JP2005083581A - 木炭の着火容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】備長炭等のような着火しにくい白炭でも、容易に且つ確実に着火し、また、手や衣服が汚れることがなく、手軽に持ち運び等ができて準備の手間と労力が不要で、また火力や燃焼時間等が明確で使い勝手や取り扱いが非常に便利であり、さらには環境や健康を害さない木炭の着火容器を提供することにある。
【解決手段】可燃性容器内部に木炭を充填し、該容器の外部に着火することで内部の木炭に着火するための着火容器において、該容器は、通気穴が設けられた炭素質着火燃料からなる木炭の着火容器とした。また、前記の容器は、着火塗料が塗布され、可燃性袋で包装した。
【選択図】図1
【解決手段】可燃性容器内部に木炭を充填し、該容器の外部に着火することで内部の木炭に着火するための着火容器において、該容器は、通気穴が設けられた炭素質着火燃料からなる木炭の着火容器とした。また、前記の容器は、着火塗料が塗布され、可燃性袋で包装した。
【選択図】図1
Description
本発明は、主にキャンプ用、バーベキュー用、その他旅館の囲炉裏や飲食店等で用いられる火力源となる木炭などの使用において、取り扱いに便利で、また容易に着火でき、且つ確実に着火できる木炭の着火容器に関する。
近年、アウトドアレジャーを楽しむ人が増え、特に屋外でのバーベキューは人気があり、幅広い年齢層に広く親しまれている。
バーベキューは、炭火焼きで行なわれることが多く、燃料として主に木炭が使われるが、木炭は火がつきにくいので、着火の作業に相当時間を要し、準備だけで時間が過ぎてしまうという問題があった。
また、木炭は、それ自体に直接火をつけることは非常に難しいため、まず初めに、着火剤等で火を起こしてから木炭に燃え移らせて、着火させるというのが最も一般的な方法である。
着火剤自体は、マッチやライター等によって容易に着火し、分量も必要に応じて後から増やすこともできることから、とても便利である。
しかし、市販されている着火剤には、粗悪品も多くみられ、そのような着火剤は、火力の持続力がなく、着火剤から木炭への着火がなかなか上手くいかず、無駄に多くの着火剤を使用することになるなど、効率の悪さや経済的負担の大きさが目立つ。
効率良く木炭に着火させるには、熾き火を作り、また着火した炭は、均一に燃焼するように、炭ばさみ等で炭を動かしたり、団扇で扇いで風を送る等、一旦着火した後の炭火の管理も煩雑で、着火作業に熟練した経験者であっても、とても煩わしい作業であり、未経験者であれば、それだけで数時間を要してしまうこともあるなど、非常に面倒であった。
また、木炭は、割れ易く磨耗し易いため、流通の過程で木炭が割れて、小さい炭片がたくさんできてしまう。
それらの破砕された炭片は、熾き火としては商品価値が低いので、そのまま利用されずに捨てられてしまうことが多く、非常に不経済である。
また、炭で手や衣服が汚れてしまい、しかも一度付いた炭はなかなか落ちないので、取り扱いの向上が望まれていた。
そこで、最近では、着火剤と木炭とを組み合わせ、非常に着火が容易な木炭パックのような固形燃料等が多く市販されるようになっている。
例えば、特開2003−13079号公報では、着火性に優れた木炭パッケージが開示されている。これは、破砕した木炭を収容する空間を有する可燃性板材からなる枠体を包装シートで包んで、包装シートごと着火し、簡易且つ確実に着火することができるようにしたものである。
着火性向上のため、枠体には、可燃性液体を浸み込ませた板紙を使用し、枠体の側面下部には、燃焼空気が流入するように着火孔が設けられてある。着火を容易にすると共に、着火後の燃焼効率を着火孔からの空気流入によって高めるものである。
また、さらに、着火孔に当たる部分の包装シートには、導火片を取り付け、枠体内面の着火孔に近接した部分に、木炭用着火具を取り付けてある。
木炭への着火を容易とするために、まず、可燃性包装シートで木炭パッケージ自体の着火を容易にし、木炭パッケージの燃焼から内部の木炭に着火させるとともに、さらに導火片と木炭用着火具を用いて内部の木炭への直接の確実な着火が行なわれるように工夫したものである。
