JP2005096142A - プラスチック光学部材用プリフォーム並びにその製造方法及び装置,プラスチック光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【課題】 気泡の発生を防いでプリフォームのコア部の重合を行う。
【解決手段】 長さLが60cmのクラッドパイプ12を用いる。クラッドパイプ12内にコア部用重合組成物58を注液する。クラッドパイプ12をオートクレーブ41に挿入する。オートクレーブ41内をアルゴンに置換する。ヒーター50〜53を用いて、X方向の高さH1〜H6の温度を100,98,95,93,90,85℃に調整する。重合は、上方よりも下方の進行が速くなるため、下方で発生した気体は、液体のままの上方から容易に抜ける。コア部が形成されたプリフォームには気泡は発生しない。
【選択図】 図3
【解決手段】 長さLが60cmのクラッドパイプ12を用いる。クラッドパイプ12内にコア部用重合組成物58を注液する。クラッドパイプ12をオートクレーブ41に挿入する。オートクレーブ41内をアルゴンに置換する。ヒーター50〜53を用いて、X方向の高さH1〜H6の温度を100,98,95,93,90,85℃に調整する。重合は、上方よりも下方の進行が速くなるため、下方で発生した気体は、液体のままの上方から容易に抜ける。コア部が形成されたプリフォームには気泡は発生しない。
【選択図】 図3
Description
本発明は、プラスチック光学部材用プリフォーム並びにその製造方法及び装置,プラスチック光ファイバに関するものである。
プラスチック光学部材は、同一の構造を有する石英系の光学部材と比較して、製造及び加工が容易であること、および低価格であること等の利点があり、近年、光ファイバおよび光レンズ、光導波路など種々の応用が試みられている。特にこれら光学部材の中でも、プラスチック光ファイバは、素線が全てプラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系と比較してやや大きいという短所を有するものの、良好な可撓性を有し、軽量で、加工性がよく、石英系光ファイバと比較して、口径の大きい光ファイバとして製造し易く、さらに低コストに製造可能であるという長所を有する。従って、伝送損失の大きさが問題とならない程度の短距離用の光通信伝送媒体として種々検討されている。(例えば、特許文献1参照。)
プラスチック光ファイバは、一般的には、重合体をマトリックスとする有機化合物からなる芯(以下、コア部またはコアと称する)と、コア部と屈折率が異なる(一般的に低屈折率の)有機化合物からなる外殻(以下、クラッド部またはクラッドと称する)とから構成される。特に、中心から外側に向かって屈折率の大きさに分布を有するコア部を備えた屈折率分布型(以下、GI型と称する)プラスチック光ファイバは、伝送する光信号の帯域を大きくすることが可能なため、高い伝送容量を有する光ファイバとして最近注目されている。この様なGI型光学部材の製法の一つに、界面ゲル重合法を利用して、プリフォーム(母材)を作製し、その後、前記プリフォームを延伸する方法などが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ところで、このプラスチック光ファイバをモノマーなどを含む重合性組成物より製造する場合、モノマーの重合収縮に起因する体積減少による空隙や重合反応の副生成物や溶存している低沸点物質による発泡が生じることがある。この発泡により生じる泡が光学部材に含有されると、光の散乱を起こすため光学部品としての性能低下および生産性の低下につながるため好ましくない。また、光学部材の製造方法で一度プリフォームを作製して、そのプリフォームを加工する場合がある。プリフォームでは問題とならないサイズの泡が含まれていてもプリフォームを加熱延伸する際に、その泡が加熱されることで体積が大きくなりプリフォームに欠陥を生じさせる場合がある。プリフォームに欠陥が生じると、プリフォーム加工品、例えば光ファイバにもその欠陥が残るために光学特性、例えば伝送損失の悪化を招く場合がある。
本発明の目的は、重合反応に起因し生じる泡の含有が抑制されたプラスチック光学部材用プリフォーム並びにその製造方法及び装置さらにその光学部材用プリフォームを延伸して製造されるプラスチック光ファイバを提供することにある。
本発明のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法は、透光性を有するコア部を、中空管に注入した重合性組成物を重合させてなるプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法において、前記コア部用重合性組成物を前記中空管内で重合する際に、前記中空管の上部と下部との重合速度に差をつける。前記中空管を略鉛直方向に設置することが好ましい。前記中空管の下部での重合速度を前記中空管の上部での重合速度より速くすることが好ましい。前記中空管の下部から上部までの重合速度が、連続的に変化していることが好ましい。前記コア部用重合性組成物の重合が熱によって進行することが好ましい。
前記コア部用重合性組成物を重合する際に、0.05℃/cm以上0.5℃/cm以下の温度差をつけて行うことが好ましく、より好ましくは、0.1℃/cm以上0.5℃/cm以下の範囲とすることである。前記コア部用重合性組成物の重合を界面ゲル重合法によって行うことが好ましい。
本発明には、前記記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法によって得られるプラスチック光学部材用プリフォーム,前記記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法によって得られ、その中心から半径方向にかけて屈折率が連続的に低下する分布を示すコア部と、前記コア部の屈折率よりも小さい屈折率を持つ中空管とを有する屈折率分布型プラスチック光学部材用プリフォームであるプラスチック光学部材用プリフォームも含まれる。また、前記記載のプラスチック光学部材用プリフォームを延伸して得られるプラスチック光ファイバも含まれる。
本発明のプラスチック光学部材用プリフォームの製造装置は、中空管と前記中空管内で重合されるコア部とからなるプラスチック光学部材用プリフォームの製造装置において、前記中空管が略鉛直方向に設置され、前記中空管の略平行方向に温度勾配を持たせることが可能な加熱手段を備える。前記温度勾配が、前記中空管の上方から下方に向けて、0.05℃/cm以上0.5℃/cm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1℃/cm以上0.5℃/cm以下の範囲とすることである。
本発明のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法によれば、透光性を有するコア部を、中空管に注入した重合性組成物を重合させてなるプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法において、前記コア部用重合性組成物を前記中空管内で重合する際に、前記中空管の上部と下部との重合速度に差をつけるから、コア部を重合する際にコア部用重合性組成物内で発泡により生じるコア部形成前に泡を除去させることができる。この場合に、前記中空管を略鉛直方向に設置すると、前記泡の除去に特別な装置を用いることなく、重合性組成物の液面から抜き出すことができる。
