JP2005243462A - ニッケル水素蓄電池用セパレータ及び該セパレータを用いたニッケル水素蓄電池 - Google Patents

ニッケル水素蓄電池用セパレータ及び該セパレータを用いたニッケル水素蓄電池 Download PDF

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Abstract

【課題】スルホン化処理ポリオレフィンセパレータへの親水性基導入と負極蓄積水素の低減を同時になし得るニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータ及び該セパレータを使用したニッケル水素蓄電池を提供する。
【解決手段】スルホン化処理ポリオレフィンセパレータを使用したニッケル水素蓄電池において、前記セパレータにアンモニアが結合しており、かつ、前記セパレータ中のアンモニア含有量がセパレータ1g当たり窒素量換算で600μg以上であるスルホン化セパレータを用いる。この場合、組立時に電解液中に硝酸化合物又は亜硝酸化合物を含有させることにより、自己放電により硝酸イオン又は亜硝酸イオンをアンモニアに変えてスルホン化処理ポリオレフィンセパレータに捕捉させることもできる。
【選択図】なし

Description

本発明はニッケル水素蓄電池用セパレータ及び該セパレータを用いたニッケル水素蓄電池に関し、特にスルホン化処理ポリオレフィンセパレータからなるニッケル水素蓄電池用セパレータ及び該セパレータを使用したニッケル水素蓄電池に関する。
二次電池の用途は、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、自動車、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)、電動アシスト自転車、電動工具等広範囲に亘り、より一層の特性向上のため、自己放電抑制、長寿命化などの様々な改良が行われている。
ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池においては、電池系内の硝酸根がシャトルイオンとなって自己放電を引き起こすことが知られている(下記特許文献1及び2参照)。なお、ニッケル水素蓄電池に関する前記自己放電に関与する反応機構は以下の(1)式〜(5)式のとおりである。
陰極
NO +MH → MHX−2+ NO +HO (1)
NO +MH → MHX−6+ NHOH + OH (2)
又は、
NO +MH → MHX−6 + NH+ HO + OH (2’)
電解液
NHOH ←→ NH+ H2O (3)
陽極
NH+6NiOOH+HO+OH→6Ni(OH)+ NO (4)
NO +2NiOOH+HO →2Ni(OH)+ NO (5)
そのため、ニッケル水素蓄電池においては、自己放電抑制のために、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータやポリアクリル酸の共重合体を含むセパレータが用いられているが、これは自己放電の原因となる窒素系シャトルイオンの中で、アンモニアを捕捉するからである。すなわち、窒素系シャトルイオンはセパレータ中の窒素含有成分の分解によって生じる他に電解液中に不純物として含まれたり、また、電極の製造工程においても混入されやすいので、電池内への窒素系シャトルイオン源の混入を防ぐことはきわめて困難である。しかしながら、電池内の窒素系シャトルイオンを除去できれば、自己放電を抑制することが可能となるわけである。
このような観点から、下記特許文献1に開示されている発明では、アンモニア捕捉能力の指標としてアルカリ電解液に浸漬後に中和されていない酸性基量が1×10−3mol/m以上のスルホン化処理ポリオレフィンセパレータを使用したものが、また、下記特許文献2に開示されている発明では、ポリアクリル酸の共重合体からなる粒子状のポリマーを付着させたセパレータにおいて、アンモニア結合能がポリマー粉末1g当たり少なくとも0.2mol(NH/g)のものを使用したものが、それぞれ開示されている。
特開2001−283819号公報(特許請求の範囲、段落[0011]、[0018]〜[0026]) 特開2004−006354号公報(特許請求の範囲、段落[0004]〜[0008])
