JP2005128110A - メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。 - Google Patents

メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2005128110A
JP2005128110A JP2003361352A JP2003361352A JP2005128110A JP 2005128110 A JP2005128110 A JP 2005128110A JP 2003361352 A JP2003361352 A JP 2003361352A JP 2003361352 A JP2003361352 A JP 2003361352A JP 2005128110 A JP2005128110 A JP 2005128110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
glass lens
red
lens
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003361352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005128110A5 (ja
Inventor
Takashi Tsutsumi
高志 堤
Hisanori Kurosaki
久宜 黒崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OMG Co Ltd Japan
Original Assignee
OMG Co Ltd Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OMG Co Ltd Japan filed Critical OMG Co Ltd Japan
Priority to JP2003361352A priority Critical patent/JP2005128110A/ja
Publication of JP2005128110A publication Critical patent/JP2005128110A/ja
Publication of JP2005128110A5 publication Critical patent/JP2005128110A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/02Compositions for glass with special properties for coloured glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】鉛を含むことなく赤色発色し、視認性を確保しつつ紫外線透過率を抑制したメガネ用ガラスレンズ、メガネ、又は紫外線透過率を抑制した撮影カメラ用フィルターガラスレンズの提供。
【解決手段】SiOを40〜80重量%、Auを0.001〜0.1重量%、SnO又はSnOを0.001〜0.05重量%、CeOを0.1〜1重量%、及びCoOを0.0001〜0.001重量%含有する赤色ガラスレンズ。メガネ用ガラスレンズとして使用する場合には、そのレンズ上にカラーコート層、反射防止膜層、防曇膜層及び金属蒸着膜層のうち一種又は二種以上積層することが好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法に関するものである。
ガラスは、多種多様な商品に使用されている。例えば、サングラスやファッションメガネ等のメガネレンズに使用されることがあり、市場での流行性から、赤色系統の着色メガネレンズが強く望まれる場合がある。
また、ガラスは、写真撮影用カメラや映像撮影用カメラ等のカメラ用フィルターガラスレンズとしても活用されており、例えば、晴天時に撮影した写真に生じる青みを抑える目的で、写真等の撮影用カメラに装着される。このようなフィルターガラスレンズは、紫外線透過率を十分に抑える性質の他、薄い赤色を有するフィルターガラスレンズであることが好適である。薄い赤色フィルターガラスレンズを使用することにより、晴天時に撮影した被写体の写真を自然色に近づけることができる。それは、被写体に当たる青空の反射光と紫外線の影響によって生じる被写体の青みを、ガラスレンズの薄い赤色で色補正することが可能だからである。
このような、赤色着色ガラスレンズは、一般にガラス中にAuコロイドを成長、分散させることで製造することが可能である。このAuコロイドが分散したガラスは、例えば、特許文献1に開示されている方法で製造することができる。
特公昭54−2647号公報
特許文献1に記載されたガラスの製造方法は、主原料にSiOを使用し、これにAuやPbO等を混合したガラス原料を溶融後、冷却してガラスを製造する方法である。
しかしながら、この特許文献1に記載された発明は、ガラス原料の中にPbを含有させる点で問題である。即ち、ガラス中の鉛は、外部に溶出することがないものの、ガラスをレンズ等に加工する段階の研磨工程で生ずるガラスカレットから、鉛が溶出して人体及び環境に悪影響を及ぼす可能性があって好ましいものとは言えない。
