JP2005069006A - コンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間の漏電の発生を防止することができるコンプレッサを提供することを課題とする。
【解決手段】直流ブラシモータ3の駆動に伴って発生したブラシ摩耗粉はロータ4の回転に伴って発生する旋回流により搬送されて飛散防止蓋14の各貫通孔14aから収容部13内に導入され、ここに収容される。すなわち、ブラシ摩耗粉は直流ブラシモータ3から離れた場所に収容され、このブラシ摩耗粉がモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面上に堆積することが防止されるため、直流ブラシモータ3に電流を流したときにブラシ摩耗粉を介して直流ブラシモータ3とコンプレッサハウジング1との間で漏電が発生することが防止される。
【選択図】 図1
【解決手段】直流ブラシモータ3の駆動に伴って発生したブラシ摩耗粉はロータ4の回転に伴って発生する旋回流により搬送されて飛散防止蓋14の各貫通孔14aから収容部13内に導入され、ここに収容される。すなわち、ブラシ摩耗粉は直流ブラシモータ3から離れた場所に収容され、このブラシ摩耗粉がモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面上に堆積することが防止されるため、直流ブラシモータ3に電流を流したときにブラシ摩耗粉を介して直流ブラシモータ3とコンプレッサハウジング1との間で漏電が発生することが防止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンプレッサに係り、特にハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両等に搭載されるコンプレッサでは、小型化等を目的としてコンプレッサハウジング内に駆動用のモータを内蔵したものが開発されている。このようなコンプレッサの駆動用モータとして、直流ブラシモータ等のブラシ型のモータを使用すると、モータの駆動に伴ってブラシから摩耗粉が発生することとなる。このブラシ摩耗粉は導電性を有するため、コンプレッサハウジングの内面上に堆積すると、ブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生する虞が生じてしまう。
【0003】
特許文献1には、ブラシ摩耗粉が鉄製のモータフレームに堆積することによる絶縁劣化を防止すると共にブラシ間短絡線の飛び出しを防ぐために樹脂等から形成されるブラシホルダーカバーをブラシホルダーとモータフレームとの間に配置した直流ブラシモータが開示されている。しかしながら、このような直流ブラシモータをコンプレッサの駆動用モータとして使用しても、モータの駆動に伴って発生したブラシ摩耗粉がコンプレッサハウジング内の各所に堆積されると、漏電発生の虞を除去することはできない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−146595号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにコンプレッサハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサでは、堆積したブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生する虞がある。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間の漏電の発生を防止することができるコンプレッサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るコンプレッサは、コンプレッサハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサにおいて、コンプレッサハウジングは、ブラシモータから発生するブラシ摩耗粉をブラシモータから離して収容するための収容部を備え、この収容部内にブラシ摩耗粉が収容されることによりブラシモータに電流を流したときにブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生することを防止するものである。
このような構成にすれば、ブラシ摩耗粉がブラシモータから離れた場所に収容され、このブラシ摩耗粉がハウジングの内周面上に堆積することが防止されるため、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間での漏電の発生を防止することができる。
【0007】
収容部は、コンプレッサハウジング内を臨む面にブラシ摩耗粉を通す少なくとも1つの貫通孔が形成された飛散防止蓋を有することが好ましい。
このような構成にすれば、収容部内に一旦収容されたブラシ摩耗粉がブラシモータの駆動に伴って発生する旋回流により収容部からコンプレッサハウジング内へ再び飛散することを防止することができる。
また、コンプレッサハウジングは筒形状を有し、収容部はコンプレッサハウジングの外周部におけるブラシモータの下方に配置されることが好ましい。
