JP2005173571A - ディスプレイ用プライバシーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 偏光フィルムおよび複屈折フィルムを有するディスプレイ(LCDなど)用の、有効で費用効率の高いプライバシーフィルタを提供すること。
【解決手段】 プライバシーフィルタは、ディスプレイから発する多くの光を垂直(またはほぼ垂直)方向に透過し、ディスプレイから発する横方向の垂直でない光の大部分は透過しない。このように、プライバシー保護効果によって、ディスプレイは、ディスプレイのほぼ正面にいるときだけ可視となる。
【選択図】 図2A

Description

本発明は、特に液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管ディスプレイ装置(CRT)のディスプレイに関し、より詳細には、ディスプレイ上に表示される画像を、主に画面の正面に座っているユーザは見ることができ、斜角で画面を見ている他の人には観察できなくするなどのディスプレイの視野を制限する部材に関する。この視聴のプライバシー保護は、ほぼ垂直以外の方法で画面から発する光を大幅に取り除くことによって達成される。
液晶は、電子機器のディスプレイに有用であるが、その原理は、液晶層を通過する偏光を、液晶層に電圧をかけるよって変化させて、複屈折させるというものである。その結果、光の透過または反射は、他の種類のディスプレイで表示を行うのに必要な電力より大幅に小さい電力で制御することができる。これは、LCDの長寿命化、軽量化、および消費電力の低減に貢献している。
LCDのコンピュータモニタおよびテレビのディスプレイでは、画素がマトリックス状にディスプレイ全体に配列されている。これらの画素は、2組の垂直な導体間におけるX−Y順次アドレス指定方式によって稼働する。ディスプレイがネマチック液晶を使用している場合、薄膜トランジスタの配列は、個々の画素での駆動電圧の制御に使用することができる。
多くの場合、ディスプレイがコントラストの低下のために歪むことなく視野角を広げることが望ましい。例えば、航空電子工学では、ディスプレイがクリアで、複数の人間が様々な角度から画面を見て歪みがないことが重要である。また、コンピュータディスプレイをユーザ以外の観察者からも見ることができ、ビデオ画面が画面の正面に座っていない視聴者にも歪みのない画像を提示することが望ましい場合が多い。より歪みのない高輝度の視覚を可能にする部材は、多くの従来技術の参考文献に示されている(特許文献1参照)。
しかし、有効視野を大幅に狭め、視聴のプライバシーを守ることが望まれる多くの用途が生まれている。その目的は、画面の正面に座っている当事者のみが画面上の画像にアクセスできるようにし、そのユーザの隣に座っている人、またはユーザの上方に立っている人に画面上の画像を見られないようにすることにある。例えば、現在ではコンピュータユーザが飛行機で飛行中にポータブルコンピュータを使用し、機密書類を見ながら作業を行うのが一般化しつつある。セキュリティ上の理由から、隣の席に座っている乗客、または機内の通路を通る乗客に画面上の情報を観られないようにすることが最も望ましい。第2に、飛行機の最新の客室設計では、通常、通路上に吊り下げられる、中央に配置された大きい視聴画面に代え、各乗客が各自のエンターテイメントを選択できるように、より小さい個別の画面を荷物入れから下げて、または個別の画面を各乗客の背もたれまたはトレーテーブルに取り付けて使うようになってきている。多くの場合、各乗客は、映画や様々なWebサイトへのアクセスなど各自の選択したエンターテイメント表示、あるいは機密の電子メールメッセージを受信し、かつ/またはその代金を支払う場合があるため、セキュリティ上の理由から、周囲の人がディスプレイの内容を観るのを防止することが望ましい。
米国特許第5,612,801号明細書 米国特許第6,239,853号明細書
LCDディスプレイの使用を向上させるために開発されたほとんどの装置は、ディスプレイ上の画像を、より広い範囲にいる視聴者から利用できるようにすることを目的としている。画像の輝度の低下なしに、簡単で、軽量で、目立たないように視野を狭くし、視聴できる範囲を限定するようなLCD装置に追加できる機器で、一般に入手できるものはない。現在、視野角を小さくするものとしては、3Mによって提供されるマイクロルーバーが使用されている。しかし、これによって画像の輝度が低下し、バックライトを強化し、かつ/または様々な輝度強化フィルムを使用してこれを補正する必要がある。本発明はその課題に取り組むものであり、複屈折フィルムおよび偏光フィルムを含むディスプレイのプライバシーフィルタであって、LCD画面の視野を狭めるための偏光状態を有するLCD画面上でプライバシーフィルタを使用することを含む。以上により、プライバシーの保全が達成される。プライバシーフィルタは、ほぼ垂直方向以外のディスプレイ画面から放射される光線の横方向成分がプライバシーフィルタによって遮られ、観察者には透過されないように組み込まれる。その結果、約90度以外から画面上の画像を見る可能性は、大幅に低減され、または排除される。透過された光の強度は、輝度強化フィルムの追加によって強められることができる。
複屈折フィルム部分と等方性フィルム部分が交互に並んでいる互い違いの波長板(staggered waveplate)を含むLCDプライバシーフィルタが開示されている(例えば、特許文献2)。この特許に開示されているプライバシーフィルタは、有効ではあるが、複屈折領域と等方性領域が(ストライプで)交互に並んでいる複雑な設計を有していて製造が困難で、時間および費用がかかるという欠点を有する。より重要なことは、Rockwellの特許文献2に記載の発明は、リターデーション(retardation)の効果における入射角の変化を考慮することなく、全波および半波の考慮のみに基づいていることである。このディスプレイ製造用には、有効で費用効率の高いプライバシーフィルタが必要である。
本発明は、複屈折媒体を通過する光の入射角(または視野角)の変化する際のリターデーションの変化に基づいてプライバシーフィルタを提供することにより、上記の課題に取り組む。
本発明の一態様では、
a)ディスプレイから受けとられる光を透過する第1の一軸性複屈折フィルムであって、光は、ディスプレイ偏光軸に沿ってほぼ直線的に偏光され、この第1の複屈折フィルムは、厚さdおよびリターデーション値Rを有し、リターデーション値Rは、
R=(n−n)d/cosθ
であり、θはディスプレイから画面に入射する光の角度であり、nおよびnはそれぞれ第1の複屈折フィルムの正常軸(ordinary axis)および異常軸(extraordinary axis)に沿った屈折率であり、
は、Rがθの変化に応答するように25μmより大きい第1の一軸性複屈折フィルムと、
b)第1の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとられるように配置された偏光軸を有する第1の偏光フィルムと
を備えた偏光軸を有するディスプレイのプライバシーフィルタである。
別の実施態様では、本発明は、上述したとおりのものであり、
c)第1の偏光フィルムから受けとられ、第1の偏光フィルムの偏光軸に対してほぼ直線的に偏光される光を透過する、25μm以上の厚さdを有する第2の複屈折フィルムと、
d)第2の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとられるように配置される、偏光軸を有する第2の偏光フィルムと
をさらに備えたプライバシーフィルタである。
さらに別の実施態様では、本発明は、上述したとおりのものであり、
e)第2の偏光フィルムから受けとられ、第2の偏光フィルムの偏光軸に対してほぼ直線的に偏光される光を透過する一軸性複屈折フィルムであって、第1の複屈折フィルムに等しく、所定の偏光軸を有する第3の複屈折フィルム
をさらに備えたプライバシーフィルタである。
さらに別の一実施態様では、本発明は、
a)ディスプレイから受けた光を透過する第1の二軸性複屈折フィルムであって、光は、ディスプレイ偏光軸に沿ってほぼ直線的に偏光され、この第1の複屈折フィルムは、厚さd、および第1の複屈折フィルムの法線に対して測定される角度θでフィルムに入射する光のリターデーション値Rθを有し、リターデーション値Rθは、
θ〜=R[1+sinθ/2navg
という関係によって近似され、この第1の二軸性複屈折フィルムは、そのフィルム平面を定める単位ベクトルaおよびb、および第1の二軸性複屈折フィルムの法線を定める単位ベクトルcを有するものとして特徴付けられ、
は、R=[n−n]dであって、垂直の入射光のリターデーション値であり、navgは、navg=(n+n+n)/3であって、二軸性複屈折フィルムの平均屈折率であり、nは、ディスプレイの垂直方向を示す単位ベクトル(a、b、またはc)に対応するn、n、nから成るグループから選択され、ならびに
は、Rがθの変化に対応するように25μmより大きい第1の二軸性複屈折フィルムと、
b)第1の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとられるように配置された偏光軸を有する第1の偏光フィルムと
を備えた偏光軸を有するディスプレイのプライバシーフィルタである。
第1の二軸性複屈折フィルムの場合、第2および第3の複屈折フィルム、および第2の偏光フィルムを伴う追加の実施形態があるが、その他の点では一軸性複屈折フィルムの場合について上述したものと同じ(一軸性フィルムに対して二軸性フィルムであることの差を除いて同じ)である。さらに、入力偏光子が取り付けられているプライバシーフィルタの実施態様がある。
図1は、LCD画面の表面から垂直(90度)方向に放射される(直交または直角に入射する)光線12、およびLCD画面の表面から垂直でない方向に放射される光を表す2つの垂直でない光線14および15を示すLCD画面10の略図である。第1の光線14は、横方向のみ90度以外であり、第2の光線は、縦方向のみ90度以外である。横方向の成分に垂直でない光線14は、画面の正面に座っている人以外からLCD画面上の画像を見えるようにする。本発明の目的は、この横方向の垂直でない光線が視覚化されるのを実用的な範囲で防ぐことである。
