JP2005130781A - 植物培養用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物組織又は植物個体を培養するための、光独立栄養培養を行うのに適した植物培養用容器であって、安定して高い増殖・生長・分化の効率を見込める植物培養用容器を提供する。
【解決手段】炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルム又はシートを、その一部又は全体に用いて培養用容器を形成する。かかる炭酸ガス透過度及び水蒸気透過度を備えたフィルムやシートとしては、例えば、ポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルム又はシートを用いることができる。
【選択図】なし

Description

本願発明は、炭酸ガス透過度と水蒸気透過度とが、植物の培養に適した植物培養用容器、特に、光独立栄養培養による植物組織又は植物個体の培養に適した植物培養用容器に関する。
植物の組織培養にあたっては、雑菌の侵入を防ぎ、光透過性、耐熱性及び耐久性を有する培養用容器を用いる必要があることから、培養用容器として、ガラス又はポリカーボネートを素材とするものが汎用されている。
しかしながら、これらの素材は、炭酸ガス等の気体は殆ど透過しない。このため、培養されている植物組織、さらには、この植物組織から再分化する植物個体(発根苗や幼苗等)の光合成や呼吸を妨げ、これらの生育に悪影響を及ぼす場合があり、これは特に、植物組織又は植物個体に、炭酸ガスを供給して光独立栄養培養を行う場合に問題となった。
そこで、気体は透過するが、雑菌の侵入は防ぐことのできるフィルムを培養用容器の一部に用いたり、あるいは、このようなフィルムで培養用容器全体を形成することも行われている。例えば、このようなフィルムとして、特許文献1〜3に記載のもののように、炭酸ガス透過度が高く、且つ、水蒸気透過度が低いものを用いれば、これらの培養用容器を炭酸ガスを注入したボックス中に入れる等して、光独立栄養培養を行うことにより、植物組織又は植物個体の光合成を活発化させ、これらの増殖、生長又は分化の効率を向上させることができ、しかも、このとき、蒸散作用に起因する過乾燥が起こらないので、これらの植物組織又は植物個体が枯死することもない。
特公平6−40813 WO95/26396 特開平8−149973
しかしながら、炭酸ガス透過度が高く、且つ、水蒸気透過度が低い上記フィルムを用いた培養用容器で培養した場合においても、気体を殆ど透過しない素材からなる培養用容器と比べ、植物組織又は植物個体の増殖等の効率が向上しないことや、却ってこれらの効率が劣ることがあった。
本願発明は、かかる問題点に着目し、炭酸ガス透過度が高いフィルム又はシートを素材として用い、光独立栄養培養を行うのに適した培養用容器であって、安定して高い増殖・生長・分化の効率を見込める培養用容器を提供することを目的としてなされたものである。
本願発明者らは鋭意研究の結果、一定範囲の炭酸ガス透過度及び水蒸気透過度を有するフィルム又はシートを、培養用容器の一部又は全体に用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本願発明を完成した。
即ち、本願発明は、炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルム又はシートを、一部に用いてなることを特徴とする植物培養用容器、あるいは、かかるフィルム又はシートにより全体が形成されていることを特徴とする植物培養用容器に関する。なお、本願発明において、炭酸ガス透過度及び水蒸気透過度等の気体の透過度は、いずれも25℃において測定した場合の値である。
本願発明の植物培養用容器は、その一部又は全体が、適正な炭酸ガス透過度と水蒸気透過度とを有するフィルム又はシートにて形成されているので、その内部で培養される植物組織又は植物個体は、炭酸ガスの不足によって光合成を阻害されることがなく、光独立栄養培養も簡単に行うことができて高い効果が得られ、しかも、過湿となって障害を発生することもない。
従って、本願発明の培養用容器で培養すれば、植物組織又は植物個体を、安定して効率良く、増殖・生長・分化させることができる。
特に、本願発明の培養用容器を、定芽、不定芽、茎葉、枝又は葉等からの発根のための培養に用いた場合には、発根率が飛躍的に向上すると共に、発根までに要する時間も短縮される。
さらに、こうして得られた発根苗は、気孔の発達が良く、過湿による障害を受けていないため、順化工程を殆ど必要とせずに、鉢上げをすることができる。