収容部がブラシモータの下方に配置されると、自重により落下するブラシ摩耗粉がそのまま収容部内に収容され、これによりブラシ摩耗粉を収容部内に効率よく収容することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の実施の形態に係るコンプレッサの全体構成を示す。このコンプレッサは、ほぼ円筒状のコンプレッサハウジング1を有している。コンプレッサハウジング1は、コンプレッサ機能部1aとモータ部1bとからなっており、コンプレッサ機能部1aにコンプレッサ本体2が組み付けられると共にモータ部1bにコンプレッサ本体2を駆動するための直流ブラシモータ3が内蔵されている。
ここで、コンプレッサ機能部1a側をコンプレッサの前側とし、モータ部1b側をコンプレッサの後側とする。なお、コンプレッサ本体2はその前端部に吸入口2aと図示されない吐出口とを有している。
【0009】
直流ブラシモータ3は、モータ部1bのコンプレッサハウジング1に回転自在に取り付けられたロータ4を有している。ロータ4は、その前端部がコンプレッサ本体2内部の回転部に接続されると共に、その側方すなわち径方向に突出した部分に巻回されたコイル5を有している。また、ロータ4の後部にはその外周に沿って整流子6が固定されており、整流子6はロータ4と共に回転するようになっている。
【0010】
一方、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面には、環状のヨーク部材7が取り付けられており、ヨーク部材7の前側段部の内周面上にはロータ5の外周面に対向するように磁石からなるステータ8が固定されている。また、ヨーク部材7の後側段部の内周側には、複数のブラシ装置9が周方向に沿って所定の間隔を隔てて配置されており、各ブラシ装置9のブラシ10は整流子6の外周面に当接するようにバネ11により整流子6の軸心、すなわちロータ4の軸心に向かって付勢されている。また、各ブラシ装置9はコンプレッサハウジング1外部の電源12に接続されており、このブラシ装置9のブラシ10を介して電源12から整流子6に給電が行なわれるようになっている。
【0011】
また、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部には、直流ブラシモータ3から発生するブラシ摩耗粉をこのモータ3から離して収容するための収容部13が形成されており、この収容部13は直流ブラシモータ3の下方に位置している。また、収容部13のコンプレッサハウジング1内を臨む面には、ブラシ摩耗粉を通す複数の貫通孔14aが形成された飛散防止蓋14が配置されており、この飛散防止蓋14がモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面の一部を形成している。
ここで、コンプレッサハウジング1の下側に位置するブラシ装置9の下方においては、ヨーク部材7の後側段部が切り欠かれており、ここに飛散防止蓋14の貫通孔14aのうちの一つが配置されている。
【0012】
次に、この実施の形態に係るコンプレッサの作用について説明する。電源12から直流ブラシモータ3の各ブラシ装置9に給電すると、各ブラシ装置9のブラシ10から整流子6を介してロータ4のコイル5に電流が流れ、これによりロータ4がステータ8に対して回転してコンプレッサ本体2が駆動される。
このとき、直流ブラシモータ3の駆動に伴って各ブラシ装置9のブラシ10から導電性を有する摩耗粉が発生する。このブラシ摩耗粉は、例えば、ロータ4やステータ8の隙間を通ってモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面全体に堆積しようとするが、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部に収容部13が形成されているため、ブラシ摩耗粉はロータ4の回転に伴って発生する旋回流により搬送されて飛散防止蓋14の各貫通孔14aから収容部13内に導入され、ここに収容される。すなわち、ブラシ摩耗粉は直流ブラシモータ3から離れた場所に収容され、このブラシ摩耗粉がモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面上に堆積することが防止されるため、直流ブラシモータ3に電流を流したときにブラシ摩耗粉を介して直流ブラシモータ3とコンプレッサハウジング1との間で漏電が発生することが防止される。
【0013】
また、収容部13がモータ部1bのコンプレッサハウジング1における直流ブラシモータ3の下方に位置しているため、ロータ4の回転停止時に自重により落下するブラシ摩耗粉もそのまま飛散防止蓋14の各貫通孔14aを通って収容部13内に収容され、これによりブラシ摩耗粉を収容部13内に効率よく収容することができる。
さらに、収容部13に飛散防止蓋14が配置されていることから、収容部13内に一旦収容されたブラシ摩耗粉がロータ4の回転に伴って発生する旋回流により収容部13からコンプレッサハウジング1内へ再び飛散することが防止される。
【0014】
