以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図33は、本発明の一実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤2上に球を打ち出す遊技を実行する遊技機本体1と、これに付設され有価価値カードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)bから成る。
先ず、遊技機本体1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機本体1とカードユニットbを示す正面図である。遊技機本体1は、遊技機の特別遊技状態を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422と、額縁状に形成され正面のガラスを固定するガラス枠11と、該ガラス枠11の後方にガラス枠11の開放を検出するためのガラス枠開放検出スイッチ132と、遊技者によって発射された球が移動しゲームを進行させるための部品が取り付けられている遊技盤2が着脱自在に取り付けられている。
ガラス枠11の下部表面には、貸出球や払出球を貯留する上受け皿3と、該上受け皿3から溢れた球を貯留する下受け皿4と、前記上受け皿3に貯留した球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、前記下受け皿4に貯留した球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技者が打球操作するためのハンドル5とが設けられている。また、ハンドル5には、球の発射を停止するための発射停止スイッチ652が設けられている。
また、遊技者が所定操作を行うための外部入力手段として、押ボタン式の外部入力スイッチ1315が上受け皿3の縁に設けられている。この外部入力スイッチ1315の押し下げ操作により、後述する可変表示装置310の画面に所定の履歴表示領域1400(図27参照)やキャラクタ紹介領域1500(図28参照)を出現させることができるようになっている。なお、下受け皿4の傍らには、喫煙者用の灰皿6も設けられている。
さらに、カードユニットbの操作を遊技者が行うための装置として、有価価値カードの残余度数を表示し確認するための度数表示部12と、球の貸出指示を行うための貸出ボタン9と、有価価値カードの返却指示を行うための返却ボタン10が上受け皿3の近傍に設けられ、それらの出力端子は遊技機背面の操作パネル基板aにそれぞれ接続されている。
図2は、遊技機本体1とカードユニットbを示す背面図である。遊技機本体1の背面には各種機能別の制御基板と部品等が配設されている。ここで制御基板として、遊技全体の動作を管理し制御する主基板100と、該主基板100からの指示情報をパラレル通信により受信し賞球の払出動作、およびカードユニット接続基板900とカードユニット通信を行うことにより貸球動作の制御を行う払出制御基板200が設けられている。
さらに制御基板として、球の発射を制御する発射制御基板600と、該発射制御基板600によって制御される発射モータ653と各基板に所定の電力を供給する電源基板700と、主基板100からの賞球情報が入力され、払出制御基板200からの球貸情報が入力され、かつ外部機器と接続し枠用外部情報(賞球信号、球貸し信号、球切れ信号)を出力するための枠用外部端子板800と、カードユニットbと接続するためのカードユニット接続基板900も設けられている。
また、保護カバー93内には、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500等が遊技盤2の背面側に取り付けられるようにして設けられている。それぞれの制御基板は専用のケースに納められ、外部からのゴミや他の設備機器からのこぼれ球、さらには静電気、電気ノイズからも保護されるように設定されている。中でも主基板100のケースは、専用のネジを使用し所定の回数だけ開閉できる構造となっている。
次に、パチンコ球補給装置から受ける球の流路について説明する。
図2において、パチンコ球補給装置(図示せず)から補給された球は、遊技機上部のタンクユニット90に貯留され、賞球の払出および貸球動作が行われる度に、球はシュートユニット91、払出ユニット92を通過し上受け皿3へ送出される。
タンクユニット90は、パチンコ球補給装置から補給される球を貯留するものであり、該タンクユニット90の底面には、賞球タンク球有無スイッチ801と球ならし94が設けられている。賞球タンク球有無スイッチ801は、タンクユニット90に貯留される球の有無を検出するスイッチであり、貯留する球の重みによってスイッチが入力され、その検出信号は枠用外部端子板800を経由し外部へ出力される。
球ならし94は、シュートユニット91のレーンを流れる球が球圧により隆起しないように球を均すためのものである。タンクユニット90の底面は傾斜しており、シュートユニット91と接合する部分に球が集合し落下する構造になっている。シュートユニット91は、前記タンクユニット90から流下してくる球を2つのレーンに分けて整列させる。球が払出ユニット92に向かう途中では、前記球ならし94によって球圧による隆起が押さえられるが、さらに球ならし95によってより効果的に球を均すようにして、払出ユニット92へ送り込むように設定されている。
また、シュートユニット91の球通路上には、シュート球切れスイッチ131が設けられている。シュート球切れスイッチ131は、払出ユニット92までの球の有無を検出するスイッチであり、その検出信号は主基板100に入力され球の有無が監視される。このスイッチ131は、前記賞球タンク球有無スイッチ801と用途は類似するが、主基板100との接続有無が大きな違いとなる。
払出ユニット92は、前記上受け皿3までの球通路を形成すると共に、球通路上に、球を送り出すための払出モータ222と、球の流れ(落下)を抑制する払出停止ソレノイド223と、貸出球と払出球の経路を切り換える経路切換ソレノイド224と、払出球を検出するための賞球検出スイッチ130と、貸出球を検出するための球貸し検出スイッチ220等が設けられている。
前記払出モータ222と払出停止ソレノイド223は、前記払出制御基板200と接続され制御される。主基板100から払出制御基板200に所定の球の払出要求があると、払出制御基板200は、前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を払出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
また、遊技者の操作により、カードユニットbからカードユニット接続基板900を介して、払出制御基板200に所定の球の貸出要求信号が入力されると、払出制御基板200は前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を貸出球側へ設定し、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
また、要求の内容によって球経路を可変としているのは、賞球検出スイッチ130と前記球貸し検出スイッチ220によって、それぞれ所定の球数のカウントを分けて確実に計数するためである。さらに、賞球検出スイッチ130は主基板100に接続され、払出制御基板200と同様に所定の球数のカウントを行い、より正確に払出が行われたことを確認できるようにしている。
前記上受け皿3からの溢れ球が下受け皿4へ流下するように形成された球通路上には、オーバーフロースイッチ133が設けられている。前記下受け皿4に貯留した球が一杯になり、該オーバーフロースイッチ133の設置位置まで球が達すると、その貯留した球の球圧によってスイッチが入力され、その検出信号は主基板100へ入力される。主基板100は前記オーバーフロースイッチ133の入力を検出すると、払出制御基板200に対して球の払い出しを停止するように指示情報を出力する。
図3は、遊技盤2を示す正面図である。遊技盤2の正面には、発射された球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、遊技領域17に導かれた遊技球の流れに変化を与えるための釘や風車(図示省略)と、各入賞口と、画像の可変表示による可変表示遊技を実行可能な可変表示装置310と、普通図柄ゲームを行う普通図柄表示装置140等が設けられている。なお、可変表示装置310に可変表示される識別情報は「特別図柄」、普通図柄表示装置140に可変表示される識別情報は「普通図柄」と称される場合もある。
また、遊技盤2の最下部には、遊技球が遊技領域17内の各入賞口の何れにも入らず落下した場合に、その落下球を遊技機外に排出するためのアウト口29が設けられている。アウト口29に球が入った場合には、遊技者に何らの特典も与えられず、賞球の払い出しも行われない。
さらに、装飾ランプとして、前記可変表示装置310における可変表示遊技が未だ実行されずに保留されている回数である保留数を遊技者に報知するための装飾表示装置430、普通図柄表示装置140における普通図柄ゲームが未だ実行されずに保留されている回数である保留数(最大数は4個)を遊技者に報知するための普通図柄保留LED421、サイドケースランプ423、遊技枠状態LED424、センターLED425、ゲートLED426、アタッカーLED427、サイドLED428等が設けられている。
前記入賞口には、始動口21、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24がある。遊技球が各入賞口に入賞すると、各入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される毎に各入賞口に割り当てられた所定の賞球が払い出される。
このうち始動口21は、可変表示装置310で実行される可変表示遊技の実行権を獲得するための入賞口であり、また、大入賞口24は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を生成するものである。なお、可変表示装置310や大入賞口24等の主要な構成要素について詳しくは後述する。
図4は、遊技盤2を示す背面図である。遊技盤2の背面には、既に図2で示したものと同様に、各種の制御基板やその関連部品等が組み付けられている。制御基板としては、可変表示装置310の制御を行う表示器制御基板300、前記装飾ランプの制御を行うランプ制御基板400、音声の制御を行う音声制御基板500、外部機器と接続し盤用外部情報(大当たり1信号、大当たり2信号、図柄停止回数信号)を出力するための盤用外部端子板850等が設けられている。
各入賞口の入賞球を検出するためのスイッチとして、始動口スイッチ121、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が各入賞口付近に設置されている。また、大入賞口24付近には、役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125が設けられている。各入賞口のスイッチは、それぞれの入賞口付近に設けられているが、入賞球が遊技機外に排出されるまでの通路上に配置することもできる。
各入賞口に球が入賞すると、各入賞口スイッチにより検知され、検知される度に、各入賞口毎に割り当てられた次の所定の賞球の払出が行われる。始動口21には5発、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bには8発、大入賞口24(役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125による入賞球の検出に対して)には15発と割り当てられている。賞球数の割り当ては入賞口毎に固定化しているが、遊技機本体1の機種の仕様に応じて任意に変更することもできる。
また、普通図柄表示装置140を作動させるための球を検出するスイッチとして、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aと左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが遊技盤2上の所定の位置に設けられており、それぞれ遊技領域17内を移動する球の通過を検出する。これら左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bは通過口として設けられている。
役物を可変動作させる関連装置には、大入賞口24の扉を開閉させるための大入賞口ソレノイド134、大入賞口24に入賞した球の流れを前記役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125の何れかの方向に切り換えるための方向切換ソレノイド135、普通電動役物である始動口21を拡縮動作するための普通電動役物ソレノイド136が設けられている。
次に、遊技盤2上の主要な構成要素についてさらに詳細に説明する。
前記始動口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、その入賞口の左右両端に一対の可動片から成る条件変更手段を備え、普通電動役物ソレノイド136(図4参照)から成る駆動源で各可動片を開閉させるようになっている。始動口21は、各可動片の開閉動作により、球が入賞し難い通常の閉状態と入賞し易い開状態に変化する、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。
始動口21に球が入賞することが、次述する可変表示装置310で可変表示遊技が実行されるための始動条件として設定されている。図5,図6に示すように、始動口21は、球の入賞を検知する始動口スイッチ121を内部に備えている。始動口スイッチ121は、入賞球を検知してONになると、その検知信号を主基板100に出力するものである。始動口スイッチ121は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すればよい。
