JP2005156634A - 円柱状強誘電体単結晶を有する波長変換素子およびそれを用いた光発生装置 - Google Patents

円柱状強誘電体単結晶を有する波長変換素子およびそれを用いた光発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、熱分布が中心対称になる波長変換素子を提供すること。
【解決手段】 本発明の波長変換素子は、断面が実質的に真円である円柱状強誘電体単結晶からなる。分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有する。円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群から選択される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱分布が中心対称になる波長変換素子に関する。本発明は、また、熱分布が中心対称であり、損傷伝播のないマルチグレーティングを有する波長変換素子およびそれを用いた光発生装置に関する。
近年、優れた非線形光学定数および電気光学定数を有する強誘電体単結晶を用いた波長変換素子の研究が盛んに行われている。なかでも、良質な強誘電体単結晶の製造技術および分極反転形成技術の向上により、擬似位相整合方式を採用した波長変換素子の発展は目覚しい。
定比組成のタンタル酸リチウム単結晶を利用した波長変換素子の開発がされている(例えば、特許文献1を参照。)。
図11は、従来技術による波長変換システムを示す図である。
波長変換システム1100は、波長可変レーザ1101と、レンズ1102と、波長変換素子1103とを含む。
波長変換素子1103は、厚さ0.3mm〜5mmである定比組成に近いタンタル酸リチウム単結晶からなる。波長変換素子1103は、電圧印加法により作製された周期3μm〜5μmの周期分極反転構造を有する。
このような波長変換システム1100において、波長可変レーザ1101が発する光(基本波)は、レンズ1102を介して波長変換素子1103に入射する。波長変換素子1103に入射した基本波は、光の導波方向に周期的に繰り返された周期分極反転構造により、基本波の第二高調波と位相整合(擬似位相整合)する。このようにして、基本波は、波長変換素子1103を伝播する間に第二高調波に変換される。
一方、ニオブ酸リチウム単結晶を利用した波長の広い範囲にわたって調整可能な(以後では、単にチューナビリティと呼ぶ)波長変換素子が開発されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
図12は、従来技術によるマルチグレーティング型擬似位相整合(QPM)パラメトリック発振器(OPO)を示す図である。
QPM OPO1200は、波長変換素子1201と、第1のミラー1202と、第2のミラー1203と、移動手段1204とを備える。
波長変換素子1201は、コングルエントニオブ酸リチウム(CLN)ウェハから作製されている。波長変換素子1201は、CLNウェハの分極方向に平行な方向の厚さが0.5mmであり、素子長Lは26mmである。波長変換素子1201は、周期の異なる分極反転構造(グレーティング)を複数有する。各グレーティングの幅WGは500μmである。各グレーティング間の間隔は、50μmである。各グレーティングの周期は、26〜36μmである。グレーティングの周期が0.25μmずつ増分するように配置されている。このようなグレーティングは、グレーティングごとに所定の周期を有するマスクを用いたリソグラフィ技術および電界印加法によって、繰り返し作製される。図において、マルチグレーティングのうち一部のみを示す。
第1のミラー1202および第2のミラー1203はそれぞれ、曲率半径150mmを有する。第1のミラー1202と第2のミラー1203とは、波長変換素子1201を介して配置されており、その間隔は30mmである。
移動手段1204は、波長変換素子1201を平行に移動させる。
次に、このようなQPM OPO1200の動作を説明する。
QスイッチNd:YAGレーザ(図示せず)から発生したポンプレーザ光(第1の波長λ1=1.064μm)は、第1のミラー1202を介して所与のビーム径で波長変換素子1201の所定の周期を有するグレーティングに入射する。この際、所定のグレーティングにポンプレーザ光が入射するように、移動手段1204は、予め波長変換素子1201を移動させる。その後、第1の波長λ1を有するポンプレーザ光は、波長変換素子1201の周期に応じて、第2の波長λ2を有するシグナル光および第3の波長λ3を有するアイドラ光に変換される。この際、波長1.54μmを中心とするシグナル光は、第1のミラー1202および第2のミラー1203で一部が反射する。第2のミラー1203で反射することなく透過したシグナル光およびアイドラ光がQPM OPO1200から出射する。
このようにして設計されたQPM OPO1200によれば、ポンプレーザ光の第1の波長λ1が1.064μmであり、マルチグレーティングの周期が26μm〜32μmの場合、移動手段1204によって波長変換素子1201を移動させるだけで、シグナル光の第2の波長λ2は、1.36μm〜1.98μmの波長可変範囲、アイドラ光の第3の波長λ3は、4.83μm〜2.30μmの波長可変範囲を達成可能である。
特開2002−90785号公報 L. E. Meyrsら、「Multigrating quasi−phase−matched optical parametric oscillator in periodically poled LiNbO3」、OPTICS LETTERS、April 15, 1996、Vol. 21,No. 8、pp. 591−593
例えば、図11に示される波長変換素子1103に、波長可変レーザ1101が発する光が照射すると、波長変換素子1103に熱分布が生じ得る。熱分布が生じると、波長変換素子の材料である強誘電体単結晶の熱複屈折効果が生じる。熱複屈折効果が生じると、光の偏光が乱れる(すなわち、光のモードが変化し得る)という問題を生じる。このような偏光特性の劣化は、消光比を低下させることになる。このような熱複屈折効果を補償するために、偏光子および1/4波長板等の光学系を必要とするため、装置全体が複雑になるとともに、小型化を困難にしていた。
また、熱分布によって生じた熱複屈折効果により、波長変換素子1103における位相整合条件が一部満たされなくなり得る。その結果、変換効率が大きく低下し得る。さらには、波長変換素子1103から出射する光のビーム形状が、熱分布の形状に依存して歪み(円形でなくなる)得る。
一方、図12に示される波長変換素子1201は単一ウェハから作製されているため、ポンプレーザ光の照射によって1つのグレーティングに生じたクラック等の損傷は、容易に他のグレーティングに伝播してしまい、損傷に弱い(損傷伝播)という難点を有する。また、波長変換素子1201は、1つのグレーティングが損傷すると素子全体を交換しなければならないため、コストがかかるという問題を有する。
波長変換素子1201は、マルチグレーティングを作製する際に、1つのグレーティングの作製に失敗する(分極反転部分が接合してしまう)と、ウェハ全体を破棄しなければならない。そのため歩留まりが悪い。
さらに、波長変換素子1201は、TM偏光を有する光のみを波長変換することができる。したがって、ポンプレーザ光の波長がTE偏光である場合には、TE偏光をTM偏光にする必要がある。このため、ポンプレーザ光の偏光に応じて、偏光子等の光学系が必要となるため、QPM OPO全体が大きくなるといった問題が生じる。
したがって、本発明の目的は、熱分布が中心対称になる波長変換素子を提供することである。
本発明の別の目的は、熱分布が中心対称であり、かつ、損傷伝播のないマルチグレーティングを有する波長変換素子およびそれを用いた光発生装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、歩留まりを向上させた波長変換素子およびそれを用いた光発生装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、入射光の偏光に対する自由度を向上させた波長変換素子およびそれを用いた光発生装置を提供することである。
本発明による波長変換素子は、断面が実質的に真円である円柱状強誘電体単結晶からなり、前記円柱状強誘電体単結晶が、前記分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有し、これにより上記目的を達成する。
