JP2005094970A - 永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法および装置。 - Google Patents

永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法および装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータの着磁からステータ本体への挿入の工程を一台の装置で実施することができ、作業性が良く、ロータをモータ本体に組み込む際に生じる鉄粉などの異物の付着を防止すると共に、ロータ鉄心とステータ鉄心の接触による損傷を防止することが可能な永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法および装置を提供する。
【解決手段】 ロータ16を固定するためのセンタ部材6と、センタ部材6をベース8上に固定する2組の支持台1と、ロータ16に設けられた未着磁の永久磁石19を着磁するための着磁コイル4を巻回してなる円筒状の着磁ヨーク3を備えた着磁装置2と、着磁装置2をロータ16に微小な空隙を介して挿入するために着磁装置2をベース8上で軸方向に移動させる着磁装置移動台車5と、ステータ11を着磁後の永久磁石19を有するロータ16に挿入するためにステータ11をベース8上で軸方向に移動させるステータ移動台車10を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石形モータの組立方法及びその装置に係り、特に、複数個の永久磁石を有するロータを効率よく着磁し、着磁後のロータをステータ本体に確実に組み込むのに好適な永久磁石形モータタのロータ着磁・挿入方法および装置に関する。
従来から、ロボットあるいは工作機械等において可動部材や非加工物の位置決めおよび速度制御用としてサーボモータ等が使用されている。このモータの界磁発生手段に永久磁石を使用し、外部から界磁エネルギーの供給を必要としない永久磁石界磁方式のモータ(以下、永久磁石形モータと呼ぶ)は、巻線界磁方式のモータに比べて効率が良いことから、省エネルギーを目的とする小型モータあるいはロボット用のサーボモータなどの用途に好適である。
この永久磁石形モータとしては、特許文献1に記載された表面磁石型ロータを有するもの、あるいは特許文献2に記載された内磁型ロータを有するものが知られている。なお、一例として、図5に表面磁石型ロータを有する永久磁石形モータの平面図を示す。
図5において、電動機のロータ16は、薄肉の鋼板を積層し、固定したロータ鉄心17と予め別工程で着磁された永久磁石19を交互に複数個組み合せ、それらをシャフト18に嵌合することにより形成されている。また、ステータ11は、図4に示すようにステータ鉄心12と、ステータ鉄心12の内周側に等間隔で配列した複数の歯部13と、隣り合う歯部13の間に形成されたスロット部14に装入したステータコイル15とで構成されている。
次に、図6に従来の永久磁石形モータの挿入装置の側断面図を示す。
図6において、1は支持台、2は着磁装置、3は着磁ヨーク、4は着磁コイル、5は着磁装置移動台車、6はセンタ部材、7はセンタ穴、8はベース、9はフレーム、10はステータ移動台車である。
該図の如く、鉛直方向及び水平方向の微小な位置調整が可能であるステータ移動台車10がベース9上に配置される。このステータ移動台車10はベース8上を軸方向に移動できる構造になっている。ベース8上には支持台1が両端に固定されており、支持台1にはそれぞれ両側にベース8と平行にセンタ部材6が固定されている。センタ部材6の先端は軸方向に伸縮が可能な構造となっており、この機構によりロータ16をシャフト18を介し両側から挟み固定する方式となっている。
このような構成において、先ずステータ移動台車10上にステータ鉄心12を固定する。次にセンタ部材6間に実際のロータと同径の模擬ロータ16を配置させるが、センタ部材6をシャフト18に加工されたセンタ穴7に挿入し挟み込むことにより模擬ロータ16を固定する。そして、模擬ロータ16を固定語、ステータ移動台車10をベース8上で軸方向に移動させながら模擬ロータ20をステータ鉄心12内に挿入する。この時、ステータ移動台車10の位置を微小に調整しながらステータ鉄心12と模擬ロータ20の芯を出す。芯出し完了後、一旦模擬ロータ20をセンタ部材6間から取外し実際のロータ16をシャフト18を介しセンタ部材6にて固定後、上述の如くステータ鉄心12内にロータ16を挿入する。なお、電動機における組立に関するものとしては、例えば、特許文献3に示す公報が挙げられる。
