しかしながら特許文献2では、1社の情報提供会社と1つの情報記録媒体である前記非接触ICタグが一対一に対応するため、一人の顧客が異なる情報提供会社から情報を得ようとした場合、顧客は情報提供会社ごとに異なる複数の情報記録媒体を所持しなければならない。例えば、5社の情報提供会社から情報を得ようとした場合、顧客は5社の情報提供会社が発行したそれぞれ異なる情報記録媒体を所持しなければならない。顧客が複数の情報記録媒体を所持することは、情報を得る作業が煩雑になる問題と、情報記録媒体を発行した情報提供会社とデータ読取り装置を設置した情報提供会社とが異なると、顧客に電子情報が配信されないばかりか、情報提供を要求していない全くの別の顧客に情報を誤配信してしまう問題がある。
本発明は、上記の従来技術の問題に鑑みて、顧客は1つの情報記録媒体を利用するだけで、複数の情報提供会社から商品またはサービス等の電子情報が得られる電子情報配信システムを提供すると共に、顧客個人情報の保護にも配慮した前記電子情報配信システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係わるネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、電子情報を配信する電子情報配信アドレスが記録された情報記録媒体と、前記情報記録媒体に記録された電子情報配信アドレスを読取るデータ読取り手段と、前記データ読取り手段が読取った電子情報配信アドレスに電子情報を配信する電子情報配信手段とを備えた電子情報配信システムである。請求項1に記載の発明によれば、他社が発行した情報記録媒体が使用された場合でも、情報記録媒体に記録された電子情報配信アドレスを読み出せば、情報提供会社は前記情報記録媒体を所有する顧客に電子情報を提供できる。
請求項2に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、請求項1に記載の電子情報配信システムにおいて、前記情報記録媒体は暗号化された電子情報配信アドレスを記録するものであって、この暗号化された電子情報配信アドレスを復号化する復号化手段を具備したことを特徴とする電子情報配信システムである。請求項2に記載の発明によれば、情報記録媒体に記録する電子情報配信アドレスを暗号化することで、顧客の個人情報に密接した電子情報配信アドレスそのものが情報記録媒体から漏洩することを防いでいる。
請求項3に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、前記情報記録媒体および前記データ読取り手段が無線で通信する機能を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子情報配信システムである。請求項3に記載の発明によれば、無線で通信する情報記録媒体を用いることで、情報記録媒体とデータ読取り装置と電気的に接合させる必要が無くなり、使用者の利便性が高まる。
請求項4に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、前記情報記録媒体に記録する電子情報配信アドレスを携帯電話番号としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子情報配信システムである。請求項4に記載の発明によれば、電子情報配信アドレスを携帯電話番号とすることで、電子情報を携帯電話に配信することができる。
請求項5に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、前記情報記録媒体に記録する電子情報配信アドレスをメールアドレスとしたことを特徴とする請求項1から請求項3記載の電子情報配信システムである。請求項5に記載の発明によれば、電子情報配信アドレスをメールアドレスとすることで、携帯電話以外に、例えばPDA(Personal Digital Assistant)等の装置に電子情報を配信することができる。
請求項6に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、情報記録媒体を識別する媒体識別コードが記録された情報記録媒体と、前記情報記録媒体に記録された情報を読取るデータ読取り手段と、前記データ読取り手段が読取った媒体識別コードに基づいて電子情報を配信する電子情報配信アドレスを探索する電子情報配信アドレス探索手段と、前記電子情報配信アドレス探索手段が探索した電子情報配信アドレスに電子情報を配信する電子情報配信手段とを備えたことを特徴とする電子情報配信システムである。請求項6に記載の発明によれば、他社が発行した情報記録媒体が使用された場合でも、前記電子情報配信アドレス探索手段を用いることで、情報提供会社は前記情報記録媒体を所有する顧客に電子情報を提供できる。また請求項6に記載の発明によれば、前記情報記録媒体には顧客の個人情報に直接関わる情報は記録されず、個人情報の観点から優れた電子情報配信システムを構築できる。
請求項7に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、請求項6の電子情報配信シムテムにおいて、情報記録媒体は暗号化された媒体識別コードを記録するものであって、前記電子情報配信アドレス探索手段は暗号化された媒体識別コードを復号化する手段を具備することを特徴とする電子情報配信システムである。請求項7に記載の発明によれば、顧客の個人情報に関わる媒体識別コードを暗号化することで、個人情報保護に対するセキュリティが高まる。
請求項8に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、情報記録媒体を識別する媒体識別コードと特定のネットワークアドレスが記録された情報記録媒体と、前記情報記録媒体に記録された情報を読取るデータ読取り手段と、前記データ読取り手段が読取ったネットワークアドレスで示される特定のコンピュータに、同じく読取った前記媒体識別コードを送信するネットワーク端末と、前記特定のネットワークアドレスで示されるコンピュータに具備され、前記ネットワーク端末から送信された媒体識別コードに基づいて電子情報を配信する電子情報配信アドレスを探索する電子情報配信アドレス探索手段と、前記電子情報配信アドレス探索手段が探索した電子情報配信アドレスに電子情報を配信する電子情報配信手段を備えたことを特徴とする電子情報配信システムである。請求項8に記載の発明によれば、他社が発行した情報記録媒体が使用された場合でも、前記情報記録媒体に記録された特定のコンピュータのネットワークアドレスで示された前記電子情報配信アドレス探索手段を利用することで、情報提供会社は前記情報記録媒体を所有する顧客に電子情報を提供できる。また請求項8に記載の発明によれば、前記電子情報配信アドレス探索手段をネットワーク上に配置することができるため、情報提供会社はVPN(Virtual Private Network )を利用した電子情報配信システムをネットワーク上に構築できる。さらに請求項8に記載の発明によれば、メールアドレス等の個人情報は前記情報記録媒体に記録されず、個人情報保護の観点から優れた電子情報配信システムを構築できる。
