JP2005144862A - サーマルヘッド及びサーマルプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 サーマルヘッドのヘッドカバーの端部のエッジによる記録紙やヘッド基板への傷発生を防止し、かつヘッドカバーとヘッド基板との間の隙間によるジャミングや印画不良の発生を防止する。
【解決手段】 ヘッドカバー16は、金属板によって形成されており、発熱素子25のドライバICを覆って保護する。このヘッドカバー16は、カラー感熱記録紙3を発熱素子25に向けてガイドする機能も有しており、傾斜面34の一端部は発熱素子25の近傍に配置されている。ヘッドカバー16の一端部には、ヘッド基板21を傷つけることのない硬度の耐熱性樹脂で形成されたスペーサー42が嵌合され、ヘッド基板21との間の隙間を塞いでいる。また、スペーサー42は先細り形状となっているため、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間を大きな段差を形成せずに連接させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 ヘッドカバー16は、金属板によって形成されており、発熱素子25のドライバICを覆って保護する。このヘッドカバー16は、カラー感熱記録紙3を発熱素子25に向けてガイドする機能も有しており、傾斜面34の一端部は発熱素子25の近傍に配置されている。ヘッドカバー16の一端部には、ヘッド基板21を傷つけることのない硬度の耐熱性樹脂で形成されたスペーサー42が嵌合され、ヘッド基板21との間の隙間を塞いでいる。また、スペーサー42は先細り形状となっているため、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間を大きな段差を形成せずに連接させることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、サーマルヘッド及びサーマルプリンタに関し、更に詳しくは、ドライバICを保護するヘッドカバーを備えたサーマルヘッドと、このサーマルヘッドを用いたサーマルプリンタとに関するものである。
多数の発熱素子を備えたサーマルヘッドを使用して、記録紙に印画を行なうサーマルプリンタが従来より普及している。サーマルプリンタには、サーマルヘッドの発熱素子で感熱記録紙を直接加熱して発色させる感熱方式と、記録紙に重ねたインクリボンの背後をサーマルヘッドで加熱してインクリボンのインクを記録紙に転写する熱転写方式とがある。また、熱転写方式のサーマルプリンタのなかには、発熱素子の発熱量を制御することにより、記録紙に記録されるドットの濃度を変えることができる昇華型サーマルプリンタもある。
図4は、カラー感熱記録紙に印画を行なうカラー感熱プリンタのサーマルヘッドの一例を示す要部断面図である。カラー感熱記録紙65は、支持体上にシアン,マゼンタ,イエロー等の色にそれぞれ発色する複数の感熱発色層が順に層設されたもので、最下層の感熱発色層(シアン)ほど熱感度が低くなるように設定され、かつ最上層(イエロー)と中間層(マゼンタ)の感熱発色層に対しては紫外線に対する定着性が付与されている。
サーマルヘッド67は、例えば、多数の発熱素子68が図面に直交する方向に沿ってライン状に形成されたヘッド基板69と、サーマルヘッド67の制御回路が形成されたプリント基板70と、ヘッド基板69とプリント基板70とを保持する台板71と、プリント基板70の上にネジ72によって取り付けられ、ヘッド基板69上に取り付けられた発熱素子68のドライバIC73を保護する金属製のヘッドカバー74とからなる。ヘッド基板69の上面には、ドライバIC73と各発熱素子68とを接続する導電層75が設けられている。
カラー感熱記録紙65は、記録紙ガイドとしても機能するヘッドカバー74の上から発熱素子68の上に送り込まれ、プラテンローラ77との間に挟み込まれる。そして、カラー感熱記録紙65を図中左方に搬送しながら各発熱素子68を発熱させることにより、各色の感熱発色層が発色してカラー画像の印画が行なわれる。
