JP2005194303A - ミシン用潤滑剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑性に優れたミシン用潤滑剤組成物を提供すると共に、各種摺動部材の寿命延長を可能にする。
【解決手段】 針棒7と軸受部8等の支持すべき被支持部材の摺動面と隙間を介して対向する軸受面の隙間に封入する潤滑剤において、潤滑剤の基油に粒径10〜1000nmの酸化アルミニウムを0.01〜10重量%配合し、有機金属化合物、ホウ素化合物、リン化合物及び硫黄化合物から選ばれた1種以上の油溶性添加剤を0.1〜15重量%含むミシン用潤滑剤組成物。このミシン用潤滑剤組成物は、油溶性添加剤の他に、増ちょう剤を含むグリースであることができ、この場合は増ちょう剤量が10〜20重量%であり、増ちょう剤がチキソトロピーを有することがよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ミシン用潤滑剤として適した潤滑剤組成物を使用したミシン装置に関する。
ミシン装置の潤滑は、潤滑油を使用者が注油するかフェルトなどの含浸剤を介して潤滑油を供給する仕組みが一般的に採用されてきた。使用される潤滑油は植物油や鉱物油がほとんどであり、耐久性などを考慮したものではなかった。そのため、短い周期で給油又はメンテナンスを実施しなければならない状況にあった。また、下記特許文献1や2は、相対運動する摺動部に市販グリースを注入し、摩擦低減効果を狙ったものであるが、単にグリースを塗布するだけでは、メンテナンス周期の延長は実現できなかった。また、特許文献3には、工業用ミシンの針棒機構が開示されているが、針棒表面材の改良に関する。
特開平10−113490号公報 特開2002−45587号公報 特開平8−155173号公報 特開2001−172658号公報
ミシン装置の耐久性向上及びメンテナンスフリー化を実現させるためには、潤滑油の高性能化、グリースの適用などが選択される。従来より潤滑油としては市販のエンジン油や作動油、グリースとしては市販の軸受グリースなどが採用されてきた。
近年のミシン装置の高性能化、耐久性の向上に伴い、それらの摺動部に使用される潤滑剤には、高速化、高信頼性の要求が強く、そのため、摺動部に使用される潤滑剤には常に耐摩耗性の要求がある。摺動部の寿命に影響する因子には、摺動隙間、摺動速度、負荷荷重、発熱などあるが、潤滑剤の性能も大きな要因となる。
潤滑剤としては、豊富な市販品が存在するため、適当なものであれば容易に入手することができる。しかし、市販品は汎用向けに設計されたものであり、ミシン装置のような過酷な条件下では使用できないのが現状である。なぜならば、市販品の大半が回転機械用であり、ミシン装置のような潤滑剤が排出されやすい摺動部用途には潤滑剤供給装置が必要となるためである。例えば、高性能と標記してある各種市販品の潤滑油やグリースを用いてミシン装置の耐久試験を実施したが、どの潤滑剤も補給なしでミシン装置を500時間以上動かすことができなかった。その理由は、潤滑剤を塗布しても直ぐに潤滑面から排除され、実際には極々微量の潤滑剤で潤滑されるため、早期に油膜切れが生じ焼付きに至るためである。従って、使用する潤滑剤には長期安定した耐焼付き性が必要となる。耐焼付き性を向上させるためには、潤滑油中に二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤や窒化ホウ素などのファインセラミックを配合して潤滑性能を向上させることはよく行われているが(例えば、特開平5−125380号公報、トライボロジーデータブック:発行 株式会社テクノシステム)、より高度の耐摩耗性を達成するためには十分ではなく、またこれらの中には黒色に着色するという問題もある。また、特許文献4にはアルミナ等の微粒子を潤滑剤中に配合することを教えているが、ミシンのような被支持部材の摺動面の隙間に適用することを教えるものではない。
本発明は、高性能で寿命特性に優れたミシン用潤滑剤を提供すると共に、これを使用することで低トルクかつ長寿命なミシン装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するには、隙間に封入する潤滑剤の基油に粒径10〜1000nmの酸化アルミニウムを0.01〜10重量%配合したミシン用潤滑剤組成物が優れていることを見出した。
本発明は、支持すべき被支持部材の摺動面と隙間を介して対向する軸受面の隙間に封入する基油と添加剤からなる潤滑剤組成物おいて、中心粒径が、100〜500nmの範囲にあり、その95%以上が10〜1000nmの範囲にある酸化アルミニウムを、基油に0.01〜10重量%配合したことを特徴とするミシン用潤滑剤組成物である。