例えば10などのLCDディスプレイ画面は、+45度(図1に示す双方向矢印16)、または−45度(図1に示す双方向矢印17)のいずれかの極性を有する偏光光線を出力し、しかし両方の極性を有する光線は出力しない。このLCDディスプレイ画面は、上述したように+45度または−45度のディスプレイ偏光軸を有する。本発明のプライバシーフィルタに関する理論的考察その他の詳細を説明する前に、本発明のプライバシーフィルタの主な実施形態の構造的な特徴について概説する。
一実施形態では、本発明のプライバシーフィルタ100は、図2Aおよび2Bに示すように、第1の複屈折フィルム110、および第1の偏光フィルム120を備える。複屈折フィルムは、(以下に定義するように)一軸性複屈折または二軸性複屈折となる特性を有するようにすることができる。このフィルムは一軸性複屈折であることが好ましい。第1の偏光フィルムは、時としてアナライザと呼ばれることもある。第1の複屈折フィルム110は光軸を有し、第1の偏光フィルムは偏光軸を有する。ディスプレイ偏光軸、第1の複屈折フィルムの光軸、および第1の偏光フィルムの偏光軸の間の角度関係は、これらの角度関係に関する選択の余地があることを除いて限定されない。この実施形態では、ディスプレイ偏光軸は、第1の偏光フィルムの偏光軸に直交(90度の角度関係、交差構造)またはほぼ直交し、第1の複屈折フィルムの光軸は、ディスプレイ偏光軸と第1の偏光フィルムの偏光軸との間の角度をほぼ二等分することが好ましい。この選択は、図1および図2Aに示すような軸の関係に対応しており、図中、ディスプレイ偏光軸は16、第1の複屈折フィルムの光軸は111、第1の偏光フィルムの偏光軸は121である。
別の実施形態では、本発明のプライバシーフィルタ200は、図3Aおよび図3Bに示すように、第1の複屈折フィルム210、第1の偏光フィルム220、第2の複屈折フィルム230、第2の偏光フィルム240、およびヒンジ250を含む。ヒンジ250を使用して、(図3Aおよび図3Bに示すように)第1の複屈折フィルム210が第1の偏光フィルム220または第2の偏光フィルム240のいずれかに隣接し、直接接するように第1の複屈折フィルム210を配置することができる。両方の複屈折フィルムは、(以下に定義するように)一軸性複屈折または二軸性複屈折となる特性を有するようにすることができる。これらのフィルムは一軸性複屈折であることが好ましい。第1の偏光フィルムは、時としてアナライザと呼ばれることもある。第1および第2の複屈折フィルム210および230は光軸を有し、第1および第2の偏光フィルム220および240は偏光軸を有する。ディスプレイ偏光軸、第1および第2の複屈折フィルムの光軸、および第1および第2の偏光フィルムの偏光軸の間の角度関係は、これらの角度関係に関する選好があることを除いて限定されない。この実施形態では、ディスプレイ偏光軸は、第1および第2の偏光フィルムの偏光軸に直交(90度の角度関係、交差構造)またはほぼ直交し、第1および第2の複屈折フィルムの光軸は、ディスプレイ偏光軸と第1および第2の偏光フィルムの偏光軸との間の角度をほぼ二等分することが好ましい。この選択は、図1および図3Aに示すような軸の関係に対応しており、図中、ディスプレイ偏光軸は16、第1の複屈折フィルムの光軸は211、第1の偏光フィルムの偏光軸は221、第2の複屈折フィルムの光軸は231、第2の複屈折フィルムの偏光軸は241である。図3Aに示すように、第1および第2の複屈折フィルムの光軸(それぞれ211および231)は平行であり、第1および第2の偏光フィルムの偏光軸(それぞれ221および241)は平行であることが好ましい。
さらに別の実施形態では、本発明のプライバシーフィルタ300は、図4Aおよび図4Bに示すように、第1の複屈折フィルム310、第1の偏光フィルム320、第2の複屈折フィルム330、第2の偏光フィルム340、および第3の複屈折フィルム350を含む。両方の複屈折フィルムは、(以下に定義するように)一軸性複屈折または二軸性複屈折であるような特性を有することができる。これらのフィルムは一軸性複屈折であることが好ましい。第1の偏光フィルムは、時としてアナライザと呼ばれることもある。第1、第2、および第3の複屈折フィルム310、330、および350は光軸を有し、第1および第2の偏光フィルム320および340は偏光軸を有する。ディスプレイ偏光軸、第1、第2、および第3の複屈折フィルムの光軸、および第1および第2の偏光フィルムの偏光軸の間の角度関係は、これらの角度関係に関する選択の余地があることを除いて限定されない。この実施形態では、ディスプレイ偏光軸は、第1および第2の偏光フィルムの偏光軸に直交(90度の角度関係、交差構造)またはほぼ直交し、第1、第2、および第3の複屈折フィルムの光軸は、ディスプレイ偏光軸と第1および第2の偏光フィルムの偏光軸との間の角度をほぼ二等分することが好ましい。この選好は、図1および図4Aに示すような軸の関係に対応しており、図中、ディスプレイ偏光軸は16、第1の複屈折フィルムの光軸は311、第1の偏光フィルムの偏光軸は321、第2の複屈折フィルムの光軸は331、第2の偏光フィルムの偏光軸は341、および第3の複屈折フィルムの光軸は351である。図4Aに示すように、第1、第2、および第3の複屈折フィルムの光軸(それぞれ311、331、および351)は平行であり、第1および第2の偏光フィルムの偏光軸(それぞれ321および341)は平行であることが好ましい。
図5は、本発明の一実施形態(100)の一般のバックライト付きLCD装置をプライバシーフィルタとして使用する場合を示している。LCD画面10の背後の光源20によって生成される光15が放射されるとともに、LCD画面の画素が電子的に駆動されて、画面上に画像が生成される。その光は、画面の透過部を透過し、LCD画面の表面に垂直に、また様々な異なる角度に放射する可能性がある。従来のディスプレイ出力偏光子30は、表示画像を作成し、ディスプレイ偏光軸を定めるために、任意でLCDディスプレイ10の出口側に使用することができる。すでにセルに取り付けられている偏光子を有する完全なユニットであるLCD装置は、偏光子によるディスプレイ偏光軸を有する。ディスプレイ出力偏光子の追加は、この場合は必須ではなく任意選択であり、ディスプレイが+/−45度以外の偏光角を有している場合には有利となり得る。LCD10(偏光子を備えている場合)および/またはディスプレイ出力偏光子30は、プライバシーフィルタの入力偏光子として働き、「入力偏光子」とも呼ばれる。ディスプレイとしてLCDが使用されていない場合(例えばプラズマディスプレイやブラウン管(CRT)が使用されている場合)には、ディスプレイが画定された偏光軸を有するため、LCDでないディスプレイの前に入力偏光子を追加する必要がある。
偏光子(偏光フィルム)は、フィルムの偏光方向に平行に振動する光の波列成分のみを透過し、前記方向に直角に振動するものを吸収する。偏光フィルムの偏光方向に平行ではない一部の波列成分は透過されるが、偏光フィルムから出る(を通る)光は、ほぼ直線的に偏光される。
異なる方向への異なる屈折率を有している材料は、複屈折材料である。どんな材料でも、垂直軸に沿った3つの主な屈折率によって完全に特徴付けることができる。これらの屈折率のうちの2つが同じ(「正常光」と呼ぶ、n)であり、3番目が異なる(「異常光」と呼ぶ、n)場合、これは一軸性複屈折材料である。n>nの場合は確実に複屈折材料である。3つのすべての方向で屈折率が同じ場合、この材料は「等方性材料」と呼ばれる。
一軸性複屈折フィルム構造では、異常光屈折率(extraordinary index)(またはc軸)が、フィルムの平面に存在する場合、aプレートと呼ばれる。これは、結晶学者がa面結晶と呼ぶもののように光対称にほぼ近づくからである。こうしたaプレートは、その厚さd、および複屈折n−n
(n−n)d=λ/2
となるように選択される場合、半波と呼ばれる。式中、λは入射光の波長である。半波長板は、偏光ベクトルがフィルムの異常軸に対して角度θをなすように平面偏光が半波長板に入射するとき、半波長板の通過に伴い平面偏光の偏光面が2θだけ回転されるという特性を有している。真の一軸性材料は、固体内の単結晶でのみ見つけることができることに留意されたい。デルタnabと比較したときにデルタnacまたはデルタnbcが大きい場合、高分子フィルムは、本明細書では、一軸性複屈折として識別され、それによってnとnはほぼ等しく、これらはいずれもn、つまり正常光屈折率(ordinary index)と呼ばれ、異なる(大きいまたは小さい)nは、n、つまり異常光屈折率(extraordinary index)と呼ばれる。この場合、a、b、cは、分子または高分子の光学異方性を定義する単位ベクトルである。フィルムのようなaプレートの場合、bおよびcは、正常光屈折率nがb軸に沿っている、および異常光屈折率nがc軸に沿っている状態でフィルム面を定める。
二軸性複屈折フィルムは、主な3つすべての屈折率が異なる値、すなわちn≠n≠n、かつn≠nである値を有しているものであると定義される。この場合a、b、およびcは単位ベクトルであって、aおよびbがフィルム平面を定め、cがこのフィルム平面の法線である。光が垂直に入射する状態での厚さdの二軸性複屈折フィルムでは、リターデーションは次の式によって得られる。
=[n−n]d
二軸性フィルムは、2つの光軸を有する。2つの光軸は、この場合n<n<nであり、ac平面内にあり、cの両面の角度αが次の式によって得られる。
Tanα=n/n((n −n )/(n −n ))1/2
二軸性複屈折フィルムでは、リターデーション値は、デルタnが小さい(≦〜0.01)場合に、以下に示すような関係によって近似される。
θ〜=R[1+sinθ/2navg
式中、navgは、平均屈折率(n、n、およびnの平均)であり、nは、ディスプレイの縦方向を示す単位ベクトル(a、b、またはc)に対応するようにn、n、およびnから成るグループから選択される。一例として、bc平面(aが縦である場合、横)上にθがある状態の特定の場合の二軸性フィルムのリターデーションでは、リターデーション値は、ほぼ次のように示される。
θ〜=R[1+sinθ/2navg
