発振器12と感知モード発振器14の平坦領域で作動し、その領域では発振器12及び14の応答振幅は、パラメータの変動に対して敏感でない。駆動モード発振器12と感知モード発振器14の両者をそれらの平坦領域の周波数帯域で作動させるため、発振器12と14の平坦領域は、以下に説明するように、駆動方向と感知方向の反共振周波数を整合させることによって、図3aのグラフに描写されているようにオーバラップするように設計しなければならない。しかしながら、従来のジャイロスコープとは対照的に、有意により広い帯域幅を有する平坦領域は、製作の欠陥や作動条件の変動に拘わらず、フィードバック制御なしで充分な精密さでオーバーラップさせることができる。
2自由度の駆動モード発振器12と2自由度の感知モード発振器14の周波数応答は、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有している。デバイス10は、公称、駆動モード発振器12と感知モード発振器14の平坦領域で作動し、その領域では発振器12及び14の応答振幅は、パラメータの変動に対して敏感でない。駆動モード発振器12と感知モード発振器14の両者をそれらの平坦領域の周波数帯域で作動させるため、発振器12と14の平坦領域は、以下に説明するように、駆動方向と感知方向の反共振周波数を整合させることによって、図3aのグラフに描写されているようにオーバラップするように設計しなければならない。しかしながら、従来のジャイロスコープとは対照的に、有意により広い帯域幅を有する平坦領域は、製作の欠陥や作動条件の変動に拘わらず、フィードバック制御なしで充分な精密さでオーバーラップさせることができる。
回転で誘発されるコリオリの力に対する、組み合わさった4自由度の動的システムの応答は、図3bのグラフに描写されているように、独立した駆動モード発振器と感知モード発振器の平坦領域に一致する周波数帯域に平坦領域を有している。このデバイスがこの平坦領域で作動するとき、駆動方向と感知方向の両方の振動振幅は、システムのパラメータ及びダンピングと減衰の変動に対して比較的鈍感である。というわけで、共振ではなくてこれら2自由度の発振器での動的増幅を利用することによって、帯域幅が増大し、そして構造や熱によるパラメータの変動及びダンピングの変化に対する感度が低下する。その結果、デバイスの作動時間にわたっての堅牢性と長期安定性の改善をもたらすこの設計概念は、制御の要求事項及び製作及びパッケージングの厳しい許容誤差範囲を緩和すると期待される。
B.従来のジャイロスコープとの応答特性の比較
提案した設計手法によって、ジャイロスコープの作動周波数の範囲を広げて、y感知方向の応答振幅を犠牲にしながら、堅牢性を改善することができる。以下の数値例が、ジャイロスコープの帯域幅と応答の振幅との間の兼合いを説明している。比較の分かりやすさのため、我々は、駆動方向と感知方向の整合された共振周波数が10.3kHzで設計された、4自由度システムの分離された受動質量−ばね系と同じ質量、剛性及びダンピングのパラメータを有する従来の2自由度のジャイロスコープを考察する。両ジャイロスコープとも、減圧パッケージされていて、包封空洞内の圧力が13.3Pa(100ミリトル)であり、いずれも5μmの駆動方向の振動振幅を達成するように励振されるものと想定する。これらの条件下で、1度/秒の入力角速度に対して、従来の2自由度のジャイロスコープは、感知方向に2.8x10-3μmの応答振幅を有し、一方4自由度のジャイロスコープの感知質量は、0.72×10-3μmに等しい応答振幅を有している。しかしながら、従来の2自由度のジャイロスコープの場合、極端に狭い応答の帯域幅(約1.1Hz)が、デバイスの堅牢性を有意に制限する。2自由度システムの場合、駆動方向と感知方向の間の0.1%周波数不整合があると、感知方向の振幅が1.15×10-3μmまで低下(59%の利得減少)し、そして1%の周波数不整合だと、振動振幅が0.14×10-3μm(94%の利得減少)になる。対照的に、4自由度のジャイロスコープは、システムパラメータの変動に対する堅牢性が有意に改良されることを実証し、受動質量の共振周波数が1%ずれると、振幅が0.70×10-3μm(3%の利得の変化)になる。パッケージ内部の圧力が10%だけ増加すると、従来のジャイロスコープの利得は14%低下するが、4自由度のジャイロスコープの利得は0.1%未満の変化をする、ということにも注目すべきである。
提案した設計手法によって、ジャイロスコープの作動周波数の範囲を広げて、y感知方向の応答振幅を犠牲にしながら、堅牢性を改善することができる。以下の数値例が、ジャイロスコープの帯域幅と応答の振幅との間の兼合いを説明している。比較の分かりやすさのため、我々は、駆動方向と感知方向の整合された共振周波数が10.3kHzで設計された、4自由度システムの分離された受動質量−ばね系と同じ質量、剛性及びダンピングのパラメータを有する従来の2自由度のジャイロスコープを考察する。両ジャイロスコープとも、減圧パッケージされていて、包封空洞内の圧力が13.3Pa(100ミリトル)であり、いずれも5μmの駆動方向の振動振幅を達成するように励振されるものと想定する。これらの条件下で、1度/秒の入力角速度に対して、従来の2自由度のジャイロスコープは、感知方向に2.8x10-3μmの応答振幅を有し、一方4自由度のジャイロスコープの感知質量は、0.72×10-3μmに等しい応答振幅を有している。しかしながら、従来の2自由度のジャイロスコープの場合、極端に狭い応答の帯域幅(約1.1Hz)が、デバイスの堅牢性を有意に制限する。2自由度システムの場合、駆動方向と感知方向の間の0.1%周波数不整合があると、感知方向の振幅が1.15×10-3μmまで低下(59%の利得減少)し、そして1%の周波数不整合だと、振動振幅が0.14×10-3μm(94%の利得減少)になる。対照的に、4自由度のジャイロスコープは、システムパラメータの変動に対する堅牢性が有意に改良されることを実証し、受動質量の共振周波数が1%ずれると、振幅が0.70×10-3μm(3%の利得の変化)になる。パッケージ内部の圧力が10%だけ増加すると、従来のジャイロスコープの利得は14%低下するが、4自由度のジャイロスコープの利得は0.1%未満の変化をする、ということにも注目すべきである。