図13に示すように、前記可変表示装置310は、その画面中に複数に分割された表示領域311〜313を備え、この複数の表示領域311〜313の各々に画像として、可変表示遊技の表示結果に係る識別情報、および可変表示遊技の演出表示に係る演出画像が表示されることで、可変表示遊技が実行されるものである。複数の表示領域311〜313は互いに分離されており、隣り合う各表示領域同士の間は、画像が表示されない非表示領域314として表示されている。このような可変表示装置310は、具体的には液晶ユニットにより構成されているが、有機ELやCRT表示器等を採用することも可能である。
前記始動口21に球が入賞し、前記始動口スイッチ121により入賞球が検出されると、可変表示装置310における可変表示遊技の実行権が獲得され、かかる実行権に基づき可変表示遊技が実行される。また、可変表示遊技の実行中、あるいは後述する特別遊技状態の発生中に、始動口21に球が入賞した場合には、可変表示遊技の実行権を獲得するが保留とされて、現在進行中の可変表示遊技等が終了した後、保留されていた実行権が順次消化されて可変表示遊技が実行される。ここで保留されている実行権の数である保留数は、予め定められた上限値4個以内で後述する装飾表示装置430により表示される。
可変表示遊技における通常の表示態様では、図15に示すように、可変表示装置310の画面中で横3列に並ぶ各表示領域311〜313毎に、それぞれ可変表示遊技の表示結果に係る複数種類の識別情報がスクロールするように可変表示される。ここで識別情報には、例えば「0」〜「9」の数字が採用されているが、数字のような単純な図柄に限定されるものではなく、他にキャラクタを模したものや、様々な文字、図形、若しくは記号、またはこれらの組み合わせを採用してもよい。また、図15中では図示省略したが、可変表示遊技の演出表示に係る演出画像として、前記識別情報の背景画像や、前記識別情報とは別にキャラクタ等も併せて可変表示可能になっている。
可変表示遊技における通常の表示態様では、開始から所定時間が経過すると、任意の順番で各表示領域311〜313毎に1つずつ任意の識別情報が停止するように設定されている。各表示領域311〜313は、スロットマシンにおける1つのリールを模しており、全体としてスロットマシンにおける図柄合わせゲームに見立てた可変表示遊技が展開される。
可変表示遊技の表示結果として、各表示領域311〜313に停止した識別情報が、予め定めた所定の組み合わせ(例えば「7,7,7」等と3つとも全て同一に揃った状態等)となった状態が、大当たりに相当する「特定表示態様」と定められている(図15(4)参照)。
また、前記特定表示態様が停止する前に、最後の表示領域313を1つ除いた左右2つの表示領域311,312に、先に停止した2つの識別情報が同一に揃った状態が、「リーチ態様」に該当する(図15(3)参照)。かかるリーチ態様には複数種類が用意されており、詳しくは後述するが各リーチ態様毎に、それぞれの背景画像および各リーチ態様を経て停止する識別情報の可変表示の内容が異なるように設定されている。
可変表示遊技の表示結果が、前記特定表示態様(以下「大当たり」とも称する)に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生し得るように設定されている。なお、前記可変表示遊技の表示結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は、外れ表示態様(以下「外れ」とも称する。)に該当する。
可変表示遊技の表示結果が、前記特定表示態様のうち所定の確変図柄(例えば「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の何れか)で揃うと、いわゆる確変大当たりに相当する特別遊技状態が発生する。確変大当たりが発生すると、その特別遊技状態が終了した後の次回の特別遊技状態となるまでの確率が高くなる。このように、通常時に比べて特別遊技状態が発生する確率が向上された遊技状態を、確率変動状態(または「確変モード」)という。
また、可変表示遊技の開始から終了に至る表示過程には、様々な演出のパターンが用意されている。本実施の形態では特に、前記リーチ態様が導出された後、実際に特定表示態様が停止確定するまでのパターンとして、1回目の仮停止後に特定表示態様が停止確定する第1演出と、2回目の仮停止後に特定表示態様が停止確定する第2演出とが用意されている。
前記第1演出は、図15に示すように、前記リーチ態様が導出された後、特定表示態様をなす識別情報の組み合わせとなるが、この組み合わせが直ぐに確定せずに、いったん仮停止ないし再変動が行われてから、特定表示態様に停止確定する演出である。詳しくは後述するが、仮停止ないし再変動により、最終的に確定する識別情報の組み合わせが、通常の大当たりとなるか確変大当たりとなるかの再抽選の様子を演出することで、遊技者の期待感を盛り上げることになる。
前記第2演出は、図16に示すように、前記リーチ態様が導出された後に仮停止ないし再変動が行われるまでは、前記第1演出と共通するが、その後さらに2回目の仮停止ないし再変動が行われてから、特定表示態様に停止確定する第2演出である。詳しくは後述するが第2演出は、1回目の仮停止ないし再変動を経て停止(実際には2回目に仮停止)した特定表示態様に基づき、特別遊技状態が発生してこれが終了した後、特定表示態様をなしていた識別情報の組み合わせが、最後にまた再変動して確変図柄に昇格するように停止確定する、いわゆる「エンディング昇格」と呼ばれる演出等が該当する。
さらに、可変表示装置の画面には、前記可変表示遊技の実行とは別に、図27に示すように、特定表示態様が既に停止したことを示す大当たり履歴情報を含む履歴表示領域1400を出現させたり、この履歴表示領域1400とはまた別に、図28〜図31に示すように、前記各リーチ態様毎に登場するキャラクタを紹介するためのキャラクタ情報を含むキャラクタ紹介領域1500を出現させることができるように設定されている。これらの履歴表示領域1400やキャラクタ紹介領域1500についても、詳しくは後述する。
前記装飾表示装置430は、可変表示遊技の保留数を遊技者が認識できる態様で表示可能なものであり、遊技領域17のうち遊技球が通過可能な球通過領域に、該球通過領域上の空間の一部を占める状態で配設されている。本実施の形態では、装飾表示装置430は、前記可変表示装置310のセンターケース右側に一体に組み付けられており、遊技領域17の右側略半分を殆ど覆う大きさおよび形状に成形されている。
装飾表示装置430は、図13に示すように、薔薇の花をモチーフにした複数の表示ユニットに分割されている。本実施の形態では、大きな薔薇の花を模した4個の大表示ユニット431a〜431dと、小さな薔薇の花を模した同じく4個の小表示ユニット432a〜432dとの合計8個の表示ユニットに分割されている。
このうち、最上部に並ぶ2つの大表示ユニット431a,431bは、一のブロックとしてまとめて配置され、その下方で縦方向に並ぶ2つの大表示ユニット431c,431d、および4つの小表示ユニット432a〜432dは、別のブロックとしてまとめて配置されている。ここで各ブロックをなす個々の表示ユニットは、それぞれ遊技領域17の表面より出っ張り、球通過領域上の空間の一部を占めることで球が通過できない状態に配設されているが、各ブロック同士の間は、遊技球の直径分より広く空けられており、遊技球が通過可能な球通路として構成されている。
各ブロック同士の間の球通路に沿って、薔薇の柄を模した装飾部材433が配され、この装飾部材433により、各ブロックの上側の大表示ユニット431a,431bと、下側の大表示ユニット431c,431dとは一体に連結されている。ここで装飾部材433は、薔薇の柄を模した平面的な薄板状に形成されており、遊技領域17の表面と略同一平面を成すように配設されているので、装飾部材433上に沿って遊技球が流下できるようになっている。
前記表示ユニットのうち、4個の大表示ユニット431a〜431dが、それぞれ前記保留数1つ分に相当して保留数を表示するように設定されている。このように本実施の形態では、分割された前記表示ユニットのうち、一部(小表示ユニット432a〜432dを除く、大表示ユニット431a〜431dのみ)で、前記保留数を表示するように設定したが、例えば、小表示ユニット432a〜432dも含めて、前記保留数を表示するように設定したり、あるいは、装飾表示装置430を、前記保留数を表示する大表示ユニット431a〜431dだけで構成するようにしてもよい。なお、装飾表示装置430で表示可能な前記保留数の上限値は、大表示ユニット431a〜431dの数と一致する4個となっている。
また、装飾表示装置430の分割された前記表示ユニットのうち、4個の小表示ユニット432a〜432dは、本実施の形態では保留球の表示に関するものではなく、保留に係る可変表示遊技の遊技結果に大当たりがある場合に、これに基づき大当たりである旨、すなわち可変表示遊技で特定表示態様が導出される予告演出を表示するように設定されている。ここで前述したように、小表示ユニット432a〜432dでも保留数を表示するように構成した場合には、前記予告演出に関する表示は省いたり、あるいは可変表示装置310で表示するように構成すればよい。なお、4個の小表示ユニット432a〜432dにおける予告演出に関する表示状態の詳細は後述する。
前記表示ユニットは、具体的には装飾カバーと発光体とから構成されている。すなわち、アクリル樹脂等の透光性材質により大薔薇や小薔薇を模して成形した装飾カバーの内部に、電球やLED等の発光体を内装して構成されている。もちろん、装飾表示装置430は、前記装飾部材433のように、装飾カバーや発光体以外の部材も含み得るものである。なお、複数に分割されている各表示ユニットは、互いに物理的に分離されている必要はなく、例えば全体的に一体成形されたものであっても、外観上分割されていると認識できるものであればよい。
装飾表示装置430を、主として装飾カバーと発光体とから構成したことにより、その点灯ないし点滅、あるいは消灯によって、互いに異なる表示状態を演出することができる。さらに、例えば複数色の電球や多色発光可能なLED等の発光体を備えることで、1つの表示ユニットにおいても、装飾カバーを透過する発光色を適宜変化させることができるように構成してもよい。なお、装飾表示装置430における保留球の表示を含む各種の表示状態は、保留数および保留に係る遊技結果のうち少なくとも一方に応じて制御されるが、その詳細については後述する。
前記大入賞口24は、一般にはアタッカーと称されるものであり、ソレノイド(大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135)等の駆動源の作動によって、その入賞口が球の入賞し難い通常の閉状態と入賞容易な開状態とに変化し得るように構成されている。大入賞口ソレノイド134は、前記特別遊技状態が成立した際に所定の回数(例えば15回)だけ大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。方向切換ソレノイド135は、大入賞口24の扉が開放された状態において、前記役物連続作動装置スイッチ124側に入賞球を導くように通路部具を作動させ、役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されると、次は前記カウントスイッチ125側に入賞球を導くように作動する。
すなわち、大入賞口24は、前記可変表示遊技の結果が特定表示態様となった際に、特別遊技状態を演出するように開閉制御される。ここで特別遊技状態とは、大入賞口24が開状態に所定時間維持された後、閉状態に短時間戻るという開閉動作が、所定ラウンド回数(例えば15回)を限度に繰り返し実行される状態である。所定の球数(例えば10個)が大入賞口24に入賞するか、または、所定の時間(例えば30秒)が経過すると、大入賞口24の扉は閉状態となる。そして、前記所定の回数だけ一連の動作が終了すると、前記特別遊技状態は終了となる。
また、大入賞口24の内部には特定領域が設けられており、この特定領域に前記各ラウンド毎に少なくとも1つの球が入賞し、該特定領域にある前記役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されることが、次ラウンドに移行するための継続条件となっている。すなわち、前記各ラウンド毎に役物連続作動装置スイッチ124によって球が検出されないと、前記特別遊技状態は途中で終了となる。
前記普通図柄表示装置140は、左右に分けたLED2灯の点灯によって可変表示を行う。このLED2灯以外の方法では、7セグメント表示器を使用する場合もある。左右に分けたLEDには、それぞれ「当たり」と「外れ」が割り当てられ、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bにより球の通過を検出すると、普通図柄表示装置140による普通図柄ゲームの実行権を獲得し普通図柄ゲームを行う。
普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置140の左右のLEDの交互点滅による可変表示が開始され、所定の時間可変表示を行い停止すると左右どちらか一方の点灯表示となり、遊技者は判定の結果を目視し確認することができる。判定の結果「当たり」となると、前記始動口21の各可動片が、球が入賞し難い通常の閉状態から入賞し易い開状態に一時的に作動する。
普通図柄表示装置140が可変表示中に、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bによって通過球の検出があった場合は、普通図柄ゲームの実行権を獲得するが保留とされ現在進行中の普通図柄ゲームが消化された後、保留にされた実行権が順次消化される。普通図柄ゲームの保留数は最大4個とし、前記普通図柄保留LED421によって報知される。