本願発明において、植物培養用容器の一部又は全体に用いるフィルム又はシートは、炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、好ましくは80000〜250000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hr、好ましくは80〜200cc/atm・m2・24hr、特に好ましくは120〜200cc/atm・m2・24hrである。
炭酸ガス透過度が15000cc/atm・m2・24hr未満のフィルム又はシートを、一部又は全体に用いた培養用容器で植物組織又は植物個体を培養しても、容器外部に存在する炭酸ガスが容器内部に透過し難いため、培養用容器中の炭酸ガスは不足しがちとなり、光合成を阻害して増殖効率の低下を招くおそれがある。一方、炭酸ガス透過度が300000cc/atm・m2・24hrを超えるフィルム又はシートを、一部又は全体に用いた培養用容器で植物組織又は植物個体を培養しても、増殖効率の向上効果が小さく、むしろ、培養用容器内の植物組織又は植物個体の生育を阻害する場合があるからである。
また、水蒸気透過度が40cc/atm・m2・24hr未満のフィルム又はシートを、一部又は全体に用いた培養用容器で植物組織又は植物個体を培養すると、培養用容器内の雰囲気が過湿となって、植物組織又は植物個体が水浸状態となる、いわゆるガラス化等の障害が起こり、増殖効率が低下する。一方、水蒸気透過度が250cc/atm・m2・24hrを超えるフィルム又はシートを、一部又は全体に用いた培養用容器で植物組織又は植物個体を培養すると、蒸散作用により培養用容器内の雰囲気が過乾燥となって、これらが枯死するおそれがある。
なお、上記フィルムとしては、厚さ15〜60μmのものを用いるのが好ましい。厚さ15μm未満であると、フィルムに強度がないため、破れやすく、取扱いが困難となって実生産に適さない。一方、厚さが60μmを超えると、フィルムに柔軟性がなくなるため、やはり、取扱いが困難となって実生産に適さなくなる。
さらに、本願発明においては、上記炭酸ガス透過度及び水蒸気透過度を有するフィルム又はシートが、5000〜8000cc/atm・m2・24hrの酸素透過度を有することが好ましい。このようなフィルムやシートを一部又は全体に用いれば、その培養用容器の内部には、培養期間を通じて、常に、植物組織や植物個体の呼吸に充分な量の酸素が供給されるからである。
本願発明の植物培養用容器は、上記フィルムやシートを一部又は全体に用いたものであればよい。培養用容器の一部に用いる場合には、例えば、他の素材で形成された培養用容器の開口部の被覆材として、このフィルムや、アルミホイル等の一部に開けた穴にこのフィルムを貼りつけたものを用いればよい。培養用容器全体に用いる場合には、このフィルムやシートを任意の形状の袋状又は箱型に形成し、これをそのまま、あるいは、この袋や箱の形状を安定させるためのフレームをこれらの内側に入れて、用いればよい。このとき、培養用容器を形成するフィルムやシートとして、ヒートシール性を有するものを用いれば、袋や箱を容易に形成し、シールすることができる。
前記炭酸ガス透過度及び水蒸気透過度を備えたフィルム又はシートとして、具体的には、ポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルム又はシートを例示することができる。しかも、このポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルム又はシートは、ヒートシール性をも有しているので、本願発明に用いるフィルム又はシートとして好適である。このフィルム又はシートは、例えば、日生工業(株)より「PEBAX」という名称で販売されている。
本願発明の植物培養用容器は、どのような種類の植物に由来する植物組織であっても、また、どのような種類の植物個体であっても、培養することができる。例えば、ユーカリ、マツ、サクラ、アカシア、ヤマモモ、クヌギ、ブドウ、リンゴ、バラ、ツバキ、ウメ等の木本植物や、キク、カーネーション等の草本植物の培養にも、本願発明の植物培養用容器は用いることができる。
また、本願発明の植物培養用容器は、植物組織又は植物個体の各種培養に用いることができる。しかし、特に、植物組織の発根のための培養、及び、こうして培養することにより発根した発根苗を培養する容器として適している。発根に供される植物組織としては、定芽、不定芽、茎葉、枝又は葉等の、挿し木法、マイクロカッティング法又は組織培養法において発根に供される組織であれば、何であっても構わない。この培養用容器は、その一部又は全体が、優れた炭酸ガス透過性を有するフィルム又はシートで形成されているため、炭酸ガスを供給して行う光独立栄養培養に適しており、光独立栄養培養は、上記例示の植物組織のように、光合成能力を備えた植物組織からの発根に、特に適したものだからである。なお、ここで定芽とは、頂芽や腋芽など、植物において普通に形成される芽のことをいい、不定芽とは、枝、茎、葉、根など、通常は芽が形成されない部位に形成される芽のことをいう。