前記円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群から選択されてもよい。
前記所定の周期は、前記円柱状強誘電体単結晶が、第1の波長λ1を有する第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光と第3の波長λ3を有する第3の光とに変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、擬似位相整合する周期であってもよい。
前記所定の周期は、前記円柱柱状強誘電体単結晶が、第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2とが、関係λ1=2×λ2を満たすように、擬似位相整合する周期であってもよい。
前記所定の周期は、前記円柱状強誘電体単結晶が、第1の波長λ1を有する第1の光と第2の波長λ2を有する第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、擬似位相整合する周期であってもよい。
本発明による波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、前記分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されており、これにより上記目的を達成する。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択されてもよい。
前記所定の周期は、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれが、第1の波長λ1を有する第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光と第3の波長λ3を有する第3の光とに変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、擬似位相整合する周期であってもよい。
前記所定の周期は、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれが、第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2とが、関係λ1=2×λ2を満たすように、擬似位相整合する周期であってもよい。
前記所定の周期は、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれが、第1の波長λ1を有する第1の光と第2の波長λ2を有する第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、擬似位相整合する周期であってもよい。
前記ホルダーは熱伝導性材料から形成されてもよい。
前記ホルダーに設置された温度制御素子と、前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームとをさらに含んでもよい。
前記温度制御素子を制御する制御部をさらに含んでもよい。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されていてもよい。
本発明による光発生装置は、第1の波長λ1を有する第1の光を発する光源と、前記第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光と第3の波長λ3を有する第3の光とに変換する波長変換素子と、前記波長変換素子の位置を制御する制御部とを含み、前記波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2と第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、前記分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されており、これにより上記目的を達成する。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択されてもよい。
前記ホルダーは熱伝導性材料から形成されてもよい。
前記波長変換素子は、前記ホルダーに設置された温度制御素子と、前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームとをさらに含んでもよい。
前記制御部は、さらに、前記温度制御素子の温度を制御してもよい。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されてもよい。
本発明による第1の波長λ1を有する第1の光を発する光源と、前記第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換する波長変換素子と、前記波長変換素子の位置を制御する制御部とを含み、前記波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2とが関係λ1=2×λ2を満たすように、前記分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されており、これにより上記目的を達成する。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択されてもよい。
前記ホルダーは熱伝導性材料から形成されてもよい。
前記波長変換素子は、前記ホルダーに設置された温度制御素子と、前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームとをさらに含んでもよい。
前記制御部は、さらに、前記温度制御素子の温度を制御してもよい。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されてもよい。
本発明による光発生装置は、第1の波長λ1を有する第1の光を発する第1の光源と、前記第1の光と、外部から入射した第2の波長λ2を有する第2の光とを結合させる光学系と、前記第1の光と第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光に変換する波長変換素子と、前記波長変換素子の位置を制御する制御部とを含み、前記波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2と第3の波長λ3とが、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、前記分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されており、これにより上記目的を達成する。
前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択されてもよい。
前記ホルダーは熱伝導性材料から形成されてもよい。
前記波長変換素子は、前記ホルダーに設置された温度制御素子と、前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームとをさらに含んでもよい。
前記制御部は、さらに、前記温度制御素子の温度を制御してもよい。
前記複数の柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されてもよい。
本発明の波長変換素子は、断面が実質的に真円である円柱状強誘電体単結晶からなる。円柱状強誘電体単結晶は、分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有する。円柱状強誘電体単結晶の断面が実質的に真円であるため、波長変換素子に照射された光によって熱分布が生じる場合でもあっても、熱分布は必ず中心対称となる。その結果、高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子から出射する光の形状は円形を維持することができる。
また、円柱状強誘電体単結晶の断面が実質的に真円であるため、円柱状強誘電体単結晶の配置角度を変更するだけで、入射光の偏光に容易に対応させることができる。したがって、偏光子等の光学系が不要であるため、系全体を小型化させることができる。