本発明のプラスチック光学部材プリフォームの製造方法は、前記コア部用重合性組成物を重合する際に、前記中空管に対して略平行方向に0.05℃/cm以上0.5℃/cm以下の温度差をつけて行うので、上方のコア部用重合性組成物が重合体となる前に下方から生じた泡が上方から排出され、プリフォーム内に気泡として残ることが無い。また、前記コア部の重合は、重合速度には差をつけるが、略同時に行うためコア部の界面が生じることが無く、良好な伝送特性が得られる。
本発明のプラスチック光学部材プリフォームの製造方法は、前記中空管内でコア部の重合を行うことができるため、界面ゲル重合法により得られるグレーデッドインデックス型(GI型)光学部材プリフォームの製造に好ましく適用できる。
本発明のプラスチック光学部材用プリフォームには、泡の含有が極めて抑制される。そのため、そのプリフォームを延伸して得られるプラスチック光ファイバには泡に起因する欠陥の発生を抑制でき、伝送損失の低下を防ぐことができる。
本発明に係る光学部材用プリフォームの製造方法を図1に示す。クラッド作製工程11で中空円筒状のクラッドパイプ12を作製する。次に、重合性組成物を含むアウターコア形成用液(以下、アウターコア液と称する)を調製し、その液を用いてクラッドパイプ12内面にアウターコア重合工程13によりアウターコアを形成する。さらに、インナーコア形成用液(以下、インナーコア液と称する)を調製し、インナーコア重合工程14によりインナーコアを形成し光学部材用プリフォーム(以下、プリフォームと称する)15を作製する。プリフォーム15を加工することで光ファイバやレンズなど様々な光学部材を作製することができる。以降は光ファイバを作製する例として記述する。プリフォーム15を延伸工程16で加熱溶融延伸してプラスチック光ファイバ(以下、光ファイバと称する)17とする。光ファイバ17は、そのままの素線の形態で光ファイバとして用いることができる。しかしながら、取り扱いを容易にしたり、光ファイバ17の外面の損傷を抑制したりするために保護層を形成することが好ましい。保護層は、被覆工程18により形成され、光ファイバ17の外周面が被覆されたプラスチック光ファイバケーブル(以下、光ファイバケーブル)19を得ることができる。
図2(a)にプリフォーム15の断面の一形態を示す。インナーコア30は、高い伝送特性が得られるように、その中心部から外周部へ連続的に屈折率が小さくなるGI型とすることが好ましい(図2(b)参照)。また、アウターコア31は、インナーコア30を形成する際に、その中で界面ゲル重合が可能な素材から形成されている。クラッドパイプ12は、機械的強度に優れ、伝送される光をクラッドパイプ12外に放射しない素材から形成することが好ましい。図2に示すプリフォーム15の製造方法を例として本発明を詳細に説明する。始めにクラッド素材,コア素材及び所望の添加剤について説明し、その後にプリフォームの製造方法及びそのプリフォームから製造される光ファイバについて説明する。なお、この例示はあくまでも本発明を詳細に説明するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。
クラッドの素材は、一般的に透明性を有する熱可塑性のポリマーであることが必要である。また、コア部を伝送する光がコア部とクラッド部との界面で全反射するようにコア部の屈折率より低い屈折率を有しているものを用いる。また、光学異方性が生じないように非晶性のポリマーを用いる。さらに、コア部と密着性が良く、タフネス等に示される機械的特性に優れ、耐湿熱性にも優れているものが好ましく用いられる。
例えば、そのようなポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと称する)が挙げられる。また、メチルメタクリレート(以下、MMAと称する)とトリフルオロエチルメタクリレート(以下、FMAと称する)やヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートなどのフッ化(メタ)アクリレートとの共重合体を用いることもできる。また、tert−ブチルメタクリレートなどの分岐を有する(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボニルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレートなどとの共重合体が挙げられる。さらには、ポリカーボネート,ノルボルネン系樹脂(例えば、ZEONEX(登録商標:日本ゼオン社製)など),ファンクショナルノルボルネン系樹脂(例えば、ARTON(登録商標:JSR製)など),フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)を用いることもできる。また、フッ素樹脂の共重合体(例えば、PVDF系共重合体)や、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PFA)ランダム共重合体,クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合系などを用いることもできる。また、これらポリマーの水素原子(H)を重水素原子(D)に置換して伝送損失の低減を図ることもできる。なお、アウターコア部に用いられる素材としてはコア部(インナーコア部)と同じものを用いても良いし、クラッド部との素材間の親和性を考慮した素材を選択しても良い。
コア部の素材は、光伝送の機能を損なわない限りにおいて特に限定されるものではない。特に好ましく用いられるものとしては、有機材料として光透過性が高い原料である。例えば、以下のような(メタ)アクリル酸エステル類(フッ素不含(メタ)アクリル酸エステル(a),含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(b)),スチレン系化合物(c),ビニルエステル類(d)、ポリカーボーネート類の原料であるビスフェノールA等を例示することができ、これらのホモポリマー、あるいはこれらモノマーの2種以上からなる共重合体、およびホモポリマー及び/または共重合体の混合物が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル類を組成として含むものがより好ましく用いることができる。
以上に挙げた重合性モノマーとして具体的に、(a)フッ素不含メタクリル酸エステルおよびフッ素不含アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジフェニルメチル、トリシクロ[5・2・1・02,6 ]デカニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート等が挙げられ、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。また、(b)含フッ素アクリル酸エステルおよび含フッ素メタクリル酸エステルとしては、2,2,2 −トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3 −テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3 −ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1 −トリフルオロメチル−2,2,2 −トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5 −オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4 −ヘキサフルオロブチルメタクリレート等が挙げられる。さらに、(c)スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。さらには、(d)ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、モノマーの単独あるいは共重合体からなるポリマーの屈折率がクラッド部のそれに比べて同等かあるいはそれ以上になるように構成モノマーの種類,組成比を組むことが好ましい。特に好ましいポリマーとしては、透明樹脂であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)が挙げられる。
