JP2005205041A - 接触式測定器のセンサ部保持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 測定部位の形態等にかかわらず、センサ部を常に適正角度、適正圧で押し付けて測定精度の向上が図れ、かつ、構成もシンプルで口腔内水分計等にも容易に適用可能とする。
【解決手段】 測定部位Cに押し付けられる水分センサ2、それが装着された回路基板3及びシート状圧力センサ4の積層構造物と剛性の大きい支持部材1との間に、可撓性袋状部材5a内に気体、液体等の圧力伝達物質5bを充填してなり、水分センサ2を測定部位Cに押し付けたときの押し付け圧の方向が水分センサ2と測定部位Cとの接触面に垂直になるように、積層構造物2,3,4を支持部材1に対して傾動変形自在に保持するセンサ保持用構造物5が介在されている。
【選択図】 図5
【解決手段】 測定部位Cに押し付けられる水分センサ2、それが装着された回路基板3及びシート状圧力センサ4の積層構造物と剛性の大きい支持部材1との間に、可撓性袋状部材5a内に気体、液体等の圧力伝達物質5bを充填してなり、水分センサ2を測定部位Cに押し付けたときの押し付け圧の方向が水分センサ2と測定部位Cとの接触面に垂直になるように、積層構造物2,3,4を支持部材1に対して傾動変形自在に保持するセンサ保持用構造物5が介在されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、例えば上顎部や舌等の口腔内の水分を測定して健康状態の判定や歯のう蝕罹患リスクの評価等を行なう口腔内水分計、あるいは、人体皮膚の水分量を測定して皮膚の湿潤度や皮膚炎の症状を計測する皮膚水分計などのように、センサを測定部位に押し付けて水分量などの測定を行なう接触式測定器のセンサ部保持構造に関する。
この種の一般的な接触式測定器は、測定者が手に把持する握柄などの支持部材にセンサ部が固定されていたが、このような一般的な接触式測定器では、センサ部を測定部位に押し付ける方向(角度)や押し付け力の強弱などによって、測定値にばらつきが生じて正確な測定を行なうことが難しい。
このような測定値のばらつきを抑制する接触式測定器として、従来、センサ部を筒状支持部材に摺動傾斜可能に保持させるとともに、両者間にコイルばねを介装させることにより、センサ部を測定部位に対して傾動自在に構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、同様にセンサ部を測定部位に対して傾動自在に構成するとともに、センサ部が測定部位に押し当てられた時の押し付け圧を報知する押し付け報知判定手段を設けて、センサ部が一定の押し付け圧で測定部位に押し付けられたときに得られる測定値のみを報知し表示させることにより、測定値のばらつきを抑えるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、上記した従来の接触式測定器では、いずれのものもセンサ部の傾動方向、傾動範囲に限界があるために、測定部位の形態等によってはセンサ部を測定部位に対して適正角度で押し付けることができない場合があり、十分な測定精度が得られない。また、後者のものでは、一定押し付け圧のもとでの測定に限定されるために測定値のばらつきを少なくすることができるものの、センサ部周辺の構成が非常に複雑となり、コストアップを招くだけでなく、狭隘な口腔内に差し入れて用いられる口腔内水分計への適用は困難であるという問題があった。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、測定部位の形態等にかかわらず、センサ部を常に適正角度、適正圧で押し付けて測定精度の向上を図ることができ、かつ、構成もシンプルで口腔内水分計等にも容易に適用することが可能な接触式測定器のセンサ部保持構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る接触式測定器のセンサ部保持構造は、測定部位に押し付けられるセンサが装着された回路基板と剛性の大きい支持部材との間に、この支持部材を介して前記センサを測定部位に押し付けたとき、その押し付け圧の方向がセンサと測定部位との接触面に垂直になるように、センサ及び回路基板を支持部材に対して傾動変形自在に保持するセンサ保持用構造物が介在されているとともに、押し付け圧を検出する圧力センサが設けられていることを特徴としている。