上述のように、従来のニッケル水素蓄電池においては、自己放電を低下させる目的でスルホン化処理ポリオレフィンセパレータやポリアクリル酸の共重合体を含むセパレータを使用してアンモニアを捕捉し、延いては電解液中の硝酸イオン、亜硝酸イオン等の硝酸根濃度の低減を図っていた。しかし、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータは、初期の電解液浸透速度が十分ではないため、初期状態ではセパレータの保液が十分ではない。これは、ポリオレフィンは親水性基を持たず、またスルホン化処理によってポリオレフィン繊維に親水性基であるスルホン基が導入されると一応繊維表面のみならず繊維内部にまでスルホン基の導入反応が進行するが、有効に働くスルホン基はポリオレフィンの表面の一部のみであることに起因する。
セパレータの保液が十分でないと、セパレータの繊維表面での濡れ性が低くなるし、電解液がセパレータの孔を閉塞し、セパレータ内のガス透過性が低下し、アルカリ蓄電池組み立て後の充放電による活性化の際に内圧上昇を引き起こす。また、セパレータの保液が充分でないと、セパレータに含まれる電解液分布が不均一となり、結果として電極表面における充放電反応が不均一となって、電池特性に悪影響を与える。
このような問題点の解決のため、セパレータの繊維表面のスルホン基の数を増やすためにスルホン化処理をより進行させると、繊維強度が低下し、電池作製時に必要な強度が得られず、ショート率が上昇する問題が新たに生じる。また、親水性向上のために電解液中に界面活性剤を添加すると、界面活性剤の化学的安定性が充分でないため、酸化、分解等の化学変化を引き起こし、電池寿命を低下させる問題が生じる。
また、ニッケル水素蓄電池の長寿命化に関しては、電池設計への取り組みもなされている。これは負極が充電条件によっては先に満充電に達することも一因となっている。つまり、充電時に正極の不可逆反応成分の反応(例えば水酸化コバルトの還元反応)や正極からの酸素ガス発生による他部材の酸化、合金溶出等が起こること等により、一見、負極のみが充電される反応が生じる場合がある。このような充電反応が継続すると負極への水素蓄積が起こるが、この状態で負極が満充電に達した場合には、負極から水素ガスが発生し、電池系外に水素ガスが放出され、電解液が枯渇して電池内部抵抗の上昇や、充放電反応ができなくなるという現象が生じる。
この状態を解決するためには、正極容量に比べて負極容量を多くした設計とする必要があるが、負極容量を大きくするためには他の部材の占める容量を低減させる必要があり、その結果として他の電池性能の低下を招くことになるので、同一設計で寿命をより向上させることは困難であった。
本発明者等は、上述の従来技術の有する問題点を解決すべく種々実験を重ねた結果、予めスルホン化処理セパレータにアンモニアを反応させ、これを用いてニッケル水素蓄電池を構成することで、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータの初期含液性を向上させることができるようになることを知見し、更に、この現象を調査していく中で、硝酸塩や亜硝酸塩を電池系内に添加したところ、自己放電によって硝酸イオンや亜硝酸イオンが還元されてアンモニアとなり、これがスルホン化処理ポリオレフィンセパレータに捕捉されることから、セパレータへの親水性基導入と負極蓄積水素の低減を同時になし得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の第1の目的は、親水性基の導入がなされた初期の保液量が大きいニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータを使用したニッケル水素蓄電池において、セパレータへの親水性基導入と負極蓄積水素の低減を同時に行うことができ、電池の正負極容量比設計を従来と同等としたまま寿命特性に優れたニッケル水素蓄電池を提供することを目的とする。
本発明の上記第1の目的は以下の構成を備えることにより達成することができる。すなわち本願の請求項1に記載のニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータの発明は、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータにアンモニアが結合しており、かつ、前記セパレータ中のアンモニア含有量がセパレータ1g当たり窒素量換算で600μg以上であることを特徴とする。
また、本願の上記第2の目的は以下の構成を備えることにより達成し得る。すなわち、本願の請求項2に記載のニッケル水素蓄電池の発明は、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータを使用したニッケル水素蓄電池において、前記セパレータにアンモニアが結合しており、かつ、前記セパレータ中のアンモニア含有量がセパレータ1g当たり窒素量換算で600μg以上であることを特徴とする。
