JP2005201418A - グロメット - Google Patents

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Takayoshi Iwasaka
宇善 岩坂
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Abstract

【課題】 高いシール性能を維持しつつ、装着作業性の向上を図ったグロメットを提供する。
【解決手段】 グロメット10をブーツに装着した後に、グロメット10の外周面11に締め付けバンドを締め付けると、グロメット10は縮径され、円周方向に応力が作用する。これにより、円周方向に垂直な方向の隙間の部分に設けられた連結片14cにはせん断応力が作用する。そのため、連結片14cは、このせん断応応力により変形又は破断する。また、円弧状部材10A,10B,10Cは、上記円周方向の隙間Sを狭くするように、あるいは隙間Sをなくすように、円弧状部材10A,10B,10C自体が変形することなく、相互に相対的にスライドする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、等速ジョイント用ブーツに装着されるグロメットに関するものである。
等速ジョイントには、ジョイント内部に潤滑剤(一般的には、グリース)を封じ込め、かつ、ジョイント内部に水や泥などの侵入を防ぐために、ブーツが装着される。ここで、等速ジョイントは、互いの交差角度が変化可能に設けられた入力軸と出力軸を、入力軸から出力軸へ等速回転を伝えることができるようにジョイントするものである。また、等速ジョイントにおいては、一方の軸に、ボールベアリングなどのベアリングを収納するハウジングが設けられている。そして、上述のブーツは、その一端がハウジングに固定され、その他端が他方の軸に固定される。これらの固定部においては、上述の通り、潤滑剤を封じ込める等の目的のため、シール性能が要求される。
上述のハウジングにおいては、軽量化を目的として、必要以上の肉厚をなくすために、トリポート形状としたものが主流になっている。従って、ブーツの一端側も、ハウジングの形状に適合するように、トリポート形状になっている。そして、ブーツとハウジングとの間のシール性能を高めるために、ブーツの外側には、トリポート形状の内周面と円形の外周面を有する樹脂製のグロメットが装着され、更に、その外側に、金属製のバンドが締め付けられるのが一般的である。
ここで、グロメットは、ハウジングにブーツを装着した後に、ブーツの外側に取り付けなければならない。そのため、グロメットの内径は、ハウジングに取り付けられた状態におけるブーツの外径よりも大きいことが要求される。また、グロメットには、シール性能の観点から、グロメットの外側からバンドが締め付けられた場合には、外周面が円形を保ったまま縮径することが要求される。これらの要求を満足するために、例えば、特許文献1,2には、グロメットを円弧形状の複数の部材から構成する技術が開示されている。しかし、グロメットを複数の部材から構成すると、グロメットをハウジングに装着する際の作業性が低下してしまうという課題を残している。
米国特許第4,936,811 特開平2−278020号公報
本発明の目的の1つとして、装着作業性を向上することが挙げられる。
また、本発明の目的の1つとして、シール性能を向上することが挙げられる。
また、本発明の目的の1つとして、高いシール性能を維持しつつ、装着作業性を向上することが挙げられる。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、グロメットを、円弧形状部分を有する複数の円弧状部材の組み合わせにより構成すると共に、グロメットをブーツに装着する前の状態において、これら複数の円弧状部材を連結片によって連結させる構成を採用した。また、本発明は、グロメットが締め付けバンドにより締め付けられると、連結片が変形又は破断して、円弧状部材ど
うしが相対的にスライドして、グロメット全体を縮径させる構成を採用した。なお、「円弧状部材」とは、円弧形状部分を有する部材であれば良く、それ自体が円弧形状のみからなる部材であることを意味するものではない。以下、同様である。
