以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、本発明を、雀球遊技機及びアレンジボール遊技機に適用した場合について説明する。
図1の中央の図は雀球遊技機1の正面図を示し、その右側の図は雀球遊技機1の遊技盤2の正面図を示し、また、図2の右側の図は雀球遊技機1の遊技盤2の背面図を示している。この雀球遊技機1は、方形枠状の外枠3と、外枠3の前面に設けられた前枠4とを備えており、前枠4は、外枠3の正面左側上下に設けられたヒンジ金具5,6により外枠3に対して開閉可能に設けられていると共に外枠3の正面右側に設けられた施錠具7により閉鎖状態がロックされるようになっている。そして、前枠4には遊技盤2が設けられ、遊技盤2の下方に手牌等を表示するための表示部8及び捨牌の選択等を行う操作部9が設けられ、さらに、操作部9の下方にメダル受け皿10及び球発射ハンドル11が設けられている。また、遊技盤2には環状のガイドレール12により遊技領域13が形成され、遊技領域13には2個の球受け部材14を備えた遊技部品15が他の各種遊技部品16等と共に配置され、遊技部品15の下方には所要数の麻雀牌に対応した入球口17が横一列で配列されている。
図1の左側の図はアレンジボール遊技機18の遊技盤2’の正面図を示し、また、図2の左側の図はその遊技盤2’の背面図を示している。アレンジボール遊技機18の場合にも、雀球遊技機1の場合と同様に、遊技盤2’に形成された遊技領域20に2個の球受け部材14を備えた遊技部品15が他の各種遊技部品21等と共に配置されている。そして、遊技部品15の下方には、1〜16番の番号が付された16個の入球口22が横一列で配列されている。
図2の中央の図はアレンジボール遊技機18の背面図を示しており、アレンジボール遊技機18の背面側には、遊技盤2’を収容する収容部の中央部に矩形の開口部23が形成されている。そして、開口部23の上部には、予備賞球を貯留する賞球タンク24や賞球タンク24に貯留された予備賞球を整列して供給する予備賞球案内流路25が設けられ、開口部23の背面側から見て右側方には、賞球の払い出し処理を行う賞球装置26が設けられている。また、開口部23の下方には、賞球装置26から払い出された賞球を前面側の球皿(図示せず)に案内する賞球排出流路27や遊技盤2’から排出されるアウト球及びセーフ球を機外に排出する遊技済み球排出経路(図示せず)が設けられている。
次に、図3〜図11を参照しつつ、遊技部品15について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、球受け部材14を左右方向に移動させるための構成のうち、左右の球受け部材で同様の構成に関しては、正面左側の球受け部材14のための構成についてのみ説明し、正面右側の球受け部材14のための構成については説明を省略する。そして、図中、正面左側の球受け部材14のための構成については符号の後にLを付し、それらに対応する正面右側の球受け部材のための構成については同一符号を付した後にRを付す。
遊技部品15は、遊技盤2,2’に固定される取付本体31を備え、取付本体31は横長形状を成し、中央に特別入球口30のための特別入球口用開口部32が形成され、特別入球口用開口部32の両側に球受け部材14のための球受け部材用開口部33L,33Rがそれぞれ形成されている。取付本体31には、特別入球口用開口部32の両側に近接してそれぞれ球受け枠取付孔34が形成され、各球受け枠取付孔34の下方にそれぞれ小溝35が形成されている。また、取付本体31には特別入球口用開口部32の下側部分を閉塞するように特別入球口用球受け枠36が取付けられ、特別入球口用球受け枠36の後面両側には球受け枠取付孔34に貫設可能な取付ボス部37が突設されている。特別入球口用球受け枠36の前面両側には、上下にそれぞれ球受け部38及びストッパ部39が突設され、各球受け部38の上面は内側に傾斜し、特別入球口案内部40が形成されているため、球受け部38上に落下した打球が内側に案内され、特別入球口30に入球し易くなっている。