また、円柱状強誘電体単結晶は角を有さないため、角部が欠けることによって生じる不要なクラックが結晶中に生じる恐れがない。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。実施の形態において、強誘電体単結晶としてMgをドープした実質的に定比組成のタンタル酸リチウム単結晶(MgSLT)を用いる。本明細書中において、実質的に「定比組成である」とは、Li2O/(Nb25+Li2O)のモル分率が完全に0.50ではないものの、コングルエント組成よりも化学両論比に近い組成(Li2O/(Nb25+Li2O)のモル分率=0.490〜0.5)を有しており、そのことに起因するデバイスの特性の低下が通常のデバイスの設計において問題にならない程度であることをいう。このようなMgSLTは、例えば、特開2000−344595に記載される二重るつぼを使用したチョクラルスキー法により作製され得る。MgSLTは、強誘電体単結晶の一例に過ぎず、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム(SLN)、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム(SLT)、不純物(例えば、Mg、Zn、Sc、In等)をドーピングしたSLNまたはSLT等の任意の強誘電体単結晶が用いられ得ることに留意されたい。
図中、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、MgO1mol%ドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウム(MgSLT)のアイドラ光およびシグナル光発振波長の分極反転周期依存性を示す図である。
図において、横軸は分極反転周期を表し、縦軸はそれぞれアイドラ光およびシグナル光の発振波長を表す。図1は、波長1.064μmを有するポンプ光を、種々の周期を有するMgSLTに入射させ、パラメトリック発振させた場合に生成するアイドラ光およびシグナル光の波長の分極反転周期依存性を示す。図1から、MgSLTをパラメトリック発振器に用いた場合、分極反転周期29.5μm〜32μmの範囲において、アイドラ光の発振波長は、2.9μm〜3.7μmのチューナビリティを有することが分かる。同様に、シグナル光の波長は、1.5μm〜1.7μmのチューナビリティを有することが分かる。図には示さないが、分極反転周期を26μm〜33μmの範囲において、上述のMgSLTのアイドラ光発振波長は、2.5μm〜4.0μmのチューナビリティを有し、シグナル光発振波長は、1.45μm〜1.85μmのチューナビリティを有することが分かっている。
図2は、本発明の実施の形態1による円柱状強誘電体単結晶からなる波長変換素子の斜視図である。
円柱状強誘電体単結晶200は、例えば、図1のMgSLTである。円柱状強誘電体単結晶200の断面の直径は、例えば、1.5mmである。円柱状強誘電体単結晶200は、分極方向に対して垂直な方向に所定の周期を有する周期分極反転構造201を有する。つまり、1つの円柱状強誘電体単結晶200は、単一のグレーティングを有する。図では、断面は円柱状強誘電体単結晶200の分極方向と平行な面を示すが、これに限定されない。
上述の所定の周期について説明する。円柱状強誘電体単結晶200を用いてパラメトリック発振させる場合、円柱状強誘電体単結晶200に入射する光の波長をλ1とし、円柱状強誘電体単結晶200から出射する光の波長をλ2およびλ3とすると、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、擬似位相整合する分極反転周期の範囲が決定される。同様に、円柱状強誘電体単結晶200を用いて第二高調波発生させる場合、円柱状強誘電体単結晶200に入射する光の波長をλ1とし、円柱状強誘電体単結晶200から出射する光の波長をλ2とすると、関係λ1=2×λ2を満たすように、擬似位相整合する分極反転周期の範囲が決定される。同様に、円柱状強誘電体単結晶200を用いて差周波発生または和周波発生させる場合、円柱状強誘電体単結晶200に入射する光の波長をλ1およびλ2とし、円柱状強誘電体単結晶200から出射する光の波長をλ3とすると、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、擬似位相整合する分極反転周期が決定される。円柱状強誘電体単結晶200がMgSLTの場合、パラメトリック発振の分極反転周期は、26μm〜33μmの範囲から選択され、第二高調波の分極反転周期は1μm〜10μmの範囲から選択される。差周波発生の場合は、λ2の波長の応じて任意の分極反転周期が採用される。このような分極反転周期は、強誘電体単結晶固有であることに留意されたい。
円柱状強誘電体単結晶200の分極方向に対して垂直な方向の長さLは、例えば35mmである。円柱状強誘電体単結晶200の断面の任意の位置の直径D(例えば、Z軸方向)は、1.5mmである。これら、長さLおよび直径Dは、一例に過ぎず、これらの値に限定されないことに留意されたい。
このような円柱状強誘電体単結晶200の作製は、例えば、最初に角柱状強誘電体単結晶が切り出される。次いで、周期分極反転構造201が、電圧印加法、電子ビーム走査照射法およびプロトン交換熱処理法等の任意の方法を用いて切り出された角柱状強誘電体単結晶に作製され得る。その後、角柱状強誘電体単結晶は、所定の型(例えば、中空体)を用いて打ち抜かれる。ただし、円柱状強誘電体単結晶200の作製方法はこれに限定されない。また、Z軸方位が分かるように、所定の位置にオリフラを設けてもよい。円柱状強誘電体単結晶200の端面に反射膜が設けられていてもよい。
本発明の円柱状強誘電体単結晶200の断面は、実質的に真円である。実質的に真円とは、断面の異なる任意の位置の直径の比が必ずしも1ではないものの、このような円柱状強誘電体単結晶200を用いた場合に生じるデバイスの特性の低下が通常のデバイスの設計において問題にならない程度であることをいう。
このように円柱状強誘電体単結晶200の断面が実質的に真円であるため、入射光の偏光に応じて、円柱状強誘電体単結晶200の配置を変更することができる。つまり、円柱状強誘電体単結晶200は、配置角度を変更するだけで任意の偏光を有する光を波長変換することができる。
図2に示される波長変換素子200を用いて第二高調波を発生させる場合の、波長変換素子200の動作を説明する。
波長変換素子200は、光源(図示せず)と集光光学系(図示せず)とともに用いられ得る。光源は、例えば、第1の波長λ1が780nmである第1の光(基本波)を発する半導体レーザであり得るが、これに限定されない。光源は、コヒーレントである限り、任意の光源を用いることができる。集光光学系は、第1の光を集光し、波長変換素子200に入射させるように機能する任意の光学系であり得る。
光源が発する第1の光は、集光光学系を介して波長変換素子200に入射する。周期分極反転構造201は、光源の第1の光(基本波)の伝播方向に周期的に繰り返されている。このような周期分極反転構造201により、基本波とその第二高調波とが位相整合(擬似位相整合)する。このようにして、基本波は、波長変換素子200を伝播する間に第2の波長λ2が390nmである第2の光(第二高調波)に変換される。なお、波長変換素子200の基本波の入射面と出射面とに反射膜を設けて、波長変換素子200を共振器として機能させてもよい。
なお、上述したように、波長変換素子200は円柱状強誘電体単結晶からなるので、第1の光の偏光に合わせて、円柱状強誘電体単結晶の配置角度を変更することができる。つまり、波長変換素子200は、任意の偏光を有する光を波長変換することができる。これにより、光源の偏光に対する自由度が向上するので、任意の光源を用いることができる。円柱状強誘電体単結晶の配置角度の変更は、手動で行ってもよいし、または、機械制御で行ってもよい。
第1の光の照射によって波長変換素子200に熱分布が生じたとしても、波長変換素子200の断面が実質的に真円であるため、熱分布は中心対称となる。この際、第1の光は波長変換素子200の中心に照射されていることに留意されたい。したがって、熱分布が中心対称であるため熱複屈折が低減されるので、波長変換素子200を伝播する光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子200から出射する光の形状は、歪むことなく円形に維持される。
同様にして、波長変換素子200を用いてパラメトリック発振および差周波発生させることができることを理解されたい。