上記のような特徴構成を有する本発明に係る接触式測定器のセンサ部保持構造によれば、支持部材を手に持ってセンサを測定部位に押し付けるときの押し付け力の方向とセンサが実際に測定部位に押し付けられる角度とが一致していないとしても(多くの場合、この状態となる)、センサ保持用構造物の傾動変形によって、押し付け圧の方向がセンサと測定部位との接触面に対し垂直になるように自動的に矯正することが可能であり、また、センサ保持用構造物はセンサを装着した回路基板と支持部材との間に非拘束状態に介在されているために、その傾動変形方向及び変形範囲を十分に広く確保することが可能である。これによって、センサを測定部位に適正角度で押し付けることができる。しかも、そのような適正角度での押し付け圧を圧力センサで検出することで測定時の押し付け圧を最適にして使用することができる。したがって、測定部位の形態や測定者による押し付け角度のいかんにかかわらず、センサを常に測定部位に適正角度、適正圧で押し付けて、水分測定など所定の測定精度の向上を達成することができる。その上、センサ周辺部にはセンサ保持用構造物が存在するのみで、構成がシンプルであるため、狭隘な口腔内に差し入れて用いられる口腔内水分計等への適用性にも優れているという効果を奏する。
本発明におけるセンサ保持用構造物として、単なる弾性ゴムを用いてもよいが、請求項2に記載のように、可撓性を有する袋状部材の内部に、気体、液体もしくはゲル状の圧力伝達物質を充填して構成されたものを用いることが好ましい。この場合は、押し付け力の方向とセンサの測定部位への押し付け角度が不一致のときの押し付け圧方向の自動矯正のための傾動変形動作を円滑かつ確実なものとし、精度の高い測定を能率よく実行することができる。
そして、本発明に係る接触式測定器のセンサ部保持構造における圧力センサとして、請求項3に記載のように、センサ保持用構造物と回路基板との間に介在されたシート状圧力センサを用いることにより、所定の測定を行なう時、センサ保持用構造物の傾動変形によりシート状圧力センサも測定部位に適正角度、適正圧に押し当てて押し付け圧を正確に検出することができ、測定精度の一層の向上を図ることができる。
また、可撓性を有する袋状部材の内部に、気体、液体もしくはゲル状の圧力伝達物質を充填して構成されたセンサ保持用構造物を用いる場合における圧力センサとしては、シート状圧力センサに代えて、請求項4に記載のように、センサ保持用構造物の変形に伴い変動する袋状部材の内部圧力を検出するようにセンサ保持用構造物の袋状部材内に連通接続された外部圧力センサを用いてもよい。
なお、本発明が対象とする測定器は、肌水分計、イオン計、pH計等いかなる接触式測定器であってもよいが、請求項5のように、口腔内の上顎部や舌等のように曲率の異なる曲面が連続し、センサを適正角度、適正圧に押し付けることが難しい部位の多い口腔内の水分量を測定する口腔内水分計に適用することによって、測定精度の向上効果を最も有効に発揮させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る接触式測定器の一例となる口腔内水分計Aの全体側面図、図2はその平面図であり、この口腔内水分計Aは、測定者が手に把持する握部8を一端部1bに有する硬質樹脂製など剛性の大きい支持部材1の先端部1a上に後述するセンサ部Sが保持されている。
図1は本発明に係る接触式測定器の一例となる口腔内水分計Aの全体側面図、図2はその平面図であり、この口腔内水分計Aは、測定者が手に把持する握部8を一端部1bに有する硬質樹脂製など剛性の大きい支持部材1の先端部1a上に後述するセンサ部Sが保持されている。
センサ部Sは、図3及び図4に明示するように、口腔内の上顎部等の測定部位に押し付けられるくし歯型静電容量電極からなる水分センサ2と、この水分センサ2の支持板を兼ねる回路基板3と、測定部位への押し付け圧を検出するシート状圧力センサ4並びに、それら水分センサ2、回路基板3、シート状圧力センサ4を前記支持部材1に対して傾動変形自在に保持するセンサ保持用構造物5を上下積層状態に載架して構成されている。
回路基板3には、リングオシレータ等の自励式発振回路やバッファアンプとRC分圧回路からなる他励式発振回路等の測定増幅回路及び圧力検出回路、さらには必要に応じてインターフェイス回路等がCMOS技術等により作り込まれており、この回路基板3は、水分センサ2への影響がないように数百μm程度の厚さに形成されている。
センサ保持用構造物5は、恰もエアー枕、ウオーターベッドをイメージするように、弾性ゴムなど可撓性を有する袋状部材5aの内部に、気体、液体もしくはゲル状の圧力伝達物質5bを充填して構成されており、その袋状部材5aは測定時に水分センサ2を測定部位に押し付けた時の押し圧では破壊されない程度の強度を有する。
また、支持部材1の他端部1b寄りで握部8に近接する箇所には、演算処理部など装置本体回路部を内蔵し、測定した口腔内水分量等を報知する表示部9が形成されており、この表示部9における本体回路部と水分センサ2を支持する回路基板3の測定増幅回路等を電気的に接続するためのフレキシブルワイヤ6が支持部材1に沿って配線されている。なお、このフレキシブルワイヤ6は支持部材1内に埋め込み配線されていてもよく、また、前記回路基板3に作り込まれているインターフェイス回路がICタグのようなアンテナを持つものである場合は、ワイヤレスにすることも可能である。
