JP2005203587A - 基板処理装置制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の制御機器において付加されるタイムスタンプの時刻にずれがある場合でも、各制御機器においてタイムスタンプが付加された情報同士の同期をとることを可能とする基板処理装置制御システムを提供する。
【解決手段】 基板処理装置を制御する基板処理装置制御システムであって、前記基板処理装置における情報処理を行なう複数の制御部と、前記複数の制御部のうち少なくとも2つの所望の制御部に対し基準信号を発する信号出力部と、前記基準信号と前記所望の制御部において前記基準信号に対応して情報に付与されたタイムスタンプの時刻とに基づいて、前記所望の制御部において前記タイムスタンプが付与された情報間の関連付けを行なう関連付け演算部と、前記関連付けが行われた情報に基づいて前記基板処理装置を制御する主制御部とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】 基板処理装置を制御する基板処理装置制御システムであって、前記基板処理装置における情報処理を行なう複数の制御部と、前記複数の制御部のうち少なくとも2つの所望の制御部に対し基準信号を発する信号出力部と、前記基準信号と前記所望の制御部において前記基準信号に対応して情報に付与されたタイムスタンプの時刻とに基づいて、前記所望の制御部において前記タイムスタンプが付与された情報間の関連付けを行なう関連付け演算部と、前記関連付けが行われた情報に基づいて前記基板処理装置を制御する主制御部とを有する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、基板処理装置制御システムに関するものである。
基板処理装置の制御システムでは、制御機器によるプロセス制御やユーザインターフェース、ホスト通信など基板処理装置を運用するために必要な制御が行われる。この制御機器は主たる制御機器と従たる制御機器で構成する場合もある。各制御機器では各種のセンサ、アクチユエータおよびその制御機器に接続されている従たる制御機器を制御する(詳細は後述)。
図11に従来の基板処理装置の制御システムの構成例を示す。
この基板処理装置の制御システムは、装置コントローラ301、温度コントローラ302、搬送コントローラ303、ガスコントローラ304、圧力コントローラ305、サーボコントローラ311、マスフローコントローラ312、温度センサ321、位置センサ323、基板検知センサ324、安全用センサ325、ガスバルブ326、圧力センサ327および圧力バルブ328を備えている。
この制御システムは、主たる制御機器(装置コントローラ301)と、この主たる制御機器に従属し、センサ等から得られる情報をそのまま、或いは加工して主たる制御機器に送信する従たる制御機器(温度コントローラ302、搬送コントローラ303、ガスコントローラ304および圧力コントローラ305)を有する。また、この従たる制御機器に更に従属する(従に従する)制御機器(サーボコントローラ311およびマスフローコントローラ312)もある(図11参照)。
装置コントローラ301では、従たる制御機器を経由して、生のセンサ情報あるいは加工されたセンサ情報を収集し制御に使用する。このようにして収集される情報は、従たる制御機器に入力される情報全てではなく、主たる制御機器において必要とされている情報だけであるのが一般的である。
例えば図11の場合、位置センサ323から得る位置情報は搬送コントローラ303で使用され、装置コントローラ301にはアラーム情報という加工された形で情報が送信される。また、マスフローコントローラ312の場合、ガスの設定流量と実流量はモニタしているが、バルブの開度等についてのモニタリングは実施していない。
このような制御機器におけるセンサ情報等の収集方法としては、主たる制御機器が能動的に従たる制御機器から収集する場合、従たる制御機器から主たる制御機器に対して能動的に送信する場合、あるいはその両方を行なう場合がある。
上述のような制御システムでは、収集したセンサ情報等にタイムスタンプを付加して、制御機器での表示やホストコンピュータへのデータ送信等を行なう。この場合、1秒程度の時間精度で最上位の制御機器でタイムスタンプを付加するのが一般的である。この時間は、相対時間が絶対時間よりも重要とされており、付加されたタイムスタンプが絶対時間からどれだけずれているかは未知である。
