JP2005104989A - 液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元する工程と、得られた液状植物性不飽和アルコールを、共役ジエン化合物含有量が1重量%以下になるように微水添する工程と、得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭する工程とを含む液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【選択図】 なし
Description
(2)特許文献3は、ラウリン油由来の不飽和脂肪酸を原料として得られる、ヨウ素価85〜100の植物系不飽和アルコール、及び、この不飽和アルコールをCu/Cr/Zn若しくはCu/Cr/Cd混合酸化物系の固定床反応又は銅クロマイト20〜40重量%を含むシリカゲル担持触媒のトリクル相で製造する方法を開示している。また特許文献3には、得られた植物系不飽和アルコールは、酸化に対して安定であること、及び、好ましい低温挙動を示すことが記載されている(特許文献3参照)。
(3) 特許文献4は、銅含有量が金属換算で100ppm以下であり、且つニッケル含有量が金属換算で200ppm以下である亜鉛−クロム酸化物触媒又は亜鉛−クロム−アルミニウム酸化物触媒を使用し、不飽和脂肪酸又はそのエステルを水素化して不飽和アルコールを製造する方法を開示している。また、実施例において、銅含有量15〜20ppm及びニッケル含有量20〜60ppmの亜鉛系触媒を使用して、工業用不飽和脂肪酸の水素化により、ヨウ素価92程度、曇点0.5〜2.1℃の不飽和アルコールを製造している。
(i) 液状保持性が良好で、かつ温度変化しても曇りが生じ難い液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法。
(ii) 液状保持性が良好で、温度変化しても曇りが生じ難く、かつ色相長期耐光性及び酸性物質又は塩基性物質の存在下での色相安定性にも優れた液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法。
液状不飽和アルコール中に極めてわずかでも結晶化温度が高い成分が含まれていると、温度低下に伴いその一部が結晶化して曇りが生じる。従って、液状不飽和アルコールの温度変化に対する曇りの指標として曇点が重要である。ヨウ素価88〜100かつ曇点7℃未満とすることにより、比較的広い温度範囲で液状を保つことができると共に、温度変化による曇りの発生が観察されないか又は殆ど観察されない不飽和アルコールになる。
即ち、本発明は、以下の液状植物性不飽和アルコール等及びその製造方法を提供するものである。
(1)本発明の製造方法
基本的構成
本発明の液状植物性不飽和アルコールの製造方法は、パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒存在下で還元する工程を含む方法であり、この工程に特徴がある方法である。
原料
前述したように植物性不飽和脂肪酸の原料油としては、パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油を使用できる。また、パーム油等を後述する冷却固体分別することにより得られるパームオレイン油又はパームステアリン油等も好適に使用することができる。植物油としては、特にパーム油、ヤシ油又はパーム核油が好ましく、パーム核油がより好ましい。
還元反応
前述した原料の植物性不飽和脂肪酸又は/及びその炭素数1〜4のアルキルエステルを、銅含有量が30ppm以下の亜鉛系触媒を用いて、高温及び高圧下で固定床連続反応方式より還元することが好ましい。
かかる触媒は、そのままで使用してもよいが、その強度を向上させるためにシリカ、アルミナ、珪藻土、白土、カーボン又はグラファイトなどの担体に担持した状態で使用することもできる。
還元を固定床連続反応で行う場合、成形触媒を反応塔に充填し、活性化後、植物性不飽和脂肪酸又は/及びその炭素数1〜4のアルキルエステルと水素を流下並流若しくは上昇並流させることにより反応を行うのが好ましい。
反応温度は250〜350℃程度、特に250〜300℃程度、さらに特に270〜300℃程度とするのが好ましい。 反応圧力は5〜35MPa程度、特に15〜30MPa程度、さらに特に20〜30MPa程度とするのが好ましい。原料供給空塔速度は1/20〜1/1h−1程度とすればよい。
微水添
さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを微水添することが好ましい。本発明における微水添とは、共役ジエン結合を実質的に選択的にモノエン結合に水素化し、結果として曇点上昇を引き起こさないで水素化する工程をいう。
1) 植物油の加水分解により得られる脂肪酸及び/又はそのアルキルエステル
2) 脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを還元することにより得られる不飽和アルコール(還元粗物)
3) 微水添により得られる不飽和アルコール
脱臭
本発明方法は、脱臭工程を含むことができる。脱臭は、植物性脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルの還元により得られる不飽和アルコールに対して行うことができる。また、蒸留、微水添等を行った後に脱臭操作を行うこともできる。脱臭は、製品化の直前に行うのが最も好ましい。
水蒸気脱臭は、不飽和アルコールに対して、温度100〜200℃程度、圧力0.1〜70KPa程度の条件下で、水蒸気を吹き込むことにより行うことが好ましい。このときの水蒸気吹き込み量は、不飽和アルコールに対して、水の重量に換算して0.1〜20重量%程度、特に0.5〜10重量%程度とするのが好ましい。
