JP2005175321A - エッチングレジスト前駆体組成物及びそれを用いた配線基板の製造方法、並びに配線基板 - Google Patents

エッチングレジスト前駆体組成物及びそれを用いた配線基板の製造方法、並びに配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 フォトリソグラフィー技術による配線基板製造方法における本質的な課題と言えるフォトマスクに関わる問題を解決し、さらに、配線微細化によって引き起こされるレジスト耐性不足の問題を解決する技術を提供する。
【解決手段】 (a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、これらの成分を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物5のペーストを作製し、(b)凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、孔版印刷のいずれかから選ばれる印刷技術を用いて前記ペーストを基板上に転写し、(c)しかる後に基板を100〜250℃に加熱することによって前記ペーストを焼結させて所望パターン形状を有するエッチングレジストとする工程を含む配線基板の製造方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、印刷回路の技術に関し、特に、低コストかつ短時間で配線基板を製造する方法、それに用いるエッチングレジスト前駆体組成物および配線基板に関する。
多層配線基板の製造方法としてこれまで多種多様な方法が考案されてきており、それらの方法は幾通りかの観点から分類され、また、その特徴に応じて使い分けられている。
例えば、プリント配線基板の製造方法に関し、その導体部形成方法に着目して分類すると、(1)全面に導体形成した後に、所望の導体箇所のみを残してその他の部分をエッチング除去する「サブトラクティブ法」と、(2)めっきなどの方法を用いて所望の箇所のみに導体パターンを形成していく「アディティブ法」の2種類がある。
最近では、様々の電子機器に使用されている配線基板にはかなりの高密度配線が要求されるようになっており、上記いずれの方法を用いる場合でも、微細なパターンを形成することに適したフォトリソグラフィーを使用して所望の導体パターンを形成することが一般的になっている。
フォトリソグラフィーを用いた配線基板製造技術は概略以下の通りである。
サブトラクティブ法の場合は、まず始めに表面に導体を形成した基板を用意し、その表面に感光性材料(レジスト)を成膜する。しかる後に、露光・現像によって該レジストを所望のパターンに加工し、そのパターンをマスクとして、パターンの開口箇所にある基板表面導体を選択的にエッチング除去し、最後にレジストを除去することによって所望の導体パターンを得る。
他方、アディティブ法では基板表面に成膜した感光性材料(レジスト)を露光・現像することによって所望のパターンに加工した後に、そのパターンをマスクとして、めっきなどの方法によりレジスト開口パターンにならって導体を形成し、最後にレジストを除去することによって所望の導体パターンを得る。
上記技術では、サブトラクティブ法を用いる場合でも、アディティブ法を用いる場合でも、感光性材料を用いたフォトリソグラフィー技術を活用したことによって、所望パターンに相当するフォトマスクを用意すれば、微細で高密度な回路パターンを比較的容易に形成できる。
しかしながら上記従来技術はフォトリソグラフィーを活用しているが故に、以下に列挙するようなフォトリソグラフィー特有の技術課題を抱えている。
(1)路パターンの設計終了後、生産開始までに長時間を要する。
上記フォトリソグラフィー技術で使用されるフォトマスクは、CAD(Computer Aided Design)などを用いて所望の回路パターンを設計した後に、そのデータをさらにフォトマスク製造装置(フォトプロッター)の加工データに変換した上で、ようやくフォトマスク作製が開始できる。フォトマスクをこれらの煩雑な工程を経て作製するためには数日〜1週間程度の時間を要するが、フォトマスクがなければ基板製造を開始できず、製造リードタイム短縮の障害となっている。
(2)計変更の都度フォトマスクを作製する必要がある。
回路パターンのごく一部だけを変形するような軽微な設計変更でも、上記フォトマスクは新たに作製し直す必要があり、その都度、フォトマスクが完成するまで基板製造を中断するなど、無駄な待ち時間が発生する。
アナログ信号処理回路では、周辺の回路からのノイズによる予期せぬ誤動作が発生しやすいため、製品組み立て後のパターンの手直し(カットアンドトライ)を実施することが多く、手直しの度にフォトマスクを作製し直すという手間が発生することが、開発期間長期化の原因の1つとなっている。
(3)造拠点毎に重複してフォトマスクを作製する必要がある。
フォトマスク上のパターン寸法は、一般に、設計図面上のパターン寸法通りではなく、製造ライン固有の補正を施すことが行われる。具体的には、種々の処理装置・設備の性能・精度(例;露光機における光源の平行度・波長・収差や成膜装置における膜質の面内分布、温度分布など)を考慮して補正したパターン寸法・形状とする。