上記の近似は、二軸性フィルムの光軸のうちの1つの二軸性フィルムのフィルム平面上への投射が、フィルム上に入射する光のθを含む入射の平面に対して90度である場合のみに当てはまることを強調しておくことが重要である。nの順序が上記に示したものと異なる場合、上記の式または近似を適切に変更する必要がある。一般に、二軸性複屈折フィルムを伴う他の場合のリターデーション値は、はるかに複雑で、複雑な行列表現でしか示すことができない。
上述したように、図5は、入力偏光子30を備えるディスプレイ画面10上で使用される第1の複屈折フィルム110および第1の偏光フィルム(アナライザ)120を含む本発明のプライバシーフィルタ100の一実施形態を示している。入力偏光子30を出て、第1の複屈折フィルムを通過すると、光の成分は、複屈折フィルムを通過する際に光が横断する距離に比例する程度まで、偏光軸が大きく回転する。垂直光の場合、複屈折フィルムを通過する際に横断される距離は、最低限であり、フィルム厚dに等しい。垂直でない(斜)光の場合、距離は、フィルム厚dより長く、法線に対して測定された、光がフィルムに入射する角度によって決まる。本発明では、複屈折の度合い(例えば一軸性複屈折フィルムではn−n)および複屈折フィルム厚dは、ディスプレイおよびプライバシーフィルタの光軸および偏光軸との関係で適切に選択される。したがって、ほぼすべての垂直光がプライバシーフィルタを透過し、フィルム120から出るため、観察者は垂直光を見ることができ、一方横方向の垂直でない光はほぼプライバシーフィルタによって遮られ、フィルム120から出ないので、観察者は垂直でない光を見ることができない。
ディスプレイ偏光軸16を有するディスプレイ画面10で使用されるプライバシーフィルタ100の好ましい実施形態では、第1の偏光フィルム120の偏光軸は、図1および図2Aに示すように、ディスプレイ偏光軸に(90度で)交差する。第1の複屈折フィルムの複屈折の度合いおよび厚さは、垂直光線が複屈折フィルム110を通過すると、その偏光ベクトルが約90度だけ回転するように選択されている。したがって垂直光は、複屈折フィルムを出るとき、その偏光ベクトルが第1の偏光フィルムの偏光軸に平行またはほぼ平行になっており、観察者から見えるように透過される。これに対して、垂直でない光線は、偏光ベクトルが90度より大きい角度に回転され、複屈折フィルムに入射した光線がより斜角での場合、より大きい回転量で回転される。したがって、相当量の斜光線は、偏光ベクトルが第1の偏光フィルムの偏光軸に対して平行にはならず、プライバシーフィルタを透過せず、したがって観察者に見られることはない。この実施形態を要約すれば、プライバシーフィルタを構成する第1の複屈折フィルムと第1の偏光フィルムとは、斜め横に複屈折フィルムを横切り、LCDおよび/または入力偏光子30を透過する光が観察者に届くのを防ぐように相俟って作用する。これとは際立って対照的に、垂直の入射光は、プライバシーフィルタによって遮られず、垂直方向またはほぼ垂直方向で閲覧する観察者から見ることができる。
図6は、本発明の別の実施形態(200)の一般のバックライト付きLCDにより構成されるプライバシーフィルタとしての使用を示している。バックライト付きLCDの機能および動作は、上記と同じである。この実施形態では、プライバシーフィルタ200は、上述したような4層、および第1の複屈折層210を第1の偏光フィルム220(図6に示すように)に隣接する、または第2の偏光フィルム240に隣接する位置に置くヒンジを含む。これら2つの位置のうちのどちらが複屈折層210に適切な位置であるかの選択は、ディスプレイの偏光が+45度であるか−45度であるかによって決まり、試行錯誤で決定することができる。適切な選択がなされると、プライバシーフィルタは、プライバシー保護効果をもたらす、すなわち画面を通過しようとする垂直でない横方向への光線をほぼ遮る。不適切な選択が行われると、プライバシーフィルタは、プライバシー保護効果を示さず、また色の歪みを生じる。この場合は、プライバシー保護効果をもたらすように、もう一方の選択肢を選択するだけである。この実施形態での第1の複屈折フィルムおよび第1の偏光フィルムの目的および機能は、上記の実施形態について上述したものと同じである。この実施形態での第2の複屈折フィルムおよび第2の偏光フィルムの目的は、追加の量の垂直でない光を取り除き、したがってプライバシー保護効果を向上させるよう相俟って作用することである。この向上は、実施例3の結果と実施例1または2の結果とを比較することによって理解することができる。
より具体的には、第1の実施形態における垂直に入射する光の可視領域(view zone)でのリターデーションはλ/2であり、第1の偏光フィルムを通過するため、上記のように向上させることが必要である。より斜角、例えば30度では、リターデーションはλに変わるが、プライバシー保護効果は依然として存在する。このリターデーションは、θのコサインに応じて振る舞うため、θがこの平面を通じて変化するにつれて、ある角度で、リターデーションは3λ/2に移行し、したがって第1の偏光フィルムも通過する。この実施形態は、直角またはほぼ直角の光が第2の偏光フィルムを通過できるように、そのリターデーションの特性が直角領域でゼロまたはλ(同じこと)である第2の複屈折フィルムを有する。さらに、第2の複屈折フィルムは、ここで垂直でない光が第1の偏光フィルムに平行である場合に第2の偏光フィルムによって遮られるように、第1の複屈折フィルムの3λ/2と合う角度でλ/2のリターデーションを有する。
図7は、本発明の別の実施形態(300)の、一般のバックライト付きLCDにより構成されるプライバシーフィルタとして使用する場合を示している。バックライト付きLCDにより構成される機能および動作は、上記と同じである。この実施形態では、プライバシーフィルタ300は、上述したように5つの層を含み、第3の複屈折フィルムが第1の複屈折フィルムと同等である。第1および第2の複屈折フィルムおよび第1および第2の偏光フィルムの目的および機能は、プライバシーフィルタ200の場合に上述したものと同じである。第3の複屈折フィルムの目的および機能は、5層フィルム構造において第1の複屈折フィルムと同等のフィルムを提供し、したがって第1および第2の偏光フィルムが同等の複屈折層に隣接するようにすることである。プライバシーフィルタ300を備える所与のディスプレイの偏光(+45度または−45度)に応じて、第1の複屈折フィルムまたは第3の複屈折フィルムのいずれかが、プライバシー保護効果をもたらすためにディスプレイ画面に隣接している必要がある。この5層構造によって、上記の実施形態にあるヒンジが不要になる。
本発明の複屈折フィルムおよび偏光フィルムのいくつかの追加の仕様について次に示す。
第1、第2、および第3の複屈折フィルムは、一軸性複屈折または二軸性複屈折とすることができる。ただし、前者の方が好ましい。第1および第3の複屈折フィルムは、厚さdを有し、R(リターデーション値)が(上述したように)θの変化に応答するように、dは25μmより厚い。第1および第3の複屈折フィルムは、100μmより厚い厚さdであることが好ましい。第2の複屈折フィルムは、25μm以上の厚さdを有する。第1、第2、および第3の複屈折フィルムは、約25μmから約1000μmの範囲の厚さを有することが好ましい。フィルム厚が約25μmを大幅に下回る場合、リターデーション値が低すぎて、複屈折フィルムに屈折率の適した差が生じない。フィルム厚が約1000μmを大幅に上回る場合、プライバシーフィルタの全体的な厚さが厚すぎて、多くの用途で扱いにくくなる可能性がある。さらに、第1、第2、および第3の複屈折フィルムの2つのフィルム軸間の屈折率の差は、約0.00002から約0.001の範囲にある。屈折率の差が約0.00002未満の場合、リターデーション値が低すぎて、プライバシー保護効果の範囲が狭くなり過ぎ、またはごくわずかになる。屈折率の差が約0.001を上回る場合、複屈折フィルムは、それを通過する光に望ましくない色の影響が生じる。特定の場合の一軸性複屈折フィルムでは、Δn=n−nは、約0.00002から約0.001の範囲である。本発明では、第1、第2、および第3の複屈折フィルムを、電磁スペクトルの可視の赤外線領域内において複屈折を示すように選択する。複屈折フィルムは、高分子であることが好ましく、それだけに限定されないが、酢酸セルロース(例えば二酢酸セルロース(CDA)など)、ポリビニールアルコール、ポリカーボネート、およびその混合物などのフィルムを含む。
本明細書に記載した本発明は、複屈折フィルムを取得する特定のどんな方法も必要としない。発行されている文献に示されているように、それらを生成するいくつかの技術がある。一般に使用される1つの技術は、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セルロースアセテート高分子フィルムなど、いくつかのプラスチックフィルムを一軸方向に延ばすことである。その代替の技術としては、摩擦されたポリイミドフィルム上に重合可能な液晶モノマーの溶液をソルベントキャスト(solvent cast)するものがある。形成される液晶フィルムのc軸は、ポリイミドフィルムの摩擦方向に揃える。フィルムは、ポリイミドフィルム上に塗布された複屈折ポリマーを残して乾燥され、重合される。こうした複屈折フィルムを形成する他の方法は当業者に知られている。
本発明を実施する際、複屈折フィルムの複屈折(例えば平面内複屈折(Δnxy)など)をわずかに変えて、そうでなければこの複屈折の変更の無いものよりも小さいプライバシー角度を有するプライバシーフィルタを用いることが望ましい場合がある。実施例5に、平面内複屈折のわずかな変更により小さいプライバシー角度を得る明示的な例を示す。複屈折フィルムの複屈折を変えるのに適した方法には、それだけに限定されないが、適切な時間内の、周囲温度を上回る適切な温度における熱処理などがある。一実施形態では、高分子フィルムの熱処理は、高分子フィルムのガラス転移温度(T)またはほぼその温度で行われる。1つの具体例として、塗布されたCDAフィルムの熱処理は、塗布されたCDAフィルムのガラス転移温度(115度)またはその付近の温度で行われる。複屈折フィルムの複屈折のこのわずかな変更を行う方法に限定すること無く、当業者に知られている別の方法を使用することができる。
