JP2005134318A - 転動部材の検査方法及び検査装置、並びに転動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 短時間で、且つ簡単に内部欠陥及び表面欠陥の有無を同時に検出できるようにする。
【解決手段】 熱処理された転動部材10に衝撃力を付与する衝撃力付与手段11と、前記衝撃力により発生した衝撃音を集音する集音手段12と、該集音手段12により集音された音を周波数解析する周波数解析手段13と、該周波数解析手段13により得られた解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材10の欠陥の有無を判断する比較手段14とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱処理された転動部材10に衝撃力を付与する衝撃力付与手段11と、前記衝撃力により発生した衝撃音を集音する集音手段12と、該集音手段12により集音された音を周波数解析する周波数解析手段13と、該周波数解析手段13により得られた解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材10の欠陥の有無を判断する比較手段14とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば音響法による周波数解析法を用いて転動部材の欠陥の有無を検査する方法及び装置並び転動装置に関する。
熱処理された結晶性材料は、熱処理により生じたひずみにより内部にクラックや表面疵を生じやすい。同様に、熱処理後においても加工時の材料への負荷や熱の発生でクラックが生じやすくなる。
そこで、例えば、内輪、外輪及び転動体等の転動部材を組み立てて転がり軸受を完成させる工程の中で発生した転動部材の表面割れや内部割れ等の疵は、転動部材の組立て前の工程で、各種疵の種類に応じた検査を行っている。
そこで、例えば、内輪、外輪及び転動体等の転動部材を組み立てて転がり軸受を完成させる工程の中で発生した転動部材の表面割れや内部割れ等の疵は、転動部材の組立て前の工程で、各種疵の種類に応じた検査を行っている。
例えば表面疵については、電磁誘導の原理を用いた過流探傷法(例えば非特許文献1参照)や電磁気の原理を用いた磁粉探傷試験法による検査が一般に行われている。
過流探傷法は、転動部材としての軸受リングの軌道面にプローブ(コイル)を配置し、軸受リングを回転させながらプローブを動かしてスパイラル状に掃引することで、ある程度の長さを有した表面疵を検出する方法であり、一方、磁粉探傷試験法は、転動部材としての軸受リングに電流を流した際に、疵部分に磁束の漏洩が発生し、この部分に磁紛を散布すると凝集するため、この部分を目視にて検査する方法である。
過流探傷法は、転動部材としての軸受リングの軌道面にプローブ(コイル)を配置し、軸受リングを回転させながらプローブを動かしてスパイラル状に掃引することで、ある程度の長さを有した表面疵を検出する方法であり、一方、磁粉探傷試験法は、転動部材としての軸受リングに電流を流した際に、疵部分に磁束の漏洩が発生し、この部分に磁紛を散布すると凝集するため、この部分を目視にて検査する方法である。
また、内部疵については、転動部材としての軸受リングを回転させながら該軸受リングの軌道面に対向配置した超音波プローブを軸方向に動かして軸受リングの内部に方向性の良い超音波ビームを送信し、内部疵から反射してくる信号を受信することで、軸受リングの全断面を検査する超音波探傷方法が開示されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
特開平11−337530号公報
特開2000−314427号公報
特殊鋼46巻6号((社)特殊鋼倶楽部発行、1997、P26)
しかしながら、上記従来の転動部材の検査方法においては、過流探傷法及び磁粉探傷検査法は転動部材の表面疵の検査であり、超音波探傷方法は転動部材の内部疵の検査であるため、転動部材の表面疵及び内部疵の両方を検査する場合は、別々に検査を行わなくてはならなくなる。
また、過流探傷法及び超音波探傷方法は軸受リングを回転させつつプローブを軸方向に移動させるようにしているので、検査時間が長くなり、磁粉探傷検査法についても検査対象範囲を人が目視検査にて行うため、最低でも軸受リングを一周確認する必要があり、検査時間が長くなる。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、短時間で、且つ簡単に内部欠陥及び表面欠陥の有無を同時に検出することができる転動部材の検査方法及び検査装置並びに転動装置を提供することを目的とする。
