JP2005084425A - 液晶セル - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明電極膜による赤外光減衰の影響がなく、コントラスト比を向上させた液晶セルを提供する。
【解決手段】 一対の透明電極膜2a、2bを有する液晶セルにおいて、少なくとも一方の透明電極膜が、酸化インジウムを主成分として、チタン元素がチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含まれていて結晶性の透明酸化物膜である。さらに、該透明電極膜の表面抵抗が、1kΩ/□以下であり、比抵抗が、9.5×10-4Ωcm以下、好ましくは4.9×10-4Ωcm以下であり、波長1300〜1600nmにおける平均光透過率が、73%以上であり、ホール効果測定によるキャリア電子濃度が、5.5×1020cm-3以下であり、ホール効果測定によるキャリア電子の移動度が、40cm2/Vsec以上であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外域の光通信でも利用可能な光スイッチや光通信用波長フィルターに用いられる液晶セルに関する。
(液晶について)
光通信技術や光情報処理技術の進展により、光ファイバーを用いた波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信方式や光ネットワークの利用が盛んになってきている。これらに用いられる光スイッチには、液晶を用いたものが知られている。
液晶は、外観的には流動性のある液体でありながら、結晶のように光学異方性を示し、液体と結晶の両性質をもつ物質である。その実態は、棒状または板状の液晶分子を持つ有機物質であるが、棒状の液晶分子の長軸方向とそれに直角な方向、または板状の液晶分子の板面に平行な方向とそれに直角な方向で、屈折率が異なる性質を示す(複屈折性)。広範に用いられている液晶は、棒状の液晶分子からなるネマチック(Nematic)液晶である。
ネマチック液晶の棒状の液晶分子は、平均的には長軸方向に整列しているが、微視的には分子運動のため整列方向がゆらいでいて、屈折率の異なる液晶分子によって光は散乱され、通常は白濁して見える。当該液晶分子を図1に示すような液晶セルに用いるには、棒状の液晶分子を一定の方向に整列させる必要があり、これを配向処理という。
配向処理には、前記電極を形成した基板にポリイミド樹脂膜などの高分子膜を塗布し、これを綿布などで一定の方向にこするラビング法が用いられている。ラビングされた高分子膜は配向膜という。棒状の液晶分子は、このような配向処理をした高分子膜の面上では、ラビングされた方向に配列する。これが、配向処理である。
配向膜を付した2枚のガラス基板に挟まれた液晶は透明で、配向方向とそれに直角な方向(棒状の液晶分子の短軸方向)の屈折率が異なり、異方性結晶と同じ効果を示す。すなわち、2枚のガラス基板上の配向膜の配向方向を直交させる向きとなるようにして、液晶を該ガラス基板で挟み込むと、配向膜に接する液晶の棒状の液晶分子が、配向方向に沿って並ぶ性質と、液晶の棒状の液晶分子同士が引き合って、一つの方向にそろって並ぶ性質とによって、液晶分子は配向膜の間で90°よじれて配向する。これをTN(Twisted Nematic)モードという。
さらに、入射側ガラス基板上の液晶分子の長軸または短軸方向に沿った直線偏光を、偏光板を通して作り、入射させると、光の偏光方向は液晶分子のよじれとともに回転し、入射光の偏光方向から90°回転した直線偏光が出射される。この現象は旋光性といわれ、TN液晶の特有の現象である。さらに、出射側に偏光板を置き、その透過方向を出射光の偏光方向と同じ方向(入射側の偏光板の偏光方向と直角方向)に設定しておくと、出射光は偏光板を通過して出射光は明状態となる。一方、液晶分子は電圧によっても整列する。すなわち、液晶を挟み込む2枚の基板の対向する側の表面にそれぞれ電極を形成し、電極間に電圧を印加すると、電極面に対して垂直な方向に向きを変えて整列する。このような状態では、偏光が液晶に入っても、偏光方向が変わらず、液晶を通過し、入射側偏光板の偏光方向に対して垂直の偏光方向を有する出射側の偏光板を通過せず、出射光は暗状態である。
液晶分子の回転は、前述のように90°である必要は必ずしもなく、90°以下でも、あるいは90°以上でもよく、液晶分子の配列のねじれ角に応じて、偏光板の偏光方向の角度を設定すれば、前述のようなスイッチング機能をもたらすことができる。液晶分子の配列のねじれ角を180°から270°までに大きくした超ねじれネマチック(STN:super-twisted nematic)方式も使われている。液晶分子の配列のねじれ角と偏光板の偏光角との組み合わせを最適にすれば、前述のようなスイッチング機能をもつことも可能である。
また、サイズが1〜2mmの粒状のネマチック液晶を高分子中に分散させた構造をもっており、液晶分子の方向を一定方向に揃える配向処理を必要としないという特徴を持つ高分子分散型液晶も利用されている。高分子分散型液晶は,印加電圧を変えると,ガラスのように透明な状態から,曇りガラスのように白濁した状態まで変化する。透明になるのは液晶分子がガラス面に垂直な方向に並んで光をそのまま通すからであり,オフ状態で白濁するのは液晶が粒ごとに勝手な方向を向いてしまって光を散乱させるためである。高分子分散型液晶の特徴は,TN液晶に必要な偏光板を必要としないことであり,その透過率はTN液晶よりも大きい。
(光通信用液晶セルについて)
特表2002−501210号公報には、ツイステッドネマチック液晶セルと偏光板を組み合わせて用いた偏光制御型の液晶光スイッチの例が記載されている。ここでは、2つのセル壁の配向膜のラビング方向の相対的関係、すなわちツイスト角(ラビング方向の相対的な関係)が、50°と80°の間であるツイストネマチック液晶を用いており、入射側偏光板の偏光方向と液晶入射側配向膜のディレクタとのなす角が約15°となる特徴をもっている。これによって、高コントラスト、速いスイッチングの両者を可能にしたスイッチが提案されている。
また、特開平8−36196号公報や特開2002−296626号公報に、方向性結合型の液晶光スイッチが記載されている。この光スイッチは、図2に示すように、光導波路(6a)、(6b)と透明電極膜(2a)、(2b)と配向膜(3a)、(3b)が順に積層された2枚の基板間に、液晶層(4)を充填した構造を有する。透明電極膜(2a)、(2b)間に電界を印加すると、液晶分子の配列が変わって屈折率が変化し、一方の光導波路(6b)から他方の光導波路(6a)へ光を移行させたり、もしくは移行させなかったりというスイッチングを行うことができる。液晶層と光導波路との屈折率の差が大きいと光導波路(6b)中で光はとじ込められたまま移行するが、液晶層と光導波路との屈折率差が小さくなると、光導波路(6b)から光は液晶層に進入し、他方の光導波路(6a)へ光を移行することができる。図2に示した矢印は、一方の光導波路(6b)から他方の光導波路(6a)へ光を移行させたときの光路の例を表している。