さらに、4自由度のジャイロスコープの設計空間(design space)は、従来のジャイロスコープのよりも大きいので、その設計概念は、システム応答を最適化するのに最大の自由度を許容する。応答の振幅と帯域幅との間の最適の妥協は、システムのパラメータ(質量同士の比率とばね定数)を選択することによって得られる。例えば、4自由度システムの利得は、帯域幅との兼合いを取ることによって改善することができ、4自由度のジャイロスコープの受動質量と能動質量の間の結合ばね定数が4.2N/mから4.8N/mまで増加すると、感知方向の応答の振幅が0.72×10-3μmから1.2×10-3μmまで増加し、他方、応答の帯域幅は23Hzから12Hzまで減少するが、先に考察した従来のジャイロスコープの帯域幅より依然として一桁以上大きい。というわけで、4自由度の設計概念は、応答の利得(より高い感度のため)とシステムの帯域幅(堅牢性を高めるため)の間の兼合いを定義する際により大きい自由度を提供する。パラメータの組の選択は、典型的に用途の要求事項によって左右される。
3.ジャイロスコープの動力学
4自由度のジャイロスコープシステム10についての理想モデルの動力学は、ジャイスコープに関連する非慣性の座標フレームで最もよく理解される。先に述べたように、4自由度システム10は、三つの相互に接続された検定質量16、18及び20を含んで構成されており、各々の質量は回転基準フレームに取り付けられた位置ベクトルを有する剛体であると想定することができ、慣性フレームA内において絶対加速度は下記式[数2]となる。
4自由度のジャイロスコープシステム10についての理想モデルの動力学は、ジャイスコープに関連する非慣性の座標フレームで最もよく理解される。先に述べたように、4自由度システム10は、三つの相互に接続された検定質量16、18及び20を含んで構成されており、各々の質量は回転基準フレームに取り付けられた位置ベクトルを有する剛体であると想定することができ、慣性フレームA内において絶対加速度は下記式[数2]となる。
上記式中、下添え字Aは「慣性フレームAに対する」を意味し、Bは「回転ジャイロスコープフレームBに対する」を意味し、v(上→)とa(上→)は、それぞれ指定の基準フレームに対する速度と加速度のベクトルであり、そしてΩ(上→)は、慣性フレームAに対するジャイロスコープフレームBの角速度のベクトルである。(訳者注:式中で量記号の文字の上方に付された「→」は、ベクトル量であることを表すが、この説明文中では、使用許容文字記号の制約の都合で、量記号文字の右に「(上→)」を付して表す。)2Ω(上→)×v(上→)Bの項は、コリオリの加速度であり、これはシステム10をy感知方向に励振する。したがって、駆動方向(x軸)に振動する質量16、18又は20がz軸の回りに角回転速度Ω(上→)zを受けると、感知方向(y軸)に誘発されるコリオリの加速度は、a(上→)y=2Ω(上→)z dx/dtである。
同様に、非慣性回転フレームで観察される三つの検定質量についての運動方程式は、慣性フレームにおいて、下記式[数3]で表わすことができる。
上記式中、F(上→)1は、質量16、m1、に加えられる正味の外力ベクトルであって、基板からの弾性力及びダンピング力並びに質量18、m2、からの弾性相互作用力を含み、F(上→)2は、質量18、m2、に加えられる正味の外力ベクトルであって、基板からのダンピング力並びに質量16及び20からの弾性相互作用力を含み、F(上→)3は、質量20、m3、に加えられる正味の外力ベクトルであって、基板からのダンピング力及び質量18からの弾性相互作用力並びに質量16に加えられる駆動力を含む。ジャイロスコープフレームにおいて、r(上→)1、r(上→)2及びr(上→)3は、それぞれ質量16、18及び20の位置ベクトルであり、そしてv(上→)1、v(上→)2及びv(上→)3は、それぞれ質量16、18及び20の速度ベクトルである。第一質量16は、y感知方向には固定されている(すなわち、y1(t)=0であって、質量18と20はx駆動方向に一緒に動く、すなわち、x2(t)=x3(t)である)ので、運動平面に垂直な軸線(z軸)の周りの角速度Ω(上→)zを受ける三つの質量のサブシステムの4自由度の運動方程式(x軸及びy軸に沿った方程式)は、下記式[数4]のようになる。
上記式中、Fd(t)は駆動周波数ωdで能動質量に加えられる静電駆動力であり、そしてΩzはジャイロスコープに対しz軸の回りに加えられる角速度である。2m2Ωzdx2/dtと2m3Ωzdx3/dtの項は、y感知方向にシステムを励振するコリオリの力であり、そして質量20のy3感知方向のコリオリの応答を検出して、角速度を測定する。
4.設計概念のMEMS化
上記に述べた概念設計のMEMS化についてここで説明する。最初に、4自由度システム10のサスペンションサブシステムの設計について剛性値を誘導して検討し、次いで、上記で誘導した動的システムのダンピング成分を分析する。最後に、センサの性能を最大にするために最適のシステムパラメータを決定する手法とともに、駆動モード及び感知モードにおける動的増幅を達成する問題に取り組む。
上記に述べた概念設計のMEMS化についてここで説明する。最初に、4自由度システム10のサスペンションサブシステムの設計について剛性値を誘導して検討し、次いで、上記で誘導した動的システムのダンピング成分を分析する。最後に、センサの性能を最大にするために最適のシステムパラメータを決定する手法とともに、駆動モード及び感知モードにおける動的増幅を達成する問題に取り組む。
A.サスペンションの設計
デバイスの完全なサスペンションサブシステムは、図4の拡大線図に最も良く示されているように、1自由度の第一質量16がy感知方向に固定されてx駆動方向にのみ自由に振動し、第二質量18が2自由度を有しx駆動方向とy感知方向の両方に振動し、そして1自由度の第三質量20がx駆動方向に対して固定されてy感知方向に独立して自由に振動するように設計されている。
デバイスの完全なサスペンションサブシステムは、図4の拡大線図に最も良く示されているように、1自由度の第一質量16がy感知方向に固定されてx駆動方向にのみ自由に振動し、第二質量18が2自由度を有しx駆動方向とy感知方向の両方に振動し、そして1自由度の第三質量20がx駆動方向に対して固定されてy感知方向に独立して自由に振動するように設計されている。
アンカ26を介して基板24に接続するサスペンション22は、四つの二重折りたたみフレクシャ28a、28b、28c及び28dを含んで構成され、これら折りたたみフレクシャ28a、28b、28c及び28d内の長さL1xの各ビームは、ビームの軸線に対し直角の方向に変形する固定案内ビームとしてモデル化できる。そしてその全体の剛性は、下記式[数5]となる。