温室や屋外に生育している植物から、発根に供する組織を得るには、例えば、枝、定芽又は葉を切取って、これを発根用の植物組織として用いればよい。木本植物の場合は緑枝(当年枝)や熟枝(前年以前に伸びた枝)、草本植物の場合は定芽や葉を用いるのが普通である。また、マイクロカッティング法で行われているように、高さ30cm程度の幼木の頂芽を切除した後、形成される腋芽を切取り、これを発根に供してもよい。一方、組織培養物から、発根に供する組織を得る場合には、多芽体や苗条原基を誘導して得られる不定芽や、この不定芽から伸長してくる茎葉(シュートとも言う。)を、その根元付近から切取り、発根用植物組織として用いればよい。多芽体又は苗条原基は、それぞれの植物において公知の方法を用い、誘導することができる。
このようにして得られた定芽、不定芽、茎葉、枝又は葉からの発根にあたっては、これらの植物組織からの発根条件・発根方法として公知の条件及び方法を用いて行うことができる。
例えば、発根用培地としては、ムラシゲ・スクーグ(MS)やガンボーグのB5等、植物の組織培養用培地として一般的に良く知られた基本培地又はこれを希釈したものに、必要に応じ、植物ホルモンとして1種類以上のオーキシン類、及び/又は、炭素源としてショ糖5〜30g/lを添加して用いることができる。オーキシン類も特に限定されるものではないが、インドール酪酸(IBA)やナフタレン酢酸(NAA)等が入手も容易であり使いやすい。固体培地の場合には、上記成分に寒天又はゲランガムを更に加え、固化させて使用する。炭酸ガスを供給して光独立栄養培養を行う場合には、炭素源としてショ糖等の炭水化物を用いる必要はない。また、市販の家庭用園芸肥料もそのまま、又は適宜希釈して発根用培地として用いることができる。
ユーカリ属の不定芽又は茎葉を発根させる場合は、MS培地又はガンボーグのB5培地を4倍希釈したものに、植物ホルモンとして、IBA、インドール酢酸(IAA)、2ジクロロインドール酢酸(Cl−IAA)及びNAAの1種以上を0.5〜5.0mg/l、好ましくは1.0〜3.0mg/l添加した培地を、発根用の培地として用いることができる。温室や屋外に生育しているユーカリから得られた枝、定芽又は葉を発根させる場合は、8倍から16倍に希釈したMS培地若しくはガンボーグのB5培地、又は250〜500倍に希釈した家庭園芸用複合肥料(例えば、(株)ハイポネックスジャパン製『ハイポネックス液5−10−5(登録商標)』)に、必要に応じて上記植物ホルモンを添加し、発根用の培地として用いることができる。
なお、発根用培地として液体培地又は液肥を用いる場合には、本願発明の培養用容器内に多孔性支持体を入れて予め液体培地または液肥で湿潤させておき、これに、前記の定芽、不定芽、茎葉、枝又は葉の基部を挿し付けて培養すればよい。多孔性支持体は、液体培地又は液肥で湿潤させてから培養用容器内に入れてもよいし、多孔性支持体を培養用容器内に入れてから、この容器内に液体培地又は液肥を注入することにより湿潤させてもよい。
多孔性支持体としては、赤土(赤玉土)、川砂、山砂、鹿沼土、バーミキュライト、パーライト、ピートモス、水ごけ等、一般的な支持体を使用することができる。その他の発根用資材として、発泡フェノール樹脂成型品(スミザーオアシス社製『オアシス(登録商標)』)や、コットンパルプとバーミキュライトとの混合物の成型品(日清紡績(株)製『フロリアライト(登録商標)』)等も用いることができる。
本願発明の培養用容器を用いて光独立栄養培養を行う場合は、この容器内に、培地又は培地で湿潤させた支持体を入れて植物組織又は植物個体を置床した後、容器ごと、炭酸ガスを注入して高濃度とした培養ボックス、培養室又は温室等に入れて培養を行えばよい。本願発明の培養用容器は、その一部又は全体が優れた炭酸ガス透過性を有するフィルムやシートで形成されているため、これを炭酸ガス高濃度の環境下に置くだけで、その内部には、充分な量の炭酸ガスが供給され、植物の光合成を活発化させるからである。例えば、定芽、不定芽、茎葉、枝又は葉等からの発根を行う場合には、炭酸ガス濃度を800〜1500ppmとした培養ボックス等に入れ、温度を15〜30℃、光強度を30μmol/m2/sec以上として培養することが好ましい。
作用