また、光ファイバー伝送では、波長の異なる多数の光を、各々、別の信号で変調し、それらを1本のファイバーケーブルで送る波長多重伝送が重要になってきている。マルチメディア化の進展と共に、その需要は飛躍的に増大するものと考えられる。波長多重伝送には、半導体レーザーの発振波長領域の拡大とともに、それを選択できる波長可変フィルターが必要不可欠である。この波長可変フィルターにも、液晶セルが用いられている。
図3に示すように、1対のガラス基板(1a)、(1b)上に、誘電体ミラー(7a)、(7b)、透明電極膜(2a)、(2b)、配向膜(3a)、(3b)が順に形成され、配向膜(3a)、(3b)の間に液晶を注入した構造である。透明電極膜(2a)、(2b)を通じて液晶層(4)に電圧を加えれば、液晶の屈折率が変わって、別の波長の光を抜き出すことができ、波長フィルターの役割を果たすことができ、様々の波長の光が入射すると、特定の波長の光だけが出てくる。多数の光を、それぞれ別の信号で変調し、それらを1本のファイバーケーブルで送る波長多重伝送の需要が、マルチメディア化の進展とともに増大することが予想される。このような波長多重化には、特定の信号を選択できる波長変換フィルターが不可欠である。
前述の液晶層(4)には、ネマチック液晶の他に、コレステリック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶なども、用いることが可能である。配向膜(3a)、(3b)には、ナイロンやポリイミド系樹脂が用いられ、透明電極膜(2a)、(2b)には、錫添加酸化インジウム膜(ITO膜)がよく用いられる。液晶層(4)に、高分子分散型の液晶材料を用いることも可能であり、その場合は、図1〜3で示した配向膜(3a)、(3b)は、必要がない。
また、前述の液晶セルは、両透明電極膜間で短絡することを防ぐために、図4に示したように、少なくとも一方の透明電極膜(2a)の液晶層(4)側の面に、透明絶縁膜(8)を形成した構造もよくとられている。該透明絶縁膜(8)には、二酸化シリコンや五酸化タンタルなどが用いられる。
前述のように、光通信用の液晶セルには、液晶に電圧を印加して、屈折率や配向を変化させるための透明電極膜が必要不可欠であり、透明電極膜は、高い導電性と可視光領域での高い透過率とを有している。このため、該透明電極膜は、液晶以外にも、タッチパネル、太陽電池や各種受光素子等の電極として利用されている。
(透明電極膜について)
前述のような種々のタイプの液晶セルには、電圧を印加して液晶分子の配向や屈折率を変えるための電極が必要不可欠である。電極には、光を通過させなければならないため、透明電極膜が利用されている。
透明電極膜には、アンチモンやフッ素がドーピングされた酸化錫(SnO2)膜や、アルミニウムやガリウムがドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)膜や、錫がドーピングされた酸化インジウム(In23)膜などが広範に利用されている。特に、錫がドーピングされた酸化インジウム膜、すなわちIn23:Sn膜はITO(Indium tin oxide)膜と称され、低抵抗の膜が容易に得られることから、良く用いられている。
ITO膜は、キャリア電子濃度の高い透明電極膜であり、近赤外域の波長での反射吸収特性に優れている。よって、自動車の窓ガラスや、建築物の窓ガラス等に用いる熱線反射膜、各種の帯電防止膜、あるいは冷凍ショーケースなどの防曇用の透明発熱体としても、利用されている。
このような透明電極膜の製造方法としては、スパッタリング法や蒸着法、イオンプレーティング法、透明導電層形成用塗液を塗布する方法が良く用いられている。特に、スパッタリング法やイオンプレーティング法は、蒸気圧の低い材料を用いて被成膜物質(以下、単に「基板」と示す。)上に膜を形成する場合や、精密な膜厚制御が必要とされる場合に、有効な手法であり、操作が非常に簡便であることから、広範に利用されている。
スパッタリング法では、一般に、約10Pa以下のアルゴンガス圧のもとで、基板を陽極とし、ターゲットを陰極として、これらの間にグロー放電を起こしてアルゴンプラズマを発生させ、プラズマ中のアルゴンイオンを陰極のターゲットに衝突させることによって、ターゲット成分の粒子をはじき飛ばし、該粒子を基板上に堆積させて成膜する。
スパッタリング法はアルゴンプラズマの発生方法で分類され、高周波プラズマを用いるものは高周波スパッタリング法といい、直流プラズマを用いるものは直流スパッタリング法という。また、ターゲットの裏側にマグネットを配置して、アルゴンプラズマをターゲット直上に集中させ、低ガス圧でもアルゴンイオンの衝突効率を上げて成膜する方法を、マグネトロンスパッタ法という。通常、前述の透明電極膜の製造方法には、直流マグネトロンスパッタ法が採用されている。また、直流プラズマをベースにして高周波を重畳させたプラズマを用いる場合もある。これは、高周波重畳直流スパッタリングとよび、放電電圧を下げることができる。高周波重畳直流スパッタリングは、酸化物ターゲットを用いて酸化物膜を作製する場合によく利用される。利点としては、低放電電圧でスパッタリングを行えて、ターゲットから発生した酸素イオンによる膜への衝撃を少なくして、良質の膜を得ることができる。
一般に、物質に光が入射すると、一部は反射され、残りの一部は物質内に吸収され、更にその残りが透過される。In23系やZnO系の透明導電材料は、n型半導体であり、キャリア電子が存在して、その移動が電気伝導に寄与する。このような透明電極膜中のキャリア電子は、赤外線を反射したり吸収したりする。透明電極膜中のキャリア電子が多くなると、赤外線の反射と吸収は多くなる(「透明導電膜の技術」、日本学術振興会編、オーム社、p.55〜57に記載)。つまり、キャリア電子が多くなると、赤外線の透過を低下させる。赤外線の透過を低下させないためのキャリア電子濃度は、5.5×1020cm-3以下、好ましくは4.0×1020cm-3以下である。
従来、用いられていた前記ITO膜や酸化亜鉛(ZnO)膜は、キャリア電子濃度が1×1021cm-3以上であるから、低抵抗であるが、1000nm以上の赤外線を吸収したり反射したりして、ほとんど通さない。