従って、全く同じ製品(配線基板)を製造する場合であっても、複数の製造拠点間でフォトマスクを融通することはできず、拠点間で分担生産を実現するには製造拠点毎にフォトマスクを作製する必要があり、機動的な生産調整の障害となっている。
一方、現在では携帯電話やパーソナルコンピュータなど様々な情報機器が世間に流通しているが、こうした情報機器は1人で1台(ないしはそれ以上)所有する傾向が強まっており、その個人個人の様々な使用環境、使用状況に応じた多様な機能・性能が求められるようになってきた。こうした多様なニーズを充足するためには、従来のような「単一規格品の大量」の生産方式では対応できず、多品種少量生産かつ需要変動に応じて生産量や生産地を調整できる製造方式が希求されるようになってきている。
このような市場要求に対する大きな障害となる上記(1)〜(3)の課題を解決するために、フォトマスクを使用することなくレジストの所定の箇所のみを選択的に照射する技術が提案されている。これは直接描画技術と呼ばれているが、例えば、特許文献1に例示されているとおり、フォトマスクを使用する代わりにレジスト表面をレーザビームでスキャン照射するという技術である(第1の従来技術)。
前記第1の従来技術ではフォトマスクを使用しないため、上記(1)〜(3)に記載する問題は解決される。しかしながら、本技術で使用するレーザスキャン装置はレーザ光源と複雑な光学系に加え、膨大な描画データを迅速に処理するデータ処理を組み合わせた大がかりな設備であり、高価かつ消費エネルギーも大きいという新たな問題が発生する。
一方、特許文献2、3、4には、感光性材料の露光・現像というフォトリソグラフィー技術ではなくインクジェットプリンティング技術を用いてレジストパターンを形成する技術を提案している(第2の従来技術)。この技術の特徴は、耐薬品性樹脂インク(レジスト)を基板上に直接描画する点にあり、レジストを全面に塗布する工程、不要箇所のレジストを除去する工程が不要となる。
その結果、(1)レジスト使用量削減、(2)現像液不使用、(3)工程省略による製造時間短縮により、製造コストも低減できる。インクジェットプリンティング装置は、複雑な光学系やレーザ発振のための電源も不要なので、前記第1の従来技術で使用したレーザスキャン装置と比べると比較的安価であり、消費電力も少ない。
また、インクジエットプリンティング技術においては、インクのにじみやダレが発生し易いが、かかる対策として基板の表面粗度範囲を特定する技術が、特許文献5には提案されている。
特開2003-195511号公報 特開昭56−66089号公報 特開昭56−157089号公報 特開昭58−50794号公報 特開平8−242060号公報
前記第2の従来技術を用いて微細配線を形成する場合、インクジェットプリンティングによって極微少なインク液滴を精密に吐出させるために低粘度インクを使っており、その結果として、1回の描画によってレジストは極めて薄い膜厚となり、所望のめっき工程あるいはエッチング工程に耐えられずに剥離や欠けが発生するという問題がある。
この問題を解決するために、複数回の重ね塗りによってめっき工程あるいはエッチング工程に耐える膜厚のレジストパターンを形成するという方法があるが、成膜に長時間を要する上、インクのにじみやダレが発生するという問題がある。前記の如く、特許文献5では、インクのにじみやダレの問題を対策するために、基板(導体)の表面粗度範囲を限定するという技術を提案している。しかしながら、成膜に長時間を要するという問題に対しては何らの回答になっていない。
また、導体表面粗度はレジストの密着性に大きく影響するため、にじみやダレの対策として表面粗度範囲を限定すればレジストの密着性が確保できず、めっきやエッチング工程の途中でレジストの剥離や欠けが発生し、結局、所望のめっき工程あるいはエッチング工程には耐えられない。
また、インクジェットプリンティングによって極微少なインク液滴を精密に吐出させるためにはインク吐出口の超精細加工が必要となるので、インク吐出口の入手が困難となる。さらに、極微少なインク液滴によって広い面積にレジスト成膜することを効率的に実行するためには多数の高精細インク吐出口を並置することが望ましいが、そのような多数並置高精細吐出口を有するインクジェットプリンティング装置が高価となることは避けがたく、装置価格に関する前記第1の従来技術の課題を解決しているとは言えない。
本願発明の目的は、前記第2の従来技術における問題を解決することである。
具体的には、第2の従来技術における第1の問題(レジストの剥離や欠けの発生)を解決するような、密着性の高いレジストを印刷法によって成膜する技術を提供することが本願発明の第1の目的である。
本願発明の第2の目的は、グランド配線のような広い領域でも信号配線のような微細領域でも高速かつ効率的にレジストを成膜する技術を提供することである。
さらに、レジストの直接描画によって短納期で製造できる低価格な配線基板を提供することも本願発明の目的である。