請求項9に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、請求項8の電子情報配信システムにおいて、情報記録媒体には前記媒体識別コードと前記ネットワークアドレスをそれぞれ個別の暗号鍵で暗号化したデータを記録し、前記ネット端末は暗号化された前記ネットワークアドレスを復号化する手段を具備し、前記電子情報配信アドレス探索手段は前記暗号化された前記媒体識別コードを復号化する手段を具備することを特徴とする電子情報配信システムである。請求項9に記載の発明によれば、顧客の個人情報に関わる前記媒体識別コードと前記ネットワークアドレスをそれぞれ個別の暗号鍵で暗号化したデータを記録することで、情報記録媒体からの個人情報漏洩に対するセキュリティを高めることができる。
請求項10に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信するシステムは、前記情報記録媒体と前記データ読取り装置が無線で通信する機能を備えたことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の電子情報配信システムである。請求項10に記載の発明によれば、無線で通信する情報記録媒体を用いることで、情報記録媒体とデータ読取り装置を電気的に接合させる必要が無くなり、使用者の利便性が高まる。
請求11に記載の発明に係るネットワークを利用した電子情報を配信方法は、電子情報の配信アドレスを記録した情報記録媒体をデータ読取り装置が認識するステップ、前記情報記録媒体に記録された電子情報配信アドレスを前記データ読取り装置が読取るステップ、読取られた電子情報配信アドレスに電子情報を配信するステップを順に実行する手順を含む電子情報配信方法である。請求11に記載の方法によれば、電子情報を配信するために必要な電子情報配信アドレスは情報記録媒体に記録されており、情報記録媒体を発行した会社を意識すること無く、情報記録媒体に記録された電子情報配信アドレスを読み出しさえすれば、情報提供会社は前記情報記録媒体を所有する顧客に電子情報を提供できる。
請求12に記載の発明にかかわるネットワークを利用した電子情報を配信方法は、暗号化された電子情報配信アドレスを記録した情報記録媒体をデータ読取り装置が認識するステップ、前記データ読取り装置が前記情報記録媒体に記録され暗号化された電子情報配信アドレスを読取るステップ、読取られた暗号化された電子情報配信アドレスを復号化するステップ、複合化された電子情報配信アドレスに電子情報を配信するステップを順に実行する手順を含む電子情報配信方法である。請求12に記載の方法によれば、情報記録媒体に記録する電子情報配信アドレスは暗号化されており、前記暗号化された電子情報配信アドレスを読取った後に復号化するため、顧客の個人情報に密接した電子情報配信アドレスそのものが情報記録媒体から漏洩することを防いでいる。
請求13に記載の発明にかかわるネットワークを利用した電子情報を配信方法は、媒体を識別する媒体識別コードを記録した情報記録媒体をデータ読取り装置が認識するステップ、前記データ読取り装置が前記情報記録媒体に記録された媒体識別コードを読取るステップ、読取られた前記媒体識別コードを、前記媒体識別コードに関連付けて複数の電子情報配信アドレスを保管しているサーバに送信するステップ、前記サーバが受信した前記媒体識別コードに基いて電子情報配信アドレスを探索するステップ、探索された電子情報配信アドレスに電子情報を配信するステップを順に実行する手順を含む電子情報配信方法である。請求項13に記載の発明によれば、他社が発行した情報記録媒体が使用された場合でも、前記媒体識別コードに関連付けて複数の電子情報配信アドレスを保管しているサーバが、受信した前記媒体識別コードに基いて電子情報配信アドレスを探索することで、情報提供会社は前記情報記録媒体を所有する顧客に電子情報を提供できる。また請求項13に記載の方法によれば、前記情報記録媒体には顧客の個人情報に直接関わる情報は記録されず、個人情報保護の観点から優れている。
請求14に記載の発明にかかわるネットワークを利用した電子情報を配信方法は、媒体を識別する媒体識別コードを暗号化して記録した情報記録媒体をデータ読取り装置が認識するステップ、前記データ読取り装置が情報記録媒体に記録された前記暗号化された媒体識別コードを読取るステップ、前記データ読取り装置が読取った前記暗号化された媒体識別コードをネットワーク端末に送信するステップ、ネットワーク端末が前記暗号化された媒体識別コードを複数の電子情報の電子情報配信アドレスを保管しているサーバに送信するステップ、前記サーバにて前記暗号化された媒体識別コードを復号化するステップ、前記サーバにて前記復号化した前記媒体識別コードに基いて電子情報配信アドレスを探索するステップ、探索された電子情報アドレスに電子情報を配信するステップを順に実行する手順を含む電子情報配信方法である。請求項14に記載の方法によれば、顧客の個人情報に関わる媒体識別コードを暗号化することで、個人情報保護に対するセキュリティが高まる。
請求15に記載の発明にかかわるネットワークを利用した電子情報を配信方法は、前記媒体識別コードとコンピュータネットワーク上の特定のコンピュータを示すネットワークアドレスを記録した情報記録媒体をデータ読取り装置が認識するステップ、前記データ読取り装置が情報記録媒体に記録された前記媒体識別コードと前記ネットワークアドレスを読取るステップ、前記データ読取り装置が読取った前記媒体識別コードと前記ネットワークアドレスをネットワーク端末に送信するステップ、ネットワーク端末が前記媒体識別コードを、前記ネットワークアドレスで示され、前記媒体識別コードに関連付けて電子情報配信アドレスを複数保管しているサーバに送信するステップと、前記サーバにて前記媒体識別コードに基いて電子情報配信アドレスを探索するステップ、探索された電子情報配信アドレスに電子情報を配信するステップを順に実行する手順を含む電子情報配信方法である。請求15に記載の方法によれば、他社が発行した情報記録媒体が使用された場合でも、ネット端末が前記情報記録媒体に記録されたネットワークアドレスで示されるサーバに前記媒体識別コードを送信し、前記サーバが媒体識別コードに対応した電位情報配信アドレスを探索することで、情報提供会社は前記情報記録媒体を所有する顧客に電子情報を提供できる。
