JP2005187503A - 土木用添加剤及びそれを用いた安定液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベントナイトと、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を用いた土木用添加剤、及びこの土木用添加剤を用いて作液した安定剤。
【選択図】 なし
Description
しかし、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルアミド共重合物及びポリアクリル酸ナトリウム等のポリマーは、安定液のイールド値及びゲル値を上昇させる機能に欠けるため、必要以上にポリマーが添加されると、見かけ粘性が上昇し、ポンプ移送などに支障が生じる。また海水、セメントの塩汚染に弱く、凝集、遊離水の発生が生じ、掘削作業に支障をきたす。
しかし、近年、推進・シールド掘削距離が長距離化するに伴い、前述したポリマー類を使用した高粘性流体では、圧送時のポンプ圧が高くなりすぎて、加泥剤の長距離圧送が難しくなるという問題が生じている。
また、推進・シールド工事の長距離化に対処するために、ベントナイト懸濁液と水ガラスを別々に挿入し、これらをシールド掘削機チャンバー内で混合し増粘させる方法も一部行なわれているが、加泥剤のpHが高くなり危険である等の問題がある。
変性グアガムとしては、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、又はカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムの少くとも1種を使用すると、その少量をベントナイト粉末への混合するか、あるいは安定液へ添加することによって、非常にイールド値及びゲル値の高い流体を得ることができる。
なお、本発明の効果を損なわない場合は、カルボシメチル化、及び/又は、ヒドロキシプロピル化を行う前後に任意の別の加工、例えば、低粘度化、エステル化、エーテル化
、グラフト化、架橋等を行ってもよい。
ベントナイト懸濁液に添加する場合は、溶液又は粉末の何れの形態を取ってもよい。
例えば水道水100重量部にベントナイト0.5〜15.0重量部を添加したベントナイト懸濁液に、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、又はカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムを0.03〜7.0重量部好ましくは、0.05〜3.0重量部の範囲になるように添加する。
カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、又はカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムの添加量は、ベントナイトの添加量及び希望する安定液の粘性によって異なるが、上記ベントナイトの配合量の場合、0.03重量部以下では、所定の粘性を得ることが難しく、また、7.0重量部以上では、粘性が高すぎて混合攪拌できなくなる。
上記粉末状の土木用添加剤は、水100重量部に1.0〜15.0重量部混合して安定液とする。
上記の市販のポリマーの少なくとも1種類以上を混合して用いる場合、その混合比率は、任意の比率で良い。好ましくは、変性グアガム:市販のポリマー=2:1〜1:2の範囲が最も好ましい、市販のポリマーが前述した1:2より多い範囲で用いた場合は、変性グアガムを使用した時の安定液の特徴である高イールド値及び高ゲル値が得られない。
使用するベントナイトは、VGメータ回転粘度計測定による見かけ粘性値(AV値)15cp以上を得るために必要な添加量が、13.0(重量部/水100重量部)以下であるか、あるいは、コロイド滴定によるコロイド荷電量が、40.0(meq/100g)以上で有るかの何れかの条件を満たしていればよい。好ましくは、ワイオミング産ベントナイトのように15cp以上となるために必要な添加量が7.0(重量部/水100重量部)、コロイド荷電量が69.0(meq/100g)の高膨潤性ベントナイトを使用することが最も適している。
カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、又はカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムをワイオミングベントナイト懸濁液に添加し、従来品(市販品ガム又はCMCを添加)との耐塩性比較試験を実施した。結果を表−1に示す。
「使用した加泥剤及び添加量」
水道水 ; 100重量部
ワイオミングベントナイト;スーパークレイ((株)ホージュン) 3重量部
カルボキシメチル化グアガムA;置換度0.01 0.2重量部
カルボキシメチル化グアガムB;置換度0.11 0.06〜0.2重量部
カルボキシメチル化グアガムC;置換度0.90 0.2重量部
ヒドロキシプロピル化グアガムA;置換度0.1 0.2重量部
ヒドロキシプロピル化グアガムB;置換度0.3 0.2重量部
カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムA
;CM化置換度0.02、HP化置換度0.11 0.2重量部
カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムB
;CM化置換度0.12、HP化置換度0.15 0.2重量部
カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムC
;CM化置換度0.90、HP化置換度0.48 0.2重量部
カルボキシメチル化グアガムB 0.1重量部及び
ヒドロキシプロピル化グアガムB 0.1重量部
カルボキシメチル化グアガムB 0.1重量部及び
ヒドロキシプロピル化グアガムB 0.1重量部及び
カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガム 0.1重量部
市販品グアガム(高粘性タイプ) ;レスター(テルナイト製) 0.06重量部
CMC;A−200(日本製紙ケミカル(株)) 0.4重量部
「測定方法」
(1) 水道水100重量部にベントナイト3重量部を添加し、ミキサーで10分間攪拌混合する。
(2) 攪拌後、各種の加泥剤を上記の配合にもとづいて添加し、さらに10分攪拌し、VGメータ及びB型粘度計(No3のロータ、60rpm)を用いて、粘性を測定した。
(3) 粘性測定後、API脱水試験機を用いて、脱水量を測定した。
表に示す結果からも分かるように、本発明の加泥剤は、市販のグアガムと比較して、ほぼ同量の添加量で、高い安定液のYV値、GEL値が得られ、砂礫層などの粘性の必要な場合に非常に有効な加泥剤となる。また、市販のCMCと比較しても、少ない添加量で、高いYV値、GEL値が得られる。
カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、又はカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムをワイオミングベントナイトに混合した一体型の加泥剤を作り、従来品との流動性及び耐塩性に関する比較試験を実施した。結果を表−2、3に示す。
「使用した加泥剤及び添加量」
ワイオミングベントナイト;スーパークレイ((株)ホージュン) 100重量部
カルボキシメチル化グアガムB;置換度0.11 1.0〜2.0重量部
ヒドロキシプロピル化グアガムB;置換度0.3 2.0重量部
カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムB
;CM化置換度0.12、HP化置換度0.15 1.0〜2.0重量部
市販のカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガム(製品名:ジャガー8600)
;CM化置換度0.10、HP化置換度0.39 1.25重量部
比較品−1;CMC A−200(日本製紙ケミカル社製品) 1.25重量部
比較品−2;高粘性タイプグアガム レスター(テルナイト社製品)1.25重量部
比較品−3;グアガム グアコールF30 1.25重量部
「測定方法」
(4) 水道水500重量部に上記配合によってベントナイトと各種のグアガムからなる4.0重量部の一体型加泥剤を添加し、ミキサーで10分間攪拌混合した。
(5) 攪拌後、VGメータ及びB型粘度計(No3のロータ、60rpm)を使用し、粘性を測定した。
(6) 粘性測定後、API脱水試験機を用いて、脱水量を測定した。(表−2参照)
(7) その後、3%NaCl溶液を30容量部添加し、10分攪拌後、同様に粘性及び脱水量を測定した。
(8) 測定後、100ml共栓付メスシリンダーに入れ、時間と遊離水の量を測定した。(表−3参照)
カルボキシメチル化グアガムと高粘性タイプCMCを任意の比率で混合し、ワイオミングベントナイトと併用した場合の安定液性状を測定した。結果を表−4、5に示す。
「使用した添加剤及び添加量」
ワイオミングベントナイト;スーパークレイ(株)ホージュン) 100重量部
カルボキシメチル化グアガムBと高粘性タイプCMCの混合比率; 1:5〜3:1
混合品の添加量 ; 1.0〜2.0重量部
混合品の組成
カルボキシメチル化グアガムB; 1.75〜0.3重量部
高粘性タイプCMC−A ;ダイセル化学社製品(CMC1390)
0.25〜1.7重量部
高粘性タイプCMC−B ;日本製紙社製品(CMC1400MC)
0.75〜1.0重量部
市販品 ;クニミネ鉱業社製品(商品名:クニゲルGS)
4.0重量部
「測定方法」
(1) 水道水500重量部に上記配合の加泥剤を添加し、ミキサーで10分間攪拌混合した。
(2) 攪拌後、VGメータ及びB型粘度計(No3のロータ、60rpm)を使用し、粘性を測定した。
(3) 粘性測定後、API脱水試験機を用いて、脱水量を測定した。(表−4参照)
(4) その後、人工海水を30%添加し、10分攪拌後、同様に粘性及び脱水量を測定した。(表−5参照)