上記式中、Eはヤング率であり、Iはビーム断面の慣性二次モーメントであり、tはビームの厚さであり、そしてwはビームの幅である。製作の欠陥が原因で起こり得る弾性異方性は、フレクシャ28aと28bを含むこのサスペンション22によって被駆動質量16を純粋に幾何学的x駆動軸に沿って振動させ、y感知方向には拘束することによって、抑えられる。残留応力の作用も、フレクシャ28a、28b、28c及び28dとして折たたみばねを採用して応力逃がしをさせることによって、低減される。
第二質量18は、四つのフレクシャビームによって質量16に接続されており、その四つのフレクシャビームは、x駆動方向とy感知方向に独立して変形する、長さがL2xとL2yの二つの二重折りたたみフレクシャ28bと28cを含んで構成されている。これらのビームも、同様にモデル化でき、m2の駆動方向と感知方向の剛性値が下記式[数6]となる。
x駆動方向又はy感知方向のばね定数を計算する際に、他のビームにおける軸方向ひずみの影響は無視される。この想定は、この分析では妥当である。というのは、ビームの軸方向の剛性、kaxial=ETw/L、は、固定された案内ビームの剛性の約10000倍(L2/w2倍)であるからであり、これは、軸方向に荷重がかかっているビームは、無限大に剛性であると想定できることを意味する。
第三質量20を基板24に接続するサスペンション22は、この特定の設計のための四つの三重折りたたみフレクシャ28b、28c及び28dで構成されていて、質量20をx駆動方向に質量18に対して固定する。これらのフレクシャ28b、28c及び28dは、x駆動方向に剛性であり、y感知方向にのみ変形するので、感知要素の駆動モードと感知モードの間の動的結合に起因する不安定性は解消されて、ジャイロスコープのゼロレートドリフトが最小限になる。各ビームの長さがL3yの場合、全体の剛性は下記式[数7]となる。
長さL1x、L2x、L2y及びL3yは、下記で導かれる最適な剛性値に従って設計される。このサスペンションの設計によって、機械的に減結合された2自由度のx駆動モード発振器と2自由度のy感知モード発振器が三つの検定質量16、18および20を有して形成されて、x駆動方向とy感知方向の機械的結合に起因する不安定性が最小限になり、ゼロレートドリフトが有意に低下する。
B.ダンピングの算定
ジャイロスコープ構造におけるエネルギ散逸の主なメカニズムは、検定質量の表面と固定表面の間に閉じ込められた流体の内部摩擦である。図2に示すジャイロスコーのプ動的システムのダンピング係数c1x、c2x、c3x及びc3yは、図1に示すような、質量16、18及び20と基板24との間並びに櫛形駆動部28及び感知キャパシタフィンガ30の内部間の空気の粘性作用によるものである。
ジャイロスコープ構造におけるエネルギ散逸の主なメカニズムは、検定質量の表面と固定表面の間に閉じ込められた流体の内部摩擦である。図2に示すジャイロスコーのプ動的システムのダンピング係数c1x、c2x、c3x及びc3yは、図1に示すような、質量16、18及び20と基板24との間並びに櫛形駆動部28及び感知キャパシタフィンガ30の内部間の空気の粘性作用によるものである。
被駆動質量16については、駆動モードにおける合計のダンピングは、質量16と基板24の間の摺動膜(slide film)ダンピング及び集積櫛形フィンガ30間の摺動膜(slide film)ダンピングの組み合わさったものとして近似できる。時々刻々生成される線形の流体速度のプロフィールを想定すると、摺動膜ダンピングは、クエットの流れとしてモデル化することができ、下記式[数8]になる。
上記式中、A1は能動質量の面積であり、z0は基板からの検定質量の高さであり、tは構造体の厚さであり、Ncombは櫛形駆動フィンガの数であり、ycombはそのフィンガ間の距離であり、そしてIcombはそれらフィンガのオーバラップしている長さである。実効粘性(effective viscosity)は、μe=μppで表わされ、式中pはパッケージされたデバイスの空腔内の周囲圧力であり、そしてμp=3.7×10-6kg/m2・秒・トル(2.78×10-6[kg/m2・秒・Pa])は空気についての粘性定数である。
第二質量18には操作キャパシタ及び感知キャパシタが結合されていないので、x駆動方向とy感知方向のダンピング係数は、等しく、そして検定質量18と基板24との間のクエットの流れだけによるものであり、下記式[数9]になる。
このように、この手法は、質量18におけるエネルギ散逸が減少し、また駆動方向と感知方向で対称なダンピングが達成される。第三質量については、駆動モードの全ダンピングは、質量20と基板24の間のクエットの流れと、そしてエアギャップキャパシタのフィンガ28間のクエットの流れとから生じ、下記式[数10]で表される。
上記式中、A3は受動質量の面積であり、Ncapはエアギャップキャパシタの数であり、ycapはキャパシタのフィンガ30間の距離であり、そしてIcapはフィンガ30のオーバラップしている長さである。感知モードにおいて質量20に対するダンピングは、検定質量20と基板24の間のクエットの流れとエアギャップキャパシタのフィンガ30間のスクイーズフィルムのダンピングとの組み合わさったものと算定でき、下記式[数11]で表される。
上記の設計手法は、従来のジャイロスコープとは対照的に上記の感知する質量20が最小の質量を有するよう提案している、という点が強調されるべきである。これによって、質量20のフットステップ面積が減少したことに起因する感知質量20上の全エネルギ散逸を最小限にすることができる。より正確な摺動膜ダンピングのモデルを、低い圧力と狭いギャップでの気体の希薄化作用、動的気体モデル、又は迅速に低下する定常振幅で流体中に伝搬するプレート運動(plate motion)を考慮して、作ることができる。また、スクイーズフィルムのダンピングの非線形作用を計算流体力学のシミュレーションとともに含めると、このダンピングモデルの正確さを改善する。
C.動的増幅のためのパラメータの最適化
ジャイロスコープの性能を決定する最も重要な機械的要因は、入力回転に起因する感知要素すなわち質量20の感知方向の振れであるから、動的システムのパラメータは、y感知方向における質量20の振動振幅を最大限にするように最適化されなければならない。
ジャイロスコープの性能を決定する最も重要な機械的要因は、入力回転に起因する感知要素すなわち質量20の感知方向の振れであるから、動的システムのパラメータは、y感知方向における質量20の振動振幅を最大限にするように最適化されなければならない。