請求16に記載の発明にかかわるネットワークを利用した電子情報を配信方法は、前記媒体識別コードと前記ネットワークアアドレスをそれぞれ個別の暗号鍵で暗号化したデータを記録した情報記録媒体をデータ読取り装置が認識するステップ、前記データ読取り装置が情報記録媒体に記録された前記暗号化された媒体識別コードと前記暗号化されたネットワークアドレスを読取るステップ、前記データ読取り装置が読取った前記暗号化された媒体識別コードと前記暗号化されたネットワークアドレスをネットワーク端末に送信するステップ、前記暗号化されたネットワークアドレスをネットワーク端末で復号化するステップ、ネットワーク端末が前記暗号化された媒体識別コードを、前記復号化したネットワークアドレスで示された、前記媒体識別コードに関連付けて電子情報配信アドレスを複数保管しているサーバに送信するステップ、前記サーバにて前記暗号化された媒体識別コードを復号化するステップ、前記サーバにて復号化された前記媒体識別コードに基いて電子情報配信アドレスを探索するステップ、探索された電子情報配信アドレスに電子情報を配信するステップを順に実行する手順を含む電子情報配信方法である。請求項16に記載の方法は、顧客の個人情報に関わる前記媒体識別コードと前記ネットワークアドレスをそれぞれ個別の暗号鍵で暗号化したデータを情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体からの個人情報漏洩に対するセキュリティを高めることができる。
請求項17に記載の発明に係わる情報記録媒体は、電子情報の配信先を特定するための情報記録媒体を識別する媒体識別コードが記録された情報記録媒体である。
請求項18に記載の発明に係わる情報記録媒体は、電子情報の配信先を特定するための情報記録媒体を識別する媒体識別コードを暗号化したデータが記録された情報記録媒体である。
請求項19に記載の発明に係わる情報記録媒体は、情報記録媒体を識別する媒体識別コードとコンピューターネッワークに接続された特定のコンピュータのネットワークアドレスが記録された情報記録媒体である。
請求項20に記載の発明に係わる情報記録媒体は、情報記録媒体を識別する媒体識別コードとコンピューターネッワークに接続された特定のコンピュータのネットワークアドレスを、それぞれ個別の暗号鍵で暗号化したデータが記録された情報記録媒体である。
請求項21に記載の発明に係わる情報記録媒体は、電子情報の配信先を特定するための情報記録媒体を識別する媒体識別コードとコンピューターネッワークに接続された特定のコンピュータのネットワークアドレスが記録された情報記録媒体である。
請求項22に記載の発明に係わる情報記録媒体は、電子情報の配信先を特定するための情報記録媒体を識別する媒体識別コードとコンピューターネッワークに接続された特定のコンピュータのネットワークアドレスを、それぞれ個別の暗号鍵で暗号化したデータが記録された情報記録媒体である。
本発明によれば、顧客は1つの情報記録媒体を利用するだけで、複数の情報提供会社から商品またはサービス等の電子情報が得られ、かつ顧客の個人情報保護においても優れた電子情報配信システムを提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1に、本発明の第1の実施の形態の基本構造図を示す。
図1の構成内容について説明する。情報記録媒体として非接触ICタグ100、データ読取り手段として非接触ICタグリーダライタ200、電子情報配信手段として情報提供会社サーバ300と、情報表示端末として携帯電話500から構成されている。非接触ICタグ100は非接触ICタグリーダライタ200と無線で交信し、非接触ICタグ100には、電子情報配信アドレスとして携帯電話500のメールアドレスを暗号鍵303で暗号化した暗号データ101が記録されている。非接触ICタグリーダライタ200にはコンピュータネットワーク用の通信機能が具備されおり、情報提供会社サーバ300とLAN601(Local Area Network)で接続され、LAN601用のプライベートネットワークアドレス201が与えられている。情報提供会社サーバ300はLAN601とインターネット600に接続され、暗号データを復号化する復号手段として復号装置301を、配信する電子情報を複数保管するデータベースとしてコンテンツデータベース302を具備している。前記復号装置301には、携帯電話500のメールアドレスを暗号化した暗号鍵303が機密に保持されている。携帯電話500は、携帯電話網602を経由してインターネット600に接続している。
図2は非接触ICタグ100の内部構造を示した図である。非接触ICタグ100には、図2のごとく、2〜3mm程度のICチップ102とアンテナ103が埋め込まれている。前記ICチップ102にはデータを記録/保存することができ、携帯電話500のメールアドレスを暗号鍵303で暗号化した暗号データ101が記録されている。非接触ICタグ100は、前記ICチップ102に接続されたアンテナ103を用いて、非接触ICタグリーダライタ200と無線でデータ通信する。なお非接触ICタグ100には電池は内蔵しておらず、非接触ICタグリーダライタ200が発する電波をアンテナ103で受信し、電磁誘導を利用して、ICチップ102に動作する電流を供給する。非接触ICタグリーダライタ200と非接触ICタグ100の通信には、135KHzの無線周波数帯を利用している。
非接触ICタグ100に記録される暗号データ101は、携帯電話500のメールアドレスをトリプルDES(Data Encryption Standard)アルゴリズムにて暗号化した暗号データである。個人情報に直接関わる携帯電話のメールアドレスを暗号化して非接触ICタグに記録することで、非接触ICタグから個人情報の漏洩を防ぐと共に、ネットワークに流れるデータを傍聴することによる個人情報の漏洩を防いでいる。なお暗号化時に使用した暗号鍵データ303は情報提供会社サーバ300に具備されている復号装置301に機密に保管され、外部に暗号鍵303が漏洩することはない。
なお、図1においては情報記録媒体の一例として非接触ICタグ100を示したが、他の情報記録媒体、例えば定期券の用途で使用されつつある非接触ICカード、金融用途で普及しつつある接触ICカード、または赤外線やブルートゥース(Bluetooth)等の通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)でもデータ読取り装置を対応させれば、本発明を適用できる。また非接触ICタグ100に記録した電子情報配信アドレスとしては、顧客の携帯電話番号でもよく、顧客が所持しているパーソナルコンピュータのメールアドレスでもかまわない。また情報記録媒体に記録するデータを暗号化するアルゴリズムは、トリプルDES以外の共通鍵暗号方式でもよく、RSAに代表される公開鍵暗号化方式であってもかまわない。