ヘッドカバー74は、カラー感熱記録紙65を発熱素子68とプラテンローラ77との間に送り込むように配置されているため、プラテンローラ77との距離が近い。しかし、ヘッドカバー74とプラテンローラ77との距離が近すぎると、カラー感熱記録紙65の搬送負荷が高くなるため、ヘッドカバー74とプラテンローラ77との間には十分なクリアランスを設ける必要がある。そのため、サーマルヘッド67の小型化や低コスト化においては、ヘッドカバー74自体を薄くかつ小さくする必要がある。
しかしながら、プラスチック製のヘッドカバーでは、薄くしすぎると強度が低下して反り等の問題が発生する。また、薄くするために金属で形成したヘッドカバー74では、板金加工によってエッジ部分が荒れ、ヘッド基板69やカラー感熱記録紙65に傷をつけたり、ヘッド基板69の導電層75を断絶してしまうことがある。ヘッドカバー74のエッジ部分を面取り加工することもできるが、そのコストは大きい。
図4のサーマルヘッド67は、発熱素子68に近接するヘッドカバー74の一端74aとヘッド基板69との間に隙間を形成することで、上記問題を解決している。しかしながら、ヘッドカバー74とヘッド基板69との間の隙間にカラー感熱記録紙65の端部が引っ掛かってジャミングが発生することがあった。また、カラー感熱記録紙65の後端がヘッドカバー74上にあるときには、プラテンローラ77の押圧力はカラー感熱記録紙65を介してヘッドカバー74にも分散するが、カラー感熱記録紙65の後端縁がヘッドカバー74から外れると、プラテンローラ77の押圧力が発熱素子68だけにかかってしまう。この時の負荷変動によって、レジストレーションズレや、濃度ムラなどが発生する。
上記問題を解決するために、特許文献1及び特許文献2記載のサーマルプリンタは、ヘッドカバーの一端を折り曲げてエッジ部分がヘッド基板に対面しないようにしている。また、ヘッドカバーの折り曲げて平坦にした部分をヘッド基板に当接させることにより、ヘッドカバーとヘッド基板との間に隙間が生じないようにしている。
しかしながら、板金加工によって生じるエッジ部分の荒れは常に均一ではなく、金型や材料の特性等によって変化する。そのため、特許文献1及び2記載のサーマルヘッドにおいても、ヘッドカバーのエッジ部分がヘッド基板に当接する場合が当然発生し、その時にはヘッドカバーの交換や面取り加工などを必要とするため、プリンタ全体の製造効率の悪化やコストアップを招いてしまう。
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、ヘッドカバーの端部とヘッド基板との間の隙間をヘッド基板や記録紙に傷をつけることなく確実に、また、ローコストに連接することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のサーマルヘッド及びサーマルプリンタは、ヘッド基板と、このヘッド基板に近接するヘッドカバーの一端との間に、ヘッド基板に傷をつけない硬度を有するスペーサーを組み込んだ。
また、スペーサーをヘッドカバーの一端に取り付けた。更に、スペーサーを耐熱性樹脂によって形成した。
本発明のサーマルヘッド及びサーマルプリンタによれば、ヘッド基板に傷をつけることなく、ヘッド基板とヘッドカバーとの間をスペーサーで連接することができるので、ジャミングやレジストレーションずれ、濃度ムラの発生等を防止することができる。また、ヘッドカバーの端部のエッジが荒れていても、ヘッドカバーを交換したり面取り加工を行なう必要はないので、コストダウンを図ることができる。
更に、スペーサーをヘッドカバーに取り付けたので、ヘッドカバーをヘッド基板に取り付けるだけでスペーサーを所定の位置に配置することができる。また、スペーサーを耐熱性樹脂で形成したので、発熱素子の熱によってスペーサーが劣化することはない。