しかしながら、諸パラメータの変化に対して堅牢性を維持しながら、応答の振幅が必要な感度を達成するのに充分な振幅であるように、応答の振幅と帯域幅とを最適に妥協させなければならない。応答の利得(より高い感度を得るため)とシステムの帯域幅(堅牢性を得るため)との間の兼合いは、典型的に用途の要求事項によって取られる。
動的システムの各パラメータを最適化するために、全体で4自由度のジャイロスコープシステム10を、図5aに線図で描写する2自由度の駆動モード発振器12と図5bに線図で描写する2自由度の感知モード発振器14に分けることができ、以下に別個に分析する。
1)駆動モードのパラメータ
第一の質量16(x駆動方向にのみ自由に振動し、y感知方向には固定されている)及び第二と第三の質量18と20(x駆動方向には互いに他に対して固定されている)の結合体は、2自由度の駆動方向発振器12を形成し、そこで、質量16は、静電力で駆動される。駆動モードにおけるパラメータ最適化の主な目的は、第二質量18によって生成される回転誘発のコリオリの力を最大限にすることである。この力Fc2=2m2Ωzdx/dtは、2自由度の感知方向発振器14を励振する支配的な力であり、センサの感度に比例する。
第一の質量16(x駆動方向にのみ自由に振動し、y感知方向には固定されている)及び第二と第三の質量18と20(x駆動方向には互いに他に対して固定されている)の結合体は、2自由度の駆動方向発振器12を形成し、そこで、質量16は、静電力で駆動される。駆動モードにおけるパラメータ最適化の主な目的は、第二質量18によって生成される回転誘発のコリオリの力を最大限にすることである。この力Fc2=2m2Ωzdx/dtは、2自由度の感知方向発振器14を励振する支配的な力であり、センサの感度に比例する。
駆動モードでは、ジャイロスコープ10は、単に2自由度のシステムである。正弦波の駆動力が、櫛形駆動構造体28によって第一質量16(能動質量)に加えられる。第二と第三の質量18と20の結合体は、2自由度の発振器12の振動吸収体36(受動質量)を含んでいて、質量16の振動を機械的に増幅する。図5aに示すように、集中質量−ばね−ダンパのモデルによってジャイロスコープ10を近似すると、駆動方向の運動方程式は、下記式[数12]で表される。
一定振幅の正弦波の力Fc=Fosin(ωt)が、相互にかみ合った櫛形駆動体28によって能動質量16に加えられると、図6aのグラフに図解されるように、2自由度システム12の定常応答は、下記式[数13]で表される。
上記式中、ω1x=(k1x/m1)1/2とω2x=(k2x/[m2+m3])1/2は、それぞれ、分離された能動の質量−ばね系38と受動の質量−ばね系40の共振周波数である。駆動周波数ωdriveが、分離された受動の質量−ばね系40の共振周波数と整合すると、すなわちωdrive=(k2x/[m2+m3])1/2であると、受動質量の18と20は、能動質量に加えられた入力の力Fdを正確に打ち消すように動いて、最大の動的増幅が達成される。
質量18によって生成されるコリオリの力Fc2=2m2Ωzdx2/dtを最大にするには、大きい検定質量18と大きい駆動方向の振幅x2が必要である。しかしながら、受動質量18と20のx駆動方向における応答が、m1値が固定されてm2値が異なる場合について観察されたならば、受動質量18と20の振動振幅が高い場合に、質量18と20は、図7aのグラフに図解されているように、最小にしなければならないということが分かる。より大きいコリオリの力がより高い周波数で誘発されるが、振動の振幅は、図7bのグラフに図解されているように、より低い周波数で大きくなることに注目しつつ、分離された受動の質量ばね系38の反共振周波数ω2xは、ジャイロスコープの作動周波数の仕様に従って決定される。一旦、ω2xが固定されると、駆動方向のばね定数k2xがω2x及び質量18と20から得られる。
能動質量16の質量を決定する最適の駆動方向質量比μx=(m2+m3)/m1は、ダンピングに対する低い感度、応答の帯域幅及び振動の振幅によって左右される。ダンピングに対する不感受性を得るためには、2自由度システムの応答の共振ピークは充分に遠く離されなければならず、それは最小値のμxを強いる。広い帯域幅のためには、前記ピークを充分大きく離すために大きいμxが要求されるが、利得の低下を防止するためには、ピークの離れは、図8aのグラフに図解されているように、最小にしなければならない。
機械的増幅の程度は、分離された能動系38と受動の質量−ばね系40の共振周波数の比、すなわちνx=ω2x/ω1x=(k2xm1/k1x(m2+m3))1/2によって決まる。最適の周波数比νxは、高い機械的増幅と、図8bのグラフに図解されているような受動質量の高い振動振幅とを得るために、νxが充分に高くなるように決定されねばならない。μxとω1xの最適値から、能動質量16の駆動方向ばね定数k1xが得られる。最後に、デバイス全体のダンピング条件を検討して、図9のグラフに図解されているように、反共振領域における応答利得がダンピングの変化に敏感でない領域内にダンピング値があることを確認しなければならない。
2)感知モードのパラメータ
図5bに示す2自由度の感知方向発振器14は、質量18と20で形成され、そこでは、質量20は、振動吸収体として働いて、機械的増幅による大きな感知方向の振動振幅を達成する。感知モードにおけるパラメータ最適化の目的は、感知要素20の感知方向振動の振幅であるy3を最大にすることである。
図5bに示す2自由度の感知方向発振器14は、質量18と20で形成され、そこでは、質量20は、振動吸収体として働いて、機械的増幅による大きな感知方向の振動振幅を達成する。感知モードにおけるパラメータ最適化の目的は、感知要素20の感知方向振動の振幅であるy3を最大にすることである。
このシステムは、質量18及び20のそれぞれによって生成される回転誘発のコリオリの力Fc2=2m2Ωzdx2/dt及びFc3=2m3Ωzdx2/dtによって駆動される。2自由度の感知方向発振器を励振する支配的な力は、Fc2である。なぜならば、能動質量18の質量が、受動質量20の質量より有意に大きいからである。感知モード発信器の集中質量−ばね−ダンパのモデルの運動方程式は、下記式[数14]になる。
一定振幅の正弦波の力に対するこのシステムの応答は、図6bのグラフに図解した駆動モード発信器のそれに類似しており、分離された能動質量−ばね系及び受動の質量−ばね系の共振周波数は、それぞれ、ω2y=(k2y/m2)1/2及びω3y=(k3y/m3)1/2である。正弦波のコリオリの力の周波数が、分離された受動の質量−ばね系40の共振周波数と整合したとき、受動質量20は、最大の動的増幅を達成する。