また、鉛がガラス中に含まれていれば、この鉛は、ガラス中のイオンを交換することでガラス強度を向上させる化学強化を阻害する物質となる。そのため、鉛を含有するガラス製品は、十分なガラス強度を有さない比較的割れ易いガラス製品となる。この割れ易さは、付け外しの機会が多いメガネレンズや撮影カメラ用フィルターガラスレンズにおいて、特に問題となる。
さらに、比重の大きな鉛をガラスに含有させることは、ガラス自体の比重を高めるものとなる。これは、ガラス製品の軽量化に進む技術動向に反するものであり、メガネレンズとしては致命的な欠点になりかねない。
ところで、メガネレンズは、紫外線が目に入射することを抑制するためのサングラスとして使用される場合がある。しかし、紫外線透過率を低くしたサングラスは、可視光線を遮断又は減衰させることが通常である。この場合、サングラス越しに視認することができる風景が不明瞭となって、身の回りで生じている状況の判断能力が低下し、危険極まりない。
明瞭な視認性を確保し安全性を高めるための規格としては、米国工業規格(ANSI)や欧州規格標準委員会(CEN)等、世界各国で規格が定められている。例えば、ANSIのZ80.3の規格では、紫外線カットの規格の他に、明瞭な視認性を確保し安全性を高めるための規格が定められている。その規格は、次の通りである。
(1)視感度透過率は、必ず3%以上でなければいけない。
(2)運転用のレンズは視感度透過率が8%以上で、波長500〜650nmの分光透過率において常に視感度透過率の20%以上でなければいけない。
(3)信号の3色の認識に問題ない色であること。即ち、赤信号の発する光の透過率が8%以上、黄信号の発する光の透過率が6%以上、青(緑)信号が発する光の透過率が6%以上であることが規格化されている。
Z80.3の規格は、さらに内容が細分化されており、Cosmetic lens、General purpose lens、Special purpose lensとして規格が定められている。その内容は、少なくとも次表1の内容を満たさなければならない。
Figure 2005128110
つまり、ANSI Z80.3を満たすメガネ用レンズが市場において要求されているのである。さらに、Z80.3の規格で更に細分化されたGeneral purpose lens等の規格に対応できるガラスレンズを、統一した製造工程を有する方法で製造できれば便利であり、簡略化された多品種少量生産を実現できる。
上述のような事情に鑑み、本発明の目的は、鉛を含まないメガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ又は鉛を含まない撮影カメラ用フィルターガラスレンズを提供することである。また、本発明は、視認性を確保しつつ紫外線透過率を抑制したメガネレンズ及びメガネ又は紫外線透過率を抑制した撮影カメラ用ガラスレンズフィルターを提供することを目的とする。
本発明は、メガネ用赤色ガラスレンズであって、SiOを40〜80重量%、Auを0.001〜0.1重量%、SnO又はSnOを0.001〜0.05重量%、CeOを0.1〜1重量%、及びCoOを0.0001〜0.001重量%含有することを特徴とするメガネ用赤色ガラスレンズである。
このメガネ用赤色ガラスレンズは、鉛を含んでいない金コロイドによる赤色発色レンズである。また、CeOにより360nm以下の波長光の光透過率を低透過率とし、レンズの光透過率曲線が340〜370nmで急勾配となることを実現する赤色ガラスレンズである。この赤色ガラスレンズは、サングラスとして好適に使用できる赤色ガラスレンズである。
また、光波長530nm付近の透過率と他の可視光線の透過率に大きな差を有する。そして、可視光線のブルー領域を完全にカットするのではなく、低透過率に抑える。即ち、可視域の全ての光を損なうことなく、高いコントラストを生じさせるメガネ用レンズとして好適に使用できるものである。
CoOは、580〜660nm付近を中心とした波長光を0.5〜2%吸収し、ガラスに青みを加えることになる。これによって、赤色発色の赤みを和らげることが可能となる。このような、赤色発色の赤みを抑えたガラスは、独特の色調を生じ、ファッション用メガネレンズとして好適に使用できるものである。
前記メガネ用赤色ガラスレンズは、Seを0.1重量%以下含有するものであることが好適である。セレンを含有することにより、セレン化金コロイドが生じ、これが赤色発色をする。また、ガラスレンズの赤色発色を促進及び安定化させる。
前記メガネ用赤色ガラスレンズは、Ndを0.001〜7重量%含有することが好ましい。Ndを含有することで、波長580nm付近の光を吸収し、ガラスレンズの赤色を鮮やかにする。そして、波長580nm付近の光を吸収してコントラスト効果を高めることで、赤色交通信号光の視認性が高いメガネ用赤色ガラスレンズとなる。
また、前記メガネ用赤色ガラスレンズは、レンズを加熱することによって、赤色の濃色化を自在に調整することができる。赤色の濃色化に伴い、波長530nm付近を光吸収ピークとした可視光線の透過率を低減することができる。
