JP2005175621A - 動画像符号化装置及び動画像符号化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 動画像を量子化して符号化する符号化ユニットと、符号化されたデータを局所的に復号する復号ユニットを有する動画像符号化装置は、符号化の条件に応じて可変に設定することが可能なフィルタ係数に従い、入力される動画像に対して空間フィルタ処理を施すプリフィルタと、プリフィルタから出力される動画像と、復号ユニットから出力される復号画像とに基づき動画像のブロック歪み度を算出する算出ユニットと、算出されたブロック歪み度と、符号化ユニットにより符号化された動画像に対する符号量とに従い、フィルタ係数及び符号化ユニットにおける量子化を制御するための量子化スケールのうち少なくとも一方の設定を変更するためのパラメータを決定する決定ユニットとを備える。
【選択図】 図1
Description
STEP1の処理では、符号化を行う次のピクチャの目標符号量を設定する。ここで、STEP1の処理においては、現在のGOPにおいて許容される符号量Rgopが以下の(1)式により演算される(以下の各式において、「*」は乗算を意味するものとする。)。
ここで、ni,np,nbはそれぞれI、P、Bピクチャの現GOPにおける残りのピクチャ数であり、bits_rateは目標ビット・レート、picture_rateはピクチャ・レートを表す。更に、I、P、Bピクチャ毎に符号化結果からピクチャの複雑度を以下の(2)式で求めている。
Xp = Rp*Qp ・・・(2)
Xb = Rb*Qb
ここで、Ri、Rp及びRbはそれぞれI、P、Bピクチャを符号化した結果得られる符号量であり、Qi、Qp及びQbはそれぞれI、P、Bピクチャ内のすべてのマクロ・ブロックにおけるQスケールの参照値である。式(1)及び式(2)から、I、P、Bピクチャそれぞれについての目標符号量Ti、Tp及びTbは、以下の(3)式で求めることができる。
Tp=max{(Rgop/(Np+ (Nb*Kp*Xb)/(Kb*Xp))) , (bit_rate/(8*picture_rate))}
Tb=max{(Rgop/(Nb+ (Np*Kb*Xp)/(Kp*Xb))) , (bit_rate/(8*picture_rate))}
・・・(3)
ただし、Np及びNbは現GOP内のそれぞれP及びBピクチャの残りの枚数、また定数Kp=1.0及びKb=1.4である。
STEP2では、I、P及びBピクチャ毎に3つの仮想バッファを使用し、式(3)で求めた目標符号量と発生符号量との差分を管理する。仮想バッファのデータ蓄積量をフィードバックし、そのデータ蓄積量に基づいて実際の発生符号量が目標符号量に近づくように、次にエンコードするマクロ・ブロックについて、Qスケールの参照値が設定される。例えば、現在のピクチャタイプがPピクチャの場合には、目標符号量と発生符号量との差分は、次の(4)式に従う演算処理により求めることができる。
ここで、添字jはピクチャ内のマクロ・ブロックの番号であり、dp,0は仮想バッファの初期フルネスを示し、Bp,jはj番目のマクロ・ブロックまでの総符号量、MB_cntはピクチャ内のマクロ・ブロック数を示す。式((4)の関係をグラフに示すと、例示的に図2のようになる。図2において、横軸は、ピクチャ内のマクロ・ブロック数(MB_cnt)であり、縦軸はpピクチャの目標符号量である。図中のDp,jは(4)式で求められる差分値である。
ここで、r = 2*bits_rate/picture_rate ・・・(6)
である。
STEP3の処理では、視覚特性、即ち、復号画像の画質が良好になるように、エンコード対象のマクロ・ブロックの空間アクティビチィに基づいて、量子化スケールを最終的に決定する処理を実行する。
(7)式中において、vblk1〜vblk4はフレーム構造のマクロ・ブロックにおける8x8のサブ・ブロックにおける空間アクティビチィを示し、vblk5〜vblk8はフィールド構造のマクロ・ブロックにおける8x8サブ・ブロックの空間アクティビチィを示す。ここで、空間アクティビチィの演算は次の(8)、(9)式により求めることが可能である。
Pbar = (1/64 )* ΣPi ・・・(9)
ここで、Piはi番目のマクロ・ブロックのにおける画素値であり、式(8)、(9)中のΣはi=1〜64の演算である。次に(7)式で求めたACTjを以下の(10)式によって正規化を行う。
ここで、AVG_ACTは以前に符号化したピクチャにおけるACTjの参照値であり、最終的に量子化スケール(Qスケール値)MQUANTjは以下の(11)式により求められる。
以上のTM5のアルゴリズムによれば、STEP1の処理によりIピクチャに対して多くの符号量を割り当ており、更にピクチャ内においては視覚的に劣化の目立ちやすい平坦部(空間アクティビティが低い)に符号量が多く配分されるようになる。
F2(フィルタ係数,量子化スケール)
関数F1及びF2の交差点をバランス点として、符号量と画質の整合が最も優れている量子化スケールとLPFのフィルタ係数として設定する。