2自由度の駆動発信器12と感知モード発信器14を減結合することの最も重要な利点は、感知要素20を励振するコリオリの力が、感知要素20によって生成されないことである。代わりに、質量18により生成されるFc2=2m2Ωzdx2/dtが能動質量16を励振する。2自由度の発振器の動力学は、その振動振幅を最大にするために受動質量20を最小にしなければならないと指示している。質量20により生成されるコリオリの力Fc3=2m3Ωzdx2/dtは大きい必要はないので、感知要素20は、機械設計の要求事項及び製作のパラメータが許容できる限り小さく設計することができる。
同様に、能動質量18の質量を決定する感知方向における最適質量比μy=m3/m2を選択して、ダンピングの変化に対する不感受性、広い応答の帯域幅及び大きい振動振幅を達成する。分離された、質量20を含む能動系及び質量18を含む受動の質量−ばね系の共振周波数の比率、νy=ω3y/ω2y=(k3ym2/k2ym3)1/2の最適値も、受動質量18の振動振幅を最大にするように選択される。
3)全体で4自由度のシステムのパラメータ
2自由度の駆動発進器12及び感知モード発振器14の両者の周波数応答は、二つの共振ピークとこれらピークの間の平坦な領域を有している。システムのパラメータの変動に対して最大の堅牢性を達成するには、2自由度の発振器12と14の両者が、それらの応答曲線の平坦領域で作動しなければならない。感知方向発振器14を駆動するコリオリの力は、駆動方向発振器12を励振する静電力と同じ周波数であるから、発振器12と14の平坦領域の周波数帯域は、駆動と感知の反共振周波数が整合するように設計することによって、オーバラップしていなければならない。したがって、要求事項ω3y=ω2x、すなわち、(k3y/m3)1/2=(k2x/(m2+m3))1/2が、最適のシステムパラメータを、最適な諸比率μx=(m2+m3)/m1、νx=ω2x/ω1x、μy=m3/m2及びνy=ω3y/ω2yとともに決定する。その平坦領域は、帯域幅が有意に広いので、従来のジャイロスコープとは対照的に、欠陥が存在する中でフィードバック制御なしで充分な精密さでもってそれらをオーバラップさせることができる。
2自由度の駆動発進器12及び感知モード発振器14の両者の周波数応答は、二つの共振ピークとこれらピークの間の平坦な領域を有している。システムのパラメータの変動に対して最大の堅牢性を達成するには、2自由度の発振器12と14の両者が、それらの応答曲線の平坦領域で作動しなければならない。感知方向発振器14を駆動するコリオリの力は、駆動方向発振器12を励振する静電力と同じ周波数であるから、発振器12と14の平坦領域の周波数帯域は、駆動と感知の反共振周波数が整合するように設計することによって、オーバラップしていなければならない。したがって、要求事項ω3y=ω2x、すなわち、(k3y/m3)1/2=(k2x/(m2+m3))1/2が、最適のシステムパラメータを、最適な諸比率μx=(m2+m3)/m1、νx=ω2x/ω1x、μy=m3/m2及びνy=ω3y/ω2yとともに決定する。その平坦領域は、帯域幅が有意に広いので、従来のジャイロスコープとは対照的に、欠陥が存在する中でフィードバック制御なしで充分な精密さでもってそれらをオーバラップさせることができる。
2自由度の駆動方向発振器12をその反共振周波数で励振すると、図6aのグラフに図解されているように、静電気で駆動される質量の振動振幅が最小になる。したがって、アクチュエータの移動距離を最小にすることによって、より高い駆動の安定性と直線性が機械的増幅によって達成される。また、2自由度の感知方向発振器14は、その反共振周波数で励振されるから、その感知方向の振動振幅は、図6bのグラフに図解されているように、最小になる。その結果、両振動モード間の結合が最小になり、ジャイロスコープのゼロレートドリフトを減少させることにつながる。
まとめると、モード整合の必要をなくし、かつ駆動モードと感知モード間の機械的結合に起因する不安定性とゼロレートドリフトを最小限にする、4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープの設計概念を開示した。提案された手法は、三つの相互に接続された検定質量16、18及び20を使って、機械的に減結合された2自由度の駆動モード発振器12と2自由度の感知モード発振器14を形成することに基づいている。この全体で4自由度のシステム10は、駆動方向と感知方向の動的増幅を利用して、共振なしで大きい振動振幅を達成し、その結果、帯域幅が増大し、かつ構造上及び熱によるパラメータの変動並びにダンピングの変化に対する感度が低下し、他方、駆動方向の振動を感知方向の振動から機械的に減結合することによって、デバイスの作動時間にわたっての堅牢性と長期安定性が改善される。さらに、三つの検定質量16、18及び20を採用して減結合された発振器12と14を形成したので、感知要素を励振するコリオリの力をより大きい中間の検定質量によって生成させて、その結果、センサの感度を増大するためのより大きいコリオリの力を得ている。したがって、上記設計概念は、性能上の妥協を最小限にして堅牢性と安定性を改善し、制御システムの要求事項及び製作とパケージングの厳しい許容誤差範囲を緩和する。
多くの変更や修正が、この発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、当業者によってなし得るであろう。したがって、ここに具体的に詳解した実施態様は、単に例示を目的として記載されたものであり、前掲の特許請求の範囲により定義される発明を制限するものと受け取ってはいけないと理解されなければならない。例えば、ある請求項の複数要素が特定の組合せで記載されているという事実に拘わらず、この発明は、より少ない要素、より多い要素、又は異なる要素での他の組合せをも、たとえそのような組合せが当初請求されていなくても、上記に開示されているものは含むものであるということを、篤と理解しなければならない。
この発明及びその各種実施態様を述べるためにこの明細書で使用された用語は、その一般的に定義された意味においてだけでなく、この明細書における特別の定義により、その一般的に定義されている意味の範囲を超えた構造、材料又は働きを含むと理解すべきである。したがって、ある要素がこの明細書の文脈の中で二つ以上の意味を包含すると理解できる場合には、特許請求の範囲でのその使用は、この明細書及びその語自体により裏付けられる全ての可能な意味について包括的であると理解しなければならない。