非接触ICタグリーダライタ200には、非接触ICタグ100と無線にてデータ通信する機能と、情報提供会社サーバ300と通信する機能が少なくとも備わっている。非接触ICタグリーダライタ200の通信範囲内に非接触ICタグ100が入ると、電磁誘導により発生した起電力で非接触ICタグ100に内蔵されたICチップ102が起動し、アンテナ103を利用して非接触ICタグリーダライタ200に暗号データ101を送信する。非接触ICタグリーダライタ200は前記暗号データ101を受信し、非接触ICタグリーダライタ200はパリティ等の手段で受信したデータの誤りを確認する。なお本発明の形態では、非接触ICタグリーダライタ200の電波出力を調整し、非接触ICタグ100との最大通信距離を15cmとしている。一般的には非接触ICタグは、数十センチ程度離れていても非接触ICリーダライタとデータ通信は可能であるが、一枚の非接触ICタグ100が複数の非接触ICリーダライタと通信すると、顧客が要求していない電子情報も顧客に配信されるため、あえて最大通信距離を15cmになるように、非接触ICタグリーダライタ200の出力を調整している。また非接触ICタグリーダライタ200にはLAN601で使用されるプライベートネットワークアドレス201が設定されている。情報提供会社サーバ300は、前記プライベートネットワークアドレス201を利用して、情報提供会社サーバ300に暗号データ101を送信した非接触ICタグリーダライタを識別できる。
図1においては、非接触ICタグリーダライタと情報提供会社サーバはLANで接続されているが、非接触ICタグリーダライタと情報提供会社サーバの接続はインターネットによる接続でもよく、インターネット接続の場合は非接触ICタグリーダライタを識別するデータとして、LAN用のプライベートネットワークアドレスの代わりにインターネットのIPアドレスを使用する。また情報提供会社サーバが非接触ICタグリーダライタを識別するために使用するデータは、非接触ICタグリーダライタに付加したネットワークアドレス以外の番号、例えば情報提供会社が非接触ICタグリーダライタに連番で付加したシリアル番号でもよい。
情報提供会社サーバ300は、配信する電子情報を非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレスに関連付けて記録したコンテンツデータベース302と、非接触ICタグ100に記録された暗号データ101を復号化する復号装置301と、ネットワークを利用して他のコンピュータまたは装置等とデータ通信する機能を備えている。
図3はコンテンツデータベース302に記録しているデータ構造図である。図3に示すように、コンテンツデータベース302においては、非接触ICタグリーダライタが保持するプライベートネットワークアドレス800に関連付けて複数の電子情報801を記録している。情報提供会社サーバ300は非接触ICタグリーダライタ200からデータが送信されると、前記コンテンツデータベース302を利用して、データを送信した非接触ICタグリーダライタ200のプライベートネットワークアドレス201に対応した電子情報を探索する。ここで前記コンテンツデータベース302には、データベース内容を変更する機能、例えば電子情報の追加や削除、電子情報の更新機能も備えている。また前記コンテンツデータベース302において、プライベートネットワークアドレス及び電子情報以外のデータ、例えば非接触ICタグリーダライタごとにアクセスされた回数を管理してもかまわない。
非接触ICタグ100から送信された暗号データ101を復号化する復号装置301は、復号装置301内部に暗号鍵303を機密に保管し、非接触ICタグリーダライタ200から送信された暗号データ101を、内部に保管している暗号鍵303を用いて復号化する。
ネットワークを利用したデータ通信機能については、情報提供会社サーバ300にはネットワークインターフェース、ルータ、ハブ等の装置が具備され、ネットワーク通信に必要なソフトがインストールされている。くわえて情報提供会社サーバ300にはファイヤウォールが設けられており、不正アクセスによるデータの漏洩やデータの改竄を防いでいる。
携帯電話500においては、通常の電話器としての機能の他に、インターネットを利用し電子メールやホームページを閲覧する機能が備わっている。顧客は、情報提供会社サーバ300から配信される電子情報を、携帯電話500利用して閲覧することができる。また図1においては、情報表示端末の一例として携帯電話を示したが、他の情報表示端末、例えばPDAまたはノートサイズ型のPC(Personal Computer)でもよい。
本発明の第1の実施の形態の動作を、図を参照にしながら説明する。図4は本発明の第1の実施の形態の動作フロー図である。
先ず、本発明の第1の実施の形態においては、顧客が所有する携帯電話500のメールアドレスを暗号鍵303を用いて暗号化した暗号データ101を記録した非接触ICタグ100が顧客に配布され、顧客が配布された非接触ICタグ100を非接触ICタグリーダライタ200に近接させ、非接触ICタグ100を非接触ICタグリーダライタ200が認識すると(S01)、非接触ICタグリーダライタ200は非接触ICタグリーダライタ100に記録された暗号データ101を読取る(S02)。非接触ICタグリーダライタ100は読取った暗号データ101を情報提供会社サーバ300にLAN601経由で送信する(S03)。情報提供会社サーバ300は、受信した暗号データ101を復号装置301を利用して復号化し、携帯電話500のメールアドレスを取得する(S04)。情報提供会社サーバ300は暗号データ101を送信した非接触ICタグリーダライタ200のプライベートネットワークアドレス201に基き、コンテンツデータベース302から配信する電子情報を探索する(S05)。情報提供会社サーバ300は、取得した電子情報を携帯電話500のメールアドレスに配信する(S06)。携帯電話500は、情報提供会社サーバ300から配信された電子情報を受信する(S07)。
上述のように、本発明の第1の実施の形態を適用した電子情報配信システムにおいては、顧客は非接触ICタグを使用することで、情報提供会社から電子情報を受け取ることができる。具体的には、情報提供を希望するサービスに対応した非接触ICタグリーダライタに顧客が所有する非接触ICタグを近接させれば、サービスに関する情報を携帯電話で閲覧することができる。