次に、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図5は、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図5には、制御基板として、主基板100、払出制御基板200、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500、発射制御基板600、電源基板700等が示されている。
ここで主基板100は、遊技機の制御をつかさどる制御基板であり、表示器制御基板300と、ランプ制御基板400と、音声制御基板500と、主基板100を含み全体としての制御手段であり、具体的には、保留球記憶手段、遊技結果記憶手段、遊技履歴記憶手段、時期判断手段を含む各種機能を実現する。
また、主基板100および表示器制御基板300は、可変表示装置310で可変表示遊技を行う表示制御手段をなし、リーチ態様導出手段、履歴表示制御手段、キャラクタ紹介制御手段を含む各種機能を実現する。また、主基板100およびランプ制御基板400は、装飾表示装置430を含む各種装飾ランプの表示制御を行う装飾表示制御手段をなしている。
保留球記憶手段は、前記始動口20に球が入賞する始動条件が成立しても未だ可変表示遊技が実行されていない回数を示す保留球を記憶する機能である。前述したように、可変表示遊技の実行中あるいは特別遊技状態の発生中に、始動口21に球が入賞した場合、保留球記憶手段は、1つずつ実行権を後述する主基板100のRAM104(図6参照)に記憶させるように設定されている。
遊技結果記憶手段は、前記始動条件の成立に基づいて可変表示遊技の遊技結果を予め決定し、該決定した遊技結果に関する情報を前記保留球の個々の実行権に対応させて記憶する機能である。ここで遊技結果に関する情報とは、特定表示態様に相当する大当たりや特定表示態様に相当しない外れ等が該当する。なお、遊技結果に関する情報は、前記実行権に対応させた状態で主基板100のRAM104にある所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
遊技履歴記憶手段は、前記特別遊技状態が発生した際に、その発生時期や今までの発生回数、前回から今回の特別遊技状態が発生するまでに要した可変表示遊技の回数(スタート回数)等の基本的な大当たり履歴情報の他、さらに前記第1演出および前記第2演出のうち、何れの演出を経た特定表示態様であるのかを遊技者が判別可能な演出判別情報を大当たり履歴情報として、前記特別遊技状態の発生毎に記憶する機能である。なお、大当たり履歴情報も、主基板100のRAM104にある所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
時期判断手段は、前記外部入力スイッチ1315を遊技者が押し下げ操作した際に、該外部入力スイッチ1315から出力される操作検知信号に基づき、前記可変表示装置310の画面に前記履歴表示領域1400や前記キャラクタ紹介領域1500を表示可能な時期であるか否かを判断する機能である。ここで前記履歴表示領域1400等を表示可能な時期とは、可変表示遊技の実行中でない時期等が該当する。
表示制御手段は、可変表示遊技310における可変表示遊技の実行、および前記履歴表示領域1400や前記キャラクタ紹介領域1500の出現に関する表示制御を行う機能である。リーチ態様導出手段は、可変表示遊技において前記特定表示態様に移行する可能性があるリーチ態様を所定確率で導出する機能である。
履歴表示制御手段は、可変表示装置310の画面に、前記特定表示態様が既に停止したことを示す大当たり履歴情報を含む履歴表示領域1400を出現させる機能である。履歴表示制御手段は、前記外部入力スイッチ1315を遊技者が押し下げ操作した際、前記時期判断手段により履歴表示領域1400を表示可能な時期であると判断された場合に、履歴表示領域1400を出現させる。この履歴表示領域1400には、大当たり履歴情報として、前記第1演出および前記第2演出のうち何れの演出を経た特定表示態様であるかを遊技者が判別可能な演出判別情報1401,1402とリーチ態様の組み合わせが、過去複数回前まで遡って表示される。
キャラクタ紹介制御手段は、可変表示装置310の画面に、前記各リーチ態様毎に登場するキャラクタを紹介するためのキャラクタ情報を含むキャラクタ紹介領域1500を出現させる機能である。キャラクタ紹介制御手段は、前記外部入力スイッチ1315を遊技者が押し下げ操作した際、前記時期判断手段によりキャラクタ紹介領域1500を表示可能な時期であると判断された場合に、キャラクタ紹介領域1500を出現させる。このキャラクタ紹介領域1500には、キャラクタ情報として、キャラクタに関する画像および説明が少なくとも表示される。
装飾表示制御手段は、前記保留数および保留に係る遊技結果のうち少なくとも一方に応じて、装飾表示装置430における保留球の表示を含む表示状態の制御を実行する機能である。ここで「保留数」とは、前述したように、未実行で保留されている可変表示遊技の実行権の有無やその数であり、前記保留球記憶手段により、主基板100のRAM104に記憶管理されているものが参照される。また、「保留に係る遊技結果」とは、保留されている可変表示遊技に関して予め決定された当たり外れ等の遊技結果が該当し、前記遊技結果記憶手段により、主基板100のRAM104に記憶管理されているものが参照される。
図6は、主基板100の詳細を示している。主基板100は、主基板100内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。またクロック回路108が生成したクロックを内部タイマー107で分周して得た一定時間間隔の割込み信号をCPU102に入力することで、一定時間毎に当該CPU102でタイマー割込み処理を実行する。CPU102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割込み毎に実行することで一連の動作を遂行する。
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ球の入賞を検知するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、ゲート回路110に供給される。
役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130b、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、ゲート回路111に供給される。
ゲート回路110、111のアドレスは、CPU102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU102が出力するアドレス信号およびライト/リードの制御信号を、CPU102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
このチップセレクト信号にてゲート回路110、111がセレクトされると、始動口スイッチ121等からの各入力信号がゲート回路を通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割込み信号によって、次の割込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域に記憶される。
始動口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定されたRAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。
その他、始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これらの値がRAM領域の各乱数値記憶領域に記憶され、このデータを基にして、遊技機本体1の遊技状態や遊技演出等が設定され、各制御基板に遊技状態や遊技演出等のデータが順次出力される。
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路112a〜112gに出力される。出力用のラッチ回路とCPU102とを結ぶデータバスの途中にバッファ114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動口スイッチ5個賞球RAM領域、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、役物連続作動装置スイッチ、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路112aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路112eに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路112a、ラッチ回路112eに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路112aに、割込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路112eにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板200に賞球データとして出力される。
賞球データを入力された払出制御基板200は、球排出機構を制御して、入力された賞球データに対応した数の賞球排出を行うものである。詳しくは後述する。排出した賞球の検出を、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行い、ゲート回路111に入力されCPU102に取り込まれ、賞球数を管理する。またその検出信号は払出制御基板200にも出力されている。
これらの検出信号に基づいて、実際に払い出した賞球総数がCPU102で演算処理され、その値がRAM領域の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また排出賞球数の設定数毎に出力信号がラッチ回路112fに出力され、アドレスデコード回路113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力され、枠用外部出力端子板800を介して管理用コンピュータ等に出力される。
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bの入力信号に対応した乱数値が格納されているRAM領域に乱数値が記憶されている場合は、各表示装置140、310の可変表示の開始直前に遊技演出の種類(制御パターン)が決定され、決定された制御パターンを演出に係わる各基板に送信すると共に、生成されたデータをRAM104の所定領域に記憶する。
また、表示器制御基板300へは、前記表示演出データに対応した各停止図柄等に関するデータが時系列に出力される。すなわち、CPU102から8ビット認識コード、表示状態演出8ビットデータが、データバスを通じてラッチ回路112bに順次出力されると、これらと同調するように表示器制御基板300への割り込み信号、各ストローブ信号の2ビット制御信号がラッチ回路112eへ出力される。
これらの信号は、メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113からデコードされて出力されるチップセレクト信号に基づくタイミングで、順次ラッチ回路にラッチされてパラレル出力され、時系列に各停止図柄等に関するデータや、変動停止データ等が表示演出データとして、表示器制御基板300に順次出力される。
表示演出データに同調して、8ビットパラレルランプ表示出力データと制御信号が、ランプ制御基板400にラッチ回路112cを通じて出力される。また、表示演出データに同調して、8ビットパラレル音源出力データと制御信号が音声制御基板500にラッチ回路112dを通じて出力される。すなわち、各データがデータバスに出力されるタイミングに同調してアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力され、ラッチ回路112c、112dにデータバス上のデータがラッチされて、ランプ制御基板400等に出力される。
遊技状態が特別遊技状態(大当たり)の場合、遊技状態演出データに同調して大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路112gに出力され、かつアドレスデコード回路113からのチップセレクト信号がラッチ回路112gに入力される。これによりラッチ回路112gから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力され、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態になって球を大入賞口24に誘導可能となる。
大入賞口24内部の特定領域に配置された役物連続作動装置スイッチ124が球を検知すると球検知信号が出力され、この信号がゲート回路111を介してデータバスに出力されCPU102に取り込まれる。役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づく検出処理の結果、方向切換ソレノイド135の制御データがラッチ回路112gに出力され、方向切換ソレノイド135が制動される。同時に役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づき、大当たり状態を次回のラウンドへ継続するか否かを示すラウンド継続データがRAM領域に記憶される。