歩留まりに優れた水蒸気脱臭方法と工程数の少ない前後留分をカットして蒸留する方法とのいずれかを選択するかは、全工程と生産する製品構成によって適宜選択できる。
(2)本発明の不飽和アルコール
本発明の不飽和アルコールは、ヨウ素価が88〜100程度であり、曇点が7℃未満である液状植物性不飽和アルコールである。
誘導体
本発明の不飽和アルコールは、以下の誘導体とすることができる。
a) 本発明の不飽和アルコールの低級アルキレンオキシド付加物。低級アルキレンオキシドとしては、例えば炭素数2〜3のアルキレンオキシドを挙げることができる。このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、トリメチレンオキシド又は1−メチルエチレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドの付加数は、通常、平均値で1〜100、特に2〜50が好ましい。
b) 本発明の不飽和アルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩又はアンモニウム塩。硫酸エステルは2置換エステルであっても1置換エステル(半エステル)であってもよい。
c) 本発明の不飽和アルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
d) 本発明の不飽和アルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物のモノ、ジ又はトリ−リン酸エステル又はリン酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
e) 本発明の不飽和アルコールと炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル。
f) 本発明の不飽和アルコールと乳酸とのエステル。
用途
本発明の不飽和アルコールは、衣料用、台所用又はハウスホールド用の洗剤原料、繊維油剤などとして好適に使用できる。
実施例
以下、本発明を実施例及び試験例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
パーム核油を加水分解することにより得られた脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価93.4、glc組成C12:0.6%、C14:0.6%、C16:5.5%、C18:1.4%、C18F1:79.3%、C18F2:11.8%、C18F3:0.5%、C20F1:0.3%)(アシッドケム社製、商品名「PALMAC750」)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化したメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量が5ppmの亜鉛-クロム酸化物触媒存在下で、反応圧力20MPa、反応温度290℃、原料供給空塔速度0.3/h−1で還元した。得られた還元粗物を蒸留して、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価89.7
曇点 4.1℃
組成
C12 0.2%
C14 0.6%
C16 5.9%
C18 1.8%
C18F1 81.9%
C18F2 2.9%
C20F1 0.3%
共役ジエン 6.4%
比較例1
銅含有量が78ppmの亜鉛-クロム酸化物触媒を使用した以外は、実施例1と同様な操作を行った。得られた不飽和アルコールの曇点は10℃であった。
パーム核油を加水分解することにより得られた脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価93.4、glc組成C12:0.6%、C14:0.6%、C16:5.5%、C18:1.4%、C18F1:79.3%、C18F2:11.8%、C18F3:0.5%、C20F1:0.3%)(アシッドケム社製、商品名「PALMAC750」)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化したメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量が5ppmの亜鉛-クロム酸化物触媒存在下で、反応圧力20MPa、反応温度290℃、原料供給空塔速度0.3/h−1で還元し、還元粗物を得た。
ヨウ素価90.9
曇点 4.1℃
組成
C16 4.8%
C18 1.9%
C18F1 89.9%
C18F2 2.5%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.1%
色相(ハーゼン) 10
実施例3
パーム油を加水分解した脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価98.3、glc組成C14:0.5%、C16:5.0%、C18:1.8%、C18F1:74.5%、C18F2:18.1%、C20F1:0.1%)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化することにより得られたメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量15ppmの亜鉛−クロム酸化物触媒存在下、反応圧力20MPa、反応温度290℃、原料供給空塔速度0.3/h−1の条件で還元した。還元粗物を蒸留することにより、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価96.8
曇点 3.4℃
組成
C14 0.4%
C16 5.3%
C18 2.0%