次に本発明の第1の実施の形態の電子情報配信システムを用いれば、使用者は一枚の非接触ICタグを利用して複数の情報提供会社から電子情報を得られることを、図を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態を適用した二つの電子情報配信システムを設置した模式図である。図5においては、顧客910は非接触ICタグ110と携帯電話510を所持し、電子情報配信システム410および420は、それぞれ本発明の第1の実施の形態を適用した電子情報配信システムである。電子情報配信システム410は駅構内に設置されたシステムであり、電子情報配信システム420はスーパーマーケットに設置されたシステムであり、電子情報配信システム410、420はそれぞれ異なる情報提供会社が運営している。
まずはじめに、顧客910は非接触ICタグ110を利用することで、電子情報配信システム410から電子情報を得られることを説明する。
電子情報配信システム410の構成内容を説明する。情報記録媒体として非接触ICタグ110、データ読取り手段として非接触ICタグリーダライタ210、電子情報配信手段として情報提供会社サーバ310と、情報表示端末として携帯電話510から構成されている。非接触ICタグ110は非接触ICタグリーダライタ210と無線で交信し、非接触ICタグ110には、電子情報配信アドレスとして携帯電話510のメールアドレスを暗号鍵313で暗号化した暗号データ111が記録されている。非接触ICタグリーダライタ210にはコンピュータネットワーク用の通信機能が具備されおり、情報提供会社サーバ310とLAN611(Local Area Network)で接続され、LAN611用のプライベートネットワークアドレス211が与えられている。情報提供会社サーバ310はLAN611とインターネット610に接続され、暗号データ111を復号化する復号手段として復号装置311を、配信する電子情報を複数保管するデータベースとしてコンテンツデータベース312を具備している。前記復号装置311には、携帯電話510のメールアドレスを暗号化した暗号鍵313が機密に保管されている。携帯電話510は、携帯電話網613を経由してインターネット610に接続している。なお図5において、情報提供会社サーバ310は駅管理事務所に設置され、非接触ICタグリーダライタ210は駅構内に貼られる化粧品のポスター脇に設置されている。
顧客910が所持する非接触ICタグ110に記録される携帯電話510のメールアドレスを暗号データ111について以下に説明する。
顧客が所有する携帯電話510のメールアドレスは(1)である。
HYPERLINK mailto:kokyaku@aaa.bbb.cc.dd kokyaku@aaa.bbb.cc.dd (1)
(1)をアスキーコードに変換したデータが(2)である。
6B 6F 6B 79 61 6B 75 40 61 61 61 2E 62 62 62 2E 63 63 2E 64 64 (2)
(2)のデータをトリプルDESで暗号化するために、80hと00hをパディングし、データ長を32バイトにしたデータが(3)である。
6B 6F 6B 79 61 6B 75 40 61 61 61 2E 62 62 62 2E 63 63 2E 64 64 80 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00(3)
(3)のデータを暗号化時に使用する鍵は(4)および(5)であり、(4)および(5)は暗号鍵313として、情報提供会社サーバ310が具備する復号装置311に保管される。
AAAAAAAAAAAAAAAA (4)
BBBBBBBBBBBBBBBB (5)
データ(3)を暗号鍵(4)および(5)を用いて暗号化したデータが(6)である。(6)は暗号データ111として、非接触ICタグ110に記録される。暗号鍵を機密に保管すれば、(6)から(1)を算出することは非常に困難である。
E3 51 BC 31 DD E9 77 A5 29 92 06 D2 F8 33 18 EB 1A 7D 20 56 B8 1F 82 F4 A4 77 90 C7 98 B3 C3 45(6)
なお(2)から(6)のデータはすべて16進表記である。
顧客910が駅構内にて本システムを利用する場合について記載する。
顧客910は、駅構内にて、日帰り旅行のポスター脇に設定されている非接触ICタグリーダライ210に非接触ICタグ110を近接させる。非接触ICタグ110が非接触ICタグリーダライタ210の通信距離内に入ると、非接触ICタグ110は非接触ICタグリーダライタ210が発信する電波により非接触ICタグ110に内蔵されたICチップが動作し、非接触ICタグ110は非接触ICタグリーダライタ210に非接触ICタグ110内部に記録された暗号データ111を送信する。非接触ICタグリーダライタ210は暗号データ111を受信すると、暗号データ111をLAN611経由で情報提供会社サーバ310に送信する。
ここで本例では非接触ICタグ110は、電源が供給され動作すると非接触ICタグ110内部に記録されたデータを自動的に送信する手段を有しているが、非接触ICタグ110内部に記録されたデータを読み出す手段として、非接触ICタグリーダライタ210が非接触ICタグ110にデータを読み出す命令を送信し、非接触ICタグ110に記録されたデータを読み出す手段を用いても良い。
情報提供会社サーバ310は、非接触ICタグリーダライタ210から暗号データ111すなわち(6)を受信すると、情報提供会社サーバ310が具備している復号装置311に暗号データ111すなわち(6)を送信する。復号装置311は、復号装置311内部に機密に保管している暗号鍵313すなわち(4)および(5)のデータを用いて、暗号データ111すなわち(6)を復号化し、復号化したデータ(3)から顧客の携帯電話用メールアドレス(1)を算出する。
次に情報提供会社サーバ310は、暗号データ111を送信した非接触ICタグリーダライタ210に対応する電子情報をコンテンツデータベース312から探索する。コンテンツデータベース312には、非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレスに関連付けて配信する電子情報を複数管理している。よって、情報提供会社サーバ310は、データを送信した非接触ICタグリーダライタ210のプライベートネットワークアドレス211から配信すべき電子情報を探索できる。非接触ICタグリーダライタ210は化粧品ポスターに対応しており、前記コンテンツデータベース312から化粧品に関する電子情報が探索される。
情報提供会社サーバ310は、コンテンツデータベース312から配信すべき電子情報を取得すると、復号装置311で復号化した携帯電話メールアドレス(1)に、インターネットを利用してコンテンツデータベース312から取得した電子情報を配信する。
顧客910は携帯電話510にて電子情報が送信されたことを確認し、携帯電話510を利用して化粧品に関する電子情報を閲覧することができる。
