JP2005170056A - 射出成形機の良否判別方法 - Google Patents

射出成形機の良否判別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005170056A
JP2005170056A JP2004376304A JP2004376304A JP2005170056A JP 2005170056 A JP2005170056 A JP 2005170056A JP 2004376304 A JP2004376304 A JP 2004376304A JP 2004376304 A JP2004376304 A JP 2004376304A JP 2005170056 A JP2005170056 A JP 2005170056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
items
measurement data
molding
distribution
item
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004376304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4022218B2 (ja
Inventor
Hiroshi Yokoyama
拓 横山
Hiromasa Uetsuki
宏昌 植月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2004376304A priority Critical patent/JP4022218B2/ja
Publication of JP2005170056A publication Critical patent/JP2005170056A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4022218B2 publication Critical patent/JP4022218B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 射出成形機における製品の良否判別を精度良く行うことができるようにする。
【解決手段】 予備段階として、成形をP1回行ってあらかじめ定められた複数項目Mについての予備段階計測データを計測し、予備段階計測データのすべてについて分布を求める。実成形段階として、成形毎に複数のセンサより計測される複数項目Mの種類の計測データを計測し、前記計測データと予備段階で求められた前記分布とを用いて、複数項目Mの計測データのばらつきを求める。複数項目Mの計測データのばらつきより、成形毎にばらつきの大きいm個の計測データを抽出し、抽出された1〜m個の計測データのばらつきと、1〜mの数に対応するあらかじめ設定されたそれぞれの基準値とを比較する。成形毎に算出された1〜m個のばらつきの少なくとも1個がこれに対応するあらかじめ設定された基準値を越えている時に製品異常の判別結果を出す。
【選択図】 図1

Description

本発明は射出成形機における製品の良否判別方法に関する。
射出成形において、生じている現象はショットによりまちまちで、不良要因もさまざまである。さまざまな現象が存在するにも関わらず、従来は成形品の良否判別に使用する項目が固定であり、想定外の現象に対応できなかったり、精度良く判別することができなかった。
例えば、射出成形機に備えられる複数のセンサから得られる複数の計測信号に対してそれぞれある範囲を設定し、少なくとも1つの計測信号の値がそれに対して設定された範囲を越えた時に不良が発生したものと見なす、というような良否判別を行っている。つまり、これまでは、複数項目の中からいくつかの項目を判別のために選択し、以後の良否判別においては選択されたいくつかの項目を固定的に使用するようにしている(特許文献1)。
しかしながら、上記のような従来の手法では、複数項目の中からいくつかの項目を選択して、以後の良否判別においてはこれらのいくつかの項目を固定的に使用するので、想定外の現象に対応できなかったり、精度良く判別することができなかった。
特開平7−108579号公報
本発明の課題は、射出成形機における製品の良否判別を精度良く行うことができるようにすることにある。
本発明による射出成形機の良否判別方法の第1の態様は、予備段階として、成形をP1回行ってあらかじめ定められた複数項目M(但し、Mは2以上の整数)についての予備段階計測データを計測し、前記予備段階計測データのすべてについて分布を求め、実成形段階として、成形毎に複数のセンサより計測される複数項目Mの種類の計測データを計測し、前記計測データと予備段階で求められた前記分布とを用いて、前記複数項目Mの計測データのばらつきを求め、前記複数項目Mの計測データのばらつきより、成形毎にばらつきの大きいm個(但し、mは1以上の整数で、M>m)の計測データを抽出し、前記抽出された1〜m個の計測データのばらつきと、1〜mの数に対応するあらかじめ設定されたそれぞれの基準値とを比較し、前記成形毎に算出された1〜m個のばらつきの少なくとも1個がこれに対応するあらかじめ設定された基準値を越えている時に製品異常の判別結果を出すことを特徴とする。