図3は、MgO1mol%ドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウム(MgSLT)のアイドラ光およびシグナル光発振波長の温度依存性を示す図である。
図において、横軸は分極反転周期を表し、縦軸はアイドラ光およびシグナル光の発振波長を表す。図3は、波長1.064μmを有するポンプ光を、種々の温度において、種々の周期を有するMgSLTに入射させ、パラメトリック発振させた場合に生成するアイドラ光およびシグナル光の発振波長の分極反転周期依存性を示す。図中、MgSLTの室温(30℃)における結果とMgSLTをそれぞれ70℃、110℃、150℃および190℃に加熱した場合の結果とを示す。図3から、MgSLTをパラメトリック発振器に用いた場合、例えば、アイドラ光発振波長では、同一分極反転周期において約0.4μmの温度によるチューナビリティを有することが分かった。分極反転構造の周期を制御することに加えて、円柱状強誘電体単結晶200の温度を制御すれば、より高精度に制御されたチューナビリティを達成することができる。
図4は、本発明の実施の形態1による円柱状強誘電体単結晶からなる別の波長変換素子の斜視図である。
図4に示す波長変換素子400は、温度制御素子401と温度制御素子401を覆うフレーム402とを有する以外は図2に示す波長変換素子200と同様である。図3を参照して説明したように、例、MgSLTからなる円柱状強誘電体単結晶は、温度によりチューナビリティを有しているので、波長変換素子200に温度制御素子401を設置することによってより高精度に制御されたチューナビリティが達成され得る。さらに、温度制御素子401を包囲するようにフレーム402は、断熱性材料から形成される。これにより、温度制御素子401の熱の散逸を妨げ、均一に円柱状強誘電体単結晶200を加熱することができるとともに、ユーザが温度制御素子401の熱によって怪我することを防ぐ。図において、温度制御素子401は、円柱状強誘電体単結晶200全体を覆っているが、円柱状強誘電体単結晶200の温度を均一にすることができる限り任意の温度制御素子を用いることができる。温度制御素子401は、例えば、ペルチェ素子であり得る。
波長変換素子400は、温度制御素子401を制御するために、制御部(図示せず)をさらに備えてもよい。このような制御部は、図3に示すような強誘電体単結晶固有の出射波長の温度依存性を有しており、この情報を利用して円柱状強誘電体単結晶200が適切な温度となるように制御してもよい。また、制御部は、温度の制御に加えて、波長変換素子400に入射する光の偏光に関する情報を入手し、入射光の偏光に応じて波長変換素子400の角度配置を変更するように制御してもよい。
以上、図2および図4を参照して説明してきたように、本発明による円柱状強誘電体単結晶200、400からなる波長変換素子は、断面が実質的に真円であるあため、波長変換素子に照射された光によって熱分布が生じる場合でもあっても、熱分布は必ず中心対称となる。その結果、光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子200、400から出射する光の形状が円形に維持される。
また、円柱状強誘電体単結晶の断面が実質的に真円であるため、円柱状強誘電体単結晶の配置角度を変更するだけで、入射光の偏光に容易に対応させることができる。したがって、偏光子等の光学系が不要であるため、系全体を小型化させることができる。また、任意の光源を用いることができる。
また、円柱状強誘電体単結晶は角を有さないため、角部が欠けることによって生じる不要なクラックが結晶中に生じる恐れがない。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2による波長変換素子の斜視図である。
波長変換素子500は、ホルダー501と、複数の円柱状強誘電体単結晶502とを含む。
ホルダー501には、複数の円柱状強誘電体単結晶502が収容される。ホルダー501のサイズ(長さ、幅、厚さ)は、収容される円柱状強誘電体単結晶200の数、複数の円柱状強誘電体単結晶502の配置に応じて変更され得る。図では、ホルダー501は、半円が模られた底部と蓋部とからなるが、ホルダー501の構成は、このような構成に限定されない。例えば、矩形の筒であってもよい。
ホルダー501は、好ましくは、銅などの熱伝導性材料から形成される。実施の形態1で説明したように、複数の円柱状強誘電体単結晶502は、入射光の照射による熱分布は必ず中心対称となる。このため、円柱状強誘電体単結晶200に熱分布が生じたとしても、光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができる。しかしながら、ホルダー501が熱伝導性材料であれば、入射光の照射による熱を容易に散逸させることができるので、熱分布の発生を低減することができる。
複数の円柱状強誘電体単結晶502は、それぞれの分極方向に垂直な方向が同一となるように配置されている。これにより容易にマルチグレーティングが達成され得る。図では、簡単のため、5本の円柱状強誘電体単結晶502が、平面状に、かつ、それぞれの分極方向が同一となるように配置されている。ただし、円柱状強誘電体単結晶200の数および配置様態は、円柱状強誘電体単結晶200のそれぞれの分極方向に垂直な方向が同一となる限り、任意である。複数の円柱状強誘電体単結晶502それぞれの分極反転周期は、実施の形態1で説明した、パラメトリック発振、第二高調波発生または差周波発生を達成する所定の周期範囲からユーザのニーズに応じて選択される。複数の円柱状強誘電体単結晶502それぞれの分極反転周期は、異なる。
このように本発明による波長変換素子500は、単一のグレーティングを有する単一の円柱状強誘電体単結晶200を任意に組み合わせることによってマルチグレーティングを達成する。これにより、波長変換素子500作製時に複数の円柱状強誘電体単結晶(マルチグレーティング)502のうちいずれかの円柱状強誘電体単結晶が損傷した場合には、損傷した円柱状強誘電体単結晶のみを交換すればよいので歩留まりを向上させることができる。また、波長変換素子500の使用時に1つの円柱状強誘電体単結晶にクラックが発生したとしても、隣接する円柱状強誘電体単結晶にはクラックが伝播することはない。したがって、クラックが発生した円柱状強誘電体単結晶のみを交換すればよいので、ユーザ側のコストを削減することができる。
次に、波長変換素子500の動作を説明する。
波長変換素子500の外部(例えば、光源)からの光(入射光)は、所望の波長を有する光に変換されるよう複数の円柱状強誘電体単結晶502のうち特定の分極反転周期を有する円柱状強誘電体単結晶に入射する。波長変換素子500の分極反転周期に応じて、入射光は、パラメトリック発振、第二高調波発生または差周波発生に基づいて、波長変換される。その後、出射光として波長変換素子500から出射する。例えば、パラメトリック発振の場合、ポンプ光(入射光)の波長が1.064μmであり、特定の分極反転周期が31.8μmである場合、アイドラ光およびシグナル光(出射光)の波長は、それぞれ、2.5μmおよび1.85μmとなる。このように、入射光が、特定の分極反転周期を有する円柱状強誘電体単結晶に照射するように波長変換素子500を手動で、または、機械制御を用いて移動することによって、チューナビリティが達成され得る。
また、波長変換素子500は複数の円柱状強誘電体単結晶502からなるので、入射光の偏光に合わせて、複数の円柱状強誘電体単結晶それぞれの配置角度を変更することができる。つまり、波長変換素子200は、任意の偏光を有する光を波長変換することができる。これにより、光源の偏光に対する自由度が向上するので、任意の光源を用いることができる。複数の円柱状強誘電体単結晶それぞれの配置角度の変更は、手動で行ってもよいし、または、機械制御で行ってもよい。
このように複数の円柱状強誘電体単結晶502のそれぞれの断面を実質的に真円とすることによって、入射光の偏光モードがTEモードであってもTMモードであっても、入射光の光源(図示せず)と波長変換素子500との間に偏光子等の光学系を設けることなく、波長変換することができる。したがって、系全体を小型化することができる。
図6は、本発明の実施の形態2によるさらに別の波長変換素子の斜視図である。