さらに、取付本体31には、特別入球口用開口部32の上側部分を開閉可能なように回動支軸42により軸支された開閉扉41が設けられ、回動支軸42は開閉扉41の両側下部に設けられた小溝(図示せず)と取付本体31の小溝35との間で形成される軸取付部(図示せず)に嵌設するようになっている。開閉扉41には前面両側に当接部43が突設され、開閉扉41の開放時、当接部43がストッパ部39に当接することにより開閉扉41が水平より僅かに後方に傾斜した姿勢で保持されるようになっている。また、開閉扉41の正面左側下部には係合突起部44が形成され、開放扉41の閉塞時、係合突起部44が特別入球口用球受け枠36の後面に当接することにより開閉扉41の後方への傾斜が規制され、開閉扉41の閉塞姿勢が保持されるようになっている。
特別入球口用球受け枠36の後側には特別入球口本体45が設けられ、特別入球口本体45には特別入球口用球受け枠36の取付ボス部37に対応する位置に取付孔46が形成され、後方から取付孔46及び取付ボス部37にネジを螺入することにより特別入球口本体45が特別入球口用球受け枠36に固定されるようになっている。そして、特別入球口本体45の前面下部には特別入球口ランプ基板47が取付けられ、特別入球口ランプ基板47のLED(Light Emitting Diode)48の光が特別入球口用球受け枠36を透過して前方に照射されるようになっている。
また、特別入球口本体45の前面には特別入球口ランプ基板47の上方にガイド部49が突設され、ガイド部49は正面右側に形成された球通過口50に向かって傾斜している。そして、球通過口50の下方には球通過検出センサ収容部51が形成され、球通過検出センサ収容部51には後方から特別入球口30に入球した球を検出する球通過検出センサ52が挿入されている。さらに、特別入球口本体45には、開閉扉41の係合突起部44の移動範囲に対応した位置に縦長円形状の係合孔53が形成されると共に、後面側にソレノイド収容部54が形成され、係合孔53とソレノイド収容部54の間に駆動伝達クランク支軸55が後方に突出して設けられている。
ソレノイド収容部54にはソレノイド56が横向きで収容され、ソレノイド56は取付ベース板57を介して特別入球口本体45にネジ止めされるようになっている。ソレノイド56には、プランジャ58が左右方向に伸縮可能に設けられ、プランジャ58の先端にはフランジ部59が形成されている。また、プランジャ58の外周にはソレノイド56とフランジ部59との間にバネ60が設けられ、バネ60によりプランジャ58は伸長方向に付勢されている。駆動伝達クランク支軸55には駆動伝達クランク61が枢設され、駆動伝達クランク61には、プランジャ58のフランジ部59を挟装する係合溝部62と、前方に延出する係合延出部63とが形成され、係合延出部63は係合孔53を遊貫し、その先端は開閉扉41の係合突起部44に係合している。
特別入球口本体45の後側には、ソレノイド56、プランジャ59、及び駆動伝達クランク61を覆うように特別入球口裏蓋64がネジ止めされるようになっている。特別入球口裏蓋64の前面側には、駆動伝達クランク支軸55の先端が嵌設可能な駆動伝達クランク支軸受け部65が突設されていると共に、ソレノイド56の側面に当接可能なソレノイド保持部66が突設されており、特別入球口本体45と特別入球口裏蓋64とにより駆動伝達クランク支軸55及びソレノイド56を確実に固定できるようになっている。また、特別入球口本体45の後面側には、中央にピニオン支軸67が突設され、ピニオン支軸67の周りにはピニオン及びラック収容部68が形成されている。
取付本体31の正面左側の球受け部材用開口部33Lには前側レンズ71Lが嵌設され、前側レンズ71Lの後方に後側レンズ72Lが重合している。前側レンズ71L及び後側レンズ72Lにはそれぞれ水平にスリット孔73L,74Lが形成され、後側レンズ72Lのスリット孔74Lは前側レンズ71Lのスリット孔73Lよりスリット高が高くなっている。後側レンズ72Lの後側には水平にスライダー軸75Lが渡設され、スライダー軸75Lに沿って摺動可能にスライダー76Lが設けられている。