上記目的を達成するために、本願発明者は配線導体となる金属に対して金属的結合を形成する物質を印刷成膜することにより、レジスト密着性と高速成膜性とを両立させる技術を考案し、さらに該技術によって低コストかつ短リードタイムな配線基板の製造方法を考案し、本願発明に至った。
本願発明の技術(技術的手段)の特徴は以下の通りである。
本願発明のエッチングレジスト前駆体組成物は、(a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、(b)該金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、(c)100〜250℃の範囲で該被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、(d)前記(a)〜(c)の成分を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含み、250℃以下の温度で焼結できることを特徴とする。
本願発明の配線基板の製造方法は、(a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、これらの成分を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物のペーストを作製し、(b)凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、孔版印刷のいずれかから選ばれる印刷技術を用いて前記ペーストを基板上に転写し、(c)しかる後に基板を100〜250℃に加熱することによって前記ペーストを焼結させて所望パターン形状を有するエッチングレジストとする工程を含むことを特徴とする。
本願発明の配線基板は、基板上の導体金属との間で金属拡散状態が形成されているエッチングレジストをマスクとして前記導体金属をエッチングすることにより所定の配線用の導体パターンが形成されていることを特徴とする。該配線基板において、前記エッチングレジストは、前記導体金属との間で相互拡散、あるいは前記導体金属への拡散を行う金属粒子を有し、焼結により前記エッチングレジストとなるエッチングレジスト前駆体組成物を前記導体金属上で焼結させることにより形成されることを特徴とする。
前記エッチングレジストは、(a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、(b)前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、(c)100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、(d)前記金属超微粒子、前記被覆性有機化合物、前記潜在硬化性有機化合物の3者を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物を、前記基板上の前記導体金属上で焼結させることにより形成されていることを特徴とする。
本願発明の配線基板は、導体金属をエッチング処理して配線導体パターンを形成するに際してマスクとして使用され、且つ、前記配線導体と金属結合されたエッチングレジストを、前記配線導体パターン上に残存させていることを特徴とする。エッチングレジストは、(a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、(b)前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、(c)100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、(d)前記金属超微粒子、前記被覆性有機化合物、前記潜在硬化性有機化合物の3者を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物を、基板上の前記導体金属上で焼結させることにより形成されていることを特徴とする。
本願発明の配線基板は、導体金属のエッチング処理による配線導体パターン形成に際しては、前記導体金属と金属結合した状態でマスクとして使用され、前記マスクとしての使用後には前記導体金属上に残存可能な導電性を有するエッチングレジストを用いて製造されることを特徴とする。エッチングレジストは、金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆性有機化合物を被覆させたナノ粒子と、100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物とを分散溶媒に分散させたエッチングレジスト前駆体組成物を、前記導体金属上で焼結させることにより形成されていることを特徴とする。前記金属超微粒子は、平均粒径1〜10nmであることを特徴とする。
本願発明の提案する技術により以下の効果が達成される。