例えば、厚みが2mmであって、波長330〜380nmの透過率が0〜90%、波長380〜490nmの透過率が85〜90%、波長490〜610nmの透過率が83〜93%、波長610〜800nmの透過率が85〜95%であるメガネ用赤色ガラスレンズを加熱して濃色化した場合、波長330〜380nmの透過率が0〜65%、波長380〜490nmの透過率が25〜40%、波長490〜610nmの透過率が8〜75%、波長610〜800nmの透過率が63〜93%であるメガネ用赤色ガラスレンズとすることが可能である。
前記メガネ用赤色ガラスレンズは、B、Al、TiO、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO及びSbから選ばれる一種又は二種以上を組成としても良い。好適には、B、Al、NaO、KO、CaO、ZnO及びSbからなる組み合わせを選択することである。
上記各組成物の濃度は、Bが40重量%以下、Alが20重量%以下、TiOが0.1〜0.3重量%、LiO、NaO及びKOのアルカリ金属酸化物を1〜3種選択した場合、その総重量濃度が5〜30重量%、MgO、CaO、SrO及びBaOのアルカリ土類金属酸化物を1〜4種選択した場合、その総重量濃度が5〜30重量%、ZnOが2〜25重量%、Sbが0.1〜3重量%であると良い。好ましくは、Bが25重量%以下、Alが10重量%以下の濃度とすることである。
上記ガラス組成のうち、B、Al、TiO、ZnO及びSbの効果は次の通りである。Bは、ガラスの熱膨張係数を低くして耐熱衝撃性を向上させ、急冷及び加熱に強いガラスとする。Alは、化学耐久性を良化させる。ZnOは、粘性を穏やかに調整する。TiOは、波長380nm以下の紫外線カット効果及びガラスの屈折率を高めることを可能とするものである。Sbは、溶融ガラス原料中に生じる気泡の脱泡剤としての作用がある。
前記メガネ用赤色ガラスレンズの表面及び/又は裏面に、カラーコート層、反射防止膜層、防曇膜層及び金属蒸着膜層のうち一種又は二種以上の層を積層することが好適である。
金属蒸着膜層は、アルミ等を蒸着させて鏡面処理を行うと良い。また、金属蒸着によってフラッシュミラーやスプリットミラーなどの鏡面処理を行っても良い。また、フラッシュミラー層の上にスプリットミラー層を形成することでも良い。
この積層構造をもたせたメガネ用レンズは、ANSI Z80.3、CENその他の各国工業規格の目的、用途、カテゴリー別の規格にも対応できるメガネ用ガラスレンズを提供することが可能である。例えば、図1は、メガネ用赤色ガラスレンズ表面に積層したレンズの一部断面図である。このレンズは、メガネ用ガラスレンズ1の表面に金属(アルミ)蒸着膜層2を形成して鏡面加工し、メガネ用ガラスレンズの裏面にブルーカラーコート層3及び反射防止膜4を順次形成したレンズである。このレンズは、Special purpose lens規格に対応するレンズを提供することができる。
本発明は、前記メガネ用ガラスレンズを使用したメガネである。ガラスレンズには、前記メガネ用赤色ガラスレンズ又はこのメガネ用赤色ガラスレンズの表面及び/又は裏面に、カラーコート層、反射防止膜層、防曇膜層及び金属蒸着膜層のうち一種又は二種以上の層を積層したレンズを使用すると良い。
本発明は、撮影カメラ用フィルターガラスレンズであって、SiOを40〜80重量%、Auを0.001〜0.1重量%、SnO又はSnOを0.001〜0.05重量%、CeOを0.1〜1重量%及びCoOを0.0001〜0.001重量%含有することを特徴とする撮影カメラ用フィルターガラスレンズである。
前記撮影カメラ用フィルターガラスレンズは、Seを0.1重量%以下含有することが好適である。また、Ndを0.001〜7重量%含有することも好適である。
前記撮影カメラ用フィルターレンズも、鉛を含まない、赤色レンズである。また、340〜370nmの透過率曲線を急勾配とするフィルターレンズである。つまり、370nm以下の紫外線透過率を十分に低く抑え、晴天時の写真撮影に適したカメラ用ガラスフィルターレンズとして好適に使用できるものである。
前記撮影カメラ用フィルターガラスレンズは、B、Al、TiO、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO及びSbから選ばれる一種又は二種以上を組成としても良い。好適には、B、Al、NaO、KO、CaO、ZnO及びSbからなる組み合わせを選択することである。
上記各組成物の濃度は、Bが40重量%以下、Alが20重量%以下、TiOが0.1〜0.3重量%、LiO、NaO及びKOのアルカリ金属酸化物を1〜3種選択した場合、その総重量濃度が5〜30重量%、MgO、CaO、SrO及びBaOのアルカリ土類金属酸化物を1〜4種選択した場合、その総重量濃度が5〜30重量%、ZnOが2〜25重量%、Sbが0.1〜3重量%であると良い。好ましくは、Bが25重量%以下、Alが10重量%以下の濃度とすることである。
本発明は、赤色ガラスレンズを製造する方法であって、SiO、Au、SnO、CeO及びCoOを含有するガラス原料を調合するガラス原料調合工程、ガラス原料を溶融する工程、及び溶融ガラス原料を徐冷してガラス化する工程を備えることを特徴とする赤色ガラスレンズの製造方法である。