さらに、光ファイバまたは光ファイバケーブルに近赤外線を伝送する場合は、構成するC−H結合に起因した吸収損失が起こるために、特許3332922号公報や特開2003−192708号公報などに記載されているような重水素化ポリメチルメタクリレート(PMMA−d8)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソプロピル2−フルオロアクリレート(HFIP 2−FA)などを始めとする、C−H結合の水素原子(H)を重水素原子(D)やフッ素(F)などで置換した重合体を用いることで、この伝送損失を生じる波長域を長波長化することができ、伝送信号光の損失を軽減することができる。なお、原料モノマーは重合後の透明性を損なわないためにも、不純物や散乱源となる異物は重合前に十分に除去することが望ましい。
重合性モノマーを重合させてポリマーを製造する際には、重合開始剤によって重合を行うことがある。この場合、モノマーの重合反応を開始させる開始剤としては、例えば、ラジカルを生成するものとして、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物が挙げられる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は勿論これらに限定されるものではなく、2種類以上を併用してもよい。
機械特性や熱物性などの各種物性値を全体にわたって均一に保つために重合度の調整を行うことが好ましい。重合度の調整のためには連鎖移動剤を使う事ができる。連鎖移動剤については、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択できる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、該連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)などを用いることが好ましい。特に、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子やフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は勿論これらに限定されるものではなく、これら連鎖移動剤は2種類以上を併用してもよい。
コア部が、その中心から外周方向に向かって屈折率分布を有するGI型の場合には、伝送性能が向上するため、より広帯域の光通信を行うことができ、高性能通信用途に好ましく用いることができる。屈折率分布を付与する方法としては、コア部を形成する重合体に複数の屈折率を有する重合体の組合せやそれらを組合わせた共重合体を用いるか、または、ポリマーマトリクスに屈折率分布を付与するための添加剤(屈折率調整剤。以下、ドーパントと称する)を添加する必要がある。
ドーパントは、併用する前記重合性モノマーの屈折率と異なる化合物である。その屈折率差は0.005以上であるのが好ましい。ドーパントは、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して、屈折率が高くなる性質を有する。これらは、特許3332922号公報や特開平5−173026号公報に記載されているような、モノマーの合成によって生成される重合体との比較において溶解性パラメータとの差が7(cal/cm3 )1/2 以内であると共に、屈折率の差が0.001以上であり、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して屈折率が変化する性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、いずれも用いることができる。
また、ドーパントは重合性化合物であってもよく、重合性化合物のドーパントを用いた場合は、これを共重合成分として含む共重合体がこれを含まない重合体と比較して、屈折率が上昇する性質を有するものを用いることが好ましい。上記性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、ドーパントとして用いることができる。本実施の形態では、コア部形成用重合性組成物にドーパントを含有させ、コア部を形成する工程において界面ゲル重合法により重合の進行方向を制御し、屈折率調整剤の濃度に傾斜を持たせ、コア部に屈折率調整剤の濃度分布に基づく屈折率分布構造を形成する方法を例示しているが、それ以外にもプリフォーム形成後に屈折率調整剤を拡散させる方法も知られている。以下、屈折率の分布を有するコア部をGI型コア部と称する。GI型コア部を形成することにより、得られる光学部材は広い伝送帯域を有するGI型プラスチック光学部材となる。
前記ドーパントとしては、例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジル−n−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)などが挙げられ、中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOが好ましい。また、ドーパントは、例えばトリブロモフェニルメタクリレートのように重合性化合物でもよく、その場合、マトリックスを形成する際に、重合性モノマーと重合性ドーパントとを共重合させるので、種々の特性(特に光学特性)の制御がより困難となるが、耐熱性の面では有利となる可能性がある。屈折率調整剤の、コア部における濃度および分布を調整することによって、プラスチック光ファイバの屈折率を所望の値に変化させることができる。その添加量は、用途および組み合わされるコア部原料などに応じて適宜選ばれる。
その他、コア部、クラッド部もしくはそれらの一部には、光伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。例えば、コア部もしくはその一部に耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤も、前記原料モノマーに添加した後、重合することによって、コア部、クラッド部もしくはそれらの一部に含有させることができる。