ここで、1)前記ミシン用潤滑剤組成物が潤滑油であり、油溶性添加剤を1〜15重量%配合すること、2)前記ミシン用潤滑剤組成物がグリースであり、増ちょう剤量が10〜20重量%であること、3)増ちょう剤がチキソトロピーを有すること、4)前記油溶性添加剤が、有機金属化合物、ホウ素化合物、リン化合物、硫黄化合物からなる群より選ばれた1種以上の油溶性添加剤であること、5)基油が炭化水素系であること、6)酸化アルミニウムがα-アルミナであること、又は、7)酸化アルミニウムを基油に対して0.05〜1重量%配合することは好ましい態様である。
また、前記ミシン用潤滑剤組成物には、補助添加剤を配合することも有利であり、補助添加剤としては、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、分散剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の補助添加剤が好ましく例示される。
更に、本発明は、前記のミシン用潤滑剤組成物を使用したことを特徴とするミシン装置である。また、本発明は、前記摺動面と前記受面の少なくとも一方がDLC(ダイヤモンドライクカーボン)被膜を有し、それらの隙間に用いられることを特徴とする前記のミシン用潤滑剤組成物である。
まず、本発明のミシン用潤滑剤が適用されるミシン装置について図面を参照して詳細に説明する。図1は、通常のミシンの針摺動部に本発明を適用した一例を示す部分断面図である。
図1に示すように、ミシンの針摺動部は、針棒支持部材6内部の軸受部8a、8bによって針棒7が支持され、主軸1の回転運動をクランク2及びクランク軸3とクランクレバー4を通して直線運動に変換し、針棒7と内嵌固定された針棒連結部5を通して、針棒7を上下摺動させる機構となっている。
そして、針棒7と軸受部8aと8bの隙間には、潤滑剤である潤滑油やグリースが注入されている。針棒7と軸受部8aと8bの隙間は非常に小さく(約2〜3μm)、潤滑剤を注入しても容易に排除される状況にある。それゆえ、潤滑剤の選定に困難を伴う。
次に、本発明の潤滑剤組成物について説明する。
潤滑油もグリースも潤滑に寄与する成分は基油であり、実際の潤滑は薄膜状態として存在する基油によって行われる。従って、使用する基油は摺動によって容易に排除されないものが好ましい。そこで、種々検討した結果、特定粒径を有する酸化アルミニウムを特定量配合した基油を用いることで、狭い隙間にも潤滑剤と一体となって介入し、酸化アルミニウムの研磨作用による潤滑面の平滑化作用によって、極度の摩耗や焼付きを抑制することができることが見出された。
本発明の潤滑剤組成物(以下、潤滑剤又は潤滑油と略称するときもある)を使用する場合は、初期注入のみでも構わないが公知のフェルト材による潤滑油供給を行っても何ら差し支えない。グリースを使用する場合は、チキソトロピー性を有するものであれば問題ないが、耐久性をより向上させるためには、下記のように増ちょう剤量に注意する必要がある。
本発明の潤滑剤組成物は、摺動部の潤滑をスムーズにし、低トルク、かつ長寿命なミシン装置を与えるため、潤滑剤中の基油に対し、中心粒径100〜500nmの酸化アルミニウムを0.01〜10重量%配合する。本発明で使用する酸化アルミニウムは、アルミニウムの酸化、水酸化アルミニウムの強熱、塩化アルミニウム水和物や硝酸アルミニウムの加熱(180〜200℃)等の公知の方法で得られるもので差し支えなく、市販品をそのまま、若しくは分級して使用することもできる。酸化アルミニウムにはα、β、γ型などがあるが、耐摩耗性の点ではα型が最も優れる。
酸化アルミニウムは中心粒径が上記範囲である必要があり、好ましくは200〜400nmの中心粒径を持つことがよい。中心粒径が小さいほど、分散性に優れるという利点があるが、ハンドリング(大気飛散)に問題があるため100nm以上とすることが有利である。また、酸化アルミニウムの90%以上が10nm〜1μmの範囲にあることが好ましい。また、最大粒径は2μm以下とすることがよい。酸化アルミニウムの基油に対する添加量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜2重量%、より好ましくは0.05〜1重量%である。0.01重量%未満では耐摩耗性の効果が得られず、10重量%を越えて添加すると長期保存ができない。
