JP2005068482A - ベルト式cvt用エレメントとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレメント製造の際に用いられる打抜用の精密金型の寿命を高寿命化し得て、加工コストひいては製品コストを低減でき、また高い衝撃値(靭性)を確保することのできるベルト式CVT用エレメントを提供する。
【解決手段】ベルト式CVTにおける鋼製且つ板状のエレメントを質量%でC:0.1〜0.7%,Si:≦1.5%,Mn:0.2〜2.0%,Cr:0.1〜2.0%,P:≦0.030%(望ましくは0.025%以下),S:≦0.030%(望ましくは0.010%以下),Al:0.003〜0.100%を、更にNb,N,Vの何れか1種若しくは2種以上を、Nb:0.005〜0.060%,N:0.008〜0.050%,V:0.05〜0.50%の範囲で含有し、残部不可避的不純物及びFeの組成を有する鋼板の打抜品にて構成し且つ浸炭処理後における表層部のC濃度を質量%で0.75〜1.50%とする。
【選択図】 なし

Description

この発明はベルト式CVT(無段変速機)に用いられる鋼製且つ板状のエレメント(駒)とその製造方法に関する。
自動車のベルト式CVTでは、図8に示すように無端環状(一部のみ図示)をなすスチールバンド(金属バンド)200に多数の鋼製且つ板状のエレメント(駒)202を並べて取り付けて成るスチールベルト204を、図9に示す溝幅が可変の一対のプーリ(プライマリプーリ206及びセカンダリプーリ208)間に無端環状に巻き掛け、かかるスチールベルト204を介してプライマリプーリ206からセカンダリプーリ208へと動力伝達を行う。
具体的には、エンジンからの入力は一方のプーリ(プライマリプーリ206)へと入り、他方のプーリ(セカンダリプーリ208)へと伝達された上で出力される。
その際、各プーリの溝幅を変化させることで各プーリの有効径を変化させ、変速を無段階で連続的に行う。
このベルト式CVT用のエレメント202は、図10に示しているように隣接したエレメント202同士で互いに嵌り合う突起210と凹み212とを有しており、更に互いに接触状態で並んだ各エレメント202がプーリ回りを円滑に回転運動できるように、プーリ中心側の端部には傾斜面214が設けてある。
従来このベルト式CVT用のエレメント202は、次の(A)の方法で製造していた。
(A)圧延−焼ならし−球状化焼鈍−冷間圧延−低温焼鈍−打抜き・プレス成形−焼入れ−焼戻し
(A)の製造方法は、鋼材を圧延して焼ならしを行い、その後球状化焼鈍を行った上で冷間圧延し、更に続いて低温焼鈍を行った上で打抜き・プレス成形を行い、その後焼入れ−焼戻し処理をして所要の硬さとするものである。
ここで(A)の打抜き・プレス成形とあるのは、鋼板をエレメント形状に打抜き、そして傾斜面214及び突起210と凹み212とを同時にプレス成形によって形成するものである。
但しプレス成形時の負荷を低減するために圧延によって傾斜面214付きの異形帯鋼を製造してから、打抜き及び突起210と凹み212とを同時にプレス成形によって形成する製法も可能である(製法(B))。
尚、打抜きを行った後に打抜面の面性状,面精度を確保するために焼入れ・焼戻し後の研磨加工が必要である場合がある。本出願人はこのような研磨加工を軽減若しくは省略する技術についても提案している。
従来にあってはこのベルト式CVT用のエレメント材として高炭素鋼を用いており、そして最終的な製品に所要の硬さを与えるために打抜後において完全焼入れ−焼戻し処理を行っていた。
上記製造方法において、打抜きの精度は製品精度に直結するため、打抜用の金型として高価な精密金型が用いられており、従って型寿命を長くすることが加工コスト、ひいては製品コストを低減する上で有効である。
しかしながらエレメント材として従来用いられているものは上記のように高炭素鋼で素材の硬さが硬く、そこで型寿命を長くするために球状化焼鈍や低温焼鈍を行って素材硬さの低減を図っているが、素材である高炭素鋼の硬さ低減には自ずと限界があった。