方向切換ソレノイド135が制動されることにより、大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125で球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達するとラッチ回路112gの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135が非能動状態になり、1回の大当たりラウンドが終了する。所定時間後、ラウンド継続データがラウンドの継続を示している場合には、前述した制御方法により大当たり状態ラウンドがさらに継続する。
右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値が取得される。この乱数値に基づいて、普通図柄表示装置140(普通図柄LED1、普通図柄LED2)の表示制御データが生成され、これがCPU102からデータバスを通じてラッチ回路112gに出力される。そしてアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力される毎に普通図柄LED表示が一定時間行われる。
乱数値の取得結果が当たりの場合には、前記始動口21の各可動片を作動させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU102からラッチ回路112gに出力されると共に、アドレスデコード回路113からのチップセレクト信号に応じてラッチ回路112gから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、遊技盤2において球が始動口21に入賞し易い状態が発生する。
主基板100に電源が供給されると、電源基板700よりリセット信号が供給され主基板100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化すると、クロック同期・遅延回路109による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン101が稼動状態になり、主基板100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700から停電検出信号がワンチップマイコン101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)105に供給され、ワンチップマイコン101において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下することで、電源基板700からRAM104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給された時、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU102はI/Oポート106のデータを検出してRAM領域の初期化を行う。
シュート球切れスイッチ131で球切れを検出した信号、およびオーバーフロースイッチ133で遊技盤面の下受け皿4にて賞球の球詰まりを検出した信号は、ゲート回路111に入力され、データバスを通じてワンチップマイコン101に取り込まれる。これらの信号は、データ変換後、ラッチ回路112aから賞球出力データと同じ構成にて払出制御基板200へ出力される。該ラッチ回路112a〜112gの出力は、一方向であり、不可逆性の出力形態をとる。
次に、図7に示す払出制御基盤200について説明する。
払出制御基板200は、主基板100から受信のみの一方向通信を行い、8ビットパラレル賞球データ、賞球データ制御信号1、賞球データ制御信号2で構成された通信データを受信する。
賞球データ制御信号1が、ワンチップマイコン201のカウンタ回路202に入力されると、当該カウンタ回路202からCPU203に割り込み信号が出力される。これにより、賞球データ制御信号1は、CPU203に対して賞球データの取り込みをトリガーとする。
CPU203は、アドレスデコード回路213を通じてチップセレクト信号をゲート回路212、ゲート回路211に出力し、ゲート回路212、211に入力されている賞球データや各種の信号をゲート回路およびデータバスを介して取り込み、RAM205に保存する。そして、取り込んだ賞球データに対応する賞球数で順次、払出動作を行う。
CPU203は、賞球経路切換信号を、データバスを通じてラッチ回路215に出力し、これと同時にアドレスデコード回路213からチップセレクト信号を出力させる。これにより賞球経路切換信号が経路切換ソレノイド224に出力され、払出動作の賞球経路確保が行われる。その後、ラッチ回路214に払出停止ソレノイド信号の停止解除信号を出力し、払出モータ222に払出モータ制御信号1,2,3,4を順次出力し、チップセレクト信号の出力タイミングによりモータ回転の制御をしながら賞球払出動作を行う。
クロック回路209のクロックを基準に、内部タイマー208で一定時間間隔の割込み信号をCPU203に対して生成し、この割込みタイミングで賞球払出球の検出信号をデータバスに取り込み、所定の賞球数を検出した時、払出停止ソレノイド223、払出モータ222の駆動を停止する。なお、賞球払出球の検出は、球貸し経路に設置された右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行われ、これらの検出信号はゲート回路211にチップセレクト信号を出力することでデータバスに取り込まれる。
球貸し動作は、カードユニット(CR球貸機)bとの間で球貸し信号を、ゲート回路211、ラッチ回路215を通して送受信することにより行われる。球貸し動作時、CPU203はラッチ回路215を通して球貸し経路切換信号を経路切換ソレノイド224に出力して球貸し経路を確保し、球貸し経路に設置された右貸し球検出スイッチ220a、左貸し球検出スイッチ220bで貸し球の検出を行い、払出動作を行う。
球貸し動作において、一定数毎にラッチ回路215から外部へ情報出力される。また、球貸し信号の送受信が正常な状態において、ラッチ回路215から、発射制御基板600に対して発射許可信号が能動状態で出力される。また球貸し信号の送受信に異常が発生すると、発射許可信号は非能動状態に変化し、球発射不可能な状態になる。しかし、球貸し信号の送受信が正常な状態に復帰することで、発射可能となる。
その他、払出動作においては、主基板100から、賞球データにシュート球切れスイッチ131のシュート球切れ信号、および遊技機本体1の下受け皿4に設置されたオーバーフロースイッチ133のオーバーフロー信号が送信されると、払出制御基板200は払出動作を停止する。また、賞球データに各解除信号が送信されることにより払出動作を再開する。払出制御基板200に電源が供給されると、電源基板700よりシステムリセット信号が供給され、払出制御基板200の各デバイスはリセット状態になる。その後、リセット信号が非能動状態で、各デバイスは能動状態に遷移する。
クロック同期・遅延回路210の遅延処理により、ワンチップマイコン201へのリセット信号は、元のリセット信号が非能動状態に信号変化してから一定時間の経過後に非能動になる。こうして元のリセット信号が非能動状態になってから一定時間の経過後に、ワンチップマイコン201は稼動状態になり、払出制御基板200の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン201の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700からワンチップマイコン201のNMI(ノンマスカブルインターラプト)206に停電検出信号が供給され、ワンチップマイコン201において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM205の保護を行う。
電源電圧が低下した場合や遮断された場合は、電源基板700からRAM205にバックアップ電源としてDC5VBBが供給され、RAM205の記憶状態が保持される。再度電源供給がされた時、停電処理判定のデータの存在を認識することで、ワンチップマイコン201は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU203はI/Oポート106のデータを検出して、RAM領域の初期化を行う。
次に、図8に示す表示器制御基板300について説明する。
表示器制御基板300は、主に遊技盤2上に設置された可変表示装置310の制御を行う。表示器制御基板300は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを記憶している表示器制御ROM302と、所定の画像処理手順を読み取り実行する表示器制御CPU301を有している。
また、表示器制御基板300は、前記表示器制御CPU301によって画像処理手順を実行することで取得した情報を記憶するための表示器制御RAM303と、主基板100からの指示情報や表示器制御基板300内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース306と、表示器制御CPU301によって、入出力インターフェース306を介して制御指示情報を取得し、具体的な画像を生成する画像制御IC304を有している。
さらに表示器制御基板300は、画像制御IC304に管理され、多種多様な画像をデータ化し記憶している画像データROM305と、前記表示器制御CPU301が正常に動作し画像が表示されていることを確認するための信号を外部に出力するための試射試験信号端子307等を有している。ここで画像データROM305には、可変表示遊技における前記第1演出や前記第2演出を含む様々な演出パターンに関する固定データや、前記履歴表示領域1400や前記キャラクタ紹介領域1500に関する固定データ等が記憶されている。
表示器制御CPU301には、入出力インターフェース306を介して、主基板100からパラレル通信によって指示情報が入力される。表示器制御CPU301は、入力された指示情報の内容を、表示器制御ROM302に記憶されている画像処理手順に従って実行し、表示器制御RAM303に情報を整理して格納しながら、画像制御IC304へ具体的な指示を行う。
画像制御IC304は、表示器制御CPU301の指示に従い、画像データROM305を参照して、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図8のブロック図では、画像制御IC304が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶しておく領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC304の内部にVRAMを内蔵した画像制御IC304で構成している。この他、画像制御IC304の外部にVRAMを備えるようにしてもよい。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700から表示器制御CPU301に入力される。その後、表示器制御CPU301は、表示器制御ROM302に記憶されている画像制御手順に従って、表示器制御基板300内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図9に示すランプ制御基板400について説明する。
ランプ制御基板400は、遊技機本体1の前面や遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422、サイドケースランプ423、各種LED424〜428,421、それに装飾表示装置430の点灯ないし表示制御を行うものである。
ランプ制御基板400は、所定のランプ制御処理手順(プログラム)や制御データを記憶しているランプ制御ROM402と、所定のランプ制御処理手順を読み取り実行するランプ制御CPU401と、ランプ制御CPU401によってランプ制御処理手順を実行することで取得した情報を記憶するランプ制御RAM403と、主基板100からの指示情報やランプ制御基板400内の各制御回路等と入出力を行うための入出力インターフェース404と、ランプ制御CPU401によって入出力インターフェースを介してランプ制御基板400と接続している各ランプ・LEDの点灯信号を、駆動させるためのドライバー回路405等で構成されている。
ランプ制御CPU401には、入出力インターフェース404を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。ランプ制御CPU401は、入力された指示情報の内容をランプ制御ROM402に記憶されているランプ制御処理手順に従って実行し、ランプ制御RAM403に情報を整理して格納しながら、ドライバー回路405を動作させ、接続されている各ランプ・LEDの点灯・消灯を行う。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からランプ制御CPU401に入力される。そして、ランプ制御CPU401は、ランプ制御ROM402に記憶されている制御手順に従って、ランプ制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図10に示す音声制御基板500について説明する。
音声制御基板500は、遊技機本体1が遊技状態にある時、ゲーム演出による効果音や音声等の制御を行うものである。また、遊技状態でない場合は、遊技機本体1の異常状態を知らせるための警告音等の制御を行う。