また、一般に、物質の比抵抗ρは、キャリア電子濃度nとキャリア電子の移動度μの積に依存する(1/ρ=enμ、e:電荷素量)。赤外線透過率を上げるためには、キャリア電子をなるべく少なくすればよいが(キャリア電子濃度nを小さくし)、比抵抗ρを小さくするために、キャリア電子の移動度μを大きくする必要がある。
従来材料の低抵抗の酸化物電極膜でキャリア電子の移動度は、例えばITO膜では約20〜30cm2/Vsecである。酸化インジウム(In23)系などのn型半導体のキャリア電子の移動度は、主に、イオン化不純物散乱や中性不純物散乱などに支配されていると言われている(不純物は、イオンの状態で含まれる不純物をイオン化不純物と呼び、周囲に余分な酸素が吸着して中性の状態で含まれる不純物を中性不純物と呼んでいる)。キャリア電子を増大させるために添加する不純物元素の量が多くなると、キャリア電子は散乱され、キャリア電子の移動度が低下する。
一方、赤外線透過率の高い酸化インジウム系の透明電極膜として、本発明者らは、特願2002−292434号にて、チタンを含有する酸化インジウム材料を提案しており、基板温度を100〜300℃にして、赤外線透過率の高い低抵抗の酸化物からなる透明電極膜が作製できることを、明細書に記載している。
特表2002−501210号公報 特願2002−292434号明細書 特開平8−36196号公報 特開2002−296626号公報 透明導電膜の技術、日本学術振興会編、オーム社、p.55〜57
光ファイバー通信で用いられる波長は赤外域であり、1300nm帯や1550nm帯が使用されることが多い。従来の光スイッチや波長フィルター用の液晶セルに用いられる前記ITO膜や酸化亜鉛(ZnO)膜は、低抵抗で可視光領域での透過率が高いものの、赤外領域での透過率が低いため、これらを透明電極膜に用いた液晶セルは、1300nm帯や1550nm帯などの赤外領域の透過率が低い。
さらに、液晶セルのON/OFFのコントラスト比は、大きいほど都合がよいが、透明電極膜での赤外光減衰の影響で、コントラスト比をあげることができない。
また、キャリア電子密度が大きいほど、透明電極膜による赤外線の反射や吸収は大きくなることから、ITO膜や酸化亜鉛(ZnO)膜で赤外領域での透過率が低いのは、低抵抗の裏返しとしてキャリア電子密度が高いためである。キャリア電子濃度や比抵抗は、成膜時の条件にも依存するが、6×10-4Ωcm以下の高い導電性を有するITO膜や酸化亜鉛(ZnO)膜の1300nm若しくは1550nmにおける透過率は、膜厚100nmで30〜50%程度である。
これらに対して、高酸素濃度中で成膜すると、キャリア電子濃度を下げることができ、赤外域の透過率を上げることができるが、キャリア電子の移動度の低い材料であるため、低い電気伝導性しか示さない。
本発明の目的は、透明電極膜が低抵抗であるとともに、1300nm帯や1550nm帯などの赤外領域の透過率を向上させ、透明電極膜による赤外光減衰の影響がなく、コントラスト比を向上させた液晶セルを提供することにある。
発明者は、前記目的を達成するために、液晶セルにおいて、透明導電膜として、従来のITO膜ではなく、酸化インジウムを主成分としてチタン元素がチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含有され結晶性である透明酸化物膜を用いることによって、赤外光の減衰の少ない液晶セルを実現することができ、赤外域の光通信で利用可能なコントラスト比の大きい光スイッチや波長フィルターを、作製することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の液晶セルは、液晶層と、該液晶層に電圧を印加して液晶分子の配向および/または屈折率を変化させることが可能な一対の透明電極膜を有する液晶セルにおいて、少なくとも一方の透明電極膜が、酸化インジウムを主成分として、チタン元素がチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含まれていて結晶性の透明酸化物膜である。
さらに、前記透明電極膜の表面抵抗が、1kΩ/□以下であることが好ましく、前記透明電極膜の比抵抗が、9.5×10-4Ωcm以下、さらには4.9×10-4Ωcm以下であることが好ましく、前記透明電極膜の波長1300〜1600nmにおける平均光透過率が、73%以上であることが好ましい。
さらに、前記透明電極膜のホール効果測定によるキャリア電子濃度が、5.5×1020cm-3以下であることが好ましい。
さらに、前記透明電極膜のホール効果測定によるキャリア電子の移動度が、40cm2/Vsec以上であることが好ましい。
さらに、前記液晶層がネマチック液晶層であり、前記透明電極膜に接して液晶層側に配向膜が形成されるか、前記液晶層が高分子分散型の液晶層であることが好ましい。さらに、前記透明電極膜に接して液晶層とは反対側に、誘電体ミラー層が形成され、該誘電体ミラー層がガラス基板で覆われることが好ましい。あるいは、前記液晶層がネマチック液晶層であり、前記透明電極膜に接して液晶層側に配向膜が形成され、液晶層とは反対側の前記電極面に、光導波路層が設けられることが好ましい。これらの液晶セルの少なくとも一方の電極において、液晶層側の電極面に、透明絶縁膜を形成したことが好ましい。また、透明絶縁膜には二酸化シリコン膜が好ましい。
以下に詳述するように、本発明に従えば、赤外光の減衰の少ない液晶セルを実現することができる。本発明の液晶セルから、赤外域の光通信で利用可能な光スイッチや波長フィルターを作製することができるため、産業上、極めて有用である。
本発明の液晶セルにおいては、透明電極膜として、従来のITO膜ではなく、酸化インジウムを主成分としてチタン元素がチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含有され結晶性である透明酸化物膜を用いることを特徴としている。
前述のように、In23系やZnO系の透明導電材料はn型半導体であり、キャリア電子が存在して、その移動が電気伝導に寄与する。このような透明電極膜中のキャリア電子は、赤外線を反射したり吸収する。つまり、キャリア電子が多くなると、赤外線の透過を低下させることになる。赤外線の透過を低下させないためには、キャリア電子濃度は5.5×1020cm-3以下、好ましくは4.0×1020cm-3以下であることが求められる。
キャリア電子濃度が5.5×1020cm-3より大きいと、赤外光の反射や吸収が大きくなり、赤外光の高透過性が得られない。
