JP2005213676A - 繊維処理剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベースオイル(A)、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(B)及び一価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(C)とからなる繊維処理剤において、該(C)中に一般式(1)で示される化合物(c1)を必須成分として含有することを特徴とする繊維処理剤。
R−O−(PO)m−(EO)nH (1)
式中、Rは炭素数4〜15のアルキル基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表し、mは10〜40、nは5〜15の整数を表す。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、エマルジョンの安定性に優れ、高速処理時の繊維糸状への均一付着性に優れた繊維処理剤を提供することである。
R−O−(PO)m−(EO)nH (1)
[式中、Rは炭素数4〜15のアルキル基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表し、mは10〜40、nは5〜15の整数を表す。]
本発明における一般式(1)で示される化合物(c1)は、繊維処理剤エマルジョンの安定性、湿潤性を良くする極めて特異的な作用を有する。
R−O−(PO)m−(EO)nH (1)
式中、Rは炭素数4〜15のアルキル基、POはオキシピロピレン基、EOはオキシエチレン基を表し、mは10〜40、nは5〜15の整数を表す。
炭素数が4未満では所望のエマルジョンの安定性が悪くなり、15を越えると(c1)の流動点が上がり取扱いの面等で好ましくない。
Rの炭素数が4未満では所望のエマルジョンの安定性が悪くなり、15を越えると(c1)の流動点が上がり取扱いの面等で好ましくない。
また、EOの付加モル数は、5〜15、好ましくは6〜14、さらに好ましくは7〜12、特に好ましくは8〜10である。5モル未満では親水性が低く、湿潤性が悪くなる。10モルを超えると、親水性が高すぎてエマルジョンの安定性が悪くなる。
EO及びPO以外のアルキレンオキサイドを併用するの場合、合計付加モル数のうち、EO及びPOとそれ以外のアルキレンオキサイドの比率(モル%)は、通常10〜50、好ましくは20〜40である。
なお、本発明においてMwはゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値である。
炭素数4〜22の一価アルコールとしては、例えば、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デシルアルコール、イソデシルアルコール、ドデシルアルコール、イソドデシルアルコール、トリデシルアルキオール、イソトリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。これらは所望により2種以上を併用してもかまわない。
アルキレンオキサイドとしては、EO、PO及びブチレンオキシドなどが挙げられる。好ましいものは、EO単独、及びEOとPOの併用(ランダム付加又はブロック付加)の付加物であり、併用の場合はEOの重量割合が少なくとも50%であることが好ましい。
(c2)のMwは、好ましくは200〜3,000、さらに好ましくは220〜2、000、特に好ましくは250〜1,500である。Mwが200以下であれば、乳化性が不十分になり、糸への均一付着性が悪くなる。一方、Mwが3,000以上では、エマルジョンの安定性が悪くなる。
(A1)としては、例えば、精製スピンドル油、流動パラフィンなど、(A2)としては、例えば、ひまし油、椰子油、ナダネ油などが挙げられる。(A3)としては、脂肪族カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸ハロゲン化物、酸無水物又は低級(炭素数1〜4)アルコールエステル]と炭素数8〜32の高級アルコールから得られるエステルである。
(a1)炭素数8〜24の脂肪族モノカルボン酸[脂肪族飽和モノカルボン酸(デカン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸など)、脂肪族不飽和モノカルボン酸(オレイン酸、リノール酸、エルシン酸など)];
(a2)炭素数6〜24の脂肪族ジカルボン酸[脂肪族炭化水素系飽和ジカルボン酸(アジピン酸、エライジン酸など)、硫黄原子を含有する脂肪族飽和ジカルボン酸(チオジプロピオン酸、チオジヘキサン酸など)]。
また、(A3)を構成する炭素数8〜32の高級アルコールとしては以下のものが挙げられる。
(x1)炭素数8〜32の脂肪族1価アルコ−ル[脂肪族飽和1価アルコール(オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、イソステアリルアルコールなど)、脂肪族不飽和1価アルコール(オレイルアルコールなど)];
