JP2005075098A - 車両用ペダル支持構造 - Google Patents

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Shigeki Hayashi
重希 林
Koujiro Asada
浩二朗 浅田
Tatsuaki Kojima
達陽 小島
Daisuke Hirose
大祐 広瀬
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Abstract

【課題】車両前部への所定の高荷重作用時に安定した乗員保護性能を確保することができ、しかも通常のペダル操作時の剛性を確保することができる車両用ペダル支持構造を得る。
【解決手段】ブレーキペダル10の上端部は上方かつ後方側へ延出されており、これにより湾曲形状の受圧部40が形成されている。一方、ペダルブラケット16の後端側は受圧部40よりも上方かつ後方側へ延出されており、これにより押圧部42が形成されている。受圧部40と押圧部42との間の隙間44の入口側には、ガイド34のガイド溝46に移動可能に配置されたガイドピン48が楔として差し込まれている。従って、車両前部への所定の高荷重作用時、ペダルブラケット18は塑性変形することなく後方へ変位し、これによりガイドピン48が隙間44に食い込み、押圧部42に反力を取って受圧部40を下方へ押圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットに吊り下げ式の車両用ペダルを揺動可能に支持する車両用ペダル支持構造に関する。
ダッシュパネルの所定位置には、ダッシュパネルを挟むようにして、前面側にマスタシリンダ及びブレーキブースタが配設されており、又後面側にペダルブラケットが配設されている。ペダルブラケットには吊り下げ式のブレーキペダルのペダルボスが揺動可能に支持されており、ブレーキペダルのペダルアームとブレーキブースタとはプッシュロッドによって相対回転可能に連結されている。
ところで、車両前部に所定値以上の高荷重が作用すると、その際の荷重がエンジン等を介してマスタシリンダ及びブレーキブースタに入力され、ダッシュパネルを車両後方側へ変位させることがある。この場合、ペダルブラケット及びブレーキペダルも同様に車両後方側へ変位するため、乗員保護性能を高める観点から、後方変位するペダルブラケットの後端側を側面視で円弧状のガイド面を有するガイド部材に当接させ、当該ガイド面上を摺動させることでペダルブラケットの後端側を車両下方側へ塑性変形させ、これによりペダルパッドを車両前方側へ回転変位させる技術が従来から提案されている(下記特許文献参照)。
特開平9−123948号公報 特開平10−16733号公報 特開平11−301431号公報
しかしながら、上述した従来の方法による場合、ペダルブラケットを塑性変形させることが前提となるため、変形モードを安定化させることが難しい。
その一方で、ペダルブラケットを塑性変形し易く構成する必要があるため、通常時のペダル操作に耐え得る剛性を確保することが難しい。
すなわち、変形モードを安定化させることと通常のペダル操作時の剛性を確保することは本来的に背反事項であるため、両立させることが難しかった。
本発明は上記事実を考慮し、車両前部への所定の高荷重作用時に安定した乗員保護性能を確保することができ、しかも通常のペダル操作時の剛性を確保することができる車両用ペダル支持構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットに、下端部に乗員の踏力が付与される踏面を備えた吊り下げ式の車両用ペダルを、ペダルボスを中心として揺動可能に支持する車両用ペダル支持構造であって、前記車両用ペダルにはペダルボスよりも上方側に位置する受圧部が設けられていると共に、前記ペダルブラケットの後端側には前記受圧部よりも上方側に位置する押圧部が設けられており、ペダルブラケットの後方変位時には前記受圧部と前記押圧部との間に差し込まれ、ペダルブラケットの後方変位に伴って受圧部と押圧部との間に食い込むことで受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力を付与するペダル回転変位手段を設けた、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットに、下端部に乗員の踏力が付与される踏面を備えた吊り下げ式の車両用ペダルを、ペダルボスを中心として揺動可能に支持する車両用ペダル支持構造であって、前記車両用ペダルにはペダルボスよりも上方側に位置する受圧部が設けられていると共に、前記ペダルブラケットの後端側には前記受圧部よりも上方側に位置する押圧部が設けられており、ペダルブラケットの後方変位時には前記受圧部と前記押圧部との間に差し込まれ、ペダルブラケットの後方変位に伴って受圧部及び押圧部に対する相対的な当接位置がペダルボス側へずれることで