スライダー76Lの前部には、後側レンズ72Lのスリット孔74Lを挿通し、スリット孔74Lに沿って摺動可能な支軸受け部77Lが形成され、また、スライダー76Lの後部上面にはラック部78Lが形成されている。支軸受け部77Lには左右一対の球受け部材用支軸79Lが前方に突設され、球受け部材用支軸79Lにより球受け部材14Lが支持されている。球受け部材14Lには、上方から遊技球を受け入れ可能な球入口80Lが形成されていると共に、球入口80Lから入球した遊技球を排出可能な球出口81Lとが形成され、球入口80Lは内側に傾斜し、打球を球受け部材14Lに誘導するように形成されている。また、図4に良く示されているように、球受け部材14Lには、内側(この場合、正面右側)の側壁が外側に湾曲することにより遊技球排出機構が形成され、この遊技球排出機構により球受け部材14Lの外側(この場合、正面左側)の遊技領域13の一定方向に前記遊技球を排出可能となっている。
後側レンズ72Lの後面側にはスライダーガイド82Lが設けられ、スライダーガイド82Lを取付本体31にネジ止めすることにより、前側レンズ71L、後側レンズ72L、及びスライダーガイド82Lが一体で取付本体31に固定されるようになっている。スライダーガイド82Lには後側レンズ72Lのスリット孔74Lに対応する位置に水平にスリット孔83Lが形成され、スリット孔83Lに沿ってスライダー76Lのラック部78Lが摺動可能となっている。スライダーガイド82Lの前側には、スリット孔83Lの両側下方にスライダー軸当接部84Lが突設され、スライダー軸当接部84Lがスライダー軸75Lに当接することにより、スライダー軸75Lが後側レンズ72Lに確実に保持されるようになっている。
スライダーガイド82Lの後側には、スリット孔83Lの上方にピニオン案内部85Lが形成されていると共にスリット孔83Lの下方に駆動伝達アーム案内部86Lが形成されている。また、スライダーガイド82Lの後側には、上部周壁の内側にラック部87Lが形成され、その上部周壁の後端面には駆動伝達アーム前面摺接部88Lが突設されている。さらに、スライダーガイド82Lのピニオン案内部85Lにはピニオン89Lが設けられ、ピニオン89Lには、中心部に丸孔90Lが形成されていると共に、前側にピニオン案内部85Lに係合可能な環状の係合突部91Lが形成されている。そして、ピニオン89Lは上側でスライダーガイド82Lのラック部87Lと噛合すると共に、下側でスライダー76Lのラック部78Lと噛合している。したがって、ラック部87Lと78Lの間でピニオン89Lが回動しながら左右方向へ移動するのに伴い、スライダー76Lが左右方向に摺動するようになっており、そのピニオン76Lの移動範囲は、係合突部91Lとピニオン案内部85Lとの係合により所定範囲内に規制されるようになっている。
特別入球口裏蓋64のピニオン及びラック収容部68には、ピニオン支軸67に貫挿されるピニオン92と、上下でそのピニオン92に噛合する左右一対の駆動伝達アーム93L,93Rの各ラック部94L,94Rとが収容されている。そして、ピニオン92の後部には先端が半割り状の軸部69が形成され、各ラック部94L,94Rの後面にはそれぞれ突条部70L,70Rが突設されている。
駆動伝達アーム93Lは、ラック部94Lから前方に屈曲後、外側に延出し、スライダーガイド82Lの後面側に渡って形成され、駆動伝達アーム93Lの外側端部には、鉛直方向にスリット孔95Lが形成された鉛直部96Lと、鉛直部96Lの下端に形成された水平部97Lとが形成されている。そして、鉛直部96Lの前面側にはピニオン89Lの丸孔90Lに嵌合可能な嵌合突部98Lが形成され、鉛直部96Lの上端部は駆動伝達アーム前面摺接部88Lに沿って左右方向に摺動可能となっている。また、水平部97Lの前面側には、アーム案内部86Lに係合し、アーム案内部86Lに沿って摺動可能な横長形状の案内突部99Lが形成され、案内突部99Lの後方には平板状のカバー部100Lが水平に形成されている。