また、本発明は、赤色ガラスレンズを製造する方法であって、SiO、Au、SnO、CeO及びCoOを含有するガラス原料を調合するガラス原料調合工程、ガラス原料を溶融する工程、及び溶融ガラス原料を急冷してガラス化する工程、急冷してガラス化したガラスを加熱して赤色を発色させる工程を備えることを特徴とする赤色ガラスレンズの製造方法である。
前記赤色ガラスレンズの製造方法におけるガラス原料は、Seを含有することが好適である。また、Ndを含有することも好適である。
これらの赤色ガラスレンズの製造方法で得られるガラスは、CoOをガラス原料に含有しているので、580〜660nmの波長光を吸収し、青みを加えた独特の色調を持った赤色ガラスレンズである。またCeOをガラス原料に使用した結果、360nm以下の波長光の光透過率を低透過率とするので、紫外線のシャープカット性を実現したガラスを得ることができる。即ち、前記赤色ガラスレンズの製造方法は、鉛を含まずとも、赤色発色するものであり、前記メガネ用赤色ガラスレンズや撮影カメラ用フィルターガラスレンズの製造方法として好適に使用することができる方法である。
前記ガラス原料を調合するガラス原料調合工程では、SiO、Au、SnO、CeO、CoO、Se及びNd以外の原料を調合しても良い。この場合、製造される赤色ガラスレンズ中に、B、Al、TiO、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO及びSbの群から選ばれる一種又は二種以上が含まれるようにガラス原料を調合すると良い。
前記ガラス原料を溶融する工程は、このガラス原料を1350〜1480℃の溶融温度で溶融し、溶融を8〜12時間保持することで行うと良い。この範囲外では、発色斑が生じ易い場合がある。
前記溶融ガラス原料を徐冷してガラス化する工程は、徐冷炉を使用して徐冷することになる。この場合、500〜900℃の温度範囲で赤色が発色する。徐冷の冷却速度を調整することで、赤色発色の濃淡を自在に制御することが可能である。この濃淡の制御に対応して、光波長530nm付近を吸収ピークとした光透過率の高低を制御することができる
一方、溶融ガラス原料を急冷してガラス化する工程では、その後に急冷してガラス化したガラスを加熱して赤色を発色させる必要がある。
溶融ガラスの急冷は、急冷中、ガラス内に歪が生じないように行う。歪みが生ずれば、ガラス割れが起こることになるからである。例えば、厚さ4mmの板状ガラスである場合、溶融ガラスを10分以内で500℃以下に冷却すると良い。急冷した場合には、赤色発色のないガラスを製造することができる。
ガラスを加熱して赤色を発色させる工程は、520〜600℃のバッチ式炉内で赤色を発色又は濃色化することができる。好適には、連続してガラスを投入することができるトンネル炉で発色させることである。この場合、トンネル内を進むにつれて段階的に温度上昇するものであって、トンネル入り口付近温度(最低温度)が500℃であり、最高温度が960℃である場合、ガラスがトンネル炉を20〜30分間で通過すると、鮮明な赤色のガラスを得ることができる。
トンネル炉で赤色を発色させる場合、トンネル炉の通過時間を短縮又はトンネル炉内温度を低くすれば、赤色発色は、淡色となり、光波長530nm付近の透過率が高透過率となる傾向がある。但し、トンネル炉内の最高温度は、500℃以上にするべきである。一方、トンネル炉の通過時間を延長又はトンネル炉内の温度を高めれば、赤色発色は、濃色となり、光波長530nm付近の透過率が低透過率となる傾向がある。
前記赤色ガラスレンズの製造方法において、ガラスレンズ形状への成形は、ガラス温度が500〜900℃の温度範囲で行うことができる。必要に応じ、徐冷又は急冷途中にレンズ形状にプレス成形しても良い。また、500〜900℃程度の温度に急加熱してレンズの形状にプレス成形後、急冷して赤色発色させずにプレス成形することも可能である。また、発色炉を通じた後の赤色発色した軟化ガラスをプレス成形することも可能である。
前記赤色ガラスレンズの製造方法で得られた赤色ガラスレンズを加熱して、当該レンズの赤色を濃色化することが可能である。即ち、製造したガラスが、目的とする赤色よりも淡色となっている場合には、再加熱によって目的とする色にまで濃色調整することが出来る。赤色を濃色にするほど、波長530nm付近の光透過率を低下させることが出来る。
上記のように構成された発明によれば、鉛を含むことなく赤色発色し、視認性を確保しつつ紫外線透過率を抑制したメガネ用ガラスレンズ、メガネ、又は赤色発色し、紫外線透過率を抑制した撮影カメラ用フィルターガラスレンズを提供することができる。
以下に実施例に基づき、本発明の実施形態を具体的に説明する。
各実施例における赤色ガラスレンズは、ガラス原料の調合工程、ガラス原料を溶融する工程、溶融ガラス原料を急冷してガラス化する工程、ガラスレンズの成形工程及び赤色発色工程を順次経た後、レンズの研磨処理を行った赤色ガラスレンズである。
(ガラス原料の調合)