本発明の構成によれば、複数の円弧状部材は連結片によって連結されているので、複数の円弧状部材を、個々にブーツに装着しなくてもよい。また、締め付けバンドの締め付け時に、円弧状部材どうしが相対的にスライドしてグロメット全体が縮径するため、装着前及び装着時のグロメットは、締め付けバンドによる締め付け後よりも拡径した状態にある。以上のことから、グロメットをブーツに装着する作業は容易である。更に、締め付けバンドによる締め付けによって、連結片が変形又は破断して、円弧状部材どうしが相対的にスライドしてグロメット全体が縮径するため、円弧状部材自体が変形することなく、グロメット全体を縮径させることができる。これにより、締め付けバンドによる締め付け力のブーツへの伝わり方が不安定になることもない。従って、シール性能にも優れる。
より具体的な、本発明のグロメットとしては、等速ジョイント用ブーツの一端側で、該ブーツと締め付けバンドとの間に装着されるグロメットであって、
前記ブーツの一端側の外周形状に適合する非円形の内周面と、円形の外周面とを有し、円弧形状部分を有する複数の円弧状部材の組み合わせにより構成されるグロメットにおいて、
円弧状部材どうしを連結する連結片を備えると共に、
前記締め付けバンドによる締め付け時には、円弧状部材どうしが相対的にスライドしてグロメット全体を縮径せしめるように、前記連結片は変形又は破断可能に構成されることを特徴とするものが挙げられる。
ここで、「非円形」としては、例えば、トリポート形状を挙げることができる。また、「円形」は完全な円形である必要はなく、多少変形したものも含まれる。つまり、グロメットの外周面を円形にする理由は、締め付けバンドによって締め付ける場合に、締め付け力を、グロメットを介してブーツに均等に伝達するためである。従って、この目的を十分達成できる限り、円形から多少変形したものも含まれる。
本発明の構成によれば、複数の円弧状部材は連結片によって連結されているので、複数の円弧状部材を、個々にブーツに装着しなくてもよい。また、締め付けバンドの締め付け時に、円弧状部材どうしが相対的にスライドしてグロメット全体が縮径するため、装着前及び装着時のグロメットは、締め付けバンドによる締め付け後よりも拡径した状態にある。以上のことから、グロメットをブーツに装着する作業は容易である。更に、締め付けバンドによる締め付けによって、連結片が変形又は破断して、円弧状部材どうしが相対的にスライドしてグロメット全体が縮径するため、円弧状部材自体が変形することなく、グロメット全体を縮径させることができる。これにより、締め付けバンドによる締め付け力のブーツへの伝わり方が不安定になることもない。従って、シール性能にも優れる。
そして、前記締め付けバンドによる締め付け前の状態では、前記円弧状部材どうしの連結部分は、一方の円弧状部材の端部と他方の円弧状部材の端部との間で、円周方向と円周方向に垂直な方向それぞれに隙間が生じるように構成され、
かつ、前記連結片は、円周方向に垂直な方向の隙間の部分に設けられており、
前記締め付けバンドによる締め付け時には、前記円周方向の隙間を狭くするように、あるいは該隙間をなくすように、円弧状部材どうしが相対的にスライドして、前記連結片はせん断応力により変形又は破断するとよい。
このように構成することで、連結片によって、グロメット全体が拡径した状態となるように、複数の円弧状部材を連結することができる。また、連結片は、円周方向に垂直な方
向の隙間の部分に設けられ、せん断応力により変形又は破断するので、グロメット全体が縮径する際に、連結片が邪魔をすることはない。従って、円弧状部材自体が変形することなく、外周面を円形に保ったまま、グロメット全体を縮径させることができる。
また、複数の円弧状部材間における複数の隣接部分のうち1箇所は連結されておらず、他の隣接部分は、それぞれの個所に設けられた複数の前記連結片により全て連結されていると好適である。
このように構成することで、1箇所の連結されていない部分を開くことができるため、グロメットのブーツへの装着作業が、より一層容易になる。
また、前記ブーツの一端側の外周形状は、円形に対して等間隔に設けられた凹み部を有する形状であり、