したがって、前掲の特許請求の範囲の語及び要素の定義は、この明細書において、文言どおりに記載された要素の組合せだけでなく、実質的に同一の要領で実質的に同一の作用をして実質的に同一の結果を得る全ての均等な構造、材料又は働きを包含するものとして、定義されている。したがって、この意味で、前掲の特許請求の範囲におけるどの一つの要素を二つ以上の要素で等価的に置換してもよいこと、又は特許請求の範囲における二つ以上の要素を単一の要素で置き換えてもよいことを、筆者は意図している。複数の要素が特定の組合せで働くように上述され、そのように当初請求されているかも知れないが、請求された組合せからの一つ又は複数の要素は、場合によっては、その組合せから外すことができ、また請求された組合せは部分的組合せに又は部分的組合せの変形に向けられてもよいことを、篤と理解されたい。
当業者から見て、請求された主題からの非実質的な変更は、現在知られているものでも今後案出されるものでも、特許請求の範囲内の均等物であると意識的に意図している。したがって、当業者にとって現在知られており又は今後知られる自明の置換は、定義された要素の範囲内であるものと定義されている。
したがって、特許請求の範囲は、上記に具体的に図解及び記述されたもの、概念的に均等なもの、自明に置き換えできるもの、及びこの発明の必須の思想を本質的に取り込んでいるものをも包含していると理解されるべきである。
12…駆動モード発振器、14…感知モード発振器、16…第一質量、18…第二質量、20…第三質量、22…サスペンション、24…ばね、x…駆動方向、y…感知方向。
Claims (28)
- 4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープであって、
2自由度の駆動モード発振器と、
2自由度の感知モード発振器とを備えてなり、
前記駆動モード発振器及び前記感知モード発振器は、機械的に減結合されていて、かつ三つの相互に接続された検定質量を採用している
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、駆動方向と感知方向の動的増幅を利用して、共振なしで大きい振動振幅を達成し、もって帯域幅を増大させかつ構造と熱によるパラメータの変動及びダンピングの変化に対する感度を低下させた
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記三つの質量のうち一つは中間の検定質量でありかつもう一つの質量は感知する要素であり、そして堅牢性と長期安定性を得るため、及び前記感知する要素を励振するコリオリの力を、より大きい質量と一緒で前記中間の検定質量によって発生させるために、前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が駆動方向において感知方向から機械的に減結合され、もってコリオリの力をより大きくしてセンサの感度を増大させ、制御システムの要求事項及び製作とパッケージングの厳しい許容誤差範囲を緩和し、モード整合の必要をなくし、かつ駆動モードと感知モードの間の機械的結合に起因する不安定性とゼロレートドリフトを最小限にする
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段及び感知方向の質量の運動を感知する感知手段を含んでおり、そして前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量を含み、その第一の質量は、前記駆動手段によって励振される唯一の質量であって駆動方向に振動しかつ感知方向の運動が制限されており、その第二と第三の質量は、互いに他に対する駆動方向の運動が制限されて駆動方向には一緒に振動するが、感知方向には互いに独立して振動し、前記第三の質量は、前記第二の質量に関して駆動方向には固定されているが感知方向には自由に振動し、駆動される質量としての第一の質量及び合わせて受動質量としての第二と第三の質量で駆動モード発振器を構成し、前記第二と第三の質量で感知モード発振器を構成する
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項4に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記第二の質量が、駆動方向と感知方向に振動して、前記2自由度の感知モード発振器を励振する回転で誘発されるコリオリの力を生成し、前記2自由度の感知モード発振器の振動吸収体を含む第三の質量の感知方向の応答が検出されて、入力された角速度が測定される
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段、感知方向への質量の運動を感知する感知手段、及び前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器が上に配置されている基板を含んでおり、前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量を含み、その第一の質量は、実質的に駆動方向にのみ運動を許容する第一フレクシャによって前記基板に固定され、その第二の質量は、駆動方向と感知方向に運動を許容する第二フレクシャによって前記第一の質量に結合され、そしてその第三の質量は、実質的に感知方向にのみ運動を許容する第三フレクシャによって前記第二の質量に結合されている
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項6に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記第一と第三のフレクシャが、実質的に一方向にのみ弾性を有する折りたたまれた微細機械加工ばねであり、そして前記第二フレクシャが、折りたたまれた微細機械加工ばね二つを結合してなるフレクシャであり、その各フレクシャは、実質的に二つの異なる方向のうちの一つの方向にのみ弾性を有する
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器は、各々が、二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有し、このジャイロスコープが前記駆動モード発振器及び前記感知モード発振器の平坦領域で作動する