本第1の態様による良否判別方法においては、前記計測データの平均値、標準偏差を用いて前記分布が求められる。
本発明による射出成形機の良否判別方法の第2の態様は、予備成形段階において、複数の製造回数P1について試し製造を行い、あらかじめ定められた複数項目M(但し、Mは2以上の整数)について計測により得られる前記製造回数P1分の予備段階計測データを求める第1のステップと、前記予備段階計測データのすべてについて分布を求める第2のステップと、実成形段階において、成形毎に実際の成形において得られた前記複数項目Mの現在の計測データと第2のステップで求められた前記分布とを用いて、ばらつきの大きいm個(但し、mは1以上の整数で、M>m)を抽出する第3のステップと、成形毎に判別に使用する計測データの項目を、抽出された1個の項目に対応する前記現在の計測データ〜抽出されたm個の項目に対応する前記現在の計測データと、第2のステップで求められた前記分布とを用いて、1〜mの数に対応してあらかじめ設定されたそれぞれの基準値とを比較する第4のステップと、前記成形毎に算出されたm個のばらつきの少なくとも1個がこれに対応するあらかじめ設定された基準値を越えている時に製品異常の判別結果を出す第5のステップを有することを特徴とする。
第2の態様による良否判別方法においては、前記第2のステップは前記予備段階計測データから項目1〜mを選ぶ組み合わせパターンを考え、組み合わされる全てのパターンについて分布を求める。
第2の態様による良否判別方法においてはまた、前記第2のステップは前記予備段階計測データの平均値、標準偏差を用いて分布を求める。
第2の態様による良否判別方法においては更に、前記第3のステップでは、前記第2のステップで記憶された前記予備段階計測データの平均値、標準偏差のうち、前記項目1〜mに対応する部分を用いてマハラノビスの距離を計算するとともに、前記項目1〜mに対応する距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを計算する。
本発明による射出成形機の良否判別方法によれば、以下のような効果が得られる。
想定外の不良にも対処できる。
判別に有効な最適項目の自動選択が可能である。
あらかじめ不良データを用意する必要がない。
良否判別の精度が向上する。
以下に、本発明を射出成形機における成形品の良否判別に適用した実施の形態について説明する。本形態では、以下のような前提が必要となる。射出成形機には、成形動作を制御すると共に、成形に伴って複数のセンサから得られる計測信号に基づく複数種類の計測データを収集する制御装置が備えられる。計測データは実績値とも呼ばれる。制御装置には設定値やその他の情報を入力するための設定入力部の他、収集した計測データを記憶する記憶装置や計測データをロギング情報として表示するためのディスプレイやプリンタ等の出力装置が備えられている。計測データには、クッション位置、保圧完了位置、V(速度)/P(圧力)切換位置、充填ピーク圧というように様々な種類がある。これらは射出成形機本体に設置されたセンサにより計測されるものであるが、これらの他に、サイクル時間、充填時間、計量時間、保圧スクリュ時間というような時間に関するデータもあり、これらは制御装置の持つ計時機能により得られる。本発明では、このような計時機能もセンサとして扱い、これにより得られるデータも計測データ、つまり実績値として扱うものとする。本発明では、上記のような様々な計測データの中からM(Mは2以上の整数)個を選択して利用するようにしており、これらを複数項目Mと呼ぶ。
次に、実施の形態による成形品の良否判別方法の概略を説明する。本形態による成形品の良否判別方法はMTS(Maharanobis Taguchi system)法に基づいており、基準空間作成段階(予備段階)と実成形段階とに分けられる。
基準空間作成段階は以下のステップからなる。
a.試しうちを行い、良品が得られた複数のショット数P1についてあらかじめ定められた複数項目M(但し、Mは2以上の整数)について計測により得られるショット数P1分の実績値を良品データとして記憶する。
b.ショット数P1分の良品データを用いて複数項目Mについて平均値及び標準偏差を算出すると共に、後述する複数項目M分の相関係数行列を算出して記憶する。