図1は、本発明のサーマルヘッドを使用したカラー感熱プリンタの構成を示す側面概略図である。このカラー感熱プリンタ2は、例えばハガキサイズのシート状のカラー感熱記録紙3を記録媒体として用いる。カラー感熱記録紙3は、熱記録が行なわれる記録面を下方に向けた状態で箱形状の給紙カセット4に複数枚が収納される。給紙カセット4内のカラー感熱記録紙3は、カムやテコ、各種アクチュエータ等を用いた記録紙シフト機構5によってその端部が持ち上げられ、最上層のカラー感熱記録紙3が給紙ローラ6に当接する。この給紙ローラ6が、パルスモータである搬送モータ7によって回転されると、カラー感熱記録紙3は給紙カセット4から1枚ずつA方向(給紙方向及び印画方向)に送り出される。
カラー感熱記録紙3は、周知のように、支持体上に、シアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに、発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。また、各感熱発色層は、カラー感熱記録紙3に与える熱エネルギーの大きさを調節することで、発色濃度を調節することができる。
給紙カセット4のA方向の下流側には、カラー感熱記録紙3を上下方向から挟むように、プラテンローラ10とサーマルヘッド11とが配置されている。サーマルヘッド11は、カラー感熱記録紙3の搬送経路の下方に配置されており、その上面には、多数の発熱素子をカラー感熱記録紙3の幅方向に沿って配列した発熱素子アレイ12が設けられている。
また、サーマルヘッド11の上面でA方向の上流側には、発熱素子を駆動するドライバIC15が取り付けられている。このドライバIC15を保護するために、サーマルヘッド11の上面には、断面が略三角形とされた金属製のヘッドカバー16が取り付けられている。このヘッドカバー16は、ドライバIC15を保護するとともに、給紙カセット4から供給されたカラー感熱記録紙3を発熱素子アレイ12とプラテンローラ10との間に向けて誘導するペーパガイドとしても機能する。
プラテンローラ10は回転自在とされており、カムやテコ、各種アクチュエータ等を用いた記録紙シフト機構19によって、サーマルヘッド11に圧接する熱記録位置と、サーマルヘッド11との間に隙間を形成する退避位置との間で上下動する。熱記録位置にあるときには、カラー感熱記録紙3の搬送にしたがって従動回転する。
サーマルヘッド11の要部断面図である図2、及び分解斜視図である図3に示すように、サーマルヘッド11は、ヘッド基板21と、プリント基板22と、台板23と、ヘッドカバー16とから構成されている。ヘッド基板21は、例えばセラミックやアルミナ、アルミナセラミック等で板状に形成されている。その上面前端部には、断面が半円形の印画突条24が形成され、この印画突条24の上には、発熱素子アレイ12を構成する多数の発熱素子25が取り付けられている。また、ヘッド基板21の上面後端部には、各発熱素子25を駆動するドライバIC15が取り付けられている。このドライバIC15と発熱素子25との間は、ヘッド基板21上に形成された導電層27と、ジャンパ線28とで接続されている。
プリント基板22にはサーマルヘッド11の制御回路が形成されており、ヘッド基板21の後方に配置される。ヘッド基板21のドライバIC15とプリント基板22との間は、ジャンパ線30によって接続されている。なお、ジャンパ線28,30が断線しないようにするために、ドライバIC15と各ジャンパ線28,30とは、例えば、透明な保護樹脂32によって覆われている。このプリント基板22とヘッド基板21は、アルミニウム等の熱導電性の高い材質で形成された台板23に取り付けられる。
ヘッドカバー16は、アルミニウムやステンレス等の金属板からなり、打ち抜き加工によって略三角形状に屈曲されている。ヘッドカバー16の傾斜面34には、3辺の切欠によって傾斜面34から屈曲自在とされた取付ステー部35が設けられている。これらの取付ステー部35は、略L字形状に屈曲され、その水平部分35aに開口35bが形成されている。上記台板23にはネジ穴36が、プリント基板22にはネジ穴36に連通された開口37がそれぞれ形成されている。ヘッドカバー16は、取付ステー部35の開口35bに挿入されたネジ39をプリント基板22の開口37を経て、台板23のネジ穴36に螺合させることにより、プリント基板22上に取り付けられる。