スライダーガイド82Lの後側にはモータベース101がネジ止めされ、さらに、モータベース101の後側にはLED基板102がネジ止めされるようになっている。そして、モータベース101にはモータ収容欠切部103が形成され、モータ収容欠切部103に駆動源のモータ104が嵌設し、ネジ止めされることにより、モータ104がモータベース101に固定されるようになっている。
モータ104には、回転軸105を介して駆動伝達円盤106が嵌着され、駆動伝達円盤106の前面側周縁部に駆動伝達アーム93Lのスリット孔95Lに係合可能な突起部107が形成されている。このように、突起部107をスリット孔95Lに係合させることにより、モータ104の回転動を駆動伝達アーム93Lの水平往復直線動に変換することができる。
また、モータベース101には所要数のLED貫通孔108が穿設され、LED貫通孔108をLED基板102上のLED109が貫通し、LED109の光が、スライダーガイド82、後側レンズ72、及び前側レンズ71を透過し、前方に照射されるようになっている。さらに、モータベース101の上部周壁の前端面にはスライダーガイド82の駆動伝達アーム前面摺接部88に対応する位置に駆動伝達アーム後面摺接部110Lが突設され、駆動伝達アーム93Lの鉛直部96Lは駆動伝達アーム前面摺接部88Lと駆動伝達アーム後面摺接部110Lの間に沿って左右方向に摺動可能となっている。
一方、正面右側の球受け部材14R用のスライダーガイド82Rの後側にはダミーベース111がネジ止めされ、ダミーベース111には、上記したモータベース101と同様に、後側にLED基板112がネジ止めされ、LED基板112上のLED113はダミーベース111に穿設されたLED貫通孔114を貫通するようになっている。なお、ダミーベース111には、モータ104が装着されないため、モータ収容欠切部103は形成されていない。また、ダミーベース111の前側には駆動伝達アーム93の鉛直部96に摺接可能にダミー円盤115が固定され、ダミー円盤115は駆動伝達アーム93Rを後側から支持し、突起部107が形成されていない。
このように、複数の球受け部材14を移動させるための球受け部材移動手段は、駆動源であるモータ104と、モータ104の駆動力を複数の球受け部材14に伝達する駆動伝達機構とから構成され、該駆動伝達機構は、スライダー76、球受け部材用支軸79、ピニオン89、ピニオン92、駆動伝達アーム93、及び駆動伝達円盤106の各部材により構成されている。
特別入球口裏蓋64の後側にはセンサ基板取付ベース116が設けられ、センサ基板取付ベース116はその両側に形成された取付部117を介して各スライダーガイド82にビス止めされるようになっている。センサ基板取付ベース116の前面側には複数の水平突条部118が形成され、最下部の水平突条部118は特別入球口裏蓋64の周壁内面に係合可能に形成されているため、特別入球口裏蓋64に対するセンサ基板取付ベース116の正確な位置決めができ、また、他の水平突条部118は駆動伝達アーム93L,93Rの突条部70L,70Rに摺接可能に形成されているため、駆動伝達アーム93L,93Rの左右方向への往復直線動を円滑に行わせることができる。
センサ基板取付ベース116の後面側には、左右に対向するように曲成された内壁119により被検出体収容部120が形成され、被検出体収容部120にはピニオン支軸67及びピニオン92の軸部69が遊貫可能な貫通孔121が形成されている。また、被検出体収容部120には被検出体122が収容され、被検出体122には、ピニオン支軸67が挿通する軸部123が形成され、軸部123の先端は半割り状を成し、半割り状のピニオン92の軸部69と係合した状態で連結されている。したがって、被検出体122は、前記駆動伝達機構を介し、球受け部材14L,14Rの移動に対応して動作するようになっている。さらに、被検出体122の周りには半円盤状の本体部124が形成され、本体部124の後面には本体部124の外周に沿って湾曲した遮光板125が突設され、遮光板125の中央部にスリット134が形成されている。また、センサ基板取付ベース116、被検出体122、及びセンサ基板取付ベース裏蓋126はいずれも、光を透過さないように有色、例えば、黒色となっている。