前記円弧状部材は各凹み部に対して、各凹み部を覆うようにそれぞれ1個ずつ設けられると良い。
このように構成することで、締め付けバンドにより締め付けられてグロメットが縮径する際に、各円弧状部材の各凹み部に対する位置ずれを防止することができる。
また、前記締め付けバンドが締め付けられる前記円形の外周面上に、潤滑剤が介在されるようにすると好適である。あるいは、前記円弧状部材のうち少なくとも外周面を含む部分は、低摩擦材(例えば、材料の中に潤滑剤を混入したものや材料自体が摩擦係数の低いもの)で構成されるようにすることも好適である。
これらの一方あるいは両方の構成を採用すれば、締め付けバンドにより締め付けられてグロメットが縮径する際に、各円弧状部材の位置ずれを抑制することができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、高いシール性能を維持しつつ、装着作業性を向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<等速ジョイントの全体説明>
図1〜図3を参照して、本発明の実施例に係るグロメットが用いられる等速ジョイントについて説明する。図1は等速ジョイントのジョイント部を示す斜視図である。図2は等速ジョイント用ブーツの装着状態を示す断面図(等速ジョイント自体は不図示)である。図3は等速ジョイント用ブーツの斜視図である。
等速ジョイントは、互いの交差角度が変化可能に設けられた入力軸と出力軸を、入力軸から出力軸へ等速回転を伝えることができるようにジョイントするものである。そして、これらの軸のうち、一方の軸には、ボールベアリングなどのベアリングを収納するハウジング100が設けられる。このハウジング100は、ベアリングなどの収納部品を収納で
きるスペースが最低限確保されれば良い。そのため、ハウジング100は、必要以上の肉厚をなくして、軽量化を図るために、3箇所に凹み部101を有するトリポート形状となっている。
そして、ジョイント部分には、ジョイント内部に潤滑剤(一般的には、グリース)を封じ込め、かつ、ジョイント内部に水や泥などの侵入を防ぐために、ブーツ300が装着される。このブーツ300は、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性材料によりブロー成形により成形される。そして、このブーツ300は、一端に第1嵌着部301を有し、他端に第2嵌着部302を有する。第1嵌着部301は他方の軸200に嵌着され、第2嵌着部302はハウジング100に嵌着される。軸200は、通常、円柱状であるので、第1嵌着部301の形状は円筒である。これに対して、上記の通り、ハウジング100はトリポート形状であるので、第2嵌着部302の形状は、この形状に適合するようにトリポート形状である。
また、入力軸と出力軸は、互いの交差角度が変化するように相対的に移動する。また、入力軸と出力軸がスライド方向に移動する構成が採用される場合もある。従って、ブーツ300は、相対的に移動する入力軸及び出力軸に追随して、シール性能を確保する必要がある。そのため、ブーツ300は、第1嵌着部301と第2嵌着部302との間に、伸縮かつ揺動可能な蛇腹部303を備えている。
そして、第1嵌着部301及び第2嵌着部302の嵌着部分においては、上記の通り、ジョイント内部に潤滑剤を封じ込めるなどの目的から、シール性能が要求される。第1嵌着部301と軸200との嵌着部分においては、円形どうしであることから、安定したシール性能を確保することは、一般的に容易である。これに対して、第2嵌着部302とハウジング100との嵌着部分においては、非円形どうしであることから、安定したシール性能を確保することは、一般的に困難である。
そこで、本実施例では、ブーツ300の第2嵌着部302の外周形状に適合する非円形(具体的にはトリポート形状)の内周面と、円形の外周面とを有する樹脂製のグロメット10を、第2嵌着部302の外側に装着し、更に、グロメット10の外側に金属製の締め付けバンド400を締め付ける構成を採用した。なお、締め付けバンド400は、適宜、公知技術(例えば、特開平8−159108号公報、特開平10−299727号公報参照)を採用することができる。