また、持ち易さ向上のため、包装シートは、枠体上部で折り畳んであり、移動の際の持ち運びが容易になる。
また、使い易さ向上のため、枠体の中に、予め破砕した木炭を収容することができるようにしてあり、事前に木炭パッケージ内に必要な量の木炭を収容してしまえば、バーベキューの現地等で木炭を破砕する際に、炭塵が舞い上がって汚れることも、手が炭で真っ黒に汚れることもなく、面倒な手間と労力を省くことができる。
このように、木炭と着火剤になるようなものをパッケージングして、着火の簡便さと確実性を高めた商品も多く考え出されているが、最近では、チャコールブリックのような、木炭を粉にして、糊や蝋で固めたものも多く市販されるようになった。
これは、木炭よりも更に着火しやすく、直径4?5センチで真ん中に穴があいているものや玉子のパックみたいな形になっていて、着火剤代りにもなり、非常に使い勝手が良い。
しかし、着火が容易な反面、燃焼時間はかなり短く、また、燃え始めには、固めるために使用した糊や蝋が燃えるため、とても臭く、煙が発生するものもある。
ホームセンター等で売られているような黒炭には、粗悪品が多いのだが、粗悪品の炭は完全に炭化しておらず、生焼けでタールなどの不純物がかなり残っているので、燃やすと大量の煙と臭いが出てしまう。
市販されている着火剤にも、不純物が多く含まれているため、燃え始めは多量の煙と臭いが発生し、食品を焼くと食品に不純物が付着するので健康を害する危険がある。
このように、需要の増加に伴って、今では数多くの木炭や着火剤が市販されるようになってはいるが、それらの大半が、容易に着火できる利便性を求める反面、不純物を多く混入してあるため、煙や悪臭を発生し、環境破壊や健康に害を及ぼす危険がある等、極めて深刻な問題となっている。
それゆえ、環境や健康にも良く、質の高い木炭が望まれており、特に竹炭や備長炭等の白炭と呼ばれる木炭の需要は年々増加している。
最近では、炭の脱臭効果や遠赤外線効果等の非常に有用な効果が注目され、生活の中にも多く取り入れられるようになったが、特に備長炭は、木炭の最高級品と言われ、世界の木炭の中でも最高の品質であり、他の炭に比べてその効果も格段に大きい。
備長炭のような白炭は、非常に硬く、燃焼時間が長く、燃焼温度が高い等の長所があるが、値段が高く、火がつきにくい上に、急に熱すると爆ぜることがある。
最も多く市販されている木炭は、黒炭と言われるナラやブナ等の広葉樹を原料として作られたもので、アウトドアショップやホームセンター等で多く売られており、着火しやすく、値段が安い上、気軽に使えるという長所があるが、品質にバラつきがあり、燃焼温度が低く、燃焼時間もやや短い。
黒炭に比べて非常に高価な白炭であるが、その分、品質も非常に良いもので、一般的な木炭に比べて火力が高く、安定して持続するという利点があり、近年は低価格化の傾向にあり、バーベキュー等にも多く使われるようになってきた。
特開2003−13079号公報
しかしながら、備長炭のような白炭は、非常に着火しにくいという決定的な問題があるため、着火するまでに1時間以上もかかることも珍しくない。
上記従来例の木炭パッケージでは、パッケージ自体の燃え易さのため、可燃性板材を使用しているが、可燃性板材は、可燃性液体を浸み込ませた板紙であるが、比較的着火し易い反面、短時間で燃え尽きてしまうという問題がある。
木炭パッケージに収容する炭が、比較的着火が容易な木炭であれば、板材が燃え尽きてしまう前に着火することが可能かもしれないが、備長炭のように極めて着火が難しい白炭では、確実に白炭に燃え移る前に板材が燃え尽きてしまう。
また、枠体の側面下部には、燃焼空気が流入するように着火孔が設けられているが、枠体内に詰め込まれた木炭を効率良く燃焼させるためには、枠体の側面下部に設けられた小さな着火孔では、十分な空気流入が得られない。
また、着火を容易にする工夫として、着火孔に当たる部分の包装シートには、導火片を取り付け、枠体内面の着火孔に近接した部分には、木炭用着火具を取り付けてあるが、着火の容易さと確実性を担保するための工夫は多いのだが、そのために構造が複雑になっている。