受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力を付与するペダル回転変位手段を設けた、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ペダル回転変位手段は、前記受圧部と前記押圧部との間に差し込まれる楔部材と、前記ダッシュパネルよりも後方側に配置された高強度の車体側構成部材に支持され、前記楔部材を前記ペダルボス側へ移動可能に保持しかつペダルブラケットの後方変位時には当該楔部材を当該ペダルボス側へ移動させるガイド部を備えた支持部材と、を含んで構成されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、車両前部に所定値以上の高荷重が作用すると、その際の荷重によってダッシュパネルが車両後方側へ変位することがある。この場合、ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットも車両後方側へ変位し、これに支持された車両用ペダルも同方向へ変位する。
ここで、本発明では、車両用ペダルにはペダルボスよりも上方側に位置する受圧部が設けられていると共に、ペダルブラケットの後端側には受圧部よりも上方側に位置する押圧部が設けられており、ペダルブラケットの後方変位時には、受圧部と押圧部との間にペダル回転変位手段が差し込まれる。そして、ペダルブラケットの後方変位に伴って当該ペダル回転変位手段が受圧部と押圧部との間に食い込み、これにより受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力が付与される。このため、車両用ペダルの下端部に設けられ乗員の踏力が付与されるペダルパッドは、ペダルボス回りに車両前方側へ回転変位される。
しかも、本発明では、車両用ペダルに受圧部を設けると共にペダルブラケットの後端側に押圧部を設け、両者の間に介在するペダル回転変位手段をペダルブラケットの後方変位に伴って食い込み移動する移動子として利用し、押圧部に反力を取って受圧部を押圧部から離間する方向へ押し下げる構成であるため、ペダルブラケット自体を塑性変形させる必要はない。従って、本発明の場合、従来構造のようにペダルブラケットの変形モードを安定化させる困難さは伴わない。また、ペダルブラケット自体を塑性変形させる必要はないので、通常時のペダル操作の剛性を容易に確保できる。
請求項2記載の本発明によれば、車両前部に所定値以上の高荷重が作用すると、その際の荷重によってダッシュパネルが車両後方側へ変位することがある。この場合、ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットも車両後方側へ変位し、これに支持された車両用ペダルも同方向へ変位する。
ここで、本発明では、車両用ペダルにはペダルボスよりも上方側に位置する受圧部が設けられていると共に、ペダルブラケットの後端側には受圧部よりも上方側に位置する押圧部が設けられており、ペダルブラケットの後方変位時には、受圧部と押圧部との間にペダル回転変位手段が差し込まれる。そして、ペダルブラケットの後方変位に伴って当該ペダル回転変位手段が受圧部及び押圧部に対する相対的な当接位置がペダルボス側へずれていき、これにより受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力が付与される。このため、車両用ペダルの下端部に設けられ乗員の踏力が付与されるペダルパッドは、ペダルボス回りに車両前方側へ回転変位される。
しかも、本発明では、車両用ペダルに受圧部を設けると共にペダルブラケットの後端側に押圧部を設け、両者の間に介在するペダル回転変位手段をペダルブラケットの後方変位に伴ってペダルボス側へずれ込み移動する移動子として利用し、押圧部に反力を取って受圧部を押圧部から離間する方向へ押し下げる構成であるため、ペダルブラケット自体を塑性変形させる必要はない。従って、本発明の場合、従来構造のようにペダルブラケットの変形モードを安定化させる困難さは伴わない。また、ペダルブラケット自体を塑性変形させる必要はないので、通常時のペダル操作の剛性を容易に確保できる。