c.複数項目Mから項目1、2、…、m−1、m(但し、mは1以上の整数で、M>m)を選ぶ組み合わせパターンを考え、考えられる組み合わせパターン、…、m−1のすべてについてMTS法におけるMaharanobis(以下、マハラノビスと呼ぶ)の距離を計算するための計算式(以下、マハラノビスの計算式と呼び、後述する)により上記のbで記憶された複数項目M分の平均値及び標準偏差のうちの前記項目1、2、…、m−1、mに対応する部分と複数項目M分の相関係数行列のうちの前記項目1、2、…、m−1、mに対応する部分とを利用してマハラノビスの距離を計算すると共に、考えられる組み合わせパターンのすべてについて距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを計算して記憶する。
一方、実成形段階では射出成形の量産時の各ショットの実績値を使い、下記手順を踏む。
A1.直交表の組み合わせに従い、現在のショットの複数項目Mの実績値を使ってn通り(L12直交表では12通り、L8直交表では8通り)のマハラノビスの距離を算出する。
A2.算出されたn通りのマハラノビスの距離から直交表の組み合わせ分、つまりn通り(L12直交表では12通り、L8直交表では8通り)のSN比を算出する。
A3.算出されたn通りのSN比を使って複数項目Mの各項目の水準平均(直交表における第1水準、第2水準)を算出し、水準平均差(第1水準平均−第2水準平均)の大きいものからm項目見つける。水準平均差の大きい項目が有効な項目であり、大きいものから順に、水準平均差が最も大きい1番目の1項目、1番目の項目と次に大きい2番目の項目との2つの項目、…、1番目と2番目と、…、(m−2)番目と、(m−1)番目の(m−1)個の項目、1番目と2番目と、…、(m−2)番目と、(m−1)番目と、m番目のm個の項目を抽出する。但し、良否に関わらずこの計算を行う。良品の場合、水準平均差が小さいか負の数であったりするが、不良と仮定して水準平均差の大きいものから上記の項目を抽出する。
A4.これら最適な1項目、2項目、…、(m−1)項目、m項目に対応する現在のショットの実績値を使って、再度マハラノビスの距離を新たな距離として計算する。つまり、抽出された1つの項目に対応する現在のショットの実績値、抽出された2つの項目に対応する現在のショットの実績値、…、抽出された(m−1)個の項目に対応する現在のショットの実績値、抽出されたm個の項目に対応する現在のショットの実績値を用いて、マハラノビスの計算式により現在のショットのマハラノビスの距離をm個の新たな距離としてそれぞれ算出する。そして、算出されたm個の新たな距離のそれぞれと、上記1項目、2項目、…、(m−1)項目、m項目の組み合わせに対してあらかじめ設定されたm個の基準値とそれぞれと比較し、m個の新たな距離の少なくとも1つがこれに対応する基準値を越えている時に不良の判別結果を出す。
A5.本形態では更に、上記のm個の新たな距離と、抽出された1つの項目、抽出された2つの項目、…、抽出された(m−1)個の項目、抽出されたm個の項目と同じ組み合わせの組み合わせパターンについて上記のcで記憶された距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを用いてあらかじめ定められた計算式によりm個の新たな距離の大きさの度合いを距離分布の標準偏差の単位によるばらつきとして算出するようにしている。そして、算出されたm個のばらつきをそれぞれ上記1項目、2項目、…、(m−1)項目、m項目の組み合わせに対応して設定された所定の基準値のそれぞれと比較し、m個のばらつきの少なくとも1つがこれに対応する所定の基準値を越えている時に不良の判別結果を出す。
良品の場合、上記の新たな距離、ばらつきの値は小さくなっている。なお、上記のA4、A5は一方のみ行っても良いが、両方の方が判別精度が高くなることは言うまでもない。
このようにショット毎にダイナミックに大きいものから順に1〜m個の最適項目を見つけ出し、1〜m個の最適項目に対応する実績値からマハラノビスの距離が新たな距離として計算して用いる他、ばらつきをも良否判別の要素として組み合わせて用いることにより、MTS法による良否判別を精度良く行える。
以下に、図1を参照して、成形品の良否判別方法の実施の形態について具体例をあげて説明する。本良否判別方法は、MTS法を利用することを前提としているが、このMTS法そのものについては良く知られているので、説明は省略する。本良否判別方法は、前述のように、複数のショット数P1の試しうちにより得られる複数項目Mの実績値を使用してMTS法における基準空間を作成し、判別に必要な参照データを得るための基準空間作成段階と、この準備段階で得られた基準空間及び参照データを利用し実成形により得られた複数項目Mの実績値を用いてショット毎に成形品の良否判別を行う実成形段階とに分けられる。