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項8に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、駆動方向と感知方向の反共振周波数が整合するように取り合わせられ配置構成されている
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段及び感知方向への質量の運動を感知する感知手段を含み、前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量とそれらに結合されたフレクシャを含み、前記第二と第三の質量が前記駆動モード発振器の振動吸収体を含むように結合し、その振動吸収体が前記第一質量の振動を機械的に増幅する
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項10に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記第一の質量が入力の力Fdによって駆動周波数ωdriveで駆動され、その駆動周波数ωdriveは前記第二と第三の質量とそれらに結合されたフレクシャを含んでなる隔離された受動質量−ばね系の共振周波数と整合し、その受動質量−ばね系が、前記第一質量に加えられた入力の力Fdを打ち消すように運動して最大の動的増幅が達成される
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段及び感知方向への質量の運動を感知する感知手段を含み、前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量とそれらに結合されたフレクシャを含み、その第三の質量が前記感知モード発振器の振動吸収体として作動して、機械的増幅による大きい感知方向の振動振幅を達成する
ことを特徴とするジャイロスコープ - 請求項12に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記第二の質量に正弦波のコリオリの力が加えられ、そしてその正弦波のコリオリの力の周波数が、前記第三の質量とそれに結合されたフレクシャを含んでなる隔離された受動質量−ばね系の共振周波数と整合され、その結果、前記第三の質量が最大の動的増幅を達成する
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 請求項1に記載の4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープにおいて、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段及び感知方向への質量の運動を感知する感知手段を含み、前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量とそれらに結合されたフレクシャを含み、前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器の両方の周波数応答が二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有し、前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器の両方が、それらの応答曲線の平坦領域で作動し、そして前記第二の質量の駆動反共振周波数ω2xと前記第三の質量の感知反共振周波数ω3yが整合され、すなわち、ω3y=ω2xであるか又は同等に (k3y/m3)1/2 = (k2x/(m2+m3))1/2 であることが、最適のシステムパラメータを決定するとともに、最適化された比率μx=(m2+m3)/m1、νx=ω2x/ω1x、μy=m3/m2及びνy=ω3y/ω2yを決定する(式中、k3yは第三の質量に結合されたフレクシャのばね定数であり、m3は第三の質量の大きさであり、k2xは第二の質量に結合されたフレクシャのばね定数であり、m2は第二の質量の大きさであり、m3は第三の質量の大きさであり、ω1xは第一の質量の駆動反共振周波数であり、そしてω2yは第二の質量の感知反共振周波数である)
ことを特徴とするジャイロスコープ。 - 4自由度の微細機械加工された非共振ジャイロスコープを作動させる方法であって、
加えられた力で2自由度の駆動モード発振器を駆動するステップと、
前記2自由度の駆動モード発振器から引き出されるコリオリの力で2自由度の感知モード発振器を駆動するステップと、
前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器を機械的に減結合するステップと
を含んでなる方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器を駆動するステップ及び前記2自由度の感知モード発振器を駆動するステップが、駆動方向と感知方向の運動を動的に増幅し、共振なしで大きい振動振幅を達成して、その結果、帯域幅が増大しかつ構造的及び熱的なパラメータ変動とダンピング変化に対する感度が低下する
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器を機械的に減結合するステップが、前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器を駆動方向において感知方向から機械的に減結合して、堅牢性と長期安定性を得て、次いで前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器の両方に採用された中間の検定質量により発生するコリオリの力で、前記感知モード発振器の感知要素を励振し、前記中間の検定質量が前記感知要素より大きい質量を有して提供され、もってコリオリの力をより大きくしてセンサの感度を増大させ、制御システムの要求事項及び製作とパッケージングの厳しい許容誤差範囲を緩和し、モード整合の必要をなくし、かつ駆動モードと感知モードの間の機械的結合に起因する不安定性とゼロレートドリフトが最小限にする