ヘッドカバー16の傾斜面34の端縁であって、発熱素子25に近接する一端部34aには、ヘッド基板21に傷をつけることのない硬度の耐熱性樹脂で形成された、スペーサー42が取り付けられている。このスペーサー42は、ヘッドカバー16の幅方向の全域にわたる長さを有しており、その後端には一端部34aが嵌合される溝部42aが形成されている。このスペーサー42により、ヘッドカバー16の一端部34aが覆われるため、一端部34aのエッジによってカラー感熱記録紙3やヘッド基板21に傷がつくのを防止することができる。また、スペーサー42は、耐熱性樹脂で形成しているため、サーマルヘッド11の熱によって劣化することはない。
また、スペーサー42は、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間を塞ぐ。これにより、カラー感熱記録紙3の端部がヘッドカバー16とヘッド基板21との間の隙間に引っ掛かることはないため、ジャミングの発生を防止することができる。更に、スペーサー42の先端部は、先細りになるように傾斜されているため、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間に大きな段差が生じないように連接させることができる。これにより、カラー感熱記録紙3の後端がヘッドカバー16からヘッド基板21に移動する際に、ヘッド基板21にかかるプラテンローラ10の押圧力が変化しないため、レジストレーションのずれや濃度ムラの発生を防止することができる。
サーマルヘッド11のA方向下流側には、カラー感熱記録紙3をA方向と、このA方向と反対のB方向とに搬送する搬送ローラ対45,46が配置されている。搬送ローラ対45,46は、キャプスタンローラ45a,46aと、このキャプスタンローラ45a,46aに圧接するピンチローラ45b,46bとからなる。キャプスタンローラ45a,46aは、カラー感熱記録紙3の下方に配置されており、搬送モータ7によって回転される。ピンチローラ45b,46bは、ソレノイドやカム機構等によって、キャプスタンローラ45a,46aから離れる位置と圧接する位置との間で移動される。
搬送ローラ対46は、印画済みのカラー感熱記録紙3をプリンタ外に排出する排紙ローラ対としても機能する。搬送ローラ対46のA方向下流側には、熱記録が完了したカラー感熱記録紙3がプリンタ外に排出される排出口47が設けられている。
搬送ローラ対45のA方向の下流側でカラー感熱記録紙3の上方には、カラー感熱記録紙3の先端縁を検出する先端検出センサ48が配置されている。この先端検出センサ48は、反射型フォトインタラプタからなる。
搬送ローラ対45と46との間で、カラー感熱記録紙3の下方には、光定着器50が配置されている。この光定着器50は、発光ピークが420nmの近紫外線を発生してイエロー感熱発色層を定着するイエロー用紫外線ランプ51と、発光ピークが365nmの紫外線を発生してマゼンタ感熱発色層を定着するマゼンタ用紫外線ランプ52と、これらの背後を覆うリフレクタ53とから構成されている。
カラー感熱プリンタ2の全体の制御は、システムコントローラ55によって行なわれる。システムコントローラ55は、例えば周知のマイクロコンピュータからなり、各種演算処理を行なうCPUと、動作プログラムを記憶したROMと、画像データを記憶する画像メモリ等からなる。前述の搬送モータ7を駆動するモータドライバ56や、サーマルヘッド11の制御回路、光定着器50を制御するランプドライバ57、記録紙シフト機構5及びプラテンシフト機構19などは、システムコントローラ55によって制御される。
次に、上記実施形態の作用について説明する。デジタルスチルカメラ等で撮影された画像は、プリンタに内蔵されたI/Oポートや、メモリカードリーダを介してカラー感熱プリンタ2内に読み込まれる。読み込まれた画像データは、色毎の画像データに分解されて、システムコントローラ55内の画像メモリに記録される。画像メモリに記録された画像データは、カラー感熱プリンタ2に接続されたモニタ等に表示される。ユーザは、モニタに表示される画像を観察してプリントする画像を選択し、カラー感熱プリンタ2の外装面に設けられたプリント開始スイッチを操作する。