透明電極膜の十分な導電性とは、表面抵抗(比抵抗/膜厚)が1kΩ/□以下で、低いほど好ましい。表面抵抗が1kΩ/□より大きくなると、パターニングにより細線化したとき、電極での電圧降下が大きくなってしまうため、細線化が難しくなり好ましくない。
表面抵抗は、膜厚を増すと、下げることが可能であるが、膜厚を厚くすると、膜生産性の悪化の問題が生じるので好ましくない。透明電極膜の比抵抗が9.5×10-4Ωcm以下、好ましくは4.9×10-4Ωcm以下であれば、膜厚を薄くしても、前記表面抵抗値を得ることができるので好ましい。9.5×10-4Ωcmより大きいと、膜厚を厚くする必要があり、膜の生産性が悪くなる。
キャリア電子の移動度が40cm2/Vsecより少ないと、キャリア電子濃度が小さいため、前述の十分な電導性が得られない。チタン元素がチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含有され、結晶性である透明酸化物膜を、スパッタリング法やイオンプレーティング法で作製すると、前述の好ましい特性を得ることができる。
1.従来の透明導電膜と、本発明の液晶セルで用いるチタンを含む酸化インジウムの透明電極膜
従来、用いられていた低抵抗のITO膜や、アルミニウムやガリウムがドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)膜は、高い電気導電性を有するが、キャリア電子濃度が1×1021cm-3以上と高いため、キャリア電子による赤外光の吸収と反射による影響が大きく、赤外域の透過率が低い。
このようなITO膜の赤外透過率を上げるためには、(1)膜厚を減少させるか、(2)スパッタリング中の酸素を増やして、膜に取り込まれる酸素量を増加させ、キャリア電子濃度を減らす必要がある。
しかし、(1)の場合、膜厚が薄いと表面抵抗(比抵抗/膜厚)が上がり、(2)の場合、キャリア電子濃度が減ると、ITO膜のキャリア電子の移動度は低い(10〜30cm2/Vsec)ため、比抵抗は上昇する。従って、表面抵抗の低いITO膜を得るためには、比抵抗の上昇分、膜厚を厚くすることになり、結果として、赤外域の透過率は減少する。
つまり、ITO膜では、赤外域の高透過性と高い導電性を両立させることが困難である。これは、イオンプレーティング法で作製したITO膜についても同じである。比抵抗を優先して、キャリア電子濃度の高いITO膜を、光通信用の液晶セルの透明電極膜に用いると、赤外線の減衰が大きく、この点が問題となってくる。また、赤外域の透過率を優先して、キャリア電子濃度の低いITO膜を、液晶セルの透明電極膜に用いると、透明電極膜の抵抗が高いために、透明電極膜の電圧降下が大きく、液晶に電圧を有効に印加できない。よって、従来のITO膜では、赤外域の高透過性と、高導電性を両立する透明電極膜を得ることができなかった。
本発明の液晶セルに用いた透明電極膜は、キャリア電子濃度が5.5×1020cm-3以下と低いため、赤外線の透過が良く、1000nm以上の赤外線が、吸収されたり反射されることなく通過する。
本発明の液晶セルに用いる透明電極膜は、キャリア電子濃度が従来のITOなどの透明電極膜より低いが、キャリア電子の移動度が40cm2/Vsec以上であり、作製条件によっては60cm2/Vsec以上や、70cm2/Vsec以上も実現でき、従来の低抵抗酸化物電極膜のキャリア電子の移動度(例えば、ITO膜では約20〜30cm2/Vsec)と比べて極めて大きい。従って、本発明の液晶セルに用いる透明電極膜の電気抵抗率は、従来のITO膜などの低抵抗酸化物からなる透明電極膜と同程度に低くなる。
ITO膜や、アルミニウムやガリウムがドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)膜は、成膜時に酸素濃度を多くして作製することによって、キャリア電子を減らして、赤外線の透過率を上げることができるが、キャリア電子の移動度が低いため、比抵抗は高い。よって、このような高抵抗膜を透明電極膜に用いる場合には、表面抵抗を下げるために厚く形成しなければならない。本発明による透明電極膜は、少ないキャリア電子の状態で、高いキャリア電子の移動度を示す材料であるため、可視光のみならず赤外光の透過率も高く、かつ、高電気伝導率を実現できる。
2.チタンを含む酸化インジウムの透明電極膜の製造方法
本発明の液晶セルに用いる透明電極膜は、スパッタリング法あるいはイオンプレーティング法により成膜することができる。
すなわち、スパッタリング法では、原料であるスパッタリングターゲットとして、チタンを含む酸化インジウム焼結体ターゲットを用い、スパッタリング装置内に、基板と前記ターゲットを配置し、酸素ガスを含むアルゴン不活性ガス雰囲気中で、前記基板を所定の温度に加熱し、この基板と前記ターゲットとの間に電界を印加してターゲットと基板との間に、プラズマを発生させることによって、酸化インジウム内のインジウムの一部をチタンで置換した透明電極膜を、基板上に作製する。
一方、イオンプレーティング法では、原料であるイオンプレーティング用タブレットとして、チタンを含む酸化インジウム焼結体タブレットを用い、イオンプレーティング装置内で、基板と前記タブレットを銅ハース内に配置し、酸素ガスを含むアルゴン不活性ガス雰囲気中で、前記基板を所定の温度に加熱し、電子銃を用いて、前記銅ハースからタブレットを蒸発させ、基板付近でプラズマを発生させることによって、タブレット蒸気をイオン化し、酸化インジウム内のインジウムの一部をチタンで置換した透明電極膜を、基板上に作製する。
このような方法は一例であるが、こうして、酸化インジウムを主成分としてチタンを含有する酸化インジウムの結晶質の透明電極膜、すなわち本発明の液晶セルに用いる透明電極膜を得ることができる。
なお、前記ターゲットあるいは前記タブレット中のチタンの含有量を変えることにより、透明電極膜中のチタンの含有量を変化させることができる。この時、作製される透明電極膜の構造や結晶性は、透明電極膜中のチタンの含有量、基板加熱温度、不活性ガス雰囲気中の酸素分圧、成膜速度等の成膜条件に依存する。
スパッタリング法を例にとって説明すると、可視光領域だけでなく赤外線領域でも透過率が高く、しかも低抵抗の透明電極膜は、酸化インジウムに、チタンがチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含まれた結晶性の酸化物膜を、適当なスパッタリング条件で成膜して作製する必要がある。特に、スパッタリング成膜中の成膜ガス中酸素量や、ガス圧および基板温度を最適にすることが必要不可欠である。例えば、ターゲットと基板との間の距離が50〜80mmで、スパッタリング成膜中の成膜ガス中酸素量は、アルゴンガス量に対して0.25〜4%であることが好ましい。また、成膜ガス圧は0.3〜1.0Paであることが好ましい。成膜ガス中酸素量が0.25%以下だと酸化インジウム相の酸素欠損量が多く、それによるキャリア電子の発生が多くなりすぎて、赤外光領域の透過率の低い透明電極膜しか得られない。また、成膜ガス中酸素量が4%以上だと、酸化インジウム内のチタンの不純物元素の周囲に、余分な酸素が導入されて中性不純物が増大し、キャリア電子の移動度が低下してしまい、低抵抗の透明電極膜が得られなくなってしまう。