所望の複屈折フィルムの複屈折の変化の大きさは、一般に大幅に小さい。例として、実施例5では、熱処理されたCDAサンプルと未処理のCDAサンプルとの間で測定された平面内複屈折の差の変化は、わずかに1×10−4であった。複屈折の変更の処理により複屈折関連の特性に大幅な変化が起こったことを示すより高い感度の指標は、平面内リターデーションR=Δnxy dによって与えられる。式中、Δnxyは平面内複屈折、dはフィルム厚である。実施例5では、平面内リターデーションの変化は、(未処理の)−200nmから(熱処理による)−150nmであった。
本発明における第1および第2の偏光フィルムは、光の偏光状態を変え、分析するよう作用する必要条件を除いて限定されない。特に、偏光フィルムは、偏光状態を分析して、複屈折フィルムによって変えられた状態に応じて遮るまたは通すよう作用する。当然、通過は状態が変えられたことを意味することができる。というのは、状態が楕円偏光である場合、偏光子は、楕円偏光の一部のみ、すなわち光がこれらのフィルムのうちの1つを通過するときに軸上に配列されるか、または軸に平行であるもののみを直線偏光として通過できるようにするからである。本発明では、ディスプレイからの偏光が第1または第2の複屈折フィルムと交差すると、その偏光状態が変えられ、最も重要なことに、その状態が、フィルムに入射する光の法線に対する角度に応じて異なるよう偏光される。偏光子は、法線に対する角度によってこれらの偏光状態を有する光線を通すまたは遮るよう作用する。特に、本発明では、第1および第2の偏光子は、複屈折フィルムとともに、偏光子を介して可視領域内の光を通し、プライバシー保護領域内の光を遮るよう作用する。本発明では、多くの異なる市販の任意の偏光子を偏光フィルムとして使用することができる。第1および第2の偏光フィルムは偏光軸を有しており、したがって光がこれらのフィルムを通過すると、光の偏光状態が上記のように分析される。この場合もまた、変更を行うのは複屈折フィルムであり、偏光子は、前記状態を通過させ、または遮ることによって状態を分析する。
本発明では、本発明によるプライバシーフィルタを備えるディスプレイのディスプレイ偏光軸に対する偏光フィルムの偏光軸、および複屈折フィルムの光軸の向きに関して選択する余地がある。好ましい一実施形態では、第1の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス60度の第1の角度で配向され、第2の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス60度の第2の角度で配向される。より好ましい実施形態では、第1の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス15度の第1の角度で配向され、第2の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス15度の第2の角度で配向され、第1の一軸性複屈折フィルムの光軸は、第1の角度をほぼ二等分し、第2の一軸性複屈折フィルムの光軸は、第2の角度をほぼ二等分する。さらに別の好ましい実施形態では、第1の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に垂直であり、さらに最も好ましい実施形態では、第2の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に垂直である。
入力偏光子は、偏光フィルムであり、CRTなどの偏光されていないディスプレイのプライバシーフィルタの構成要素として使用される。入力偏光子は、ディスプレイの光出力を偏光する偏光要素として作用する。入力偏光子は、ディスプレイと第1の複屈折フィルムとの間に配置される。入力偏光子は、図15Aおよび図15Bに410として示している。
偏光されていないディスプレイ(CRTなど)で使用する入力偏光子を有した本発明の一実施形態では、本発明のプライバシーフィルタ400は、(実施例6の5層構造について図15Aおよび図15Bに示しているように)入力偏光子LP(410)、第1の複屈折フィルム420、第1の偏光フィルム430、第2の複屈折フィルム440、および第2の偏光フィルム450を含む。これらの複屈折フィルムはいずれも、(以下に定義するように)一軸性複屈折または二軸性複屈折であるような特性を有することができる。これらのフィルムは一軸性複屈折であることが好ましい。第1および第2の複屈折フィルム420および440は光軸を有し、第1および第2の偏光フィルム430および450は偏光軸を有する。入力偏光子、第1および第2の複屈折フィルムの光軸、および第1および第2の偏光フィルムの偏光軸の間の角度関係は、これらの角度関係に関する選択の余地があることを除いて、これに限定されない。好ましくは、この実施形態では、入力偏光子LPの偏光軸は、第1および第2の偏光フィルムの偏光軸に直交(90度の角度関係、交差構造)またはほぼ直交し、第1および第2の複屈折フィルムの光軸は、入力偏光子LPの偏光軸と第1および第2の偏光フィルムの偏光軸との間の角度をほぼ二等分することが好ましい。この選択は、図15Aに示すような軸の関係に対応しており、図中、入力偏光子LPの偏光軸は411、第1の複屈折フィルムの光軸は421、第1の偏光フィルムの偏光軸は431、第2の複屈折フィルムの光軸は441、第2の複屈折フィルムの偏光軸は451である。図15Aに示すように、第1および第2の複屈折フィルムの光軸(それぞれ421および441)は平行であり、第1および第2の偏光フィルムの偏光軸(それぞれ431および451)は平行であることが好ましい。
上記の装置の追加の改良点として、LCD画面10および入力偏光子30以外に、例えば図8に示すように、輝度強化フィルム40を様々な位置に追加することができる(LCD画面10と入力偏光子30との間など、他の位置に追加することもできる)。輝度強化フィルムは、屈折光学素子を使用して、斜め方向の光はあまり透過されないように、より順方向に光を集める。これらのフィルムは市販されている。輝度強化フィルム40は、より多くの光がプライバシーフィルタ100の裏面に届くようにLCD画面10/入力偏光子30から発する光を集束し、その垂直の可視領域を経て表示された画像を明るくし、その結果観察者に届く光がより高輝度になる。輝度強化フィルムを使用する場合、角度が直交する角度から離れるほど光はより弱くなる。図8に、ディスプレイ画面10/入力偏光子30に取り付けられているプライバシーフィルタ100および輝度強化フィルム40の使用を示している。
本発明のプライバシーフィルタが第1の一軸性複屈折フィルムおよび第1の偏光フィルムを含んでいる場合、プライバシーフィルタは、1)第1の偏光フィルムの偏光軸がディスプレイ偏光軸に対して垂直に配向されており、2)次の半波式
(n−n)d=(2n−1)λ/2
が満たされるときに、偏光軸を有し、波長λの光を発するディスプレイ上に配置されている場合にプライバシー保護効果を示す。式中λはディスプレイから画面に入射する光の波長、(n−n)dはディスプレイに垂直な画面に入射する光の第1の複屈折フィルムのリターデーション値R、nは整数である。一実施形態では、n=1であり、第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、約50nmから約350nm、およびそこに含まれる任意の範囲である。別の実施形態では、リターデーション値Rは、約150nmから約300nm、および約250nmから約270nmの範囲である。上記の半波の式を満たすこれらの実施形態では、第1の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に垂直に配向される。
本発明のプライバシーフィルタがさらに第2の複屈折フィルムおよび第2の偏光フィルムを含む場合、プライバシーフィルタは、
(n−n)d=(2n−1)λ/2
の式が満たされるときに波長λの光を発するディスプレイに取り付けられている場合に(上記の2層プライバシーフィルタに比べて)より大きなプライバシー保護効果を示す。式中λはディスプレイからプライバシーフィルタに入射する光の波長、(n−n)dは、リターデーション値Rを有する第2の複屈折フィルムに関連し、ディスプレイに垂直な、プライバシーフィルタに入射する光の第2の複屈折フィルムのリターデーション値R、nは整数である。一実施形態では、n=1であり、第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、約10nmから約250nm、およびそこに含まれる任意の範囲である。別の実施形態では、リターデーション値Rは、約40nmから約100nm、および約60nmから約80nmの範囲である。
さらに、本発明のプライバシーフィルタが第1の一軸性複屈折フィルムおよび第1の偏光フィルムを含んでいる場合、プライバシーフィルタは、1)第1の偏光フィルムの偏光軸がディスプレイ偏光軸に対して平行になるように配向されており、2)次の全波式
(n−n)d=nλ
が満たされるときに、偏光軸を有し、波長λの光を発するディスプレイ上に配置されている場合にプライバシー保護効果を示す。式中λはディスプレイからプライバシーフィルタに入射する光の波長であり、(n−n)dはディスプレイに垂直な、プライバシーフィルタに入射する光の第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、nは整数である。一実施形態では、n=1であり、第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、約50nmから約350nm、およびそこに含まれる任意の範囲である。別の実施形態では、リターデーション値Rは、約150nmから約300nm、および約250nmから約270nmの範囲である。上記の全波の式を満たすこれらの実施形態では、第1の偏光フィルムの偏光軸は、ディスプレイ偏光軸に平行に配向される。
本発明のプライバシーフィルタがさらに第2の複屈折フィルムおよび第2の偏光フィルムを含む場合では、プライバシーフィルタは、次の式