音声制御基板500は、所定の音声処理手順(プログラム)や制御データを記憶している音声制御ROM502と、所定の音声制御手順を読み取り実行する音声制御CPU501と、音声制御CPU501により音声処理手順を実行して取得した情報を記憶する音声制御RAM503と、主基板100からの指示情報や音声制御基板500内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース506と、音声制御CPU501により入出力インターフェース506を介し制御指示情報を取得して、具体的な音声を生成する音声制御IC504と、音声制御IC504に管理され、多種多様な音声をデータ化し記憶している音声データROM505と、音声制御IC501から生成された音声信号を増幅するアンプ回路507から構成される。
音声制御CPU501は、入出力インターフェース506を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。音声制御CPU501は、入力された指示情報の内容を音声制御ROM502に記憶されている音声制御手順に従って実行し、音声制御RAM503に情報を整理して格納しながら、音声制御IC504へ具体的な指示を行う。
音声制御IC504は、音声制御CPU501の指示に従い、音声データROM505を参照し、具体的な音声の信号を生成しアンプ回路507へ出力する。電源基板700からのリセット信号は、パチンコ機に電源が投入されると、該電源基板700から音声制御CPU501に入力され、音声制御CPU501は音声制御ROM503に記憶されている音声制御手順に従い、音声制御基板500内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図11に示す発射制御基板600について説明する。
発射制御基板600は、発射モータ653に使用されているパルスモータの回転数を、所定の回転数にするためのパルスを生成する回路である発振回路601と、分周回路602と、ハンドル部650内のタッチセンサ651からの信号、発射停止スイッチ652からの信号、電源基板700からのリセット信号、そして前記払出制御基板200からの発射許可信号を判断し、発射モータ駆動信号を生成するモータ駆動信号制御回路603と、発射モータ653の各コイルに励磁させるためのドライバー回路604等から構成されている。
前記ハンドル部650は、遊技者がハンドル5に触れているか否かを検出するタッチセンサ651、遊技者が任意に球の発射を停止できるようにする発射停止スイッチ652、球を発射させるための発射モータ653等で構成されている。電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からモータ駆動信号制御回路603へ入力され、発射制御基板600の各回路を初期化する。
ハンドル部650内のタッチセンサ651は、遊技者がハンドル5に触れている状態か触れていない状態かを検出し、検出した信号をモータ駆動信号制御回路603に出力し、モータ駆動信号制御回路603は、検出信号に基づいて発射制御を行う。遊技者がハンドル5に触れている状態の時は、球の発射が可能となり、触れていない時は、球の発射が不可能となるよう制御する。
発射停止スイッチ652は、遊技者が任意に球の発射を停止することができるように設けたスイッチであり、発射停止スイッチ信号は、モータ駆動信号制御回路603に入力され、モータ駆動信号制御回路603は、発射停止スイッチ信号に基づいて発射制御を行う。遊技者が発射停止スイッチ652を操作した場合、発射不可能となり、操作がない場合は、発射可能となる。
また、発射停止スイッチ652は、遊技者から何ら発射停止スイッチ652に対し操作がなく、ハンドル5を回転させた状態にない場合には、発射停止スイッチ652から入力がされた状態と同じ信号を出力する。すなわち、ハンドル5内部の構造上、ハンドル5の操作がない場合では、発射停止スイッチ652からの信号が入力されている状態となる。つまり、前述したタッチセンサ651が遊技者がハンドル5に触れていることを検出せず、かつハンドル5の操作がない場合は、遊技者がいないとみなし、発射停止制御を行っている。
次に、図12に示す電源基板700について説明する。
外部から供給されるAC24Vをダイオードブリッジ整流器で全波整流を行い、直流電源DC24Vを生成する。DC24V電源にダイオードを通してコンデンサーで平滑を行い、DC32V電源を生成する。DC24V、DC32Vは非安定電源である。
DC24Vを電源回路701に供給して、安定電源DC18V、DC12V、DC5Vの定電圧電源が生成され、前記主基板100、前記払出制御基板200、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500、前記表示器制御基板300、前記発射制御基板600に供給される。
生成されたDC5Vの定電圧電源を、ダイオードを通してバックアップ回路702のコンデンサーに接続して、DC5VBBのバックアップ電源を生成し、DC5VBBが主基板100、前記払出制御基板200に供給される。前記AC24Vはカードユニット接続基板900に供給され、前記払出制御基板200とカードユニットbの通信用電源、操作パネル基板aの電源に使用される。
DC24V電源の電圧レベルを電圧検出回路708で検出して遅延回路707に出力する。遅延回路707は内部時定数500ミリsecの遅延時間をもち、電圧検出回路708の連続出力時間が遅延回路707の時定数より大きくないと遅延回路707は出力信号を出力しない。このため、DC24V電源の電圧レベルが遅延回路707の時定数より小さい時間の電圧変動および電源停止は無視され、停電検出信号は電源基板700より外部に出力されない。
遅延回路707に時定数より大きな入力信号があると、遅延回路707は停電検出信号を前記主基板100、前記払出制御基板200、シフトレジスタ704のシリアル入力端子に出力する。8ビットシフトレジスタ704は、クロック回路706より周期20ミリsecのクロックが常時入力されている。
ここで8ビットのデータ入力端子はゼロに固定している。このため、停電検出信号が8ビットシフトレジスタ704に入力すると、8クロック(約160ミリsec)後8ビットシフトレジスタ704からリセット信号が前記主基板100、前記払出制御基板200、前記発射制御基板600、前記表示器制御基板300、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500に出力される。
電源立ち上げ時および停電復帰後、周辺回路電源立ち上げ時より遅延回路707の時定数の時間、停電検出信号およびリセット信号は能動状態で出力している。遅延回路707の時定数の時間後、停電検出信号は非能動状態になり、リセット信号は、8ビットシフトレジスタ704の8クロック後非能動状態で出力される。RAM初期化信号は、RAM初期化スイッチ705を手動で押すことにより能動状態で前記主基板100、前記払出制御基板200に出力される。
次に、遊技機本体1の作用について説明する。
図1において、遊技者がハンドル5を回転操作すると、遊技球が1つずつ遊技盤2上の遊技領域17に打ち込まれる。この遊技球が始動口21に入賞すると、始動口スイッチ121によって球が検出され、始動口スイッチ121から出力された入力信号は、図6に示すゲート回路110から主基板100に入力される。始動口スイッチ121からの入力信号に基づき、主基板100および払出制御基板200の制御により、遊技者に5個の賞球が払い出されると共に、主基板100の保留球記憶手段により、現時点でRAM104に記憶されている保留数が、上限値である4個以下であるか否かが判断される。
ここで保留数が上限値未満であれば、主基板100からなる保留球記憶手段は、新たに可変表示遊技の実行権を保留データとしてRAM104に記憶し、保留数のインクリメントを行う。一方、保留数が既に上限値以上であれば、今回の始動条件の成立による実行権は、保留データとして記憶されずに放棄される。新たにインクリメントされた保留球に関するデータは、図6に示す主基板100からラッチ回路112cを介して、ランプ制御基板400に送信される。この保留球に関するデータに基づき、主基板100とランプ制御基板400からなる装飾表示制御手段の制御により、新たな保留数が装飾表示装置430によって表示される。この装飾表示装置430による保留数の具体的な表示態様については後述する。
また、前記保留データの取得に伴って、この保留データに基づく可変表示遊技の遊技結果が、主基板100の遊技結果記憶手段によって予め決定される。すなわち、遊技結果記憶手段は、前記始動口スイッチ121からの入力信号に基づき、大当たり判定用乱数値や大当たり図柄乱数値を取得し、続いて大当たり判定用乱数値を所定の大当たり判定値と比較し、大当たりか否かを判断する。この時、確率変動作動中であれば、通常よりも大当たり確率が高く設定されたテーブルを用いて大当たりの判断を行い、確率変動作動中でなければ、通常の大当たり確率が低い別テーブルを用いて大当たりの判断を行う。
何れの場合の大当たりの判断にせよ、大当たり判定用乱数値が、各々のテーブル毎に予め設定されている前記大当たり判定値と一致するか否かによって、大当たりを判断する。ここで大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致する大当たりであれば、主基板100のRAM104にある遊技結果記憶領域に大当たり図柄乱数値を記憶する。一方、大当たりでなければ、外れ図柄決定処理を行ってから、遊技結果記憶領域に外れ図柄乱数値を記憶する。これらの乱数値は、可変表示遊技の遊技結果に関する情報として、前記保留データに対応させてRAM104の遊技結果記憶領域に記憶される。それにより、前記保留に係る遊技結果が当たりであるか否かを、予め判断することができるようになっている。
また、主基板100と表示器制御基板300からなる表示制御手段により、現時点で保留数がある場合には、個々の保留データやこれに対応して記憶された可変表示遊技の遊技結果に関する情報に基づき、可変表示遊技に関する演出パターンが決定される。そして、保留データ等が1つずつ読み出された際、この演出パターンに基づいて、表示制御手段の制御により、可変表示装置310において可変表示遊技が実行される。ここで演出パターンとは、可変表示遊技の開始から終了に至る具体的な表示内容であり、例えば、途中でリーチ態様が出現するか否かや、リーチ態様の種類、大当たり外れの別、それに第1演出か第2演出かの別等に関するものである。
図15は、可変表示遊技のうち第1演出の流れの一例を示している。第1演出は、前記リーチ態様が導出された後、特定表示態様をなす識別情報の組み合わせとなるが、この組み合わせが直ぐに確定せずに、いったん仮停止ないし再変動が行われてから、特定表示態様に停止確定する演出である。
すなわち、可変表示遊技が開始されると、図15(1)に示すように、可変表示装置310の画面中で横3列に並ぶ各表示領域311〜313毎に、それぞれ複数種類の識別情報が上方から下方へ等と所定方向にスクロールするように可変表示される。また、図15中では図示省略したが、識別情報の可変表示に連動するように、識別情報の背景画像や、識別情報とは別にキャラクタ等も併せて適宜可変表示するとよい。
可変表示遊技が開始された後、所定時間が経過すると、各表示領域311〜313毎に予め定められた所定の順番で何れか1つずつ識別情報が停止表示される。図15(2)では、左右の表示領域311,312に数字「2」の識別情報が停止表示されて、リーチ態様が導出されている。かかるリーチ態様の導出に関する表示制御は、前記リーチ態様導出手段によって行われる。その後、中央の表示領域313に最後の識別情報が停止表示される。
続いて、図15(3)に示すように、前記リーチ態様を経て特定表示態様をなす識別情報の組み合わせとなるが、この組み合わせが直ぐに確定せずにいったん仮停止する。ここで仮停止とは、識別情報が停止確定する前に該識別情報の可変表示が一時的に停止する状態であり、該識別情報が順次スクロールしないで、その識別情報のまま停止したような未確定な状態が該当する。仮停止した識別情報ないしその組み合わせは、完全に停止しているのではなく揺れ動いているように表示することで、停止確定した識別情報や可変表示中の識別情報と明確に区別できるようになっている。
前記仮停止後に、図15(4)に示すように、前記特定表示態様をなしていた識別情報の組み合わせは、例えば同一の識別情報が3つ揃った状態を維持しながら、それぞれ別の識別情報に一斉に変化しながらスクロールするように再変動する。かかる再変動は、最終的に確定する識別情報の組み合わせが、通常の大当たりとなるか確変大当たりとなるかの見かけ上の再抽選を演出することで、遊技者の期待感を盛り上げることになる。
図15(5)に示す例では、前記再変動の後に、最終的に確変図柄「7」が3つ揃った確変大当たりに相当する特定表示態様に停止確定している。このように可変表示遊技の表示結果が特定表示態様で停止すると、大入賞口24の開閉動作が最大で15回繰り返される特別遊技状態が発生する。また確変大当たりであるため、特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態となるまでの大当たり確率が高くなる確率変動状態となる。
図16は、可変表示遊技のうち第2演出の流れの一例を示している。第2演出は、前記リーチ態様が導出された後に仮停止ないし再変動が行われるまでは、前記第1演出と共通するが、その後さらに2回目の仮停止ないし再変動が行われてから、特定表示態様に停止確定する演出である。
すなわち、前記第1演出の場合と同様、図16(1)〜(4)に示すように、可変表示遊技が開始されてから、リーチ態様が導出された後、特定表示態様をなす識別情報の組み合わせで仮停止ないし再変動が行われる。ところが、第2演出では、図16(3),(4)に示す1回目の仮停止ないし再変動が行われた後、そのまま直ぐに表示結果が停止確定せず、図16(5)に示すように、さらに再び特定表示態様をなす識別情報の組み合わせで2回目の仮停止が行われる。