また、可燃性液体を浸み込ませた板紙は、厚紙や段ボール類の紙製のもの、或いは木製の薄板等であり、これも着火の容易さを求めた結果であるが、硬い木炭を収容し、持ち運びに耐えるのには、強度面での不安があり、そのために枠体が変形しないための補強が必要となる。
特に、備長炭等のような白炭は、木炭に比べて非常に硬く、炭同士の接触や摩擦によっても比較的割れにくいので、パッケージにはある程度の強度が必要となる。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、備長炭等のような着火しにくい白炭でも、容易に且つ確実に着火し、また、手や衣服が汚れることがなく、手軽に持ち運び等ができて準備の手間と労力が不要で、また火力や燃焼時間等が明確で使い勝手や取り扱いが非常に便利であり、さらには環境や健康を害さない木炭の着火容器を提供することにある。
本発明は、上記に示す課題を、以下の手段によって解決することができる。
請求項1は、容器内部に木炭を充填し、該容器の外部より着火することで内部の木炭に着火するための着火容器において、該容器は、通気穴が設けられた炭素質着火燃料からなることを特徴とする木炭の着火容器である。
本発明は、備長炭のような極めて着火しにくい炭であっても、簡単に且つ確実に着火できる着火容器であり、炭素質燃料からなる容器の中に木炭を収容し、容器に着火することにより、容器内の木炭も確実に着火せしめるものである。
故に、容器の形状は、木炭を収容することができればいずれの形状でも良く、箱型のものや円筒型でも良く、または球形等であっても良い。
箱型や円筒形等の場合、容器の上部に蓋を設けて開閉できるようにしても良いし、蓋を設けずに容器の上部を開放した状態のまま使用できるようにしても良い。
また、球形の場合、木炭を出し入れできる大きさの開口部を設け、開口部を蓋によって閉じることができるようにしても良いし、蓋を設けなくても良い。
炭素質着火燃料は、炭素質を主成分とする着火が容易な燃料であればいずれでも良く、石炭や炭などの各種の炭化物を粉砕し、混合して粘結剤で練り固めた固形燃料など、たとえば、各種の練炭などが使用できる。この炭素質着火燃料は、上記従来例の可燃性板材と違って、火力が高く、また燃焼時間も長い。
また、容易に着火するので、容器のいずれの箇所に着火しても容器全体に確実に燃え広がるので、上記従来例のように導火片を取り付けることも、木炭用着火具を取り付けることも必要ない。
容器は、その大きさ別に、収容できる木炭の量を基準として、燃焼の持続時間等が分かるようにすると、使う目的や使う時間等から、最も適したものを選べて便利である。
大きい容器で、たくさんの木炭を収容できるものであれば、火力が高く燃焼時間も長いので、人数が多く規模が大きいバーベキュー等の使用に適しているし、小さい容器で少ない木炭を収容するものであれば、少人数の短い時間の使用に適している。
また、途中で木炭を継ぎ足す場合であっても、無駄にたくさんの量の木炭を使うのは不経済であるし、逆に少な過ぎては継ぎ足しの作業が何度も増えて効率が悪い。
そこで、例えば、小さい容器1個が30分程度の燃焼時間であることが予め分かっていれば、それを目安にして必要量の木炭を収容した容器を燃えている木炭の中に容器ごと入れるだけで良く、無駄に木炭を使用することも無く、また何度も継ぎ足す手間もなくなり、非常に便利である。
木炭は、容器内に収容するために、容器の大きさに合わせて事前に破砕する必要があるが、従来であれば捨てていたような割れて小さくなった破片等であっても使用できる。
小さい破片の木炭は、短い燃焼時間を得られる小さい容器に収容して使うことができるので、便利であり、また経済的でもある。
通気穴は、容器内に収容された木炭に、容器外側に着火した火が流入し、また空気が通気するためのもので、容器の上部、下部、側部を問わず、多数の通気穴を設けてある。
通気穴があることで、着火した火が、容器内の木炭に燃え移り易くなる。