(n−n)d=nλ
を満足し、波長λの光を発するディスプレイに取り付けられている場合に(上記の2層プライバシーフィルタに比べて)より大きなプライバシー保護効果を示す。式中λはディスプレイからプライバシーフィルタに入射する光の波長、(n−n)dは、リターデーション値Rを有する第2の複屈折フィルムに関連し、ディスプレイから90度でプライバシーフィルタに入射する光の第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、nは整数である。一実施形態では、n=1であり、第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、約10nmから約250nm、およびそこに含まれる任意の範囲である。別の実施形態では、リターデーション値Rは、約40nmから約100nm、および約60nmから約80nmの範囲である。
本発明のプライバシーフィルタが第1の二軸性複屈折フィルムおよび第1の偏光フィルムを含んでいる場合、プライバシーフィルタは、1)第1の偏光フィルムの偏光軸がディスプレイ偏光軸に対して垂直に配向されており、2)次の半波式
Δnxyd=(2n−1)λ/2
が満たされるときに、偏光軸を有し、波長λの光を発するディスプレイ上に配置されている場合にプライバシー保護効果を示す。式中λはディスプレイからプライバシーフィルタに入射する光の波長、nは整数、dは第1の二軸性複屈折フィルムのフィルム厚、およびΔnxyは平面内複屈折である。
本発明をその様々な実施形態を参照して示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の意図および範囲から逸脱することなく形態、詳細、構成、および動作状態に変更を加えることができることを当業者であれば理解されよう。
用語集
CDA 二酢酸セルロースフィルム。実施例で使用したフィルム厚は7〜28ミル。ACORDISグループメンバーClarifoil(Spondon,Derby,United Kingdom)製。
C.I.E. 国際照明委員会。
LCD 液晶ディスプレイ。実施例で使用したLCDはEnvision Peripherals,Incorporated(Fremont,CA)製。
LPおよび入力偏光子LP
線形偏光子。実施例で使用したLPはEdmund Scientific(Barrington,NJ)製Tech Spec Linear Polarizing Laminated Film。
PA プライバシー角度。(垂直方向で測定された出力光が物理的に妨害されていない状態で)光出力が垂直方向における光出力の5%まで下がった、ディスプレイの法線の両側の視野角方向(viewing direction)間で測定される角度。一例として、光出力が、法線(0度に対応)の両側において角度θ/2度で5%であると測定された場合、プライバシー角度は2×θ/2=θ度である。プライバシー角度θを有するプライバシーフィルタを備えるディスプレイの場合、一般にディスプレイは、プライバシー角度θ内の視覚角では見ることができ、プライバシー角度θより大きい斜めの視覚角では見ることができない(例えば暗すぎる、文字の解像度が不十分であるなど)。
PSA 粘着剤。実施例で使用したPSA材料は、Polatechno Company Limited(Hong Kong,China)製のAD−20という製品。
RGB 赤の場合632nm、青の場合550nm、青の場合470nmの公称の波長で赤/緑/青の色をそれぞれ指定する。
miss 透過。入射量(Iincident)に対する材料を通過する(波長に無関係の)放射量(Itransmitted)を割合で表す。Tmis=Itransmitted/Iincident×100。
mitt 透過率。その波長での入射量(I(λ)incident)に対する材料を通過する特定の波長λの放射量(I(λ)transmitted)の割合をパーセントで表す。Tmitt=I(λ)transmitted/I(λ)incident×100。
VLT 可視光線透過。C.I.E.の同等エネルギー源として示されている白色光線を使用した透過。
λ 電磁放射(光)の波長をナノメータ(10−9メートル)で表す。
プライバシー保護効果を実証するために2層構造およびスペーサを有するプライバシーフィルタを用意し、テストを行った。より具体的には、2層構造は、20ミルのCDA(Clarifoil製非圧延鋼CDA(non−rolled sheet CDA))の単一の複屈折材料、およびTech Spec Linear Polarizing Laminated FilmであるLPで構成した。CDAおよびLPは、4.5”(11.43cm)×3”(7.62cm)の開口窓付きの1/16”(40.64cm))スペーサによって分離した。キャスト済みCDAウェブ(cast CDA web)の縦方向と一致するCDAの光軸は、ディスプレイ軸に対して縦方向に(zがディスプレイのxy平面に垂直、xが横方向の状態でy軸に沿って)配向し、LPは、偏光軸がCDAの光軸に対して45度に配向され、ディスプレイの偏光軸が−45度であると仮定して、ディスプレイ出力の偏光軸に対して垂直な(交差する)状態で配列した。次いで人への安全を考えてサンプルの縁をテープでとめた。
サンプル(プライバシーフィルタ)を、Newportの回転台上に取り付けられたフルカラーLCDの前に留めることによって取り付けた。分光放射計を走査するPhoto Research Spectroscan 650(Photo Research Inc.,Chatsworth,CA)をLCDの直角面から24”(60.96cm)のところに取り付けた。LCD出力は、C.I.E.の白色等エネルギーポイント(white equal energy point)と飽和した赤、緑、青(RGB)の画面との間で切り替え可能とした。次いで、水平面のディスプレイに垂直な両側において5度の増分で80度まで回転させ、透過および透過率の測定値を得た。その結果、法線の両側で対称であると観察された。表1および図9に、(水平面の法線の両側において)得られた平均結果をプライバシーフィルタを透過した入射光の割合として示している。
Figure 2005173571
表1のデータに基づいて、この実施例のプライバシーフィルタの測定された(透過に対して測定された)プライバシー角度は、70度より大きく80度より小さい値となる。さらなる詳細については、実施例2の最後の説明および用語集のプライバシー角度の定義を参照されたい。さらに、この角度範囲内で透過率値を増加させることによってわかるように、55度から70度の間の角度においてプライバシー保護効果の何らかの(わずかな)損失がある。4層および5層の実施例で以下に示すように、この角度範囲におけるプライバシー保護効果のわずかな損失からのこのわずかな可視領域は、以下のこれらの実施例で示すようにさらに層を追加することによってほぼ取り除かれる。
この実施例では、プライバシー保護効果をさらに実証するために、実施例1より薄いCDAの複屈折材料層を有する(薄いPSA接着剤層を含まない)2層構造を有するプライバシーフィルタを用意し、テストを行った。より具体的には、2層構造は、順番に27ミルの厚さのCDA(Clarifoil製非圧延鋼CDA)の単一の複屈折材料、およびTech Spec Linear Polarizing Laminated FilmであるLPで構成した。厚さが決定されていない薄い接着剤層としてPSAを使用して、これら2つの層を接着した。この実施例のPSAを実施例1のスペーサの代わりに使用した。PSAの使用によって構造全体が切り離すことのできない単一のフィルムスタックに成層された。この実施例では、所望の角度範囲においてプライバシーを確保しながら所望の可視の範囲のVLTの増加を実証するために、CDA層の厚さを27ミルに増やした(実施例1では20ミル)。CDAの光軸は、この場合もまた、ディスプレイ軸に対して縦方向に配向されており、LPは、偏光軸がCDAの光軸に対して45度に配向され、この場合もディスプレイの偏光軸が−45度であると仮定して、ディスプレイ出力の偏光軸に対して垂直な(交差する)状態で配置した。
PSA成層された2層プライバシーフィルタを、Newportの回転台上に取り付けられたフルカラーLCDの前に取り付けた。次いで透過および透過率の測定は、実施例1での説明と同様に行った。表2および図10に得られた結果を示している。
Figure 2005173571
表2の上記の結果は、透過が5以上である0度から30度の主な可視領域の法線の両側において30度の角度で、透過は、全く遮るもののない状態での正常値(すなわちプライバシーフィルタが取り付けられておらず、他の障害物がない状態での通常時のディスプレイ出力)の5%の値に低下することを示している。したがって、この実施例のプライバシーフィルタにおいて(透過に対して)測定されたプライバシー角度は、この主な可視領域では約60度である。この2層プライバシーフィルタでは、表2のデータから、この場合も透過が5%以上である45〜55度の第2の角度範囲があることがわかる。これは、以下の実施例の一部で示すように、さらに層を追加することによって取り除かれる、またはほぼ取り除かれるわずかな可視領域であると考えることができる。
この実施例では、2つのCDA層を含むこの構造の使用の結果生じる、より高いレベルのプライバシー保護効果を実証するために、4層構造を有するプライバシーフィルタを用意してテストを行った。より具体的には、この実施例では、4層のヒンジ付き構造は、20ミルのCDAフィルム(Clarifoil製非圧延鋼CDA)から成り、LP、10ミルのCDAフィルム、および第2のLPから成るフィルムスタックとともに、上部に沿ってマスキングテープによりヒンジのように動くようにした。10ミルのCDA(Clarifoil製非圧延鋼CDA)を2つの平行のLPの間に縦方向に配置し、LPの軸は、CDAの光軸に対して45度に配向した。3層(20ミルCDAを含まない)のこのスタックをPSAとともに成層した。