<グロメット>
特に、図4〜図7を参照して、グロメット10について、更に詳細に説明する。図4は本発明の実施例1に係るグロメットの斜視図である。図5は本発明の実施例1に係るグロメットの概略上面図である。図6は本発明の実施例1に係るグロメットの概略側面図(図5中、矢印V方向から見た図)の一部である。図7は締め付けバンド400による締め付け時のグロメット10の様子を示す概略側面図である。
<<グロメットの概略構成>>
グロメット10は、円弧形状部分を有する、おおよそ円弧形状である3つの円弧状部材10A,10B,10Cの組み合わせにより構成される。これら円弧状部材10A,10B,10Cは、ハウジング100の3箇所の凹み部101に対応して、それぞれの凹み部101を覆うように3つ設けられている。そして、グロメット10の外周面11は円形であり、内周面12は、ブーツ300の第2嵌着部302の外周形状に適合するように、非円形(具体的にはトリポート形状)である。個々の円弧状部材10A,10B,10Cは、いずれも略同一形状で構成されており、円弧状に湾曲する板状部材の中央付近に厚肉部13を有している。これら円弧状部材10A,10B,10Cの両端を互いに連結するこ
とで、グロメット10全体で、上述のような外周面11及び内周面12の形状を実現している。
次に、円弧状部材の端部どうしの連結部14について、更に詳細に説明する。連結部14においては、互いに隣接する円弧状部材のうち、一方の円弧状部材の端部に幅方向の中央が突き出た凸部14aが設けられ、他方の円弧状部材の端部における幅方向の中央に、この凸部14aが嵌る凹部14bが設けられている。そして、これら隣接する円弧状部材の端部間に、円周方向の隙間Sと円周方向に垂直な方向(かつ幅方向)の隙間Tが生じるように、これら円弧状部材どうしは連結片14cによって連結されている。この連結片14cは、円周方向に垂直な方向の隙間Tの部分に設けられている。
以上のような構成により、グロメット10全体の径(外径及び内径(以下、同様である))は、円弧状部材10A,10B,10Cが連結片14cによって連結されることにより、ブーツ300への装着完了時(締め付けバンド400により締め付けられた時)における径よりも大きな状態となる。
<<グロメットの装着>>
円弧状部材10A,10B,10Cは連結片14cによって連結されるため、グロメット10は、1つの部品として構成される。従って、個々に円弧状部材10A,10B,10Cをブーツ300に装着する必要はなく、グロメット10をブーツ300に装着する作業は1回で済む。また、グロメット10全体の径が、上述の通り、ブーツ300への装着完了時における径よりも大きな状態であるので、グロメット10の装着作業を簡単に行うことができる。なお、円弧状部材10A,10B,10C相互間における3箇所の隣接部分のうち1箇所は連結せずに、他の隣接部分を全て、上記連結片14cによって連結させるとより好適である。このようにすれば、連結させていない部分を開くことができるので、より一層簡単に、グロメット10をブーツ300に装着することができる。
グロメット10をブーツ300に装着した後に、グロメット10の外周面11に締め付けバンド400を締め付けると、グロメット10は縮径され、円周方向に応力が作用する。これにより、円周方向に垂直な方向の隙間Tの部分に設けられた連結片14cにはせん断応力が作用する。そのため、連結片14cは、このせん断応応力により変形又は破断する。また、円弧状部材10A,10B,10Cは、上記円周方向の隙間Sを狭くするように、あるいは隙間Sをなくすように、相互に相対的にスライドする。
以上のような動作により、締め付けバンド400による締め付けによって、円弧状部材10A,10B,10C自体は変形することなく、グロメット10は、その外周面が円形を保ったまま縮径する。なお、変形又は破断した連結片14cは、円周方向に垂直な方向の隙間T内に残るため、円弧状部材10A,10B,10Cは連結片14cに悪影響を受けることはなく、ほとんど変形せずにスライドすることが可能である(図7参照)。
<<本実施例に係るグロメットの優れた点>>