センサ基板取付ベース116の後側には被検出体収容部120を覆うようにセンサ基板取付ベース裏蓋126が設けられ、さらに、センサ基板取付ベース裏蓋126の後側にはセンサ基板127が設けられ、センサ基板127の後方からネジを螺入することによりセンサ基板127及びセンサ基板取付ベース裏蓋126が一体となってセンサ基板取付ベース116に固定されるようになっている。センサ基板取付ベース裏蓋126にはセンサ挿通孔128が縦長に形成され、センサ基板127にはセンサ挿通孔128の上部に対応する位置に丸孔129が穿設されている。
また、センサ基板127の前面にはセンサ130が前方に突出して設けられ、センサ130には発光器135と受光器136が所定距離離間して設けられている。センサ130はセンサ挿通孔128を遊貫し、発光器135と受光器136の間を遮光板125が通過するようになっており、さらに、センサ挿通孔128の上部及び丸孔129をピニオン支軸67が遊貫するようになっている。
このように、被検出体122とセンサ130により球受け部材移動検出機構が構成され、該球受け部材移動検出機構により複数の球受け部材14の移動が検出されるようになっている。
各LED基板102,112及びセンサ基板127の後側には裏カバー131が設けられ、裏カバー131はモータベース101、ダミーベース111及びセンサ基板取付ベース116にそれぞれビス止めされるようになっている。裏カバー131の前面側には、ピニオン支軸67に対応する位置にボス溝132が形成され、ボス溝132にピニオン支軸67の先端が嵌設することによりピニオン支軸67が固定されるようになっている。また、裏カバー131には、LED基板112の後方に中継基板133が上下に取付けられている。
次に、主に図12〜図16を参照しつつ、遊技部品15の作動について説明する。
予め設定された所定のタイミングで、ソレノイド56が駆動すると、プランジャ58はバネ60の付勢力に抗して収縮し、駆動伝達クランク61が駆動伝達クランク支軸55を支点として正面向かって時計回りに回転する。このように駆動伝達クランク61が回転すると、係合延出部63が上方に移動することにより開閉扉41の係合突起部44を持ち上げるため、開閉扉41は回動支軸42を支点に前方に回転し、開閉扉41は開放状態となる。そして、当接部43がストッパ部39に当接することにより開閉扉41は水平状態より僅かに後方に傾斜した姿勢に保持される。
図12に示すように、この状態において、開閉扉41上に落下した打球137は、開閉扉41の傾斜方向に従って後方に転動し、ガイド部49を通って球通過口50に入球し、球通過検出センサ52を通過する。球通過検出センサ52は打球の通過を検出し、その検出信号は中継基板133を介して図示しない制御装置に送られ、この検出信号に基づいて、前記制御装置は所定の制御を行う。
また、予め設定されたタイミングで、モータ104が駆動すると、回転軸105と共に駆動伝達円盤106が回転し、図15(a)及び(b)に示すように、駆動伝達円盤106の突起部107が正面左側の駆動伝達アーム93Lの鉛直部96Lのスリット孔95Lに沿って摺動し、駆動伝達アーム93Lは左右方向に往復直線運動する。
駆動伝達アーム93Lの往復動は、ピニオン89Lを介してスライダー76Lに伝達され、スライダーガイド82Lのラック部87Lとスライダー76Lのラック部78Lとの間でピニオン89Lが回動しながら左右方向へ移動するのに伴い、スライダー76Lはスライダー軸75Lに沿って左右方向に摺動し、球受け部材14Lは左右方向に移動する。