調合組成を、SiOが68.2重量部、Naが1.9重量部、Alが1.6重量部、NaCOが19.1重量部、NaNOが1.5重量部、KCOが11.3重量部、CaCOが9.0重量部、ZnOが3.0重量部、Sbが0.7重量部、SnOが0.02重量部、Seが0.006重量部、CoOが0.0005重量部、CeOが0.5重量部、Auが0.007重量部、Ndが0.001重量部とした。
なお、この調合組成によって得られる、ガラスレンズの組成は、SiOが67.93重量%、Bが1.30重量%、NaOが12.28重量%、Alが1.60重量%、KOが7.69重量%、CaOが4.98重量%、ZnOが2.99重量%、Sbが0.70重量%、SnOが0.02重量%、Seが0.006重量%、CoOが0.0005重量%、CeOが0.50重量%、Auが0.007重量%、Ndが0.001重量%である。
(ガラス原料の溶融及び溶融ガラス原料の急冷)
溶融温度1480℃で溶融し、この温度を9時間保持した。その後、この溶融ガラスを10分以内に500℃以下まで急冷して、ガラスを得た。この得られたガラスは、目視で確認したところ、赤色発色はしていなかった。
(ガラスレンズの成形)
ガラスを周囲温度500℃以下で6分間予熱した。次に、周囲温度900℃、6分間の短時間で急加熱してプレス成形した。プレス成形後、急冷してガラスを500℃以下になるようにした。この急冷後のガラスは、赤色発色していなかった。
(赤色発色工程)
その後、ガラスレンズを連続式のトンネル炉に通じて、赤色発色させた。このときのトンネル炉の内部温度は、トンネル入り口付近の温度を400℃、トンネル内の最高温度を765℃とした。トンネル炉を20分で通過したガラスレンズは、薄い赤色を発色していた。
以上の操作によって得られたガラスレンズを研磨処理した。研磨後のガラスレンズの厚みは、2mmであった。
赤色発色条件のみが実施例1と異なる方法により、赤色発色ガラスレンズを製造した。赤色発色条件は、トンネル入り口付近の温度を600℃、トンネル内の最高温度を900℃とした。ガラスは、トンネル炉を20分で通過した。実施例2のガラスレンズと実施例1のガラスレンズの赤色発色を比較したところ、実施例1のガラスレンズよりも、実施例2のガラスレンズの方が、鮮明で濃い赤色を発色していた。またこのガラスレンズの厚みは、研磨後2mmであった。
実施例2と同じ方法で、ガラスレンズを製造した。このガラスレンズを研磨処理した後、ガラスレンズ表面に層を形成した。コーティング層の形成は、図1に示す層を形成した。つまり、ガラスレンズ1の表面にアルミ蒸着層(鏡面層)2を形成し、ガラスレンズの裏面には、ブルーカラーコート層3を形成した後、更に反射防止膜層4を形成した。
以上によって、得られた実施例1、実施例2及び実施例3の光透過率特性(光波長範囲300〜800nm)を、分光光度計で測定した。図2は、実施例1と実施例2のレンズの光透過率特性測定結果を表したグラフである。図3は、実施例3のレンズの光透過率特性測定結果を表したグラフである。次表2は、光透過率測定値である。
Figure 2005128110
また、ANSI Z80.3に規格されている視感度透過率、赤信号光透過率、黄信号光透過率、緑信号光透過率、290〜315nm波長光透過率及び315〜380nm波長光透過率は、次表3の通りであった。
Figure 2005128110
表3から、実施例1のガラスレンズは、ANSI Z80.3のCosmetic lens規格(視感度透過率:40%以上、赤信号光最低透過率:8%、黄信号光最低透過率:6%、緑信号光最低透過率:6%、290〜315nmの波長光最高透過率:0.125×視感度透過率、315〜380nmの波長光最高透過率:視感度透過率)を全て満たしていることが確認された。
実施例2のガラスレンズは、General purpose lens規格(視感度透過率:8〜40%、赤信号光最低透過率:8%、黄信号光最低透過率:6%、緑信号光最低透過率:6%、290〜315nmの波長光最高透過率:0.125×視感度透過率、315〜380nmの波長光最高透過率:視感度透過率)を全て満たしていることが確認された。
実施例3のガラスレンズは、ANSI Z80.3のSpecial purpose lens規格(視感度透過率:3〜8%、290〜315nmの波長光最高透過率:1%、315〜380nmの波長光最高透過率:0.5×視感度透過率)を全て満たしていることが確認された。
また、実施例1及び実施例2のガラスレンズは、ANSIの道路上及びドライブ時の使用に関する規定(500〜650nmの波長光の透過率が、0.2×視感度透過率以下ではあってはならないこと)も満たされていることが確認されている。
実施例3のレンズ一部断面構造を図示したものである。 実施例1及び実施例2のガラスレンズの光透過率特性を示したグラフである。 実施例3のガラスレンズの光透過率特性を示したグラフである。
符号の説明
1 メガネ用赤色ガラスレンズ
2 アルミ蒸着層
3 ブルーカラーコート層
4 反射防止膜層

Claims (12)

  1. メガネ用赤色ガラスレンズであって、SiOを40〜80重量%、Auを0.001〜0.1重量%、SnO又はSnOを0.001〜0.05重量%、CeOを0.1〜1重量%、及びCoOを0.0001〜0.001重量%含有することを特徴とするメガネ用赤色ガラスレンズ。