以上のように、本実施例に係るグロメットによれば、グロメット10のブーツ300への装着作業は1回で良い。そして、装着前(時)におけるグロメット10全体の径が、ブーツ300への装着完了時における径よりも大きな状態であるので、グロメット10の装着作業を簡単に行うことができる。特に、円弧状部材10A,10B,10C相互間における3箇所の隣接部分のうち1箇所のみを連結しない構成とすれば、連結しない部分を開くことができるので、より一層簡単に、グロメット10をブーツ300に装着することができる。
また、締め付けバンド400による締め付け時には、円弧状部材10A,10B,10
C自体を変形させることなく、グロメット10全体を縮径させることができる。従って、グロメット10の外周面11を、円形を保ったまま縮径させることができる。更に、円弧状部材10A,10B,10Cは、ハウジング100の3箇所の凹み部101に対応して、それぞれの凹み部101を覆うように3つ設けられている。従って、締め付けバンド400による締め付け時に、各円弧状部材10A,10B,10Cが、それぞれの凹み部101に対して位置ずれすることは抑制される。以上のことから、締め付けバンド400による締め付け力を、グロメット10を介して、ブーツ300に均等に伝えることができる。従って、優れたシール性能を発揮させることができる。
図8には、本発明の実施例2が示されている。本実施例では、円弧状部材どうしの連結部分の変形例を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については、その説明は省略する。図8は本発明の実施例2に係るグロメットの概略側面図(上記実施例1における図6に相当する図)の一部である。
本実施例における連結部15においては、互いに隣接する円弧状部材のうち、一方の円弧状部材の端部に幅方向の一方が突き出て他方が凹んだ凹凸部15Aが設けられ、他方の円弧状部材の端部には幅方向の一方が凹んで他方が突き出た凹凸部15Bが設けられている。これにより、凹凸部15Aと凹凸部15Bは嵌合する構造となっている。
そして、本実施例においても、隣接する円弧状部材の端部間には、円周方向の隙間と円周方向に垂直な方向(かつ幅方向)の隙間が生じるように、これらの円弧状部材どうしは連結片15Cによって連結されている。また、この連結片15Cは、円周方向に垂直な方向(かつ幅方向)の隙間の部分に設けられている。
以上のような構成により、本実施例においても、上記実施例1と同様に、締め付けバンド400によって締め付けられた場合には、グロメット10は縮径され、円周方向に応力が作用し、連結片15Cにはせん断応力が作用する。そのため、連結片15Cは、このせん断応応力により変形又は破断する。また、円弧状部材10A,10B,10Cは、円周方向の隙間を狭くするように、あるいは隙間をなくすように、相互に相対的にスライドする。
従って、上記実施例1と同様に、円弧状部材10A,10B,10C自体は変形することなく、グロメット10は、その外周面が円形を保ったまま縮径する。また、変形又は破断した連結片15Cは、円周方向に垂直な方向の隙間内に残るため、円弧状部材10A,10B,10Cは連結片15Cに悪影響を受けることはなく、変形せずにスライドすることが可能である。以上のことから、本実施例においても上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
図9には、本発明の実施例3が示されている。本実施例では、円弧状部材どうしの連結部分の変形例を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については、その説明は省略する。図9は本発明の実施例3に係るグロメットの概略上面図(上記実施例1における図5に相当する図)の一部拡大図(連結部分付近を拡大した図)である。
上記実施例1,2において説明したように、円弧状部材どうしを連結する連結片は、隣接する円弧状部材の端部間に設けられた円周方向に垂直な方向の隙間の部分に設けられる。そして、上記実施例1,2では、いずれも、円弧状部材の円周方向に垂直な方向、かつ「幅方向」の隙間に連結片を設ける構成を示した。しかしながら、連結片は、円弧状部材