請求項3記載の本発明によれば、ダッシュパネルよりも後方側には高強度の車体側構成部材が配置されており、かかる車体側構成部材に支持部材が支持されている。この支持部材はガイド部を備えており、ペダルブラケットが後方変位すると、それに伴って受圧部と押圧部との間に差し込まれた楔部材をペダルボス側へ移動させる。従って、楔部材と支持部材があれば、請求項1又は請求項2記載の発明を成立させることができるので、構造が煩雑化することもない。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、車両用ペダルにペダルボスよりも上方側に位置する受圧部を設けると共に、ペダルブラケットの後端側に受圧部よりも上方側に位置する押圧部を設け、ペダルブラケットの後方変位時には受圧部と押圧部との間に差し込まれ、ペダルブラケットの後方変位に伴って受圧部と押圧部との間に食い込むことで受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力を付与するペダル回転変位手段を設けたので、ペダルブラケットを塑性変形させることなく車両用ペダルのペダルパッドを車両前方側へ回転変位させることができ、その結果、車両前部への所定の高荷重作用時に安定した乗員保護性能を確保することができ、しかも通常のペダル操作時の剛性を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、車両用ペダルにペダルボスよりも上方側に位置する受圧部を設けると共に、ペダルブラケットの後端側に受圧部よりも上方側に位置する押圧部を設け、ペダルブラケットの後方変位時には受圧部と押圧部との間に差し込まれ、ペダルブラケットの後方変位に伴って受圧部及び押圧部に対する相対的な当接位置がペダルボス側へずれることで受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力を付与するペダル回転変位手段を設けたので、ペダルブラケットを塑性変形させることなく車両用ペダルのペダルパッドを車両前方側へ回転変位させることができ、その結果、車両前部への所定の高荷重作用時に安定した乗員保護性能を確保することができ、しかも通常のペダル操作時の剛性を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、受圧部と押圧部との間に差し込まれる楔部材と、ダッシュパネルよりも後方側に配置された高強度の車体側構成部材に支持され、楔部材をペダルボス側へ移動可能に保持しかつペダルブラケットの後方変位時には当該楔部材を当該ペダルボス側へ移動させるガイド部を備えた支持部材と、を含んで、前述したペダル回転変位手段を構成したので、構造の簡素化を図ることができるという優れた効果を有する。
〔第1の実施の形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1には、「車両用ペダル」としてのブレーキペダル10の組付状態の全体構成図が側面視で示されている。この図に示されるように、エンジンルーム12とキャビン14とを仕切る位置には、ダッシュパネル16が略垂直に配設されている。ダッシュパネル16の下端部は車体フロアを構成する図示しないフロアパネルの上面に結合されており、又ダッシュパネル16の上端部は車両幅方向を長手方向として配設された図示しないカウルの下面に結合されている。
上述したダッシュパネル16の高さ方向の所定位置には、吊り下げ式のブレーキペダル10を揺動可能に軸支するペダルブラケット18及び乗員の踏力を増強するブレーキブースタ20がボルト及びナットによって共締めされている。ブレーキブースタ20はダッシュパネル16の前面側に配置されており、その軸芯部には増強された踏力を液圧に変換するマスタシリンダ22が取り付けられている。さらに、マスタシリンダ22にはリザーバタンク24が一体的に設けられている。
また、ダッシュパネル16におけるブースタ取付位置には所定の開口が形成されており、かかる開口からプッシュロッド26がキャビン14側へ突出されている。プッシュロッド26の先端部には平面視で略コ字状を成すクレビス28が取り付けられており、かかるクレビス28の両側部間に後述するブレーキペダル16のペダルアーム10Aの高さ方向中間部が挿入状態で配置され、クレビスピン30によって相対回転可能に連結されている。プッシュロッド26の基端部はブレーキブースタ20の軸芯部に連結されており、軸方向移動することにより乗員の踏力をブレーキブースタ20に伝達するようになっている。なお、これらのプッシュロッド26、ブレーキブースタ20、マスタシリンダ22、及びリザーバタンク24は、広義には「踏力伝達手段」として把握される要素である。
一方、上述したダッシュパネル16の後面側に配置されたペダルブラケット18は、下方及び後方が開放された略コ字状断面に形成されており(図3参照)、前端部には略矩形平板状のベース部18Aがスポット溶接等により固着されている。このベース部18Aが前述したブレーキブースタ20と共にダッシュパネル16に締結されることにより、ペダルブラケット18の前端側がダッシュパネル16に取り付けられている。また、ペダルブラケット18は互いに平行に配置された一対の側壁部18Bを備えており、かかる側壁部18Bの後端下部にブレーキペダル10のペダルボス32が揺動可能に軸支される構成である。