特開平9−93845号公報(明細書3〜4頁、第1図) 特開平11−206051号公報(明細書2〜3頁、第1図) 特開平8−126262号公報(明細書2〜3頁、第6図)
ところが、従来技術は専用の着磁装置にて永久磁石を有するロータに着磁後、着磁済のロータを着磁装置から取外し、該ロータを別の組立装置に取り付けてステータに組み込むるという面倒さがあり、作業の効率が悪いという問題があった。
また、着磁済のロータを着磁装置から取外した後、該着磁済のロータを別の組立装置に取付けてステータに挿入するまでの作業に時間がかかり、しかも着磁済のロータは強力な磁性体となっているため、該ロータが長く放置されると、表面に鉄粉などの異物が付着し、製品衛生上好ましくない。
特にステータとロータ間のギャップが極小である(例えば0.2〜0.5mm程度)高性能の小形モータでは、ステータ鉄心に上記の如く異物が付着したロータを組み込む際、ロータ鉄心の外周面がステータ鉄心の内周面をこすりながら組み込まれる可能性が大きい。それによって、ロータの電磁的特性を損なったり、機器が破損したりしてその後のモータの運転に悪影響を及ぼすという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、ロータの着磁からステータ本体への挿入の工程を一台の装置で実施することができ、作業性が良く、ロータをモータ本体に組み込む際に、生じる鉄粉などの異物の付着を防止すると共に、ロータ鉄心とステータ鉄心の接触による損傷を防止することが可能な永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法および装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は以下のようにしたものである.
請求項1に記載の発明は永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法に係り、ステータ鉄心にステータコイルを巻回してなるステータと、前記ステータと磁気的空隙を介して対向配置されると共にシャフトに嵌合されたロータ鉄心に永久磁石を備えてなるロータとから構成される永久磁石形モータにおいて、ベース上に前記ロータを固定するためのセンタ部材を具備した2組の支持台を固定し、前記ベース上で着磁コイルを巻回してなる円筒状の着磁ヨークを備えた着磁装置と前記ステータを夫々移動手段を介して配設し、前記センタ部材を前記シャフトに加工されたセンタ穴に挿入し、かつ、挟み込むことにより前記ロータを固定し、前記着磁装置をベース上で軸方向に移動させながら前記ロータに微小な空隙を介して挿入することにより、前記ロータに設けられた未着磁の永久磁石を着磁し、前記ステータをベース上で軸方向に移動させながら前記ステータを着磁された永久磁石を有するロータに挿入することを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置に係り、ステータ鉄心にステータコイルを巻回してなるステータと、前記ステータと磁気的空隙を介して対向配置されると共にシャフトに嵌合されたロータ鉄心に永久磁石を備えてなるロータとから構成される永久磁石形モータにおいて、前記ロータを固定するためのセンタ部材と、前記センタ部材をベース上に固定してなる2組の支持台と、前記ロータに設けられた未着磁の永久磁石を着磁するための着磁コイルを巻回してなる円筒状の着磁ヨークを備えた着磁装置と、前記着磁装置を前記ロータに微小な空隙を介して挿入するために前記着磁装置をベース上で軸方向に移動させる第1移動手段と、前記ステータを着磁後の永久磁石を有するロータに挿入するために前記ステータをベース上で軸方向に移動させる第2移動手段を有することを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置において、前記第1移動手段および前記第2移動手段の駆動機構に、リニアモータを用いたことを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2記載の永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置において、前記第1移動手段および前記第2移動手段の支持機構に、リニアガイドを用いたことを特徴としている。