また、たくさんの空気が通気するようにすることで、一酸化炭素の発生を防ぎ、また容器内の木炭が偏った燃え方をせずに斑なく燃焼することにもなる。
通気穴の形状は丸形、楕円形、四角形、三角形等、いずれの形状であっても良く、通気穴の大きさは、容器内に収容した木炭が通気穴を通って外部へ飛び出すことがなく、形状を維持するための適度の強度を有するものであればいずれの大きさであっても構わない。
木炭は、とても火がつきにくく、効率良く着火させる作業には、ある程度の予備知識と、経験が必要であるが、本発明における木炭容器は、何らの知識と技術を要することなく、マッチやライター等の普段持ち歩く事の多い手軽なものでも、容易に着火でき、尚且つ着火しにくい備長炭などでも確実に着火することが可能で、これまでのように着火作業に長時間費やすということもない。
野外での使用に際しては、時として雨や風、湿気等、過酷な環境下での使用も考えられ、できるだけ容易に且つ確実に着火することが望まれるが、本発明においては、着火の容易さは勿論のこと、取り扱いに便利であり、構造が単純であるので、大量に生産するのにも適しており、今後益々増えるであろう需要にも、十分に応えることができるものである。
また、請求項2は、前記の炭素質着火燃料が練炭であることを特徴とする木炭の着火容器である。
練炭は、十分な強度があるため、硬質の備長炭等のような白炭を収容しても、変形することもなく、容器としては好適である。
また、練炭は、木炭や石炭等を粉末状にしたものを加圧形成したものであり、箱型や円筒型、球形等への形成が容易であり、容器としての形状を十分に成し得る。
また、着火しやすい性質をもつので、マッチ1本でも簡単に着火できる。
さらに、強い火力で、酸素が極端に欠乏した密閉空間でも、長時間安定して燃焼するので、燃えにくい備長炭等のような着火しにくい白炭であっても確実に着火する。
ところが、練炭は、酸素が極端に欠乏した密閉空間でも長時間安定して燃焼することができるが、そのような環境下で燃焼させると、有毒ガスである一酸化炭素が発生しやすいという問題がある。
しかし、バーベキュー等のような野外での使用においては、十分な酸素があれば一酸化炭素は発生せず、環境や健康を害することもない。
このように、強い火力と安定した燃焼が得られる練炭は、野外での使用であれば、一酸化炭素の発生も問題とならないので、備長炭等のような極めて着火しにくい白炭を収容する着火容器としては最適である。
また、最近は、練炭は石炭から作られているものがほとんどである。石炭にも、上質のものから質の良くないものまで様々であるが、近年、我が国の最新技術により、質の良くないとされる褐炭をクリーンにして、強火力の練炭を製造することに成功している。
これまで東南アジア諸国では、燃料用木炭の生産のため、森林伐採が多く行われ、環境問題にまで発展しているが、タイでは国家的練炭製造事業を推進し、同国北部で進んでいる燃料用木炭確保のための伐採による自然破壊の歯止めに役立てようとしており、日本の最新技術を使って、豊富にある褐炭を原料に練炭を作っているのである。
このように、世界的な環境問題の解決にも役立つ練炭は、木炭を収容する容器としては最適な材料と言える。
また、請求項3は、前記の炭素質着火燃料がおが炭であることを特徴とする木炭の着火容器である。
おが炭は、おが屑を固めて炭と同じように焼いた練炭である。着火の容易性では上記の練炭に劣るものの、とても低価格であり、火力が強くて燃焼時間が長く、白炭に近い燃え方をする。そのため、備長炭の代わりに使われることも多く、食品を焼くには適している。
おが炭も十分な強度があるため、硬質の備長炭等のような白炭を収容しても、変形することがなく、練炭同様、容器への形成が容易であるので、容器としても好適である。
また、請求項4は、前記の通気穴が、該容器の側部と下部の吸気穴と、上部の排気穴であることを特徴とする木炭の着火容器である。
通気穴は、吸気穴と排気穴とによって、容器内を空気が効率良く通気するようにし、容器及び容器内の木炭が効率良く燃焼するようにしたものである。