この場合、スルホン化処理ポリオレフィンは、アンモニアと反応することによりその部位が極性基となり、その親水性を向上させているものと考えられる。前記セパレータ中のアンモニア含有量はセパレータ1g当たり窒素量換算で600μg以上が必要である。セパレータ中のアンモニア含有量の上限値は、本来は多ければ多いほどアンモニア結合量が多くなって親水性が向上するために好ましいが、あまり多すぎてもセパレータ中のスルホン基数が多くなりすぎてセパレータの強度が低下するので好ましくはない。実用上、セパレータ1g当たり窒素量換算で2500μg以下がよい。
また、本願の請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載のニッケル水素蓄電池において、電解液中に硝酸化合物又は亜硝酸化合物を含有させたことを特徴とする。
電解液中に硝酸化合物又は亜硝酸化合物を含有させて、充電活性化工程後に放置しておくと、ニッケル水素蓄電池内で生じる前記(1)式〜(5)式に示したような自己放電反応により、硝酸イオン及び亜硝酸イオンは負極で還元されてアンモニア(アンモニウムイオン)となるので、スルホン化処理ポリオレフィンセパレータに捕捉される。これは、前記自己放電が正負極で、
硝酸イオン ←→ 亜硝酸イオン ←→ アンモニア
と酸化還元反応を繰り返すために起こる、いわゆるシャトル効果を利用するものである。
硝酸化合物、亜硝酸化合物からなる添加物は、電解液中でイオンとなって負極で反応する必要があるため、電解液に可溶性である必要がある。また、添加場所については、正極、負極に添加した場合であれば、極板の電子伝導性を阻害や溶出した部分が空洞化することによる極板強度の低下、これらの塩の添加量によりスラリー性状が変化することにより極板作製条件を変更する必要があるため、電解液に添加するのが簡便で望ましい。なお、極板表面への添加は反応性の低下が懸念されるので避けるべきである。
なお、従来の正極活物質である水酸化ニッケルには僅かながら残留硝酸塩が含まれているが、この原因としては正極活物質作製時の原料に硝酸ニッケル等の硝酸塩を使用してアルカリ処理を行うことで水酸化物化しており、その際に一部が残留するものである。この硝酸塩は、本来正極活物質となるべき塩であるため、正極中の硝酸塩の残留は正極利用率を低下させ、電池容量の低下を引き起こす。したがって、従来は、正極利用率が低下すること及び自己放電の原因物質と考えられていることから、正極中の残留硝酸塩量は低減されてきているため、ニッケル水素蓄電池系内の硝酸量及び亜硝酸量は僅かであり、水素蓄積に対する低減効果はほとんどみられない。
また、本願の請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載のニッケル水素蓄電池において、前記電解液中に含有させた硝酸化合物又は亜硝酸化合物含有量が、負極でアンモニア化合物に還元されてセパレータに捕捉されるアンモニア量をセパレータ1g当たり窒素量換算でMA、前記セパレータが捕捉し得るアンモニア化合物量をセパレータ1g当たり窒素量換算でMBとしたとき、
600μg≦MA≦MB
を満足する量であることを特徴とする。
この場合、MAが600μg未満であると、所定の効果が得られず、また、MAがMBを超えると、捕捉されたアンモニア分の水素蓄積は低減されることになるものの、捕捉されなかったアンモニアに基づく自己放電が大きくなって保存特性が劣化する。
また、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項3又は4に記載のニッケル水素蓄電池において、前記硝酸化合物又は亜硝酸化合物は、Li、K、Naの少なくとも1種の塩であることを特徴とする。
硝酸化合物又は亜硝酸化合物としては、アルカリ電解液に溶解するものであればよく、カチオンはアンモニウムイオン(NH )以外であれば特に限定されないが、元素によっては反応阻害や短絡する恐れもあるため、電解液に用いられるLi、K、Naの硝酸化合物ないしは亜硝酸化合物が好ましい。硝酸アンモニアを添加しても、アンモニア(NH)、アンモニウムイオン(NH )はスルホン化処理ポリオレフィンセパレータと反応して捕捉されるが、負極で生じた水素を消費することがないために所定の効果が得られない。また、硝酸化合物と亜硝酸化合物については、硝酸イオンの方が酸素原子の数が多く、負極水素低減量が多いので、硝酸化合物を用いることが望ましい。