ここでは、基準空間作成段階ではP1ショット(ここではP1=100とする)の試しうちを行うものとし、すべてのショットで良品が得られたものとする。また、実績値として8項目(M=8)の値が計測されるものとする。8項目の例をあげると、第1項目は計量時間、第2項目はV(速度)/P(圧力)切換え位置、第3項目は保圧完了位置(スクリュ位置)、第4項目は最小クッション位置(スクリュ位置)、第5項目は全域ピーク圧(樹脂圧力)、第6項目は充填ピーク圧(樹脂圧力)、第7項目は保圧最小速度(スクリュ速度)、第8項目は充填圧力の積分値(射出開始からピーク値に達するまでの充填圧力について計算された総和)であるが、上記の項目の数、種類はあくまでも一例である。
ステップS1では100ショットの試しうちが行われ、100ショット分について上記8項目の実績値が良品データとして記憶される。
ステップS2では、ステップS1で記憶された100ショット分の良品データを用いて、上記8項目について平均値及び標準偏差を算出する。また、成形品に対するマハラノビスの距離Dを計算するための計算式が作られる。計算式の一般式は、下記の数1で表される。
Figure 2005170056
なお、数1において記号の上にバーが付されているのは平均値であることを意味し、以降でこのような上にバーが付された記号、例えばxであればバーxと呼ぶことにする。そして、xは項目iの毎ショットの実績値、バーxは項目iの100ショット分の実績値の平均値、σは項目iの標準偏差、ri,jは相関係数行列を表す。8項目の場合の相関係数行列は、下記の数2で表される。
Figure 2005170056
ステップS3では、8項目の実績値、つまり記憶された良品データから複数項目、例えば1つの項目と、2つの項目と、3つの項目(m=3)を選ぶ組み合わせパターンを考え、考えられるすべてのパターンについて100ショット分の良品データを用いてマハラノビスの距離D を計算する。勿論、1つの項目の場合、これに対応する項目の良品データが用いられる。2つの項目の場合にはこれら2つの項目に対応する良品データが、3つの項目の場合にはこれら3つの項目に対応する良品データがそれぞれ用いられる。続いて、すべてのパターンについて距離分布の平均値バーD と距離分布の標準偏差σDi 2 を計算して参照データとして記憶し、実成形時の良否判別に用いる。
具体例を図2を参照して説明すると、8項目の実績値から1つの項目、2つの項目、3つの項目を選ぶ組み合わせパターンの種類は92(=)通りのパターンがある。例えば、3つの項目の場合について言えば、56(=)通りのパターンがある。そして、第1のパターンにおいて第1項目の計量時間、第2項目のV/P切換え位置、第3項目の保圧完了位置が選ばれたとすると、ステップS2において記憶されているこれら3つの項目の良品データが読み出されてそれぞれ下記の数3のx、x、xに代入され、100ショット分についてマハラノビスの距離Dが計算される。計算された100個のマハラノビスの距離Dは図2(a)に示される分布図で表され、距離分布の平均値D と距離分布の標準偏差σD1 2 が計算される。
Figure 2005170056
次に、第2のパターンにおいて第2項目のV/P切換え位置、第3項目の保圧完了位置、第4項目の最小クッション位置が選ばれたとすると、これら3つの項目の良品データがそれぞれ数3のx、x、xに代入され、100ショット分についてマハラノビスの距離Dが計算される。計算された100個のマハラノビスの距離Dは図2(b)に示される分布図で表され、距離分布の平均値D と距離分布の標準偏差σD2 2 が計算される。以下、同様にして、第56のパターンまで上記の計算が行われ、第56のパターンの場合、図2(c)に示されるように、距離分布の平均値はD56 、標準偏差はσD56 2 が得られる。これらの計算結果はすべて記憶される。
なお、1つの項目の場合は、8(=)通りであり、マハラノビスの距離の計算には、数3においてx、平均値バーx、標準偏差σ、相関係数r1,1のみが用いられる。同様に、2つの項目の場合には28(=)通りであり、マハラノビスの距離の計算には、数3においてx、x、平均値バーx、バーx、標準偏差σ、σ、相関係数r1,1、r1,2、r1,2、r2,2が用いられる。
以上のステップS1〜S3が基準空間作成段階である。
続いて、実成形段階に入る。以下の動作は、ショット毎に行われる。
ステップS4では、数3における平均値バーxとして上記の100ショット分の平均値ではなく、現在のショットから数えて過去P2ショット分(ここではP2=30とする)の移動平均を使用し、標準偏差については100ショット分の良品データによるσをそのまま使用して下記の数4により現在のショットの実績値xを基準化する。
Figure 2005170056