吸気穴は、容器の下部と側部に設けるが、下部または側部のいずれかだけでも良い。排気穴は、容器の上部に設けるようにし、容器の上部に蓋を設けない場合は、開放した状態で排気が十分に行なわれるので、開口した上部が排気穴となる。
吸気穴及び排気穴のいずれの穴も、丸形、楕円形、四角形、三角形等、いずれの形状であっても良い。
また、吸気穴及び排気穴の大きさは、容器内に収容した木炭が吸気穴及び排気穴を通って外部へ飛び出してしまわなければいずれの大きさであっても構わないが、穴が大き過ぎると、容器としての強度が落ちて、破損しやすくなるため、強度を損なわない大きさとする。
吸気穴と排気穴を設けることで、容器内の空気が効率良く循環され、木炭に素早く且つ確実に着火し、その火力も高くなる。
また、請求項5は、前記の容器が、可燃性袋で包装されていることを特徴とする木炭の着火容器である。
該可燃性袋は、容易に着火できる可燃性素材による袋であり、紙製や布製、樹脂製などでも良い。ただし、樹脂製袋は、有毒な燃焼ガスを発生するものは好ましくない。着火容器を袋に入れることで、容器を扱う際に手や衣服を汚さないためであり、着火する際にマッチ等の火力が弱く、火力の持続力が無いものであっても、着火を容易にさせるためのものである。
よって、可燃性の袋であればいずれでも良く、または可燃性であって容易に着火するものが良い。安価で袋の製造が容易な紙製などが好ましい。
また、可燃性袋は、容器の外面を包むものであれば良く、例えば、手で持ったりするような取り扱い部分である上面以外の容器側部だけを包装するものでも良いし、容器の上面も含めた容器全体を包むようにしても良い。このときには、可燃性袋が容器の蓋の役目を果たすように包装するようにしても良い。
このように、木炭を容器ごと包装するので、手や衣服が汚れず、携行性にも優れている。また、袋を破ることで着火の導火線部分を容易に形成できる。
また、請求項6は、前記の容器の外面に、着火塗料が塗布されていることを特徴とする木炭の着火容器である。
着火塗料は、容器の外面に塗布したものであり、容器の外面は、可燃性袋で覆われる部分であって、容器と可燃性袋の間の容器側に塗布して、容器を包装する可燃性袋に着火した火が、容器に確実に燃え移るようにしたものである。
着火塗料は、液体、固体、ゲル状のものなど、いずれであっても良いが、揮発しない燐等の粉状のものや蝋や糊などで塗り固められるようなものが良く、パラフィンや植物油などでも良い。
近年、主にメチルアルコールを主成分としたゼリー状の着火剤による事故が相次いでいる。市販されている多くの着火剤は、容易に着火する便利な道具である反面、とても引火しやすい性質のため、火のある所に継ぎ足した場合、着火剤が飛び散ったり、着火剤の容器にまで火が燃え広がることもあり、とても危険である。
また、着火剤が容器の中で揮発してガス化した成分に引火して爆発することもあり、着火剤の揮発したガスは、想像以上に広がって炎が広範囲に及ぶことがあるので、容器を開け放しておくことは極めて危険である。また、着火剤の主成分であるメチルアルコールは、毒性が強いので、揮発したガスを吸い込むと中毒の恐れがある。
そこで、本発明における着火塗料は、あくまで可燃性袋の火が着火容器に確実に燃え移るための補助的な役割を果たすためのものである。
以上、詳細に説明した本発明では、以下に示すような効果がある。
1)備長炭のような極めて着火しにくい炭であっても、簡単に且つ確実に着火できる着火容器であり、着火作業における手間と労力と時間を省き、火力や燃焼時間等の目安が分かるので、無駄に木炭を消費することがなく経済的であり、また構造が単純であるので大量に生産するのにも適しており、今後益々増大するであろう需要にも、十分に応えることができるものである。
2)マッチ1本でも簡単に着火でき、強い火力で、長時間安定して燃焼するので、燃えにくい備長炭等のような着火しにくい白炭であっても確実に着火する。
3)低価格で火力が強く、燃焼時間が長い備長炭に似た燃え方をするので、食品を焼くには最適である。
4)吸気穴と排気穴とを空気が流入し、効率良く循環することで、着火容器内の木炭に素早く且つ確実に着火し、燃焼効率も上がる。