(1)配線導体となる金属に対して金属的結合を形成する物質をレジストとするため、レジストの所要厚は薄くてよい。レジスト厚が薄いためレジストの微細加工が容易になるうえ、エッチング工程におけるエッチング液の流動性も良くなるので、フォトリソグラフィーによらずに所望の微細パターン形成が可能となった。
(2)膜厚の薄いレジストをマスクとして導体金属のエッチング処理を行うことができるため、エッチング処理により形成される導体断面形状の矩形性を向上させることができる。導体断面形状の矩形性を向上させることにより、配線部におけるボンディング面積の確保、導通抵抗の低減を図ることができる。
(3)低温焼結可能なレジスト前駆体のパターンを基板上に直接描画するため、短時間かつ低コストで配線を製造できる。レジスト現像液は不要となり、露光機や現像装置などの設備投資額も最小化できる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、適宜、図を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本願発明が提案する技術の1つであるエッチングレジスト前駆体組成物について説明する。図1は、本願発明に係るエッチングレジスト前駆体組成物の構成の一例を模式的に示す概念図である。
図1に示すように、(a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子(金属ナノ粒子)1、(b)該金属超微粒子1の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物2、(c)100〜250℃の範囲で該被覆性有機化合物2と反応する潜在硬化性有機化合物3、(d)前記(a)〜(c)の成分を安定的に分散させ得る分散溶媒4とを、本願発明に係るエッチングレジスト前駆体組成物5は含む。
本願発明に好適な金属超微粒子1は平均粒径1〜10nmの金属ナノ粒子である。本願発明では、以下の点を考慮した上で金属ナノ粒子の金属種を決める。
(1)配線導体金属と強固な金属結合を形成すること、(2)エッチング耐性を有する金属膜を形成するか、あるいは、配線導体金属との間で生成する金属間化合物がエッチング耐性を有すること、を考慮した。
かかる金属種としては、具体的には、例えば、銀、白金、パラジウム、スズ、鉛、ニッケルなどが挙げられる。
上記金属超微粒子1同士が互いに凝集しないようにするために、その表面にはあらかじめ被覆性有機化合物2を付着させてあり、本願発明では、その膜厚が1〜10nmであることが望ましい。
本願発明では自己組織化の機構を通じて被膜を自発的に形成させているので、その機構によって成膜できる実用的膜厚上限が、本願発明で最も望ましい膜厚の上限となる。併せて、凝集防止効果が十分に得られる膜厚を、本願発明で最も望ましい膜厚の下限とした。すなわち、1nm以上、10nm以下と設定しておけば好ましい。なお、金属超微粒子1の表面に膜厚1〜10nmの膜厚で被覆性有機化合物2で被覆した粒子も2〜20nmの粒径範囲のナノ粒子である。
本願発明では、エッチングレジスト前駆体組成物5を保管している間に該被覆膜が金属超微粒子1の表面から剥がれることのないように、該被覆性有機化合物2は上記金属に対する配位性を有することが望ましい。本願発明では公知慣用の配位結合性化合物を使用できるが、非結合性電子対(non-bonding electron pair)を有するルイス塩基(電子供与体)であることが望ましく、具体的に例示すれば1級ないしは2級アミン類や環状ポリエーテルなどが好適である。
典型的な化合物例をさらに詳細に示せば、ジイソプロピルアミンやトリオキサンなどを挙げることができる。しかし、かかる物質は被覆性有機化合物として使用し得る物質をより詳細に例示したまでで、上記被覆性有機化合物をかかる物質に限定する必要がないことは言うまでもない。
本願発明では、被覆性有機化合物2を金属超微粒子1表面に自発的に集積(自己組織化)させるが、その際、被覆性有機化合物2が金属超微粒子1の表面に自己集積する反応と、金属超微粒子1同士が凝集・集積する反応が競争的に起きる。金属超微粒子1同士が凝集・集積すると後述するナノサイズ効果が失われてしまうため、自己組織化反応の速度が大きい被覆性有機化合物2を使用することが望ましい。
本願発明者は、自己組織化反応の速度は液中の物質移動に大きく影響を受けることを見出し、後述する分散溶媒4中における移動速度が大きいルイス塩基を被覆性有機分子として選択した。あるいは、被覆性有機分子の移動速度が速くなる条件でエッチングレジスト前駆体組成物5を混合・調製するようにしてもよい。なお、自己組織化の速度は溶媒中の移動速度だけで決まるものではなく、また溶媒中の移動速度も様々な要因で決まることはここで改めて指摘し直すまでもない。
本願発明で好適な被覆性有機化合物2は、入手の容易さも考慮すると、分散溶媒4とのインターラクションの強さの指標であるドネーションナンバーが0〜14、分子量が50〜2000の範囲にあるルイス塩基である。
なお、金属超微粒子1の金属種、粒子径などにより、その酸硬度(ハードネス)が異なるので、本願発明では、金属超微粒子1の酸硬度に対応するハードネスを有するルイス塩基を、被覆性有機化合物2として使用することが望ましく、塩基度と求核力が適度にバランスしている化合物が最も望ましい。