基板処理装置の業界標準として、SEMI標準規格E5の中にS2F31とS2F32によるホストからの時間設定方法が定義されているが、精度や頻度についての定義は無く、十分な精度を期待することはできない。
一方、ネットワークプロトコルの標準化を行なっているNETWORK WORKINGGROUPから提唱されているRFC−1305 Network Time Protocol(Version3)は、精度は高いが、システム時間自体を変更するものであり、厳密な時間によるプロセス制御を行なっている基板処理装置の制御機器への適用は難しい。
ところで、装置内における詳細な情報を取得して故障の検知などを行なう装置エンジニアリング(EE: Equipment Engineenng)を実施する場合において、基板処理装置の制御機器からデータを取得するが、データが不足するため、追加の制御機器をおいて情報を収集するのが一般的になっている。
図12は、上述のような追加の制御機器を配置した場合の基板処理装置の制御システムの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、EEコントローラ351では、装置コントローラ301の持つセンサ情報361の収集のほかに、生データとして位置センサ323からの位置情報の取得、マスフローコントローラ312からのバルブ開度362の取得を行なっている。
上述のような構成により、センサ情報等の各種情報の収集が可能になり、装置エンジニアリングのための利用が可能になる。しかしながら、センサ情報等が制御機器に到達するまでに辿る経路によって、同じ情報に対してそれぞれの制御機器で付加するタイムスタンプの時刻にずれが生じる場合がある。また、一般に基板処理装置に使用される各制御機器(コントローラ)は時計機能をもっているが、この時計機能は必ずしも正確なものであるとはいえず、絶対時刻に対する経時的なずれが生じる場合がある。例えば、1日当たり数秒、或いは数分の単位でずれることがある。またこのずれは制御機器毎に異なるため、複数の制御機器を用いる場合、それぞれの制御機器でタイムスタンプが付加された情報同士を関連付けるのが難しい。
例えば図12において、EEコントローラ351で収集する情報は装置コントローラ301から取得するものとEEコントローラ351で直接取得する情報とに分けられる。装置コントローラ301から取得する情報は装置コントローラ301でタイムスタンプが付加され、EEコントローラ351にて直接取得する位置センサ323やバルブ開度362はEEコントローラ351でタイムスタンプが付加されるため、付加されている時刻がずれており、このようにタイムスタンプが付加されて時刻がずれている情報同士を重ね合わせて利用することは難しい。
また、制御機器間の時刻に関する密度(すなわち、センサ情報等に対してタイムスタンプを付加する時間精度)の問題もある。例えば図12において、装置コントローラ301ではセンサ情報等に対して1秒単位でのタイムスタンプを付加するが、EEコントローラ351では装置エンジニアリングで必要とされる100m秒単位でのタイムスタンプを付加することができる。すなわち、時刻に関する密度が異なるため、センサ情報等同士を重ね合わせて利用することは難しい。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の制御機器において付加されるタイムスタンプの時刻にずれがある場合でも、各制御機器においてタイムスタンプが付加された情報同士の同期をとることを可能とする基板処理装置制御システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る基板処理装置制御システムは、基板処理装置を制御する基板処理装置制御システムであって、前記基板処理装置における情報処理を行なう複数の制御部と、前記複数の制御部のうち少なくとも2つの所望の制御部に対し基準信号を発する信号出力部と、前記基準信号と前記所望の制御部において前記基準信号に対応して情報に付与されたタイムスタンプの時刻とに基づいて、前記所望の制御部において前記タイムスタンプが付与された情報間の関連付けを行なう関連付け演算部と、前記関連付けが行われた情報に基づいて前記基板処理装置を制御する主制御部とを有することを特徴とするものである。
このような構成によれば、複数の制御機器において付加されるタイムスタンプの時刻にずれがある場合でも、各制御機器においてタイムスタンプが付加された情報同士の同期をとることを可能とする基板処理装置制御システムを提供することができる。