プリフォームの製造は始めにクラッドパイプ作製工程11によりクラッドパイプ12を作製する。クラッドパイプ12の作製方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、クラッドパイプ12の原料にPVDFを用いる場合には、溶融押出し法で作製されたものを用いることができる。PVDFは、機械的強度に優れ、光ファイバ内を伝送している光の閉じ込めの能力が高いためクラッドパイプの素材として好ましく用いられる。なお、クラッドパイプ12は、界面ゲル重合法でプリフォームを作製する場合には、それ自身が反応容器(重合容器)となる。そこで、溶融押出し法で製造された中空円筒状のクラッドパイプ12の一端にクラッドパイプの素材と同じポリマーを用いて底付けを行うことが好ましい。なお、クラッドパイプ12の素材としては、PMMAなどのアクリル樹脂(メタクリル樹脂とも称される)を用いることもできる。
また、クラッドパイプ12は、回転重合法を用いるクラッド作製工程11により製造することもできる。例えば、クラッドパイプ12をPMMAを素材として形成する場合には、重合性モノマーとしてMMAを用いる。このMMAと反応開始剤、連鎖移動剤及びドーパント(屈折率調整剤)など所望の添加剤とを含有させたクラッド形成用液(以下、クラッド液と称する)を調製する。このクラッド液を所望のプリフォームの外径に対応する内径を有する充分な剛性を有する円筒状の重合容器に入れる。次に、重合容器を温水中で振盪を加えながら予備重合を行いとポリマーの透明性が向上するために好ましい。その後に、重合容器を水平方向(円筒の高さ方向が水平となる状態)に保持し、加熱しながら回転重合を行う。なお、回転重合を行う際の重合容器の設置方向は、水平方向に限定されるものではない。例えば、略鉛直方向や斜め方向に設置して回転させても良い。これにより、重合容器内面に壁を形成するように重合され、厚みt1が略均一のクラッドパイプ12を得ることができる。なお、クラッド液は、調製後に超音波処理や減圧処理により脱気させることが好ましい。また、重合する際には、ヘリウム,アルゴン,窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことがより好ましい。
また、クラッドパイプには、市販のパイプ状の商品を用いることもできる。この場合には、クラッドパイプの洗浄、特にその内周面の洗浄を行うことが好ましい。洗浄方法は、特に限定されるものではないが、例えば、純水,エタノールなどを用いて行うことがクラッドパイプ内周面の劣化を抑制するために好ましい。
また、本発明に用いられるクラッドパイプは、機械的強度向上や難燃性などの多種の機能性を付与させるために複層から形成されたものを用いても良い。クラッドパイプを複層で形成することで、コア部の重合性や耐湿性をそれぞれ別の層で提供することもできる。例えば、コア部と界面を形成するインナークラッド部とそのインナークラッド部を覆うアウタークラッド部の2層からクラッドパイプを形成する場合、コア部の重合性をインナークラッド部で、耐湿性をアウタークラッド部で提供する。コア部の重合性を提供する際に好ましく用いることができる素材としては、コア部を界面ゲル重合で生成する際にインナークラッド部とコア部とで界面不整が起こらないようなものが好ましい。
具体的には、インナークラッド部を構成する素材(ポリマー)の溶解度パラメーターとコア部を構成する素材(ポリマー)の溶解度パラメーターとの差が14000(J/m3 )1/2 [=7(cal/cm3 )1/2 ]以下、好ましくは10000(J/m3 )1/2 [=5(cal/cm3 )1/2 ]以下、より好ましくは6000(J/m3 )1/2 [=3(cal/cm3 )1/2 ]以下のものを用いることが好ましい。耐湿性を提供するアウタークラッド部は、コア部の重合性は考えなくても良いので、前述の素材の他に吸水率が1.8%未満であるポリマーを任意に選択することができる。また、複層構成でのインナークラッド部において好ましく用いることができる素材は、少なくともコア部の重合性を考慮すれば良く、前述の単層構成の場合の素材以外でも、コア部素材との溶解度パラメーターの差が上記範囲のものであれば、好ましく用いることができる。
アウターコア重合工程13について説明する。アウターコア液は、例えば、MMAなどの重合性モノマーを主成分として、所望の添加剤(例えば、重合開始剤,連鎖移動剤,ドーパントなど)を添加して調製する。その後に、クラッドパイプ12内に注液する。アウターコア31は、クラッドパイプ12内面にインナーコアを形成するため中空円筒状となるように回転重合法により形成する。回転重合法は、クラッドパイプ12を形成する方法と同様の条件で行うことができる。それにより、略均一な厚みt2の中空円筒状としてクラッドパイプ12内面に形成される。なお、アウターコア液は、調製した後から重合させるまでに超音波処理や減圧処理により脱気を行うことが好ましい。
次に、インナーコア重合工程14について説明する。インナーコア液も、アウターコア液と同様に、重合性モノマーと所望の添加剤(例えば、重合開始剤,連鎖移動剤,ドーパントなど)とから調製される。このインナーコア液も調製した後に重合させるまでに超音波処理や減圧処理により脱気することが好ましい。
図3の重合装置40は、本発明に係るプリフォームの製造方法に用いられる装置の一実施形態である。オートクレーブ41が受け部42の上に配置され、その上部は、ジョイント43により固定されている。ジョイント43は、シャフト44にクランプ45を介して取り付けられており、高さの調整が可能となっている。また、ジョイント43には、オートクレーブ41内の雰囲気を変更すると共に加圧可能なように不活性ガス供給用のバルブ46と圧力計47とが備えられている。さらに、オートクレーブ41内のガス抜バブル48も設けられている。
また、オートクレーブ41を覆うように下方からヒーター50,51,52,53が配置している。各ヒーター50〜53には、断熱板54,55,56,57が設けられ、それぞれ独立して温度調整が可能な構造となっている。オートクレーブ41内にはアウターコアが形成されているクラッドパイプ12が挿入されている。このクラッドパイプ12の長さをL(cm)とする。そのクラッドパイプ12内には、インナーコア液58が注入されている。さらに、クラッドパイプ12の長手方向Xで加熱温度が調整可能なように温度計(図示しない)が取り付けられている。図3では、クラッドパイプ12の底の高さH0を基準に、H1(cm)〜H6(cm)の6箇所で温度調整可能な構成となっているが、本発明において温調箇所はそれに限定されるものではない。
インナーコアの重合工程14を行うため、始めにクラッドパイプ12を略鉛直方向(図3中のX方向)でオートクレーブ41内に挿入する。次に、バルブ46及びガス抜バルブ48を開ける。圧力計47で適当な圧力となるようにバルブ46の弁の開閉度を調整しつつ、オートクレーブ41中の空気を不活性ガスに置換することが好ましい。空気、特に酸素がオートクレーブ41中に一定量以上存在すると、MMAモノマーと反応して過酸化物を作るおそれがある。なお、不活性ガスには、ヘリウム,アルゴンなどの希ガスや反応性が乏しく安価な窒素ガスを用いることが好ましい。オートクレーブ41内のガス置換を行った後に、バルブ46,48の開閉度を調整して、オートクレーブ41内を大気圧より若干加圧した状態とすることが好ましい。これは、インナーコア液58の各成分の揮発を抑制するためである。
ヒーター50〜53により加熱してインナーコア液58の重合を開始する。このときに、インナーコア液58の下方の重合が、上方の重合よりも速く進行するように制御する。インナーコア液58の下方から発生する泡は、上方のインナーコア液58の重合化が進行していないため液状であるため、容易にインナーコア液58の液面から蒸発する。このようにインナーコア液で発生した泡は、容易に蒸発するため重合化が進行して固体状となるコア部内に気泡(ボイドとも称される)として残存することを防止できる。