に円周方向の応力が作用した場合に、せん断応力を受ける位置に設けられれば良い。つまり、連結片が設けられる隙間は、円弧状部材の円周方向に垂直な方向の隙間であるという条件さえ満たせば良い。上記実施例1,2で、円弧状部材の円周方向に垂直な方向、かつ「幅方向」に隙間を形成した理由は、グロメットの強度や製造の容易性等に基づくものである。しかし、このような強度や製造上の問題がなければ、隙間は、「幅方向」の隙間である必要はない。
そこで、本実施例では、円弧状部材の円周方向に垂直な方向、かつ「厚み方向」の隙間に連結片を設ける場合を示す。本実施例における連結部16においては、互いに隣接する円弧状部材のうち、一方の円弧状部材の端部に厚み方向の一方が突き出て他方が凹んだ凹凸部16Aが設けられ、他方の円弧状部材の端部には厚み方向の一方が凹んで他方が突き出た凹凸部16Bが設けられている。これにより、凹凸部16Aと凹凸部16Bは嵌合する構造となっている。
そして、本実施例においては、隣接する円弧状部材の端部間には、円周方向の隙間と円周方向に垂直な方向(かつ厚み方向)の隙間が生じるように、これらの円弧状部材どうしは連結片16Cによって連結されている。また、この連結片16Cは、円周方向に垂直な方向(かつ厚み方向)の隙間の部分に設けられている。
以上のような構成により、本実施例においても、上記実施例1と同様に、締め付けバンド400によって締め付けられた場合には、グロメット10は縮径され、円周方向に応力が作用し、連結片16Cにはせん断応力が作用する。そのため、連結片16Cは、このせん断応応力により変形又は破断する。また、円弧状部材10A,10B,10Cは、円周方向の隙間を狭くするように、あるいは隙間をなくすように、相互に相対的にスライドする。
従って、上記実施例1と同様に、円弧状部材10A,10B,10C自体は変形することなく、グロメット10は、その外周面が円形を保ったまま縮径する。また、変形又は破断した連結片16Cは、円周方向に垂直な方向の隙間内に残るため、円弧状部材10A,10B,10Cは連結片16Cに悪影響を受けることはなく、変形せずにスライドすることが可能である。以上のことから、本実施例においても上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
図10には、本発明の実施例4が示されている。本実施例では、円弧状部材どうしの連結部分の変形例を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については、その説明は省略する。図10は本発明の実施例4に係るグロメットの概略側面図(上記実施例1における図6に相当する図)の一部である。
これまで説明した各実施例においては、円弧状部材の端部間に設けられる円周方向の隙間は、円周方向に垂直な壁面間の隙間により構成し、円弧状部材の端部間に設けられる円周方向に垂直な方向の隙間は、円周方向に伸びる壁面間の隙間により構成する場合を示した。このように構成した理由は、締め付けバンド400の締め付けによって、円周方向に応力が作用したときに、この応力を、極力、連結片に対してせん断方向に作用させるためである。しかしながら、要は、締め付けバンド400の締め付けによりグロメット縮径する過程で、連結片が変形又は破断し、かつ変形又は破断した連結片が、円弧状部材のスライドを邪魔しなければ、特に問題はない。従って、円弧状部材の端部間に設けられる隙間は、必ずしも、円周方向に垂直な壁面間の隙間と円周方向に伸びる壁面間の隙間により構成する必要はない。
そこで、本実施例では、円弧状部材の端部間に設けられる隙間が円周方向に対して斜めに傾いている場合の一例を示す。本実施例における連結部17においては、互いに隣接する円弧状部材のうち、一方の円弧状部材の端部17AにはV字状の凹部が設けられ、他方の円弧状部材の端部17BにはV字状の凸部が設けられている。これにより、これらの端部17Aと端部17Bは嵌合する構造となっている。
そして、本実施例においては、隣接する円弧状部材の端部間には、円周方向に対して斜めに傾く方向の隙間が生じるように、これらの円弧状部材どうしは連結片17Cによって連結されている。本実施例における上記隙間は、円周方向の隙間と円周方向に垂直な隙間を同時に備えた隙間であると言える。