本発明は、上記構成を備えることにより以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、本願の請求項1に記載のニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータによれば、以下の実施例及び比較例で詳細に対比して説明するように、親水性基の導入がなされた初期の保液量が大きいニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータが得られる。
また、本願の請求項2に記載のニッケル水素蓄電池によれば、以下の実施例及び比較例で詳細に対比して説明するように、初期水素蓄積を少なくし、電池の正負極容量比設計を従来と同等としたまま寿命特性に優れたニッケル水素蓄電池が得られる。
また、本願の請求項3に記載のニッケル水素蓄電池によれば、単に電解液中に硝酸化合物又は亜硝酸化合物を添加するだけで、水素蓄積の低減を行わせることができるので、電池の正負極容量比設計を従来と同等としたまま寿命特性に優れたニッケル水素蓄電池が得られる。
また、本願の請求項4に記載のニッケル水素蓄電池では、前記電解液中に含有させた硝酸化合物又は亜硝酸化合物含有量が、負極で生じたスルホン化処理ポリオレフィンセパレータのアンモニアの捕捉範囲内で添加されているため、有効に前記請求項2に記載の発明の効果を奏することができるニッケル水素蓄電池が得られる。
また、本願の請求項5に記載のニッケル水素蓄電池によれば、電解液への可溶性も良好であり、析出物も生じないので、有効に前記請求項3又は4に記載の発明の効果を奏することができるニッケル水素蓄電池が得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータ及び該セパレータを使用したニッケル水素蓄電池を例示するものであって、本発明をこのニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータ及びニッケル水素蓄電池に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適用し得るものである。
まず、実施例及び比較例に共通するニッケル水素蓄電池の製造工程について説明する。
<ニッケル水素蓄電池の製造工程>
正極としては硝酸コバルトと硝酸亜鉛とを加えた硝酸ニッケル水溶液を、多孔度85%のニッケル焼結基板に化学含浸法により含浸させて作製した焼結式ニッケル極を使用した。また、組成式MmNi3.2Co1.0Al0.2Mn0.6(Mm:ミッシュメタル)で表される平均粒径50μmになった水素吸蔵合金粉末100質量部に対して、結着剤としてポリエチレンオキシドを1.0質量部加えると共に、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルメッキしたパンチングメタルの両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製し、負極とした。
このように作製した正極、負極を使用し、スルホン化処理したPP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)セパレータ(70g/m、5.3g)を巻回して渦巻電極体を作製した。この渦巻電極体を電池缶内に挿入し、30質量%水酸化カリウム水溶液15mlを電池缶内に注液し、封口して公称電池容量6Ahの円筒密閉型のニッケル水素蓄電池を組み立てた。
<実施例1〜実施例4、比較例1〜2>
上記のようにして作製したニッケル水素蓄電池を、25℃にて600mAで16時間充電した後、60℃にて24時間放置し、25℃にて600mAで1.0Vまで放電する充放電活性化工程を2サイクル行った電池を比較例1の電池とした。また、上記サイクルを5サイクル行った電池を比較例2の電池とした。
更に、セパレータとして前記スルホン化処理したPP/PEセパレータに反応時間を変えて直接アンモニアガスを反応させたものを使用し、比較例1と同様の充放電活性化工程を2サイクル行って、実施例1〜4の4種類の電池を作製した。
セパレータ中の窒素量は、電池解体後に、温水洗浄し、全窒素分析(燃焼法−減圧発光分析法)により測定した。また、上記サイクル後に電池を解体し、セパレータを取り出し、湿セパレータ質量及び水洗乾燥後のセパレータ質量からセパレータの含液量を測定し、比較例2の電池の測定値を100%として相対値で求めた。結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005243462