以上に詳述したように本発明によれば、複数の制御機器において付加されるタイムスタンプの時刻にずれがある場合でも、各制御機器においてタイムスタンプが付加された情報同士の同期をとることを可能とする基板処理装置制御システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態による基板処理装置制御システムは、基板処理装置が備えている制御機器によるプロセス制御やユーザインターフェース、ホスト通信などの基板処理装置を運用するために必要な制御を行なうものである。
(第1の実施の形態)
本実施の形態による基板処理装置制御システムは、基板処理装置が備えている制御機器によるプロセス制御やユーザインターフェース、ホスト通信などの基板処理装置を運用するために必要な制御を行なうものである。
まず、本実施の形態による基板処理装置制御システムが適用される基板処理装置の構成を図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、基板処理装置として基板に拡散処理やCVD処理などを行なう縦型の装置(以下、処理装置という)を適用した場合について述べる。図1は、本発明による基板処理装置制御システムが適用される基板処理装置の外観斜視図である。尚、この図は透視図として描かれている。また、図2は図1に示す基板処理装置の側面図である。
この処理装置は、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納したポッド(基板収納容器)100を、外部から筐体101内へ挿入するため、およびその逆に筐体101内から外部へ払出すためのI/Oステージ(保持具授受部材)105が筐体101の前面に付設され、筐体101内には挿入されたポッド100を保管するためのカセット棚(載置手段)109が敷設されている。また、ウエハ200の搬送エリアであり、後述のボート(基板保持手段)217のローディング、アンローディング空間となるN2パージ室(気密室)102が設けられている。ウエハ200に処理を行なうときのN2パージ室102の内部は、ウエハ200の自然酸化膜を防止するためにN2ガスなどの不活性ガスが充満されるように、N2パージ室102は密閉容器となっている。
上述したポッド100としては、現在FOUPというタイプが主流で使用されており、ポッド100の一側面に設けられた開口部を蓋体(図示せず)で塞ぐことで大気からウエハ200を隔離して搬送でき、蓋体を取り去る事でポッド100内へウエハ200を入出させることができる。このポッド100の蓋体を取外し、ポッド内の雰囲気とN2パージ室102の雰囲気とを連通させるためにN2パージ室102の前面側には、ポッドオープナ(開閉手段)108が設けられている。ポッドオープナ108,カセット棚109、およびI/Oステージ105間のポッド100の搬送は、カセット移載機114によって行なわれる。このカセット移載機114によるポッド100の搬送空間には、筐体101に設けられたクリーンユニット(図示せず)によって清浄化した空気をフローさせるようにしている。
N2パージ室102の内部には、複数のウエハ200を多段に積載するボート217と、ウエハ200のノッチ(又はオリエンテーションフラット)の位置を任意の位置に合わせる基板位置合わせ装置106と、ポッドオープナ108上のポッド100と基板位置合わせ装置106とボート217との間でウエハ200の搬送を行なうウエハ移載機(搬送手段)112とが設けられている。また、N2パージ室102の上部にはウエハ200を処理するための処理炉202が設けられており、ボート217はボートエレベータ(昇降手段)115によって処理炉202へローディング、又は処理炉202からアンローディングすることができる。
次に、上述の基板処理装置の動作について説明する。
先ず、AGVやOHTなどにより筐体101の外部から搬送されてきたポッド100は、I/Oステージ105に載置される。I/Oステージ105に載置されたポッド100は、カセット移載機114によって、直接ポッドオープナ108上に搬送されるか、または、一旦カセット棚109にストックされた後にポッドオープナ108上に搬送される。ポッドオープナ108上に搬送されたポッド100は、ポッドオープナ108によってポッド100の蓋体を取外され、ポッド100の内部雰囲気がN2パージ室102の雰囲気と連通される。
次に、ウエハ搬送機112によって、N2パージ室102の雰囲気と連通した状態のポッド100内からウエハ200を取り出す。取り出されたウエハ200は、基板位置合わせ装置106によって任意の位置にノッチが定まる様に位置合わせが行なわれ、位置合わせ後、ボート217へ搬送される。