以上のような構成により、本実施例においても、上記実施例1と同様に、締め付けバンド400によって締め付けられた場合には、グロメット10は縮径され、円周方向に応力が作用し、連結片17Cにはせん断応力が作用する。そのため、連結片17Cは、このせん断応応力により変形又は破断する。また、円弧状部材10A,10B,10Cは、円周方向の隙間を狭くするように、あるいは隙間をなくすように、相互に相対的にスライドする。
なお、本実施例においては、上記実施例1〜3に比べると、締め付けバンド400による締め付けによって円周方向に応力が作用した場合に、この応力のうち、連結片17Cに対してせん断方向に作用する応力の割合は少ない。また、本実施例においては、隣接する円弧状部材の端部間における円周方向の隙間が狭くなると同時に円周方向に垂直な隙間も狭くなる。従って、変形又は破断する連結片17Cが、円弧状部材のスライドの邪魔にならないようにするには、円周方向の隙間をあまり狭くすることはできない。
しかし、連結片17Cの機械的強度があまり要求されない場合や、グロメットの縮径する割合が小さくても十分な場合など、使用条件によっては、本実施例に係るグロメットの連結部を採用しても十分有効である。また、本実施例においては、隣接する円弧状部材における先端部どうしの隙間の面積(図10中U参照)を、上記実施例1〜3に比べて小さくできる利点がある。
図11には、本発明の実施例5が示されている。本実施例は、上述した各実施例1〜4のいずれに対しても応用可能な実施例である。グロメット等に関する基本的な構成および作用については、上記各実施例で説明した通りであるので、その説明は省略する。図11は本発明の実施例5に係るグロメットと締め付けバンドとの関係を示す概略上面図である。
一般的に、締め付けバンドを締め付ける場合には、締め付けバンドの一部に力をかける。例えば、図11に示す例においては、締め付けバンド400の1箇所に設けられたカシメ部に対して、図中矢印K方向に力を加えてかしめることによって、締め付けバンド400を締め付ける。そのため、締め付けバンド400のカシメ部以外の部分は、カシメ部に向かってスライドする(図中矢印L参照)。
従って、締め付けバンド400による締め付け時においては、グロメット10を構成する円弧状部材10A,10B,10Cには、締め付けバンド400の内周面からの摩擦力も作用する。そのため、グロメット10の外周面11(円弧状部材10A,10B,10Cの外周面)と締め付けバンド400の内周面との間に発生する摩擦力が大きいと、いずれかの円弧状部材が、ハウジング100の凹み部101に対してずれてしまうおそれがある。このようなずれが発生した場合には、締め付けバンド400による締め付け力がグロ
メット10を介して適切にブーツ300に伝えることができないだけでなく、ブーツ300とハウジング100との間に隙間が生じてしまうおそれがある。従って、これらはシール性能を損なう原因となる。
以上のことから、グロメット10の外周面11と締め付けバンド400の内周面との間に発生する摩擦力は、極力、小さいほうが望ましい。そこで、本実施例においては、これらの間に発生する摩擦力を小さくする構成を採用した。具体的には、摩擦力を小さくする構成としては、以下のものが挙げられる。
(1)グロメット10の外周面11と締め付けバンド400の内周面のうちの少なくともいずれか一方に、潤滑剤を塗布することにより、これらの間に潤滑剤を介在させる構成。潤滑剤の具体例としては、鉱物油,化学合成油,シリコングリースを挙げることができる。
(2)グロメット10の材質(少なくとも、グロメット10の外周面11(円弧状部材10A,10B,10Cの外周面)を含む部分の材質)として、潤滑剤を混入したものや、摩擦係数の低いものを用いることによって、グロメット10の外周面11の摩擦抵抗を低くする構成。例えば、グロメット10の材料の具体例としては、テフロン(登録商標)を挙げることができる。
(3)上記(1)と(2)を併用した構成。