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器を駆動するステップ及び前記2自由度の感知モード発振器を駆動するステップが、質量を駆動方向に駆動し及び感知方向への質量の運動を感知するステップを含み、そして前記2自由度の駆動モード発振器及び前記2自由度の感知モード発振器が、三つの相互に接続された質量、すなわち第一、第二及び第三の質量を含み、前記第一質量のみを駆動手段によって励振し、その第一質量を駆動力で駆動方向に振動させかつ感知方向への第一質量の運動を制限し、前記第二と第三の質量の互いに他に対する駆動方向の運動を制限して、その第二と第三の質量を一緒に駆動方向に振動させるがその第二と第三の質量を互いに独立して感知方向に振動させ、前記第三の質量は前記第二の質量に対して駆動方向に固定されているが、前記第三の質量を感知方向に振動させ、駆動される質量としての第一の質量及び合わせて受動質量としての第二と第三の質量で駆動モード発振器を構成し、前記第二と第三の質量で感知モード発振器を構成する
ことを特徴とする方法。 - 請求項18に記載の方法において、
前記第二の質量を駆動方向と感知方向に振動させるステップが、前記2自由度の感知モード発振器を励振する回転で誘発されるコリオリの力を生成し、前記2自由度の感知モード発振器の振動吸収体を含む第三の質量の感知方向の応答を検出して、入力角速度を測定する
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段、感知方向への質量の運動を感知する感知手段、及び前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器が上に配置されている基板を含んでおり、前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量を含み、さらに前記第一の質量を第一のフレクシャで基板に固定し、そして前記第一の質量を実質的に駆動方向にのみ運動させ、前記第一の質量に第二のフレクシャで結合された前記第二の質量を駆動方向と感知方向に運動させ、次いで前記第二の質量に第三のフレクシャで結合された第三の質量を実質的に感知方向にのみ運動させる
ことを特徴とする方法。 - 請求項20に記載の方法であって、
さらに、実質的に一方向にのみ弾性を有する微細機械加工された折り畳みばねを設けてなる第一及び第三のフレクシャによって、並びに各々が二つの異なる方向のうち実質的に一つの方向にのみ弾性を有する折りたたまれた微細機械加工ばね二つを結合してなる第二のフレクシャによって、前記第一、第二及び第三の質量を結合するステップを含んでなる
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器を駆動するステップ及び前記2自由度の感知モード発振器を駆動するステップが、駆動モード発振器と感知モード発振器の、二つの共振ピークの間の平坦領域で、ジャイロスコープを作動させるステップを含む
ことを特徴とする方法。 - 請求項22に記載の方法であって、
さらに、前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器の駆動方向と感知方向の反共振周波数を整合させるステップを含んでなる
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器と前記2自由度の感知モード発振器が、質量を駆動方向に駆動する駆動手段及び感知方向への質量の運動を感知する感知手段を含み、前記三つの相互に接続された質量は第一、第二及び第三の質量とそれらに結合されたフレクシャを含み、前記第二と第三の質量が前記駆動モード発振器の振動吸収体を含むように結合しており、さらに、第一の質量の振動を前記振動吸収体によって機械的に増幅するステップを含んでなる
ことを特徴とする方法。 - 請求項24に記載の方法であって、
さらに、前記第一の質量を入力の力Fdによって駆動周波数ωdriveで駆動するステップと、その駆動周波数ωdriveを、前記第二と第三の質量とそれらに結合されたフレクシャを含んでなる隔離された受動質量−ばね系の共振周波数と整合させるステップと、その受動質量−ばね系を、第一質量に加えられた入力の力Fdを打ち消すように運動させて最大の動的増幅が達成されるステップを含んでなる
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器を駆動するステップ及び前記2自由度の感知モード発振器を駆動するステップが、質量を駆動方向に駆動するステップと、感知方向への質量の運動を感知するステップと、前記感知モード発振器内で振動吸収体として作動する第三の質量でもって感知方向の振動振幅を機械的に増幅するステップを含む
ことを特徴とする方法。 - 請求項26に記載の方法であって、
さらに、正弦波のコリオリの力を第二の質量に加えるステップと、その正弦波のコリオリの力の周波数を、第三の質量とそれに結合されたフレクシャを含んでなる隔離された受動質量−ばね系の共振周波数と整合させて、第三の質量が最大の動的増幅を達成するステップとを含んでなる
ことを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法において、
前記2自由度の駆動モード発振器を駆動するステップ及び前記2自由度の感知モード発振器を駆動するステップが、質量を駆動方向に駆動するステップと、感知方向への質量の運動を感知するステップを含んでおり、前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器の両方の周波数応答が二つの共振ピークとそれらピークの間の平坦領域を有し、前記駆動モード発振器と前記感知モード発振器の両方をそれらの応答曲線の平坦領域で作動させ、そして前記第二の質量の駆動反共振周波数ω2xと前記第三の質量の感知反共振周波数ω3yを整合させ、すなわち、ω3y=ω2xであるか又は同等に (k3y/m3)1/2 = (k2x/(m2+m3))1/2 に設定し、そこから、最適のシステムパラメータを決定するとともに、最適化された比率μx=(m2+m3)/m1、νx=ω2x/ω1x、μy=m3/m2及びνy=ω3y/ω2yを決定する(式中、k3yは第三の質量に結合されたフレクシャのばね定数であり、m3は第三の質量の大きさであり、k2xは第二の質量に結合されたフレクシャのばね定数であり、m2は第二の質量の大きさであり、m3は第三の質量の大きさであり、ω1xは第一の質量の駆動反共振周波数であり、そしてω2yは第二の質量の感知反共振周波数である)
ことを特徴とする方法。
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