Test Model 5(Test Model Editing Commitee: "Test Model 5", ISO/IEC JTC/SC29/WG11/N0400(Apr.1993))
次にI、P及びBそれぞれについて求めた符号化難易度Yi、Yp及びYbからフィルタ係数パラメータZを(13)式により求める((13)式)。
式(13)により得られたZの値に応じて、図4に示すように予め設定してあるフィルタ係数S0、S1及びS3から選択する。すなわち、各フィルタ係数に対応するZの値に幅をもたせることによって急激なフィルタ係数の変化を回避している。
符号化の条件に応じて可変に設定することが可能なフィルタ係数に従い、入力される動画像に対して空間フィルタ処理を施すプリフィルタと、
前記プリフィルタから出力される動画像と、前記復号手段から出力される復号画像とに基づき動画像のブロック歪み度を算出する算出手段と、
前記算出されたブロック歪み度と、前記符号化された動画像に対する符号量とに従い、前記フィルタ係数及び前記符号化手段における量子化を制御するための量子化スケールのうち少なくとも一方の設定を変更するためのパラメータを決定する決定手段とを備えることを特徴とする。
図1は、本発明にかかる動画像符号化方法を実現する装置の構成を示す動画像符号化装置200のブロック図であり、上述のTM5アルゴリズムを実行することが可能なMPEG符号化ユニット100を利用する構成になっている。MPEG符号化ユニット100は、具体的には、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-3或いはMPEG-4規格に対応するものであり、特定の符号化規格に限定するものではない。すなわち、入力画像を量子化する構成(量子化器としてQTZ104に相当する構成)を含む符号化規格であれば本発明にかかる動画像符号化技術を適用することが可能である。
図5は、図1の符号化パラメータ決定ユニットにおける処理を説明するフローチャートである。まず、ステップS501において、上述のTM5アルゴリズムのSTEP1を利用するために、量子化スケール(Qスケール値)であるMQUANT及びフィルタ係数値(C_LPF)の初期値を設定する。
方法1は、符号化前及び復号化後の2つの画像に対するPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)を求める方法であり、MPEG符号化ユニット100への入力画像の輝度成分をPj、局所復号化ユニット111の出力画像の輝度成分をRjとすれば、PNSRは以下の(14)式により求めることができる。
PSNR = 20×log10(255/sqrt(SUM/256)) ・・・(14)
(14)式により求まるPSNRを評価することで、入力画像と出力画像の歪み度を相対的に求めることができる。
方法2は、符号化前及び復号化後の2つの画像に関し、それぞれを8x8のブロックとし、この8x8のブロックの境界の各画素について、(15)式による差分和の計算を実行する。図8はマクロ・ブロック(図8(b))と、これを構成する8×8の画素ブロックの境界画素(ハッチングを付して示す(図8(a))を例示的に示す図であり、マクロ・ブロックを構成する4つの8×8のブロックの境界画素各々について、MPEG符号化ユニット100への入力画像の輝度成分(P0j、P1j、P2j、P3j)と、局所復号化ユニット111の出力画像の輝度成分(R0j、R1j、R2j、R3j)、として両者の差分和(BN)は(15)式により求めることができる。
・・・(15)
(jは、図8の網掛けされた境界画素番号をとる)
ブロック歪み度演算ユニット109cは、上述の方法1または方法2による方法によりブロック歪み度を演算することができる。
次に、図5におけるステップS507に関し、図9のフローチャートを用いて処理の流れを具体的に説明する。ステップS507を実行する符号化パラメータ決定ユニット110は、図14に示すように符号化パラメータ算出部110aと、フィルタ係数決定部110b、量子化スケール決定部110cを有しており、符号化パラメータ算出部110aは、ブロック歪み度の演算結果、符号量、目標ビットレートを入力値として、動画像符号化に用いる符号化パラメータを算出する。そして、この算出結果に基づいて、フィルタ係数決定部110b及び量子化スケール決定部110cは、それぞれ、プリフィルタ101に設定するフィルタ係数(C_LPF)、量子化器(QTZ)104に設定する量子化スケール(Qスケール)MQUANTを決定する。
AREA =0 (S2)
ELSE IF(BN < C_BN1) THEN (S3)
AREA =1 (S4)
ELSE (S5)
AREA =2 ただし(C_BN1≧C_BN0) (S6)
このとき、AREAを分割する基準値C_BN0、C_BN1は入力画像を本発明の実施形態にかかる動画像符号化装置200に入力する前に予め設定しておくものとする。次に求められた各AREAに応じて、符号化パラメータ算出部110aは、以下の処理を実行する。
WARN_BN = 0 (S8)
ELSE (S9)