5)手や衣服が汚れず、持ち運びに便利で携行性にも優れており、マッチ等の火力が弱く、火力の持続力が無いものであっても、容易に着火し、確実に着火容器に燃え移る。
6)単純な構造で、着火容器を包む紙製袋の火が着火容器に確実に燃え移り、使用する材質も安全で環境にも優しい。
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を用いて説明する。
図1は、本発明による木炭の着火容器の外観図で、図2は、同着火容器の図1のA−A断面における垂直断面図、図3は、同着火容器の図1のB−B断面における水平断面図である。
本実施例の木炭の着火容器は、円筒型に形成された練炭からなる着火容器1と、着火容器の外面全体に塗布した着火塗料(パラフィン)2と、着火容器全体を包装する紙製袋3とによって構成されている。
着火容器1に収容する木炭4は、備長炭とする。また、着火容器1は、円筒型であり、着火容器1内に備長炭4を収容できる空間を有し、着火容器1の上部に蓋5を設けてある。
該着火容器1は、円筒型以外に、箱型や球形等、備長炭を収容できる空間を有するものであれば、いずれの形状でも良い。たとえば、図4の(1)、(2)に示すように、各種の形状でも良い。
着火容器1は、その大きさ別に、収容できる備長炭の量を基準として、燃焼の持続時間等が分かるようにすると、使う目的や使う時間等から、最も適したものを選べて便利である。
大きい着火容器1で、たくさんの備長炭を収容できるものであれば、火力が高く燃焼時間も長いので、人数が多く規模が大きいバーベキュー等の使用に適しているし、小さい着火容器で少ない備長炭を収容するものであれば、少人数の短い時間の使用に適している。
また、途中で備長炭を継ぎ足す場合であっても、無駄に多くの量の備長炭を消費するのは不経済であるし、逆に少な過ぎては継ぎ足しの作業が何度も増えて効率が悪い。
そこで、例えば、小さい着火容器1個が1時間程度の燃焼時間であることが予め分かっていれば、それを目安にして必要量の備長炭を収容した着火容器を、燃えている備長炭の中に着火容器ごと入れるだけで良く、無駄に備長炭を消費することも無く、また何度も継ぎ足す手間もなくなり、取り扱いも容易で非常に便利である。
備長炭4は、着火容器の大きさに合わせて事前に破砕する必要があるが、従来であれば捨てていたような割れて小さくなった破片等であっても使用できる。
小さい破片の備長炭は、短い燃焼時間を得られる小さい着火容器に収容して使うことができるので、便利であり、また経済的である。
また、蓋5は、取り付け具を必要としない、単に着火容器1に被せるだけの蓋である。該蓋5は、着火容器1内に収容した備長炭4が着火容器1の外へ出てしまうことを防ぐために設けたもので、例えば、着火容器1全体を覆う紙製袋3が丈夫な素材であって、紙製袋3によって着火容器1に蓋をする役目を果たし、備長炭4が着火容器1の外へ出るのを防ぐことができれば、敢えて蓋を設けなくても良い。
また、蓋5を設ける場合には、取り付け具等によって着火容器1に取り付けても良いし、取り付け具をつけずに、蓋5を着火容器1から取り外せるようにしても良い。
取り付け具によって蓋5を取り付ける場合には、例えば金具の蝶番のように燃え残るようなものではなく、可燃性の紐や練炭製の蝶番等であれば、着火容器1と一緒に全て燃えて、金具だけ燃え残るようなことがなくて良い。
着火容器1を形成する練炭は、箱型や円筒型、球形等、いずれの形状であっても成形が容易であり、容器としての形状を十分に成し得る。
練炭は、十分な強度があるため、硬質の備長炭等のような白炭を収容しても、変形することもなく、容器としては好適である。
練炭は、着火しやすい性質をもつので、マッチ1本でも簡単に着火し、着火容器のいずれの箇所に着火しても着火容器全体に確実に燃え広がり、強い火力で、酸素が極端に欠乏した密閉空間でも、長時間安定して燃焼するので、燃えにくい備長炭等のような着火しにくい白炭であっても確実に着火する。
また、練炭のように、形成が容易で、容器として十分な強度があるものであればいずれでも良く、例えば、おが屑を固めて炭と同じように焼いたおが炭でも良い。
