JP2005154975A - ポリエステル繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐久性に優れる親水性および制電性を有するポリエステル繊維に関する。さらに詳しくはスパンレース用途に最適なポリエステル短繊維に関する。
一般に、ポリエステル繊維は、加工性、取扱易さ、仕事回復性などに優れた特性を有しているため、広範囲にわたって利用されている。衣料用としては勿論のこと、産業資材用あるいは衛生用品などの不織布としても近年多量に使用されるようになってきた。不織布の場合、ニードルパンチ、ウォータージェットなどの製法があり、スパンレース用途において高圧水流に対する耐久性が求められており、従来より親水油剤によるポリエステル繊維の表面改質が提案されている。例えば、特許文献1では水溶性ポリウレタン樹脂や親水性ポリエステル樹脂をポリエステル繊維に加熱融着させる方法、特許文献2では親水性ビニル単量体と重合開始剤を繊維表面で加熱架橋させる方法などが提案されているが、ポリエステル繊維が溶融しない程度の低温で加熱するために、加熱融着が不十分となったり、ラジカル重合架橋が不十分となったりして、いずれもスパンレース後の不織布は耐久性に欠けていた。
特開平5−25707号公報
特公昭58−46588号公報
本発明の目的は、耐久性に優れる親水性および制電性を有するポリエステル繊維、詳しくはスパンレース用途に最適なポリエステル短繊維を提供することである。
上述の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
すなわち、オキシエチレン鎖を有する化合物の末端を一般式1に示す構造を有する化合物にて封鎖されたウレタン組成物の樹脂で被覆されてなることを特徴とするポリエステル繊維である。
(ただし、式中のRは炭素数1〜30の脂肪族、脂環族または芳香族炭化水素基を、M+はアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンをそれぞれ示す。)
低温でも素早く架橋反応して強固に繊維表面を被覆させるという観点から、該オキシエチレン鎖化合物が30〜95%のオキシエチレン鎖を有することが好ましい。
低温でも素早く架橋反応して強固に繊維表面を被覆させるという観点から、該オキシエチレン鎖化合物が30〜95%のオキシエチレン鎖を有することが好ましい。
本発明により、耐久性優れる親水性および制電性を有するポリエステル繊維、さらに詳しくはスパンレース用途に最適なポリエステル短繊維を提供することができる。
本発明においてポリエステル繊維を被覆するウレタン組成物は特に限定されず、例えば、オキシエチレン鎖化合物に有機ジイソシアネートを反応させてキャップドイソシアネートウレタンプレポリマにした後、重亜硫酸塩を反応させて一般式1の構造を有するカルバモイルスルホネート基をポリマ末端に導入して得られるポリウレタン組成物を用いることができる。ウレタン組成物中に含有するにカルバモイルスルホネート基末端は2〜6個であることが好ましく、2〜4個であるとさらに好ましい。6個を越えると架橋密度が高くなりすぎて初期の親水性がやや劣るようになる。
オキシエチレン鎖化合物としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンおよび/または炭素数1〜30のモノまたは多価アルコール(脂肪族、脂環族、芳香族)との重合物であるポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンと炭素数1〜30のモノまたは多価カルボン酸(脂肪族、脂環族、酸芳香族)との重合物であるポリエステルポリオール、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンと炭素数1〜30の多価アルコール(脂肪族、脂環族、芳香族)と炭素数1〜30の多価カルボン酸(脂肪族、脂環族、芳香族)との重合物であるポリエステルエーテルポリオール、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンと炭素数1〜30の炭酸エステル(脂肪族、脂環族、芳香族)との縮合物であるポリカーボネートポリオールが好ましい。オキシエチレン鎖化合物の分子量は100〜10000が好ましい。
オキシエチレン鎖比率は30〜95%が好ましく、50〜90%がさらに好ましく、60〜85が特に好ましい。分子量が100未満であったり、オキシエチレン鎖比率が30%未満であると初期の親水性がやや劣るようになり、逆に分子量が10000を越えたり、オキシエチレン鎖比率が95%を越えると耐久親水性がやや劣るようになる。ここでいうオキシエチレン鎖比率は、重合前の仕込み原料総量に対する仕込みのポリオキシエチレン比率によりオキシエチレン鎖化合物に占めるオキシエチレン鎖比率を算出したものである。
有機ジイソシアネート化合物としては、炭素数1〜30の脂肪族、脂環族、芳香族ジイソシアネートであり、黄変色をしない脂肪族または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
本発明においては必要に応じて、制電剤や平滑剤や乳化剤をウレタン組成物に含有させることができる。
ウレタン組成物をポリエステル繊維表面に付与する方法は特に限定されず、例えばウレタン組成物を乳化剤により水分散させた状態や有機溶剤に溶解した状態にして、ディップ・ニップ方式、キスローラー方式、スプレー方式などにより方法により繊維表面に付与することができる。
ウレタン組成物をポリエステル繊維表面上に被覆させるには、ウレタン組成物をポリエステル繊維に付与した後に熱処理すればよい。つまり、熱処理によりカルバモイルスルホネート基が分解し、生成した反応性の高いカルバモイルイソシアネート基により樹脂架橋させればよい。本発明のポリエステル繊維は、ウレタン組成物が繊維表面上を全て被覆するものだけでなく、部分的に被覆されているものでも構わないが、耐久性に優れるという観点からはウレタン組成物が繊維の全表面を被覆していることが好ましい。
本発明におけるポリエステル繊維とは、テレフタル酸とエチレングリコール、トリメチレングリコールあるいはブチレングリコールの縮合反応によって生成される高分子重合体およびセバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、イソフタル酸、パラオキシ安息香酸などとエチレングリコール、トリメチレングリコールあるいはブチレングリコールの縮合体、ならびに他のポリエステル類を含むポリエステル重合体などを意味するが、特に限定されるものではない。また、繊維の形態は、特に限られているわけではないが、スパンレース用不織布に好適な短繊維が好ましく、具体的には次のとおりである。
単繊維繊度は0.09dtex〜90dtexが好ましく、0.9dtex〜9dtexが更に好ましい。
繊維長は10〜1000mmが好ましく、20〜100mmが更に好ましい。
捲縮数は5〜20山/25mmが好ましく、捲縮度は10〜30%が好ましい。
また、本発明にかかる上述した油剤のポリエステル繊維への付着量は、特に限定されないが、一般的に繊維重量対比0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜1重量%がさらに好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本例中の浸透時間及びカード帯電圧は次の方法により求めた。
(1)浸透時間
試料綿(2.2dtex、51mm、捲縮数16山/25mm、捲縮度22%)をウォータージェット(水圧:90kg/cm2、速度:1m/分)により100g/m2目付の不織布を作製した。この不織布5gを網籠(φ=5cm、長さ10cm)の中に入れて、網籠を20℃の水面上に静かに浮かべて20cmの水中に沈み落ちるまでの時間を計測し、以下の4段階の判定を行い、本発明の実施例では◎(優秀)と○(良)を合格とした。
(1)浸透時間
試料綿(2.2dtex、51mm、捲縮数16山/25mm、捲縮度22%)をウォータージェット(水圧:90kg/cm2、速度:1m/分)により100g/m2目付の不織布を作製した。この不織布5gを網籠(φ=5cm、長さ10cm)の中に入れて、網籠を20℃の水面上に静かに浮かべて20cmの水中に沈み落ちるまでの時間を計測し、以下の4段階の判定を行い、本発明の実施例では◎(優秀)と○(良)を合格とした。
◎(優秀) : 10秒以内
○(良) : 11〜60秒
△(やや不良): 61〜180秒
×(不良) : 181秒以上
(2)カード帯電圧
試料綿(2.2dtex、51mm、捲縮数16山/25mm、捲縮度22%)300gを温度30℃、相対湿度40%の条件下で12時間静置した後、該温湿度条件でのカード工程において、50m/分の速度で走行しているウェブ上10cmの帯電圧[V]を測定し、以下の4段階の判定を行い、本発明の実施例では◎(優秀)と○(良)を合格とした。
○(良) : 11〜60秒
△(やや不良): 61〜180秒
×(不良) : 181秒以上
(2)カード帯電圧
試料綿(2.2dtex、51mm、捲縮数16山/25mm、捲縮度22%)300gを温度30℃、相対湿度40%の条件下で12時間静置した後、該温湿度条件でのカード工程において、50m/分の速度で走行しているウェブ上10cmの帯電圧[V]を測定し、以下の4段階の判定を行い、本発明の実施例では◎(優秀)と○(良)を合格とした。
◎(優秀) : −50V〜50V
○(良) : −51〜−500V、51〜500V
△(やや不良):−1000〜−501V、501〜1000V
×(不良) :−1001V以下、1001V以上
○(良) : −51〜−500V、51〜500V
△(やや不良):−1000〜−501V、501〜1000V
×(不良) :−1001V以下、1001V以上
[実施例1,2および比較例1]
ポリエステル洗浄綿(単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm、捲縮数16山/25mm、捲縮度22%)に、表1に示す油剤をスプレー方式で繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、150℃×15分の熱処理を施して上述の試料綿を作製した。
ポリエステル洗浄綿(単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm、捲縮数16山/25mm、捲縮度22%)に、表1に示す油剤をスプレー方式で繊維に対し0.5重量%となるように給油付与し、150℃×15分の熱処理を施して上述の試料綿を作製した。
実施例1ではオキシエチレン鎖比率=70%のポリオキシエチレングリセリン−トリス−ヘキサメチレンカルバモイルスルホネートNaを、実施例2ではオキシエチレン鎖比率=25%のポリオキシエチレングリセリン−トリス−ヘキサメチレンカルバモイルスルホネートNaを、比較例1ではポリオキシエチレンテレフタレートをそれぞれポリエステル繊維表面上に固着させた。
これらの試料綿を用いて上述の(1)および(2)の評価を行い、その結果を表2に示した。本発明の実施例では、◎(優秀)と○(良)を合格とした。
その結果、本発明のポリエステル繊維は良好な耐久親水性と制電性を併せもっていたが、比較例のポリエステル繊維は併せもっていなかった。
本発明のポリエステル繊維は、親水性および制電性が求められる分野に広く適用することができる。なかでもスパンレース用途に最適である。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003398716A JP2005154975A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | ポリエステル繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003398716A JP2005154975A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | ポリエステル繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005154975A true JP2005154975A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34723489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003398716A Pending JP2005154975A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | ポリエステル繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005154975A (ja) |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003398716A patent/JP2005154975A/ja active Pending
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