このように過去30ショット分の移動平均を採用するのは、射出成形におけるうねりの影響を解消するためである。つまり、射出成形機においては、圧力などの物理量は時間の経過とともに緩やかに波打つように変動することがあり、この現象をうねりと呼んでいる。但し、実成形中にうねりが生じていても良品が成形されており、うねり自体が直接的な不良要因になるとは言えない。しかし、本方法のようにMTS法を採用する場合、うねりの影響が現れるので、これを取り除いて一律の状況下で計算を行う必要がある。このために、現在のショットから最近の過去30ショット分の移動平均を用いるようにしているのである。但し、このステップS4においては過去30ショット分の移動平均ではなく、ステップS2で計算された100ショット分の平均値バーxi を用いても良い。
ステップS5では、基準化された8項目の実績値を上記の数1に当てはめて、マハラノビスの距離を算出する。但し、この場合のマハラノビスの距離の算出に際しては、図3に示すような、L12直交表に従い、12通りのマハラノビスの距離を算出する。
図3において、直交表は全項目の数により異なり、8項目の場合にはL12直交表が用いられる。一方、7項目(M=7)や6項目(M=6)のような8項目未満であれば図4に示すようなL8直交表が用いられ、8通りのマハラノビスの距離が算出される。なお、この直交表において縦の列は項目を示す。また、”1”は第1水準、”2”は第2水準を表し、ここでは第1水準に該当する実績値を用い、第2水準に該当する実績値は用いないことを意味する。例えば、第1行の場合、すべての項目の基準化データを用いてマハラノビスの距離D を算出し、第2行の場合には第1〜第5項目の基準化データを用い、第6〜第8項目の基準化データは用いずにマハラノビスの距離D を算出することを意味する。いずれにしても、上記のL12直交表に基づいて12通りのマハラノビスの距離D 〜D12 が算出される。
ステップS6では、算出された12通りのマハラノビスの距離D 〜D12 から下記の数5(第1の計算式)により望大特性の12通りのSN比η(ここではsn〜sn12)が算出される。
Figure 2005170056
ステップS7では、算出されたSN比sn〜sn12を用いて、下記の数6により各項目の第1水準、第2水準のSN比の平均値sni,1、sni,2を算出し、項目毎に水準平均差(sni,1、sni,2)を算出する。つまり、8個の水準平均差が算出される。
Figure 2005170056
但し、sni はL12直交表におけるi行目の組み合わせのSN比を示す。また、sn1,1 、sn1,2 はそれぞれ、L12直交表における第1項目の第1水準、第2水準のSN比の平均値を示す。例えば、第2項目の場合、第1水準平均にはsn、sn、sn、sn、sn、snが用いられ、第2水準平均にはsn、sn、sn、sn10、sn11、sn12が用いられる。一方、第8項目の場合、第1水準平均にはsn、sn、sn、sn、sn11、sn12が用いられ、第2水準平均にはsn、sn、sn、sn、sn、sn10が用いられる。
ステップS8では、8項目のそれぞれについて算出された8個の水準平均差について値の大きい順から3個(m=3)の項目を抽出する。つまり、水準平均差(sni,1−sni,2)の値の大きい項目が有効な項目であり、これらのうち大きいものから3個(m=3)抽出する。但し、良否に関わらずこの計算を行う。良品の場合、水準平均差(sni,1−sni,2)が小さいか負の数であったりするが、不良と仮定して水準平均差の大きいものからm個見つける。
そして、これら3つの項目を以下のように用いる。
1.最大差のみの項目を用いる。
2.最大差とその次に大きい差との2つの項目の組み合わせを用いる。
3.最大差と、その次に大きい差と、更にその次に大きい差との3つの項目の組み合わせを用いる。
例えば、最大差の項目が計量時間(第1項目)、次に大きい項目がV/P切換え位置(第2項目)、更に次の項目が保圧完了位置(第3項目)であり、これら3つの項目すべてを用いるものとする。この場合、現在のショットで得られた計量時間、V/P切換え位置、保圧完了位置の3つの項目の実績値(基準化されたデータ)を数3の式に代入してマハラノビスの距離を新たな距離として算出し、算出した新たな距離DNEWを3項目の場合についてあらかじめ設定された基準値と比較する。
一方、最大差のみの1項目を用いる場合、現在のショットで得られた計量時間の実績値を数3の変形式(xのみを用いる)に代入してマハラノビスの距離を新たな距離として算出し、算出した新たな距離DNEWを1項目の場合についてあらかじめ設定された基準値と比較する。また、最大差とその次に大きい差との2つの項目の組み合わせを用いる場合、現在のショットで得られた計量時間、V/P切換え位置の実績値を数3の変形式(x、xを用いる)に代入してマハラノビスの距離を新たな距離として算出し、算出した新たな距離DNEWを2項目の場合についてあらかじめ設定された基準値と比較する。それぞれの基準値については後述する。