また、過流探傷法及び超音波探傷方法は軸受リングを回転させつつプローブを軸方向に移動させるようにしているので、検査時間が長くなり、磁粉探傷検査法についても検査対象範囲を人が目視検査にて行うため、最低でも軸受リングを一周確認する必要があり、検査時間が長くなる。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、短時間で、且つ簡単に内部欠陥及び表面欠陥の有無を同時に検出することができる転動部材の検査方法及び検査装置並びに転動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る転動部材の検査方法は、熱処理された転動部材に衝撃力を付与してそのときの衝撃音を周波数解析し、該解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材の欠陥の有無を検査することを特徴とする。
請求項2に係る転動部材の検査方法は、請求項1において、前記周波数解析を5〜100kHz、好ましくは10〜50kHzの帯域で行うことを特徴とする。
請求項2に係る転動部材の検査方法は、請求項1において、前記周波数解析を5〜100kHz、好ましくは10〜50kHzの帯域で行うことを特徴とする。
請求項3に係る転動部材の検査方法は、請求項1又は2において、前記解析結果と前記基準周波数データとの比較解析をコンピュータで行うことを特徴とする。
請求項4に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記衝撃音をマイクロフォンで集音することを特徴とする。
請求項5に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記周波数解析により共振周波数を検出することを特徴とする。
請求項4に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記衝撃音をマイクロフォンで集音することを特徴とする。
請求項5に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記周波数解析により共振周波数を検出することを特徴とする。
請求項6に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記解析結果と前記基準周波数データとの比較解析により前記転動部材の割れを検出することを特徴とする。
請求項7に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記転動部材が、ボールねじ装置のねじ軸、ナット、及び直動案内軸受装置の案内レール、スライダ、並びに転がり軸受の内輪、外輪の内のいずれかであることを特徴とする。
請求項7に係る転動部材の検査方法は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記転動部材が、ボールねじ装置のねじ軸、ナット、及び直動案内軸受装置の案内レール、スライダ、並びに転がり軸受の内輪、外輪の内のいずれかであることを特徴とする。
請求項8に係る転動部材の検査装置は、熱処理された転動部材に衝撃力を付与する衝撃力付与手段と、前記衝撃力により発生した衝撃音を集音する集音手段と、該集音手段により集音された音を周波数解析する周波数解析手段と、該周波数解析手段により得られた解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材の欠陥の有無を判断する比較手段とを備えたことを特徴とする。
請求項9に係る転動部材の検査装置は、請求項8において、前記周波数解析手段による周波数解析を5〜100kHz、好ましくは10〜50kHzの帯域で行うことを特徴とする。
請求項9に係る転動部材の検査装置は、請求項8において、前記周波数解析手段による周波数解析を5〜100kHz、好ましくは10〜50kHzの帯域で行うことを特徴とする。
請求項10に係る転動部材の検査装置は、請求項8又は9において、前記集音手段がマイクロフォンであることを特徴とする。
請求項11に係る転動部材の検査装置は、請求項8〜10のいずれか一項において、前記周波数解析手段により共振周波数を検出することを特徴とする。
請求項12に係る転動装置は、外側転動部材と内側転動部材との間に複数の転動体が転動可能に配設された転動装置において、
前記外側転動部材及び前記内側転動部材の内の少なくとも一方の転動部材が請求項1〜6のいずれか一項に記載した転動部材の検査方法によって品質が保証されていることを特徴とする。
ここで、転動装置の外側転動部材としては、例えば、転がり軸受では外輪、リニアガイド装置ではスライダ(又は案内レール)、ボールねじ装置ではナットを挙げることができ、内側転動部材としては、転がり軸受では内輪、リニアガイド装置では案内レール(又はスライダ)、ボールねじ装置ではねじ軸を挙げることができる。
請求項11に係る転動部材の検査装置は、請求項8〜10のいずれか一項において、前記周波数解析手段により共振周波数を検出することを特徴とする。
請求項12に係る転動装置は、外側転動部材と内側転動部材との間に複数の転動体が転動可能に配設された転動装置において、
前記外側転動部材及び前記内側転動部材の内の少なくとも一方の転動部材が請求項1〜6のいずれか一項に記載した転動部材の検査方法によって品質が保証されていることを特徴とする。
ここで、転動装置の外側転動部材としては、例えば、転がり軸受では外輪、リニアガイド装置ではスライダ(又は案内レール)、ボールねじ装置ではナットを挙げることができ、内側転動部材としては、転がり軸受では内輪、リニアガイド装置では案内レール(又はスライダ)、ボールねじ装置ではねじ軸を挙げることができる。
本発明によれば、熱処理された転動部材に衝撃力を付与してそのときの衝撃音を周波数解析し、該解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材の欠陥の有無を検査するようにしているので、短時間で、且つ簡単に内部欠陥及び表面欠陥の有無を同時に検出することができる。
また、検査対象となる転動部材の周波数解析を5〜100kHz、好ましくは10〜50kHzの帯域で行うことで、この周波数帯域では共振点が他の帯域より多く存在し、欠陥の有無に敏感に反応するので、欠陥の検知に適する。
また、検査対象となる転動部材の周波数解析を5〜100kHz、好ましくは10〜50kHzの帯域で行うことで、この周波数帯域では共振点が他の帯域より多く存在し、欠陥の有無に敏感に反応するので、欠陥の検知に適する。
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である転動部材の検査装置を説明するための概略斜視図、図2は内部割れの発生例を説明するための説明図である。なお、この実施の形態では、転動部材として、転がり軸受の軸受リングを例に採る。
本発明の実施の形態の一例である転動部材の検査装置は、図1に示すように、熱処理された軸受リング10にハンマ11aを介して衝撃力を付与するインパクト装置(衝撃力付与手段)11と、前記衝撃力により発生した衝撃音を集音するマイクロフォン(集音手段)12と、該マイクロフォン12により集音された音を周波数解析して共振周波数を検出する周波数解析装置(周波数解析手段)13と、該周波数解析装置13により得られた共振周波数の帯域及び強度と予め実験等により求めておいた良品の基準周波数データとを比較解析することにより、軸受リング10の欠陥の有無を判断する比較手段14とを備えている。
本発明の実施の形態の一例である転動部材の検査装置は、図1に示すように、熱処理された軸受リング10にハンマ11aを介して衝撃力を付与するインパクト装置(衝撃力付与手段)11と、前記衝撃力により発生した衝撃音を集音するマイクロフォン(集音手段)12と、該マイクロフォン12により集音された音を周波数解析して共振周波数を検出する周波数解析装置(周波数解析手段)13と、該周波数解析装置13により得られた共振周波数の帯域及び強度と予め実験等により求めておいた良品の基準周波数データとを比較解析することにより、軸受リング10の欠陥の有無を判断する比較手段14とを備えている。
比較手段14は、例えばパーソナルコンピュータ等を用いることができ、基準周波数データとして、予め実験等により求めておいた良品の軸受リングの共振周波数の帯域及び強度(例えば波形)が図示しない記憶領域に格納されており、この基準周波数データと周波数解析装置13から得られた共振周波数の解析データ(例えば波形)とを比較して、前記周波数解析装置13から得られた共振周波数のピーク値(共振点)が前記基準周波数データの共振周波数のピーク値(共振点)よりも所定の周波数幅以上(例えば+側又は−側に200Hz以上)の場合は、軸受リング10に欠陥があると判断し、そうでない場合は良品と判断して、その判断結果をディスプレイ14aに表示し、これにより、転がり軸受を組み立てる前に熱処理された軸受リング10の欠陥の有無を検査する。
このようにこの実施の形態では、熱処理された軸受リング10に衝撃力を付与してそのときの衝撃音を周波数解析し、該解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、軸受リング10の欠陥の有無を検査するようにしているので、短時間で、且つ簡単に軸受リング10の内部欠陥及び表面欠陥の有無を同時に検査することができる。
(第1実施例)
例えば鉄鋼設備用の転がり軸受の軌道輪(軸受リング)において、浸炭深さが通常より深くなってきた場合、図2を参照して、軸受リングの角の部分は複数の面より浸炭されるため、平面部に比べ浸炭硬化部の深さが非常に深くなる場合がある。この場合、焼入れ時に、浸炭層と非浸炭層との境界部では従来より高い引張り応力が発生するため、極稀ではあるが、この部分に内部割れが発生する。このため、熱処理後、全数検査を行い、内部割れ品を除外している。
表1に、転動部材として、内輪内径φ200mmの円錐ころ軸受200KVの外輪を例採り、通常より浸炭深さを深くして内部割れを発生された外輪を製作し、図1に示す検査装置を用いた本発明例の検査方法と従来の超音波探傷法(比較例1)とで検査時間の比較を行った結果を示す。
例えば鉄鋼設備用の転がり軸受の軌道輪(軸受リング)において、浸炭深さが通常より深くなってきた場合、図2を参照して、軸受リングの角の部分は複数の面より浸炭されるため、平面部に比べ浸炭硬化部の深さが非常に深くなる場合がある。この場合、焼入れ時に、浸炭層と非浸炭層との境界部では従来より高い引張り応力が発生するため、極稀ではあるが、この部分に内部割れが発生する。このため、熱処理後、全数検査を行い、内部割れ品を除外している。
表1に、転動部材として、内輪内径φ200mmの円錐ころ軸受200KVの外輪を例採り、通常より浸炭深さを深くして内部割れを発生された外輪を製作し、図1に示す検査装置を用いた本発明例の検査方法と従来の超音波探傷法(比較例1)とで検査時間の比較を行った結果を示す。
表1から明らかなように、本発明例は比較例1に比べて検査時間が大幅に短縮され、検査コストを低くできるのが判る。
本発明例での実測データとして、図3に解析周波数帯が0〜50kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図4に解析周波数帯が15〜17kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図5に解析周波数帯が31〜33kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図6に解析周波数帯が40〜42kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図7に解析周波数帯が43〜45kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係をそれぞれ示す。なお、各図共に、良品及び不良品をそれぞれ2個ずつを周波数解析した結果を示す。各図から、良品と不良品とでは共振点にずれがあるのが判る。
本発明例での実測データとして、図3に解析周波数帯が0〜50kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図4に解析周波数帯が15〜17kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図5に解析周波数帯が31〜33kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図6に解析周波数帯が40〜42kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係を、図7に解析周波数帯が43〜45kHzでの不良品及び良品における衝撃音に基づく周波数とスペクトラム強度との関係をそれぞれ示す。なお、各図共に、良品及び不良品をそれぞれ2個ずつを周波数解析した結果を示す。各図から、良品と不良品とでは共振点にずれがあるのが判る。
(第2実施例)
転動部材の研磨工程において、研磨条件が厳しくなると部分的温度が上昇するため、研磨割れと称する表面割れが発生する場合がある。
表2に、転動部材として内輪内径φ200mmの円筒ころ軸受NU2240の内輪(ステンレス鋼材)を例に採り、軌道面の研磨条件を厳しくして表面割れを発生させた内輪を製作し、図1に示す検査装置を用いた本発明例の検査方法と従来の過流探傷法(比較例2)及び磁粉探傷検査法(比較例3)とで検査時間の比較を行った結果を示す。
転動部材の研磨工程において、研磨条件が厳しくなると部分的温度が上昇するため、研磨割れと称する表面割れが発生する場合がある。
表2に、転動部材として内輪内径φ200mmの円筒ころ軸受NU2240の内輪(ステンレス鋼材)を例に採り、軌道面の研磨条件を厳しくして表面割れを発生させた内輪を製作し、図1に示す検査装置を用いた本発明例の検査方法と従来の過流探傷法(比較例2)及び磁粉探傷検査法(比較例3)とで検査時間の比較を行った結果を示す。
表2から明らかなように、本発明例は比較例2及び比較例3に比べて検査時間が大幅に短縮され、検査コストを低くできるのが判る。
(第3実施例)
転動部材の焼入れ工程において、例えば表面粗さが粗い部分を起点として割れが発生することがある。これは、軸受鋼は焼入れ工程で膨張することになるが、この場合、表面に引っ張り応力が生じ、表面粗さが粗い場合、その部分に応力集中が発生するため、表面割れが発生する。
表3に、転動部材として、内輪内径φ200mmの円筒ころ軸受NU2340の外輪(SUJ2)を例に採り、角R部の粗さを粗くし、更に、熱処理条件を厳しくして表面割れを発生させた外輪を製作し、図1に示す検査装置を用いた本発明例の検査方法と従来の過流探傷法(比較例4)及び磁粉探傷検査法(比較例5)とで検査時間の比較を行った結果を示す。
(第3実施例)
転動部材の焼入れ工程において、例えば表面粗さが粗い部分を起点として割れが発生することがある。これは、軸受鋼は焼入れ工程で膨張することになるが、この場合、表面に引っ張り応力が生じ、表面粗さが粗い場合、その部分に応力集中が発生するため、表面割れが発生する。
表3に、転動部材として、内輪内径φ200mmの円筒ころ軸受NU2340の外輪(SUJ2)を例に採り、角R部の粗さを粗くし、更に、熱処理条件を厳しくして表面割れを発生させた外輪を製作し、図1に示す検査装置を用いた本発明例の検査方法と従来の過流探傷法(比較例4)及び磁粉探傷検査法(比較例5)とで検査時間の比較を行った結果を示す。
表3から明らかなように、本発明例は比較例4及び比較例5に比べて検査時間が大幅に短縮され、検査コストを低くできるのが判る。
なお、本発明は上記実施の形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、転動部材として、転がり軸受の軌道輪を例に採ったが、これに代えて、転動部材として、ボールねじ装置のねじ軸、ナット、或いは直動案内軸受装置の案内レール、スライダを採用して本発明を適用してもよいのは勿論である。
また、上記実施の形態では、転動部材の熱処理として浸炭処理を例に採ったが、これに限定されず、転動部材にずぶ焼や高周波焼入れ等の熱処理を施した場合にも本発明を適用できるのはいうまでもない。
なお、本発明は上記実施の形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、転動部材として、転がり軸受の軌道輪を例に採ったが、これに代えて、転動部材として、ボールねじ装置のねじ軸、ナット、或いは直動案内軸受装置の案内レール、スライダを採用して本発明を適用してもよいのは勿論である。
また、上記実施の形態では、転動部材の熱処理として浸炭処理を例に採ったが、これに限定されず、転動部材にずぶ焼や高周波焼入れ等の熱処理を施した場合にも本発明を適用できるのはいうまでもない。
10 軸受リング(転動部材)
11 インパクト装置(衝撃力付与手段)
12 マイクロフォン(集音手段)
13 周波数解析装置(周波数解析手段)
14 パーソナルコンピュータ(比較手段)
11 インパクト装置(衝撃力付与手段)
12 マイクロフォン(集音手段)
13 周波数解析装置(周波数解析手段)
14 パーソナルコンピュータ(比較手段)
Claims (12)
- 熱処理された転動部材に衝撃力を付与してそのときの衝撃音を周波数解析し、該解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材の欠陥の有無を検査することを特徴とする転動部材の検査方法。
- 前記周波数解析を5〜100kHzの帯域で行うことを特徴とする請求項1に記載した転動部材の検査方法。
- 前記解析結果と前記基準周波数データとの比較解析をコンピュータで行うことを特徴とする請求項1又は2に記載した転動部材の検査方法。
- 前記衝撃音をマイクロフォンで集音することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載した転動部材の検査方法。
- 前記周波数解析により共振周波数を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載した転動部材の検査方法。
- 前記解析結果と前記基準周波数データとの比較解析により前記転動部材の割れを検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の転動部材の検査方法。
- 前記転動部材が、ボールねじ装置のねじ軸、ナット、及び直動案内軸受装置の案内レール、スライダ、並びに転がり軸受の内輪、外輪の内のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の転動部材の検査方法。
- 熱処理された転動部材に衝撃力を付与する衝撃力付与手段と、前記衝撃力により発生した衝撃音を集音する集音手段と、該集音手段により集音された音を周波数解析する周波数解析手段と、該周波数解析手段により得られた解析結果と予め求めておいた基準周波数データとを比較解析することにより、前記転動部材の欠陥の有無を判断する比較手段とを備えたことを特徴とする転動部材の検査装置。
- 前記周波数解析手段による周波数解析を5〜100kHzの帯域で行うことを特徴とする請求項8に記載した転動部材の検査装置。
- 前記集音手段がマイクロフォンであることを特徴とする請求項8又は9に記載した転動部材の検査装置。
- 前記周波数解析手段により共振周波数を検出することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載した転動部材の検査装置。
- 外側転動部材と内側転動部材との間に複数の転動体が転動可能に配設された転動装置において、
前記外側転動部材及び前記内側転動部材の内の少なくとも一方の転動部材が請求項1〜6のいずれか一項に記載した転動部材の検査方法によって品質が保証されていることを特徴とする転動装置。
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