おが炭は、練炭のように着火し易いものではないが、とても低価格であり、火力が強くて燃焼時間が長く、白炭に近い燃え方をする。
着火容器1には、下部及び側部に吸気穴6を、上部には排気穴7をそれぞれ設けてある。吸気穴6及び排気穴7の形状は、いずれも円形で、穴の大きさも形状も全て同じである。
これらの通気穴は、吸気穴6と排気穴7とによって、着火容器1内を空気が効率良く通気するようにし、着火容器1及び着火容器1内の備長炭4が効率良く燃焼するようにしたものである。
吸気穴6は、着火容器1の下部と側部に設けたが、下部または側部のいずれかだけでも良い。
排気穴7は、蓋に設けるようにし、着火容器1に蓋5を設けない場合は、開放した状態で排気が十分に行なわれるので、着火容器1のいずれかの場所に排気穴を設ける必要はない。
吸気穴6及び排気穴7のいずれの穴も、丸形、楕円形、四角形、三角形等、いずれの形状であっても良い。
また、吸気穴6及び排気穴7の大きさは、着火容器1内に収容した備長炭4が吸気穴6又は排気穴7を通って外部へ飛び出さなければいずれの大きさであっても構わないが、穴が大き過ぎると、着火容器としての強度が落ち、破損しやすくなるため、強度を損なわない大きさとする。
吸気穴6と排気穴7を設けることで、着火容器1内の空気が効率良く循環され、備長炭4に素早く且つ確実に着火し、その火力も高くなる。
該着火容器1の外面には、着火塗料としてパラフィン2を塗布した。該パラフィン2は、着火容器1の外面に塗布したものであり、着火容器1の外面は、紙製袋3で覆われる部分であって、着火容器1と紙製袋3の間の着火容器1側に塗布する。
また、着火塗料は、液体、固体、ゲル状のものなど、いずれであっても良いが、揮発しない燐等の粉状のものや蝋や糊などで塗り固められるようなものが良い。
着火塗料であるパラフィン2は、紙製袋3に着火した火が着火容器1に確実に燃え移るための補助的な役割を果たすためのものであり、必ずしも塗布しなければならないものではなく、例えば着火容器1内に収容する木炭が備長炭等のような白炭ではなく、比較的着火しやすい黒炭等であれば、着火塗料2を塗布しなくても良い。
また、パラフィン2を塗布した着火容器1全体を、可燃性袋3である紙製の包装用紙で包装した。
該紙製袋3は、着火容器1を扱う際に手や衣服を汚さないためであり、着火する際にマッチ等の火力が弱く、火力の持続力が無いものであっても、着火を容易にさせるためのものである。
よって、袋3は、可燃性のものであればいずれでも良く、または可燃性であって容易に着火するものであれば布等の繊維織物等でも良い。
また、この可燃性袋は、着火容器の外面を包むものであって、着火容器の内面側には装着せず、また上面も必要ではなく、手で持ったりする着火容器1の側部だけを包装するものでも良い。
また、着火容器1に蓋5を設けない場合は、紙製袋3によって蓋の役目を成すように、着火容器1の中に備長炭4を収容した後に、紙製袋3で着火容器1の上部を覆うように包装できるようにすると良い。
着火容器1全体を包装するので、内部の炭4により手や衣服が汚れず、携行性にも優れている。
次に、本実施例の着火の状態を以下に説明する。
まず、着火容器1の中に備長炭4を収容し、蓋5を被せ、紙製袋3によって着火容器1全体を覆う。
使用する場所に着火容器1を置き、マッチやライター等により紙製袋3に点火する。
紙製袋3に着火した火は、紙製袋3全体に燃え広がり、同時に着火容器1の外面に塗布されている着火塗料であるパラフィン2に着火し、火力が大きくなる。
大きくなった炎は、着火容器1に容易に着火し、着火容器1全体が燃焼する。
紙製袋3が燃えたことにより、着火容器1を覆うものがなくなり、着火容器1に設けられた吸気穴6と排気穴7を空気が流入し、空気と共に着火容器1の中の備長炭4へ火が燃え移る。
着火容器1全体が完全に燃焼を始める頃には、吸気穴6から排気穴7への空気の流入が盛んになり、さらに火勢が増す。
このようにして、着火容器1の練炭が燃え尽きる頃には、着火容器1に収容された備長炭4の着火が確実に行なわれる。