インナーコア液58下方の重合速度を上方の重合速度よりも速くするために、通常はインナーコア液58の下方の温度が上方の温度よりも高くなるようにクラッドパイプ12を加熱する。この場合に、温度差(温度勾配)が0.05℃/cm以上0.5℃/cm以下の範囲となるように調整することが好ましく、より好ましくは0.1℃/cm以上0.5℃/cm以下の範囲とすることである。
温度差が、0.05℃/cm未満であると、インナーコア液58の下方と上方とで重合速度に差が生じるほどの調整を行うことが困難となる場合がある。また、0.5℃/cmを超えて温度差をつけると、下方の温度が高くなり過ぎるか、上方の温度が低くなり過ぎるおそれがある。下方の温度が高くなり過ぎると、インナーコア液58の重合反応が均一に生じない場合がある。また、上方の温度が低すぎると、インナーコア液58の重合が生じないか、緩やかな反応になり、重合性モノマーが多量に残存する。これにより得られるプリフォームを延伸すると、泡の発生が顕著に見られ、実用に適する光ファイバが得られなくなる。
本発明の実施形態で最も好ましい具体例を挙げる。クラッドパイプ12の長さL(cm)が、30cm〜180cmの範囲のものを用いる。また、クラッドパイプ12をPVDFから形成し、その内周面にPMMAからなるアウターコアを形成する。インナーコアとしてPMMAを主成分として界面ゲル重合法によりGI型プリフォームを作製する。この場合には、H0からL/2の高さまでは、0.1℃/cmの温度差をつけて、L/2からLまでは、0.1℃/cm〜0.5℃/cmの温度差をつけることが好ましい。この場合には、インナーコア液58の上方の温度が低くなるが、下方のインナーコア液58が重合することで、体積収縮が生じるために、クラッドパイプ12内でのインナーコア液58の液面は徐々に下がるため、好ましい温度に調整されている高さの箇所で連続的に重合が生じる。体積収縮は、重合されるポリマーの種類などにより異なるが、MMAからPMMAを重合する場合には、5体積%〜30体積%の収縮が生じる。インナーコア液58の重合が完了してインナーコア部が形成されて得られるプリフォーム15をオートクレーブ41から取り出す。
本発明の光学部材のプリフォームの製造方法は、上下の重合温度差を保ったままの条件下において、例えば特許3332922号公報に記載されているように、クラッド部となる樹脂の中空管を作成し、その管内にコア部を形成する樹脂組成物を注入し、塊状重合の一種である界面ゲル重合法によりポリマーを重合することによりコア部を形成する方法を例示することができる。この場合重合温度および重合時間は、用いるモノマーや重合開始剤によって異なるが、一般的には、重合温度は60℃以上で生成されるポリマーのTg(ガラス転移温度)以下であることが好ましく、60℃〜150℃であることがより好ましい。重合時間は、5時間〜72時間であることが好ましく、5時間〜48時間であることがより好ましい。不活性ガス雰囲気中で重合反応を行うことが好ましく、必要に応じて加圧,減圧を行っても良い。他にも国際公開第03/19252号パンフレットに記載の重合条件で重合を行うことで密度揺らぎの少ないコア部を得ることができる。またその他には、重合後の屈折率が異なる重合性組成物を逐次添加するコア部の形成法も知られている。なお、本発明に用いられる光ファイバのプリフォームの製造方法は、前述の如く界面ゲル重合法に限定されるものではない。また、樹脂組成物は前述のように、単一の屈折率を持つ樹脂組成物に屈折率調整剤を添加するものや、屈折率の異なる樹脂を混合するもの、共重合などが用いられる。
なお、重合速度の制御は、特に前記温度差に限定されるものではない。例えば、インナーコア液58中に重合開始剤,連鎖移動剤の濃度を上方で薄く、下方で濃くする方法が挙げられる。または、重合開始剤に光の照射により重合が開始するものを用いて、クラッドパイプ12の外周面から照射する光量を調整することにより重合速度を制御することも可能である。なお、本発明において重合速度は制御するが、コア部(またはインナーコア部)の重合を逐次的に行うことは好ましくない。逐次的に反応させると、反応させたコア部(またはインナーコア部)の箇所毎に界面が生じる場合がある。そのプリフォームを延伸して得られる光ファイバは、延伸方向に垂直に界面が生じている。伝送される光は、その界面により散乱される場合があり、伝送損失の悪化を招くおそれがある。
本発明に係るプリフォームの製造方法により製造されるプリフォームの形態は、図2に示すものに限定されるものではない。例えば、図4に示すプリフォーム70のようにコア71とクラッド72とからなるものにも本発明は適用できる。。この場合に、コア71は、屈折率分布を有さないステップインデックス型(SI型),GI型であっても良い。さらには、シングルモード型(SM型)やマルチステップインデックス型(MSI型)であっても良い(いずれも図示しない)。いずれの場合でも、垂直方向に設置したクラッドパイプの円筒中空内でコアまたはインナークラッドを作製する際に、クラッドパイプ下方での重合を上方より速くすることにより気泡の残存を抑制する。
前記方法で作製されるプリフォーム15を延伸することで、所望の直径、例えば200μm以上1000μm以下の光ファイバ17を得ることができる。延伸工程16で行われる製造方法に関しては、特に制限はなく、既知の方法を等しく適用することができる。なお、延伸工程16を行う前にプリフォーム15を減圧乾燥することで、プリフォーム中の残留モノマーや水分の低減を図ることができる。これにより、溶融加熱延伸時における残留モノマーや水分が揮発し発泡することにより生じる延伸泡の発生を抑制できる。
延伸工程16では、プリフォーム15を加熱溶融延伸する。加熱温度はプリフォーム15の材質等に応じて、適宜決定することができる。一般的には、180℃〜250℃中の雰囲気で行われることが好ましい。延伸条件(延伸温度等)は、プリフォーム15の直径、光ファイバ17の直径および用いる材料等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、線引張力については、特開平7−234322号公報に記載されている様に、溶融したポリマーを配向させるために0.1N以上としたり、特開平7−234324号公報に記載されている様に溶融延伸後に歪みを残さないようにするために1N以下とすることが好ましい。また、特開平8−106015号公報に記載されている様に、延伸の際に予備加熱を設ける方法等をとることもできる。以上の方法によって得られる光ファイバ17については、破断伸びや硬度について特開平7−244220号公報に記載の様に規定することで後に説明する光ファイバケーブル19の曲げや側圧特性を改善することができる。
素線である光ファイバ17は、そのままの形態でも、例えば光ファイバのような光伝送体として用いることができるが、通常は、その外周に保護層を設け、光ファイバ17を保護すると共に様々な機能を持たせる。例えば、光ファイバの曲げ・耐候性の向上,吸湿による性能低下抑制,引張強度の向上,耐踏付け性付与,難燃性付与,薬品による損傷からの保護,外部光線によるノイズ防止,着色などによる商品価値の向上などを目的として光ファイバ17の表面に1層以上の保護層を被覆する被覆工程18を行いプラスチック光ファイバケーブル19として使用する。保護層の材料及び光ファイバに保護層を形成する方法は、特に限定されるものではない。