さらに、ペダルブラケット18の後端側は、前方及び後方並びに下方が開放された断面略コ字状のガイド34に離脱可能に取り付けられている。より具体的に説明すると、ダッシュパネル16の車両後方側には、「車体側構成部材」としての高強度のパイプ状のインパネリインフォース36が車両幅方向を長手方向として配置されている。かかるインパネリインフォース36の長手方向の所定位置には、「支持部材」としてのガイド34が溶接等により強固に固定されている。ガイド34の前端部には上方側へ屈曲された取付部34Aが一体に形成されており、かかる取付部34Aの前面側に側面視で略L字状に形成された取付ブラケット38がボルト及びナットによって締結されている。取付ブラケット38の下部にはボルト挿通孔が形成されており、これに対応してペダルブラケット18の頂壁部18Cの後端側の幅方向中間部にはボルト挿通孔と重合するスリット39(図3参照)が形成されている。そして、これらのボルト挿通孔及びスリット39を利用してボルト及びナットで両者が所定のトルクで締結されることにより、車両後方側への所定値以上の荷重が締結部に作用することにより、ペダルブラケット18の後端側が取付ブラケット38から離脱される構成である。
ここで、上述したペダルブラケット18の両側壁部18Bに揺動可能に軸支されたブレーキペダル10は、所定の形状を成すペダルアーム10Aと、このペダルアーム10Aの下端部に固着されて乗員の踏力が付与されるペダルパッド10Bとを含んで構成されている。ペダルアーム10Aにおけるペダルボス32よりも上方側に位置する部分は車両後方側へ弓形に張り出され(延出され)ている(以下、この部分を「受圧部40」と称す)。一方、上述したペダルブラケット18の両側壁部18Bの後端側には、ペダルアーム10Aの受圧部40よりも上方側に位置しかつ車両後方側へ張り出され(延出され)ている(以下、この部分を「押圧部42」と称す)。受圧部40と押圧部42とは側面視で交差しており、両者の間には略三角形状の隙間44が形成されている。
さらに、上述したガイド34の両側部34Bには、車両後方側へ向かうにつれて車両下方側へ下がる略円弧形状の「ガイド部」としてのガイド溝46がそれぞれ形成されている。左右一対のガイド溝46には、外径が溝幅よりも若干小さい程度の「楔部材」としてのガイドピン48が挿入状態で配置されている。そして、上記ガイドピン48がブレーキペダル10の受圧部40とペダルブラケット18の押圧部42との間に形成された隙間44に差し込まれた状態(挿入状態)で配置されている。組付状態では、ガイドピン48はガイド溝46の上端部に位置しており、受圧部40の受圧面(前端面)40A並びに押圧部42の押圧面(後端面)42Aの双方に点接触した状態で保持されている。
なお、上記構成におけるガイド34及びガイドピン48が本発明における「ペダル回転変位手段」に相当する。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示される状態がブレーキペダル10の組付状態(初期状態)である。この状態のときには、ガイドピン48はガイド溝46の上端部に保持されており、ブレーキペダル10の受圧部40とペダルブラケット18の押圧部42との隙間44の入口側に位置されている。
この状態から図2に示される如く、車両前部に所定値以上の高荷重が作用すると、その際の荷重によってマスタシリンダ22及びブレーキブースタ20を介してダッシュパネル16が車両後方側へ変位することがある。この場合、ダッシュパネル16に前端側が取り付けられたペダルブラケット18も車両後方側へ変位しようとし、ペダルブラケット18の後端側を固定している締結具がスリット39から抜け、ペダルブラケット18の後端側が取付ブラケット38から離脱される。
ペダルブラケット18の後端側の離脱後、ペダルブラケット18がなおも車両後方側へ変位することにより、ガイドピン48がペダルブラケット18の押圧部42の押圧面42Aによって押圧され、受圧部40と押圧部42との間の隙間44を徐々にペダルボス32側へ押し込まれて(食い込んで)いく。この動作によって、ガイドピン48は、ペダルブラケット18の押圧面42Aに反力を取ってブレーキペダル10の受圧部40の受圧面40Aを押し下げていく。なお、ガイドピン48の移動は、ガイド34のガイド溝46によってガイドされる。これにより、受圧部40に押圧部42から離間する方向へのペダルボス32回りの回転力が付与される。このため、ブレーキペダル10のペダルパッド10Bが、ペダルボス32回りに車両前方側へ回転変位される。その結果、本実施形態に係る車両用ペダル支持構造によれば、車両前部への所定の高荷重作用時に安定した乗員保護性能を確保することができる。
しかも、本実施形態に係る車両用ペダル支持構造では、ブレーキペダル10に受圧部40を設けると共にペダルブラケット18の後端側に押圧部42を設け、両者の間に差し込まれたガイドピン48をペダルブラケット18の後方変位に伴ってペダルボス32側へずれ込み移動する移動子として利用し、押圧部42に反力を取って受圧部40を押圧部42から離間する方向へ押し下げる構成であるため、ペダルブラケット18自体を塑性変形させる必要はない。従って、本実施形態の場合、従来構造のようにペダルブラケットの変形モードを安定化させる困難さは伴わない。また、ペダルブラケット自体を塑性変形させる必要はないので、通常時のペダル操作の剛性は容易に確保できる。その結果、本実施形態に係る車両用ペダル支持構造によれば、通常のペダル操作時の剛性を確保することができる。