電子情報配信システム420の構成について説明する。電子情報配信システム420の構成内容も電子情報配信システム410と同じ構成である。情報記録媒体として非接触ICタグ110、データ読取り手段としてプライベートネットワークアドレス221が与えられている非接触ICタグリーダライタ220、電子情報配信手段として、復号装置321およびコンテンツデータベース322を具備し、非接触ICタグリーダライタ220とLAN612で接続されている情報提供会社サーバ320、情報表示端末として携帯電話510から構成されている。ここで、顧客910が所有する非接触ICタグ110と携帯電話510は、前述の電子情報配信システム410と同じものである。また復号装置321には、復号装置311と同じデータの暗号鍵323すなわち(4)と(5)が機密に保管されてる。
情報提供会社サーバ320はスーパーの管理室内に設置され、非接触ICタグリーダライタ220はスーパーの入口に設置されている。
次に顧客910がスーパーにて電子情報配信システム420を利用する場合について記載する。
顧客910が所有する非接触ICタグ110を非接触ICタグリーダライタ220に近接すると、非接触ICタグリーダライタ220は非接触ICタグ110に記録された暗号データ111を読み取り、情報提供会社サーバ320に非接触ICタグ110から受信した暗号データ111を送信する。情報提供会社サーバ320は、非接触ICタグリーダライタ220から暗号データ111を受信すると、情報提供会社サーバ320が具備している復号装置321を利用し、上述した手順で暗号データ111すなわち(6)から顧客910の携帯電話用メールアドレスすなわち(1)を算出する。
次に情報提供会社サーバ320は、暗号データ111を送信した非接触ICタグリーダライタ220に対応する電子情報をコンテンツデータベース322から探索する。前記コンテンツデータベース322は、非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレスに関連付けて顧客に配信する複数の電子情報、例えばセールス品や催事の内容を記載したチラシ情報を電子化した電子情報や、クーポン券等をバーコード化した電子情報を管理している。情報提供会社サーバ320は、前記コンテンツデータベース322から、非接触ICタグリーダライタ220のプライベートアドレスアドレス221に対応する電子情報を探索し、前記コンテンツデータベース322から取得した電子情報を復号装置321で復号化した携帯電話のメールアドレスすなわち(1)に配信する。
顧客910は携帯電話510にてスーパーから電子情報が送信されたことを確認し、携帯電話510を利用して配信された電子情報を閲覧することができる。
上述に記載したとおり、本発明の第1の実施の形態においては、顧客910は1枚の非接触ICタグ110さえ所持すれば、電子情報配信システム410、電子情報配信システム420のいずれからも電子情報を得ることができる。図5では電子情報配信システムが2つの例を示したが、電子情報配信システムが2つよりも多い場合にも、顧客は1枚の非接触ICタグさえ所持すれば複数の情報提供会社から電子情報を得られることは、前述した内容から明らかである。
本発明の第1の実施の形態においては、電子情報配信アドレスは顧客が所持する情報記録媒体に記録されているため、電子情報配信アドレスを他のシステムに問い合わせる必要がなく、情報提供会社は各々がスタンドアロンで他のシステムと情報交換を行わないシステムを構築できる。
[第2の実施の形態]
図を参照にしながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、情報記録媒体を識別する媒体識別コードとネットワーク上のコンピュータネットワークアドレスを情報記録媒体に記録した実施の形態である。
図6に、本発明の第2の実施の形態の基本構造図を示す。図6に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る電子情報配信システムは、情報記録媒体として非接触ICタグ130、データ読取り手段として非接触ICタグリーダライタ230、ネット端末として情報提供会社サーバ330、電子配信アドレス探索手段を具備したサーバとしてメールアドレス管理サーバ730、電子配信アドレス探索手段としてメールアドレス管理サーバ730に具備されたメールアドレスデータベース731、情報表示端末として携帯電話530、配信する電子情報を管理しているサーバとしてコンテンツ管理サーバ830、電子情報探索手段としてコンテンツ管理サーバ830に具備されたコンテンツデータベース831から構成されている。なおメールアドレス管理サーバ730は電子情報配信手段も兼ねている。非接触ICタグ130は非接触ICタグリーダライタ230と無線で交信する。非接触ICタグリーダライタ230にはネットワーク通信機能が具備され、非接触ICタグリーダライタ230と情報提供会社サーバ330はLAN631で接続されている。情報提供会社サーバ330と、コンテンツ管理サーバ830と、およびメールアドレス管理サーバ730とはインターネット630で接続されている。携帯電話530は、携帯電話網632を経由してインターネット630に接続している。
図7は非接触ICタグ130の説明図である。図7に示すごとく、非接触ICタグ130にはICチップ132およびアンテナ133が内蔵され、前記ICチップ132には、非接触ICタグに記録するICタグデータ131として、非接触ICタグ130を識別する非接触ICタグ識別コード134とインターネットに接続されたコンピュータを特定するデータとしてメールアドレス管理サーバ730のIPアドレス135が記録されている。前記非接触ICタグ識別番号134は、非接触ICチップを製造した会社を意味するコードと製造番号から構成されている。ここで非接触ICタグ識別コードとして、非接触ICタグを発行した会社を意味するコードと発行番号でもよく、インターネットに接続されたコンピュータを特定するデータとして、メールアドレス管理サーバ730のURL(Universal Resource Locator)でもよく、ユビキタスネットワークのネットワークアドレスでもよい。本発明の第2の実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態と異なり、非接触ICタグ130に記するデータは暗号化していない。本発明の第1の実施の形態では、顧客のメールアドレスを非接触ICタグに記録するため、個人情報保護の観点からすると、非接触ICタグに記録するデータは暗号化することが望ましいが、本発明の第2の実施の形態では、直接個人情報に関するデータを非接触ICタグに記録しないため、非接触ICタグに記録するデータは暗号化していない。ただし、本発明の第1の実施の形態同様に、本発明の第2の実施においても非接触ICタグに記録するデータを暗号化してもよい。