その後、図16(6)に示すように、前記特定表示態様をなしていた識別情報の組み合わせは、例えば同一の識別情報が3つ揃った状態を維持しながら、それぞれ別の識別情報に一斉に変化しながらスクロールするように2回目の再変動が行われてから、図16(7)に示すように、最終的に通常の大当たりまたは確変大当たりに相当する何れかの特定表示態様に停止確定する。なお、2回目の再変動は再々抽選ともいう。
このような第2演出では、2回目の仮停止ないし再変動が行われてから、直ぐに特定表示態様に停止確定させるばかりでなく、見かけ上は前記1回目の仮停止ないし再変動を経て停止(実際には2回目に仮停止)した特定表示態様(図16(5)参照)に基づき、特別遊技状態が発生するようにして、この特別遊技状態の最終ラウンドが終了した時、前記特定表示態様をなしていた識別情報の組み合わせが、図16(6),(7)に示すように見かけ上再び再変動することで、最後に確変図柄にあたかも昇格するように停止確定するように設定してもよく、かかる設定は「エンディング昇格」と呼ばれる。
また、「エンディング昇格」にかかる第2演出では、図16(5)に示したように、2回目の仮停止に基づき特別遊技状態が発生している際に、見かけ上停止しているかの如く仮停止している識別情報が、最終確定する識別情報とは違うことを明確化するための方策として、図16(6),(7)に示すような見かけ上2回目の再変動を経て識別情報が最終確定するまでの間、一時的または継続して可変表示装置310の画面の片隅に表示部1310を出現させて、この表示部1310に最終確定する確定図柄を事前に表示するようにしてもよい。もちろん、第2演出は、前記「エンディング昇格」に限定されるものではなく、2回目の仮停止ないし再変動を経た後に停止確定する特定表示態様(図16(7)参照)に基づき、特別遊技状態が発生するようなタイプの演出も含まれることは言うまでもない。
以上のように、図15,図16で説明した第1演出や第2演出において、可変表示遊技の途中で導出されるリーチ態様には、複数種類の演出パターンが用意されており、各リーチ態様毎に、それぞれ背景画像および各リーチ態様を経て停止(仮停止)する識別情報の可変表示が異なるように設定されている。本実施の形態では、図17〜図21に示すように、背景画像が互いに異なる5種類のリーチ態様が用意されている。以下、各リーチ態様毎において、リーチ態様の導出から1回目の仮停止に至るまでの具体的な可変表示の内容についても説明する。
先ず図17に代表的な背景画像を示す「ベルばらリーチ」の場合、図17に示す背景画像上で識別情報が2つ同一に揃うリーチ態様が導出されると、続いて図22に示すような可変表示が実行される。すなわち、図22(1)〜(3)に示すように、画面全体で、識別情報と背景画像に含まれるキャラクタとが、それぞれ同一内容の動作によって可変表示される。ここで同一内容の動作とは、動く方向に関わらず、回転する、上下に動く、左右に動く等の動作が、ほぼ同一であるという意味である。
図22に示す例では、識別情報とキャラクタとが、それぞれ表示領域内で略鉛直な仮想の軸を中心として回転するような動作によって可変表示される。もちろん、このような動作は、遊技者が同一内容であると認識できれば足りるものであり、適宜定めればよい設計事項である。キャラクタには、池田理代子原作の「ベルサイユのばら」の登場人物であるマリー・アントワネットD1と、フェルゼンD2の2人に相当するキャラクタを用いているが、もちろん、キャラクタの具体的内容も、適宜定めればよい設計事項である。
図22では、可変表示装置310の画面を複数の表示領域311〜313に分割するように表示されていた非表示領域314が消失しているが、もちろん非表示領域314を表示したまま残してもかまわない。図22(1)〜(3)においては、画面全体で、前記リーチ態様を経て可変表示される2つの識別情報「6」,「7」と、前記2人のキャラクタD1,D2とが、前述した回転する同一内容の動作によって可変表示される。なお、2人のキャラクタD1,D2の回転動作は、図示したように、手を取り合ってダンスしている状態を表現したアニメーションとなっている。
また、図18に代表的な背景画像を示す「ロマンスリーチ」の場合、図18に示す背景画像上で識別情報が2つ同一に揃うリーチ態様が導出されると、続いて図23に示すような可変表示が実行される。すなわち、図23(1)〜(5)に示すように、識別情報の可変表示が未だ継続している継続表示領域313で、未確定の識別情報を複数に増加させてから、継続表示領域313に隣り合う表示領域311,312に向けて移動させ、継続表示領域313の外に移動させた各識別情報を、再び元の継続表示領域313に集まるように再移動させた後、継続表示領域313で各識別情報を互いに重ね合わせて1つの識別情報に変化させる可変表示が実行される。
このように識別情報を増加ないし移動させる際に、移動させる識別情報の数と同数のキャラクタにより、識別情報の動きに合わせるような表示演出を行う。ここでのキャラクタは図22と同様のものが用いられている。図23(2),(3)に示すように、継続表示領域313で未確定の識別情報「5」が2つに増加し、それぞれ左右の表示領域311,312に向かって移動する表示に連動して、2人のキャラクタD1,D2が互いに見つめ合うような状況で表示される。
続いて図23(4),(5)に示すように、再び元の継続表示領域313に各識別情報が集まるように再移動した後、各識別情報が互いに重ね合わさるように1つの識別情報に変化する表示に連動して、前記2人のキャラクタD1,D2も互いに抱き合うような状況になるよう表示される。このようなキャラクタD1,D2による表示を、特定表示態様をなす識別情報の組み合わせとなるか否かを連想させる予告演出としてもよい。
また、図19に代表的な背景画像を示す「革命リーチ」の場合、図19に示す背景画像上で識別情報が2つ同一に揃うリーチ態様が導出されると、続いて図24に示すような可変表示が実行される。すなわち、図24(1)〜(8)に示すように、複数の表示領域311〜313のうち何れか2以上に亘って、同一の視点から見た状態として視認可能な1つの演出画像が表示され、また、複数の表示領域311〜313のうち何れか2以上に、それぞれ異なる視点から見た状態として視認可能な1または複数の演出画像が可変表示される。演出画像は、可変表示遊技において所定のストーリーを段階的に進行させる内容であり、本実施の形態では、「ベルサイユのばら」に関するストーリーが採用されている。
図24(1),(2)では、同一の視点から見た状態として視認可能な演出画像B1,B2を、それぞれ全ての表示領域311〜313に亘って大きく表示しているが、図24(3)のように、前記演出画像B2の一部をなすような演出画像B2’を、2つの表示領域311,313に亘って表示するようにしてもよい。図24(4)〜(6)では、全ての表示領域311〜313に、それぞれ異なる視点から見た状態として視認可能な複数の演出画像C1,C2,C3が表示されている。
演出画像C1,C2,C3は、それぞれ「ベルサイユのばら」の革命の場面における別々の要部を表すものであるが、1種類の演出画像(例えば、主人公であるキャラクター「オスカル」C2に関するもの等)を、それぞれ異なる視点から見た別々の状態(例えば「顔」のアップや全身を見たもの等)として、各表示領域311〜313に表示してもよい。その後、図24(7),(8)に示すように、再び全ての表示領域311〜313には、同一の視点から見た状態として視認可能な演出画像B3,B4が表示される。
また、図20に代表的な背景画像を示す「鏡の間リーチ」の場合、図20に示す背景画像上で識別情報が2つ同一に揃うリーチ態様が導出されると、続いて図25に示すような可変表示が実行される。すなわち、図25(1)〜(3)に示すように、中央の表示領域313で最後に停止する識別情報が、その表示領域313の中心点を基準として拡大されて、他の識別情報に順次変化するように可変表示され、また識別情報の可変表示に連動して、リーチ態様の背景画像が、全ての表示領域311〜313の中心点を基準として、段階的に間近に迫るように拡大表示される。
図25では、識別情報および背景画像をそれぞれ拡大する例を説明したが、かかる拡大表示とは逆に、図25(3)に示す最大拡大状態の背景画像を、図25(2)に示す大きさへの縮小を経て、図25(1)に示す元の通常状態までさらに縮小するように表示してもよい。なお、拡大される背景画像は、ベルサイユ宮殿内部の鏡の間をモチーフとして表現されている。
このように識別情報や背景画像を拡大ないし縮小するとき、該識別情報や背景画像が表示される表示領域の中心点、すなわち、識別情報に関しては各表示領域311〜313の中心点を、背景画像に関しては中央の表示領域313の中心点を、それぞれ拡大ないし縮小の基準とすることで、各表示領域311〜313が互いに分割されていても、識別情報や背景画像を違和感がなく見やすい状態で表示することが可能となる。
また、図21に代表的な背景画像を示す「黒騎士リーチ」の場合、最終的には図21に示す背景画像上で識別情報が仮停止することになる。すなわち、図26(1)に示すようにリーチ態様が導出された後、図26(2)に示すように、未だ識別情報が停止していない中央の表示領域313で、識別情報「2」と背景画像の両方がそれぞれ視認不可能な状態に変化する。
ここで視認不可能な状態とは、画像の元の形状が分からなくなるまで変形させたり、大きさを極端に小さくしたり、消去すること等の各種の表示形態が含まれており、図26(2)に示す例では、画像である識別情報および演出画像が、それぞれ表示領域313の中央に向かって収縮して消え去るように変化する。
画像が視認不可能な状態に変化した後、図16(3)に示すように、前記中央の表示領域313に、スクロール表示の再開を示唆するキャラクタA1が登場する。ここでのキャラクタA1は、ベルサイユのばらの登場人物の一人である黒騎士に相当するものである。続いて図16(4)に示すように、中央の表示領域313のキャラクタA1が消失した後、背景画像として画面全体に表示されるキャラクタ(馬に乗った黒騎士)A2が再登場して、中央の表示領域313で識別情報のスクロール表示が再開される。
以上に説明した何れのリーチ態様であっても、その後の識別情報の可変表示により特定表示態様をなす識別情報の組み合わせが出現すると、(1回目の)仮停止ないし再変動が行われることになる。また、各リーチ態様を代表する背景画像としては、前述したように図17〜図21に示すものが予め設定されており、これらのリーチ態様の背景画像が、大当たり履歴情報の一要素として用いられている。
次に、前記可変表示遊技の実行とは別に、可変表示装置310の画面に出現させる履歴表示領域1400について説明する。図27に一例を示す履歴表示領域1400は、前記履歴表示制御手段の制御によって、遊技者による外部入力スイッチ1315の押し下げ操作に基づき、可変表示装置310の画面全体に出現するように表示される。なお、図27中では、画面を区画していた非表示領域314が消失しているが、図中に「区画部材の位置」と矢印で示した箇所に、履歴表示領域1400を区画するよう非表示領域314を表示するようにしてもよい。
本実施の形態では履歴表示領域1400を、可変表示装置310の画面全体に出現させるようにしたので、画面全体の切り替えを遊技者が楽しむことができると共に、大きな履歴表示領域1400の全画面表示により、分かりやすく見やすい状態で大当たり履歴情報を含むより多くの情報を表示することが可能となる。また、次述するように過去複数回前の特定表示態様まで遡って、大当たり履歴情報を複数並べるようにして見やすく表示することも可能となる。
履歴表示領域1400には、様々な遊技の履歴に関する情報を表示することができるが、本実施の形態では、前記特定表示態様が既に停止したことを示す大当たり履歴情報を、過去複数回前の特定表示態様まで遡って複数表示できるように設定されている。図27中では、過去8回前までの特定表示態様まで遡って最大8回分の連続する大当たり履歴情報を一度に表示できるようになっているが、例えば、1日あるいは数日間に亘る履歴データのうち、任意の大当たり履歴情報を選択して最大8回分まで表示できるように設定してもよい。
大当たり履歴情報としては、特定表示態様の発生回数や発生時期、それに特定表示態様が停止するまでに要した可変表示遊技の回数(スタート回数)等が該当するが、本遊技機では特に大当たり履歴情報として、前記第1演出および前記第2演出のうち、何れの演出を経た特定表示態様であるのかを遊技者が判別可能な演出判別情報が必ず含まれる。この演出判別情報は、第1演出を経た特定表示態様に関しては、該特定表示態様に停止確定した識別情報からなる第1演出判別情報1401であり、第2演出を経た特定表示態様に関しては、2回目の仮停止時の識別情報と、特定表示態様に停止確定した識別情報とを組み合わせてなる第2演出判別情報1402である。
図27において、第1演出判別情報1401は、1回目の仮停止後に停止確定した識別情報として、図示したように「6」、「5」、「7」、「6」、「3」、「4」、「1」の確定図柄1つずつが該当する。また、第2演出判別情報1402は、2回目の仮停止時の識別情報と特定表示態様に停止確定した識別情報として、図示したように2回目の仮停止図柄「0」と2回目の仮停止後の確定図柄「9」とを重なり合うように組み合わせたものが該当する。
遊技者はこのような演出判別情報1401,1402を見ることで、過去に確定した特定表示態様が、1回目の仮停止後に停止確定したものなのか、2回目の仮停止後に停止確定したものかを容易に判別することができ、より詳しい大当たり履歴情報を遊技機選びの参考に活用することができる。しかも、可変表示遊技の演出に関して、第1演出と第2演出とが存在することも事前に見極めることができる。従って、遊技機としては、第2演出判別情報1402を見た多くの遊技者に「この遊技機は2回目の仮停止後に確変への昇格の可能性がある。」、つまり「この遊技機はエンディング昇格がある。」、あるいは「この遊技機は2回目の仮停止後に大当たりの可能性がある。」という期待感を抱かせることができる。