すなわち、本実施形態に係る車両用ペダル支持構造によれば、車両前部への所定の高荷重作用時における安定した乗員保護性能の確保と通常のペダル操作時におけるペダルブラケットの剛性確保の両立を図ることができる。
また、本実施形態に係る車両用ペダル支持構造では、ダッシュパネル16よりも後方側に配置された高強度のインパネリインフォース36にガイド溝46が形成されたガイド34を取り付けると共に、当該ガイド溝46内に楔として機能するガイドピン48を組付けて受圧部40と押圧部42との隙間44の入口側に差し込み状態で配置するだけでよいので、構造が煩雑化することもない。従って、本実施形態によれば、少ない部品点数で発明を成立させることができるので、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る車両用ペダル支持構造では、ペダルブラケット18の後方変位時にペダルブラケット18の後端側がインパネリインフォース36側の取付ブラケット38から離脱する構成であるため、インパネリインフォース36側への入力荷重を低減させることができるというメリットもある。従って、この点からも、乗員保護性能の向上が図られている。
〔第2の実施の形態〕
次に、図4を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同一構成部分には、同一番号を付してその説明を省略する。
前述した第1の実施の形態では、ペダルブラケット18の一対の側壁部18Bの後端側を所定形状に切り欠くことにより押圧部42を形成したが、この第2の実施の形態では、図4に示されるように、ペダルブラケット52の一対の側壁部52Aの後端側にガイド溝46と交差する別のガイド溝54を形成することにより、ガイド溝54の上縁側を押圧部56として用いるものである。
組付状態では、ガイド34のガイド溝46の上端部とペダルブラケット52のガイド溝54の上端部とが交差しており、この位置にガイドピン48が保持されている。また、ガイド34のガイド溝46は側面視で前傾しているのに対し、ペダルブラケット52のガイド溝54は側面視で後傾している。従って、ペダルブラケット52が車両後方側へ変位すると、ペダルブラケット52のガイド溝54の上縁側の内周壁面にガイドピン48が押されて、ガイド34のガイド溝46に沿って下降していく。このときガイドピン48によってブレーキペダル10のペダルアーム10Aの受圧部40が車両下方側へ押圧されてペダルボス32回りの車両前方側への回転力が付与される。従って、本実施形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用・効果が得られる。
また、ペダルブラケット52の頂壁部52Bとインパネリインフォース36側の取付ブラケット38との締結時に、双方のガイド溝46、54の上端部同士が重合するように位置決めし、ガイドピン48を挿通させればよいので、組付作業性を向上させることができる。
さらに、ペダルブラケット52にガイド溝54を設けたことにより、作動時にガイドピン48がペダルブラケット52から外れる心配もない。
〔実施の形態の補足説明〕
上述した第1及び第2の各実施形態では、ダッシュパネル16が主として車両後方側へ略平行に変位するような場合を想定し、そのような場合にはペダルブラケット16の後方変位に伴ってガイドピン48が受圧部40と押圧部42との間の隙間44に食い込む楔として機能するという説明をしてきたが、ダッシュパネル16が異なる変形挙動を示した場合、例えばダッシュパネル16がブレーキブースタ20の下端部付近を回転中心として車両後方側かつ車両下方側へ回転変位したような場合であっても、ブレーキペダル10のペダルパッド10Bは車両前方側へ回転変位する。つまり、ダッシュパネル16が前記の如く車両後方側かつ車両下方側へ回転すると、ガイドピン48による楔効果(食い込み効果)は得られなくなるが、本実施形態のようにペダルブラケット18の剛性が高く実質的な塑性変形が生じないとすれば、ペダルブラケット18とブレーキペダル10は組付時の状態(幾何学的な状態)を略そのまま維持したまま全体として一体的にダッシュパネル16と同方向へ回転変位する。従って、ペダルパッド10Bも車両前方側へ変位する。
また、上述した第1及び第2の各実施形態では、ペダルブラケット18、52の後端側のガイド34からの離脱手段としてスリット39並びにボルト及びナットを組み合わせた構成を用いたが、これに限らず、所定値以上の荷重が作用することにより、インパネリインフォース36側の要素からペダルブラケット18、52の後端側を離脱させることができる構成であればよい。例えば、スリット39並びにボルト及びナットの構成に替えて、車両後方側への所定値以上の荷重が作用することにより剪断又は剥離するように接合強度が設定されたスポット溶接を利用してもよい。