表1に示した結果によれば、セパレータ中の窒素含有量をセパレータ1g当たり600μg以上とすることにより、わずか2サイクルの充放電活性化工程を経るのみで従来は5サイクルの充放電活性化工程で達していたセパレータの液量に到達することができ、充分な保液性を付与できることが確認できた。なお、比較例1及び2におけるセパレータ中の窒素量としてセパレータ1g当たり200μgという数値が得られているが、これは正極活物質由来の窒素量と考えられる。しかしながら、この程度の窒素含有量ではセパレータに十分な保液性を与えることはできない。
<実施例5〜10>
次に、組立時に水酸化カリウム電解液中に硝酸カリウムを10mg(実施例5)、20mg(実施例6)、30mg(実施例7)、50mg(実施例8)、70mg(実施例9)及び90mg(実施例10)添加した以外は比較例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。この実施例5〜10のニッケル水素蓄電池について、前記実施例1〜実施例4及び比較例1〜2の場合と同様にしてセパレータ中の窒素量及び含液量を調べ、含液量については比較例2の電池の場合を100%として相対値を求めた。
また、負極の蓄積水素量を調査するため、比較例1及び2の電池についても、電池電圧を1.0Vまで放電後、負極のみをHg/HgO参照電極に対して0.5Vとなるまで放電し、その放電容量を測定し、比較例1の電池の測定値を100%として相対値で求めた。結果をまとめて表2に示す。
Figure 2005243462
表2に示した結果によれば、30質量%の水酸化カリウム15ml中に添加した硝酸カリウム量が10mg以上であれば、充放電活性化工程後のセパレータ1g中の窒素量が600μg以上となり、わずか2サイクルの充放電活性化工程を経るのみで従来は5サイクルの充放電活性化工程で達していたセパレータの液量に到達することができ、充分な保液性を付与できることが確認できた。
また、硝酸カリウム添加量が50mg以上で充放電活性化工程後のセパレータ1g中の窒素量は1600μgで飽和しているが、これは本実施例で使用した前記スルホン化処理したPP/PEセパレータ1g当たりの最大アンモニア捕捉量(MB)が窒素量換算で1600μgであることを示している。このMBが1600μgに達した後は、蓄積負極容量は比較例1の90%の値で飽和しており、蓄積負極容量の低減効果が見られない。
従って、硝酸カリウムの添加量が50mgを超えると、セパレータに捕捉されない過剰の窒素(アンモニア)が生じることになり、この過剰のアンモニアは自己放電源として働くため、本実施例で使用したニッケル水素蓄電池の電解液中に添加する硝酸カリウム量は50mg以下とすることが望ましいことになる。また、表2に示した結果からしても、従来の正極由来の窒素量だけでは十分な効果が発揮されないことから硝酸カリウム等の添加必要となることが分かる。特に非焼結式においては、焼結式に比べて硝酸量が少ないために、硝酸カリウム等を添加することが必要である。

Claims (5)

  1. スルホン化処理ポリオレフィンセパレータにアンモニアが結合しており、かつ、前記セパレータ中のアンモニア含有量がセパレータ1g当たり窒素量換算で600μg以上であることを特徴とするニッケル水素蓄電池用スルホン化処理ポリオレフィンセパレータ。
  2. スルホン化処理ポリオレフィンセパレータを使用したニッケル水素蓄電池において、前記セパレータにアンモニアが結合しており、かつ、前記セパレータ中のアンモニア含有量がセパレータ1g当たり窒素量換算で600μg以上であることを特徴とするスルホン化セパレータを用いたニッケル水素蓄電池。
  3. 電解液中に硝酸化合物又は亜硝酸化合物を含有させたことを特徴とする請求項2に記載のニッケル水素蓄電池。
  4. 前記電解液中に含有させた硝酸化合物又は亜硝酸化合物含有量が、負極でアンモニア化合物に還元されてセパレータに捕捉されるアンモニア量をセパレータ1g当たり窒素量換算でMA、前記セパレータが捕捉し得るアンモニア化合物量をセパレータ1g当たり窒素量換算でMBとしたとき、
    600μg≦MA≦MB
    を満足する量であることを特徴とする請求項3に記載のニッケル水素蓄電池。
  5. 前記硝酸化合物又は亜硝酸化合物は、Li、K、Naの少なくとも1種の塩であることを特徴とする請求項3又は4に記載のニッケル水素蓄電池。
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