一方、駆動伝達アーム93Lの往復動は、ピニオン92を介して正面右側の駆動伝達アーム93Rに伝達され、駆動伝達アーム93L,93Rの各ラック部94L,94Rの間でピニオン92が回動しながら左右方向へ移動するのに伴い、駆動伝達アーム93Rは正面左側の駆動伝達アームLとは異なる方向に往復動する。そして、この駆動伝達アーム93Rの往復動は、ピニオン89Rを介してスライダー76Rに伝達され、スライダーガイド82Rのラック部87Rとスライダー76Rのラック部78Rとの間でピニオン89Rが回動しながら左右方向へ移動するのに伴い、スライダー76Rはスライダー軸75Rに沿って左右方向に摺動し、球受け部材14Rは正面左側の球受け部材14Lとは異なる方向に移動する。
上記したように、左右の球受け部材14L,14Rが互いに異なる方向に左右に移動している状態において、図13に示すように、上方から球受け部材14L(又は14R)の球入口80L(又は80R)に打球137が入球すると、その打球137は球出口81L(又は81R)から球受け部材14L(又は14R)の外側の遊技領域13に排出され、遊技領域の下部に配置されたいずれかの入球口17又は22に入球する。
また、上記したようにピニオン92が左右に回動すると、図16(a),(b),(c)に示すように、被検出体122がピニオン支軸67を支点に左右に揺動し、遮光板125がセンサ130の発光器135と受光器136の間を行き来する。この結果、遮光板125は、発光器135からの発せられた光を、図16(a)及び(c)に示すように遮断したり、或いは、同図(b)に示すようにスリット134に透過させたりする。そして、発光器135からの光がスリット134を透過し、受光器136に到達すると、センサ130は球受け部材14L,14Rの移動状態を検出し、その検出信号は中継基板133を介して前記制御装置に送られ、この検出信号に基づいて、前記制御装置は所定の制御を行う。
この時、被検出体122は球受け部材14L,14Rの移動に対応して動作するように構成されているため、球受け部材14L,14Rが、モータ104や前記駆動伝達機構等の異常により、停止したり、或いは、異常な動作をした場合には、センサ130から前記制御装置に対して、前記検出信号が送信されなかったり、或いは、前記検出信号が異常な間隔で送信されたりする。その結果、前記制御装置は、球受け部材14L,14Rの移動に異常が発生したと判断し、例えば、遊技機1,18の上方に設置されたランプ(図示せず)を点滅させたりして管理者に通報する。
このように、被検出体122とセンサ130とを備えた球受け部材移動検出機構により、球受け部材14L,14Rの左右方向への移動を常時、検出することができるため、球受け部材14L,14Rの移動に異常が生じた場合には、管理者がその異常を早期に発見することができ、迅速な対応をとることができる。したがって、遊技部品15の損傷や破損を最小限に抑え、遊技部品15の耐久性を向上させることができ、遊技者に多大な迷惑を掛けたり、遊技店に多大な損害を与えたりするおそれがない。
また、上記したように、左右の球受け部材14L,14Rを左右に移動させると共に前記遊技球排出機構により遊技領域の一定方向に遊技球を排出させることができるため、遊技の偶発性や変化が増し、同一強度で打球が発射されたとしてもまったく異なる入球口へ打球が入球するようになるため、遊技の魅力が向上すると共に、遊技釘の調整を煩雑に行うことなく、遊技者の技量に応じて出球率を変化させることできるようになる。また、左右の球受け部材が左右に移動すると共に、前記遊技球排出機構により遊技球が所要方向に排出されるため、遊技者に対して、斬新な視覚効果を与えることができ、遊技者の興味を十分に引くことができるようになり、さらにまた、遊技店に対しては、遊技釘の調整作業の簡素化により、人件費の削減化を可能にさせることができる。
さらに、球受け部材14L,14Rが中央の特別入球口30の両側に分散し、球受け部材14L,14Rの駆動源であるモータ104が、特別入球口30の駆動源であるソレノイド56や球受け部材移動検出機構であるセンサ130等と奥行き方向に重合しないように配置されているため、遊技部品15のコンパクト化を図ることができ、遊技部品15の設置可能範囲を広げることができる。また、前記球受け部材移動検出機構が中央の特別入球口30の後方に配置され、左右の球受け部材14L,14Rから前記球受け部材検出機構までの距離が等しくなるため、検出誤差が発生し難くなり、検出精度を高めることができる。