ボート217へのウエハ200の搬送が完了したならば、処理炉202の炉口シャッタ116を開けて、ボートエレベータ115によりウエハ200を搭載したボート217をローディングする。
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施され、処理後は上述の逆の手順で、ウエハ200およびポッド100は筐体101の外部へ払出される。
図3を用いて処理炉202における基板処理の詳細について説明する。
外管(以下、アウターチューブ205)は例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状の形態である。内管(以下、インナーチューブ204)は、上端及び下端の両端に開口を有する円筒状の形態を有し、アウターチューブ205内に同心円状に配置されている。アウターチューブ205とインナーチューブ204の間の空間は筒状空間250を成す。インナーチューブ204の上部開口から上昇したガスは、筒状空間250を通過して排気管231から排気されるようになっている。
アウターチューブ205およびインナーチューブ204の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド209が係合され、このマニホールド209にアウターチューブ205およびインナーチューブ204が保持されている。このマニホールド209は保持手段(以下、ヒータベース251)に固定される。アウターチューブ205の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間には気密部材(以下Oリング220)が配置され、両者の間が気密にシールされている。
マニホールド209の下端開口部には、例えばステンレス等よりなる円盤状の蓋体(以下、シールキャップ219)がOリング220を介して気密シール可能に着脱自在に取付けられている。アウターチューブ205の下方には、ガスの供給管232が設けられている。これらのガスの供給管232により、処理用のガスがアウターチューブ205内に供給されるようになっている。これらのガスの供給管232はガスの流量制御手段(以下、マスフローコントローラ(MFC)312)に連結されており、マスフローコントローラ312はガスコントローラ304に接続されており、供給するガスの流量を所定の量に制御し得る。
マニホールド209の上部には、圧力調節器(例えばAPC、N2バラスト制御器があり、以下ここではAPC242とする)及び、排気装置(以下真空ポンプ246)に連結されたガスの排気管231が接続されており、アウターチューブ205とインナーチューブ204との間の筒状空間250を流れるガスを排出し、アウターチューブ205内をAPC242により圧力を制御することにより、所定の圧力の減圧雰囲気にするよう圧力検出手段(圧力センサ327)により検出し、圧力コントローラ305により制御する。
シールキャップ219には、回転手段(回転軸254)が連結されており、回転軸254により、ボート217及びボート217上に保持されているウエハ200を回転させる。又、シールキャップ219は昇降手段(ボートエレベータ115)に連結されていて、ボート217を昇降させる。回転軸254、及びボートエレベータ115を所定のスピードにするように、搬送コントローラ303により制御する。
アウターチューブ205の外周には加熱手段(以下ヒータ207)が同心円状に配置されている。ヒータ207は、アウターチューブ205内の温度を所定の処理温度にするよう温度センサ(熱電対)321により温度を検出し、温度コントローラ302により制御する。
図3に示した処理炉202による減圧CVD処理方法の一例を説明すると、まず、ボートエレベータ115によりボート217を下降させる。ボート217に複数枚のウエハ200を保持する。次いで、ヒータ207により加熱しながら、アウターチューブ205内の温度を所定の処理温度にする。ガスの供給管232に接続されたマスフローコントローラ312により予めアウターチューブ205内を不活性ガスで充填しておき、ボートエレベータ115により、ボート217を上昇させてアウターチューブ205内に移し、アウターチューブ205内の内部温度を所定の処理温度に維持する。アウターチューブ205内を所定の真空状態まで排気した後、回転軸254により、ボート217及びボート217上に保持されているウエハ200を回転させる。同時にガスの供給管232から処理用のガスを供給する。供給されたガスは、アウターチューブ205内を上昇し、ウエハ200に対して均等に供給される。