本発明の潤滑剤に用いる基油としては、ポリブテン、二塩基酸エステル、トリメチロールプロパンエステル、ネオペンチルグリコールエステル、ジフェニルエーテル、フッ素油、ポリアルキルグリコール、ポリアルファオレフィンなどがあるが、蒸発性能、添加剤の溶解性、潤滑性能の面で特に優れている炭化水素系油や二塩基酸エステルであるセバシン酸ジオクチルが好適である。
本発明の潤滑剤で使用する基油は、実質的に単一の化合物又は成分からなり、沸点範囲が±2℃以内であることがよい。また、常温液体で、その沸点は200〜350℃にあることが好ましい。なお、基油としては、単一化合物が得やすい合成油が好ましく、この場合通常の精製では除去しえない不純物を含むことは差し支えない。また、基油がポリマー又はオリゴマーである場合は、重合度が実質的に単一であることがよい。
本発明の潤滑剤に用いる油溶性添加剤は、基油に溶解するものである必要がある。基油がキャリアとなって、摺動部へ油溶性添加剤を供給することができる。例えば、油溶性添加剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデンなどの有機金属化合物類、ホウ酸系化合物、リン系化合物、硫黄系化合物などがあるが、好ましくはジチオカルバミン酸モリブデンとジアルキルジチオリン酸亜鉛を併用することである。油溶性添加剤の総配合量は0.1〜15重量%の範囲がよい。0.1重量%未満では添加効果が全くなく、15重量%を越えた場合、濁りが生じると共に潤滑剤全体が異臭を発するため作業環境の雰囲気汚染が心配される。
油溶性添加剤としてのジアルキルジチオリン酸亜鉛は、(RO)2PS2−Zn−PS2(OR)2(但し、RはC8〜C12のアルキル基)で示される化合物であり、好ましくはC12のアルキル基を有するものである。その最適配合量は0.5〜2重量%の範囲である。
また、ジチオカルバミン酸モリブデンは、(R2NCS22Mo222(但し、Rはアルキル基)で示される化合物であり、その最適配合量は1〜6重量%である。
また、ホウ素化合物は、ホウ酸塩、トリベンジルボレート、オルガノメルカプトアルキルボレート(USP3303130号公報参照)、トリベンジルボレートとエチレングリコールの反応生成物(USP3400083号公報参照)、ボレートエステルのフォスフェートスルフォキサイドの付加物等であり、好ましくはホウ酸カリウム等のホウ酸塩であり、その最適配合量は、5〜10重量%の範囲である。
また、硫黄化合物及びリン化合物には、硫化油脂、硫化テルペン、硫化オレフィン、サルファイド等の硫黄系添加剤と、亜リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩等のリン化合物がある。その各々の配合量は0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。なお、本発明においては、前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデンは、有機金属化合物類とする。
また、本発明の潤滑剤組成物はグリースであることができ、この場合における増ちょう剤は基油中に分散し、ミセル構造をとって半固体状を呈し、チキソトロピー性を有するものであり、ナトリウム石けん、リチウム石けん、カルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウムコンプレックス石けん、リチウムコンプレックス石けん等の金属石けん系や、ジウレア化合物、トリウレア化合物、ベントン、ポリテトラフルオロエチレン、シリカエアロゲル、ナトリウムテレフタラメート等の非金属石けん系をあげることができる。これらのうち、安定性と摺動特性の面に優れたリチウム石けんが好ましい。特に、リチウム石けんの中でも12-ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウムをケン化反応させて得られるリチウムヒドロキシステアレートが好適である。これは、市販で容易に入手できるリチウムヒドロキシステアレートを潤滑油中に分散させたものより、付着性・潤滑性が優れ、これを満足することができる。
グリースとする場合の増ちょう剤量は、10〜20重量%の範囲がよい。グリースの硬さは、増ちょう剤量と関係があり、増ちょう剤量が多いほど固くて付着力の高いグリースが得られる。本発明者らの実験によれば、その最適硬さは、増ちょう剤量10〜30重量%の範囲にあり、好ましくは10〜20重量%の範囲にあることが見出された。10重量%未満では、摺動部からのグリース飛散が生じ、20重量%を超えるとグリースが硬すぎて商業生産可能なグリースを得ることができない。