請求項に記載の発明によると、ロータの着磁からステータ本体への挿入の工程を一台の装置で実施することができるため作業性が向上することから、以前のように専用の着磁装置にて永久磁石を有するロータに着磁後、着磁ロータを着磁装置から取外し、該ロータを別の装置に取り付けてステータに組み込むるという面倒さが解消される。また、ロータは着磁後、別の装置に組替えられることなく,すぐにステータに挿入されるため、ロータをモータ本体に組み込む際に生じる鉄粉などの異物の付着を防止すると共に、ロータ鉄心とステータ鉄心の接触による損傷を防止することができる。
また、着磁装置はロータの大きさ、ステータ移動台車はステータの大きさに影響されずに、容易に設計できるため、大容量の着磁が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の実施例を示す永久磁石形モータの着磁・挿入装置の側断面図、図2は着磁装置によりロータを着磁する方法を示した永久磁石形モータの着磁・挿入装置の側断面図、図3はステータ本体をロータに組み込む方法を示した永久磁石形モータの着磁・挿入装置の側断面図である。なお、本発明の構成要素が従来技術と同じ点についてはその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図1乃至図3において、2は着磁装置、3は着磁ヨーク、4は着磁コイル、5は着磁装置移動台車である。
本発明の特徴は以下のとおりである。
すなわち、ロータ16を固定するためのセンタ部材6と、センタ部材6をベース8上に固定してなる2組の支持台1と、ロータ16に設けられた未着磁の永久磁石19を着磁するための着磁コイル4を巻回してなる円筒状の着磁ヨーク3を備えた着磁装置2と、着磁装置2をロータ16に微小な空隙を介して挿入するために着磁装置2をベース8上で軸方向に移動させる着磁装置移動台車5と、ステータ11を着磁された永久磁石19を有するロータ16に挿入するためにステータ11をベース8上で軸方向に移動させるステータ移動台車10を有する点である。
次に、着磁装置移動台車5およびステータ移動台車10を該ベース上で移動させるための駆動機構、支持機構について説明する。該駆動機構としてはリニアモータあるいはボールネジと回転型モータの組み合わせの類のものを用いると共に、支持機構としてはスライダブロックとガイドレールからなるリニアガイドを用いるようにし、ここでは説明を容易にするために着磁装置移動台車5の例を用いて説明する。図4は図1の矢視A方向から見た着磁装置移動台車およびベースの取付状態を示す正面図である。
図4において、着磁装置移動台車5にリニアモータ可動子20を装着し、ベース8側にリニアモータ固定子21を装着する構成として、ベース8上で着磁装置移動台車5を相対的に移動させる。また、着磁装置移動台車5にはスライダブロック22を設け、ベース8側にガイドレール23を設ける構成にしている。なお、着磁装置移動台車5の例を説明したが、ステータ移動台車10似ついても同様とする。
次に、永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法の動作を説明する。
まず、2組の支持台1に設けられたセンタ部材6間にロータ16のシャフト18を挟んで固定すると共に、ベース8上で支持されたステータ移動台車10にステータ11を取付ける。次に、着磁装置2をベース8上で着磁装置移動台車5によって軸方向に移動させながら、ロータ16に微小な空隙を介して挿入することにより、ロータ16に設けられた未着磁の永久磁石19を着磁する。その際,ロータ16がスキューなどを施した構成のものであれば、ロータを指定角度まで回転後、着磁ヨークを軸方向位置決めし着磁を行うようにしている。そして、ステータ11をベース8上でステータ移動台車10によって軸方向に移動させながらステータ11を着磁後の永久磁石19を有するロータ16に挿入する。