減圧CVD処理中のアウターチューブ205内は、排気管231を介して排気され、所定の真空になるようAPC242により圧力が制御され、所定時間減圧CVD処理を行なう。
このようにして減圧CVD処理が終了すると、次のウエハ200の減圧CVD処理に移るべく、アウターチューブ205内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、ボートエレベータ115によりボート217を下降させて、ボート217および処理済のウエハ200をアウターチューブ205から取り出す。アウターチューブ205から取り出されたボート217上の処理済のウエハ200は、未処理のウエハ200と交換され、再度同様にしてアウターチューブ205内に上昇され、減圧CVD処理がなされる。
図4に、本実施の形態による基板処理装置制御システムの構成を示す。
本実施の形態による基板処理装置制御システムが、図12において示した従来の基板処理装置制御システムの構成と異なる点は、さらにパルス発生器(信号出力部)が付加されている点である。その他の部分の構成は従来のシステム構成とほぼ同様であるため、同一の構成部分には図12と同一な符号を付し、説明は割愛する。なお、装置コントローラ301、温度コントローラ302、搬送コントローラ303、ガスコントローラ304、圧力コントローラ305、サーボコントローラ311、マスフローコントローラ312およびEEコントローラ351は制御部としての役割を有しており、基板処理装置における各種情報処理を行なう。
パルス発生器352は、1秒のインクリメント型パルスを発生させる。パルス発生機352にて発生させたパルス信号364は、まず温度コントローラ302に送信される。温度コントローラ302に送信されたパルス信号364は、温度コントローラ302を経由した後、装置コントローラ301に入力される。
装置コントローラ301では、このようにして送信されるパルス信号364に対応するタイムスタンプをパルス信号ごとに付与する。
なお、温度コントローラ302にパルス信号364が入力されてから、装置コントローラ301にてパルス信号364に対応するタイムスタンプが付加されるまでの時間に依存してパルス信号364のビット幅を調整する必要があるが、6秒程度の遅れまでの場合には、3ビットで表現できる。この場合、例えば1秒を「001」、2秒を「010」、3秒を「011」、4秒を「100」、5秒を「101」、6秒を「110」、7秒を「111」と表現することができる。
本実施の形態では、装置コントローラ301とEEコントローラ351とにおける時刻のずれを比較するために、EEコントローラ351にもパルス信号364と同じタイミングでパルス信号363を送信する。すなわち、パルス発生器352は複数の制御部のうち少なくとも2つの(所望の)制御部に対し同一タイミングで基準信号となるパルス信号を発する構成となっている。
以下、本実施の形態による基板処理装置制御システムの動作について説明する。
装置コントローラ301が付加するタイムスタンプとEEコントローラ351が付与するタイムスタンプとの同期は以下のようにして行なう。
装置コントローラ301とEEコントローラ351は通常遅れが数100m秒程度の高速ネットワークで接続されているため、装置コントローラ301においてタイムスタンプ付加に使用する時刻を取得することにより、EEコントローラ351のタイムスタンプ付加時刻とほぼ秒レベルで時間を補正できる。
図5は、あるタイミングにおけるパルス信号に対応して装置コントローラ301およびEEコントローラ351にて付与されたタイムスタンプ(時刻)の例を示している。
図5に示すような時刻が取得された場合、装置コントローラ301にて付与しているタイムスタンプの時刻はEEコントローラ351にて付与しているタイムスタンプの時刻に比べて2分5秒±1秒進んでいると判断できる。なお、ここで±1秒としたのは、上述の通信時間の影響により誤差が生じることを考慮してのことである。
次に装置コントローラ301とEEコントローラ351におけるパルス信号に関連付けられたタイムスタンプの時刻の比較を行なう。
図6に同期パルスと関連付けられたEEコントローラ351にて付与したタイムスタンプの時刻と装置コントローラ301にて付与したタイムスタンプの時刻を示す。同図では便宜的に2分5秒±1秒ずれているという情報から整列させているが、コンピュータによって整列させてもよい。