  2. 前記メガネ用赤色ガラスレンズは、Ndを0.001〜7重量%含有する請求項1に記載のメガネ用赤色ガラスレンズ。
  3. 前記メガネ用赤色ガラスレンズは、Seを0.1重量%以下含有する請求項1又は2に記載のメガネ用赤色ガラスレンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のメガネ用赤色ガラスレンズの表面及び/又は裏面に、カラーコート層、反射防止膜層、防曇膜層及び金属蒸着膜層のうち一種又は二種以上の層を積層したメガネ用ガラスレンズ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載されたメガネ用ガラスレンズを使用したメガネ。
  6. 撮影カメラ用フィルターガラスレンズであって、SiOを40〜80重量%、Auを0.001〜0.1重量%、SnO又はSnOを0.001〜0.05重量%、CeOを0.1〜1重量%及びCoOを0.0001〜0.001重量%含有することを特徴とする撮影カメラ用フィルターガラスレンズ。
  7. 前記撮影カメラ用フィルターガラスレンズは、Seを0.1重量%以下含有する請求項6に記載の撮影カメラ用フィルターガラスレンズ。
  8. 前記撮影用フィルターガラスレンズは、Ndを0.001〜7重量%含有する請求項6又は7に記載の撮影カメラ用フィルターガラスレンズ。
  9. 赤色ガラスレンズを製造する方法であって、SiO、Au、SnO、CeO及びCoOを含有するガラス原料を調合するガラス原料調合工程、ガラス原料を溶融する工程、及び溶融ガラス原料を徐冷してガラス化する工程を備えることを特徴とする赤色ガラスレンズの製造方法。
  10. 赤色ガラスレンズを製造する方法であって、SiO、Au、SnO、CeO及びCoOを含有するガラス原料を調合するガラス原料調合工程、ガラス原料を溶融する工程、及び溶融ガラス原料を急冷してガラス化する工程、急冷してガラス化したガラスを加熱して赤色を発色させる工程を備えることを特徴とする赤色ガラスレンズの製造方法。
  11. 前記ガラス原料は、Se及び/又はNdを含有する請求項9又は10に記載の赤色ガラスレンズの製造方法。
  12. 前記赤色ガラスの製造方法で得られた赤色ガラスレンズを加熱して、当該レンズの赤色を濃色化する請求項9〜11のいずれかに記載の赤色ガラスレンズの製造方法。
JP2003361352A 2003-10-22 2003-10-22 メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。 Pending JP2005128110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003361352A JP2005128110A (ja) 2003-10-22 2003-10-22 メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003361352A JP2005128110A (ja) 2003-10-22 2003-10-22 メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005128110A true JP2005128110A (ja) 2005-05-19
JP2005128110A5 JP2005128110A5 (ja) 2006-08-31

Family

ID=34641323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003361352A Pending JP2005128110A (ja) 2003-10-22 2003-10-22 メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005128110A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008284914A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Honda Motor Co Ltd 車両用シェード付き窓ガラス
JP2009107885A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 無鉛赤色ガラス
JP2012193094A (ja) * 2011-03-18 2012-10-11 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute 赤色ガラス
CN102998811A (zh) * 2012-11-30 2013-03-27 杨之冬 一种双重防辐射眼镜片的制造方法
JP2013525249A (ja) * 2010-04-28 2013-06-20 デー.スワロフスキー カーゲー 赤色着色ガラスおよびその製造方法