またこの製造方法では最終の焼入れで完全焼入れを行っており、この場合芯部まで硬化するために製品の衝撃値が劣るという問題があった。
尚本発明に近い公知技術として、下記特許文献1に開示されたものがあるが、このものはオーステンパ処理を行った後、摺動部にピーニング加工を行って加工誘起マルテンサイトを生成させ、その上でクロムメッキを行うとしたもので(軟質材加工+表面処理の点で同じ)、素材が0.6%前後の比較的高炭素な鋼に限られ、必要とされる表面特性を得るために他段の加工(熱処理・ピーニング・メッキ)を必要とするという点で本発明とは異なっている。
特開平5−25681号公報
本発明はこのような事情を背景とし、エレメント製造の際に用いられる打抜用の精密金型((A)の製造方法にあっては更にプレス用の精密金型。以下打抜用の精密金型を中心として述べる)の寿命を高寿命化し得て、加工コストひいては製品コストを低減でき、また高い衝撃値(靭性)を確保することのできるベルト式CVT用エレメントとその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1はエレメントに関するもので、このエレメントはベルト式CVTにおける無端環状の金属バンドに沿って並べられ、動力伝達をなす鋼製且つ板状のエレメントであって、質量%でC:0.1〜0.7%,Si:≦1.5%,Mn:0.2〜2.0%,Cr:0.1〜2.0%, P:≦0.030%,S:≦0.030%,Al:0.003〜0.100%、更にNb,N,Vの何れか1種若しくは2種以上を、Nb:0.005〜0.060%,N:0.008〜0.050%,V:0.05〜0.50%の範囲で含有し、残部不可避的不純物及びFeの組成を有する鋼板の打抜品から成り、浸炭処理後における表層部のC濃度が質量%で0.75〜1.50%であることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記鋼板がNi,Moの何れか1種若しくは2種を、Ni:0.10〜3.0%,Mo:0.05〜0.4%の範囲で更に含有することを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記鋼板がB及びTiを前記Nb:0.005〜0.060%若しくはV:0.05〜0.50%とともにB:0.0005〜0.0050%,Ti:0.010〜0.100%の範囲で更に含有していることを特徴とする。
請求項4はエレメントの製造方法に関するもので、ベルト式CVTにおける無端環状の金属バンドに沿って並べられ、動力伝達をなす鋼製且つ板状のエレメントの製造方法であって、請求項1〜3の何れかの組成を有する前記鋼板を打抜きした後に、該打抜品の表層部のC濃度が質量%で0.75〜1.50%となるように浸炭処理を行うことを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、ベルト式CVT用エレメントの素材として軟質な低・中炭素鋼を用い、そして打抜後に浸炭処理(浸炭焼入れ−焼戻し)を施すことで、エレメントとして所定の特性を得るようになしたもので、本発明によれば、素材が軟質であることから打抜きに用いられる精密金型の寿命を良好に高寿命化することができ、これにより加工コストひいては製品コストを低減することができる。
また浸炭処理によって表層部(本発明では表面から50μmまでの深さの部分)の必要な硬さを確保するようにしていることから、芯部の靭性を高く保持することができ、製品そのものの衝撃値の向上を図ることができる。
或いはまた精密金型の寿命を従来と同程度に保持する場合には、打抜きの際のクリアランスを極小クリアランスとなすことができ、従来に増して打抜精度、打抜面の面性状を高めることができ、焼入れ・焼戻し後の研磨加工を軽減若しくは省略することが可能となる。
次に本発明の各化学成分の限定理由を以下に詳述する。