保護層形成用の材料には、光ファイバ17に熱的ダメージ(例えば、変形,変性,熱分解など)を与えないものを選択する。具体的に以下の材料を挙げることができる。これらは高い弾性を有しているため、曲げなどの機械的な特性付与の観点でも効果がある。まず、ポリマーの一形態であるゴムを用いることもできる。具体的には、イソプレン系ゴム(例えば、天然ゴム,イソプレンゴムなど),ブタジエン系ゴム(例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム,ブタジエンゴムなど),ジエン系特殊ゴム(例えば,ニトリルゴム,クロロプレンゴムなど),オレフィン系ゴム(例えば、エチレン−プロピレンゴム,アクリルゴム,ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴムなど),エーテル系ゴム,ポリスルフィド系ゴム,ウレタン系ゴムなどが挙げられる。
室温では流動性を示し、加熱することによりその流動性が消失して硬化する液状ゴムを用いることができる。具体的には、ポリジエン系(例えば、基本構造がポリイソプレン,ポリブタジエン,ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,ポリクロロプレンなど),ポリオレフィン系(例えば、基本構造がポリオレフィン,ポリイソブチレンなど),ポリエーテル系(例えば、基本構造がポリ(オキシプロピレン)など),ポリスルフィド系(例えば、基本構造がポリ(オキシアルキレンジスフィド)など),ポリシロキサン系(例えば、基本構造がポリ(ジメチルシロキサン)など)などを挙げることができる。
熱可塑性エラストマー(TPE)を用いることもできる。熱可塑性エラストマーは、室温ではゴム弾性を示し、高温では可塑化されて成形が容易である物質群である。具体的には、スチレン系TPE,オレフィン系TPE,塩化ビニル系TPE,ウレタン系TPE,エステル系TPE,アミド系TPEなどが挙げられる。なお、前記列記したポリマーは、素線のポリマーのガラス転移温度Tg以下で成形可能なものであれば、特に上記材料に限定されず、各材料間もしくは上記以外の共重合体や混合ポリマーを用いることもできる。
また、ポリマー前駆体と反応剤などとを混合した液を熱硬化させるものを用いることができる。例えば、特開平10−158353号公報に記載のNCOブロックプレポリマーと微粉体コーティングアミンとから製造される1液型熱硬化性ウレタン組成物を挙げることができる。また、国際公開第95/26374号パンフレットに記載のNCO基含有ウレタンプレポリマーと20μm以下の固形アミンとからなる1液型熱硬化性ウレタン組成物なども用いることもできる。その他に、性能を改善する目的で難燃剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、滑剤などの添加剤や、無機化合物及び/または有機化合物からなる各種フィラーを加えることができる。
被覆の構造としては、光ファイバの素線を被覆することによりプラスチック光ファイバケーブル製造が可能となる。その際にその被覆の形態として、被覆材とプラスチック光ファイバ素線の界面が全周にわたって接して被覆されている密着型の被覆と、被覆材とプラスチック光ファイバ素線の界面に空隙を有するルース型被覆がある。ルース型被覆では、たとえばコネクタとの接続部などにおいて被覆層を剥離した場合、その端面の空隙から水分が浸入して長手方向に拡散されるおそれがあるため、通常は密着型が好ましい。
しかし、ルース型の被覆の場合、被覆と素線が密着していないので、ケーブルにかかる応力や熱とはじめとするダメージの多くを被覆材層で緩和させることができ、素線にかかるダメージを軽減させることができるため、使用目的によっては好ましく用いることができる。水分の伝播については、空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することで、端面からの水分伝播を防止でき、かつ、これらの半固体や粉粒体に耐熱や機械的機能の向上などの水分伝播防止と異なる機能をあわせ持つようにすることでより高い性能の被覆を形成できる。ルース型の被覆を製造するには、クロスヘッドダイの押出し口ニップルの位置を調整し減圧装置を加減することで空隙層を作ることができる。空隙層の厚みは前述のニップル厚みと空隙層を加圧/減圧することで調整が可能である。
さらに、必要に応じて被覆層(1次被覆層)の外周にさらに被覆層(2次被覆層)を設けても良い。2次被覆層に難燃剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、昇光剤、滑剤などを導入してもよく、耐透湿性能を満足する限りにおいては、1次被覆層にも導入は可能である。なお、難燃剤については臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤や燐含有のものがあるが、毒性ガス低減などの安全性の観点で難燃剤として金属水酸化物を加える主流となりつつある。金属水酸化物はその内部に結晶水として水分を有しており、またその製法過程での付着水が完全に除去できないため、金属水酸化物による難燃性被覆は本発明の対透湿性被覆(1次被覆層)の外層被覆(2次被覆層)として設けることが望ましい。
また、複数の機能を付与させるために、様々な機能を有する被覆を積層させてもよい。例えば、難燃化以外に、素線の吸湿を抑制するためのバリア層や水分を除去するための吸湿材料、例えば吸湿テープや吸湿ジェルを被覆層内や被覆層間に有することができ、また可撓時の応力緩和のための柔軟性素材層や発泡層等の緩衝材、剛性を挙げるための強化層など、用途に応じて選択して設けることができる。樹脂以外にも構造材として、高い弾性率を有する繊維(いわゆる抗張力繊維)および/または剛性の高い金属線等の線材を熱可塑性樹脂に含有すると、得られるケーブルの力学的強度を補強することができることから好ましい。抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。いずれのものも前述したものに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を組み込むことができる。
また、ケーブルの形状は使用形態によって、素線を同心円上にまとめた集合ケーブルや、一列に並べたテープ心線と言われる態様、さらにそれらを押え巻やラップシースなどでまとめた集合ケーブルなど用途に応じてその形態を選ぶことができる。
また、本発明の光ファイバを用いたケーブルは、軸ずれに対して従来の光ファイバに比べて許容度が高いため突き合せによる接合でも用いることができるが、端部に接続用光コネクタを用いて接続部を確実に固定することが好ましい。コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA 型、SMI型などの市販の各種コネクタを利用することも可能である。
本発明の光学部材としての光ファイバ、および光ファイバケーブルを用いて光信号を伝送するシステムには、種々の発光素子や受光素子、光スイッチ、光アイソレータ、光集積回路、光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置等で構成される。また、必要に応じて他の光ファイバなどと組合わせてもよい。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用でき、例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。前記文献に記載の種々の技術と組み合わせることによって、コンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線、車両や船舶などの内部配線、光端末とデジタル機器、デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LAN等をはじめとする、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御用途などの短距離に適した光伝送システムに好適に用いることができる。