非接触ICタグリーダライタ230には、本発明の第1の実施の形態と同様に、非接触ICタグと無線にてデータ通信する機能、情報提供会社サーバ330とLAN経由で通信する機能が少なくとも備わっている。
情報提供会社サーバ330は、非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレスに関連付けて配信する電子情報を識別するコード(以下サービスコードと記す)を複数記録したサービスコードデータベース331を具備している。情報提供会社サーバ330は、前記サービスコードデータベース331を利用して、ICタグデータ131を送信した非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレス231に対応するサービスコードを探索する。
メールアドレス管理サーバ730は、メールアドレスデータベース731と電子情報をメールアドレスに配信する電子情報配信手段と、およびネットワークを利用して他のコンピュータまたは装置等とデータを通信する機能を備えている。メールアドレスデーベース731は、非接触ICタグ130に記録される前記非接触ICタグ識別コードに関連付けてメールアドレスを記録している。メールアドレス管理サーバ730は、メールアドレスデータベース731を利用して、非接触ICタグ識別コードからメールアドレスを探索および取得できる。また電子情報配信手段とは、インターネットに接続された他のコンピュータから、前記非接触ICタグ識別コードと電子情報を受信すると、受信した前記非接触ICタグ識別コードからメールアドレスを探索し、探索したメールアドレスに受信した電子情報を配信する手段である。メールアドレス管理サーバ730が電子情報を配信することで、インターネット上に顧客のメールアドレスが伝送されることはなく、インターネット上から個人情報が漏洩する可能性は極めて低くなる。
コンテンツ管理サーバ830はインターネット上に配置されたサーバであり、前記サービスコードに関連付けて複数の電子情報を管理しているコンテンツデータベース831と、ネットワークを利用して他のコンピュータまたは装置等とデータを通信する機能を備えている。コンテンツ管理サーバ830は、前記コンテンツデータベース831を利用して、サービスコードから配信する電子情報を探索する。
本発明の第2の実施の形態の動作を、図を参照にしながら説明する。図8は本発明の第2の実施の形態の動作フロー図である。
先ず、本発明の第2の実施の形態においては、ICタグデータ131すなわち非接触ICタグ識別コード134とメールアドレス管理サーバ730のIPアドレス135を記録した非接触ICタグ130が顧客に配布され、顧客が配布された非接触ICタグ130を非接触ICタグリーダライタ230に近接させ、非接触ICタグ130を非接触ICタグリーダライタ230が認識すると(S10)、非接触ICタグリーダライタ230は非接触ICタグ130に記録された前記ICタグデータ131を読取る(S11)。非接触ICタグリーダライタ230は読取ったICタグデータ131を情報提供会社サーバ330にLAN631経由で送信する(S12)。情報提供会社サーバ330は、サービスコードデータベース331を利用して、ICタグデータ131を送信した非接触ICタグリーダライタ230のプライベートネットワークアドレス231に関連付けられたサービスコードを取得する(S13)。情報提供会社サーバ330は、取得したサービスコードをコンテンツ管理サーバ830に送信する(S14)。コンテンツ管理サーバ830は、コンテンツデータベースを利用して、受信したサービスコードに関連付けられた電子情報を探索し、情報提供会社サーバ330に返信する(S15)。情報提供会社サーバ330は、コンテンツ管理サーバ830から受信した電子情報とICタグデータ131に含まれる非接触ICタグ識別コード134を、同じく前記ICタグデータ131に含まれるIPアドレス135で示されるネットワークコンピュータすなわちメールアドレス管理サーバ730に送信する(S16)。メールアドレス管理サーバ730は、メールアドレスデータベース731を利用して、受信した非接触ICタグ識別コード134に関連付けられた電子情報配信アドレスを取得する(S17)。メールアドレス管理サーバ730は、前記取得した電子情報配信アドレスに情報提供会社サーバ330から受信した電子情報を配信する(S18)。携帯電話530は、メールアドレス管理サーバ730から配信された電子情報を受信する(S19)。
上述のように、顧客は非接触ICタグを使用することで、情報提供会社から電子情報を受け取ることができる。具体的には、情報提供を希望するサービスに対応した非接触ICタグリーダライタに、顧客が所有する非接触ICタグを近接すれば、希望するサービスに関する情報を携帯電話で閲覧することができる。
次に本発明の第2の実施の形態の電子情報配信システムを用いれば、使用者は一枚の非接触ICタグを利用して、複数の情報提供会社から電子情報を得られることを、図を参照しながら説明する。
図9は、本発明を適用した二つの電子情報配信システムを設置した模式図である。図9において、顧客940は非接触ICタグ140と携帯電話540を所持し、電子情報配信システム440および450は、それぞれ本発明の第2の実施の形態を適用した電子情報配信システムである。電子情報配信システム440は駅構内に設置され、電子情報配信システム450は家電販売店に設置され、電子情報配信システム440、450はそれぞれ異なる情報提供会社が運営している。
まずはじめに、顧客940は非接触ICタグ140を利用することで、電子情報配信システム440から電子情報を得られることを説明する。
電子情報配信システム440の構成は、図6に図示した基本構造図と同じである。図9に示すように、電子情報配信システム440は、情報記録媒体として非接触ICタグ140、データ読取り手段として非接触ICタグリーダライタ240、ネット端末としてサービスコードデータベース341を具備した情報提供会社サーバ340、電子配信アドレス探索手段としてメールアドレスデータベース741を具備したメールアドレス管理サーバ740、情報表示端末として携帯電話540、配信する電子情報を管理しているサーバとして、コンテンツデータベース841を具備したコンテンツ管理サーバ840から構成されている。非接触ICタグ140は非接触ICタグリーダライタ240と無線で交信する。非接触ICタグリーダライタ240にはネットワーク通信機能が具備され、非接触ICタグリーダライタ240と情報提供会社サーバ340はLAN641で接続されている。情報提供会社サーバ340と、コンテンツ管理サーバ840と、メールアドレス管理サーバ740とはインターネット640で接続されている。携帯電話540は、携帯電話網643を経由してインターネット640に接続している。