このような工夫によって上記被覆膜はエッチングレジスト前駆体組成物5を保管している期間中には剥がれない。ただし、この組成物からエッチングレジストを形成するに先だって上記被覆膜を剥がす必要があり、本願発明では、該被覆膜を構成している被覆性有機化合物2と反応する潜在能力を有する化合物(潜在硬化性有機化合物3)を混入させておく。
潜在硬化性有機化合物3は、上記被覆性有機化合物2と反応する公知慣用の物質から選択するが、保管中には反応せず、特定の外部刺激を与えることによって反応が開始する「潜在的反応性」を示す物質が好適である。
具体的には、(1)室温では固体なのでほとんど反応性がないが、加熱によって溶媒への溶解が起こり、あるいは融解することによって反応性を顕現化させる物質、(2)特定の温度以上にすれば、分解あるいは転位反応を引き起こして反応性の官能基を獲得する物質、(3)特定波長の光刺激によって分解あるいは転位反応を引き起こして反応性の官能基を獲得する物質、などが挙げられる。
本願発明では、配線基板製造工程における設備・プロセスの簡便性を考慮して、「特定の外部刺激」として加熱処理が最も好適であると判断し、100〜250℃の加熱処理によって反応性を顕現化させるかあるいは反応性を獲得する潜在硬化性有機化合物3を使用している。
本願発明に好適な潜在硬化性有機化合物3の典型例を例示すれば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルフォスヒンなどであるが、かかる物質はあくまで例示として示したもので、潜在硬化性有機化合物3をかかる物質に限定する必要がないことは言うまでもない。
なお、潜在性を補助・増大させる目的で、必要に応じて、潜在性補助成分を添加することは差し支えない。例えば、熱や光によって分解して酸あるいは塩基を発生する物質を添加することがある。具体的には、熱によってホフマン分解して酸を発生するアンモニウム塩類や光分解によって酸を発生するスルフォニウム塩類などであり、本願発明では、エッチングレジスト前駆体組成物5の安定な分散性を阻害しない範囲でこれらの補助成分を添加することが望ましい。
本願発明の潜在硬化性有機化合物3は、被覆性有機化合物2の求核置換基から求核反応を受ける。従って、本願発明で好適な被覆性有機化合物2と潜在硬化性有機化合物3とは互いの反応性を考慮した上で、使用目的に応じた組合せを適宜選択することが望ましい。
本願発明で最も好適な組合せは、強塩基性かつ弱求核性の被覆性有機化合物2と弱酸性かつ弱〜中求電子性の潜在硬化性有機化合物3との組合せである。
本願発明では、上記の金属超微粒子(金属ナノ粒子)1と、被覆性有機化合物2と、潜在硬化性有機化合物3との3者を安定的に分散させるために分散溶媒4を用いる。分散溶媒4としては、公知慣用の有機溶媒を使用できるが、被覆性有機化合物2と潜在硬化性有機化合物3の間での適度な反応性を実現した上で、さらに金属超微粒子1の安定な分散性を確保する溶媒であることが望ましい。
適度の反応性を実現するという観点から、分散溶媒4は特定の物理化学的な特性を有していることが望ましい。本願発明で好適な特定の物理化学的特性の例を挙げると、溶解度パラメータ、粘度、表面張力、誘電率などである。本願発明者の実験によると、本願発明に好適な分散溶媒4の溶解度パラメータδの具体的数値は2.5から7.0の範囲であった。なお、言うまでもないことであるが、数種類の溶媒を組み合わせて使用することもできるし、前記溶解度パラメータの範囲を超える溶媒であっても、粘度や誘電率などの特性値によっては全く使用できないわけではない。
なお、本願発明では、溶媒の溶解度パラメータは公知慣用の算出式、すなわち、液体分子の蒸発エンタルピーΔHを分子体積で除した後に1/2乗することによって得られる数値を用いている。
本願発明のペースト組成では、表面を被覆性有機物化合物2を被覆したことによって疎水的特性も兼ね備える金属超微粒子1と潜在硬化性有機化合物3を含有している。これら両者を安定に分散させるために、発明者等が分散溶媒を鋭意探索したところ、安定分散のための鍵物性の一つが分散溶媒の極性であることを見出した。
本願発明者が溶解度パラメータを指標にして分散安定性を調べたところ、溶解度パラメータδが上記の如く、2.5〜7.0の範囲であれば比較的安定に分散したペーストが得られ易いことを確認した。
なお、前記算出式から自明なとおり、溶解度パラメータは該溶媒の単位体積当たりの極性の大きさを示す指標であることから、溶解度パラメータが2.5を超えて小さくなると疎水性が強くなり過ぎて部分的に疎水性を有する金属超微粒子1が凝集し易くなるのであろうと推測している。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1で説明した本願発明に係るエッチングレジスト前駆体組成物を活用した配線基板の製造方法およびその配線基板について説明する。