したがって、本発明に係る永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置において、ロータ16を固定するためのセンタ部材6と、センタ部材6をベース8上に固定してなる2組の支持台1と、ロータ16に設けられた未着磁の永久磁石19を着磁するための着磁コイル4を巻回してなる円筒状の着磁ヨーク3を備えた着磁装置2と、着磁装置2をロータ16に微小な空隙を介して挿入するために着磁装置2をベース8上で軸方向に移動させる着磁装置移動台車5と、ステータ11を着磁された永久磁石19を有するロータ16に挿入するためにステータ11をベース8上で軸方向に移動させるステータ移動台車10を有する構成にしたので,ロータの着磁からステータ本体への挿入の工程を一台の装置で実施することができ、作業性が向上することから、以前のように専用の着磁装置にて永久磁石を有するロータに着磁後、着磁ロータを着磁装置から取外し、該ロータを別の装置に取り付けてステータに組み込むるという面倒さが解消される。また、ロータは着磁後、別の装置に組替えられることなく,すぐにステータに挿入されるため、ロータをモータ本体に組み込む際に生じる鉄粉などの異物の付着を防止すると共に、ロータ鉄心とステータ鉄心の接触による損傷を防止することができる。
また、着磁装置はロータの大きさ、ステータ移動台車はステータの大きさに影響されずに、容易に設計できるため、大容量の着磁が可能となる。
本発明の実施例を示す永久磁石形モータの着磁・挿入装置の側断面図 着磁装置によりロータを着磁する方法を示した永久磁石形モータの着磁・挿入装置の側断面図 ステータ本体をロータに組み込む方法を示した永久磁石形モータの着磁・挿入装置の側断面図 図1の矢視A方向から見た着磁装置移動台車およびベースの取付状態を示す正面図 表面磁石型ロータを有する永久磁石形モータの平面図 従来の永久磁石形モータの挿入装置の側断面図
符号の説明
1 支持台、
2 着磁装置、
3 着磁ヨーク、
4 着磁コイル、
5 着磁装置移動台車(第1移動手段)、
6 センタ部材、
7 センタ穴、
8 ベース、
9 フレーム、
10 ステータ移動台車(第2移動手段)、
11 ステータ、
12 ステータ鉄心、
13 歯部、
14 スロット部、
15 ステータコイル、
16 ロータ、
17 ロータ鉄心、
18 シャフト、
19 永久磁石、
20 リニアモータ可動子、
21 リニアモータ固定子、
22 スライダブロック、
23 ガイドレール

Claims (4)

  1. ステータ鉄心にステータコイルを巻回してなるステータと、前記ステータと磁気的空隙を介して対向配置されると共にシャフトに嵌合されたロータ鉄心に永久磁石を備えてなるロータとから構成される永久磁石形モータにおいて、
    ベース上に前記ロータを固定するためのセンタ部材を具備した2組の支持台を固定し、
    前記ベース上で着磁コイルを巻回してなる円筒状の着磁ヨークを備えた着磁装置と前記ステータを夫々移動手段を介して配設し、
    前記センタ部材を前記シャフトに加工されたセンタ穴に挿入し、かつ、挟み込むことにより前記ロータを固定し、
    前記着磁装置をベース上で軸方向に移動させながら前記ロータに微小な空隙を介して挿入することにより、前記ロータに設けられた未着磁の永久磁石を着磁し、
    前記ステータをベース上で軸方向に移動させながら前記ステータを着磁後の永久磁石を有するロータに挿入することを特徴とする永久磁石形モータのロータ着磁・挿入方法。
  2. ステータ鉄心にステータコイルを巻回してなるステータと、前記ステータと磁気的空隙を介して対向配置されると共にシャフトに嵌合されたロータ鉄心に永久磁石を備えてなるロータとから構成される永久磁石形モータにおいて、
    前記ロータを固定するためのセンタ部材と、
    前記センタ部材をベース上に固定してなる2組の支持台と、
    前記ロータに設けられた未着磁の永久磁石を着磁するための着磁コイルを巻回してなる円筒状の着磁ヨークを備えた着磁装置と、
    前記着磁装置を前記ロータに微小な空隙を介して挿入するために前記着磁装置をベース上で軸方向に移動させる第1移動手段と、
    前記ステータを着磁後の永久磁石を有するロータに挿入するために前記ステータをベース上で軸方向に移動させる第2移動手段を有することを特徴とする永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置。
  3. 前記第1移動手段および前記第2移動手段の駆動機構に、リニアモータを用いたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置。
  4. 前記第1移動手段および前記第2移動手段の支持機構に、リニアガイドを用いたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石形モータのロータ着磁・挿入装置。
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