なお、上述の実施の形態では、コンプレッサ本体2が直流ブラシモータ3により駆動されるようになっていたが、コンプレッサ本体2内の回転部に接続されているロータ4の後端部にエンジンを接続して、直流ブラシモータ3だけでなくエンジンでもコンプレッサ本体2を駆動し得るようにしてもよい、すなわち、本発明のコンプレッサをハイブリッド車等に搭載することができる。ここで、ハイブリッド車にあっては100V以上の高い電源電圧を使用する車両も多く見られるため、上述のようにブラシ摩耗粉を収容部13内に収容して直流ブラシモータ3とコンプレッサハウジング1との間の漏電の発生を防止することにより、高い安全性を確保することができる。
【0015】
また収容部13は、直流ブラシモータ3の下方に配置されることに限定されず、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部の周方向のどの部分に配置されてもよい。また、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部の周方向に沿って複数の収容部13を所定の間隔を隔てて配置してもよい。さらに、コンプレッサハウジング1の外周部の周方向全体に亙って1つの環状の収容部が形成されていてもよい。
【0016】
また、上述の実施の形態では、飛散防止蓋14に複数の貫通孔14aが形成されていたが、その代わりに、1つの貫通孔が形成されていてもよい。また、貫通孔は、ブラシ摩耗粉を通すと共に収容部13内に一旦収容されたブラシ摩耗粉がロータ4回転時にコンプレッサハウジング1内へ再び飛散することを防止できればどのような形状及び大きさに形成されてもよい。また、ロータ4の回転に伴って発生する旋回流によりブラシ摩耗粉が収容部13内へ効率よく導入されるように、貫通孔14aは飛散防止蓋14においてロータ4の回転方向の下流側に形成されることが好ましい。
【0017】
また、直流ブラシモータ3の下方に収容部13が配置されている場合には、飛散防止蓋14を設けなくてもロータ4の回転停止時にブラシ摩耗粉がその自重により落下して収容部13内に収容されるため、ブラシ摩耗粉によるコンプレッサハウジング1と直流ブラシモータ3との間の漏電発生を防止することができるが、上述の実施の形態のように、収容部13に飛散防止蓋14を配置すれば、収容部13内に一旦収容されたブラシ摩耗粉のコンプレッサハウジング1内への飛散も防止することができ、より好ましい。
【0018】
なお、直流ブラシモータ3の外面、ヨーク部材7の内周面、飛散防止蓋14のコンプレッサハウジング1内に対向する面、及びモータ部1bのコンプレッサハウジング1内に位置するコンプレッサ本体2の表面全面等が、電着塗装により形成される樹脂製の絶縁膜、或いは絶縁フィルムにより覆われていることが好ましい。この絶縁フィルムとしては、PET、PEN、PI、PEI及びPPS等の樹脂からなるフィルムを使用することができ、このフィルムを成形して接着剤等により貼り付ける、またはフィルムをそのまま被せる等して覆うことができる。
【0019】
なお、上述の実施の形態のコンプレッサは、スクロール式のコンプレッサや、その他各種のコンプレッサに適用することができる。
また、ほぼ円筒状のコンプレッサハウジング1に限定されず、ブラシ摩耗粉を直流ブラシモータ3から離して収容する収容部13が設けられていれば、その他の形状を有するコンプレッサハウジングを用いることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コンプレッサハウジングは、ブラシモータから発生するブラシ摩耗粉をブラシモータから離して収容するための収容部を備え、この収容部内にブラシ摩耗粉が収容されることによりブラシモータに電流を流したときにブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生することを防止するようにしたので、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間の漏電の発生を防止することができるコンプレッサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るコンプレッサの全体構成を示す一部破断断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサハウジング、1a コンプレッサ機能部、1b モータ部、2 コンプレッサ本体、3 直流ブラシモータ、4 ロータ、5 コイル、6 整流子、7 ヨーク部材、8 ステータ、9 ブラシ装置、10 ブラシ、11
バネ、12 電源、13 収容部、14 飛散防止蓋、14a 貫通孔。
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンプレッサに係り、特にハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両等に搭載されるコンプレッサでは、小型化等を目的としてコンプレッサハウジング内に駆動用のモータを内蔵したものが開発されている。このようなコンプレッサの駆動用モータとして、直流ブラシモータ等のブラシ型のモータを使用すると、モータの駆動に伴ってブラシから摩耗粉が発生することとなる。このブラシ摩耗粉は導電性を有するため、コンプレッサハウジングの内面上に堆積すると、ブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生する虞が生じてしまう。