ヒンジによって、その出力偏光が+45度または−45度である(ディスプレイメーカーに固有)LCD上で使用することができるように、20ミルCDAフィルムを反転させ、回転させることが可能となった。プライバシーフィルタとして使用するために、20ミルCDAを、ディスプレイ出力が入射する第1の材料(裏面フィルム)とする必要がある。同様に、LPの軸を、ディスプレイ出力偏光のものに交差(直交)させる必要がある。装置をLCD上に適切に配列するために、20ミルCDAがディスプレイの直前ではなく、垂直方向の上方に位置するようにヒンジを開いた。次いで、ディスプレイに押し付けたLPスタックからのぞきながら、ディスプレイが黒く見えるのがどちら側であるかを観ることによって、適切な向きを決定した。適切な向きが決定されると、20ミルCDAをLPスタックの背後に折り重ねた。
このプライバシーフィルタの発想が、現在市販されている多くのラップトップコンピュータおよびデスクトップLCD上で有効であるという考えを証明するものとして、この実施例についていくつかのディスプレイで定性的に調査した。
次いでこの実施例の4層プライバシーフィルタを、測定するLCD上に取り付け、上述したように測定し、表3および図11に示す結果を得た。
Figure 2005173571
表3のデータに基づいて、この実施例のプライバシーフィルタの測定されたプライバシー角度(透過に対して測定された)は、50度より大きく60度より小さい値となる。さらなる詳細については、実施例2の最後の説明および用語集のプライバシー角度の定義を参照されたい。
この実施例では、この構造をプライバシーフィルタとして使用し、ディスプレイの出力偏光に関係なくディスプレイにおいてプライバシー保護効果をもたらすことができることを実証するために、5層構造を有するプライバシーフィルタを用意し、テストを行った。より具体的には、この実施例では、第1および第5の層が同じであるような5層構造であり、したがってその出力偏光が+45度または−45度であるLCD上で使用するために反転させることができ、それによって実施例3で説明したヒンジの必要性が無くなる。実施例全体を、5層のそれぞれの間にPSAを使用してともに単一のスタックに成層した。
スタックは、光軸が縦方向の状態の27ミルCDA(Clarifoil製非圧延鋼CDA)の第1の層、次いで偏光軸が縦方向から45度の角度のLP、光軸が縦方向の状態の10ミルCDA(Clarifoil製非圧延鋼CDA)、偏光軸が第1のLPに平行な第2のLP、最後に光軸が他のCDA層のそれぞれに平行な27ミルCDA(Clarifoil製非圧延鋼CDA)で構成した。一般に、すべてのCDA層は平行であり、縦方向の光軸を有する。2つのLP層は、偏光軸がCDAの光軸に対して45度傾いた状態で平行である(注意:CDA光軸の縦方向の配列によって、水平面におけるプライバシー性能の対称軸が得られる)。
その偏光出力が+45度または−45度の様々なLCDでのこの実施例の5層プライバシーフィルタの適切な向きは、プライバシー保護効果および異常色のばらつきの存在の観察によって達成された。この実施例の5層構造がディスプレイに誤って配置されると、ディスプレイ出力の色が茶色に見え、プライバシー保護効果が観察されなかった。ディスプレイに適切に配置すると、幾分暗くなったとはいえ、全く明らかなプライバシー保護効果を伴って色の忠実度は維持された。
次いで、上記の実施例で行ったのと同様に、5層プライバシーフィルタを測定するLCDに取り付け、上述したように測定した。表4および図12に結果を示している。
Figure 2005173571
表4のデータに基づいて、この実施例のプライバシーフィルタの測定されたプライバシー角度(透過に対して測定された)は、60度より大きく70度より小さい数となる。さらなる詳細については、実施例2の最後の説明および用語集のプライバシー角度の定義を参照されたい。
この実施例では、実施例4で指定したような5層構造を有するプライバシーフィルタにおける複屈折層としての有効性について、熱処理対未処理のCDA(市販)の圧延フィルムサンプル(roll film sample)(Clarifoil製、UK)を比較した。未処理のサンプルおよび熱処理されたサンプルは、平面内複屈折(Δnxy)およびリターデーション値R(R=Δnxy d、dはフィルム厚)に関して特徴付けられた。
未処理のCDAフィルムは、20ミルの厚さを有し、それぞれ1.4831、1.4835、1.4838のn、n、n(屈折率)の値を示し、したがって測定されたΔnxyは−0.0004であった。測定されたリターデーション値は−200nmであった。この未処理のCDA圧延フィルムを実施例4の5層プライバシーフィルタで使用した場合、このプライバシーフィルタは、表5および図13のデータによって示すように、65度から75度の間のプライバシー角度(PA)を有すると特徴付けられた。
この未処理の圧延CDAフィルムのサンプルを30分間115度(CDAのガラス転移温度)で熱した。その結果得られた熱処理されたCDAフィルムは、それぞれ1.4832、1.4835、1.4838のn、n、n(屈折率)の値を示し、したがって測定されたΔnxyは−0.0003であった。測定されたリターデーションは−150nmであった。この熱処理されたCDA圧延フィルムを実施例4の5層プライバシーフィルタで使用した場合、このプライバシーフィルタは、表5および図13のデータによって示すように、55度から65度の間のプライバシー角度(PA)を有すると特徴付けられた。
Figure 2005173571
圧延CDAフィルムのこの熱処理によって、未処理の圧延CDAフィルムで作られたプライバシーフィルタに対して約10度だけより狭い視覚を有するプライバシーフィルタが得られ、しかしその他の点では2つのプライバシーフィルタは同じであることがわかった。
さらに、上記の熱処理は、CDAフィルムにおける縮小、重量の減少、およびガラス転移温度の変化をもたらすことがわかった。より具体的には、CDAは縦方向に約2.1%収縮したが、横方向にはほんの約0.2%しか収縮しなかった。CDAは、元の質量の約1.4%減少したことがわかった。このフィルムのガラス転移温度は、115度から123度に変化した。
CRT(ブラウン管)などの非偏光ディスプレイの前に、この構造をプライバシーフィルタとして使用してプライバシー保護効果をもたらすことができることを実証するために、図15Aおよび15Bに示すような5層構造を有するプライバシーフィルタを用意し、テストを行った。より具体的には、この実施例では、第1の層は、透過率の最初の損失は50%より大きいが、ディスプレイの出力を−45度に偏光する偏光要素として作用する。実施例全体を、5層のそれぞれの間にPSAを使用してともに単一のスタックに成層した。
図15Aおよび15Bに示すように、スタックは、その偏光軸が−45度の入力偏光子LP(410)、続いて光軸が縦方向の27ミルのCDA層(420)、偏光軸が縦方向から+45度の第1のLP(430)、光軸が縦方向の10ミルのCDA(440)、最後に偏光軸が第2のLPに平行な第2のLP(450)で構成した。一般に、すべてのCDA層は平行であり、縦方向の光軸を有する。入力偏光子LPは、偏光軸がCDAの光軸に対して−45度傾斜している。第1および第2のLP層は、互いに平行で、軸がCDAの軸に対して+45度傾斜しており、したがって第1のLPに垂直である(注意:CDA光軸の縦方向の配列によって、水平面におけるプライバシーパフォーマンスの対称軸が得られる)。
サンプルを、Newportの回転台に取り付けられたCRT460、Dell Computer Corporation Model Number M782の前に留めることによって取り付けた。分光放射計を走査するPhoto Research Spectroscan 650(Photo Research Inc.,Chatsworth,CA)をCRTの直角面から24”(60.96cm)のところに取り付けた。CRT出力は、C.I.E.の白色等エネルギーポイントと、飽和した赤の画面との間、次いで緑との間、さらに青(RGB)の画面との間で切り替えた。次に透過および透過率の測定値を、水平面のディスプレイに垂直な両側において5度の増分で60度まで回転させることにより得た。表6および図14に結果を示している。
Figure 2005173571
表6のデータに基づいて、この実施例のプライバシーフィルタの測定されたプライバシー角度(透過に対して測定された)は、60度より大きく70度より小さい値となる。さらなる詳細については、実施例2の最後の説明および用語集のプライバシー角度の定義を参照されたい。
最新のLCD画面から放射される光を示す透視略図である。 本発明の一実施形態である2層プライバシーフィルタを示す正面透視図である。 図2Aの2層プライバシーフィルタを示す側面図である。 本発明の別の実施形態である4層ヒンジ付き構造のプライバシーフィルタを示す正面透視図である。 図3Aの4層ヒンジ付き構造のプライバシーフィルタを示す側面図である。 本発明のさらに別の実施形態である5層プライバシーフィルタを示す正面透視図である。 図4Aの5層プライバシーフィルタを示す側面図である。 一般のバックライト付きディスプレイ上で使用する本発明のプライバシーフィルタの一実施形態(100)を示す側面図である。 一般のバックライト付きディスプレイ上で使用する本発明のプライバシーフィルタの別の実施形態(200)を示す側面図である。 一般のバックライト付きディスプレイ上で使用する本発明のプライバシーフィルタのさらに別の実施形態(300)を示す側面図である。 輝度強化フィルムとともに使用する本発明のプライバシーフィルタの一実施形態(100)を示す側面図である。 実施例1のプライバシーフィルタについての法線に対する角度に対する透過された入射光の割合を示すグラフである。 実施例2のプライバシーフィルタについての法線に対する角度に対する透過された入射光の割合を示すグラフである。 実施例3のプライバシーフィルタについての法線に対する角度に対する透過された入射光の割合を示すグラフである。 実施例4のプライバシーフィルタについての法線に対する角度に対する透過された入射光の割合を示すグラフである。 実施例5の未処理のプライバシーフィルタおよび熱処理されたプライバシーフィルタについての法線に対する角度に対する透過された入射光の割合を示すグラフである。 実施例6のプライバシーフィルタについての法線に対する角度に対する透過された入射光の割合を示すグラフである。 本発明のさらに別の実施形態である5層プライバシーフィルタを示す正面透視図である。 図15Aの5層プライバシーフィルタを示す側面図である。