炭酸ガス透過度が高いフィルムやシートを一部又は全体に用いて形成された培養用容器は、容器外部から内部へと、炭酸ガスが比較的自由に透過するため、その内部で植物組織又は植物個体を培養した場合でも、炭酸ガスが不足して光合成が阻害されることはない。特に、かかる培養用容器を、炭酸ガスを注入して高濃度とした培養ボックスに入れる等して光独立栄養培養を行えば、その容器内部には充分な量の炭酸ガスが供給されるため、光合成は活発化する。
しかしながら、本願発明者らは、炭酸ガス透過度が高いフィルムやシートであっても、一定範囲の水蒸気透過度がないフィルムやシートは、これを培養用容器の一部又は全体に用いた場合、容器内部の過湿を招いて、培養している植物組織又は植物個体にガラス化等の障害を発生させるため、炭酸ガスを殆ど透過しない培養用容器で培養した場合と比べても、植物組織又は植物個体の増殖等の効率が向上しないことや、却ってこれらの効率が劣る場合もあることを見出した。
本願発明の培養用容器は、15000〜300000cc/atm・m2・24hrの炭酸ガス透過度を備えると共に、40〜250cc/atm・m2・24hrの水蒸気透過度をも備えたフィルムやシートにて、その一部又は全体が形成されているので、容器内部の植物組織又は植物個体は、炭酸ガスが不足して光合成を阻害されることがなく、光独立栄養培養も簡単に行うことができて高い効果が得られ、しかも、過湿となって障害を発生することもない。従って、本願発明の培養用容器で培養すれば、植物組織又は植物個体を、安定して効率良く、増殖・生長・分化させることができる。
特に、本願発明の培養用容器を、定芽、不定芽、茎葉、枝又は葉等からの発根のための培養に用いた場合には、根組織の分化と増殖が促進されて、発根率が飛躍的に向上すると共に、発根までに要する時間も短縮される。さらに、こうして得られた発根苗は、発根培養の当初から炭酸ガスを取り入れて光合成を行っているため気孔の発達が良く、また、過湿による障害を受けていないため、順化工程を殆ど必要とせずに、鉢上げをすることができる。
以下、実施例により本願発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
植物培養用容器として、厚さ25μm、炭酸ガス透過度140000cc/atm・m2・24hr、水蒸気透過度160cc/atm・m2・24hrのポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルムにて、その全体が形成された横25cm×縦50cmの長方形の袋を用いた。
この袋の中に、予め発根用液体培地で湿潤させた発泡フェノール樹脂成型品を入れておき、特許第2696465号に示す方法にて誘導した、ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus、以下、単にE.グロブラスと略記する。)の多芽体から伸長してきた茎葉75本を切取って、この成型品表面に挿し付けた。次いで、袋の開口部をシールしてから、これを炭酸ガス濃度1000〜1200ppmに制御した培養室に入れ、温度24℃、光強度50μmol/m2/secの光を1日16時間照射、培養ボックス中の湿度は特に調整しないで(約40%以下)培養を行った。
なお、このとき、発根用液体培地としては、4倍に希釈したMS培地にIBA2mg/lを添加し、pH5.8に調整したものを用いた。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このときE.グロブラスの茎葉は、2〜3週間で肉眼にて発根が確認され、また、4週間後の発根率は99%と、極めて高い値を示した。
[比較例1]
植物培養用容器として、ポリカーボネート製の容器に面積1.2cm2の開孔を2ヶ所設け、これを、厚さ200μm、水蒸気透過度22000cc/atm・m2・24hrのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるフィルム(ミリポア社製『ミリシール0.45μm』)にて塞いだものを用いた他は、実施例1と同様にして、E.グロブラス茎葉の培養を行った。なお、このPTFEフィルムは、炭酸ガス透過度が極めて高いため、その正確な値は測定不能である。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このときE.グロブラスの茎葉は、肉眼にて発根が確認されるまで4週間かかり、また、4週間後の発根率は15%に過ぎなかった。
[比較例2]
比較例1で用いた植物培養用容器を用い、培養ボックス中の湿度を60%に調整して培養を行った他は、実施例1と同様にして、E.グロブラス茎葉の培養を行った。