ステップS8では更に、上記の1〜3のそれぞれについて下記の数7(第2の計算式)によりばらつきが算出される。つまり、3つの項目すべてを用いる場合、これについて得られた上記の新たな距離DNEWと、上記3つの項目の組み合わせパターンについてステップS3で算出、記憶された第1のパターン(計量時間、V/P切換え位置、保圧完了位置の組み合わせ)の距離分布の平均値バーD と距離分布の標準偏差σD1 2 とを用いて数7によりばらつきを算出して3項目の場合について設定された所定の基準値と比較する。
Figure 2005170056
つまり、対応する組み合わせパターンの距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを用いて、実成形において算出された新たな距離DNEWの大きさの度合いをばらつきとしてσ単位で表し、所定の基準値と比較する。
一方、1つの項目のみを用いる場合、これについて得られた上記の新たな距離DNEWと、上記1つの項目のパターンについてステップS3で算出、記憶された対応パターン(計量時間のみ)の距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを用いて数7によりばらつきを算出して1項目の場合について設定された所定の基準値と比較する。また、2つの項目を用いる場合、これについて得られた上記の新たな距離DNEWと、上記2つの項目の組み合わせパターンについてステップS3で算出、記憶された対応パターン(計量時間とV/P切換え位置の組み合わせ)の距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを用いて数7によりばらつきを算出して2項目の場合について設定された所定の基準値と比較する。
なお、基準値は経験的に設定され、以下の通りである。
3項目使用時:距離は4、ばらつきは4
2項目使用時:距離は4.5、ばらつきは4
1項目使用時:距離は12、ばらつきは6
本形態では、新たな距離DNEWを絶対基準、ばらつきを相対基準として用いて上記の基準値を用いた良否判別を以下のように行う。
つまり、1項目、2項目、3項目の場合について算出された3つの新たな距離のうち、少なくとも1つが対応する基準値を越え、かつこの少なくとも1つに対応するばらつきがこれに対して設定された基準値を越えている時に不良の判別結果を出す。
上記のように、良否判別に距離とばらつきとを用いるのは以下の理由による。つまり、いずれか一方で判別すると、必要以上に不良と判別してしまう可能性があるからである。具体的には、図5(a)に示すように距離値が基準値を越えていなければこれに対応するばらつきが基準値を越えていても良品として判別する。一方、図5(b)に示すように距離値とばらつきの両方がそれぞれの基準値を越えていると不良と判別する。このように、距離とばらつきとを良否判別に用いることで、誤判別率を低下させることができる。
なお、誤判別率がそれほど問題にならないのであれば、上記の距離値、ばらつきの一方のみで良否判別を行うようにしても良い。
以上のように、実成形段階ではショット毎に選ばれるm個の最適項目からマハラノビスの距離が計算され、MTS法による製品判別を精度良く行える。
なお、上記の形態では、本発明を射出成形機の成形品の良否判別に適用する場合について説明したが、本発明は射出成形機のみならず、押出し成形機等の成形機全般は勿論のこと、一般の製造機、つまり複数のセンサを備えて、これら複数のセンサからの測定データを用いて製品の良否判別を行う製造機全般に適用可能であることは言うまでも無い。
本発明の実施の形態による良否判別方法の手順を説明するためのフローチャート図である。 図1のステップS3で計算される距離分布の平均値と距離分布の標準偏差を表す波形を示した図である。 本発明で使用されるL12直交表の一例を示した図である。 本発明で使用されるL8直交表の一例を示した図である。 本発明において良否判別に使用されるマハラノビスの距離とばらつきの両方を採用する理由を説明するための図である。

Claims (6)

  1. 射出成形機の良否判別方法において、
    予備段階として、成形をP1回行ってあらかじめ定められた複数項目M(但し、Mは2以上の整数)についての予備段階計測データを計測し、
    前記予備段階計測データのすべてについて分布を求め、
    実成形段階として、成形毎に複数のセンサより計測される複数項目Mの種類の計測データを計測し、
    前記計測データと予備段階で求められた前記分布とを用いて、前記複数項目Mの計測データのばらつきを求め、
    前記複数項目Mの計測データのばらつきより、成形毎にばらつきの大きいm個(但し、mは1以上の整数で、M>m)の計測データを抽出し、
    前記抽出された1〜m個の計測データのばらつきと、1〜mの数に対応するあらかじめ設定されたそれぞれの基準値とを比較し、