なお、前記球受け部材移動検出機構は、上記した構成に限らず、例えば、被検出体122に遮光板125の代わりにピン状の遮光部(図示せず)を形成させ、その遮光部が発光器135からの光を遮断した時に球受け部材14L,14Rの移動を検出するように構成させる等、各種変更が可能である。また、前記球受け部材移動検出機構からの検出信号に基づいて、前記制御装置が球受け部材14L,14Rの移動に異常が発生したと判断した場合、上記した様に、遊技機1,18の上方に設置したランプを点滅させる代わりに、或いはそのランプの点滅に加えて、管理室の遠隔監視装置(図示せず)に表示させるように構成してもよく、また、前記ランプは、遊技機1,18に設置してもよい。
また、上記実施の形態では、前記遊技球排出機構は、遊技球137を一定方向に排出するように構成されているが、これは単なる例示であり、このような場合に限定する趣旨ではなく、遊技球137を所要方向(すなわち、球入口80に対してある範囲内の方向)に排出可能なように構成してもよい。
具体的には、例えば、図17(a)に示すように、球出口141,142を左右両側に設け、打球137が左右のいずれかの方向に振り分けられるように構成してもよい。
また、図17(b)に示すように、球受け部材用支軸79を支点に揺動可能なように片側の側壁143を設け、打球137の排出角度が可変となるように構成してもよく、さらに、その側壁143が外側に移動した場合には球入口144の幅が狭くなるようにし、球入口144において打球を一瞬停止させ、打球137の排出のタイミングが可変となるように構成してもよい。
さらにまた、図17(c)に示すように、片側の側壁145の下端に重り146を取付け、球受け部材用支軸79を支点に揺動可能なようにその側壁145を設け、打球137の排出速度やタイミングが可変となるように構成してもよい。
そして、上記したような変更例の場合には、打球137の排出方向、速度、タイミングをより多様に変化させることができるため、遊技性や偶発性を一層高めることができる。
また、上記したいずれの場合においても、球受け部材14の打球137の排出方向は球受け部材14の外側又は内側のいずれであってもよく、さらに、球受け部材14の設置数は2個に限らず、3個以上であってもよい。
さらにまた、球受け部材14L,14Rを左右方向に移動させるための球受け部材移動手段は上記したものに限定されるものではなく、例えば、図18(a)に示すように、左右に回動可能な駆動体147と、水平方向に往復摺動可能な左右一対の摺動体148L,148Rとをそれぞれリンク149に枢設することにより連結し、各摺動体148L,148Rに左右の球受け部材をそれぞれ接続させてもよい。この場合には、駆動体147の回動に伴い、左右の球受け部材はそれぞれ異なる方向に往復動する。
また、図18(b)に示すように、左右一対の摺動体148L,148Rを連結するアーム150と、左右方向に回動可能な駆動体151とを噛合させ、各摺動体148L,148Rに左右の球受け部材をそれぞれ接続させてもよい。この場合には、駆動体150の回動に伴い、左右の球受け部材は共に同一方向に往復動する。
さらに、図示されていないが、上記した実施の形態において、駆動伝達アーム93L,93R同士を連結し、一体化させてもよく、この場合には左右の球受け部材は同一方向に往復動する。
また、球受け部材14の移動方向は、左右方向に限定されるものではなく、上下方向、斜め方向、或いは、左右方向と上下方向の組合せ等、他の方向であってもよい。
さらにまた、モータ104の取付位置は上記した位置に限定されるものではなく、正面右側又は中央であってもよい。
また、上記実施の形態では、本発明に係る遊技部品15を雀球遊技機1やアレンジボール遊技機18に適用した場合について説明したが、これは単なる例示であり、本発明は、パチンコ遊技機等、他の弾球遊技機にも適用可能である。