さらに、IEICE TRANS. ELECTRON., VOL. E84-C, No.3, MARCH 2001, p.339-344 「High-Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3, No.6, 2000 476頁〜480頁「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開2003−152284号等公報に記載の導光路面に対する発光素子の配置;特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号等の各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号等の各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号等の公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号等の各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号等に記載の光信号処理装置;特開2001−86537号等に記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号等に記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号等の各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などと組み合わせることで、多重化した送受信などを使用した、より高度な光伝送システムを構築することができる。以上の光伝送用途以外にも照明、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
実施例1では、プリフォーム15及び光ファイバ17を製造する際に、(a)〜(d)の観察、測定を行った。それらの結果は表1にまとめて示す。(a)得られたプリフォーム15を目視で気泡(以下、ボイドと称する)の数を観察した。(b)延伸工程16を行っている際に、電気炉中に置かれたプリフォーム15の先端部分に発生した泡(以下、延伸泡と称する)の数を目視で観察した。(c)得られた光ファイバ17の波長650nmの条件での伝送損失を測定した。(d)得られた光ファイバ17の先端からMINI Inc.社製のLWL−Fiberlightの光入射を行い、光ファイバの途中部分から光がもれ出る箇所を観察した。その部分を反射条件にて顕微鏡観察したところ、ラグビーボール状の小さな泡(以下、微小泡と称する)が長手方向でも0.5mm〜2mm程度の大きさのものが観察された。得られた光ファイバ17の50m当たりの微小泡の数を確認した。
実験1では、押し出し成形により作製した外径20mm,内径19mm,長さLが60cmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなるクラッドパイプ12を用いた。このクラッドパイプ12を充分に剛性を有する内径20mm,長さ60cmの重合容器に挿入した。このクラッドパイプ12を純水にて洗浄、90℃にて乾燥させた。その後にK850ペレット(呉羽化学(株)社製)を用いて片方の端に200℃、30分かけて底付けを行った。さらに、エタノールにて管内壁を洗浄後、80℃の熱オーブンにて減圧条件下(大気圧に対して−0.05MPa)で熱アニール処理を行った。
始めにアウターコア31を形成した。三角フラスコ内に、重水素化メチルメタクリレート(MMA−d8 和光純薬(株)社製)129.0gと、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0645gと、1−ドデカンチオール(ラウリルメルカプタン)0.516gとをそれぞれ計量して入れ、アウターコア液を得た。このアウターコア液を井内盛栄堂(株)社製の超音波洗浄装置USK−3(38000MHz、出力360W)を用いて10分間超音波照射を行った。次に、クラッドパイプ12内にそのアウターコア液を注液した後に減圧濾過装置を用いてクラッドパイプ12内を大気圧に対して0.01MPa減圧した。減圧脱気しつつ前記超音波洗浄装置を用いて超音波処理を5分間行った。
クラッドパイプ12の先端部分の空気をアルゴンにて置換後、クラッドパイプ12先端部をシリコン栓にて密閉した。アウターコア液を含んだクラッドパイプ12ごと、60℃の湯浴中にいれ、浸透させつつ2時間予備重合を行った。その後、前記予備重合を行ったクラッドパイプ12を水平状態(クラッドパイプの高さ方向が水平になる状態)で60℃の温度を保持しつつ3000rpmにて回転させながら1時間加熱重合(回転重合)を行った。その後に回転速度3000rpmで70℃,4時間、さらに3000rpmで90℃,20時間の回転重合を行った。クラッドパイプ12の内側にMMA−d8ポリマーの重合体からなるアウターコア31を有する円筒管を得た。
さらに、インナーコア重合工程14を行った。三角フラスコ内に重水素化メチルメタクリレート(MMA−d8)60.0gと、ジ−tert−ブチルパーオキサイド10μLと、1−ドデカンチオール0.165gと、ドーパントとしてジフェニルスルフィド4.20gとをそれぞれ計量してインナーコア液を調製した。その後に超音波洗浄装置USK−3を用いて10分間超音波照射を行った。
アウターコア部が形成されているクラッドパイプ12を80℃で20分保温した後にインナーコア液を中空部に注入した。移送中に空気や水分の吸収が起きないように開口端にシールテープで蓋をして、その後にクラッドパイプ12をオートクレーブ41内にたて置きで設置(底付け部が下、開口端が上で)した後、開口端の蓋を取り、オートクレーブの蓋をセットした。アルゴンガスをバルブ46を開けてオートクレーブ41内に供給した。ガス抜バルブ48を開けてオートクレーブ41内の空気をアルゴンガスにて置換した。その後に圧力計47でアルゴン供給圧力を調整しつつ、ガス抜バルブ48を閉じてオートクレーブ41内を0.05MPaの圧力が掛かった雰囲気とした。その後、オートクレーブ41を用い、クラッドパイプ12の底(H0)から5cm(H1),15cm(H2),25cm(H3),35cm(H4),45cm(H5),55cm(H6)の箇所が、100℃,98℃,95℃,93℃,90℃,85℃となるようにヒーター50〜53の温度調整を行い48時間界面ゲル重合法で加熱重合させた。その後高さH1〜H6のそれぞれの位置での温度が、120℃,118℃、115℃、113℃,110℃,105℃となるようにヒーター50〜53の温度調整を行い24時間の加熱重合及び熱処理を行った。その後にオートクレーブ41外にプリフォーム15を取り出した。得られたプリフォーム15内部には目視でボイドなしを確認した。