(x2)炭素数3〜24の脂肪族多価(2〜6価)アルコ−ル[脂肪族飽和2価アルコール(1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、脂肪族飽和3〜6価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)];(x3)脂肪族アルコール(x1)アルキレンオキサイド付加物;
(a1)と(x1)からなるエステル、例えば、2−エチルヘキシルステアレート、イソデシルステアレート、イソステアリルオレート、イソエイコシルステアレート、イソエイコシルオレート、イソテトラコシルオレート、イソアラキジルオレート、イソステアリルパルミテート、オレイルオレートなど;(a1)と(x2)からなるエステル、例えば、グリセリンジオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエートなど;(a2)と(x1)からなるエステル、例えば、ジオレイルアジペート、ジイソトリデシルアジペート等のアジピン酸エステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジプロピオネート等のチオジプロピオン酸エステル;(a1)と(x3)からなるエステル、例えば、EO2モル付加したドバノ−ル23(三菱油化株式会社製の合成アルコ−ル)とラウリン酸とのエステル、PO2モル付加したイソトリデシルアルコ−ルとラウリン酸とのエステル、EO2モル付加したドバノ−ル23とアジピン酸とのジエステなどが挙げられる。
(A3)のうち、好ましいのは、イソオクチルパルミテート、イソオクチルステアレート、イソオクチルオレエート、イソトリデシルステアレート、オレイルオレエート、グリセリンモノオレエート、グリセリンジオレエート、並びにビスフェノールAジラウレートなどである。
(A)のうち、好ましいものは鉱物油、動植物油、一価アルコールと一価脂肪酸のエステル(例えば、イソオクチルパルミテ−ト、イソオクチルステアレ−ト、イソオクチルオレエ−ト、イソトリデシルステアレ−ト、オレイルオレエ−ト等)、特に好ましくは鉱物油(80〜300秒)、植物油の精製椰子油、精製ナタネ油、イソオクチルパルミテ−ト、イソトリデシルステアレ−ト、イソオクチルステアレ−ト、最も好ましくは鉱物油(100〜300秒)、植物油の精製椰子油、イソトリデシルステアレ−ト、イソオクチルステアレ−トである。
(b1)多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物:
2〜8価の多価アルコール[上記の(x2)]の炭素数8〜24のモノカルボン酸[上記の(a1)]エステルのEO4〜100モル付加物、及び2〜8価の多価アルコール[上記の(x2)]のEO4〜50モル付加物のモノカルボン酸[上記の(a1)]エステル、例えば、トリメチロールプロパンEO15〜25モル付加物トリオレート、ソルビトールEO15〜40モル付加物トリオレート、ペンタエリスリトールEO15〜40モル付加物トリオレート、ペンタエリスリトールEO15〜40モル付加物トリオレート、ペンタエリスリトールEO15〜40モル付加物トリステアレートなど;
(b2)油脂のアルキレンオキサイド付加物:ヒマシ油及び硬化ヒマシ油のEO5〜50モル付加物など;
これら(B)は所望により、2種以上のものを適宜併用してもよい。
2.5≦[HLB(C)×w(C)]/[HLB(B)×w(B)]≦6.0 (2)
[式中、HLB(C)は(C)のHLB値、HLB(B)は(B)のHLB値、w(C)は(C)の重量分率、w(B)は(B)の重量分率を表す。]
式(2)の値は好ましくは2.5〜6であり、さらに好ましくは2.5〜5.5であり、特に好ましくは3.0〜4.5である。2.5未満の場合は繊維処理剤は糸への湿潤性が悪く、均一付着性悪化であり、6.0を越える繊維処理剤エマルジョンの安定性が悪化となる。
(d1)としては、例えばラウリルヒドロキシエチルベタイン、オレイルヒドロキシエチルベタイン、ラウリン酸ジエタノ−ルアミド、オレイン酸ジエタノ−ルアミドなどが挙げられる。
(d3)の配合量(重量%)は1〜5、好ましくは1〜4である。
(1)乳化タンク中に、乳化用の水を投入して、25〜35℃まで加熱する。
(2)そこに撹拌しながら、予めて25〜35℃まで加熱した繊維処理剤を徐々に水中に投入して乳化する。水と繊維処理剤(純分)の仕込む重量は、エマルジョン純分が、5〜20重量%のエマルジョンになるように決める。
(3)全量投入後、液温を25〜35℃に保ち、約0.5〜 1.0 時間撹拌を続けた後、20〜25℃まで冷却する。
以下に、実施例を挙げて、本発明の構成及び効果についてさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記に組成を示した(A−1)〜(A−4)、(B−1)〜(B−2)、(c1−1)〜(c1−4)、(c2−1)から(c2−4)及び(D−1)〜(D−3)を表1に示す重量比率で配合し、本発明の繊維処理剤1〜4及び比較処理剤1〜4を作成した。
(A−2):精製椰子油
(A−3):2−エチルヘキシルステアレ−ト
(A−4):イソトリデシルステアレ−ト
(B−1):硬化ヒマシ油EO(10モル)付加物(Mw=1400、
HLB=8.2 )