成膜ガス圧は、スパッタリング中の基板に到達するスパッタ粒子の運動エネルギーに影響を与える。成膜ガス圧が0.3Paより低いと、スパッタ粒子の運動エネルギーが高すぎて、スパッタ粒子による透明電極膜の再スパッタが行われ、表面の荒れた透明電極膜しかできない。また、1.0Paより高いと、スパッタ粒子の運動エネルギーが低すぎて、基板に到達したスパッタ粒子が、基板上でマイグレーションされず、ガサガサで密度の低い透明電極膜しか得られない。このような透明電極膜は、キャリア電子の粒界散乱が大きく、比抵抗が高い。よって、好ましくは0.3〜1.0Paの成膜ガス圧で、スパッタリング成膜を実施する必要がある。
基板温度については、前述したように100〜350℃にすることが必要である。スパッタリング中に、基板を100〜350℃に加熱することによって、完全に結晶質の透明電極膜が作製でき、チタンが酸化インジウム内のインジウムの一部と置き換わって固溶し、移動度が高くて比抵抗が低い透明電極膜が得られる。基板温度が100℃より低いと、一部に非晶質部分が生成し、完全な結晶質の透明電極膜が作製できない。また、350℃を超えた加熱は、加熱に時間がかかってしまい、実用上、不可能である。
3.液晶セル
前述のように、酸化インジウムを主成分とし、該酸化インジウム内のインジウムをチタンに、チタン/インジウム原子比で0.003〜0.120の割合で置換した結晶性の透明電極膜は、赤外領域での透過率が極めて高く、低抵抗であるため、前記特性を有する透明電極膜を、液晶に電圧を印加するための透明電極膜として用いても、透明電極膜による赤外光の減衰の影響を受けない。このような液晶セルは、光通信用偏光制御型液晶光スイッチや波長可変フィルター用に有用な液晶セルである。
(a)光スイッチ用液晶セル
光スイッチ用に利用可能な本発明の液晶セルを、図1、図2、図4〜7に示した断面図を用いて説明する。
図1に示した断面図を有する本発明の液晶セルの一実施例を、以下に説明する。
ガラス基板(1a)、(1b)上に、チタンを含む結晶性の酸化インジウムの透明電極膜(2a)、(2b)を、スパッタリング法で形成する。スパッタリング時の酸素量によってキャリア濃度が調整でき、赤外透過率を制御することができるが、1000nm以上の赤外域での膜自体の透過率が90%以上となるような酸素量で、チタンを含む酸化インジウムの透明電極膜を形成すると、40〜80cm2/Vsecの高移動度材料であるため、2.0〜10×10-4Ωcm以下の低抵抗膜を形成することができる。このような赤外域高透過性と高電気導電性を兼ね備えた透明電極膜は、ITO膜では作製が不可能であった。次に、透明電極膜(2a)、(2b)上にポリイミド樹脂の配向膜(3a)、(3b)をラビング法で形成する。ネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶または反強誘電性液晶を、数μmの一定の厚みを保つようにスペーサー(5a)、(5b)を介して、配向膜(3a)と配向膜(3b)の間に挟み込む。
図4に示した断面図を用いて、本発明の液晶セルの一実施例を説明する。透明電極膜(2a)と配向膜(3a)との間に、透明絶縁膜(8)を挿入し、透明電極膜(2a)と透明電極膜(2b)間の短絡を効果的に防止した構造にした液晶セルである。透明電極膜(2a)、(2b)は、チタンを含む酸化インジウムの結晶膜である。透明電極膜(2a)と配向膜(3a)との間だけでなく、透明電極膜(2b)と配向膜(3b)との間にも、透明絶縁膜を挿入してもかまわない。透明絶縁膜(8)は、SiO2膜やTa25膜を用いればよく、SiO2ターゲットやTa25ターゲットを用いて、RFスパッタリング法で作製可能である。
図5に示した断面図を用いて、高分子分散液晶を用いた本発明の液晶セルの一実施例を説明する。ガラス基板(1a)、(1b)上に、前述のチタンを含む結晶性の酸化インジウムの透明電極膜(2a)、(2b)をスパッタリング法で形成する。高分子分散液晶を用いる場合には、配向膜を使用する必要はなく、一定の厚みを保つように、スペーサー(5a)、(5b)を介して、透明電極膜(2a)、(2b)間に高分子分散液晶を挟み込む。
図6に示した断面図を用いて、高分子分散型液晶を用いた本発明の液晶セルの一実施例を説明する。透明電極膜(2a)、(2b)には、チタンを含む結晶性の酸化インジウム膜の透明電極膜が使用される。透明電極膜(2a)と透明電極膜(2b)間の短絡を防止するために、透明絶縁膜(8)を挿入した構造であるが、透明電極膜(2a)と高分子分散液晶層(7)との間だけでなく、透明電極膜(2b)と高分子分散液晶層(7)との間にも、透明絶縁膜(8)を挿入してもかまわない。透明絶縁膜(8)は、SiO2膜やTa25膜を用いればよく、SiO2ターゲットやTa25ターゲットを用いて、RFスパッタリング法で作製可能である。
図2に示した断面図を用いて、本発明の方向性結合型の光スイッチ用の液晶セルを説明する。基板(図示せず)上に、光導波路(6a)、(6b)、透明電極膜(2a)、(2b)および配向膜(3a)、(3b)が、順に積層され、液晶(4)を充填した構造である。透明電極膜(2a)、(2b)に、前述のチタンを含む酸化インジウムの結晶膜を使う。前述と同様に、透明電極膜(2a)と透明電極膜(2b)間の短絡を防止するために、透明絶縁膜を挿入した構造もあり、透明電極膜(2a)と配向膜(3a)との間だけでなく、透明電極膜(2b)と配向膜(3b)との間にも、透明絶縁膜を挿入してもかまわない。透明絶縁膜は、SiO2膜やTa25膜を用いればよく、SiO2ターゲットやTa25ターゲットを用いて、RFスパッタリング法で作製可能である。
図7に示した断面図を用いて、本発明の方向性結合型光スイッチ用の液晶セルを説明する。透明電極膜(2a)、(2b)は、前述のチタンを含む酸化インジウムをスパッタリング法で形成した結晶膜である。高分子分散型液晶を用いるため、配向膜を用いる必要はない。前述と同様に、透明電極膜(2a)と透明電極膜(2b)間の短絡を防止するために、透明絶縁膜を挿入した構造もあるが、透明電極膜(2a)と液晶層(4)との間だけでなく、透明電極膜(2b)と液晶層(4)との間にも、透明絶縁膜を挿入してもかまわない。透明絶縁膜は、SiO2膜やTa25膜を用いればよく、SiO2ターゲットやTa25ターゲットを用いて、RFスパッタリング法で作製可能である。