着火容器が炭素質着火燃料からなるため、内部の木炭への確実な着火を行えるため、特に着火しにくい、備長炭の着火容器として最適である。また、各種の焼却施設において、特に燃焼しにくいものに対して、この炭素質着火燃料として高温燃焼する炭素質着火燃料を使用して着火容器とし、その中に燃焼しにくいものを充填して燃焼させることで今までにない、効率的な燃焼システムに適用が可能である。
1 着火容器
2 着火塗料
3 紙製袋
4 木炭(備長炭)
5 蓋
6 吸気穴
7 排気穴
2 着火塗料
3 紙製袋
4 木炭(備長炭)
5 蓋
6 吸気穴
7 排気穴
Claims (6)
- 可燃性容器内部に木炭を充填し、該容器の外部に着火することで内部の木炭に着火するための着火容器において、該容器は、通気穴が設けられた炭素質着火燃料からなることを特徴とする木炭の着火容器。
- 前記の炭素質着火燃料が練炭であることを特徴とする請求項1に記載の木炭の着火容器。
- 前記の炭素質着火燃料がおが炭であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木炭の着火容器。
- 前記の通気穴が、該容器の側部と下部の吸気穴と、上部の排気穴であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の木炭の着火容器。
- 前記の容器が、可燃性袋で包装されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の木炭の着火容器。
- 前記の容器の外面に、着火塗料が塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木炭の着火容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003312358A JP2005083581A (ja) | 2003-09-04 | 2003-09-04 | 木炭の着火容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003312358A JP2005083581A (ja) | 2003-09-04 | 2003-09-04 | 木炭の着火容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005083581A true JP2005083581A (ja) | 2005-03-31 |
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ID=34413640
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JP2003312358A Withdrawn JP2005083581A (ja) | 2003-09-04 | 2003-09-04 | 木炭の着火容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005083581A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012078310A3 (en) * | 2010-11-10 | 2012-08-02 | David Wares | Fire ignition system |
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KR102247004B1 (ko) * | 2020-11-11 | 2021-04-29 | 권광희 | 착화 기능을 구비하는 고형연료 포장상자 |
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-
2003
- 2003-09-04 JP JP2003312358A patent/JP2005083581A/ja not_active Withdrawn
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