【0003】
特許文献1には、ブラシ摩耗粉が鉄製のモータフレームに堆積することによる絶縁劣化を防止すると共にブラシ間短絡線の飛び出しを防ぐために樹脂等から形成されるブラシホルダーカバーをブラシホルダーとモータフレームとの間に配置した直流ブラシモータが開示されている。しかしながら、このような直流ブラシモータをコンプレッサの駆動用モータとして使用しても、モータの駆動に伴って発生したブラシ摩耗粉がコンプレッサハウジング内の各所に堆積されると、漏電発生の虞を除去することはできない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−146595号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにコンプレッサハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサでは、堆積したブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生する虞がある。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間の漏電の発生を防止することができるコンプレッサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るコンプレッサは、コンプレッサハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサにおいて、コンプレッサハウジングは、ブラシモータから発生するブラシ摩耗粉をブラシモータから離して収容するための収容部を備え、この収容部内にブラシ摩耗粉が収容されることによりブラシモータに電流を流したときにブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生することを防止するものである。
このような構成にすれば、ブラシ摩耗粉がブラシモータから離れた場所に収容され、このブラシ摩耗粉がハウジングの内周面上に堆積することが防止されるため、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間での漏電の発生を防止することができる。
【0007】
収容部は、コンプレッサハウジング内を臨む面にブラシ摩耗粉を通す少なくとも1つの貫通孔が形成された飛散防止蓋を有することが好ましい。
このような構成にすれば、収容部内に一旦収容されたブラシ摩耗粉がブラシモータの駆動に伴って発生する旋回流により収容部からコンプレッサハウジング内へ再び飛散することを防止することができる。
また、コンプレッサハウジングは筒形状を有し、収容部はコンプレッサハウジングの外周部におけるブラシモータの下方に配置されることが好ましい。
収容部がブラシモータの下方に配置されると、自重により落下するブラシ摩耗粉がそのまま収容部内に収容され、これによりブラシ摩耗粉を収容部内に効率よく収容することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の実施の形態に係るコンプレッサの全体構成を示す。このコンプレッサは、ほぼ円筒状のコンプレッサハウジング1を有している。コンプレッサハウジング1は、コンプレッサ機能部1aとモータ部1bとからなっており、コンプレッサ機能部1aにコンプレッサ本体2が組み付けられると共にモータ部1bにコンプレッサ本体2を駆動するための直流ブラシモータ3が内蔵されている。
ここで、コンプレッサ機能部1a側をコンプレッサの前側とし、モータ部1b側をコンプレッサの後側とする。なお、コンプレッサ本体2はその前端部に吸入口2aと図示されない吐出口とを有している。
【0009】
直流ブラシモータ3は、モータ部1bのコンプレッサハウジング1に回転自在に取り付けられたロータ4を有している。ロータ4は、その前端部がコンプレッサ本体2内部の回転部に接続されると共に、その側方すなわち径方向に突出した部分に巻回されたコイル5を有している。また、ロータ4の後部にはその外周に沿って整流子6が固定されており、整流子6はロータ4と共に回転するようになっている。
【0010】
一方、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面には、環状のヨーク部材7が取り付けられており、ヨーク部材7の前側段部の内周面上にはロータ5の外周面に対向するように磁石からなるステータ8が固定されている。また、ヨーク部材7の後側段部の内周側には、複数のブラシ装置9が周方向に沿って所定の間隔を隔てて配置されており、各ブラシ装置9のブラシ10は整流子6の外周面に当接するようにバネ11により整流子6の軸心、すなわちロータ4の軸心に向かって付勢されている。また、各ブラシ装置9はコンプレッサハウジング1外部の電源12に接続されており、このブラシ装置9のブラシ10を介して電源12から整流子6に給電が行なわれるようになっている。