カラー感熱プリンタにおいてプリント開始スイッチが操作されると、システムコントローラ55は、記録紙シフト機構5を作動させ、給紙カセット4内のカラー感熱記録紙3を上方にシフトする。次いで、モータドライバ56を制御して搬送モータ7を正転駆動させ、給紙ローラ6を給紙方向に回転させる。給紙ローラ6は、給紙カセット4内の最上層のカラー感熱記録紙3に圧接して回転し、カラー感熱記録紙3をA方向に送り出す。
給紙カセット4から送り出されたカラー感熱記録紙3は、ヘッドカバー16の上を通ってプラテンローラ10とサーマルヘッド11との間に送り込まれる。ヘッドカバー16とヘッド基板21との間は、スペーサー42によって段差がないように連接されて塞がれているため、カラー感熱記録紙3の先端部が引っ掛かってジャミングが発生することはない。また、ヘッドカバー16の一端部34aは、ヘッド基板21を傷つけることのない硬度の耐熱性樹脂で形成されたスペーサー42によって覆われているため、そのエッジ部でカラー感熱記録紙3やヘッド基板21を傷つけることはない。
カラー感熱記録紙3の先端が先端検出センサ48にて検出されると、その検出信号はシステムコントローラ55に入力される。システムコントローラ55は、搬送モータ7の回転を停止してカラー感熱記録紙3の搬送を停止させる。次に、搬送ローラ対45のピンチローラ45bを圧接位置に移動させ、キャプスタンローラ45aとの間でカラー感熱記録紙3の先端縁を挟み込む。また、これと同時にプラテンシフト機構19を作動させてプラテンローラ10を熱記録位置に移動させ、発熱素子アレイ12との間にカラー感熱記録紙3を挟み込む。
システムコントローラ55は、搬送モータ7を正転させ、搬送ローラ対45によってカラー感熱記録紙3をA方向に搬送する。また、画像メモリからイエロー画像データを1ラインずつ読み出して周知の画像処理を施し、各画素毎に階調表現熱エネルギーを発生するためのプリントデータに変換する。形成されたプリントデータはプリント基板22に設けられた制御回路に入力される。
システムコントローラ55は、搬送モータ7の駆動パルスをもとにカラー感熱記録紙3の搬送量を算出し、記録エリアの先端縁が発熱素子アレイ12に達した時に、各発熱素子25をプリントデータに応じて発熱させる。これにより、カラー感熱記録紙3の記録エリア内のイエロー感熱発色層にイエロー画像が1ラインずつ熱記録される。
カラー感熱記録紙3への印画が進むと、カラー感熱記録紙3の後端縁がヘッドカバー16の上からヘッド基板21の上へと移動する。従来のサーマルヘッドでは、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間の段差によって、カラー感熱記録紙3の後端縁がヘッドカバー16からヘッド基板21へと急激に移動していたため、プラテンローラ10の押圧力が変化し、レジストレーションのずれや濃度ムラなどの印画不良が発生することがあった。しかしながら、本願発明のサーマルヘッド11では、スペーサー42によって、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間が大きな段差がないように連接されているため、プラテンローラ10の押圧力は変化せず、印画不良も発生しない。
カラー感熱記録紙3へのイエロー画像の熱記録が終了すると、プラテンローラ10が退避位置に移動され、記録エリアの後端がイエロー用紫外線ランプ51に対面する位置までカラー感熱記録紙3が搬送される。カラー感熱記録紙3の搬送が完了すると、搬送モータ7の回転が停止される。次いで、光定着器50のイエロー用紫外線ランプ51が点灯され、搬送モータ7が逆方向に回転される。これにより、カラー感熱記録紙3はB方向に搬送され、カラー感熱記録紙3のイエロー感熱発色層が定着される。