また、図27に示した大当たり履歴情報は、第1演出を経た特定表示態様に関しては、前記第1演出判別情報1401に、第1演出で導出されたリーチ態様の背景画像を組み合わせてなり、第2演出を経た特定表示態様に関しては、前記第2演出判別情報1402に、第2演出で導出されたリーチ態様の背景画像を組み合わせたものとなっている。ここでのリーチ態様の背景画像は、前述した図17〜図21に示した背景画像の何れかである。また、履歴表示領域1400においては、大当たり履歴情報が表示されていないところは黒一色の背景としたり、画面左側の余白には、大当たり履歴情報の見方に関する説明1403等を表示してもよい。
大当たり履歴情報にリーチ態様の背景画像も組み合わせることにより、遊技者は、例えば、履歴表示領域1400に同じベルばらリーチの背景画像が2つ表示されていたとしても、1回目の仮停止後に大当たりするのか、2回目の仮停止後に大当たりするのかを区別することができ、ベルばらリーチのときにベルばらリーチの背景画像を見るだけで、「ベルばらリーチのときは2回目の仮停止後に確変大当たりの昇格への可能性がある。」という期待感を抱くようになる。また、リーチ態様の背景画像を表示することにより、リーチ態様の種類が文字と比較して分かり易くなる。
また、このようにリーチ態様の背景画像も組み合わせた大当たり履歴情報が、前述したように過去複数回前の特定表示態様まで遡って複数表示されることにより、どの識別情報で「エンディング昇格」や大当たりが多く発生しているのか、またそのときのリーチ態様は何が多いかが一目でわかり、遊技機に対する期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
次に、前記履歴表示領域1400とは別に、可変表示装置310の画面に出現させるキャラクタ紹介領域1500について説明する。図28〜図31に一例を示すキャラクタ紹介領域1500は、前記キャラクタ紹介制御手段の制御によって、遊技者による外部入力スイッチ1315の押し下げ操作に基づき、可変表示装置310の画面全体に出現するように表示される。なお、図28〜図31中では、画面を区画していた非表示領域314が消失しているが、図中に「区画部材の位置」と矢印で示した箇所に、履歴表示領域1400を区画するよう非表示領域314を表示するようにしてもよい。
本実施の形態ではキャラクタ紹介領域1500を、可変表示装置310の画面全体に出現させるようにしたので、前記履歴表示領域1400の場合と同様に、画面全体の切り替えを遊技者が楽しむことができると共に、大きなキャラクタ紹介領域1500の全画面表示により、分かりやすく見やすい状態でキャラクタ情報を含むより多くの情報を表示することが可能となる。
キャラクタ紹介領域1500には、前記各リーチ態様毎に登場するキャラクタを紹介するためのキャラクタ情報として、キャラクタに関する画像および説明が少なくとも表示されるようになっている。このようなキャラクタ紹介領域1500の出現により、キャラクタの内容を遊技者に対して明確化することができ、キャラクタやリーチ態様の種類に関する遊技者の理解を助けることができる。
具体的には、先ず図28では、キャラクタとして、「ベルサイユのばら」の主人公である「オスカル」に関するキャラクタ情報が表示されており、右から左へキャラクタ画像がスクロール表示されると共に、キャラクタの名前が左から右へスクロール表示され、下線がブレンディング表示される。ブレンディング表示とは、背景の定位置から煙のように表示される態様をいう。その後、紹介項目[1]がブレンディング表示され、ついで紹介内容[1]が右から左へスクロール表示される。
そして、紹介項目[2]〜[4]、紹介内容[2]〜[4]についても、前記紹介項目[1]、紹介内容[1]と同様に表示される。なお、カタカナで示したキャラクタの名前の上にフランス語、英語で示したキャラクタの名前を右から左にスクロール表示するようにしてもよい。また、キャラクタの名前、紹介項目[1]〜[4]、紹介内容[1]〜[4]がキャラクタに関する説明に該当する。なお、キャラクタ「オスカル」は、前述した図19,図24に示す「革命リーチ」のリーチ態様の背景画像として表示されるものである。
図29では、別のキャラクタとして、同じく「ベルサイユのばら」の登場人物である「アンドレ」に関するキャラクタ情報が表示されており、左から右へキャラクタ画像がスクロール表示されると共に、キャラクタの名前が右から左へスクロール表示され、下線がブレンディング表示される。その後、紹介項目[1]がブレンディング表示され、ついで紹介内容[1]が右から左へスクロール表示される。そして、紹介項目[2]〜[4]、紹介内容[2]〜[4]についても、前記紹介項目[1]、紹介内容[1]と同様に表示される。
また、図30では、別のキャラクタとして、同じく「ベルサイユのばら」の登場人物である「フェルゼン」に関するキャラクタ情報が表示されており、かかるキャラクタ情報である画像や説明は、前述した図28と同様の表示態様で表示される。なお、キャラクタ「フェルゼン」は、前述した図17,図22に示す「ベルサイユのばら」リーチ態様の背景画像として、また図18,図23に示す「ロマンスリーチ」のリーチ態様の背景画像としても表示されるものである。
さらにまた、図31では、別のキャラクタとして、同じく「ベルサイユのばら」の登場人物である「マリー・アントワネット」に関するキャラクタ情報が表示されており、かかるキャラクタ情報である画像や説明は、前述した図29と同様の表示態様で表示される。なお、キャラクタ「マリー・アントワネット」は、前述した「フェルゼン」と同様に、図17,図22に示す「ベルサイユのばら」リーチ態様の背景画像として、また図18,図23に示す「ロマンスリーチ」のリーチ態様の背景画像としても表示されるものである。なお、紹介するキャラクタの種類は設計事項にすぎないものである。
次に、可変表示装置310の画面に、履歴表示領域1400やキャラクタ紹介領域1500を出現させる方法について説明する。図32は、履歴表示領域1400とキャラクタ紹介領域1500の表示処理を示すフローチャートであり、図33は、履歴表示領域1400とキャラクタ紹介領域1500の表示処理を示すタイムチャートである。本実施の形態では、遊技者が外部入力スイッチ1315を押し下げ操作することで、待機中の可変表示装置310の通常画面に、履歴表示領域1400やキャラクタ紹介領域1500を適宜表示させることができる。
外部入力スイッチ1315は1つであり、これを1回押し下げる毎に、図33のタイムチャートに示すように、通常画面(T101)→大当たり履歴画面(T102)→オスカル紹介(T103)→アンドレ紹介(図示省略)→フェルゼン紹介(図示省略)→アントワネット紹介(図示省略)→通常画面(T104)となる。ただし、一連の画面の切り替え動作において、どのタイミングでも始動口21に球が入賞した場合は、通常画面に戻り可変表示遊技が開始されるようになっている。以下、図32のフローチャートに沿って詳しく説明する。
遊技中において、始動口21の始動口スイッチ121によって球が検出されず、また、主基板100のRAM104に記憶される保留数が0であり、可変表示遊技が実行されることなく、可変表示装置310が待機中の通常画面であるとき、遊技者が外部入力スイッチ1315を1回押し下げ操作すると(図32,ステップS101)、該外部入力スイッチ1315から出力される操作検知信号は、図6に示すゲート回路111から主基板100に入力される。主基板100の時期判断手段は、前記操作検知信号の入力時に、可変表示装置310の画面に履歴表示領域1400を表示可能な時期であるか否かを判断する。
時期判断手段によって、可変表示遊技の実行中でない時期であると判断されると、スピーカ510から効果音が出力されると共に、履歴表示制御手段により、可変表示装置310の画面全体は、通常画面から前述した図27に示す履歴表示領域1400に表示が切り替えられる(図32,ステップS102)。なお、時期判断手段により、可変表示遊技中に誤って遊技者が外部入力スイッチ1315を押したとしても、可変表示遊技中には履歴表示領域1400が出現することがないように制御されるが、例えば、外部入力スイッチ1315にLED等の発光素子を付けて、操作可能な状態であるとき点灯させるように設定して、誤操作を防止するようにしてもよい。
このように、遊技者は、遊技機側で所定の機会に自動的に履歴表示領域1400が出現するのを待つのではなく、大当たり履歴情報を見たい時、自らの意思による外部入力スイッチ1315の押し下げ操作で履歴表示領域1400を表示させることができるから、より利便性の高い表示制御が可能となる。また、遊技者の参加意識を高めることができると共に、履歴表示領域1400を必要とする遊技者にも、履歴表示領域1400を必要としない遊技者にも、それぞれの欲求に個別に対応することができる。
続いて、前記履歴表示領域1400が出現した後、所定時間(例えば30秒)以内に、遊技者が再び外部入力スイッチ1315の押し下げ操作すると(図32,ステップS103;YES)、前記同様に時期判断手段は、可変表示装置310の画面に、1番目のキャラクタ紹介として「オスカル」に関するキャラクタ紹介領域1500を表示可能な時期であるか否かを判断する。
ここで、可変表示遊技の実行中でない時期であると判断されると、スピーカ510から効果音が出力されると共に、キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面全体は、前記履歴表示領域1400から前述した図28に示す「オスカル」に関するキャラクタ紹介領域1500に表示が切り替えられる(図32,ステップS104)。それにより、遊技者はキャラクタ情報を見たい時に、自らの意思による外部入力スイッチ1315の押し下げ操作により、キャラクタ紹介領域1500を表示させることができ、前記各リーチ態様の背景画像に含まれるキャラクタの意味を理解する上で参考にすることができる。
一方、前記履歴表示領域1400を出現させるための最初の外部入力スイッチ1315の押し下げ操作から、図5に示すワンチップマイコン101内の内部タイマー107によって所定時間(例えば30秒)が検知され、この間に外部入力スイッチ1315の押し下げ操作がなければ(図32,ステップS103;NO)、前記履歴表示制御手段により、可変表示装置310の画面は、前記履歴表示領域1400から通常画面に自動的に切り替えられる。
従って、遊技者がキャラクタ紹介領域1500を必要としない場合、前記履歴表示領域1400が出現してから、外部入力スイッチ1315を再び押し下げ操作しなければよい。これにより、遊技者が手動で切り替えなくて済む。また、図32中では省略したが、一連の画面の切り替え動作においては、どのタイミングでも始動口21に球が入賞した場合には、履歴表示制御手段やキャラクタ紹介制御手段により、履歴表示領域1400あるいはキャラクタ紹介領域1500から通常画面に直ちに切り替えられて、可変表示遊技が開始されるようになっている。
前記「オスカル」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)以内に、遊技者が再び外部入力スイッチ1315の押し下げ操作すると(図32,ステップS105;YES)、前記同様に時期判断手段は、可変表示装置310の画面に、2番目のキャラクタ紹介として「アンドレ」に関するキャラクタ紹介領域1500を表示可能な時期であるか否かを判断する。ここで、可変表示遊技の実行中でない時期であると判断されると、スピーカ510から効果音が出力されると共に、キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面全体は、前述した図29に示す「アンドレ」に関するキャラクタ紹介領域1500に表示が切り替えられる(図32,ステップS106)。
それにより、遊技者は外部入力スイッチ1315の押し下げ操作の回数に応じて、自分が見たい必要なキャラクタ情報を選択して表示させることができる。また、前記「オスカル」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)に亘り外部入力スイッチ1315が押し下げ操作されなければ(図32,ステップS105;NO)、前記キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面は通常画面に自動的に切り替えられる。
また、前記「アンドレ」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)以内に、遊技者が再び外部入力スイッチ1315の押し下げ操作すると(図32,ステップS107;YES)、前記同様に時期判断手段は、可変表示装置310の画面に、3番目のキャラクタ紹介として「フェルゼン」に関するキャラクタ紹介領域1500を表示可能な時期であるか否かを判断する。ここで、可変表示遊技の実行中でない時期であると判断されると、スピーカ510から効果音が出力されると共に、キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面全体は、前述した図30に示す「フェルゼン」に関するキャラクタ紹介領域1500に表示が切り替えられる(図32,ステップS108)。
また、前記「アンドレ」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)に亘り外部入力スイッチ1315が押し下げ操作されなければ(図32,ステップS107;NO)、前記キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面は通常画面に自動的に切り替えられる。また、前記「フェルゼン」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)に亘り外部入力スイッチ1315が押し下げ操作されなければ(図32,ステップS109;NO)、前記キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面は通常画面に自動的に切り替えられる。