【0011】
また、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部には、直流ブラシモータ3から発生するブラシ摩耗粉をこのモータ3から離して収容するための収容部13が形成されており、この収容部13は直流ブラシモータ3の下方に位置している。また、収容部13のコンプレッサハウジング1内を臨む面には、ブラシ摩耗粉を通す複数の貫通孔14aが形成された飛散防止蓋14が配置されており、この飛散防止蓋14がモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面の一部を形成している。
ここで、コンプレッサハウジング1の下側に位置するブラシ装置9の下方においては、ヨーク部材7の後側段部が切り欠かれており、ここに飛散防止蓋14の貫通孔14aのうちの一つが配置されている。
【0012】
次に、この実施の形態に係るコンプレッサの作用について説明する。電源12から直流ブラシモータ3の各ブラシ装置9に給電すると、各ブラシ装置9のブラシ10から整流子6を介してロータ4のコイル5に電流が流れ、これによりロータ4がステータ8に対して回転してコンプレッサ本体2が駆動される。
このとき、直流ブラシモータ3の駆動に伴って各ブラシ装置9のブラシ10から導電性を有する摩耗粉が発生する。このブラシ摩耗粉は、例えば、ロータ4やステータ8の隙間を通ってモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面全体に堆積しようとするが、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部に収容部13が形成されているため、ブラシ摩耗粉はロータ4の回転に伴って発生する旋回流により搬送されて飛散防止蓋14の各貫通孔14aから収容部13内に導入され、ここに収容される。すなわち、ブラシ摩耗粉は直流ブラシモータ3から離れた場所に収容され、このブラシ摩耗粉がモータ部1bのコンプレッサハウジング1の内周面上に堆積することが防止されるため、直流ブラシモータ3に電流を流したときにブラシ摩耗粉を介して直流ブラシモータ3とコンプレッサハウジング1との間で漏電が発生することが防止される。
【0013】
また、収容部13がモータ部1bのコンプレッサハウジング1における直流ブラシモータ3の下方に位置しているため、ロータ4の回転停止時に自重により落下するブラシ摩耗粉もそのまま飛散防止蓋14の各貫通孔14aを通って収容部13内に収容され、これによりブラシ摩耗粉を収容部13内に効率よく収容することができる。
さらに、収容部13に飛散防止蓋14が配置されていることから、収容部13内に一旦収容されたブラシ摩耗粉がロータ4の回転に伴って発生する旋回流により収容部13からコンプレッサハウジング1内へ再び飛散することが防止される。
【0014】
なお、上述の実施の形態では、コンプレッサ本体2が直流ブラシモータ3により駆動されるようになっていたが、コンプレッサ本体2内の回転部に接続されているロータ4の後端部にエンジンを接続して、直流ブラシモータ3だけでなくエンジンでもコンプレッサ本体2を駆動し得るようにしてもよい、すなわち、本発明のコンプレッサをハイブリッド車等に搭載することができる。ここで、ハイブリッド車にあっては100V以上の高い電源電圧を使用する車両も多く見られるため、上述のようにブラシ摩耗粉を収容部13内に収容して直流ブラシモータ3とコンプレッサハウジング1との間の漏電の発生を防止することにより、高い安全性を確保することができる。
【0015】
また収容部13は、直流ブラシモータ3の下方に配置されることに限定されず、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部の周方向のどの部分に配置されてもよい。また、モータ部1bのコンプレッサハウジング1の外周部の周方向に沿って複数の収容部13を所定の間隔を隔てて配置してもよい。さらに、コンプレッサハウジング1の外周部の周方向全体に亙って1つの環状の収容部が形成されていてもよい。
【0016】
また、上述の実施の形態では、飛散防止蓋14に複数の貫通孔14aが形成されていたが、その代わりに、1つの貫通孔が形成されていてもよい。また、貫通孔は、ブラシ摩耗粉を通すと共に収容部13内に一旦収容されたブラシ摩耗粉がロータ4回転時にコンプレッサハウジング1内へ再び飛散することを防止できればどのような形状及び大きさに形成されてもよい。また、ロータ4の回転に伴って発生する旋回流によりブラシ摩耗粉が収容部13内へ効率よく導入されるように、貫通孔14aは飛散防止蓋14においてロータ4の回転方向の下流側に形成されることが好ましい。
【0017】
また、直流ブラシモータ3の下方に収容部13が配置されている場合には、飛散防止蓋14を設けなくてもロータ4の回転停止時にブラシ摩耗粉がその自重により落下して収容部13内に収容されるため、ブラシ摩耗粉によるコンプレッサハウジング1と直流ブラシモータ3との間の漏電発生を防止することができるが、上述の実施の形態のように、収容部13に飛散防止蓋14を配置すれば、収容部13内に一旦収容されたブラシ摩耗粉のコンプレッサハウジング1内への飛散も防止することができ、より好ましい。
