JP2005089172A - ロープテスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】永久磁石で通過中のワイヤロープを磁化し、素線断線があったときに発生する漏洩磁束を検出コイルで検出する形式のロープテスタであり、検出器が、複数本のワイヤーロープのそれぞれを導く複数本の平行状のガイド路を有し、それら各ガイド路の下側に永久磁石を含む磁気回路部体と検出コイル部体を備えた磁化検出体をそれぞれ配しており、かつ前記各磁化検出体の隣接するもの同士が溝長手方向で交互に位置がずれかつ永久磁石の磁極が反対方向に配置されている。
【選択図】図2
Description
この検査機器は一般的に「ロープテスタ」と称され、一般的に、検出器と制御器と記録計から構成され、検出器は、1本ずつワイヤロープを測定すべく、長手方向両端部にそれぞれ永久磁石を内蔵し中間部に検出コイルを内蔵した一対の溝形状の割り本体を、閉じた時に円筒状を呈するようにヒンジ結合した構造となっていた。そして、測定時には、割り本体を拡開して対象のワイヤロープに外囲させ、検出器の中をワイヤロープが通過することにより永久磁石でワイヤロープを強く磁化させ、素線に断線があった場合に発生する漏洩磁束を検出コイルで検出し、選択増幅後検波し、検出信号として出力し、記録するのである。
すなわち、隣接する検出器の永久磁石が同極(N極同士が隣接)である場合には、反発力が発生するため位置固定が困難になり、これを解消するために検出器の向きを逆極が隣接するように並列配置すると、隣接磁石間吸引力が発生して磁気回路が形成され、それによりロープの磁化力が低下し、また信号が磁気干渉の影響を受けて不安定化し、精度のよい測定を行なえないという問題があった。
近年、昇降路、機械室等の設備をできるだけコンパクトにし、省スペースにするため、機械室を備えた従来型エレベータに変わり、屋上に実質的に機械室を必要としない機械室レスエレベータが主流となっている。
機械室を備えた従来型エレベータの場合には外観検査は容易であり、ロープテスタによる検査もスペースが十分な機械室で実施することが可能であるが、機械室レスエレベータでは、薄型巻上げ装置、薄型制御装置、直径10mmの多数平行ロープを昇降路内に配置されており、検査は、機械室がないため、かご上、最上部、ピット(底床面)などの狭く、暗く、危険な場所での実施を避けられないので、外観検査は実施できない。さらに、巻上げ装置のコンパクト化のため、シーブ直径は法規の最小値D/d=40を採用することが多い。これは、ローピングの面からは通過するシーブ枚数が増加し、ロープ寿命の面では短くなる方向での使用条件であり、このことから、検査頻度は高くする必要がある。
したがって、複数本のワイヤロープの探傷を同時測定することができるので、機械室レスエレベータ用ロープなどを、短時間で、安全、確実に検査することが可能である。
この構成によれば、磁化検出体がセグメント化ないしユニット化されているので、チャンネル数が多くても簡単に検出器を組み立てることができる効果が得られる。
この構成によれば、複数本のロープを同時測定できる上に、制御器が1台で対応できるため、コストが安く、調整も1台分で足り、全体の装置が小型で設置スペースをとらないという効果が得られる。
図1ないし図8は本発明によるロープテスタの一実施例を示しており、図1において、Aは検出器、Bは制御器であり、制御器Bはパソコンなどのデータ記録・分析・機能を有する手段に連絡される。
前記検出器Aは、図2ないし図8に示されており、アルミニウムなどの非磁性材料からなる底板1と、ステンレスなどの非磁性材料からなり底板1の両側にねじ止めされた側面板2,2とにより構成された樋状断面体を備え、これの幅広溝長手方向両端部には、アルミニウムなどの非磁性材料からなる板状のガイドホルダー3,3が内装固定され、中間部位には同じ材質のガイドホルダー3’が内装固定され、これらにより、長手方向で左右に区画された第1室4aと第2室4bを有する比較的平たい箱型のハウジングが構成されている。
側面板2,2には、図1のように、持ち運び用の吊手や把手を取付けるための雌ねじ穴20,20や、固定金具を取付けるための雌ねじ穴21,21が適宜設けられる。また、底板1にも図示しないが固定金具を取付けるための雌ねじ穴が設けられる。
図4のように、凹入部30a~30fの幅Wは測定対象のワイヤーロープの外径と一致するかやや大きく、深さHすなわち突部頂面から凹入部最下部までの距離は測定対象のワイヤーロープの外径よりも大きく構成されている。
磁気回路部体5aは、この例では、前後に位置する2個の永久磁石50,51を、鋼などの磁性材からなるブロック(ヨーク)52により一体化して構成されている。もちろん、ブロック部分を含めて全体を永久磁石としてもよい。そして、永久磁石50,51の上部には、上面が前記ガイドホルダー3、3、3’の凹入部30a~30fに合致する曲率で凹入した磁極部材500,510が固定されている。