(b)波長フィルター用液晶セル
次に、図3に示した断面図を用いて、本発明の波長フィルター用に利用可能な液晶セルを説明する。
透明電極膜(2a)、(2b)は、前述のチタンを含む酸化インジウムの結晶膜である。ガラス基板(1a)、(1b)上に、誘電体ミラー層(7a)、(7b)を形成し、誘電体ミラー層(7a)、(7b)上に、チタンを含む酸化インジウムの結晶性透明電極膜(2a)、(2b)を、スパッタリング法で形成する。次に、透明電極膜(2a)、(2b)上に、ポリイミド樹脂の配向膜(3a)、(3b)をラビング法で形成する。さらに、数μmの一定の厚みを保つように、スペーサー(5a)、(5b)を介して、ネマチック液晶を配向膜(3a)と配向膜(3b)の間に挟み込む。
図8に示した断面図を用いて、高分子分散液晶を用いた本発明の波長フィルター用に利用可能な液晶セルを説明する。透明電極膜(2a)、(2b)は、前述のチタンを含む酸化インジウムの結晶膜である。ガラス基板(1a)、(1b)上に、誘電体ミラー層(7a)、(7b)を形成する。誘電体ミラー層(7a)、(7b)上に、前述のチタンを含む酸化インジウムの透明電極膜(2a)、(2b)を、スパッタリング法で形成する。一定の厚みを保つように、スペーサー(5a)、(5b)を介して、高分子分散液晶を透明電極膜(2a)、(2b)間に挟み込む。
また、図1、図3、図4、図5、図6、図8の液晶セルにおいて、一方の透明電極膜を、チタンを含む酸化インジウムの結晶膜とし、他方の透明電極膜を、光反射金属電極に置き換えることによって、反射型の液晶セルを作ることができる。
図13に示した断面図を用いて、反射型のTN型液晶セルを説明する。基板(1a)から入射した赤外光は、透明電極膜(2a)を通過して、ON時に液晶層(4)を通過し、光反射金属電極(12)で反射され、再び液晶層(4)、透明電極膜(2a)、基板(1a)を通過して、液晶セルの外部に出る。OFF時には、基板(1a)から入射した赤外光は透明電極膜(2a)を通過するが、液晶層(4)中を通過できない。
以上のように、図1〜8に示した断面図を用いて、ネマチック液晶と高分子分散型液晶を液晶層に用いた本発明の液晶セルについて詳述したが、コレステリック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶など、電圧印加により配向や屈折率が変化するものであれば、どの材料を液晶層に用いても効果は同じであり、チタンを含む酸化インジウムの結晶膜を透明電極膜に用いることによって、赤外光の減衰を防止することができる。
以上のように、本発明で得られた液晶セルは、赤外域高透過性で高電気伝導性の透明電極膜(チタンを含む酸化インジウム膜)を用いている。よって、赤外透過率の低いITO膜を透明電極膜に用いた従来の液晶セルと比べて、本発明の液晶セルは、赤外光の透過性に優れている。
(実施例1)
(チタンを含む酸化インジウムの結晶膜)
本発明者は、スパッタリング法あるいはイオンプレーティング法により、種々の量のチタンを含む酸化インジウムの透明酸化物膜を形成し、その組成、構造、電気特性、光学特性を調べた。
厚さ1.1mmのコーニング7059ガラス基板上に、スパッタリング法で、酸化インジウムを主成分とし、チタンが、チタン/インジウム原子比で0.003〜0.120の割合で含有した膜厚200nmの透明電極膜を作製した。
スパッタリング成膜は、6インチΦのターゲットを用い、直流電力160Wを投入して、酸素を1%混合したアルゴンガスを用い、スパッタリング時のガス圧0.6Pa、ターゲット基板間距離を60mm、基板温度を200℃で行った。種々のチタン量のターゲットを用いることにより、表1に示したように、異なる膜組成Ti/In原子比で、チタンを含む酸化インジウム薄膜を作製した。
四探針法による表面抵抗の測定と膜厚から求まる比抵抗値と、分光光度計で測定した基板を含む膜の透過率(T1)及び基板のみの透過率(T2)から、1300〜1600nmの膜自体の透過率(T1/T2)の平均値を算出した。
結果を表1に示す。表1から、Ti/In=0.003〜0.120の範囲でチタンを含む酸化インジウム膜は、後述する従来のITO膜と比べて比抵抗が低く、光通信に使われる1300〜1550nmの光の透過率も、従来のITO膜と比べて高い。
なお、図12にはTi/In=0.008、0.017、0.024、0.033のチタン元素を含む酸化インジウム薄膜の基板を含めた透過率と基板のみの透過率について、波長依存性を調べた結果を示した。1300nm、1550nmにおける透過率の高いことがわかる。
Figure 2005084425
また、スパッタ中の酸素量を増加させることによって、比抵抗を増加させることができる。前記の条件の中で、スパッタ中の酸素量のみを増加させて、チタンを含む酸化インジウム薄膜を作製し、比抵抗と1300〜1600nmの膜自体の平均透過率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005084425
これらは、同一のターゲットから作製したものであり、組成分析をICP発光分光測定で測定したところ、Ti/In原子数比で0.015〜0.019であった。
また、他のターゲット、例えば表1のTi/In原子数比で0.100の膜を作製したターゲットを用いて、スパッタ中の酸素量を増加(2〜4%)させることによって、1300〜1600nmの膜自体の平均透過率は90%まで増加させることは可能であった。その時の膜の比抵抗は9.5×10-4Ωcm以下であった。
表1および表2に示したチタンを含む酸化インジウム薄膜は、キャリア電子濃度が5.1×1020cm-3以下と低いため、赤外域の透過率が高いが、比抵抗は9.5×10-4Ωcm以下、膜によっては4.9×10-4Ωcmと非常に低い電気抵抗率を有していた。これは、ほとんどの膜のキャリア電子の移動度が、43cm2/Vsec以上と高く、これによって低電気抵抗率を実現しているといえる。
表1および表2に示したチタンを含む酸化インジウム薄膜は、全て結晶性の良い膜であることが、X線回折測定から明らかとなった。さらに、結晶性の良い酸化インジウムのビックスバイト型構造の膜であることがわかり、また、酸化インジウム相以外の結晶相に起因するピークは観察されなかったことから、チタンは、酸化インジウム相のインジウムに置き換わって、固溶していることがわかった。