IF(WRAN_BN_COUNT > C_BN_COUNT) THEN (S10)
WARN_BN = 1 (S11)
ELSE (S12)
WARN_BN = 0 (S13)
(C_BN1≧C_BN2≧C_BN0) (S14)
ここで、AREA=1を更に2つの領域に分割するパラメータC_BN2はパラメータC_BN0及びC_BN1と同様に予め設定するものとする。また、WARN_BNは、ブロック歪み度が大きく警告状態にあることを特定するためのパラメータであり、図9のステップS905において、符号化パラメータ算出部110aは、このパラメータの値を判定する。
また、本発明の目的は前述したように、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステムあるいは装置に提供し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
Claims (10)
- 動画像を量子化して符号化する符号化手段と、当該符号化されたデータを局所的に復号する復号手段を有する動画像符号化装置において、
符号化の条件に応じて可変に設定することが可能なフィルタ係数に従い、入力される前記動画像に対して空間フィルタ処理を施すプリフィルタと、
前記プリフィルタから出力される前記動画像と、前記復号手段から出力される復号画像とに基づき当該動画像のブロック歪み度を算出する算出手段と、
前記算出されたブロック歪み度と、前記符号化手段により符号化された動画像に対する符号量とに従い、前記フィルタ係数及び当該符号化手段における量子化を制御するための量子化スケールのうち少なくとも一方の設定を変更するためのパラメータを決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする動画像符号化装置。 - 前記決定手段は、前記算出されたブロック歪み度に応じて、
前記プリフィルタを動作させないように前記フィルタ係数を決定することを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。 - 前記決定手段は、前記算出されたブロック歪み度のレベルに応じて、前記プリフィルタを低周波領域の通過帯域の特性を与えるように前記フィルタ係数を決定することを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
- 前記決定手段は、前記算出されたブロック歪み度のレベルに応じて、前記プリフィルタを低周波領域の通過帯域の特性を与えるように前記フィルタ係数を決定し、更に、前記歪み度のレベルに応じて前記量子化スケールの値を変更するための値を決定することを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
- 動画像を量子化して符号化する符号化手段と、当該符号化されたデータを局所的に復号する復号手段を有する動画像符号化装置において実行する動画像符号化方法であって、
符号化の条件に応じて可変に設定することが可能なフィルタ係数に従い、入力される前記動画像に対して空間フィルタ処理を実行するフィルタ処理工程と、
前記空間フィルタ処理がされた前記動画像と、前記復号手段から出力される復号画像とに基づき当該動画像のブロック歪み度を算出する算出工程と、
前記算出されたブロック歪み度と、前記符号化手段により符号化された動画像に対する符号量とに従い、前記フィルタ係数及び前記符号化手段における量子化を制御するための量子化スケールのうち少なくとも一方の設定を変更するためのパラメータを決定する決定工程と、
を備えることを特徴とする動画像符号化方法。 - 前記決定工程は、前記算出されたブロック歪み度に応じて、前記フィルタ処理工程における前記空間フィルタ処理を実行させないように前記フィルタ係数を決定することを特徴とする請求項5に記載の動画像符号化方法。
- 前記決定工程は、前記算出されたブロック歪み度のレベルに応じて、前記プリフィルタを低周波領域の通過帯域の特性を与えるように前記フィルタ係数を決定することを特徴とする請求項5に記載の動画像符号化方法。
- 前記決定工程は、前記算出されたブロック歪み度のレベルに応じて、前記プリフィルタを低周波領域の通過帯域の特性を与えるように前記フィルタ係数を決定し、更に、前記歪み度のレベルに応じて前記量子化スケールの値を変更するための値を決定することを特徴とする請求項5に記載の動画像符号化方法。
- 請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の動画像符号化方法をコンピュータによって実行させることを特徴とするプログラム。
- 請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の動画像符号化方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムを格納することを特徴とする記憶媒体。
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