先ず、本願発明が提案するエッチングレジスト前駆体組成物5を活用した配線基板の製造方法について説明する。本願発明に係る前記提案のエッチングレジスト前駆体組成物5を用いることによって簡便に微細な配線パターン形成が実現できるので、この微細配線パターン形成法を少なくとも一部に使用することによって低コストかつ短時間で微細配線を有する配線基板を製造できる。
図2(a)〜(e)は、本願発明が提案する微細配線を有する配線基板の製造方法の一例を、処理手順に沿って具体的に例示したプロセス概略図である。
図2(a)は配線基板の土台となる基材6を示している。図2(b)に示す如く、基材6の表面に上記エッチングレジスト前駆体組成物5を所望のパターン形状となるように成膜する。図2(c)に示す如く該パターン部分が焼結するように熱処理した後に、図2(d)に示すようにエッチング処理することによって所望パターンを有する微細配線となる。この後、所望の層数となるまで多層化するためには、図2(e)に示すように樹脂付銅箔7を貼り付けた後に、図2(b)〜図2(d)の操作を繰り返しても良いし、あるいは必要に応じて他の基板と併せて一括積層しても良い。
以下、図2(a)〜(e)の各操作に関して詳細に説明する。
先ず始めに、図2(a)に示すように、エッチング工程(後述)でパターンエッチングされる銅箔などの導体8をあらかじめ形成した基材6を用意する。ここでは、あらかじめ両面に銅箔が貼り付けられた形状で入手できる両面銅張基板を例示しているが、公知慣用の他の基板、例えば片面銅張基板を用いてもさし支えないし、絶縁基板に導体8を貼り付けることによって自ら作成しても良いことは言うまでもない。
次に、図2(b)に示すように、エッチングレジスト前駆体組成物5を上記基材6の表面にある導体8上にパターン状に成膜する。本願発明では、エッチングレジスト前駆体組成物5のパターン形成には、フォトリソグラフィー技術によらず、印刷技術を用いる。本願発明では公知慣用の印刷技術を用いてパターン形成することが可能であるが、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、孔版印刷のいずれかから選ばれる印刷技術が望ましい。特に好適な印刷技術は、孔版印刷であり、なかでもスクリーン印刷やステンシル印刷が特に好適である。
本願発明では、少なくとも一部の配線パターンをフォトリソグラフィーによらず印刷技術を用いて形成する点に特徴があり、この特徴により、配線基板上の所望箇所のパターンのみに選択的な修正をすることが簡便に実施できる。また、平均粒径1〜10nmという超微細な粒子を用いたことが配線幅1μmを下回るような微細配線の形成を可能にしていることは言うまでもない。逆に、本願発明の上限である10nmを超える粒径の粒子を用いると、ナノサイズ効果が得られないだけではなく、印刷によって形成できる細線化限界も必然的に大きくなるからである。
本願発明では公知慣用の印刷マスクを使用できるが、微細パターンを形成する場合には印刷マスク開口部の状態に特段の注意を要する。エッチングレジスト前駆体組成物5の転写量はマスク開口部に露出している紗の影響を受けるため、可能であれば開口部に紗が露出していないメタルマスクがよい。改めて指摘するまでもないが、メタルマスクをマスク枠に取り付けるに際して、メタルマスクの周囲に紗の部分を設けたいわゆるコンビネーションマスクを用いても良い。
図2(c)は、所望パターン形状を有するエッチングレジスト前駆体組成物5の焼結工程を示している。本願発明では、該パターン形状を有するエッチングレジスト前駆体組成物5と基材6とを100〜250℃の温度範囲で加熱処理することによって、エッチングレジスト前駆体組成物5が基材6の表面の導体部8a(8)に焼結する。必要に応じて、パターン部分のみを選択的に加熱する方法を採用しても特段の問題はない。例えば、レーザ等による直接スポット加熱などの方法がある。
この焼結の過程では、金属超微粒子1(金属ナノ粒子)はそのナノサイズ効果によって溶融すると同時に、被覆性有機化合物2と潜在硬化性有機化合物3との反応によって該被覆性有機化合物2が金属超微粒子1の表面から除去される反応が起こる。さらに、上記溶融状態の金属超微粒子1は基材6の表面に存在する導体8aの金属と反応して、金属接合を形成するか、あるいは金属間化合物を生成する。その際、金属超微粒子1は基材6表面の金属の内部に拡散し、あるいは金属超微粒子1と基材表面金属とが相互拡散した状態になっており強固な結合を確保している。これにより、エッチング工程やめっき工程に対して耐性の高いレジスト被膜9となる。
次に、図2(d)に示すように、所望のパターン形状を有するレジスト被膜9が成膜された基材6を、レジスト被膜9をマスクとしてエッチング処理することにより、基材6表面の導体8を所望パターンに加工する。本願発明では公知慣用のエッチング処理を使用できるが、レジスト被膜9と導体8とのエッチング選択比を考慮して、エッチング液の組成、エッチング条件を設定する。本願発明で好適なエッチング液の具体例を例示すると、例えば、塩化アンモニウム/アンモニア混合液や硫酸/過酸化水素水混合液などのエッチング液などがある。