ホール測定法でキャリア電子濃度、キャリア電子の移動度を測定すると、チタン/インジウム原子比で0.003〜0.120の割合でチタンを含む酸化インジウム薄膜は、キャリア電子濃度が5.5×1020cm-3以下、作製条件によっては4.0×1020cm-3以下と低くすることが可能であるため、波長1300nm〜1550nmにおける光透過率が高い。しかし、ITO膜と異なって、キャリア電子の移動度が高い(44〜89cm/Vsec)ため低抵抗であり、従来の材料にはない赤外域高透過性の低抵抗透明電極膜であることがわかる。
(比較例1)
(従来のITO膜の作製)
スパッタリング法で、厚さ1.1mmのコーニング7059基板上に、従来から光通信用の液晶セルに利用されているスズを含む膜厚200nmの酸化インジウム(ITO)膜を、以下のように作製し、電気特性と光学特性について測定した。
スパッタリング成膜は、6インチΦの汎用の10質量%SnO2を含有するIn23焼結体ターゲットを用い、直流電力160Wを投入して、酸素を1〜8%混合したアルゴンガスを用い、スパッタリング時のガス圧0.6Pa、ターゲット基板間距離を60mm、基板温度を200℃で行った。
分光光度計で測定した基板を含む透過率を測定した結果を、図9に示す。スパッタリング時の酸素混合量が増すと、赤外域の透過率が上昇する。分光光度計で測定した基板を含む膜の透過率(T1)および基板のみの透過率(T2)から、波長1300〜1600nmの膜自体の透過率(T1/T2)の平均値を算出し、スパッタリング時の酸素量に対してプロットした結果を図10に示す。波長1300〜1600nmの膜自体の透過率は、酸素量の増加に伴い改善されることが明らかである。また、四探針法による表面抵抗の測定と膜厚から求まる比抵抗値を、スパッタリング時の酸素量に対してプロットした結果を図11に示す。スパッタリング時の酸素量が増えると、比抵抗が大幅に上昇した。
ITO膜は、X線回折測定から全て結晶性が良好であった。
ホール効果測定から、膜のキャリア電子濃度と、キャリア電子の移動度を測定した。酸素1%で作製したITO膜は、比抵抗が1.3×10-4Ωcmと低いが、キャリア電子濃度が2.9×1021cm-3と高いため、キャリア電子による赤外光の吸収と反射による影響が大きく、赤外域の透過率が低い。このようなITO膜の赤外透過率を上げるためには、膜厚を減少させることが有効であるが、膜厚が薄いと表面抵抗(比抵抗/膜厚)が上がってしまう。前述のように、スパッタリング中の酸素を増やすと、キャリア電子濃度を下げることができ、赤外域の透過率を上げることができるが、ITOのキャリア電子の移動度は低い(10〜30cm2/Vsec)ため、抵抗は上昇してしまった。
また、表面抵抗の低いITO膜を得るためには、膜厚を厚くする必要があるが、膜厚を厚くすると赤外域の透過率は減少してしまった。
(実施例2)
図1に示した断面図を用いて、本発明の液晶セルの一実施例を説明する。
基板(1a)、(1b)には、厚み1.1mmのコーニング7059ガラス基板を用いて、透明電極膜(2a)、(2b)には、表面抵抗が100Ω/□となる膜厚とした実施例1のチタンを含む酸化インジウム薄膜を成膜した。
配向膜(3a)、(3b)は、以下の手順で形成した。
配向材料としてポリイミドをスピンコーティングし、絹等のラビングでバフがけを行い、ラビング方向を決めたポリイミドの配向膜(3a)、(3b)を形成した。このような透明電極膜(2a)、(2b)と配向膜(3a)、(3b)を形成した1対の基板(1a)、(1b)を、配向膜(3a)、(3b)のラビング方向が90°となるようにして重ね合わせる。その際、配向膜(3a)、(3b)の間の距離は、約15μmとなるように、スペーサー(5a)、(5b)を介し、両配向膜(3a)、(3b)間に、液晶材料(メルクジャパン社製、商標名ZLI−4792)を充填し、90°ツイステッドネマチック液晶セルを形成した。
さらに、両透明電極膜(2a)、(2b)に電圧を印加するように、可変電圧源を接続し、基板(1b)の光入射側と、基板(1a)の光出射側とに、それぞれ偏光板(図示せず)を設けた。この状態を図14に、簡略化して示す。偏光板(9a)、(9b)と、配向膜(3a)、(3b)のみを示すことにより、配置を示した。
さらに、偏光板(9a)、(9b)の偏光方向(11a)、(11b)と、配向膜(3a)、(3b)のラビング方向(10a)、(10b)を示した。光出射側の偏光板(9a)の偏光方向(11a)は、光入射側の偏光板(9b)の偏光方向(11b)に対して直交している。光入射側の配向膜(3b)のラビング方向(10b)と、光出射側の配向膜(3a)のラビング方向(10a)の間の液晶分子の方向変化は、光進行方向に対して右回りで測定して90°である。また、光入射側の偏光板(9b)の偏光方向(11b)と、光入射側の配向膜(3b)のラビング方向(10b)とは同じ方向となる。
細長い形をした液晶分子は、分子同士、引き合う性質を持っており、液晶分子に電圧がかかっていなくても、一つの方向にそろって並ぶ性質を有する。配向膜(3a)、(3b)に接している液晶分子は、一定の方向に並ぶため、互いに直交している二つの配向膜(3a)、(3b)の間に液晶分子を挟むと、液晶分子の配列方向はねじれた形になる。このような液晶セルに、偏光板(9b)を通過した偏光が通過すると、偏光の電気ベクトルの方向も液晶分子のねじれと一緒にねじれていく。従って、図1及び図14に示した液晶セルおよび偏光板の配置に、光が入射すると、入射側の偏光板(9b)を通過した偏光は、光入射側の配向膜(3b)のラビング方向(10b)に揃っているため、液晶層の中の液晶分子のねじれの影響で、90°回転した偏光が液晶を出る。この偏光の角度が光出射側の偏光板(9a)の偏光方向(11a)と揃っているため、光は、出射側の偏光板(9a)を通過することができる(ON状態)。
一方、液晶分子は電圧によっても整列する。透明電極膜(2a)、(2b)に電圧を印加すると、前述の配向膜(3a)、(3b)に従った液晶分子の配列のねじれが無くなり、このような液晶中に入った偏光のベクトルは変わらない。従って、両偏光板(9a)、(9b)の偏光方向が直交しているため、光は通過することができなくなる(OFF状態)。
中心波長1550nmの赤外線に対するON、OFFのコントラスト比、即ち、消光係数を測定し、透明電極膜に、従来膜である膜厚100nmのITO膜を用いた場合と比較した。
コントラスト比は、本発明のチタンを含む酸化インジウム薄膜を用いた液晶セルを用いた方が、ITO膜を用いた従来の液晶セルを用いたときと比べて著しく高かった。