CN106946457A (zh) * 2017-03-01 2017-07-14 武汉理工大学 一种紫红色玻璃及其一次显色制备方法
WO2021206024A1 (ja) * 2020-04-07 2021-10-14 日本化薬株式会社 光学フィルム、並びにこれを有する光学積層体およびアイウェア

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008284914A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Honda Motor Co Ltd 車両用シェード付き窓ガラス
JP2009107885A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 無鉛赤色ガラス
JP2013525249A (ja) * 2010-04-28 2013-06-20 デー.スワロフスキー カーゲー 赤色着色ガラスおよびその製造方法
US9061939B2 (en) 2010-04-28 2015-06-23 D. Swarovski Kg Red-dyed glass and method for producing same
JP2012193094A (ja) * 2011-03-18 2012-10-11 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute 赤色ガラス
CN102998811A (zh) * 2012-11-30 2013-03-27 杨之冬 一种双重防辐射眼镜片的制造方法
CN106946457A (zh) * 2017-03-01 2017-07-14 武汉理工大学 一种紫红色玻璃及其一次显色制备方法
WO2021206024A1 (ja) * 2020-04-07 2021-10-14 日本化薬株式会社 光学フィルム、並びにこれを有する光学積層体およびアイウェア

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7291705B2 (ja) 多色物品およびその製造方法
US4168339A (en) Photochromic microsheet
US9650285B2 (en) Glass, glass material for press molding, optical element blank, and optical element
JP2006342045A (ja) 銅(ii)酸化物を含有するアルミノリン酸ガラス及び光フィルタリングにおけるその使用
JP6136009B2 (ja) 光学ガラス
JPS6351981B2 (ja)
TW201404757A (zh) 有色玻璃
US4407966A (en) Very fast fading photochromic glass
US4290794A (en) Method of making colored photochromic glasses
JP5672300B2 (ja) 近赤外線カットフィルタガラスの製造方法
JP2010037195A (ja) 青緑色ガラス
JP7095704B2 (ja) 赤外線透過ガラス
JP2873183B2 (ja) フォトクロミックガラスおよびそれからなる眼鏡用レンズ
JP2005128110A (ja) メガネ用赤色ガラスレンズ、メガネ、撮影カメラ用フィルターガラスレンズ及びガラスレンズの製造方法。
WO2017094869A1 (ja) ガラス
RU2375316C2 (ru) Оптическое стекло
US10336647B2 (en) Holmium-based contrast enhancing UV blocking glass compositions
WO2018155105A1 (ja) 光学ガラス
WO2014161358A1 (zh) 高折射光学玻璃及其制造方法
JP4469634B2 (ja) 光学ガラス及び光学ガラスレンズ
JP2010168224A (ja) ガラス成形体の製造方法
JP7536674B2 (ja) ガラスおよび光学素子
TW202114956A (zh) 光學玻璃及光學元件
JP2006182584A (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
WO2022044416A1 (ja) 着色層を有するガラスおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060711

A621 Written request for application examination

Effective date: 20060711

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060714

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090514

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091006