本願発明では、図2(d)までの工程によって表裏1層分の微細配線が形成できるが、必要に応じて、公知慣用の方法によって多層化することも容易である。本願発明で最も好適な多層化の方法は、図2(d)までの工程で形成した微細配線の上に図2(e)に示すように、樹脂付銅箔7を貼り付けた後に公知慣用のビルドアップ基板製造方法を適用することである。勿論、かかる方法以外の多層化を採用しても構わないことは、言うまでもない。
なお、上層のパターニングの際にも図2(b)〜図2(d)の操作を繰り返し使用することはなんら問題はない。このようにすることによって、既存の基板製造設備を流用できるため、設備投資最小化と設備稼働率の平準化が達成できる。
次に、上記説明の本願発明に係る製造方法により製造された配線基板について説明する。以上に説明の配線基板の製造方法により製造された配線基板においては、マスクとして使用したレジスト被膜9はそのまま導体8の上に残存させた状態でも構わない。レジスト被膜9は、前記説明のエッチングレジスト前駆体組成物5を焼結することにより形成されているもので、元々導電性を有しており、そのまま導体8の上に残存させることもできる。そのため、必ずエッチング時のマスクとして用いたレジストを除去する必要がある従来技術に比べて、かかるレジスト除去の工程を省くことができ、生産コストの低減が図れる分、安価な配線基板となる。勿論、必要に応じて、レジスト被膜9を導体8上に残さず、除去しても構わない。
本発明の実験によると、金属超微粒子1の金属種が銀あるいは銀合金である場合は、レジスト被膜9を残した状態で使用するよりも、レジスト被膜9を除去した状態で使用する方が好ましい信頼性結果となった。一方、スズを用いた場合は、残しておいても除去しておいても信頼性の観点での差は見られず、スズの除去工程を省略して低コスト化できるという観点を重視するならスズを除去せずに使用するとよい。
また、前記説明の如く、レジスト被膜9は、導体8と金属結合を形成するため、かかる金属結合を形成することなく物理吸着で導体8上に形成される従来の有機樹脂レジストからなるマスクとは異なり、エッチング液等による浸食は遥かに受けにくい。そのため、従来の有機樹脂レジストを用いたサブトラクティブ法の場合に比べて、格段にレジスト被膜9を薄く形成することができ、その分、エッチング時におけるエッチング液の液回りが良好となり、エッチングにより形成される導体8の断面がより矩形形状に近い形となる。
従来の有機樹脂レジストをエッチング時のマスクとして用いる場合には、エッチング処理時に剥がれないように層厚を厚く形成する必要があり、その分、エッチング液の良好な液回りが確保されず、形成された導体の断面形状は、本願発明に係る配線基板とは異なり、上方から下方に向けて裾拡がりの形状となる。
本願発明の配線基板では、導体断面を矩形形状に近づけることができるため、これまでの配線基板とは異なり、配線となる導体8の導通断面積を増やすことができ、配線における電気抵抗をより少なくすることができる。
さらに、従来技術を適用した裾拡がりの断面形状に比べて、導体上面におけるボンディング面積を広く確保することができ、ワイヤボンディング、フリップチップボンディングなどのボンディング処理時におけるボンディングエラーをも解消することができ、良好なボンディング特性を有した配線基板となる。
一方、本願発明に係る配線基板を、従来手法のアディティブ法により製造された配線基板と比較すると次のようになる。すなわち、アディティブ法を適用して矩形形状の断面を有する導体を形成する場合には、フルアディティブ法と、セミアディティブ法とがあるが、フルアディティブ法による場合には、深い開口部を有するレジストパターンを形成し、その開口部に一様にめっきを成長させて導体を形成する必要があり、かかる技術は難しく、実効性のある現実的対応はできない。そのため、より現実的には、段階的にめっきを足して行くセミアディティブ法が採用されるが、しかし、かかる方法では、工数が格段に増えて生産コストが高くなり、本願発明に係るような低コスト化は望めない。
さらに、アディティブ法の場合には、フルアディティブ法にしろ、セミアディティブ法にしろ、配線基板に形成された導体のコプラナリティが問題となる。配線基板の多数箇所にわたるレジストパターンの開口部におけるめっき成長を一様に管理することは現実的には難しく、電流密度で大きくめっき成長が異なるため、このようにして形成された配線基板の導体部におけるコプラナリティは、一様の膜厚に形成したレジストをエッチング処理して製造される本願発明の配線基板に比べて格段に劣るものとなる。
本願発明は、印刷回路の分野に有効に利用することができる。より詳細には、低コストかつ短時間で配線基板を製造する方法および該配線基板の分野などで有効に利用することができる。
本願発明に係るエッチングレジスト前駆体組成物の構成の一例を模式的に示す概念図である。 (a)〜(e)は、本願発明が提案する微細配線を有する配線基板の製造方法の一例を処理手順に沿って具体的に例示したプロセス概略図である。
符号の説明