符号の説明
10 LCD画面
12 LCD画面の表面から垂直に放射される光線
14、15 LCD画面の表面から垂直でない方向に放射される光線
16、17 ディスプレイ偏光軸
20 光源
30 ディスプレイ出力偏光子
40 輝度強化フィルム
100 プライバシーフィルタ
110 第1の複屈折フィルム
111 第1の複屈折フィルムの光軸
120 第1の偏光フィルム
121 第1の偏光フィルムの偏光軸
210 第1の複屈折フィルム
211 第1の複屈折フィルムの光軸
220 第1の偏光フィルム
221 第1の偏光フィルムの偏光軸
230 第2の複屈折フィルム
231 第2の複屈折フィルムの光軸
240 第2の偏光フィルム
241 第2の偏光フィルムの偏光軸
250 ヒンジ
310 第1の複屈折フィルム
311 第1の複屈折フィルムの光軸
320 第1の偏光フィルム
321 第1の偏光フィルムの偏光軸
330 第2の複屈折フィルム
331 第2の複屈折フィルムの光軸
340 第2の偏光フィルム
341 第2の偏光フィルムの偏光軸
350 第3の複屈折フィルム
351 第3の複屈折フィルムの光軸
410 入力偏光子LP
411 入力偏光子LPの偏光軸
420 第1の複屈折フィルム
421 第1の複屈折フィルムの光軸
430 第1の偏光フィルム
431 第1の偏光フィルムの偏光軸
440 第2の複屈折フィルム
441 第2の複屈折フィルムの光軸
450 第2の偏光フィルム
451 第2の偏光フィルムの偏光軸

Claims (41)

  1. 偏光軸を有するディスプレイのプライバシーフィルタであって、
    a)前記ディスプレイから受けとられ、前記ディスプレイ偏光軸に沿って略直線的に偏光される光を透過する第1の一軸性複屈折フィルムであって、前記光は前記ディスプレイ偏光軸に沿って実質的に直線的に偏光され、前記第1の複屈折フィルムは、厚さd、およびリターデーション値Rを有し、リターデーション値Rは、
    R=(n−n)d/cosθ
    であり、θは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の角度であり、nおよびnはそれぞれ前記第1の複屈折フィルムの正常軸および異常軸に沿った屈折率であり、ならびに
    はRがθの変化に応答するように25μmより大きい第1の一軸性複屈折フィルムと、
    b)前記第1の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとるように配置され、所定の偏光軸を有する第1の偏光フィルムと
    を備えたことを特徴とするプライバシーフィルタ。
  2. c)前記第1の偏光フィルムから受けとられ、前記第1の偏光フィルムの偏光軸に対して略直線的に偏光される光を透過し、25μm以上の厚さdを有する第2の複屈折フィルムと、
    d)前記第2の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとるように配置され、所定の偏光軸を有する第2の偏光フィルムと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のプライバシーフィルタ。
  3. e)前記第2の偏光フィルムから受けとられ、前記第2の偏光フィルムの偏光軸に対して略直線的に偏光された光を透過し、前記第1の複屈折フィルムに等しく、および所定の偏光軸を有する第3の一軸性複屈折フィルム
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  4. 前記ディスプレイのプライバシー保護効果をもたらす位置に応じて、前記第1の偏光フィルムまたは前記第2の偏光フィルムのいずれかに隣接するように前記第1の複屈折フィルムを回転させ、配置することができるヒンジをさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  5. 前記第1および第2の複屈折フィルムは、前記電磁スペクトルの可視光および赤外線領域内において複屈折の特性を有することを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  6. 前記第1および第2の複屈折フィルムは、約0.00002から約0.001の範囲のn−n値を有することを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  7. 前記第1および第2の複屈折フィルムは、約25μmから約1000μmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  8. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス60度である第1の角度で配向され、および前記第2の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス60度である第2の角度で配向されることを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  9. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス15度である第1の角度で配向され、前記第2の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス15度である第2の角度で配向され、前記第1の一軸性複屈折フィルムの光軸は、前記第1の角度を略二等分し、および前記第2の一軸性複屈折フィルムの光軸は、前記第2の角度を略二等分することを特徴とする請求項8に記載のプライバシーフィルタ。
  10. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に直交することを特徴とする請求項8に記載のプライバシーフィルタ。
  11. 前記第2の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に直交することを特徴とする請求項10に記載のプライバシーフィルタ。
  12. (n−n)d=(2n−1)λ/2
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、(n−n)dは前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタへ入射する光に対する前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、およびnは整数であることを特徴とする請求項1に記載のプライバシーフィルタ。
  13. n=1であり、および前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rは50nmから350nmの範囲であることを特徴とする請求項12に記載のプライバシーフィルタ。
  14. (n−n)d=(2n−1)λ/2
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、(n−n)dはリターデーション値Rを有する前記第2の複屈折フィルムに関連して、前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタへ入射する光に対する前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、およびnは整数であることを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  15. n=1であり、および前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rは10nmから250nmの範囲であることを特徴とする請求項14に記載のプライバシーフィルタ。
  16. 前記第1の偏光フィルムの前記偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に垂直に配向されることを特徴とする請求項12に記載のプライバシーフィルタ。
  17. (n−n)d=nλ
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、(n−n)dは前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタへ入射する光に対する前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、およびnは整数であることを特徴とする請求項1に記載のプライバシーフィルタ。
  18. n=1であり、および前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rは50nmから350nmの範囲にあることを特徴とする請求項17に記載のプライバシーフィルタ。
  19. (n−n)d=nλ
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、(n−n)dはリターデーション値Rを有する前記第2の複屈折フィルムに関連し、前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタへ入射する光に対する前記第2の複屈折フィルムの前記リターデーション値Rであり、およびnは整数である
    ことを特徴とする請求項2に記載のプライバシーフィルタ。
  20. n=1であり、および前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rは10nmから250nmの範囲にあることを特徴とする請求項19に記載のプライバシーフィルタ。
  21. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に平行に配向されることを特徴とする請求項17に記載のプライバシーフィルタ。