結果を表1に示す。表1より明らかなように、このときE.グロブラスの茎葉は、4週間後に発根率96%を示したが、比較例1の場合と同じく、肉眼にて発根が確認されるまで4週間を要した。
Figure 2005130781
[実施例2]
植物培養用容器を形成する素材として、炭酸ガス透過度50000cc/atm・m2・24hr、水蒸気透過度50cc/atm・m2・24hrのポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして、E.グロブラス茎葉の培養を行った。
結果を表2に示す。表2より明らかなように、このとき、E.グロブラス茎葉の4週間後の発根率は68%と、高い値を示した。
[実施例3]
植物培養用容器を形成する素材として、厚さ50μm、炭酸ガス透過度98000cc/atm・m2・24hr、水蒸気透過度100cc/atm・m2・24hrのポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして、E.グロブラス茎葉の培養を行った。
結果を表2に示す。表2より明らかなように、このとき、E.グロブラス茎葉の4週間後の発根率は90%と、極めて高い値を示した。
[比較例3]
植物培養用容器を形成する素材として、炭酸ガス透過度30000cc/atm・m2・24hr、水蒸気透過度35cc/atm・m2・24hrのポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして、E.グロブラス茎葉の培養を行った。
結果を表2に示す。表2より明らかなように、このとき、E.グロブラス茎葉の4週間後の発根率は15%に過ぎなかった。
[比較例4]
植物培養用容器を形成する素材として、炭酸ガス透過度280000cc/atm・m2・24hr、水蒸気透過度300cc/atm・m2・24hrのポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして、E.グロブラス茎葉の培養を行った。
結果を表2に示す。表2より明らかなように、このとき、E.グロブラス茎葉の4週間後の発根率は19%に過ぎなかった。
Figure 2005130781
[実施例4]
発根用培地で培養を行う材料として、屋外に植栽したサクラ(品種名『ソメイヨシノ』)の当年生枝を採取して、これを一節ごとに切断し、各切片が葉を一枚づつ有するように調製したものを用いた他は、実施例1と同様にして培養を行った。
結果を表3に示す。表3より明らかなように、このとき、サクラ当年生枝の4週間後の発根率は91%と、極めて高い値を示した。
[比較例5]
比較例1で用いた植物培養用容器を用いた他は、実施例5と同様にしてサクラ当年生枝の培養を行った。
結果を表3に示す。表3より明らかなように、このとき、サクラ当年生枝の4週間後の発根率は16%に過ぎなかった。
Figure 2005130781

Claims (5)

  1. 炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルム又はシートを、一部に用いてなることを特徴とする、植物培養用容器。
  2. 炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルム又はシートにより全体が形成されていことを特徴とする、植物培養用容器。
  3. 炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルム又はシートとして、ポリエーテル・ポリアミドブロック共重合体からなるフィルム又はシートを用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の植物培養用容器。
  4. 炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルムとして、厚さ15〜60μmのフィルムを用いることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の植物培養用容器。
  5. 炭酸ガス透過度が15000〜300000cc/atm・m2・24hr、且つ、水蒸気透過度が40〜250cc/atm・m2・24hrであるフィルム又はシートが、更に5000〜8000cc/atm・m2・24hrの酸素透過度を有していることを特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載の植物培養用容器。
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