    前記成形毎に算出された1〜m個のばらつきの少なくとも1個がこれに対応するあらかじめ設定された基準値を越えている時に製品異常の判別結果を出すことを特徴とする射出成形機の良否判別方法。
  2. 請求項1に記載の射出成形機の良否判別方法において、前記計測データの平均値、標準偏差を用いて前記分布を求めることを特徴とする射出成形機の良否判別方法。
  3. 予備成形段階において、複数の製造回数P1について試し製造を行い、あらかじめ定められた複数項目M(但し、Mは2以上の整数)について計測により得られる前記製造回数P1分の予備段階計測データを求める第1のステップと、
    前記予備段階計測データのすべてについて分布を求める第2のステップと、
    実成形段階において、成形毎に実際の成形において得られた前記複数項目Mの現在の計測データと第2のステップで求められた前記分布とを用いて、ばらつきの大きいm個(但し、mは1以上の整数で、M>m)を抽出する第3のステップと、
    成形毎に判別に使用する計測データの項目を、抽出された1個の項目に対応する前記現在の計測データ〜抽出されたm個の項目に対応する前記現在の計測データと、第2のステップで求められた前記分布とを用いて、1〜mの数に対応してあらかじめ設定されたそれぞれの基準値とを比較する第4のステップと、
    前記成形毎に算出されたm個のばらつきの少なくとも1個がこれに対応するあらかじめ設定された基準値を越えている時に製品異常の判別結果を出す第5のステップを有することを特徴とする射出成形機の良否判別方法。
  4. 請求項4に記載の射出成形機の良否判別方法において、前記第2のステップは前記予備段階計測データから項目1〜mを選ぶ組み合わせパターンを考え、組み合わされる全てのパターンについて分布を求めることを特徴とする射出成形機の良否判別方法。
  5. 請求項3又は4に記載の射出成形機の良否判別方法において、前記第2のステップは前記予備段階計測データの平均値、標準偏差を用いて分布を求めることを特徴とする射出成形機の良否判別方法。
  6. 請求項5に記載の射出成形機の良否判別方法において、前記第3のステップでは、前記第2のステップで記憶された前記予備段階計測データの平均値、標準偏差のうち、前記項目1〜mに対応する部分を用いてマハラノビスの距離を計算するとともに、前記項目1〜mに対応する距離分布の平均値と距離分布の標準偏差とを計算することを特徴とする射出成形機の良否判別方法。
JP2004376304A 2004-12-27 2004-12-27 射出成形機の良否判別方法 Expired - Fee Related JP4022218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004376304A JP4022218B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 射出成形機の良否判別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004376304A JP4022218B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 射出成形機の良否判別方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001380050A Division JP3677627B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 製品の良否判別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005170056A true JP2005170056A (ja) 2005-06-30
JP4022218B2 JP4022218B2 (ja) 2007-12-12

Family

ID=34737460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004376304A Expired - Fee Related JP4022218B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 射出成形機の良否判別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4022218B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246734A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Yamashiro Seiki Seisakusho:Kk 射出成形機における可塑化工程の良否判定方法