図6(A)に示す波長変換素子600は、温度制御素子601を有する以外は図5を参照して説明した波長変換素子500と同じである。図3を参照して説明したように、例えば、MgSLTからなる円柱状強誘電体単結晶は、温度によるチューナビリティを有しているので、波長変換素子500に温度制御素子601を設置することによってより高精度に制御されたチューナビリティが達成され得る。図において、温度制御素子601はシート形状であるが、温度制御素子601は、複数の円柱状強誘電体単結晶502の温度を均一にすることができる限り、任意の温度制御素子を用いることができる。温度制御素子601は、例えば、ペルチェ素子であり得る。
図6(B)に示す波長変換素子610は、温度制御素子601を包囲するフレーム602を備える。フレーム602は、断熱性材料から形成されている。このように、ホルダー501および温度制御素子601を断熱性のフレーム602で包囲することによって、温度制御素子601の熱の散逸を妨げ、均一に複数の円柱状強誘電体単結晶502を加熱することができるとともに、ユーザが温度制御素子601の熱によって怪我することを防ぐ。
波長変換素子600または610は、温度制御素子601を制御するために、制御部(図示せず)をさらに備えてもよい。このような制御部は、図1に示すような強誘電体単結晶材料固有の出射波長の分極反転周期依存性、および/または、図3に示すような強誘電体単結晶固有の出射波長の温度依存性を有しており、これらの関係を利用して、波長変換素子600または610が適切な温度となるように温度制御素子601を制御してもよい。また、制御部は、温度の制御に加えて、波長変換素子600または610に入射する光の偏光に関する情報を入手し、入射光の偏光に応じて波長変換素子600または610の角度配置を変更するように制御してもよい。
図7は、本発明の実施の形態2によるさらに別の波長変換素子の斜視図である。
波長変換素子700は、複数の円柱状強誘電体単結晶が所定の間隔で配置されており、所定の間隔に熱伝導性材料が充填されたホルダー701である以外は、図5を参照して説明した波長変換素子500と同じである。このように、各円柱上強誘電体単結晶間に熱伝導性材料を充填することによって、入射光によって円柱状強誘電体単結晶に生じ得る熱を散逸させて、熱分布が生じるのを低減することができる。この結果、熱による複屈折効果が低減されるので、波長変換素子700を伝播する光の偏光モードが維持され、変換効率を一定に保つことができる。所定の間隔は、例えば、50μmであるが、この間隔に限定されない。この場合、熱伝導性材料とホルダーとが一体型の例を示したが、別個であってもよい。
以上説明してきたように、それぞれが所定の周期を有する分極反転構造を有する円柱状強誘電体単結晶を組み合わせ、マルチグレーティングを有する波長変換素子を形成することによって、変換波長のチューナビリティを容易に達成する。円柱状強誘電体単結晶は、その断面が実質的に真円であるため、入射光の偏光方位に依存しない。したがって、入射光の光源の自由度が増すとともに、光学系全体を小型化できる。また、入射光の照射による熱分布が中心対称となるため、熱分布が生じたとしても光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)をすることができる。
本発明による波長変換素子は、円柱状強誘電体単結晶を組み合わせて形成されるため、製造時に破損した円柱状強誘電体単結晶のみを破棄すればよく、歩留まりを向上させる。さらに、使用時には、破損した円柱状強誘電体単結晶のみを交換すればよく、ユーザ側のコストの削減になる。本発明による波長変換素子は、円柱状強誘電体単結晶を任意に組み合わせて形成されるので、ユーザのニーズに合わせた調整が可能である。
実施の形態2では、図2を参照して説明した、MgSLTの円柱状強誘電体単結晶200を用いた波長変換素子の例を示してきた。これらは単に例示にすぎないことを理解されたい。任意の強誘電体単結晶材料を用い、少なくとも断面の直径が2mmであり、かつ、断面が実質的に真円である複数の円柱状強誘電体単結晶を用いれば、上記効果を奏することができる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3によるパラメトリック発振を利用した光発生装置を示す図である。
光発生装置800は、光源801と、波長変換素子802と、制御部803とを含む。
光源801は、第1の波長λ1を有する第1の光(ポンプ光)を発する。本発明によれば、第1の光の偏光は、TMモードであってもよいし、TEモードであってもよい。光源801は、例えば、第1の波長λ1=1.064μmのQスイッチNd:YAGレーザである。光源801にチューナブル光源を用いてもよい。
波長変換素子802は、実施の形態2で説明した波長変換素子500、600、610、700のいずれか、または、その変形例である。波長変換素子802は、光源801から受け取った第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光(シグナル光)と、第3の波長λ3を有する第3の光(アイドラ光)とに波長変換する。この際、波長変換素子802内の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と、第2の波長λ2と、第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有する。円柱状強誘電体単結晶に図1および図3に示したMgSLTを用いた場合、円柱状強誘電体単結晶の分極反転周期は、26μm〜33μmの範囲から選択される。円柱状強誘電体単結晶は、MgSLTに限定されない。
制御部803は、波長変換素子802の位置を制御する。詳細には、制御部803は、光源801から第1の光の有する情報(例えば、波長、偏光)を入手し、入手した情報に基づいて波長変換素子802の位置を制御する。本明細書において、波長変換素子802の位置を制御するとは、制御部803が、光源801からの第1の光の有する情報のうち偏光モードに基づいて、波長変換素子802の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの配置角度を第1の光の偏光モードに対応するように制御すること、および/または、制御部803が、光源801からの第1の光の有する情報のうち波長に基づいて、波長変換素子802のうち所定の円柱状強誘電体単結晶に光源801が発する第1の光が照射するように、波長変換素子802の位置を制御することを意味する。制御部803は、例えば、図1および図6に示す円柱状強誘電体単結晶のアイドラ光およびシグナル光の周期依存性のデータ、および、温度依存性のデータを格納し、これらデータに基づいて波長変換素子802の位置を制御してもよい。
光発生装置800は、光源801と波長変換素子802との間、および、波長変換素子802の出射側にそれぞれ反射ミラー(図示せず)を設けて、共振器として機能させてもよい。
次に、光発生装置800の動作を説明する。
光源801は、第1の波長λ1=1.064μmを有する第1の光を波長変換素子802へ発する。制御部803は、ユーザが所望する波長の光が得られるように、第1の光の有する情報(波長および偏光)等に基づいて、波長変換素子802の位置を制御する。例えば、ユーザが、第3の波長λ3=3.62μmを有する第3の光(アイドラ光)を所望する場合、制御部803は、第1の光が30μmの分極反転周期を有する円柱状強誘電体単結晶に入射するように、波長変換素子802の位置を制御する。
波長変換素子802の所定の円柱状強誘電体単結晶に入射した第1の光は、上記の関係式を満たして、第2の波長λ2=1.507μmを有する第2の光(シグナル光)および第3の波長λ3=3.62μmを有する第3の光(アイドラ光)に波長変換される。
このようにして波長変換された第2の光は、光通信の波長帯域であるため、光通信での利用が可能である。第3の光は、ガス分光に有効な波長帯域であるため、化学分析に利用可能である。
本発明による光発生装置800は、所定の周期を有する円柱状強誘電体単結晶を組み合わせたマルチグレーティングを有する波長変換素子802を含む。これにより、変換波長のチューナビリティを容易に達成する。実施の形態1で説明したように、円柱状強誘電体単結晶は、分極方向と同じ方向の断面が実質的に真円であるため、波長変換素子802に照射された光によって円柱状強誘電体単結晶に熱分布が生じる場合でもあっても、熱分布は必ず中心対称となる。その結果、光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子802が出射する光(第2の光および第3の光)の形状は、円形に維持される。さらに、入射光の偏光方位に対する依存性もない。したがって、入射光の光源の自由度が増すとともに、光学系全体を小型化できる。