さらに、上述した第1及び第2の各実施形態では、楔部材としてガイドピン48を用いたが、これに限らず、受圧部40を押圧部42から離間させることができる部材であれば、すべて適用可能である。
また、上述した第1及び第2の各実施形態では、インパネリインフォース36にペダルブラケット18、52の後端側が離脱可能に支持されていたが、これに限らず、ダッシュパネル16の後方変位時に相対的に後方変位しない高強度の車体側構成部材として把握される要素であればよい。従って、例えば、車種によってはインパネリインフォース36の替わりにカウル等にペダルブラケットの後端側が離脱可能に支持されていてもよい。
さらに、上述した第1及び第2の各実施形態では、ガイド34の両側部34Bに長孔状のガイド溝46を形成する構成を採ったが、これに限らず、他のガイド部の構成を採用してもよい。例えば、ガイド溝に替えてガイドレールを設ける構成を採ってもよい。
第1の実施の形態に係る車両用ペダル支持構造の全体構成を示す組付状態の側面図である。 所定値以上の高荷重が車両前部に作用してペダルブラケットが後方変位したときの状態を示す作動説明用の側面図である。 受圧部、押圧部、ガイド、ガイドピンを拡大して示す要部拡大斜視図である。 第2の実施の形態に係る車両用ペダル支持構造の全体構成を示す組付状態の側面図である。
符号の説明
10 ブレーキペダル(車両用ペダル)
10B ペダルパッド(踏面)
16 ダッシュパネル
18 ペダルブラケット
20 ブレーキブースタ
32 ペダルボス
34 ガイド(ペダル回転変位手段、支持部材)
36 インパネリインフォース(車体側構成部材)
40 受圧部
42 押圧部
44 隙間
46 ガイド溝(ガイド部)
48 ガイドピン(ペダル回転変位手段、楔部材)
52 ペダルブラケット
56 押圧部

Claims (3)

  1. ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットに、下端部に乗員の踏力が付与される踏面を備えた吊り下げ式の車両用ペダルを、ペダルボスを中心として揺動可能に支持する車両用ペダル支持構造であって、
    前記車両用ペダルにはペダルボスよりも上方側に位置する受圧部が設けられていると共に、前記ペダルブラケットの後端側には前記受圧部よりも上方側に位置する押圧部が設けられており、
    ペダルブラケットの後方変位時には前記受圧部と前記押圧部との間に差し込まれ、ペダルブラケットの後方変位に伴って受圧部と押圧部との間に食い込むことで受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力を付与するペダル回転変位手段を設けた、
    ことを特徴とする車両用ペダル支持構造。
  2. ダッシュパネルに前端側が取り付けられたペダルブラケットに、下端部に乗員の踏力が付与される踏面を備えた吊り下げ式の車両用ペダルを、ペダルボスを中心として揺動可能に支持する車両用ペダル支持構造であって、
    前記車両用ペダルにはペダルボスよりも上方側に位置する受圧部が設けられていると共に、前記ペダルブラケットの後端側には前記受圧部よりも上方側に位置する押圧部が設けられており、
    ペダルブラケットの後方変位時には前記受圧部と前記押圧部との間に差し込まれ、ペダルブラケットの後方変位に伴って受圧部及び押圧部に対する相対的な当接位置がペダルボス側へずれることで受圧部に押圧部から離間する方向へのペダルボス回りの回転力を付与するペダル回転変位手段を設けた、
    ことを特徴とする車両用ペダル支持構造。
  3. 前記ペダル回転変位手段は、
    前記受圧部と前記押圧部との間に差し込まれる楔部材と、
    前記ダッシュパネルよりも後方側に配置された高強度の車体側構成部材に支持され、前記楔部材を前記ペダルボス側へ移動可能に保持しかつペダルブラケットの後方変位時には当該楔部材を当該ペダルボス側へ移動させるガイド部を備えた支持部材と、
    を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用ペダル支持構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007022189A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Chiyoda Kogyo Kk 自動車のペダル支持構造
JP2008260330A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Mazda Motor Corp 車両用ブレーキ装置

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