この表によれば、最初のパルス1に着目すると両コントローラにおけるタイムスタンプの時刻差は2分7秒である。しかし、パルス2〜パルス7に着目するとタイムスタンプの時刻差は2分6秒となっており、それ以降も2分7秒が出現する場合があるが、ほぼ2分6秒となっている。このようにしてタイムスタンプの時刻差を監視して、その発生頻度により正確な差分時間を計算する。
本実施の形態においては、パルス発生器352からのパルス信号の入力は、1つの従たる制御機器と1つの主たる制御機器に対してだけでなく、複数の従たる制御機器と1つの主たる制御機器に対して、あるいは複数の従たる制御機器に対して行なわせることも可能である。この場合におけるタイムスタンプの時刻差の取得方法は上記と同様である。
なお、制御機器間(例えばEEコントローラと装置コントローラとの間)での時間の進み方が異なる場合があることも考えられる。この場合も、取得したタイムスタンプの時刻差の監視を継続的に実施することにより、時間の進み方が異なることに対応した補正も可能である。
このような構成とすることにより、装置コントローラとEEコントローラの両方に対して同一パルス信号を入力し、同一パルスに対応する各コントローラにおける時刻を取得して、コントローラ間の時刻のずれを判断し、この時刻のずれを補正することにより、本来同一時刻に両コントローラにおいて取得された情報の同期をとることを可能とすることができる。
具体的には、不図示の関連付け演算部によって、パルス信号(基準信号)と所望の制御部においてパルス信号に対応してセンサ情報等に付与されたタイムスタンプの時刻とに基づいて、所望の制御部においてタイムスタンプが付与された情報間の関連付けを行なう(連関させる)。
その後、不図示の主制御部により、関連付けが行われた情報に基づいて基板処理装置を制御する。
なお、ここでは関連付け演算部および主制御部は基板処理装置内に別々に配置されている構成となっているが、これに限られるものではなく、例えば装置コントローラ301またはEEコントローラ351に関連付け演算部および主制御部としての機能をもたせるようにすることも可能である。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態による基板処理装置制御システムは、図7に示すように上述の第1の実施の形態による基板処理装置制御システムと同様な構成となっている。以下、第1の実施の形態において説明した部分と同一な部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
本実施の形態と上述の第1の実施の形態とは、図8に示すようにパルス発生器352にて発生させるパルス同士の間隔が異なっている(可変周期の単一パルス)。このパルス同士の間隔は、具体的には1.1秒、2.1秒、3.1秒、4.1秒・・・と、「1×n+0.1(nは1〜10)」に設定されている。ここでパルスの間隔をこのように設定したのは、装置コントローラ側において付与するタイムスタンプの時刻の最小単位を1秒と仮定し、EEコントローラ側において付与するタイムスタンプの時刻の最小単位を0.1秒と仮定しているためであり、秒部分のカウントにより装置コントローラの秒単位の同期をとり、0.1秒部分のカウントにより間隔が0.1、0.2、0.3、・・・0.9、1.0になることを利用して装置コントローラの0.1秒単位の同期をとるためである。
以下、本実施の形態による基板処理装置制御システムの動作について説明する。
まず、同一パルスに対して装置コントローラ301にて付与されるタイムスタンプの時刻と、EEコントローラにて付与されるタイムスタンプの時刻とを上述の第1の実施の形態と同じように秒単位で同定する。仮に結果として2分5秒±1秒ずれているとする。
続いて、下記のようなステップにより100m秒単位での両コントローラにおけるタイムスタンプの時刻を同定する。
温度コントローラ302にパルス信号を入力してから装置コントローラ301にてタイムスタンプが付加されるまで数秒程度の遅れの場合、図8に示すパルス信号を温度コントローラ302と装置コントローラ301に入力する。
パルス信号のパルス同士の間隔が変化するため、装置コントローラ301でパルス入力に付加されたタイムスタンプよりパルスの同定が可能である。100m秒のずれの部分は繰り上げが発生する場所で判定する。図9の1行目のN周期と一致した場合、パルス番号9で繰り上げが発生する。