JP2009294147A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Tokyu Car Corp 移動体の異常検出方法
JP2009294146A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Tokyu Car Corp 機械システムの異常検出方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246734A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Yamashiro Seiki Seisakusho:Kk 射出成形機における可塑化工程の良否判定方法
JP2009294147A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Tokyu Car Corp 移動体の異常検出方法
JP2009294146A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Tokyu Car Corp 機械システムの異常検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4022218B2 (ja) 2007-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101825440B (zh) 产品零件间隙检测系统及方法
JP3161921B2 (ja) 製品品質影響要因解析方法と装置及び成形条件調整方法、製品良否判別項目選択方法
JP4167282B2 (ja) 射出成形機の支援装置
KR20150034206A (ko) 반도체 제조에서 검사를 위해 노이즈가 임베딩된 결함들의 검출
JP5229631B2 (ja) 製造条件調整装置
CN106558335A (zh) 存储器驱动装置以及方法
US20070118236A1 (en) Method for improving a manufacturing process
JP4022218B2 (ja) 射出成形機の良否判別方法
JP3677627B2 (ja) 製品の良否判別方法
US11774228B2 (en) Method and apparatus for testing workpieces
CN113532341A (zh) 用于确定测量测量物体的测量策略的方法和设备及程序
CN112906155A (zh) 一种用于注塑品信息的虚拟量测方法
CN101452272B (zh) 制造机台的监控方法和系统
CN103794451B (zh) 监测扫描电子显微镜的电子束状态的方法和装置
CN115855165A (zh) 一种用于火电设备的多维度精密点检方法及系统
JP2002323924A (ja) 不良装置検出方法、不良装置検出装置、プログラム及び製品の製造方法
JP3319076B2 (ja) 波形判定装置
CN114295095B (zh) 一种自由曲面检测最佳测点数确定方法
CN116539463B (zh) 一种混凝土强度的检测方法
CN108262954A (zh) Sla设备的校准方法和sla设备
US20230214371A1 (en) Method of obtaining and imputing missing data and measurement system using the same
EP3267371A1 (en) Method for "real time" in-line quality audit of a digital ophthalmic lens manufacturing process
CN111609778B (zh) 加工精度的检验方法及装置
JPS5917612A (ja) 学習同定装置を有する異常検知装置
JP4203774B2 (ja) 選別率推定装置、選別率推定方法、プログラムおよび記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070928

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4022218

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111005

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121005

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131005

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees