JP2005133940A - 締結具および締結ボルト - Google Patents

締結具および締結ボルト Download PDF

Info

Publication number
JP2005133940A
JP2005133940A JP2004296099A JP2004296099A JP2005133940A JP 2005133940 A JP2005133940 A JP 2005133940A JP 2004296099 A JP2004296099 A JP 2004296099A JP 2004296099 A JP2004296099 A JP 2004296099A JP 2005133940 A JP2005133940 A JP 2005133940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bolt
fastening
hole
tapered
fastening bolt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004296099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4194990B2 (ja
Inventor
Kenji Mochizuki
健児 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISEL Co Ltd
Original Assignee
ISEL Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISEL Co Ltd filed Critical ISEL Co Ltd
Priority to JP2004296099A priority Critical patent/JP4194990B2/ja
Publication of JP2005133940A publication Critical patent/JP2005133940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4194990B2 publication Critical patent/JP4194990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Clamps And Clips (AREA)
  • Mutual Connection Of Rods And Tubes (AREA)

Abstract

【課題】 ねじ込むに従って2つの部材が傾斜姿勢となる場合であっても、変位荷重がほとんど加わらない構造の締結具を実現する。
【解決手段】 本締結具における締結ボルト1は、外周部に雄ネジ11が設けられた棒状のボルト本体10と、このボルト本体10の端部に設けられてボルト本体10よりも大径の頭部20とを有し、上記頭部20の下面は、ボルト貫通孔31を設けた第一部材3のテーパ状座面31に当接されるようにボルト本体10に向けて縮径するテーパ面とすると共にこのテーパ面が曲面仕上げされたテーパ曲面21とする。これにより、締結ボルト1をねじ込む第二部材4のネジ孔40が傾斜しているような場合でも、テーパ曲面21が第一部材3におけるテーパ状座面31上を適宜にスライドし、ボルト本体10のねじ込み方向をネジ孔40の軸線方向と略一致させるので、無理なく締結ボルト1をネジ孔40と同心上に進入させて行くことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、締結ボルトや部材の座面に大きな変位荷重が加わることなく2つの部材を固定させる締結具および締結ボルトに関するものである。
従来より、締結ボルトは、雄ネジを設けた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けた頭部とからなる構造を有し、様々な機械要素に用いられている。このような締結ボルトは、例えば、第一部材に設けたボルト貫通孔にボルト本体を通し、第二部材に設けたネジ孔にボルト本体を螺合させて、これら2つの部材を固着させる。
また、上記締結ボルトは、図9(a)に示すような締結具としての軸継手に使用される。この場合、締結ボルト501は、2本の軸505を連結させる軸継手において軸505を固定するための締付体507の締め付けに用いられる(特許文献1)。この締付体507は、中心部に軸505(他の部材)を挿通する軸孔部571を設けると共に半径方向にすり割溝572を設け、且つ、すり割溝572の対向する一方の端部503(第一部材)にボルト貫通孔530を設けると共に他方の端部504(第二部材)にネジ孔540を設けたものであり、締結ボルト501は、このボルト貫通孔530を通してネジ孔540に螺合される。従って、上記締結ボルト501をねじ込んで行くと、すり割溝572の間隔が狭められて締付体507の軸孔部571を縮径させ、この縮径による軸孔部571の面圧によって軸505を締め付け固定させる。
特開2001−295851号公報 特開平11−125265号公報
ところで、上記締結ボルト501で2つの部材503,504等を固着させる場合、部材503,504に設けたネジ孔540が実際には直角ではなく多少傾いて形成されている場合があり、その場合、締結ボルト501の頭部520における下面角部522がボルト貫通孔530を設けた部材503の座面531と略点当りとなり、この座面531や締結ボルト501に大きな変位荷重や曲げ応力が加わった状態になる。そのため、締結ボルト501による締結力が不十分となり、締め付けが緩み易い等の問題が生じる。また、締結ボルト501自体も頭部520とボルト本体510とが曲がって形成されている場合もあり、その場合でも、上記同様に締結ボルト501の締結力が不十分となり、締め付けが緩み易い等の問題が生じる。
一方、図9(a)に示す軸継手600にあっては、上記締結ボルト501をねじ込むに従って締付体507のすり割溝572の対向する各端部503,504が傾斜姿勢となり、これに伴って一方の端部503の座面531も傾斜される。そのため、図9(b)に示すように、締結ボルト501の頭部520の下面角部522が上記座面531と略点当りとなり局部的にきつい片当りを起こし、締結ボルト501や座面531に大きな変位荷重が加わる。従って、締結ボルト501のねじ込みには強い力を要し、しかも、締結ボルト501の締付け時に局部的にきつい片当りを起こすことで、上記座面531と下面角部522との片当り部分に焼付きを起こし、締結ボルト501の締付け力が安定せず十分に軸力に変換されなかった。また、上記座面531を形成する一方の端部503の肉厚が薄い場合やアルミ等の軟質素材で締付体507を形成する場合等には、この座面531が陥没してしまい(図9(b)中の破線K)、締結ボルト501の締め付けが弱体化して、軸505の締結力が不十分になることがある。
また、締結ボルト501の頭部下面の角部522が座面531と略点当りとなることで、その座面531や締結ボルト501には大きな曲げ応力が加わった状態になる。そのため、軸継手の回転時に締結体507が振動すると、その振動による負荷が更に座面531や締結ボルト501に加わり、その結果、座面531に亀裂V(図9(b)参照)が生じたり、また、振動により締結ボルト501の締め付けが緩む等の不具合が起こる。
なお、すり割溝を2箇所に設けて締付体が2分割されて2本の締結ボルト501を用いて締付ける場合も(特許文献1の図1)、各々の締結ボルト501を均等に締付けることは実際上困難であり、上記同様の問題が生じ得る。
本発明は、締結ボルトの緩みを防止して部材に対する締結力が強化される締結具および締結ボルトを実現するものである。
(1)本発明に係る締結具は、ボルト貫通孔を設けた第一部材と、ネジ孔を設けた第二部材と、上記第一部材のボルト貫通孔に挿通させて上記第二部材のネジ孔にねじ込んでこれらの部材を締結させる締結ボルトとを備えた締結具において、上記第一部材におけるボルト貫通孔の座面は、テーパ溝に形成されたテーパ状座面とし、上記締結ボルトは、外周部に雄ネジが設けられた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けられてボルト本体よりも大径で上記ボルト貫通孔の座面に当接される頭部とを有し、且つ、上記頭部の下面がボルト本体の先端側に向けて縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とするものである。
これによると、上記第一部材と上記第二部材とが傾斜しているような場合あるいは締結ボルト自体が曲がっているような場合等であっても、締結ボルトの頭部下面とボルト貫通孔の座面とがテーパ同士のため、局部的なきつい片当りが防止され、締付け時の変位荷重が上記テーパ状座面で受け止められる。従って、ボルト締付け時に座面に作用する変位荷重や焼付きを大幅に緩和することができる。
(2)また、本発明に係る締結具は、中心部に軸を挿通する軸孔部を設けるとともに軸方向にすり割溝を設け、且つ該すり割溝の対向する一端部に座面を有したボルト貫通孔を設けると共に他端部にネジ孔を設けた締付体と、上記締付体における一端部のボルト貫通孔を通して他端部のネジ孔に螺合させて該締付体を周方向に締付ける締結ボルトとを備えた締結具において、上記締付体におけるボルト貫通孔の座面は、テーパ溝に形成されたテーパ状座面とし、上記締結ボルトは、外周部に雄ネジが設けられた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けられてボルト本体よりも大径で上記ボルト貫通孔の座面に当接される頭部とを有し、且つ、上記頭部の下面がボルト本体の先端側に向けて縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とするものである。
これにより、締結ボルトを締付けるに従って締付体のすり割溝の対向する端面が傾斜しボルト貫通孔の座面が傾斜されてきても、締結ボルトの頭部下面とボルト貫通孔の座面とがテーパ同士のため、局部的なきつい片当りが防止され、締付け時の変位荷重が上記テーパ状座面で受け止められる。よって、ボルト締付け時に座面に作用する変位荷重や焼付きを大幅に緩和することができる。
そして、締付け時の座面に作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルトの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。また、上記テーパ状座面に対する変位荷重が大幅に緩和される結果、このテーパ状座面を形成する締付体の一端部の強度が向上するので、この一端部を薄肉化することができる。また、締結ボルトの頭部下面のテーパ面がボルト貫通孔のテーパ状座面に没入されるので、締結ボルトの頭部を締付体の一端部に深く潜り込ませることができる。
一方、この締結具が軸継手の如く回転体に用いられるときには、回転時に締結ボルトは遠心力を受ける。すると、締結ボルトは、頭部下面のテーパ面がボルト貫通孔のテーパ状座面とテーパ嵌合されているので、遠心力を受ける締結ボルトには頭部のテーパ面がボルト貫通孔のテーパ状座面に押付けられて引抜き方向の力が作用する。従って、回転時においては締結ボルトの雄ネジと締付体のネジ孔との螺合による軸力が増幅されることとなり、軸に対する締付体の締結力が強化され、伝達トルクを増強することができる。
(3)上記締結ボルトが上記すり割溝の中間部分よりも外寄りに配置されるように上記ボルト貫通孔と上記ネジ孔が形成されていてもよい。
これにより、中心の軸孔部に配置した軸に対する締付けの作用点を軸の軸芯から遠ざけて締付体による軸の締付け力を大きくすることができ、その結果、軸への伝達トルクを一層向上させることができる。
しかも、締結具が軸継手の如く回転体に用いられるときには、上記した回転時の遠心力が締結ボルトにより大きく作用することとなり、その結果、回転時の締結ボルトの軸力が一層増幅されるので、軸に対する締付体の締結力が一層強化され、伝達トルクの低下を低減することができる。
(4)上記ボルト貫通孔の中心線が上記ネジ孔の中心線に対して外寄りに配置されるように上記ボルト貫通孔と上記ネジ孔とがオフセットされていてもよい。
これにより、締結ボルトの締付けに伴って第一部材と第二部材が傾斜しても、上記オフセットのスペース分締結ボルトの姿勢が融通されるので、締結ボルトの頭部下面のテーパ面が片当りを起こすことなくテーパ状座面に略全周的に当接させることができる。従って、締付け時の座面に作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルトの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。
(5)上記締結ボルトにおける頭部下面のテーパ面は、外側に膨らむ曲面仕上げが施されたテーパ曲面に形成されていてもよい。
これにより、上記第一部材と上記第二部材とを固着させるとき、第二部材のネジ孔が傾斜しているような場合、あるいは締結ボルト自体が曲がっているような場合であっても、上記頭部下面のテーパ曲面が上記ボルト貫通孔のテーパ状座面上を適宜にスライドしてボルト本体の姿勢が第二部材のネジ孔の軸線方向と略一致される。従って、ボルト本体のねじ込みが第二部材のネジ孔の軸線方向と略一致され、無理なく締結ボルトを上記ネジ孔と同心上に進入させて行くことができる。よって、第二部材のネジ孔が傾斜している場合等でも、ボルト締付け時に締結ボルトのテーパ曲面がボルト貫通孔のテーパ状座面に略全周的に接触され、局部的な片当りが生じない。
(6)上記締結ボルトにおける頭部下面のテーパ面には、摩擦抵抗を低減させる安定化剤がコーティングされていてもよい。
これにより、締付け時の座面に作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルトの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。
(7)また、本発明に係る締結ボルトは、外周部に雄ネジが設けられた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けられてボルト本体よりも大径の頭部とを有する締結ボルトにおいて、上記頭部下面は、ボルト本体の先端側に向けて縮径するテーパ面に形成され、且つ該テーパ面が外側に膨らむ曲面仕上げが施されたテーパ曲面に形成されていることを特徴とするものである。
これにより、例えば、上記第一部材と上記第二部材とを固着させるとき、第二部材のネジ孔が傾斜しているような場合、あるいは締結ボルト自体が曲がっているような場合であっても、上記頭部下面のテーパ曲面が上記ボルト貫通孔のテーパ状座面上を適宜にスライドしてボルト本体の姿勢が第二部材のネジ孔の軸線方向と略一致される。従って、ボルト本体のねじ込みが第二部材のネジ孔の軸線方向と略一致され、無理なく締結ボルトを上記ネジ孔と同心上に進入させて行くことができる。よって、第二部材のネジ孔が傾斜している場合等でも、ボルト締付け時に締結ボルトのテーパ曲面がボルト貫通孔のテーパ状座面に略全周的に接触され、局部的な片当りが生じない。
また、ねじ込み時、そのテーパ曲面と第一部材のテーパ状座面とがなだらかに接触するので、ねじ込み時の抵抗が小さくねじ込み易い。また、この締結ボルトは、頭部下面のテーパ曲面がテーパ状座面に略全周的に当接してねじ込まれるから、傾いたネジ孔等にねじ込んだ場合でも、頭部下面が平坦な従来のボルトのように頭部の下面角部が座面に引っ掛かってねじ込み難くすることもない。また、締付け時の座面に作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルトの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができ、軸力も安定する。
そして、この締結ボルトは、締結ボルトのねじ込みが完了すると、頭部下面のテーパ曲面と第一部材のテーパ状座面とがテーパ嵌合されるので、締結後においてはテーパ嵌合による緩み止め効果が発揮される。しかも、この締結ボルトは、傾いたネジ孔等にねじ込んだ場合でも、テーパ状座面におけるテーパ曲面の接触位置が略全周的に同じ高さになるので、上記テーパ嵌合力が頭部の略同じ高さ位置に均等に作用する。従って、上記緩み止め効果が確実に発揮され、2つの部材間に対する強固な締結力を確実に発揮することができる。
本発明に係る締結具によれば、締付体におけるボルト貫通孔の座面に作用するボルト締付け時の焼付きや変位荷重が大幅に緩和されるから、締結ボルトの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができ、その結果、締結力を十分に確保することができる。
本発明に係る締結ボルトによれば、本締結ボルトをねじ込む部材が傾斜したり、あるいは締結ボルト自体が曲がっているような場合であっても、座面や締結ボルトに大きな変位荷重が加わることがなく、第一部材と第二部材とを無理なく固定させることができる。また、緩み止め効果が確実に発揮され、2つの部材間に対する強固な締結力を確実に発揮することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明に係る締結具である。
図1(a)に示すように、この締結具は、ボルト貫通孔30およびテーパ状座面31を設けた第一部材3と、ネジ孔40を設けた第二部材4と、これらの部材3,4を締結させる締結ボルト1とを備えるものである。
締結ボルト1は、外周部に雄ネジ11が設けられた棒状のボルト本体10と、このボルト本体10の端部に設けられてボルト本体10よりも大径で円柱状の頭部20とを有する。この締結ボルト1は、六角穴付きボルトであって、上記頭部20の上面に六角レンチを嵌め込むための六角穴(図2を参照)が設けられると共に頭部20の側面にローレット加工が施されている。また、上記頭部20の下面は、ボルト本体10の先端側に向けて縮径するテーパ面とし、且つ、このテーパ面を外側に膨らむクラウニング(曲面)が施されたテーパ曲面21とする。このテーパ曲面21は、ボルト貫通孔30に形成されたテーパ溝からなるテーパ状座面31に当接される。
上記テーパ曲面21のテーパ角度θ1は、図1(a)に示すように、座面となる上記テーパ状座面31のテーパ角度θ2よりも大きくしてもよいし、上記テーパ角度θ2と略等しくしてもよい等、任意に設定できる。また、上記テーパ曲面21の曲率は、任意に設定でき、例えば、上記テーパ状座面31上での上記テーパ曲面21のスライド性をよくするうえで、頭部20の大きさ、テーパ曲面21でのテーパ部の長さやそのテーパ角度等にもよるが、5R〜1200R程度に設定される。
そして、この締結ボルト1は、既存の六角穴付きボルト(例えば、M6サイズ<頭部径φ10mm>)の頭部20の下半分程度を上記テーパ曲面21とするようにプレスや旋盤等で加工して形成してもよく、これにより、同じサイズの皿ビスよりも頭部20の側方への張り出しが少なくなって頭部20のコンパクト化を図ることができる。
なお、上記締結ボルト1は、頭部20を円柱状とした六角穴付きボルトとするが、この頭部20を六角柱状に形成した六角ボルトでもよい。
上記締結ボルト1によれば、図1(a)に示すように、ボルト貫通孔30およびテーパ状座面31を設けた第一部材3と、ネジ孔40を設けた第二部材4とを重ねて締結させる際、第二部材4のネジ孔40が上面に対して直角ではなく、角度θに傾いて形成されていた場合でも、締結ボルト1の姿勢(ボルト本体10のねじ込み方向)を第二部材4のネジ孔40の軸線方向と略一致させることができる。すなわち、締結ボルト1のねじ込み時、上記頭部20下面のテーパ曲面21が第一部材3のテーパ状座面31に当接されてこのテーパ状座面31上を適宜にスライドするからである。
これにより、締結ボルト1を無理なく上記ネジ孔40と同心上に進入させて行くことができる。従って、締結ボルト1をねじ込む第二部材4のネジ孔40が傾斜している場合であっても、締結ボルト1やテーパ状座面31に大きな変位荷重が加わることがなく、第一部材3と第二部材4とを緩み無く固定させることができる。
また、この締結具は、図1(b)に示すように、他の部材5を挟み込ませて第一部材3と第二部材4とを締結させるようにしてもよい。この場合、締結ボルト1をねじ込むに従って第一部材3と第二部材4とが傾斜姿勢となっても、上記の場合(図1(a))と同様に、上記テーパ曲面21が上記テーパ状座面31上を適宜にスライドし、締結ボルト1の姿勢を第二部材4のネジ孔40の軸線方向と略一致させることができる。従って、第一部材3と第二部材4との間に他の部材5を挟み込ませて締結させる場合でも、締結ボルト1を無理なく上記ネジ孔40と同心上に進入させて行くことができ、締結ボルト1やテーパ状座面31に大きな変位荷重が加わることがなく、しかも、部材5を挟んで第一部材3と第二部材4とを緩み無く固定させることができる。
また、上記締結ボルト1は、頭部20のテーパ曲面21と第一部材3のテーパ状座面31とが全周的に略線接触となるので、面圧が小さくねじ込み易い。すなわち、締結ボルトのねじ込みトルク効率がよい。
また、従来の締結ボルト501(図9(a)、図9(b))では、ねじ込みが完了すると、ボルト頭部520の下面が座面531と当接するだけであるが、この締結ボルト1は、締結ボルト1のねじ込みが完了すると、締結ボルト1のテーパ曲面21と第一部材3のテーパ状座面31とがテーパ嵌合されるので、締結後においてはテーパ嵌合による緩み止め効果が発揮される。
しかも、上記締結ボルト1は、傾いたネジ孔40にねじ込んだ場合でも、テーパ状座面31におけるテーパ曲面21の接触位置が略全周的に同じ高さになるので(図1(a)中の符号h、図1(b)中の符号h)、上記テーパ嵌合力が頭部20の略同じ高さ位置hに均等に作用する。従って、上記緩み止め効果が確実に発揮され、部材3,4間に対する強固な締結力を確実に発揮することができる。
そして、上記締結ボルト1におけるテーパ曲面21のテーパ角度θ1が第一部材3のテーパ状座面31のテーパ角度θ2よりも大きい場合は、テーパ状座面31におけるテーパ曲面21の接触位置hが高くなって頭部20上面側に近づく(図1(a)の接触位置hは、図1(b)の接触位置hよりも高い。)。これにより、テーパ状座面31の肉厚の厚い部位で、締結ボルト1の頭部20がテーパ嵌合されるので、締結ボルト1によるテーパ座面31との間のテーパ嵌合力を大きくできる。従って、上記緩み止め効果が顕著に発揮されて部材3,4間に対する強固な締結力が確実に発揮される。これにより、第一部材3の材質が、例えば、アルミダイキャストのような脆い場合でも、座面31の強度が増強されるので、破損し難くなる効果も得られる。
他方、上記締結ボルト1は、第一部材3のテーパ状座面31が鋭角(テーパ角度θ2がボルト貫通孔30の軸線に対して小さな角度、例えば90度以下)になる程に、締結ボルト1のテーパ曲面21に対する上記テーパ座面31との間のテーパ嵌合力の向きが締結ボルト1の軸線に対して直角方向に近づくこととなるので、上記の緩み止め効果や強固な締結を一層大きく発揮させることができる。
なお、以上の図1に示した例では、第二部材4のネジ孔40が傾く場合で説明したが、ネジ孔40は傾くことなく略直角に形成されているものの、締結ボルト1自体の頭部20とボルト本体10とが曲がって形成されている場合でも、上記同様に、このような曲がった締結ボルト1の上記テーパ曲面21が上記テーパ状座面31上を適宜にスライドし、ボルト本体10のねじ込みを第二部材4のネジ孔40の軸線方向と略一致させることができる。従って、このような曲がった締結ボルト1であっても、無理なくネジ孔40と同心上に進入させて行くことができ、テーパ状座面31や締結ボルト1に大きな変位荷重が加わることがなく、第一部材3と第二部材4とを無理なく固定させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、本発明に係る締結具としての軸継手である。
図2に示すように、この軸継手6は、中心の軸孔部71に至るすり割溝72を設けたC字型の2つの締付体7を、板バネ中間体8で連結させたものである。2つの締付体7は、一方の締付体7に駆動軸となる軸5aが配置され、他方の締付体7に従動軸となる軸5aが配置される。これにより、この軸継手6によって2本の軸5a,5aを連結させる。
図3(a)に示すように、上記締付体7は、すり割溝72の対向する一方の端部3a(第一部材3)にはボルト貫通孔30が設けられ、また、他方の端部4a(第二部材4)には締結ボルト1を螺合させるネジ孔40aが設けられている。また、上記ボルト貫通孔30aは、入口側に拡径するテーパ溝としたテーパ状座面31aが設けられている。このテーパ状座面31aは、締結ボルト1のテーパ曲面21と全周的に当接する。そして、締結ボルト1は、締付体7の一方の端部3aのボルト貫通孔30aに通して他方の端部4aのネジ孔40aに螺合される。
そして、上記軸継手6に軸5aを締結させる際は、締付体7の軸孔部71に軸5aを挿入した後、この締付体7に取り付けた締結ボルト1をねじ込ませて行く。すると、締結ボルト1におけるテーパ曲面21となった頭部20の下面が締付体7のボルト貫通孔30aに形成したテーパ状座面31aを押圧し、すり割溝72の間隔を狭めさせて軸孔部71を縮径させ、この縮径による面圧によって軸5aを強固に締結させる。
このとき、図3(b)に示すように、すり割溝72の対向する互いの端部3a,4aが傾斜されてくるが、締結ボルト1のテーパ曲面21が一方の端部3aのテーパ状座面31a上で適宜にスライドされ、これにより、締結ボルト1の姿勢がネジ孔40aの軸線方向と略一致し、無理なく締結ボルト1をネジ孔40aと同心上に進入させて行くことができる。従って、締結ボルト1やテーパ状座面31aに変位荷重が加わることがなく、強い力(大きな締付けトルク)を要せずにスムーズにこの締結ボルト1をねじ込むことができる。
また、締結ボルト1を締付けるに従って締付体7のすり割溝72の対向する端面が傾斜しボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aが傾斜されてきても、締結ボルト1のテーパ曲面21とボルト貫通孔31aのテーパ状座面31aとがテーパ同士のため、局部的なきつい片当りが防止され、締付け時の変位荷重が上記テーパ状座面31aで受け止められる。よって、ボルト締付け時にテーパ状座面31aに作用する変位荷重や焼付きを大幅に緩和することができる。そして、締付け時のテーパ状座面31aに作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルト1の締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。
また、締め付け完了後においても、締結ボルト1やテーパ状座面31aに変位荷重が加わることがなく、しかも、締結ボルト1のテーパ曲面21がテーパ状座面31aの全周を押圧したテーパ嵌合状態となる。これにより、図9(b)に示した従来のように、座面の陥没によって締結ボルトの締め付けを弱体化し軸の締結力を損なうことがなく強固な固定ができ、且つ軸継手6の回転時に伴う振動によって締結ボルト1が緩むことも防止できる。しかも、テーパ状座面31aや締結ボルト1に応力の作用する状態が回避されるので、軸継手6の回転時に伴う振動によって更なる負荷が加わってもテーパ状座面31aに亀裂V(図9(b)参照。)が生じたり締結ボルト1が首折れする等の破損を防止することができる。従って、締付体7による軸5aの強固な締結を長期にわたって安定的に維持することができる。
一方、この軸継手6の回転時に締結ボルト1は遠心力を受ける。すると、締結ボルト1は、頭部20下面のテーパ曲面21がボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aとテーパ嵌合されているので、遠心力を受ける締結ボルト1には頭部20のテーパ曲面21がボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aに押付けられて引抜き方向の力が作用する。従って、回転時においては締結ボルト1の雄ネジ11と締付体7のネジ孔40aとの螺合による軸力が増幅されることとなり、軸5aに対する締付体7の締結力が強化され、伝達トルクを増強することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、本発明に係る締結具としての他の軸継手である。
図4に示すように、この軸継手6cに使用される締結ボルト1aは、頭部20aの下面がテーパ面21aに形成されて締付体7cのボルト貫通孔30aに設けたテーパ溝からなるテーパ状座面31aに略合致して没入される。すなわち、この締結ボルト1aの頭部20a下面は、ボルト本体10の先端側に向けて縮径するテーパ面21aに形成されているが、上記実施の形態1のようなテーパ曲面21が形成されたものではない。また、上記軸継手6cの締結体7cは、軸孔部71のすり割溝72と対向する個所に、この締付体7cの縮径を円滑に行わせるための補助溝13が軸方向に設けられている。その他の構成は、上記実施の形態2のものと同様であり、図4中に図2、図3(a)および図3(b)と同一の符号を付して説明を省略する。
そして、上記軸継手6cに軸5aを締結させる際は、上記実施の形態2の場合と同様に、締付体7cの軸孔部71に軸5aを挿入した後、締結ボルト1aを締付体7cの周方向に締付けて行く。すると、締結ボルト1aの頭部20a下面が締付体7cのボルト貫通孔30aの座面31aを押圧して上記すり割溝72の間隔を狭め、締付体7cの軸孔部71が縮径される。このとき、すり割溝72と対向する個所に設けた補助溝13の間隔も狭められることによって軸孔部71の縮径が円滑に行われる。そして、この補助溝13の閉塞端13aが支点となって軸孔部71が縮径されるので、すり割溝72の対向する端面3a,4aの傾斜を緩やかにすることができる。この軸孔部71の縮径によって、締付体7cの軸孔部71に軸5aが強固に固定される。
また、締結ボルト1aを締付けるに従って締付体7cのすり割溝72の対向する端面3a,4aが傾斜し、ボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aが傾斜してくるが、テーパ面21となった締結ボルト1aの頭部20a下面がボルト貫通孔30a入口のテーパ状座面31aに没入されるので、このテーパ状座面31aにおいてテーパ同士のため、局部的なきつい片当りが防止され、締付け時の変位荷重が上記テーパ状座面31aで受け止められる。よって、ボルト締付け時にテーパ状座面31aに作用する変位荷重や焼付きを大幅に緩和することができる。そして、締付け時のテーパ状座面31aに作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルト1の締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。
また、このことは、このテーパ状座面31aを形成する締付体7cの一端部3aにかかる負荷が大幅に緩和されることを意味する。従って、締付体7cの一端部3aにおけるすり割溝72の端面の隆起(図9(b)中の破線L)が防止され、従来の如く、すり割溝72の端面の隆起によって軸5aの締結を阻害することなく、軸5aへの締結力を十分に確保することができる。
また、締結ボルト1aの頭部20a下面のテーパ面21aをボルト貫通孔30a入口のテーパ状座面31aに没入させることによって、締結ボルト1aを締結体7cの一端部3aに深く潜り込ませることができる。従って、締結ボルト1aの締付け後の状態においては締結ボルト1aの頭部20aが締付体7cの外周面から突出するようなことも防止できる。
しかも、上述したように、ボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aに対する変位荷重が大幅に緩和される結果、このテーパ状座面30aを形成する締付体7c一端部3aの肉厚(テーパ状座面31aとすり割溝72の端面との間の厚さ)を比較的薄く形成することができ、これによって、締結ボルト1aの頭部20aが締付体7cの外周面から突出することを一層確実に防止できる。
また、このものも、軸継手6cの回転時に締結ボルト1aは遠心力を受けるが、締結ボルト1は、ボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aとテーパ嵌合されているので、遠心力を受ける締結ボルト1aには頭部20aのテーパ面21aがボルト貫通孔30aのテーパ状座面31aに押付けられて引抜き方向の力が作用する。従って、回転時においては締結ボルト1aの雄ネジ11と締付体7cのネジ孔40aとの螺合による軸力が増幅されることとなり、軸5aに対する締付体7cの締結力が強化され、伝達トルクを増強することができる。
(その他の実施の形態)
(1)本発明の締結具としての軸継手は、例えば、図5(a)に示す軸継手6aのように、締付体7aは、すり割溝72a,72bが180度位置に2個所設けられて2分割された半円状の分割片からなるものに適用してもよい。この場合、2分割された締結体7aの一つの分割片が一方の端部3a(第一部材3)あるいは他方の端部4a(第二部材4)を具備する。
また、図5(b)に示す軸継手6bのように、締付体7bは、すり割溝72a,72bが180度位置に2個所設けられて2分割された半円状の分割片からなるものに適用してもよい。この場合、2分割された締付体7bの一つの分割片が一方の端部3a(第一部材3)と他方の端部4a(第二部材4)の両方を具備する。従って、このものは、締付体7bとなる一対の分割片が同一構造であるので、その製造上有利である。
(2)また、本発明の軸継手としては、2つの締結体を連結する中間体は、図2示した板バネ中間体8に限らず、図6に示すように、中心孔81を設けたブロック中間体8aによって2つの締付体7’,7’と一体形成されたものでもよい。
(3)また、本発明に係る締結ボルトとしては、図7に示す締結ボルト1dのように、頭部20d上面のコーナ部22がR状に形成されたものでもよく、また、このコーナ部22が面取りされたもの等でもよい。このように、締結ボルト1dの頭部20d上面のコーナ部22をR状等に形成することで、締結ボルト1dの頭部20dをボルト貫通孔30dのテーパ状座面31dに没入させることと相まって、更に頭部20dが締付体7dの外周面から突出することを抑制できる。
(4)また、本発明の軸継手としては、図7に示すように、上記締結ボルト1dがすり割溝72の中間線720(中間部分)よりも外寄りに配置されるように上記ボルト貫通孔30dと上記ネジ孔40dが形成されていてもよい。なお、この場合でも、テーパ形状等のため締結ボルトの頭部20dを外周に突出させることなくボルト貫通孔30d内に配置させることができる。
これにより、中心の軸孔部71に配置した軸5dに対する締付けの作用点を軸5dの軸芯から遠ざけて締付体7dによる軸5dの締付け力を大きくすることができ、その結果、軸5dへの伝達トルクを一層向上させることができる点で有利である。
しかも、軸継手の回転時の遠心力が締結ボルト1dにより大きく作用することとなり、その結果、回転時の締結ボルト1dの軸力が一層増幅されるので、軸5dに対する締付体7dの締結力が一層強化され、伝達トルクを一層増強することができる。
(5)また、図9(a)に示すように、締付体7eとして、ボルト貫通孔30eの中心線300がネジ孔40eの中心線400に対して外寄りに配置されるように上記ボルト貫通孔30eと上記ネジ孔40eとがオフセットされていてもよい。
これにより、締結ボルト1aの締付けに伴ってすり割溝72の対向する端部3e,4e(第一部材3eと第二部材4e)が傾斜しても、上記オフセットのスペース分締結ボルト1aの姿勢が融通されるので、締結ボルト1aの頭部20a下面のテーパ面21a(あるいはテーパ曲面でもよい)が片当りを起こすことなくテーパ状座面31eに略全周的に当接させることができる。従って、締付け時のテーパ状座面31eに対する焼付きや変位荷重が大幅に緩和されるため、締結ボルト1aの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。
(6)また、上記締結ボルト1,1aにおける頭部20,20a下面(テーパ面21aあるいはテーパ曲面21)には、摩擦抵抗を低減させる安定化剤がコーティングされていてもよい。これにより、締付け時のテーパ状座面31に作用する焼付きが大幅に緩和されるため、締結ボルト1,1aの締付け力が安定し且つ十分に軸力に変換することができる。なお、上記安定化剤は、締結ボルト1,1aの頭部20,20a下面のみならず雄ネジ11部分を含む全体的にコーティングされていてもよい。そして、上記安定化剤としては、n−ブテン、イソブテン、これらの単体の重合体、あるいは共重合体等が例示される。より具体的には、ポリイソブチレンとしては、例えば、BASF社製の商品名「Glissopal」、商品名「Oppanol」が挙げられ、イソブテン、n−ブテンの重合物(ポリブテン)としては、例えば、日本石油化学(株)社製の商品名「テトラックス」、「ハイモール」、「エバータック」、「日石ポリブテン」、「SV−7000」、Exxon社製の商品名「VISTANEX」、出光石油化学(株)社製の商品名「出光ポリブテン」、日本油脂(株)社製の商品名「Polyvis」及びAmoco社製の商品名「Indopol」、BP社製の商品名「Napvis」等が挙げられる。
(7)その他に、本発明の締結具としては、軸継手に限らず、2本のパイプを連結する配管継手や、柱・フレーム・軸等の他の部材にセンサー等を取り付けるためのカラーにも適用することができ、他にも、一体形成または別体形成された第一部材3と第二部材4とからなる種々の締結具に適用することができる。
(実施例)
実施例1〜3としてボルトの頭部の下面がテーパ曲面に形成された締結ボルト(図1(a)の締結ボルト1)を用い、また、実施例4〜6として頭部の下面が単なるテーパ面に形成された締結ボルト(図4の締結ボルト1a)を用い、これらの締結ボルトによって軸を挟持させた締付体を締付けたときの伝達トルクを測定した。ここで、伝達トルクとは、締結ボルトを所定の締付トルクで締付けた後、軸を回転しないように固定し、締付体を回転方向に負荷を掛けたときに、締付体が回転し始めたときのトルク値をいう。
実施例1および実施例4では、締結ボルトとしては、頭部のサイズがM5サイズ(頭部直径が8.5mm)のものを用い、締付体としては、図3(a)に示すCリング型の締付体7を用いた。
実施例2および実施例5は、締結ボルトとしては、頭部のサイズがM6サイズ(頭部直径が10mm)のものを用いた他は、実施例1と同様である。
実施例3および実施例6は、締結ボルトとしては、頭部のサイズがM6サイズ(頭部直径が10mm)のものを用い、締付体としては、図5(a)に示す半円状分割片を一対にした締付体7aを用いた。従って、この実施例3および実施例6では、締結ボルトが2本使用される。
なお、上記実施例1〜3で用いた締結ボルトにおいて、頭部下面におけるテーパ曲面の曲率は、M5サイズの実施例1の締結ボルトが7Rであり、M6サイズの実施例2および3の各締結ボルトが8Rである。
一方、比較例1〜3として、締結ボルトは、その構造を図9(b)に示す締結ボルト501を用いた。
比較例1では、締結ボルトの頭部サイズがM5サイズ(頭部直径が8.5mm)で、締付体が図3(a)に示すCリング型のものである。この比較例1は、実施例1,4に対応する。
比較例2では、締結ボルトの頭部サイズがM6サイズ(頭部直径が10mm)で、締付体が図3(a)に示すCリング型のものである。この比較例2は、実施例2,5に対応する。
比較例3では、締結ボルトの頭部サイズがM6サイズ(頭部直径が10mm)で、締付体が図5(a)に示す半円状分割片を一対にした締付体7aを用いた。従って、この比較例3では、締結ボルトが2本使用される。この比較例3は、実施例3,6に対応する。
なお、締付体および締結ボルトの材質は、実施例1〜6、比較例1〜3のいずれも、鋼である。
そして、実施例1,4および比較例1では、締結ボルトを締付けトルク7.6N・mの力で締付けた。また、実施例2,3,5,6および比較例2,3では、2本の締結ボルトをそれぞれ締付けトルク13.4N・mの力で締付けた。
次いで、締結ボルトを締付けた後、軸を回転しないように固定して、締付体に回転方向の力を加えて行き、締付体が回転し始めたときトルク値(伝達トルク)を測定した。この測定結果を表1に示す。
Figure 2005133940
表1より、伝達トルク値において、実施例1〜3、実施例4〜6は、各々が対応する比較例1〜3に比べて、いずれも約50%〜90%の割合で大きい。
また、頭部下面がテーパ曲面の締結ボルトである実施例1〜3は、頭部下面が単なるテーパの締結ボルトである実施例4〜6に比べて、約5%〜30%の割合で伝達トルク値が大きい。
このことから、実施例1〜3に使用されたテーパ曲面の締結ボルトや、実施例4〜6に使用されたテーパの締結ボルトによれば、頭部下面が平坦面形状の従来の締結ボルト(図9(b))に比べて、軸を強く締結させ、伝達トルクを大きくできることが分かる。
実施の形態1による締結具の構成を示す側面図である。 実施の形態2による締結具としての軸継手の全体構成を示す側面図である。 実施の形態2における軸継手の構成を示す一部断面図である。 実施の形態3による締結具としての軸継手の構成を示す一部断面図である。 実施の形態2,3における軸継手の他の例を示す断面図である。 実施の形態2,3における軸継手のさらに他の例を示す側面図である。 他の実施の形態による締結具としての軸継手の構成を示す断面図である。 さらに他の実施の形態による締結具としての軸継手の構成を示す断面図である。 従来の締結具としての軸継手の構成を示す一部断面図である。
符号の説明
1 締結ボルト
3 第一部材
3a 一方の端部(第一部材)
4 第二部材
4a 他方の端部(第二部材)
5 他の部材
5a 軸(他の部材)
6 軸継手
7 締付体
10 ボルト本体
11 雄ネジ
20 頭部
21 テーパ曲面
31,31a テーパ状座面
30,30a ボルト貫通孔
40,40a ネジ孔
72 すり割溝
h テーパ状座面でのテーパ曲面の接触位置高さ

Claims (7)

  1. ボルト貫通孔を設けた第一部材と、ネジ孔を設けた第二部材と、上記第一部材のボルト貫通孔に挿通させて上記第二部材のネジ孔にねじ込んでこれらの部材を締結させる締結ボルトとを備えた締結具において、
    上記第一部材におけるボルト貫通孔の座面は、テーパ溝に形成されたテーパ状座面とし、
    上記締結ボルトは、外周部に雄ネジが設けられた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けられてボルト本体よりも大径で上記ボルト貫通孔の座面に当接される頭部とを有し、且つ、上記頭部の下面がボルト本体の先端側に向けて縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とする締結具。
  2. 中心部に軸を挿通する軸孔部を設けるとともに軸方向にすり割溝を設け、且つ該すり割溝の対向する一端部に座面を有したボルト貫通孔を設けると共に他端部にネジ孔を設けた締付体と、
    上記締付体における一端部のボルト貫通孔を通して他端部のネジ孔に螺合させて該締付体を周方向に締付ける締結ボルトとを備えた締結具において、
    上記締付体におけるボルト貫通孔の座面は、テーパ溝に形成されたテーパ状座面とし、
    上記締結ボルトは、外周部に雄ネジが設けられた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けられてボルト本体よりも大径で上記ボルト貫通孔の座面に当接される頭部とを有し、且つ、上記頭部の下面がボルト本体の先端側に向けて縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とする締結具。
  3. 請求項2に記載の締結具において、
    上記締結ボルトが上記すり割溝の中間部分よりも外寄りに配置されるように上記ボルト貫通孔と上記ネジ孔が形成されていることを特徴とする締結具。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の締結具において、
    上記ボルト貫通孔の中心線が上記ネジ孔の中心線に対して外寄りに配置されるように上記ボルト貫通孔と上記ネジ孔とがオフセットされていることを特徴とする締結具。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の締結具において、
    上記締結ボルトにおける頭部下面のテーパ面は、外側に膨らむ曲面仕上げが施されたテーパ曲面に形成されていることを特徴とする締結具。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の締結具において、
    上記締結ボルトにおける頭部下面のテーパ面には、摩擦抵抗を低減させる安定化剤がコーティングされていることを特徴とする締結具。
  7. 外周部に雄ネジが設けられた棒状のボルト本体と、このボルト本体の端部に設けられてボルト本体よりも大径の頭部とを有する締結ボルトにおいて、
    上記頭部下面は、ボルト本体の先端側に向けて縮径するテーパ面に形成され、且つ該テーパ面が外側に膨らむ曲面仕上げが施されたテーパ曲面に形成されていることを特徴とする締結ボルト。

JP2004296099A 2003-10-09 2004-10-08 締結具 Active JP4194990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004296099A JP4194990B2 (ja) 2003-10-09 2004-10-08 締結具

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003350934 2003-10-09
JP2004296099A JP4194990B2 (ja) 2003-10-09 2004-10-08 締結具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005133940A true JP2005133940A (ja) 2005-05-26
JP4194990B2 JP4194990B2 (ja) 2008-12-10

Family

ID=34656059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004296099A Active JP4194990B2 (ja) 2003-10-09 2004-10-08 締結具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4194990B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007146942A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Kenwood Corp 皿ネジ防水締結構造
KR200452298Y1 (ko) * 2008-07-11 2011-02-16 한국산업기술대학교산학협력단 초정밀 위치결정 스테이지
JP2011064243A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Toyota Industries Corp 樹脂部品と金属部品とを締結する締結構造
JP2011144821A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Nsk Ltd 自在継手
WO2016114343A1 (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 京セラ株式会社 回転刃用ホルダ、切断装置用ユニット及び切断装置
KR20170019314A (ko) 2015-08-11 2017-02-21 가부시키가이샤 츠바키이안도에무 샤프트 커플링
JP2017529275A (ja) * 2014-08-28 2017-10-05 大行科技(深▲ゼン▼)有限公司 自転車のフロントフォーク
CN109571425A (zh) * 2017-09-28 2019-04-05 发那科株式会社 工业机械及其移设机构
CN117840664A (zh) * 2023-12-18 2024-04-09 中国科学院空间应用工程与技术中心 一种超高速导轨的高精度拼接结构及方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007146942A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Kenwood Corp 皿ネジ防水締結構造
JP4725304B2 (ja) * 2005-11-25 2011-07-13 株式会社ケンウッド 皿ネジ防水締結構造
KR200452298Y1 (ko) * 2008-07-11 2011-02-16 한국산업기술대학교산학협력단 초정밀 위치결정 스테이지
JP2011064243A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Toyota Industries Corp 樹脂部品と金属部品とを締結する締結構造
JP2011144821A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Nsk Ltd 自在継手
JP2017529275A (ja) * 2014-08-28 2017-10-05 大行科技(深▲ゼン▼)有限公司 自転車のフロントフォーク
WO2016114343A1 (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 京セラ株式会社 回転刃用ホルダ、切断装置用ユニット及び切断装置
JPWO2016114343A1 (ja) * 2015-01-14 2017-10-26 京セラ株式会社 回転刃用ホルダ、切断装置用ユニット及び切断装置
KR20170019314A (ko) 2015-08-11 2017-02-21 가부시키가이샤 츠바키이안도에무 샤프트 커플링
CN109571425A (zh) * 2017-09-28 2019-04-05 发那科株式会社 工业机械及其移设机构
CN117840664A (zh) * 2023-12-18 2024-04-09 中国科学院空间应用工程与技术中心 一种超高速导轨的高精度拼接结构及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4194990B2 (ja) 2008-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101091799B1 (ko) 체결구 및 체결볼트
US20100133812A1 (en) Tube Fitting
JP3586770B2 (ja) 2つの構成部材の間に取り外し可能な連結部を形成させる方法およびこの方法を実施するための連結システム
US7677612B2 (en) Clamp
JP2006502360A (ja) 公差補正取付け装置
WO2010150369A1 (ja) ねじ締付構造、ねじ、およびねじ締付工具
US6129456A (en) Bearing assembly with locking collar
JP4194990B2 (ja) 締結具
JP4099067B2 (ja) 誤差補償取付装置
US11519531B2 (en) Ferrule for a conduit fitting
JPH0579846B2 (ja)
JP2002221214A (ja) 部品と少なくとも1本のボルトからなる組立ユニット
JP2002130075A (ja) コモンレールと噴射管の接続構造
JP3755986B2 (ja) 締結方法
JP2004144235A (ja) 締結具
JP2001187911A (ja) ねじ締結構造
JP3018706U (ja) 弛み止めナット
EP1467109A1 (en) Threaded fastener
JP2009084884A (ja) 締め付け構造及び建築部材連結構造
JP3333435B2 (ja) 管継手
JP2008045598A (ja) 管継手
JP4263665B2 (ja) 管継手
JP3120186B2 (ja) フレアレス管継手
WO2018235615A1 (ja) 管状構造物
JP3940112B2 (ja) 管継手

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4194990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131003

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250