更に、本発明のミシン用潤滑剤組成物には、上記成分の他、必要により酸化防止剤及び防錆剤等の通常添加される補助添加剤を配合することができる。酸化防止剤は1種又は2種以上を使用することができ、同様に防錆剤、その他の補助添加剤も1種又は2種以上を使用することができる。更に、補助添加剤として、酸化防止剤又は防錆剤等の1方又は両方を添加することができ、その他の補助添加剤の1又は2以上を添加することもできる。油溶性添加剤、酸化防止剤、防錆剤等の添加剤は、潤滑剤組成物が潤滑油である場合でも、グリースである場合でも1種類又は2種類以上を使用することができる。
酸化防止剤としては、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル-フェニル)メタンや下式で表されるヒンダードフェノール(CIBA社製IRGANOX109)などのフェノール系や、アルキルジフェニルアミン、フェニル-1-ナフチルアミン等の芳香族アミン系の連鎖反応停止型酸化防止剤や、硫化油脂、ベンジルサルファイド、ジアセチルサルファイド等の硫黄系の過酸化物分解型酸化防止剤や、N,N'-ジサリチリデン-1,2-ジアミノプロパン、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体等の金属不活性型酸化防止剤が使用できる。
Figure 2005194303
防錆剤としては、バリウムナフタレンスルフォネート等のスルフォネート系、N−アルキルトリメチレンジアミンジオレエート、脂肪族アミン−ナフテン酸縮合物等のアミン系、各種ナフテン酸塩、カルボン酸エステル、コハク酸イミド、コハク酸エステル等の防錆剤が使用できる。
金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体が代表的なものであるが、その他にイミダゾリン、ピリジン誘導体がある。これらは、少なくともN−C−N結合を有する化合物中に効果のあるものが多く、金属表面に不活性皮膜を作る作用と酸化防止作用を有する。これ以外では、N−C−S結合を有する化合物もあるが、基油への溶解性及び揮発性などから、ベンゾトリアゾール誘導体などが有効である。金属不活性剤の配合割合は、基油に対して0.03〜5重量%の範囲がよい。
分散剤としては、シランカップリング剤や高分子系分散剤が使用できる。好ましくは、高分子系分散剤であり、中でもポリオキシアルキレン基と酸無水物基を持つ分散剤が好適である。好適な市販品としては、例えば日本油脂社製マリアリムAKM−0531などが好適である。
本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、流動点降下剤、金属系清浄剤、油性剤、界面活性剤、消泡剤、摩擦調整剤、増ちょう剤などの他の添加剤を用途に応じて配合することができる。
前記のミシン用潤滑剤組成物を使用した本発明のミシン装置には格別な制限はないが、高速で針棒が上下運動する工業用ミシンに適する。また、ミシン装置にこの潤滑剤組成物が適用される部位にも制限はないが、針棒7(本発明における被支持部材)と軸受8(本発明における受面を構成する部材)の摺動部に適する。針棒7の摺動面と軸受8の受面との一方にはDLC皮膜が形成されている。その他、針棒7と軸受8との摺動部以外に適用してもよい。例えば、釜、天秤、上軸、下軸などに関する摺動部である。
本発明のミシン用潤滑剤組成物は、例えば上記のミシン用途に好適である他、ライナー、リニアガイドなどの各種摺動部やミシン内ギヤ駆動部にも使用できる。また、メッキやコーティングを施した全てのミシン摺動部にも適用可能である。
一般的に摺動特性を改善するためには、固体潤滑剤の併用、硬いグリース及び低粘度基油などの構成が容易に考えられる。しかし、一般的な固体潤滑剤は隙間への介入性が劣り、実際には役に立たない。また、単に硬いグリースでは塗布性が悪く、逆に塊状になり摺動部より脱落してしまう。使用する潤滑剤に関して詳細な規定を実施する必要がある。これらを解決する方法を見出した点において、本発明の意義は大きいといえる。そして、ミシン摺動部に本発明の潤滑剤組成物を用いることで、ミシン摺動部の耐久性を大幅に向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を明確にする。
基油としてDOSを用いて、表1に示すミシン用潤滑剤組成物を得た。実施例1〜4のミシン用潤滑剤及び比較例1〜5の潤滑剤について図1と類似した機構を有するミシン耐久試験機(主軸回転数:4000rpm、面圧:0.4N/mm2、試験時間:焼付き停止するまで)を用いて、耐久試験を実施した。潤滑剤の軸受部への注入量は約1ccとし、試験終了の規定は、主軸を回転させるモーターの電流値をモニタリングし、規定電流値以上の過電流が生じた場合は、モーターがoffとなるような回路を作成した。なお、潤滑剤の注入は初期のみとした。ミシン耐久試験の結果を、表2に示す。