繰り上げが発生する場所は、パルス番号2〜パルス番号11までの10パターンがあり、図9および図10では、100m秒単位でパルス信号を送信した場合の装置コントローラにおけるタイムスタンプの値の例を示している(100m秒の位は仮想的なものである。)。図9において、N周期とは10時5分3秒から200m秒ずれている場合、N’周期とは10時6分3秒から700m秒ずれている場合、M周期とは10時13分23秒から100m秒ずれている場合、M’周期とは10時14分23秒から600m秒ずれている場合、P周期とは10時30分3秒から400m秒ずれている場合、P’周期とは10時31分3秒から900m秒ずれている場合を示している。図10において、Q周期とは10時38分23秒から300m秒ずれている場合、Q’周期とは10時39分23秒から800m秒ずれている場合、R周期とは10時46分43秒から0m秒ずれている場合、R’周期とは10時47分43秒から500m秒ずれている場合を示している。
時間を切り捨てで判断すると、図9および図10において太枠で囲まれている場所が、100m秒単位で繰り上げを発生している場所である。判断は切り捨て、四捨五入、切り上げのいずれをも選択可能であるが、1つのシステムでは統一する必要がある。
このように装置コントローラ301で入力したパルス信号について、繰り上げが発生した位置をヒストグラム等によって解析し、100m秒単位のずれを判定する。
ここで、ヒストグラムによる解析とは、具体的には以下のようにして行なう。まず、パルス番号11からパルス番号1に変わるときに、パルス間隔を変化させているため、タイムスタンプの開きが10秒前後から1秒前後になる。この位置を数パルス周期データとってチェックし、最も発生頻度の高い時間を探り、その時間にパルス番号11の位置を合わせるように補正する。この場合、パルス番号11の周期は56秒000m秒であるので、56秒周辺の時間で最も頻度の高い時間をパルス番号11の位置とする。
次に、100m秒単位の情報を用いる。すなわち、パルスの間隔は秒単位ではない100m秒単位の値で増加しているため、本来n秒増加するところが繰り上がってn+1秒だけ増加するタイミングがある。1周期だけでの観察では偶然発生した繰り上げである場合もあり正確ではないが、数十周期分の観察を行なうことにより、n秒が支配的であることを判断することができる。
これを全てのパルス間でチェックし、パルス間隔のパターンを見出す。
このチェックの結果、例えば1、2、3、4、5、6、7、9、9、10の間隔になった場合、図9を見て、パルス番号9にて繰り上がっているのでN周期であることが分かる。切り捨てを前提としたN周期のパターンと同じになるので、パルス番号1のパルスの100m秒の台は200m秒であると判断することができる。
このチェックの結果、例えば1、2、3、4、5、6、7、9、9、10の間隔になった場合、図9を見て、パルス番号9にて繰り上がっているのでN周期であることが分かる。切り捨てを前提としたN周期のパターンと同じになるので、パルス番号1のパルスの100m秒の台は200m秒であると判断することができる。
このように同定した結果、例えば図9のN周期(200m秒ずれ)になった場合、200m秒周期開始時間の10時5分3秒を装置コントローラ301の基準時刻とする。
EEコントローラ351で入力したパルスについては、入力を監視することにより、100m秒単位で容易に同定できる。
装置コントローラ301とEEコントローラ351のタイムスタンプの時刻のずれは2分5秒±1秒であるので、EEコントローラの10時2分58秒前後の周期開始パルスと同定する。
次に、EEコントローラ351における周期開始パルス(パルス番号1)のリストの中から10時2分58秒前後の周期開始パルス(パルス番号1)を検索し、そのパルスが10時2分57秒400m秒の場合、装置コントローラ301では時刻10時5分3秒200m秒であるので、装置コントローラ301とEEコントローラ351との差は2分5秒800m秒であると推定できる。
本情報に基づいて装置コントローラ301とEEコントローラ351の時刻のずれを補正して、データの重ね合わせを実現する。
もちろん、上述の第1の実施の形態と同様に、パルス発生器352からの入力は、例示した1つの従たる制御機器(温度コントローラ302)だけでなく、1つの主たる制御機器、複数の従たる制御機器、あるいはその組み合わせに対して行なうことが可能である。この場合にあるパルスに対応する各制御機器でのタイムスタンプの時刻の取得方法は上述と同様である。
また、追加した制御機器と元々の主たる制御機器における時刻の進み方が異なる場合があることも考えられる。この場合、上述した同定方法を定期的に実行することにより、時刻の進み方が異なることにより生ずる時間のずれの補正も可能である。