本発明による光発生装置800の波長変換素子802は、円柱状強誘電体単結晶を組み合わせて形成されるため、製造時に破損した円柱状強誘電体単結晶のみを破棄すればよく、歩留まりを向上させる。さらに、使用時には、破損した円柱状強誘電体単結晶のみを交換すればよく、ユーザ側のコストの削減になる。本発明による光発生装置800の波長変換素子802は、円柱状強誘電体単結晶を任意に組み合わせて形成されるので、ユーザのニーズに合わせた調整が可能である。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4による第二高調波発生を利用した光発生装置を示す図である。
光発生装置900は、光源901と、波長変換素子902と、制御部903とを含む。
光源901は、第1の波長λ1を有する第1の光(基本波)を発する。本発明によれば、第1の光の偏光は、TMモードであってもよいし、TEモードであってもよい。光源901は、コヒーレントな第1の光を発するチューナブル半導体レーザ(波長可変レーザ)であり得る。
波長変換素子902は、実施の形態2で説明した波長変換素子500、600、610、700のいずれか、または、その変形例である。波長変換素子902は、光源901から受け取った第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光(第二高調波)に波長変換する。この際、波長変換素子902内の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2とが、関係λ1=2×λ2を満たすように、分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有する。円柱状強誘電体単結晶にMgSLTを用いた場合、円柱状強誘電体単結晶の分極反転周期は、1μm〜10μmの範囲から選択される。円柱状強誘電体単結晶は、MgSLTに限定されない。
制御部903は、波長変換素子902の位置を制御する。詳細には、制御部903は、光源901から第1の光の有する情報(例えば、波長、偏光)に入手し、入手した情報に基づいて波長変換素子902の位置を制御する。本明細書において、波長変換素子902の位置を制御するとは、制御部903が、光源901からの第1の光の有する情報のうち偏光モードに基づいて、波長変換素子902の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの配置角度を第1の光の偏光モードに対応するように制御すること、および/または、制御部903が、光源901からの第1の光の有する情報のうち波長に基づいて、波長変換素子902のうち所定の円柱状強誘電体単結晶に光源901が発する第1の光が照射するように、波長変換素子902の位置を制御することを意味する。制御部903は、例えば、円柱状強誘電体単結晶の第二高調波の周期依存性のデータ、および、温度依存性のデータを格納し、これらデータに基づいて波長変換素子902の位置を制御してもよい。制御部903は、ユーザが所望する波長の光が得られるように、光源901が発する第1の波長λ1を設定するように光源901を制御してもよい。
光発生装置900は、光源901と波長変換素子902との間、および、波長変換素子902の出射側にそれぞれ反射ミラー(図示せず)を設けて、共振器として機能させてもよい。
次に、光発生装置900の動作を説明する。
例えば、ユーザが、第2の波長λ2=0.39μmを有する第2の光を所望する場合、制御部903は、光源901が第1の波長λ1=0.78μmを有する第1の波長を発するように、光源901を制御する。次いで、制御部903は、第1の光の有する情報(波長および偏光)等に基づいて、波長変換素子902の位置を制御する。この場合、制御部903は、第1の光が3μmの分極反転周期を有する円柱状強誘電体単結晶に入射するように、波長変換素子902の位置を制御する。波長変換素子902の所定の円柱状強誘電体単結晶に入射した第1の光は、上記の関係式を満たして、第2の波長λ2=0.39μmを有する第2の光(第二高調波)に波長変換される。
実施の形態4による光発生装置900は、それぞれが所定の周期を有する分極反転構造を有する円柱状強誘電体単結晶を組み合わせたマルチグレーティングを有する波長変換素子902を含む。これにより、特に、基本波を発するチューナブルな光源901に対して常に位相整合した第二高調波を発生することができる(すなわち、光源901のチューナビリティを容易に達成する)。実施の形態1で説明したように、円柱状強誘電体単結晶は、分極方向と同じ方向の断面が実質的に真円であるため、波長変換素子902に照射された光によって円柱状強誘電体単結晶に熱分布が生じる場合でもあっても、熱分布は必ず中心対称となる。その結果、光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子902が出射する光(第2の光)の形状は、円形に維持される。さらに、入射光の偏光方位に対する依存性もない。したがって、入射光の光源の自由度が増すとともに、光学系全体を小型化できる。
本発明による光発生装置900の波長変換素子902は、円柱状強誘電体単結晶を組み合わせて形成されるため、製造時に破損した円柱状強誘電体単結晶のみを破棄すればよく、歩留まりを向上させる。さらに、使用時には、破損した円柱状強誘電体単結晶のみを交換すればよく、ユーザ側のコストの削減になる。本発明による光発生装置900の波長変換素子902は、円柱状強誘電体単結晶を任意に組み合わせて形成されるので、ユーザのニーズに合わせた調整が可能である。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5による差周波発生を利用した光発生装置を示す図である。
光発生装置1000は、光源1001と、結合光学系1002と、波長変換素子1003と、制御部1004とを含む。
光源1001は、第1の波長λ1を有する第1の光(ポンプ光)を発する。本発明によれば、第1の光の偏光は、TMモードであってもよいし、TEモードであってもよい。光源1001は、例えば、第1の波長λ1=0.78μmの半導体レーザであり得る。光源1001にチューナブル光源を用いてもよい。
結合光学系1002は、光源1001からの第1の光と、第2の波長λ2を有する第2の光(シグナル光)とを結合する任意の光学系である。第2の光は、例えば、波長領域多重(WDM)において代表的な通信帯であるCバンド帯(1.53μm〜1.57μm)の光である。第1の波長λ1と第2の波長λ2は、関係λ1<λ2を満たす。
波長変換素子1003は、実施の形態2で説明した波長変換素子500、600、610、700のいずれか、または、その変形例である。波長変換素子1003は、結合光学系1002で結合された第1の光と第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光(出力光)に波長変換する。この際、波長変換素子1003内の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と、第2の波長λ2と、第3の波長λ3とが、関係1/λ1−1/λ2=1/λ3を満たすように、分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有する。円柱状強誘電体単結晶は、MgSLTに限定されない。
制御部1004は、波長変換素子1003の位置を制御する。詳細には、制御部1004は、光源1001から第1の光の有する情報(例えば、波長、偏光)および第2の光の有する情報(例えば、波長、偏光)を入手し、入手した情報に基づいて波長変換素子1003の位置を制御する。本明細書において、波長変換素子1003の位置を制御するとは、制御部1003が、光源1001からの第1の光の有する情報のうち偏光、および、第2の光の有する情報のうち偏光に基づいて、波長変換素子1003の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの配置角度を第1の光の偏光モードおよび第2の光の偏光に対応するように制御すること、および/または、制御部1004が、光源1001からの第1の光の有する情報のうち波長、および、第2の光の有する情報のうち波長に基づいて、波長変換素子1003内の所定の円柱状強誘電体単結晶に結合光学系1002で結合された第1の光および第2の光が照射するように、波長変換素子1003の位置を制御することを意味する。制御部1004は、例えば、円柱状強誘電体単結晶のシグナル光および出射光の周期依存性のデータ、および、温度依存性のデータを格納し、これらデータに基づいて波長変換素子1003の位置を制御してもよい。