なお、表1に示す実施例と比較例には、公知の酸化防止剤であるアルキルジフェニルアミンと金属不活性剤であるベンゾトリアゾール及び防錆剤であるコハク酸イミドを同一量添加している。また、表1において、配合量は重量%であり、残は潤滑剤組成物全体を100重量%としたときの残余を示す。
なお、実施例1〜4と比較例1〜5では、潤滑油を供給する目的で軸受部両端にフェルト材でできた市販のワシャを取り付けた。
使用した基油及び添加剤の略号を次に示す。
DOS:セバシン酸ジオクチル(HATCO社製:Hatcol3110)
MM:アクリル系高分子系分散剤(日本油脂製マリアリムAKM-0531)
α−Al:α−酸化アルミニウム(住友化学社製:スミコランダムAA-03;中心粒径0.32μm、純度>99.9%、最大粒径1μm以下)
BN:窒化ホウ素(三井化学社製:MBN-250)
Li-S:リチウム石鹸
ADA:アルキルジフェニルアミン
BTA:ベンゾトリアゾール
SI:コハク酸イミド
Zn:ジアルキルジチオリン酸亜鉛
Mo:ジチオカルバミン酸モリブデン
BO:ホウ酸カリウム
P:トリオクチルフォスフェート(液体)
S:硫化オレフィン(液体)
Figure 2005194303
Figure 2005194303
表2のミシン耐久試験結果から判るように、酸化アルミニウムを添加することで、耐久性を大きく向上させることができる。更に、油溶性添加剤を併用することで更に寿命を延長することができる。また、耐摩耗剤として知られる窒化ホウ素よりも長寿命であることが確認された。研磨剤と知られる酸化アルミニウムが、耐摩耗剤として利用でき、かつ耐久性を向上させる効果を見出した本発明の意義は大きい。酸化アルミニウムを添加しないものは、基準耐久時間を超過することができなかった。
ミシンの針棒摺動部の部分断面図
符号の説明
1 主軸
2 クランク
3 クランク軸
4 クランクレバー
5 針棒連結部
6 針棒支持部材
7 針棒
8 軸受部

Claims (10)

  1. 支持すべき被支持部材の摺動面と隙間を介して対向する受面の隙間に封入する基油と添加剤からなる潤滑剤組成物おいて、中心粒径が、100〜500nmの範囲にあり、その95%以上が10〜1000nmの範囲にある酸化アルミニウムを、基油に0.01〜10重量%配合したことを特徴とするミシン用潤滑剤組成物。
  2. 潤滑剤組成物が、潤滑油又はグリースであり、油溶性添加剤を0.1〜15重量%配合した請求項1記載のミシン用潤滑剤組成物。
  3. 潤滑剤組成物が、グリースであり、増ちょう剤量が10〜20重量%である請求項1又は2記載のミシン用潤滑剤組成物。
  4. 油溶性添加剤が、有機金属化合物、ホウ素化合物、リン化合物、硫黄化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物である請求項2又は3に記載のミシン用潤滑剤組成物。
  5. 基油に酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、分散剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の補助添加剤を配合してなる請求項1から4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  6. 基油が、炭化水素系の基油であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  7. 酸化アルミニウムが、α-アルミナである請求項1〜6のいずれかに記載のミシン用潤滑剤組成物。
  8. 酸化アルミニウムを、基油に0.05〜1重量%配合したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のミシン用潤滑剤組成物。
  9. 前記摺動面と前記受面の一方がDLC(ダイヤモンドライクカーボン)被膜を有し、それらの隙間に用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のミシン用潤滑剤組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のミシン用潤滑剤組成物を使用したことを特徴とするミシン装置。
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