上述のように構成された口腔内水分計Aにおいては、支持部材1の他端部1b側の握部8を手で把持してセンサ部Sを口腔内に差し入れて水分センサ2を口腔内上顎部などの測定部位Cに押し付けることにより、水分測定を行なう。このとき、水分センサ2自体は小さいため、曲面が連続する測定部位Cであっても、図5に示すように、ほぼ平面に押し付けられた状態となるものの、測定者が加える押し付け力Fの方向と水分センサ2が実際に測定部位Cに押し付けられる角度とは一致していない場合が多い。そうすると、押し付け力Fによってセンサ保持用構造物5は、押し付け圧の方向Pが水分センサ2と測定部位Cとの接触面に対し垂直になるように傾動変形することになって、押し付け角度が適正な角度に自動矯正される。
また、そのような適正角度の押し付け状態での押し付け圧がシート状圧力センサ4で検出されそれが表示部9に表示されるので、その表示される押し付け圧を測定者が読み取ることで、測定時の押し付け圧を最適な一定値にして使用することができる。したがって、測定部位Cの形態が曲面の連続するような複雑なところであっても、また、測定者によるセンサ押し付け角度にばらつきがあっても、水分センサ2を常に測定部位Cに適正角度、適正圧で押し付けることが可能で、水分測定精度を向上することができる。さらに、押し付け圧に多少のばらつきがあっても、圧力センサ4による現検出値を最適一定値になるように回路的に補正することにより、正確な押し付け圧のもとでの水分測定を行って、測定精度の向上を実現することができる。
なお、上記の実施例では、圧力センサ4として、回路基板3とセンサ保持用構造物5との間に介在させたシート状圧力センサを用いたものについて説明したが、これに代えて、図6に示すように、センサ保持用構造物5の変形に伴い変動する袋状部材5aの内部圧力を検出するようにセンサ保持用構造物5の袋状部材5a内に配管7を介して連通接続した外部圧力センサ4’を用いてもよい。この場合は、適正押し付け角度が得られるように袋状部材5aが変形したとき、その変形に伴う内部圧力の変動が圧力伝達物質5bを介して圧力センサ4’に伝達されることになり、上記の実施例と同様に、水分センサ2の測定部位Cへの押し付け圧を正確かつ迅速に検出することができる。
また、圧力センサとしては、シート状圧力センサ4や図6に示す外部圧力センサ4’のほかに、測定増幅回路等を作り込んだ回路基板3にMEMS技術で作り込んだダイヤフラムからなる圧力センサであってもよい。この場合、センサ保持用構造物5における袋状部材5aの変形力を直接、ダイヤフラム式圧力センサに加えるような構成としてもよい。
また、センサ保持用構造物5の袋状部材5aを、可変抵抗ゴムから作製して該袋状部材5aの変形による抵抗値の変化を圧力変化として検出するようにしてもよい。この場合はセンサ保持用構造物5と圧力センサとが一体化されたものとなり、小型化が図れる。
さらに、上記の実施例では、水分センサ2が平面状に形成されているもので示したが、例えば口腔内の上顎部など特定の部位を専用的に測定する特定部位専用の水分計の場合、水分センサ2を含めてセンサ部全体を測定部位の曲面形状に合わせた形態に構成してもよい。
さらにまた、本発明は、口腔内水分計に限らず、肌水分計、イオン計、pH計等いかなる接触式測定器にも適用可能であることもちろんである。
1 支持部材
2 水分センサ
3 回路基板
4 シート状圧力センサ
4’ 外部圧力センサ
5 センサ保持用構造物
5a 袋状部材
5b 圧力伝達物質
A 口腔内水分計(接触式測定器の一例)
C 測定部位
2 水分センサ
3 回路基板
4 シート状圧力センサ
4’ 外部圧力センサ
5 センサ保持用構造物
5a 袋状部材
5b 圧力伝達物質
A 口腔内水分計(接触式測定器の一例)
C 測定部位
Claims (5)
- 測定部位に押し付けられるセンサが装着された回路基板と剛性の大きい支持部材との間に、この支持部材を介して前記センサを測定部位に押し付けたとき、その押し付け圧の方向がセンサと測定部位との接触面に垂直になるように、センサ及び回路基板を支持部材に対して傾動変形自在に保持するセンサ保持用構造物が介在されているとともに、押し付け圧を検出する圧力センサが設けられていることを特徴とする接触式測定器のセンサ部保持構造。
- センサ保持用構造物が、可撓性を有する袋状部材の内部に、気体、液体もしくはゲル状の圧力伝達物質を充填して構成されたものである請求項1に記載の接触式測定器のセンサ部保持構造。
- 圧力センサが、センサ保持用構造物と回路基板との間に介在されたシート状の圧力センサである請求項1または2に記載の接触式測定器のセンサ部保持構造。
- 圧力センサが、センサ保持用構造物の変形に伴い変動する袋状部材の内部圧力を検出するようにセンサ保持用構造物の袋状部材内に連通接続された外部圧力センサである請求項2に記載の接触式測定器のセンサ部保持構造。
- 対象とする測定器が、口腔内の水分量を測定する口腔内水分計である請求項1〜4のいずれかに記載の接触式測定器のセンサ部保持構造。
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