光発生装置1000は、結合光学系1002と波長変換素子1003との間、および、波長変換素子1003の出射側にそれぞれ反射ミラー(図示せず)を設けて、共振器として機能させてもよい。
次に、光発生装置1000の動作を説明する。
例えば、ユーザが、第2の波長λ2=1.55μmを有する第2の光(Cバンド帯)をLバンド帯の波長を有する第3の光に変換することを所望する場合、制御部1004は、第1の光の有する情報(波長および偏光)および第2の光の有する情報(波長および偏光)等に基づいて、波長変換素子1003の位置を制御する。この場合、制御部1004は、結合光学系1002で結合された第1の光および第2の光が、例えば、17μmの分極反転周期を有する柱状強誘電体単結晶に入射するように、波長変換素子1003の位置を制御する。波長変換素子1003の所定の柱状強誘電体単結晶に入射した第1の光および第2の光は、上記の関係式を満たして、第3の波長λ3=1.57μmを有する第3の光に波長変換される。このようにして変換された第3の波長λ3は、波長領域多重(WDM)において代表的な通信帯であるLバンド帯(1.57μm〜1.62μm)である。
実施の形態5による光発生装置1000は、所定の周期を有する円柱状強誘電体単結晶を組み合わせたマルチグレーティングを有する波長変換素子905を含む。これにより、光源1001がチューナブル光源であれば、固定のCバンド帯の波長(第2の光の第2の波長λ2)ば、Lバンド帯の波長(第3の波長λ3)へとチューナブルに調整することができる。また、光源1001が単一波長を発する光源である場合、Cバンド帯の波長(第2の光の第2の波長λ2)を可変にすれば、Lバンド帯の波長(第3の波長λ3)をチューナブルに調整することができる。このように、C−Lバンド変換をチューナブルに行うことができる。実施の形態1で説明したように、円柱状強誘電体単結晶は、分極方向と同じ方向の断面が実質的に真円であるため、波長変換素子902に照射された光によって円柱状強誘電体単結晶に熱分布が生じる場合でもあっても、熱分布が必ず中心対称となるので、光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子1003が出射する光(第3の光)の形状は、円形に維持される。さらに、入射光の偏光方位に対する依存性もない。したがって、入射光の光源の自由度が増すとともに、光学系全体を小型化できる。
本発明による光発生装置1000の波長変換素子1003は、円柱状強誘電体単結晶を組み合わせて形成されるため、製造時に破損した円柱状強誘電体単結晶のみを破棄すればよく、歩留まりを向上させる。さらに、使用時には、破損した円柱状強誘電体単結晶のみを交換すればよく、ユーザ側のコストの削減になる。本発明による光発生装置1000の波長変換素子1003は、円柱状強誘電体単結晶を任意に組み合わせて形成されるので、ユーザのニーズに合わせた調整が可能である。
図10に示される光発生装置1000を用いて、差周波発生させる場合を説明したが、光発生装置1000を用いて和周波発生させることもできることに留意されたい。この場合、波長変換素子1003内の複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と、第2の波長λ2と、第3の波長λ3とが、関係1/λ1+1/λ2=1/λ3を満たすように、分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有していればよい。
以上説明してきたように、本発明の波長変換素子は、断面が実質的に真円である円柱状強誘電体単結晶からなる。円柱状強誘電体単結晶は、分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有する。円柱状強誘電体単結晶の断面が実質的に真円であるため、波長変換素子に照射された光によって熱分布が生じる場合でもあっても、熱分布は必ず中心対称となる。その結果、光の高い消光比(すなわち、高い直線偏光性)を保持することができるとともに、波長変換素子から出射する光の形状は円形を維持することができる。
また、円柱状強誘電体単結晶の断面が実質的に真円であるため、円柱状強誘電体単結晶の配置角度を変更するだけで、入射光の偏光に容易に対応させることができる。したがって、偏光子等の光学系が不要であるため、系全体を小型化させることができる。
また、円柱状強誘電体単結晶は角を有さないため、角部が欠けることによって生じる不要なクラックが結晶中に生じる恐れがない。
それぞれが所定の周期を有する分極反転構造を有する円柱状強誘電体単結晶を組み合わせ、マルチグレーティングを有する波長変換素子を形成することによって、変換波長のチューナビリティを容易に達成する。このような波長変換素子を化学分析、通信等に利用することができる。
MgO1mol%ドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウム(MgSLT)のアイドラ光およびシグナル光発振波長の分極反転周期依存性を示す図 本発明の実施の形態1による円柱状強誘電体単結晶からなる波長変換素子の斜視図 MgO1mol%ドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウム(MgSLT)のアイドラ光およびシグナル光発振波長の温度依存性を示す図 本発明の実施の形態1による円柱状強誘電体単結晶からなる別の波長変換素子の斜視図 本発明の実施の形態2による波長変換素子の斜視図 本発明の実施の形態2によるさらに別の波長変換素子の斜視図 本発明の実施の形態2によるさらに別の波長変換素子の斜視図 本発明の実施の形態3によるパラメトリック発振を利用した光発生装置を示す図 本発明の実施の形態4による第二高調波発生を利用した光発生装置を示す図 本発明の実施の形態5による差周波発生を利用した光発生装置を示す図 従来技術による波長変換システムを示す図 従来技術によるマルチグレーティング型擬似位相整合(QPM)パラメトリック発振器(OPO)を示す図
符号の説明
200、400、500、600、610、700、802、902、1003 波長変換素子
201 周期分極反転構造
501、701 ホルダー
502 複数の円柱状強誘電体単結晶
401、601 温度制御素子
402、602 フレーム
801、901、1001 光源
803、903、1004 制御部
1002 結合光学系

Claims (32)

  1. 断面が実質的に真円である円柱状強誘電体単結晶からなり、前記円柱状強誘電体単結晶が、前記分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有する波長変換素子。
  2. 前記円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群から選択される、請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 前記所定の周期は、前記円柱状強誘電体単結晶が、第1の波長λ1を有する第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光と第3の波長λ3を有する第3の光とに変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、擬似位相整合する周期である、請求項1に記載の波長変換素子。
  4. 前記所定の周期は、前記円柱柱状強誘電体単結晶が、第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2とが、関係λ1=2×λ2を満たすように、擬似位相整合する周期である、請求項1に記載の波長変換素子。
  5. 前記所定の周期は、前記円柱状強誘電体単結晶が、第1の波長λ1を有する第1の光と第2の波長λ2を有する第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、擬似位相整合する周期である、請求項1に記載の波長変換素子。