すなわち、基板処理装置の制御システムにおいて、標準の制御機器に対して、センサ情報収集用の制御機器を追加してデータを収集する場合において、入力時間を補正して同期を取ることができる。
このようにして情報に付与されたタイムスタンプの時刻のずれを算出した後は、上述の第1の実施の形態と同様の処理によって基板処理装置の制御を行なう。
以上説明したように、本発明の実施の形態による基板処理装置制御システムは、複数の情報を送受信する複数の制御部と、信号を少なくとも所望の前記複数の制御機器に入力することにより、所望の前記情報を収集する時間を連関させる信号出力部とを有し、前記連関した情報を所望の前記複数の制御部から収集し制御する構成となっている。すなわち、複数の入力を複数の制御機器を通して収集する制御システムにおいて、信号出力部によって信号を複数の制御機器に入力し、入力時間を補正して同期をとっている。
上述のような基板処理装置制御システムにおいて、前記信号出力部から発せられる信号はパルスであり、前記信号出力部はパルス発生装置であることが望ましい。また、前記信号出力部から発せられる信号は、可変周期の単一パルスである構成とすることもできる。
また、上述のような基板処理装置制御システムを備える基板処理装置を構成することにより、上述のような構成による効果を有する基板処理装置を提供することが可能となる。
この他、基板を処理する処理室と、前記処理室に収納された基板を加熱する加熱部と、該加熱部との複数の情報の送受信をも含め、複数の情報を送受信する複数の制御機器と、信号を少なくとも所望の前記複数の制御機器に入力することにより、所望の前記情報を収集する時間を連関させる信号出力部と、前記連関した情報を所望の前記複数の制御機器から収集し制御することを特徴とする基板処理装置を構成することもできる。
また、複数の情報を送受信する複数の制御部と、信号を少なくとも所望の前記複数の制御部に入力することにより、所望の前記情報を収集する時間を連関させる信号出力部と、前記連関した情報を所望の前記複数の制御部から収集し制御する制御システムを備える基板処理装置を用いる半導体の製造方法において、前記情報を制御部が送信する工程と、前記信号出力部が前記信号を少なくとも所望の前記複数の制御部に入力する工程と、前記信号出力部が所望の前記情報を収集する時間を連関させる工程と、前記連関した情報を所望の前記複数の制御部から収集し制御する工程とを有することを特徴とした半導体の製造方法を実現することも可能である。
301 装置コントローラ、302 温度コントローラ、303 搬送コントローラ、304 ガスコントローラ、305 圧力コントローラ、311 サーボコントローラ、312 マスフローコントローラ、351 EEコントローラ、352 パルス発生器。
Claims (1)
- 基板処理装置を制御する基板処理装置制御システムであって、
前記基板処理装置における情報処理を行なう複数の制御部と、
前記複数の制御部のうち少なくとも2つの所望の制御部に対し基準信号を発する信号出力部と、
前記基準信号と前記所望の制御部において前記基準信号に対応して情報に付与されたタイムスタンプの時刻とに基づいて、前記所望の制御部において前記タイムスタンプが付与された情報間の関連付けを行なう関連付け演算部と、
前記関連付けが行われた情報に基づいて前記基板処理装置を制御する主制御部と
を有する基板処理装置制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004008829A JP2005203587A (ja) | 2004-01-16 | 2004-01-16 | 基板処理装置制御システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008152981A1 (ja) * | 2007-06-12 | 2010-08-26 | 株式会社アルバック | プロセス管理システム |
KR101322278B1 (ko) * | 2011-09-05 | 2013-10-28 | 엘아이지에이디피 주식회사 | 화학기상증착장치 및 이를 이용한 화학기상증착방법 |
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2004
- 2004-01-16 JP JP2004008829A patent/JP2005203587A/ja not_active Withdrawn
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