(5) 測定後、100ml共栓付メスシリンダーに入れ、時間と遊離水の量を測定した。
カルボキシメチル化グアガム(以下、CMGともいう)溶液とベントナイト懸濁液を混合する2ショット型加泥剤において、以下に示す配合組成の2液を任意の比率で混合した時のB型粘度計(ロータNo.2〜No.4)による粘性測定を実施した。
「試験手順」
(1) あらかじめ、5、7、9%濃度のスーパークレイ懸濁液と1%CMG溶液を作液した。
(2) 表−6〜8に示す混合比率で両溶液を混合し、5分間攪拌した。
(3) 攪拌後VGメータ及びB型粘度計にて粘性を測定した。B型粘性測定には、ロータNo3及び4を使用し、回転数は、60rpm、3rpmを採用した。粘性が高い場合は、ロータを変えて回転数を同じ条件で測定した。
(4) 必要に応じpH,脱水を測定した。
「使用した添加剤及び添加量」
水道水 ; 100重量部
ワイオミングベントナイト;スーパークレイ((株)ホージュン)
5〜9重量部
1%CMG(溶液カルボキシメチル化グアガムB;置換度0.11の1%の溶液); 1.0重量部
スーパークレイ濃度7%以上で1%CMG溶液とベントナイト懸濁液の混合比率1:3以上で、スライム状の硬いスラリーが得られる。(表−7,表−8参照)
これらの結果より、両液を混合する2ショット型加泥剤は、その混合比率を調整することにより高いシャーシニング性を有する高粘性流体を得られるばかりでなく、スライム状の硬いスラリーを得ることができることより、砂礫層地盤にも有効な加泥剤となることが明らかである。
Claims (10)
- ベントナイトと、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を含むことを特徴とする土木用添加剤。
- ベントナイトと、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を含む土木用添加剤を用いて作液したことを特徴とする安定液。
- カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルアミド共重合物、及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1種を混合してなる請求項1に記載の土木用添加剤。
- ベントナイト懸濁液からなる第一液と、カルボキシルメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を含む水溶液からなる第二液を、シールド掘削機チャンバー内で混合することを特徴とする2ショット型推進掘削及び泥土圧シールド掘削用安定液。
- ベントナイト100重量部に、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を0.5〜10.0重量部混合することを特徴とする請求項1又は3に記載の土木用添加剤。
- 水100重量部にベントナイト0.5〜15.0重量部を添加して得られるベントナイト懸濁液に、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を0.03〜7.0重量部添加することを特徴とする請求項2又は4に記載の安定液。
- 水100重量部にベントナイト0.5〜15.0重量部を添加して得られるベントナイト懸濁液に、カルボキシルメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を0.05〜3.0重量部で添加することを特徴とする請求項2又は4に記載の安定液。
- 水100重量部にベントナイト3〜12重量部を添加して得られるベントナイト懸濁液からなる第一液と、カルボキシメチル化グアガム、ヒドロキシプロピル化グアガム、及びカルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムから選ばれた少くとも1種を0.5〜5.0重量部添加して得られる水溶液からなる第二液を、シールド掘削機チャンバー内で混合することを特徴とする2ショット型推進掘削及び泥土圧シールド掘削用の安定液。
- カルボキシメチル化グアガムの置換度が0.01から1.0の範囲であり、ヒドロキシプロピル化グアガムの置換度が0.1から0.5の範囲であり、カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムの置換度が、カルボキシメチル化は0.01から1.0、ヒドロキシプロピル化は0.01から0.5の範囲であることを特徴とする請求項1,3及び5のいずれかに記載の土木用添加剤。
- カルボキシメチル化グアガムの置換度が0.01から1.0の範囲であり、ヒドロキシプロピル化グアガムの置換度が0.1から0.5の範囲であり、カルボキシメチル化ヒドロキシプロピル化グアガムの置換度が、カルボキシメチル化は0.01から1.0、ヒドロキシプロピル化は0.01から0.5の範囲であることを特徴とする請求項2,4,6,7及び8のいずれかに記載の安定液。
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