顧客が所持する非接触ICタグ140は、本発明の第1の実施の形態と同様に、無線にて非接触ICタグリーダライタ240とデータ通信する機能を備えている。ただし非接触ICタグ140に記録されているICタグデータ141は、前述の本発明の第1の実施の形態とは異なり、非接触ICタグ140の非接触ICタグ媒体識別コードおよびメールアドレス管理サーバ740のIPアドレスが記録されている。
情報提供会社サーバ340は駅構内に設置され、駅構内に設置された非接触ICタグリーダライタ240を含め複数の非接触ICタグリーダライタとLAN641にて接続されている。駅構内において、非接触ICタグリーダライタ240は、日帰り旅行のポスターの脇に設置されている。
情報提供会社サーバ340はサービスコードデータベース341を具備している。サービスコードデータベース341において、非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレスに関連付けてサービスコードを記録している。また駅に貼られるポスターは一定期間毎に変更されるため、情報提供会社サーバ340は、データベースの内容を変更できる手段を備えている。例えば非接触ICタグリーダライタ240に対応するポスターが日帰り旅行から化粧品に変更された場合、サービスコードデータベースの非接触ICタグリーダライタ240に対応するサービスコードが日帰り旅行を示すサービスコードから化粧品を示すサービスコードに変更される。
メールアドレス管理サーバ740は図6のメールアドレス管理サーバ730と同じ機能を有する。図9においては、メールアドレス管理サーバ740はメールアドレスを一元管理するサーバである。
コンテンツ管理サーバ840は、図6のコンテンツ管理サーバ830と同じ機能を有する。図9においては、コンテンツ管理サーバ840は、顧客に配信する電子情報を一元管理しているサーバである。
顧客940は、駅構内にて、日帰り旅行のポスター脇に設定されている非接触ICタグリーダライ240に非接触ICタグ140を近接させると、非接触ICタグ140に記録されているICタグデータ141を非接触ICタグリーダライタ240が読取る。非接触ICタグリーダライタ240は読取ったICタグデータ141を情報提供会社サーバ340に送信する。
情報提供会社サーバ340は、サービスコードデータベース341を利用し、非接触ICタグリーダライタ240に関連付けられたサービスコードを取得する。取得したサービスコードはインターネット640を利用してコンテンツ管理サーバ840に送信される。コンテンツ管理サーバ840は、コンテンツデータベース841を利用し、受信したサービスコードに関連付けられた電子情報を探索し、情報提供会社サーバ340に探索した電子情報、すなわち日帰り旅行に関する電子情報を返信する。情報提供会社サーバ340は、前記ICタグデータ141に記録されているIPアドレスで示されるメールアドレス管理サーバ740に、コンテンツ管理サーバ840から受信した電子情報と、前記ICタグデータ141に記録されている非接触ICタグ識別コードを送信する。メールアドレス管理サーバ740は、メールアドレスデータベース741を利用し、ICタグデータ141に含まれる非接触ICタグ識別コードに対応する顧客940のメールアドレスを探索し、探索した顧客メールアドレスに受信した電子情報を配信する。顧客940が所有する携帯電話540は、日帰り旅行に関する電子情報を受信し、顧客940は携帯電話540を利用し、メールアドレス管理サーバ740から配信された電子情報を閲覧できる。
電子情報配信システム450を利用しても、顧客940は電子情報配信システム440と同様に電子情報を得られることを説明する。
電子情報配信システム450の構成は、図6に図示した基本構造図と同じである。図9に示すように、電子情報配信システム450は、情報記録媒体として非接触ICタグ140、データ読取り手段として非接触ICタグリーダライタ250、ネット端末として情報提供会社サーバ350、電子配信アドレス探索手段を具備したサーバとしてメールアドレス管理サーバ740、電子配信アドレス探索手段としてメールアドレスデータベース741、情報表示端末として携帯電話540、配信する電子情報を管理しているサーバとして、コンテンツデータベース841を具備したコンテンツ管理サーバ840から構成されている。非接触ICタグ140は非接触ICタグリーダライタ250と無線で交信する。非接触ICタグリーダライタ250にはネットワーク通信機能が具備され、非接触ICタグリーダライタ250と情報提供会社サーバ350はLAN642で接続されている。情報提供会社サーバ350と、コンテンツ管理サーバ840と、メールアドレス管理サーバ740とはインターネット640で接続されている。携帯電話530は、携帯電話網643を経由してインターネット640に接続している。顧客940が所有する非接触ICタグ140と携帯電話540、メールアドレス管理サーバ740とメールアドレスデータベース741、およびコンテンツ管理サーバ840とコンテンツデータベース841は、それぞれ前述の電子情報配信システム440で記載したものと同じである。
情報提供会社サーバ350は家電量販店に設置され、非接触ICタグリーダライタ250は、家電量販店の入り口に設置されている。
また情報提供会社サーバ350はサービスコードデータベース351を具備している。前記サービスコードデータベース351において、非接触ICタグリーダライタのプライベートネットワークアドレスに関連付けてサービスコードを記録している。
顧客940が家電量販店に入店し、入り口に配置されている非接触ICタグリーダライタ250に非接触ICタグ140を近接すると、前述の電子情報配信システム440と同様の手順で、非接触ICタグリーダライタ250に関連付けられた電子情報を携帯電話540にて閲覧することができる。
上述に記載したとおり、本発明の第2の実施の形態においては、顧客は1枚の非接触ICタグさえ所持すれば、電子情報配信システム440、電子情報配信システム450のいずれからも電子情報を得ることができる。図9では電子情報配信システムが2つの例を示したが、電子情報配信システムが2つよりも多い場合にも本発明を適用できることは、前述した内容から明らかである。
また本発明の第2の実施の形態においては、電子情報配信アドレスおよび電子情報を一元管理するサーバをネットワーク上に配置すれば、VPN(Virtual Private Network)を使用することで、情報提供会社は電子情報配信アドレスを管理する負荷を負うことなく、汎用性に優れたシステムを構築できる。