さらに説明すると、ITO膜は、酸素量1〜3%において成膜した低抵抗膜を使用すると、前述のように赤外光の減衰が大きく、ON時の赤外光の膜の通過量が少なくなってしまった。また、高酸素量で成膜した高抵抗膜を使用すると、表面抵抗を下げるために膜厚を厚くする必要があり、これによって、ON時の光の減衰が大きくなってしまった。従って、ITO膜を用いた場合は、このことが原因でコントラスト比が低下してしまった。
(実施例3)
図4に示した断面図のように、透明電極膜(2a)と配向膜(3a)との間に、SiO2膜の透明絶縁膜(8)を挟んだ構造の液晶セルを用いた以外は、実施例2と同様に光スイッチを作製した。
得られた光スイッチでは、従来のITO膜を用いた場合と比べて、コントラスト比が高かった。
これは、本発明の液晶セルで用いたチタンを含む酸化インジウム薄膜が、ITO膜と比べて赤外光の減衰が少ないためと考えられる。
(実施例4)
図5または図6に示した断面図のように、液晶層に高分子分散型の液晶を用い、透明電極膜(2a)、(2b)に表1に示すチタンを含む酸化インジウム薄膜(Ti/In=0.024)を用いた以外は、実施例2と同様に光スイッチを作製した。
得られた光スイッチでは、高分子分散型の液晶を用いたため、実施例2で用いた偏光板を、用いなかった。
透明電極膜の間に電圧を印可することよって、光の通過および遮断が可能であり、従来のITO膜を用いた場合と比べて、本実施例の液晶セルの方がコントラスト比が高かった。
これは、本発明の液晶セルで用いたチタンを含む酸化インジウム薄膜が、ITO膜と比べて赤外光の減衰が少ないためと考えられる。
(実施例5)
特開平8−36196号公報や特開2002−296626号公報の実施例に従い、表1のチタンを含む酸化インジウム薄膜(Ti/In=0.017)を、透明電極膜に用いて、液晶セルを作製し、さらに、図2および図7に示した方向性結合型の光スイッチを作製した。
得られた光スイッチでは、従来のITO膜を用いた場合と比べて、コントラスト比は高かった。
これは、本発明の液晶セルで用いたチタンを含む酸化インジウム薄膜の透明電極膜が、ITO膜と比べて赤外光の減衰が少ないためと考えられる。
液晶セルの一実施例を示す断面図である。 方向性結合型光スイッチの一実施例を示す断面図である。 液晶セルの一実施例を示す断面図である。 液晶セルの一実施例を示す断面図である。 液晶セルの一実施例を示す断面図である。 液晶セルの一実施例を示す断面図である。 方向性結合型光スイッチの一実施例を示す断面図である。 液晶セルの一実施例を示す断面図である。 種々の酸素量の酸素をスパッタガス中に導入して、スパッタリング成膜して作製した膜厚200nmの従来のITO膜において、基板を含めた透過率、および基板自体の透過率の波長依存性を示すグラフである。 膜厚200nmの従来のITO膜の1300〜1600nmの平均透過率において、スパッタガス中の酸素導入量依存性を示すグラフである。 膜厚200nmの従来のITO膜の比抵抗において、スパッタガス中の酸素導入量依存性を示すグラフである。 膜厚200nmの種々のチタン量を含む結晶性の酸化インジウム膜において、基板を含めた透過率および基板自体の透過率の波長依存性を示すグラフである。 液晶セルの一実施例を示す断面図である。 液晶セルに偏光板を組み合わせた光スイッチにおいて、偏光板および配向膜の配置、偏光板の偏光方向、配向膜のラビング方向を示した斜視図である。
符号の説明
1a、1b 基板
2a、2b 透明電極膜
3a、3b 配向膜
4 液晶層
5a、5b スペーサー
6a、6b 光導波路
7 高分子分散液晶層
7a、7b 誘電体ミラー
8 透明絶縁膜
9a、9b 偏光板
10a、10b 配向膜のラビング方向
11a、11b 偏光板の偏光方向
12 光反射金属電極

Claims (13)

  1. 液晶層と、該液晶層に電圧を印加して液晶分子の配向および/または屈折率を変化させることが可能な一対の電極を有する液晶セルにおいて、少なくとも一方の電極が、酸化インジウムを主成分として、チタン元素がチタン/インジウムの原子数比で0.003〜0.120の割合で含まれていて結晶性の透明電極膜であることを特徴とする液晶セル。
  2. 前記透明電極膜の表面抵抗が、1kΩ/□以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶セル。
  3. 前記透明電極膜の比抵抗が、9.5×10-4Ωcm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶セル。
  4. 前記透明電極膜の比抵抗が、4.9×10-4Ωcm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶セル。
  5. 前記透明電極膜の波長1300〜1600nmにおける平均光透過率が、73%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液晶セル。
  6. 前記透明電極膜のホール効果測定によるキャリア電子濃度が、5.5×1020cm-3以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液晶セル。
  7. 前記透明電極膜のホール効果測定によるキャリア電子の移動度が、40cm2/Vsec以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液晶セル。
  8. 前記液晶層がネマチック液晶からなり、前記透明電極膜の液晶層側に配向膜が形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液晶セル。
  9. 前記液晶層が高分子分散型の液晶からなることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液晶セル。
  10. 前記透明電極膜に接して液晶層とは反対側に、誘電体ミラー層が形成され、該誘電体ミラー層がガラス基板で覆われることを特徴とする請求項8または9に記載の液晶セル。
  11. 前記液晶層がネマチック液晶層であり、前記透明電極膜の液晶層側に配向膜が形成され、前記透明電極膜の液晶層とは反対側に光導波路層が設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液晶セル。
  12. 少なくとも一方の透明電極膜の液晶層側に透明絶縁膜を形成したことを特徴とする請求項8から11に記載の液晶セル。
  13. 前記透明絶縁膜が二酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項12に記載の液晶セル。
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