(B−2):硬化ヒマシ油EO(20モル)付加物(Mw=1820、
HLB=10.5 )
(c1−1):2−エチルヘキシルアルコールPO(20モル)EO(9モ ル)ブロック付加物(Mw=1700、HLB=7.8 )
(c1−2):2−エチルヘキシルアルコールPO(30モル)EO(5モル) ブロック付加物(Mw=2100、HLB=5.8 )
(c1−3):イソトリデシルアルコールPO(20モル)EO(9モ ル)ブロック付加物(Mw=1760、HLB=7.4)
(c1−4):C12〜13アルコール(商品名:ドバノ−ル23;三菱油化製)P O(20モル)EO(9モル)ブロック付加物(Mw=1750 、HLB=7.3)
(c2−1):iso-C12〜14アルコールEO(5モル)付加物(HLB= 10.5)(商品名:ソフタノ−ル−50;日本触媒化 学工業社製)
(c2−2):iso-C12〜14アルコールEO(7モル)付加物(HLB=
12.1)(商品名:ソフタノ−ル−70;日本触媒化学工 業社製)
(c2−3):2−エチルヘキシルアルコ−ルEO(3モル)付加物
(Mw=262、HLB=12.0 )
(c2−4):牛脂還元アルコールEO(7モル)付加物(Mw=560、 HLB=9.8 )
(D−1):C18脂肪酸ジエタノールアミド
(D−2):EO(3モル)付加ラウリルホスフェートカリウム
(D−3):アルカンスルホネートナトリウム
繊維処理剤(純分) 6重量部
イオン交換水 54重量部
両成分を25〜35℃加熱した後、100ccビ−カ−に置いたイオン交換水を撹拌しながら、繊維処理剤を2分間に掛けて徐々に投入し、乳化する。乳化したエマルジョンを2分間撹拌する。このエマルジョンを用いて下記項目について評価した。
以下に評価方法を説明する。これらの評価結果を表2に示す。
(ア)繊維処理剤エマルジョンの安定性
繊維処理剤エマルジョン水溶液(前記方法)作成直後及び3日間後の外
観を肉眼で観察する。
┌────────────────┬──────┐
│ エマルジョンの状態 │ 判定 │
├────────────────┼──────┤
│ エマルジョンは均一 │ ○ │
├────────────────┼──────┤
│ エマルジョンは不均一 │ △ │
├────────────────┼──────┤
│ エマルジョンは二層分離 │ × │
└────────────────┴──────┘
(イ)繊維処理剤エマルジョン湿潤性
試験素材:ウールキャンパス
繊維処理剤エマルジョン
湿潤性デ−タ記録:濡れ時間を10回測定しその平均値を取る
<濡れ時間の測定方法>
濡れ時間とは、繊維処理剤のエマルジョン水溶液がウールキャンパス の下面から上面まで全体的に濡れる状態になるのに要する時間である 。縦20mm×横20mm×厚さ2mmのウールキャンパス(ウール キャンパスの定義)に、アセトンで洗浄して乾燥する。
100ccのビ−カ−に下記方法作成した繊維処理剤の10重量%エ マルション水溶液を60cc作成し、上記作成したウールキャンパス を表面に静かに水平に置き、ウールキャンパス表面が全部濡れるまで の時間(濡れ時間)を測定する。
試料糸:ポリエステルフェラメント75dtex/36fil
繊維処理剤付着率:1重量%
走行糸速度:300m/分
摩擦体:径12mmの梨地クロムピン
接触角:180度
摩擦体入側張力:10g
Claims (7)
- ベースオイル(A)、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(B)及び一価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(C)とからなる繊維処理剤において、該(C)中に一般式(1)で示される化合物(c1)を必須成分として含有することを特徴とする繊維処理剤。
R−O−(PO)m−(EO)nH (1)
[式中、Rは炭素数4〜15のアルキル基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表し、mは10〜40、nは5〜15の整数を表す。] - 前記(c1)の配合量が、前記(C)の重量に基づいて5〜40重量%である請求項1記載の繊維処理剤。
- 前記(C)と前記(B)の重量比(C)/(B)が2〜5であることを特徴とする請求項1に記載の繊維処理剤。
- 前記(B)、前記(C)のHLB値が下記式(2)を満たす請求項1〜3のいずれか記載の繊維処理剤。
2.5≦[HLB(C)×w(C)]/[HLB(B)×w(B)]≦6.0 (2)
[式中、HLB(B)及びHLB(C)は、(B)、(C)のHLB値を表し、w(B)及びw(C)は、(B)+(C)合計重量に基づく(B)及び(C)の重量分率を表す。] - 前記一般式(1)のRが炭素数6〜14の分岐のアルキル基で、mが18〜22、nが8〜10の整数である請求項1記載の繊維処理剤。
- 合成繊維の紡糸工程において、請求項1〜5のいずれか記載の繊維処理剤を用いて、繊維を給油処理した後、延伸、巻き取りすることを特徴とする合成繊維の処理方法。
- 請求項5記載の繊維処理剤で処理されたことを特徴とする合成繊維。
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