プリフォーム15を延伸して光ファイバ17とする延伸工程16を行った。プリフォーム15を上下方向に4つの温度ゾーンを持つ電気炉(上から240℃,220℃,170℃,一番下は140℃)中に通して溶融した。プリフォーム15の先端が細くなったところで、径が470±10μmに安定させるべく延伸条件(延伸スピード,引っ張り条件)を調整しつつ延伸を連続して行った。その結果580mの光ファイバ17が得られた。延伸時には、電気炉中に置かれたプリフォーム15の先端部分及び得られた光ファイバ17では目視では問題が無かった。
なお、光ファイバの径を315±10μmとした場合にも、同等の伝送性能を有する光ファイバを製造することができた。
実験2では、実験1でのインナーコア重合工程14でのオートクレーブ41の反応条件として、H1〜H6の箇所をそれぞれ100℃,98℃,95℃,90℃,87℃,85℃として48時間界面ゲル重合法を行った後、H1〜H6での温度をそれぞれ120℃,118℃、115℃,110℃,107℃,105℃に変更して24時間の加熱重合及び熱処理を行った以外は、実験1と同じ条件で実験を行った。オートクレーブ41外にプリフォーム15を取り出した。得られたプリフォーム15内部には目視でボイドなしを確認した。又、延伸時には電気炉中に置かれたプリフォーム先端部に1個の延伸泡が発生した。この延伸泡による光ファイバ損失は30m程であった。
実験3では、実験1でのインナーコア重合工程14でのオートクレーブ41の反応条件として、H1〜H6の位置でそれぞれ100℃,95℃,93℃,90℃,87℃,85℃として48時間界面ゲル重合法を行った後に、H1〜H6の位置の温度をそれぞれ120℃,115℃、112℃,110℃,107℃,105℃に変更し、24時間の加熱重合及び熱処理を行った以外は実験1と同じ条件で実験を行った。その後にオートクレーブ41外にプリフォーム15を取り出した。得られたプリフォーム15内部には目視でボイドなしを確認した。延伸時には電気炉中に置かれたプリフォーム先端部に延伸泡の発生は無かった。
実験4では、実験1でのインナーコア重合工程14でのオートクレーブ41の反応条件として、H1〜H6の位置でそれぞれ100℃,99.5℃,95℃,93℃,90℃,85℃として48時間界面ゲル重合法を行った後に、H1〜H6の位置の温度をそれぞれ120℃,119.5℃、115℃,113℃,110℃,105℃に変更し、24時間の加熱重合及び熱処理を行った以外は実験1と同じ条件で実験を行った。その後にオートクレーブ41外にプリフォーム15を取り出した。得られたプリフォーム15内部には目視でボイドなしを確認した。延伸時には電気炉中に置かれたプリフォーム先端部に1個の延伸泡が発生した。上記延伸泡により、光ファイバ損失は30m程であった。
実験5では、実験1でのインナーコア重合工程14でのオートクレーブ41の反応条件として、クラッドパイプ12の底から上部まで温度条件に差をつけずに、100℃で48時間界面ゲル重合法を行った。その後に120℃で24時間の加熱重合及び熱処理を行った以外は、実験1と同じ条件で実験を行った。その後にオートクレーブ41外にプリフォーム15を取り出した。得られたプリフォーム15内部には目視で直径0.5〜0.8mm程のボイドを8個確認した。又、延伸時には電気炉中に置かれたプリフォームには合計6個の延伸泡の発生を確認したため、光ファイバ17は正味350mしか得られなかった。
さらに、実験1ないし4の各実験において、重合性組成物に軽水素からなるメチルメタクリレートを用いた場合でも、泡の発生に差は見られなかった。
本発明に係る実験1ないし実験4の条件で作製されたプリフォーム15及びそのプリフォーム15を延伸して得られた光ファイバ17の性能結果は、比較実験である実験5と比較してボイド,泡の発生が極めて抑制され、650nmの波長における伝送損失も低く光学特性が良好であることが分かる。また、各実験を説明した際に記載した得られた光ファイバ17の長さも実験1ないし4の方法では長く、生産性も良好であることが分かった。
12 クラッドパイプ
15 プリフォーム
17 プラスチック光ファイバ
30 インナーコア
31 アウターコア
40 重合装置
15 プリフォーム
17 プラスチック光ファイバ
30 インナーコア
31 アウターコア
40 重合装置
Claims (12)
- 透光性を有するコア部を、中空管に注入した重合性組成物を重合させてなるプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法において、
前記コア部用重合性組成物を前記中空管内で重合する際に、前記中空管の上部と下部との重合速度に差をつけることを特徴とするプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。 - 前記中空管を略鉛直方向に設置することを特徴とする請求項1記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。
- 前記中空管の下部での重合速度を前記中空管の上部での重合速度より速くすることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。
- 前記中空管の下部から上部までの重合速度が、連続的に変化していることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。
- 前記コア部用重合性組成物の重合が熱によって進行することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。
- 前記コア部用重合性組成物を重合する際に、0.05℃/cm以上0.5℃/cm以下の温度差をつけて行われることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。
- 前記コア部用重合性組成物の重合を界面ゲル重合法によって行うことを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法。
- 請求項1ないし7いずれか1つ記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法によって得られることを特徴とするプラスチック光学部材用プリフォーム。
- 請求項1ないし7いずれか1つ記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造方法によって得られ、
その中心から半径方向にかけて屈折率が連続的に低下する分布を示すコア部と、
前記コア部の屈折率よりも小さい屈折率を持つ中空管とを有する屈折率分布型プラスチック光学部材用プリフォームであることを特徴とするプラスチック光学部材用プリフォーム。 - 請求項8または9記載のプラスチック光学部材用プリフォームを延伸して得られることを特徴とするプラスチック光ファイバ。
- 中空管と前記中空管内で重合されるコア部とからなるプラスチック光学部材用プリフォームの製造装置において、
前記中空管が略鉛直方向に設置され、前記中空管の略平行方向に温度勾配を持たせることが可能な加熱手段を備えることを特徴とするプラスチック光学部材用プリフォームの製造装置。 - 前記温度勾配が、前記中空管の上方から下方に向けて、0.05℃/cm以上0.5℃/cm以下の範囲であることを特徴とする請求項11記載のプラスチック光学部材用プリフォームの製造装置。
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