前記ホルダー53は、永久磁石50,51間の中間に相当するブロック52の上に配され、ねじによって固定されている。
パンケーキコイル54の立ち上がり部分の背面からホルダーにかけて、電磁鋼板からなる一対のシールド板55,55が固定されている。前記パンケーキコイル54のリード線は、ホルダー湾曲部530に設けた溝に導かれ、ホルダー側面に設けた端子に結線されている。
パンケーキコイル54と磁極部材500,510は第1凹入部30a、第3凹入部30cおよび第5凹入部30eの湾曲と整合している。
3個の磁化検出体5は、それぞれ永久磁石50,51の磁極の方向が同じであり、この例では左端にN極が、右端にS極が位置している。
すなわち、3個の前記磁化検出体5’は、図7のように、パンケーキコイル54と永久磁石が、ガイドホルダー3、3’の第2凹入部30bと第4凹入部30dおよび第6凹入部30fと同軸上にあるように配置され、ブロック52の下部を底板1とボルトにより連結固定されている。
パンケーキコイル54と磁極部材500,510は、前記と同じくガイドホルダー3、3’の第2凹入部30b、第4凹入部30dおよび第6凹入部30fとそれぞれ湾曲を整合させて配置されている。3個の磁化検出体5’は、それぞれ永久磁石50,51の磁極の方向が同じであるが、第1室4aにおける前記各磁化検出体5とは逆の方向にあり、この例では左端にS極が、右端にN極が位置している。
このガイド板6は、図4,5のように、磁化検出体5、5’のパンケーキコイル54と磁極部材500,510およびガイドホルダー3、3’の凹入部30a~30fに合致する曲率を持った複数の平行な溝60a~60fを区画用突部31に対応するヘヤピン状の屈曲部61を介して形成し、両端に端突部32,32に対応する平坦部62、62を形成しており、平坦部62、62は側面板2,2の頂部に重ねられ、ビスで固定されている。本発明のガイド路はかかるガイド板6を有する場合を含んでいる。
したがって、第1室4aにおける3個の各磁化検出体5によりチャンネル(CH)1~3が、第2室4bにおける3個の前記磁化検出体5’によりチャンネル(CH)4~6が構成されている。
101はワイヤーロープであり、4本が並列され中間部分でかご100を抱くように導かれ、上方に位置する巻上機102を経由し、つりあい重り103を経由して、端がピット上部に固定されている。
測定はシャフト外でリモコン操作により行った。データは制御器とパソコンをUSBで接続し、専用ソフトによりパソコンに転送される。実地に測定を行なった結果、測定時間は取り付け、測定、撤去を含めて1時間以内で十分可能であった。また、作成した模擬断線を明確に測定できることが確認された。
1)千鳥状配置の磁化検出体5、5’とこれによるチャンネル数は、6個である場合に限られず、これより多くても、少なくてもよい。
2)検出器Aは、場合によってはガイド板6を覆うカバーないし蓋を有していてもよい。それらは、ハウジングに対してヒンジによって開閉可能にされることが好ましい。
また、制御器Bも1台で済むので、測定装置全体もコンパクトになり、リモコン式の遠隔操作とデータ転送、解析が可能なため、少人数ないし無人で常時監視と測定が可能である。
5,5’ 磁化検出体
5a 磁気回路部体
5b 検出コイル部体
50,51 永久磁石
52 磁気回路形成用ブロック
53 状のホルダー
54 検出コイル
Claims (3)
- 永久磁石で通過中のワイヤロープを磁化し、素線断線があったときに発生する漏洩磁束を検出コイルで検出する形式のロープテスタであって、検出器が、複数本のワイヤーロープのそれぞれを導く複数本の平行状のガイド路を有し、それら各ガイド路の下側に永久磁石を含む磁気回路部体と検出コイル部体を備えた磁化検出体をそれぞれ配しており、前記各磁化検出体の隣接するもの同士が溝長手方向で交互に位置がずれかつ永久磁石の磁極が反対方向に配置されていることを特徴とするロープテスタ。
- 磁化検出体が、両端に永久磁石を一体化した磁気回路形成用ブロックと、該磁気回路形成用ブロックの中間上部に固定された電気絶縁材からなる台状のホルダーと、該ホルダーの頂部に設けた湾曲部に固定された湾曲状のパンケーキコイルを備えている請求項1に記載のロープテスタ。
- 各磁化検出体の検出コイルが単一のコネクタに結線されて制御器に1系統で導かれ、制御器は、各チャンネルからの信号の和として処理し、出力は1系統とする回路となっている請求項1に記載のロープテスタ。
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