  6. ホルダーと、
    前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶と
    を含む波長変換素子であって、
    前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、前記分極方向に垂直な方向に所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されている、波長変換素子。
  7. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択される、請求項6に記載の波長変換素子。
  8. 前記所定の周期は、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれが、第1の波長λ1を有する第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光と第3の波長λ3を有する第3の光とに変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、擬似位相整合する周期である、請求項6に記載の波長変換素子。
  9. 前記所定の周期は、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれが、第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2とが、関係λ1=2×λ2を満たすように、擬似位相整合する周期である、請求項6に記載の波長変換素子。
  10. 前記所定の周期は、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれが、第1の波長λ1を有する第1の光と第2の波長λ2を有する第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光に変換する場合、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とが、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、擬似位相整合する周期である、請求項6に記載の波長変換素子。
  11. 前記ホルダーは熱伝導性材料から形成される、請求項6に記載の波長変換素子。
  12. 前記ホルダーに設置された温度制御素子と、
    前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームと
    をさらに含む、請求項6に記載の波長変換素子。
  13. 前記温度制御素子を制御する制御部をさらに含む、請求項12に記載の波長変換素子。
  14. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されている、請求項6に記載の波長変換素子。
  15. 第1の波長λ1を有する第1の光を発する光源と、
    前記第1の光を、第2の波長λ2を有する第2の光と第3の波長λ3を有する第3の光とに変換する波長変換素子と、
    前記波長変換素子の位置を制御する制御部と
    を含む光発生装置であって、前記波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2と第3の波長λ3とが、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3、関係λ1<λ2およびλ1<λ3を満たすように、前記分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されている、光発生装置。
  16. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択される、請求項15に記載の光発生装置。
  17. 前記ホルダーは熱伝導性材料から形成される、請求項15に記載の光発生装置。
  18. 前記波長変換素子は、
    前記ホルダーに設置された温度制御素子と、
    前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームと
    をさらに含む、請求項15に記載の光発生装置。
  19. 前記制御部は、さらに、前記温度制御素子の温度を制御する、請求項18に記載の光発生装置。
  20. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されている、請求項15に記載の光発生装置。
  21. 第1の波長λ1を有する第1の光を発する光源と、
    前記第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換する波長変換素子と、
    前記波長変換素子の位置を制御する制御部と
    を含む光発生装置であって、前記波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2とが関係λ1=2×λ2を満たすように、前記分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されている、光発生装置。
  22. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択される、請求項21に記載の光発生装置。
  23. 前記ホルダーは熱伝導性材料から形成される、請求項21に記載の光発生装置。
  24. 前記波長変換素子は、
    前記ホルダーに設置された温度制御素子と、
    前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームと
    をさらに含む、請求項21に記載の光発生装置。
  25. 前記制御部は、さらに、前記温度制御素子の温度を制御する、請求項24に記載の光発生装置。
  26. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されている、請求項21に記載の光発生装置。
  27. 第1の波長λ1を有する第1の光を発する第1の光源と、
    前記第1の光と、外部から入射した第2の波長λ2を有する第2の光とを結合させる光学系と、
    前記第1の光と第2の光とを、第3の波長λ3を有する第3の光に変換する波長変換素子と、
    前記波長変換素子の位置を制御する制御部と
    を含む光発生装置であって、前記波長変換素子は、ホルダーと、前記ホルダーに配置された複数の円柱状強誘電体単結晶とを含み、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれの断面は実質的に真円であり、前記複数の円柱状強誘電体単結晶のそれぞれは、第1の波長λ1と第2の波長λ2と第3の波長λ3とが、関係1/λ1±1/λ2=1/λ3を満たすように、前記分極方向に対して垂直な方向に擬似位相整合する所定の周期を有する分極反転構造を有しており、前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、前記分極方向に対して垂直な方向が同一となるように配置されている、光発生装置。
  28. 前記複数の円柱状強誘電体単結晶は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、不純物をドーピングした実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、不純物をドーピングした実質的に定比組成のタンタル酸リチウムからなる群からそれぞれ選択される、請求項27に記載の光発生装置。
  29. 前記ホルダーは熱伝導性材料から形成される、請求項27に記載の光発生装置。
  30. 前記波長変換素子は、
    前記ホルダーに設置された温度制御素子と、
    前記ホルダーと前記温度制御素子とを包囲する断熱性フレームと
    をさらに含む、請求項27に記載の光発生装置。
  31. 前記制御部は、さらに、前記温度制御素子の温度を制御する、請求項30に記載の光発生装置。
  32. 前記複数の柱状強誘電体単結晶は所定の間隔で配置されており、前記所定の間隔に熱伝導性材料が充填されている、請求項27に記載の光発生装置。
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