この定着時のカラー感熱記録紙3のB方向への搬送中に、カラー感熱記録紙3の先端(印画方向の後端)がヘッド基板21の上からヘッドカバー16の上へと移動するが、ヘッド基板21とヘッドカバー16との間はスペーサー42によって連接するように塞がれているため、カラー感熱記録紙3が引っ掛かってジャミングが発生することはない。また、ヘッドカバー16の一端部34aによって、カラー感熱記録紙3やヘッド基板21が傷つけられることもない。
カラー感熱記録紙3の先端縁が先端検出センサ48に対面する位置まで逆方向に搬送されると、システムコントローラ55は搬送モータ7の回転を停止する。それと同時に、イエロー用紫外線ランプ51を消灯する。その後、プラテンローラ10を熱記録位置に移動させ、イエロー画像と同様に、マゼンタ画像及びシアン画像の印画が行なわれる。このマゼンタ画像及びシアン画像の印画時にも、スペーサー42によってヘッドカバー16の一端部34aが覆われ、ヘッドカバー16とヘッド基板21との間が連接するように塞がれるため、カラー感熱記録紙3やヘッド基板21への傷は発生せず、ジャミングやレジストレーションずれ,濃度ムラなどの印画不良も発生しない。シアン画像の印画が完了したカラー感熱記録紙3は、搬送ローラ対46によって排出口47からカラー感熱プリンタ2の外に送り出される。
なお、上記実施形態では、スペーサーをヘッドカバーに取り付けたが、ヘッド基板に取り付けてもよい。また、ヘッドカバーを金属板で形成したが、高い剛性を有するプラスチックで形成してもよい。この場合には、ヘッドカバーとスペーサーとを二色成形により一体に形成してもよい。
また、カット紙を使用するカラー感熱プリンタを例に説明したが、本発明は、記録紙ロールを使用するカラー感熱プリンタにも適用することができる。更に、カラー感熱プリンタを例に説明したが、モノクロの感熱プリンタや、熱転写式,昇華型のサーマルプリンタにも適用することができる。また、印画ヘッドにヘッドカバーが取り付けられるプリンタならば、サーマルプリンタ以外のプリンタの印画ヘッドにも使用することができる。
2 カラー感熱プリンタ
3 カラー感熱記録紙
10 プラテンローラ
11 サーマルヘッド
15 ドライバIC
16 ヘッドカバー
21 ヘッド基板
25 発熱素子
42 スペーサー
3 カラー感熱記録紙
10 プラテンローラ
11 サーマルヘッド
15 ドライバIC
16 ヘッドカバー
21 ヘッド基板
25 発熱素子
42 スペーサー
Claims (4)
- 一方の面に多数の発熱素子と、この発熱素子を選択的に発熱させるドライバICとが設けられたヘッド基板と、ドライバICを被覆するように配置され、一端側が発熱素子の近傍まで延出されたヘッドカバーとを備え、記録媒体をヘッドカバー上から発熱素子上に搬送して、多数の発熱素子を選択的に発熱させることにより記録媒体に印画を行なうサーマルヘッドにおいて、
前記ヘッド基板とヘッドカバーの一端との間に、ヘッド基板に傷をつけない硬度を有するスペーサーを組み込んだことを特徴とするサーマルヘッド。 - 前記スペーサーは、ヘッドカバーの一端に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッド。
- 前記スペーサーは、耐熱性樹脂によって形成されることを特徴とする請求項1または2記載のサーマルヘッド。
- 請求項1ないし3いずれか記載のサーマルヘッドと、記録媒体をヘッドカバーの上から発熱素子上に向けて搬送する搬送手段とを設けたことを特徴とするサーマルプリンタ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109689374A (zh) * | 2016-09-13 | 2019-04-26 | 佐藤控股株式会社 | 打印机 |
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2003
- 2003-11-14 JP JP2003385581A patent/JP2005144862A/ja active Pending
Cited By (2)
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