C18F1 77.7%
C18F2 5.3%
C20F1 0.1%
共役ジエン 9.2%
実施例4(微水添・脱臭)
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物触媒(堺化学(株)社製、商品名「C−900」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、3時間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。
ヨウ素価91.6
曇点 3.8℃
組成
C16 4.4%
C18 1.8%
C18F1 90.6%
C18F2 2.9%
C20F1 0.2%
共役ジエン 0.1%
色相(ハーゼン) 10
実施例5(微水添・脱臭)
実施例3で得られた不飽和アルコールを使用し、微水添のための銅系触媒として銅−亜鉛−アルミニウム酸化物触媒(日揮化学(株)社製、商品名「E01−X1」)を使用した以外は、実施例4と同様にして下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価96.1
曇点 4.4℃
組成
C16 4.5%
C18 2.2%
C18F1 87.8%
C18F2 5.2%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.2%
色相(ハーゼン) 10
実施例6(微水添)
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに、1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム酸化物触媒2.3gとを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、3時間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。このものの1000gを、45cmのヴィドマー型精留塔を取り付けたクライゼンフラスコに入れ、減圧蒸留を行った。前留分を仕込量に対し6重量%留出させた後、主留分を留出させた。このときの主留分の歩留まりは91重量%であった。以上の操作により、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価 91.0
曇点 3.5℃
組成
C12 0.2%
C14 0.6%
C16 5.9%
C18 1.8%
C18F1 88.9%
C18F2 2.9%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.1%
色相(ハーゼン) 15
実施例7(ヘアコンディショナーの調製例)
実施例4の不飽和アルコール2重量%、メドフォームシードオイル1重量%、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン乳酸塩2.5重量%、水解ケラチン0.5重量%及び水解小麦プロティン1重量%を脱イオン水に溶解し、乳酸を用いてpHを調製することによりpH4.0とした。さらに、殺菌のために85℃、1時間加熱撹拌した後に冷却し、ハーブ系香料を添加し、ヘアコンディショナーを調製した。
実施例1、2、4及び6の各不飽和アルコールに、水酸化カリウム0.1重量%を加えて、エチレンオキシドを170℃で付加した。得られた製品は透明清澄であった。
実施例1の不飽和アルコールに、水酸化カリウム0.2重量%を加えて、170℃でプロピレンオキシド3モルを付加した後に、エチレンオキシド5モルを付加した。製品は透明清澄であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
実施例1の不飽和アルコール267gに、クロルスルホン酸117g(1モル/1モル)を加えて、酸性半エステルを調製した後に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。製品は透明清澄であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
不飽和脂肪酸として実施例1で使用したPALMAC750を1000g、不飽和アルコールとして実施例4の不飽和アルコールを940g用い、p-トルエンスルホン酸0.5重量%を加え、110℃で4時間、常圧から0.1KPaで脱水エステル化した。その後、中和、水洗及び脱水することにより純植物性不飽和エステルが得られた。このエステルは、無臭であり、透明清澄であり、色相(ハーゼン)は30と良好であった。
実施例4の不飽和アルコール135g及び乳酸47gに、p-トルエンスルホン酸0.5重量%を添加して、110℃で5時間、常圧から0.1KPaの減圧下で脱水エステル化した。得られた乳酸エステルを中和、水洗及び脱水することにより得られたものは無臭であり、透明清燈であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
実施例8〜11の不飽和アルコールのエチレンオキシド5モル付加物49gに水酸化ナトリウム4.4gを加えて、減圧下、120℃で脱水した後、モノクロル酢酸ナトリウム13gを加えて、120℃で減圧下、3時間保持し、希塩酸を加えて酸性とし、90℃まで加熱して静置後、下層の水層を除去して、不飽和アルコールのエチレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸を製造した。
実施例1、2、4及び6で得た各不飽和アルコールのエチレンオキシド5モル付加物49gと五酸化リン7gとを混合し、50℃で3時間撹拌することにより不飽和アルコールのエチレンオキシド付加物のエーテルリン酸エステルを製造した。