以上のように、グロメット10の外周面11と締め付けバンド400の内周面との間に発生する摩擦力を極力小さくすることによって、円弧状部材10A,10B,10Cの位置ずれを、効果的に抑制することができる。これにより、より一層、優れたシール性能を発揮させることができる。
等速ジョイントのジョイント部を示す斜視図である。 等速ジョイント用ブーツの装着状態を示す断面図(等速ジョイント自体は不図示)である。 図3は等速ジョイント用ブーツの斜視図である。 図4は本発明の実施例1に係るグロメットの斜視図である。 図5は本発明の実施例1に係るグロメットの概略上面図である。 図6は本発明の実施例1に係るグロメットの概略側面図の一部である。 図7は締め付けバンドによる締め付け時のグロメットの様子を示す概略側面図である。 図8は本発明の実施例2に係るグロメットの概略側面図の一部である。 図9は本発明の実施例3に係るグロメットの概略上面図の一部拡大図である。 図10は本発明の実施例4に係るグロメットの概略側面図の一部である。 図11は本発明の実施例5に係るグロメットと締め付けバンドとの関係を示す概略上面図である。
符号の説明
10 グロメット
10A,10B,10C 円弧状部材
11 外周面
12 内周面
13 厚肉部
14 連結部
14a 凸部
14b 凹部
14c 連結片
15 連結部
15A 凹凸部
15B 凹凸部
15C 連結片
16 連結部
16A 凹凸部
16B 凹凸部
16C 連結片
17 連結部
17A (円弧状部材の)端部
17B (円弧状部材の)端部
17C 連結片
100 ハウジング
101 凹み部
200 軸
300 ブーツ
301 第1嵌着部
302 第2嵌着部
303 蛇腹部
400 バンド

Claims (6)

  1. 等速ジョイント用ブーツの一端側で、該ブーツと締め付けバンドとの間に装着されるグロメットであって、
    前記ブーツの一端側の外周形状に適合する非円形の内周面と、円形の外周面とを有し、円弧形状部分を有する複数の円弧状部材の組み合わせにより構成されるグロメットにおいて、
    円弧状部材どうしを連結する連結片を備えると共に、
    前記締め付けバンドによる締め付け時には、円弧状部材どうしが相対的にスライドしてグロメット全体を縮径せしめるように、前記連結片は変形又は破断可能に構成されることを特徴とするグロメット。
  2. 前記締め付けバンドによる締め付け前の状態では、前記円弧状部材どうしの連結部分は、一方の円弧状部材の端部と他方の円弧状部材の端部との間で、円周方向と円周方向に垂直な方向それぞれに隙間が生じるように構成され、
    かつ、前記連結片は、円周方向に垂直な方向の隙間の部分に設けられており、
    前記締め付けバンドによる締め付け時には、前記円周方向の隙間を狭くするように、あるいは該隙間をなくすように、円弧状部材どうしが相対的にスライドして、前記連結片はせん断応力により変形又は破断することを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
  3. 複数の円弧状部材間における複数の隣接部分のうち1箇所は連結されておらず、他の隣接部分は、それぞれの個所に設けられた複数の前記連結片により全て連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のグロメット。
  4. 前記ブーツの一端側の外周形状は、円形に対して等間隔に設けられた凹み部を有する形状であり、
    前記円弧状部材は各凹み部に対して、各凹み部を覆うようにそれぞれ1個ずつ設けられることを特徴とする請求項1,2または3に記載のグロメット。
  5. 前記締め付けバンドが締め付けられる前記円形の外周面上に、潤滑剤が介在されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のグロメット。
  6. 前記円弧状部材のうち少なくとも外周面を含む部分は、低摩擦材で構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のグロメット。
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