  22. 偏光軸を有するディスプレイのプライバシーフィルタであって、
    a)前記ディスプレイから受けとられ、光が前記ディスプレイ偏光軸に沿って略直線的に偏光される光を透過する第1の二軸性複屈折フィルムであって、前記第1の複屈折フィルムは、厚さd、および法線に対して測定される角度θで前記フィルムに入射する光のリターデーション値Rθを有し、前記リターデーション値Rθは、
    θ〜=R[1+sinθ/2navg
    という関係によって近似され、前記第1の二軸性複屈折フィルムは、当該フィルム平面を定める単位ベクトルaおよびb、ならびに前記フィルム平面の法線を定める単位ベクトルcを有するものとして特徴付けられ、
    は、R=[n−n]dであって、垂直の入射光のリターデーション値であり、navgは、navg=(n+n+n)/3であって、前記二軸性複屈折フィルムの平均屈折率であり、nは、前記ディスプレイの垂直方向を示す前記単位ベクトル(a、b、またはc)に対応するようにn、n、nから成るグループから選択され、および
    は、Rがθの変化に対応するように25μmより大きい第1の二軸性複屈折フィルムと、
    b)前記第1の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとるように配置され、所定の偏光軸を有する第1の偏光フィルムと
    を備えたことを特徴とするプライバシーフィルタ。
  23. c)前記第1の偏光フィルムから受けとられ、前記第1の偏光フィルムの偏光軸に対して略直線的に偏光される光を透過し、25μm以上の厚さdを有する第2の複屈折フィルムと、
    d)前記第2の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとるように配置され、所定の偏光軸を有する第2の偏光フィルムと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項22に記載のプライバシーフィルタ。
  24. 前記第2の偏光フィルムから受けとられ、前記第2の偏光フィルムの偏光軸に対して略直線的に偏光される光を透過し、第1の複屈折フィルムに等しく、および所定の偏光軸を有する第3の一軸性複屈折フィルム
    をさらに備えたことを特徴とする請求項23に記載のプライバシーフィルタ。
  25. 前記ディスプレイの前記プライバシー保護効果をもたらす位置に応じて、前記第1の偏光フィルムまたは前記第2の偏光フィルムのいずれかに隣接するように、前記第1の複屈折フィルムを回転させ、および配置することができるヒンジをさらに備えたことを特徴とする請求項23に記載のプライバシーフィルタ。
  26. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対する90度プラスまたはマイナス60度である第1の角度で配向され、および前記第2の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対する90度プラスまたはマイナス60度である第2の角度で配向されることを特徴とする請求項23に記載のプライバシーフィルタ。
  27. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス15度である第1の角度で配向され、前記第2の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に対して90度プラスまたはマイナス15度である第2の角度で配向され、前記第1の一軸性複屈折フィルムの光軸は、前記第1の角度を略二等分し、前記第2の一軸性複屈折フィルムの光軸は、前記第2の角度を略二等分することを特徴とする請求項26に記載のプライバシーフィルタ。
  28. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に直交することを特徴とする請求項26に記載のプライバシーフィルタ。
  29. 前記第2の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に直交することを特徴とする請求項28に記載のプライバシーフィルタ。
  30. Δnxyd=(2n−1)λ/2
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタ上に入射する光の波長であり、nは整数であり、dは前記第1の二軸性複屈折フィルムのフィルム厚であり、およびΔnxyは、前記平面内複屈折であることを特徴とする請求項22に記載のプライバシーフィルタ。
  31. n=1であり、前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、50nmから350nmにわたることを特徴とする請求項30に記載のプライバシーフィルタ。
  32. Δnxyd=(2n−1)λ/2
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、Δnxydは、リターデーション値Rを有する前記第2の複屈折フィルムに関連し、前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタに入射する光の前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、およびnは整数であることを特徴とする請求項23に記載のプライバシーフィルタ。
  33. n=1であり、および前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、10nmから250nmの範囲であることを特徴とする請求項32に記載のプライバシーフィルタ。
  34. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に垂直に配向されることを特徴とする請求項30に記載のプライバシーフィルタ。
  35. Δnxyd=nλ
    であって、式中λは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、Δnxydは前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタに入射する光の前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、およびnは整数であることを特徴とする請求項22に記載のプライバシーフィルタ。
  36. n=1であり、および前記第1の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、50nmから350nmの範囲であることを特徴とする請求項35に記載のプライバシーフィルタ。
  37. Δnxyd=nλ
    であって、式中λは、前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の波長であり、Δnxydは、リターデーション値Rを有する前記第2の複屈折フィルムに関連し、前記ディスプレイに垂直な方向で前記フィルタに入射する光の前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rであり、およびnは整数である式が満たされることを特徴とする請求項23に記載のプライバシーフィルタ。
  38. n=1であり、および前記第2の複屈折フィルムのリターデーション値Rは、10nmから250nmの範囲であることを特徴とする請求項37に記載のプライバシーフィルタ。
  39. 前記第1の偏光フィルムの偏光軸は、前記ディスプレイ偏光軸に平行に配向されることを特徴とする請求項35に記載のプライバシーフィルタ。
  40. a)前記ディスプレイの偏光軸を定めるための偏光軸を有する入力偏光子と、
    b)前記ディスプレイから前記入力偏光子を介して受けとられた光を透過する第1の一軸性複屈折フィルムであって、前記光は、前記偏光軸に沿って略直線的に偏光され、前記第1の複屈折フィルムは、厚さdおよびリターデーション値Rを有し、リターデーション値Rは、
    R=(n−n)d/cosθ
    であり、θは前記ディスプレイから前記フィルタに入射する光の角度であり、nおよびnはそれぞれ前記第1の複屈折フィルムの正常軸および異常軸に沿った屈折率であり、ならびに
    はRがθの変化に応答するように25μmより大きい第1の一軸性複屈折フィルムと、
    c)前記第1の複屈折フィルムから透過された略直線的に偏光される光を受けとるように配置される偏光軸を有する第1の偏光フィルムと
    を備えたことを特徴とするディスプレイのプライバシーフィルタ。
  41. a)ディスプレイの偏光軸を定めるための偏光軸を有する入力偏光子と、
    b)前記入力偏光子を介して前記ディスプレイから受けとられた光を透過する第1の二軸性複屈折フィルムであって、前記光は、前記偏光軸に沿って略直線的に偏光され、前記第1の複屈折フィルムは、厚さdおよび法線に対して測定される角度θで前記フィルムに入射する光のリターデーション値Rθを有し、前記リターデーション値Rθは、
    θ〜=R[1+sinθ/2navg
    という関係によって近似され、前記第1の二軸性複屈折フィルムは当該フィルム平面を定める単位ベクトルaおよびb、ならびに前記フィルム平面の法線を定める単位ベクトルcを有するものとして特徴付けられ、
    は、R=[n−n]dであって、垂直の入射光のリターデーションであり、navgは、navg=(n+n+n)/3であって、前記二軸性複屈折フィルムの平均屈折率であり、nは、前記ディスプレイの縦方向を示す前記単位ベクトル(a、b、またはc)に対応するようにn、n、nから成るグループから選択され、および
    はRがθの変化に対応するように25μmより大きい第1の二軸性複屈折フィルムと、
    c)前記第1の複屈折フィルムから透過された前記略直線的に偏光される光を受けるように配置される、所定の偏光軸を有する第1の偏光フィルムと
    を備えたことを特徴とするディスプレイのプライバシーフィルタ。
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