実施例10より得られた純植物系のオレイルアルコールエチレンオキシド7モル付加物 0.2重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウム2.0重量%を脱イオン水に80℃で溶解した。これに、同温度のコノール30RC(新日本理化(株)製:原料パーム核油) 1.8重量%、PALMAC90−18(アシッドケム社製:原料パーム油)0.2重量%、流動パラフィン2.2重量%を撹拌しながら徐々に加えた。40℃以下まで冷却することにより、ヘアリンスが得られた。
実施例9により得られた純植物系のオレイルアルコールエチレンオキシド7モル付加物 0.2重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウム2.0重量%を脱イオン水に80℃で溶解した。これに、同温度のコノール30RC(新日本理化(株)製:原料パーム核油) 1.8重量%、PALMAC90−18(アシッドケム社製:原料パーム油)0.2重量%、実施例14により得られた純植物系のオレイルオレート2.2重量%を撹拌しながら徐々に加えた。40℃以下まで冷却後、ハーブ系香料を添加することにより、ヘアリンスが得られた。
実施例9の純植物系のオレイルアルコールエチレンオキシド7モル付加物 0.2重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウム2.0重量%を脱イオン水に80℃で溶解し、同温度のコノール30RC(新日本理化(株)製:原料パーム核油) 1.8重量%、PALMAC90−18(アシッドケム社製:原料パーム油)0.2重量%、実施例15の乳酸オレイル2.2重量%を撹拌しながら徐々に加えた。40℃以下まで冷却後、ハーブ系香料を添加してヘアリンスを調製した。
得られたヘアリンスはpH3であった。
パーム核油由来のラウリン酸5.5重量%、パーム核油由来のミリスチン酸5.2重量%、 パーム油由来のパルミチン酸2.0重量%、キレート剤としてのキレストHS(キレスト社製)0.2重量、及び、6.9重量%の水酸化カリウムを脱イオン水中で80℃で2時間撹拌し、中和溶解した。さらに、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液(30重量%)10重量%、実施例16により得られたエチレンオキシド5モル付加物のエーテルカルボン酸ナトリウム6.2重量%を加えた。これを40℃以下まで冷却することによりボディーソープが得られた。
実施例23により得られたエチレンオキシド5モル付加物のエーテルリン酸ナトリウム4重量%、ラウリン酸アミドプロピルベタイン水溶液(30重量%)24重量%、ポリオキシエチレン(EO3モル)スルホコハク酸ラウリルエステル・2ナトリウム塩4重量%、ポリオキシエチレン(EO5モル)ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム塩10重量%、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド3重量%、カチオン化セルロース0.6重量%を、脱イオン水中で80℃で2時間撹拌して、加熱溶解した。この溶液を40℃以下まで冷却することによりシャンプーを調製した。
曇点 4.1℃の液状植物性不飽和アルコール(実施例1により得られた不飽和アルコール)と曇点10℃の植物性不飽和アルコール(比較例1により得られた不飽和アルコール)と曇点6.5℃の液状植物性不飽和アルコールとを、各々、直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器に入れた。各容器を、10℃に設定されたインキュベーター中に放置して、各不飽和アルコールの低温挙動を観測した。結果を以下の表4に示す。
実施例1、2、4、5及び6により得られた不飽和アルコールに酸性物質として、p−トルエンスルホン酸を0.1重量%加え、150℃で1時間加熱し、色相(ガードナー)を観察した。
実施例1、2、4、5及び6により得られた不飽和アルコールに塩基性物質として、水酸化カリウム0.2重量%を加え、窒素気流下で溶解させた後、色相(ハーゼン)を観察した。
実施例1、2、4、5、6により得られた不飽和アルコールについて、10人のモニターによる蓋なし試料についての匂い試験、及び、10人のモニターによる蓋付き試料についての蓋を開放した直後の匂い試験の2種の臭気試験を実施した。
実施例1、2、4、5、6により得られた不飽和アルコール試料について、150℃で10分間加熱した場合の、ヘッドスペースガスクロマトグラムにより測定される揮発成分量を測定した。対照試料として、流動パラフィン中に既知量のトルエンを溶解したものを用い、試料中の揮発成分量をトルエン換算値で表した。
実施例1により得られた不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量6.4%)、実施例2及び実施例4により得られた不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1%)を、それぞれ直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器にいれ、40℃のオーブン中で2ケ月間、保温した。前述した方法により、色相(ハーゼン)及び臭気を観察した。
実施例1の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量6.4%)、実施例2の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1%)及び実施例4の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1%)を、それぞれ、直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器にいれ、屋外で2ケ月間、日光に暴露した後、着色を観測した。