【0018】
なお、直流ブラシモータ3の外面、ヨーク部材7の内周面、飛散防止蓋14のコンプレッサハウジング1内に対向する面、及びモータ部1bのコンプレッサハウジング1内に位置するコンプレッサ本体2の表面全面等が、電着塗装により形成される樹脂製の絶縁膜、或いは絶縁フィルムにより覆われていることが好ましい。この絶縁フィルムとしては、PET、PEN、PI、PEI及びPPS等の樹脂からなるフィルムを使用することができ、このフィルムを成形して接着剤等により貼り付ける、またはフィルムをそのまま被せる等して覆うことができる。
【0019】
なお、上述の実施の形態のコンプレッサは、スクロール式のコンプレッサや、その他各種のコンプレッサに適用することができる。
また、ほぼ円筒状のコンプレッサハウジング1に限定されず、ブラシ摩耗粉を直流ブラシモータ3から離して収容する収容部13が設けられていれば、その他の形状を有するコンプレッサハウジングを用いることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コンプレッサハウジングは、ブラシモータから発生するブラシ摩耗粉をブラシモータから離して収容するための収容部を備え、この収容部内にブラシ摩耗粉が収容されることによりブラシモータに電流を流したときにブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生することを防止するようにしたので、ブラシ摩耗粉によるブラシモータとコンプレッサハウジングとの間の漏電の発生を防止することができるコンプレッサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るコンプレッサの全体構成を示す一部破断断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサハウジング、1a コンプレッサ機能部、1b モータ部、2 コンプレッサ本体、3 直流ブラシモータ、4 ロータ、5 コイル、6 整流子、7 ヨーク部材、8 ステータ、9 ブラシ装置、10 ブラシ、11
バネ、12 電源、13 収容部、14 飛散防止蓋、14a 貫通孔。
Claims (3)
- コンプレッサハウジング内に駆動用のブラシモータを内蔵したコンプレッサにおいて、
コンプレッサハウジングは、ブラシモータから発生するブラシ摩耗粉をブラシモータから離して収容するための収容部を備え、この収容部内にブラシ摩耗粉が収容されることによりブラシモータに電流を流したときにブラシ摩耗粉を介してブラシモータとコンプレッサハウジングとの間で漏電が発生することを防止することを特徴とするコンプレッサ。 - 前記収容部は、コンプレッサハウジング内を臨む面にブラシ摩耗粉を通す少なくとも1つの貫通孔が形成された飛散防止蓋を有することを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
- コンプレッサハウジングは筒形状を有し、前記収容部はコンプレッサハウジングの外周部におけるブラシモータの下方に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のコンプレッサ。
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---|---|---|---|
JP2003208287A JP2005069006A (ja) | 2003-08-21 | 2003-08-21 | コンプレッサ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003208287A JP2005069006A (ja) | 2003-08-21 | 2003-08-21 | コンプレッサ |
Publications (1)
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---|---|
JP2005069006A true JP2005069006A (ja) | 2005-03-17 |
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JP2003208287A Withdrawn JP2005069006A (ja) | 2003-08-21 | 2003-08-21 | コンプレッサ |
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JP (1) | JP2005069006A (ja) |
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2003
- 2003-08-21 JP JP2003208287A patent/JP2005069006A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061107 |