1…金属超微粒子、2…被覆性有機化合物、3…潜在硬化性有機化合物、4…分散溶媒、5…エッチングレジスト前駆体組成物、6…基材、7…樹脂付銅箔、8…導体、8a…導体部、9…レジスト被膜。

Claims (10)

  1. (a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、(b)前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、(c)100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、(d)前記(a)〜(c)の成分を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含み、250℃以下の温度で焼結できることを特徴とするエッチングレジスト前駆体組成物。
  2. (a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、これらの成分を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物のペーストを作製し、(b)凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、孔版印刷のいずれかから選ばれる印刷技術を用いて前記ペーストを基板上に転写し、(c)しかる後に基板を100〜250℃に加熱することによって前記ペーストを焼結させて所望パターン形状を有するエッチングレジストとする工程を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  3. 基板上の導体金属との間で金属拡散状態が形成されているエッチングレジストをマスクとして前記導体金属をエッチングすることにより所定の配線用の導体パターンが形成されていることを特徴とする配線基板。
  4. 請求項3記載の配線基板において、
    前記エッチングレジストは、
    前記導体金属との間で相互拡散、あるいは前記導体金属への拡散を行う金属粒子を有し、焼結により前記エッチングレジストとなるエッチングレジスト前駆体組成物を前記導体金属上で焼結させることにより形成されることを特徴とする配線基板。
  5. 請求項3または4記載の配線基板において、
    前記エッチングレジストは、
    (a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、
    (b)前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、
    (c)100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、
    (d)前記金属超微粒子、前記被覆性有機化合物、前記潜在硬化性有機化合物の3者を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物を、前記基板上の前記導体金属上で焼結させることにより形成されていることを特徴とする配線基板。
  6. 導体金属をエッチング処理して配線導体パターンを形成するに際してマスクとして使用され、且つ、前記導体金属と金属結合されたエッチングレジストを、前記配線導体パターン上に残存させていることを特徴とする配線基板。
  7. 請求項6記載の配線基板において、
    前記エッチングレジストは、
    (a)平均粒径1〜10nmの金属超微粒子と、
    (b)前記金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆させた被覆性有機化合物と、
    (c)100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物と、
    (d)前記金属超微粒子、前記被覆性有機化合物、前記潜在硬化性有機化合物の3者を安定的に分散させ得る分散溶媒とを含むエッチングレジスト前駆体組成物を、基板上の前記導体金属上で焼結させることにより形成されていることを特徴とする配線基板。
  8. 導体金属のエッチング処理による配線導体パターン形成に際しては、前記導体金属と金属結合した状態でマスクとして使用され、前記マスクとしての使用後には前記導体金属上に残存可能な導電性を有するエッチングレジストを用いて製造されることを特徴とする配線基板。
  9. 請求項8記載の配線基板において、
    前記エッチングレジストは、
    金属超微粒子の表面に膜厚1〜10nmで被覆性有機化合物を被覆させたナノ粒子と、100〜250℃の範囲で前記被覆性有機化合物と反応する潜在硬化性有機化合物とを分散溶媒に分散させたエッチングレジスト前駆体組成物を、前記導体金属上で焼結させることにより形成されていることを特徴とする配線基板。
  10. 請求項9記載の配線基板において、
    前記金属超微粒子は、平均粒径1〜10nmであることを特徴とする配線基板。
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