パーム核油を加水分解することにより得られた脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価93.4、glc組成C12:0.6、C14:0.6、C16:5.5%、C18:1.4%、C18F1:79.3%、C18F2:11.8%、C18F3:0.5%、C20F1:0.3%)(アシッドケム社、商品名「PALMAC750」)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化したメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量が5ppmの亜鉛-クロム酸化物触媒存在下で、反応圧力20MPa、反応温度320℃、原料供給空塔速度0.3/h−1で還元した。得られた還元粗物を蒸留して、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価87.3
曇点 6.9℃
組成
C12 0.2
C14 0.7
C16 6.3
C18 3.1%
C18F1 82.9%
C18F2 3.1%
C20F1 0.4%
共役ジエン 3.0%
実施例30(微水添により共役ジエン含有量を3重量%程度にした例)
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物触媒(堺化学(株)社製、商品名「C−900」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、30分間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。
ヨウ素価90.7
曇点 3.8℃
組成
C16 4.4%
C18 1.8%
C18F1 87.6%
C18F2 2.6%
C20F1 0.2%
共役ジエン 3.1%
色相(ハーゼン) 10
実施例31(微水添により共役ジエン含有量を1重量%程度にした例)
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物触媒(堺化学(株)社製、商品名「C−900」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、2時間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。
ヨウ素価91.0
曇点 3.7℃
組成
C16 4.8%
C18 1.9%
C18F1 89.6%
C18F2 2.8%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.8%
色相(ハーゼン) 10
<長期耐光性>
実施例1の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量6.4重量%)、実施例29の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量3.0重量%)、実施例30の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量3.1重量%)、実施例31の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.8重量%)、実施例2の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1重量%)及び実施例4の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1重量%)を、それぞれ、直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器にいれ、屋外で2ケ月間、日光に暴露した後、着色を観測した。
Claims (5)
- パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを、共役ジエン化合物含有量が1重量%以下になるように微水添する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭する工程と
を含む液状植物性不飽和アルコールの製造方法。 - 脱臭を100〜200℃、0.1〜70KPa、水蒸気吹き込み量0.1〜20重量%での水蒸気脱臭により行う請求項1に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを、共役ジエン化合物含有量が1重量%以下になるように微水添する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを蒸留する工程と
を含む液状植物性不飽和アルコールの製造方法。 - パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを、共役ジエン化合物含有量が1重量%以下になるように微水添する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを蒸留する工程と、
得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭する工程と
を含む液状植物性不飽和アルコールの製造方法。 - 脱臭を100〜200℃、0.1〜70KPa、水蒸気吹き込み量0.1〜20重量%での水蒸気脱臭により行う請求項4に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
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