一方、前記「フェルゼン」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)以内に、遊技者が再び外部入力スイッチ1315の押し下げ操作すると(図32,ステップS109;YES)、前記同様に時期判断手段は、可変表示装置310の画面に、4番目のキャラクタ紹介として「マリー・アントワネット」に関するキャラクタ紹介領域1500を表示可能な時期であるか否かを判断する。ここで、可変表示遊技の実行中でない時期であると判断されると、スピーカ510から効果音が出力されると共に、キャラクタ紹介制御手段により、可変表示装置310の画面全体は、前述した図31に示す「マリー・アントワネット」に関するキャラクタ紹介領域1500に表示が切り替えられる(図32,ステップS110)。
この「マリー・アントワネット」に関するキャラクタ紹介領域1500が出現した後、所定時間(例えば30秒)以内に、遊技者が再び外部入力スイッチ1315の押し下げ操作すると(図32,ステップS111;YES)、可変表示装置310の画面は直ちに通常画面に自動的に切り替えられる。なお、所定時間(例えば30秒)に亘り外部入力スイッチ1315が押し下げ操作されなくても(図32,ステップS111;NO)、所定時間経過後に可変表示装置310の画面は通常画面に自動的に切り替えられる。
次に、装飾表示装置430の作用についても説明する。
図3に示すように、保留球を表示する装飾表示装置430は、遊技領域17のうち遊技球が通過可能な球通過領域に、該球通過領域上の空間の一部を占める状態に配設されている。装飾表示装置430の形状、大きさ、それに配置位置は任意な設定事項であるが、図示したように、遊技領域17上の片側半分の大部分を覆うように配置することで、球通過領域上の空間の多くの部分を占有することになり、遊技領域17内においても特に目立たせることができる。ここで装飾表示装置430は、薔薇をモチーフにした美感を起こさせるデザインとしたので、遊技領域17の装飾効果を高めると共に華やかな雰囲気を演出することができる。
しかも、装飾表示装置430は、単に装飾のための構造だけではなく、前述したように保留数を遊技者が認識できる態様で表示することができる。このように保留数を表示するための手段を、遊技者が遊技中に視線を向ける遊技領域17内でも特に目立ち、遊技領域17の装飾効果を高めることができる装飾表示装置430とすることで、保留数を誰でも極めて容易に把握することができると共に、いっそう装飾表示装置430に対する遊技者の注目度を高めることができる。特に遊技の初心者であっても、保留数を間違えることなく確実に把握することが可能となる。
特に本実施の形態では、装飾表示装置430を、薔薇の花を模した複数の表示ユニットに分割して構成したことにより、斬新さに富むものとなり、見た目も面白い。また、装飾表示装置430を複数に分割した個々の表示ユニットのうち、大表示ユニット431a〜431dを、それぞれ保留数1つ分に相当させて保留数を表示することで、保留球1つ毎に明確に区分けされて表示されることになり、なおさら保留数を遊技者が分かりやすい状態で認識できるように表示することができる。
また、装飾表示装置430の各表示ユニットを、2つのブロックに区分けして、ブロック同士の間を遊技球が通過可能に構成したことにより、装飾表示装置430が球通過領域上の空間の多くの部分を占有するような場合でも、遊技球の進入を妨げるだけではなく、遊技球を様々な態様で流下させることができる。それにより、装飾表示装置430は、単なる装飾効果や保留数の表示にとどまることなく、遊技球が進入して流下可能な役物として活用することもできる。さらに、装飾表示装置430の各表示ユニットは、装飾カバーと発光体とから構成されており、発光体による発光と、この発光を透過させる装飾カバーにより、いっそう華やかな電飾効果を演出することが可能となる。
図13は、装飾表示装置430における保留数に関する表示状態の一例を示している。本実施の形態では、装飾表示装置430のうち4個の大表示ユニット431a〜431dで、保留数を表示するように設定されており、図13は、現時点で保留球が4個あり、これに応じて4個の大表示ユニット431a〜431dが全て点灯(図中では薄墨色で表示)している状態を示している。
4個の大表示ユニット431a〜431dは、上から順番に1つずつ点灯するように設定されており、保留球が0個の時は、大表示ユニット431a〜431dは全て消灯しており、保留球が1個の時は、大表示ユニット431aのみ点灯し、保留球が2個の時は、2つの大表示ユニット431a,431bが点灯し、保留球が3個の時は、3つの大表示ユニット431a〜431cが点灯し、保留球が4個の時は、4つの大表示ユニット431a〜431dが全て点灯するように表示制御される。
このように、前記装飾表示制御手段により、保留数に応じて装飾表示装置430の表示状態を制御することにより、装飾表示装置430の表示状態のバリエーションを豊富にすることができる。なお、可変表示装置310で新たに可変表示遊技が開始されると、前記保留球記憶手段によって、保留数のデクリメントが行われるが、これに伴い装飾表示装置430の大表示ユニット431a〜431dは、点灯しているもののうち、例えば前述した点灯する順番とは逆に、下の方から順番に1つずつ消灯するようになっている。
また、装飾表示装置430では、前述した保留球の表示の他、前記可変表示遊技に関する予告演出の表示を行うこともできる。ここで装飾表示装置430における予告演出は、前記保留に係る遊技結果、すなわち、個々の保留データ毎に対応して記憶された可変表示遊技の遊技結果に関する情報が、当たりであるか否かの判断結果に応じて、前記装飾表示制御手段により実行される。また、装飾表示装置430で実行される予告演出の表示は、前述した可変表示遊技における表示制御と適宜組み合わされる。
図14は、装飾表示装置430における予告演出に関する表示の一例を示している。図中では、前述したように可変表示遊技の途中でリーチ態様が導出され、これに伴い装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dで予告演出が開始される状態を示している。また、現時点で保留球は2個あり、これに応じて2つの大表示ユニット431a,431bが点灯している状態を示している。
図14(1)では、可変表示装置310で実行されている可変表示遊技の途中で、左右に確変図柄「7」が揃って停止したリーチ態様が導出され、これに伴い、装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dのうち一番下の1つの小表示ユニット432aが点灯して、予告演出が開始される。すなわち、本実施の形態では、装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dの点灯表示によって、予告演出の表示状態が形成されるようになっている。
図14(2)では、可変表示遊技において最後に停止する真ん中の識別情報が未だスクロールしている状態で、小表示ユニット432a〜432dのうち下から2番目の小表示ユニット432bも新たに点灯して、2つの小表示ユニット432a,423bが点灯表示されている。続いて図14(3)では、小表示ユニット432a〜432dのうち下から3番目の小表示ユニット432cも新たに点灯して、3つの小表示ユニット432a〜432cが点灯表示されている。
合計4個の小表示ユニット432a〜432dの点灯数が多いほど、可変表示遊技の表示結果が特定表示態様に停止する可能性が高くなっている。図14(4)では、真ん中の識別情報もリーチ図柄と同様「7」が停止し、可変表示遊技の表示結果が特定表示態様に停止すると共に、全て小表示ユニット432a〜432dが点灯表示されている。このような予告演出は、保留に係る遊技結果が大当たりに相当する場合に、演出パターンとして選択されて実行される。
それにより、遊技者は、見やすい装飾表示装置430の表示状態を一見するだけで、現在保留に係る遊技結果が当たりとなる予告を事前に明確に認識することが可能となり、遊技性を高めることができる。なお、遊技者が早期に失望することを防止するために、保留に係る遊技結果に大当たりがあっても、前記予告演出を行う確率を100%に設定しなくてもよい。
このように、前記装飾表示制御手段により、保留に係る遊技結果が当たりであるか否かを判断し、その判断結果に応じて、図14に示すような装飾表示装置430での予告演出に関する表示状態を制御したが、また別の装飾表示装置430の表示状態の制御として、保留球の表示状態を変化させるようにしてもよい。
具体的には例えば、保留に係る遊技結果に大当たりがある場合とない場合とで、装飾表示装置430における保留球の表示状態(点滅速度・色・形状・位置等)を変化させたり、保留球の表示状態が変化しはじめるタイミングを異ならせたりすること等が考えられる。かかる場合には、保留球の表示そのものが予告演出の役割も果たすので、予告演出専用の表示手段を省くことが可能となり、本実施の形態では、装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dも全て保留球の表示に用いることができる。
さらに、各保留データ毎に対応した保留球毎に、それぞれに対応する遊技結果に応じて個別に保留球の表示状態を変化させるようにしてもよい。例えば、保留に係る遊技結果が大当たりに相当するものだけ、その保留球を表示する大表示ユニット431a〜431dを点灯ではなく点滅させたり、多色発光の場合に異なる色に発光させたり、明るさを変化させること等が考えられる。また、可変表示遊技で特定表示態様が導出される予告演出を表示するようにしたが、もちろん、特定表示態様の前段階で導出されるリーチ態様に関する予告演出をも示すように設定してもよい。
このように本遊技機本体1では、保留数や保留に係る遊技結果に応じて、装飾表示装置430における表示状態が変化することになり、遊技者は、いっそう保留数を視覚的に容易に把握することが可能になり、また、変化に富んだ興趣のある表示を十分に楽しむことができる。本実施の形態では、保留数と保留に係る遊技結果の双方に応じて、図13、図14で説明したように、装飾表示装置430における表示状態が変化するが、もちろん、保留数だけに応じて、または保留に係る遊技結果だけに応じて、装飾表示装置430における保留球の表示状態を変化させるように構成してもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。また、可変表示装置310はスロットマシンに適用することができる。
また、前記装飾表示装置430は、保留数を遊技者が認識できる態様で表示可能なものとして構成したが、例えば、保留球の表示を可変表示装置310の画面で行ったり、別に特別図柄保留LED等を設けた上で、装飾表示装置430から保留球の表示機能を省き、単に装飾ランプとして構成してもよい。また、前記装飾表示装置430は、遊技領域17のうち遊技球が通過可能な球通過領域に配設したが、装飾表示装置430を配設する場所は、遊技機前面側であればどこでもよく、また、装飾表示装置430を複数のランプで構成するのみならず、1つのランプによって構成してもよい。
また、前記可変表示装置310では、複数の表示領域311〜313を画面中における表示として、それぞれ分割した上に互いに分離させて画面中に配置させると共に、各表示領域同士の間を画像が表示されない非表示領域314として表現したが、別の構成として、可変表示装置310の画面を、その一部を覆う区画部材により複数の表示領域に分割するようにして、この区画部材で非表示領域を形成してもよい。
それにより、平面的な単なる表示上の非表示領域314による区画の演出に頼ることなく、立体的な隠蔽および区画の構造による斬新な表示領域および非表示領域を形成することができる。区画部材としては具体的には例えば、可変表示装置310の外装をなすセンターケースの一部等から構成するとよい。ここで隣り合う各表示領域同士の間隔、すなわち非表示領域の幅は、演出画像が複数の表示領域に亘って表示されることがあるので、演出画像の一まとまりとしての視認性を妨げない程度の大きさに設定すればよい。
また、区画部材にチップLED等の発光素子を配置させたり、あるいは、可変表示装置310の画面の前面に有機ELや無機EL、薄型液晶等を配置して、これらのELや液晶等をそのまま区画部材として、画面を複数の表示領域に分割する非表示領域として構成するようにしてもよい。このような区画部材からなる非表示領域によれば、可変表示遊技の制御とは別に点灯ないし点滅させたり色を変化させる制御が可能となり、前記装飾表示装置430と同様に、装飾ランプとしての新たな機能を付加することができる。
また、前記実施の形態では、外部入力手段を外部入力スイッチ1315として構成したが、外部入力手段はスイッチに限られるものではなく、タッチパネルで構成したり、他に例えば、遊技領域17に設けられた入賞口へ球を入賞させることや、遊技盤2の誘導レール16上や遊技領域17の特定部位等に球を通過させることで、遊技者の意思を入力できるように構成してもよい。
さらにまた、前記実施の形態では、主基板100に対して、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500を、それぞれ別々の基板として構成したが、各種制御基板の構成として他に例えば、表示器制御基板300と音声制御基板500の機能を同一基板上に設けて遊技演出制御基板として、これにランプ制御基板400を組み合わせてもよく、あるいは、ランプ制御基板400と音声制御基板500の機能を同一基板上に設けて音・ランプ制御基板として、これに表示器制御基板300を組み合わせてもよい。このように、前述した表示制御手段等を実現する具体的な構成は、図5および図6に具体的に示した各種制御基板に限定されるものではない。