C:0.1〜0.7%
Cは焼入れ後の硬さを確保するために0.1%以上必要である。
一方0.7%を超えると素材硬さが硬くなり、打抜きのための金型の型寿命を短くしてコスト増加をもたらすため0.7%以下とする。
また0.7%を超えると打抜素材の硬度が上昇し、打抜面の面性状を悪化させるとともに靭性も低下させるため、この意味でも上限を0.7%とする。
Si:≦1.5%
Siは脱酸材としての働きがあるが、1.5%を超えると打抜面の面性状が悪化するので1.5%以下とする。
Mn:0.2〜2.0%
Mnは焼入れ性を確保するために0.2%以上含有させる。
一方2.0%を超えると焼入れ時に多量の残留オーステナイトを生じ、製品の寸法安定性を悪化させるので2.0%以下とする。
Cr:0.1〜2.0%
Crは球状化焼鈍時に炭化物の球状化を促進する効果があり、0.1%以上必要である。
一方2.0%を超えると炭化物の球状化促進効果が飽和し、コストがかかるため2.0%以下とする。
P:≦0.030%(望ましくは0.025%以下)
Pは粒界に偏析し、粒界強度を低下せしめ、衝撃値の低下を招く。また球状化焼鈍後の硬さを上昇せしめ、場合によっては打抜面の面性状の悪化を招くという悪影響もある。そこで本発明では0.030%以下に規制する。より望ましくは0.025%以下である。
S:≦0.030%(望ましくは0.010%以下)
Sは鋼中でMnSを形成し、圧延時に伸展して力が加わった際に応力集中を招いて、特に圧延方向と直角な方向(T方向)(図2参照)からの衝撃値を低下せしめるため0.030%以下に規制する。より望ましくは0.010%以下である。
Al:0.003〜0.100%
Alは脱酸材としての働きがあり、0.003%以上含有させる。またNとともにAlNを形成し、浸炭中の結晶粒粗大化を防止する効果もある。
一方0.100%を超えると脱酸,結晶粒粗大化防止効果ともに飽和し、コストがかかるため0.100%以下とする。
Nb:0.005〜0.060%
浸炭処理によって最終製品が得られる本発明のエレメントの場合、その浸炭処理の際に長時間高い温度に保持されることによって結晶粒が粗大化し易い問題がある。
その際Nbは微細な炭窒化物を生成することで結晶粒成長を抑制して結晶粒の粗大化を防止し、結晶粒を微細に保持する働きがある。
その効果を発揮させるためには0.005%以上含有させる必要がある。
一方0.060%を超えて含有させると、結晶粒粗大化防止効果が飽和し、浸炭を阻害して浸炭に必要な時間を延長せしめる。また打抜素材の硬度が上昇し、打抜面の面性状が悪化することから0.060%以下とする。
N:0.008〜0.050%
Nも同じくAlと結合して微細なAlNを生成することで結晶粒の成長を防ぎ、結晶粒の粗大化を防止する働きがある。そのために0.008%以上含有させる。
一方0.050%を超えて含有させると、鋳造時において溶けきれなくなったNが気泡を作り、鋳片中に空孔を作るため0.050%以下とする。
V:0.05〜0.50%
VもNbと同様に微細な炭窒化物を形成し、結晶粒を微細に保持する働きがある。
そのために必要に応じてVを添加する場合には0.05%以上含有させる。
但し0.50%を超えて含有させると、結晶粒粗大化防止効果が飽和し、コストがかかるため0.50%以下とする。
Ni:0.10〜3.0%
Niは添加により靭性が向上し、また焼入れ性が向上する効果もある。但しその効果を得るためには0.10%以上含有させる必要がある。
一方3.0%を超えると打抜素材の硬度が上昇し、打抜面の面性状が悪化する。またNiは高価な元素であって過剰添加はコスト的にも不利であるため3.0%以下とする。
Mo:0.05〜0.4%
Moは添加により靭性が著しく向上する。また焼入れ性が向上する効果もある。但しその効果を得るためには0.05%以上含有させる必要がある。
一方0.4%を超えると打抜素材の硬度が上昇し、打抜面の面性状が悪化する。またMoは高価な元素のため過剰添加はコスト的にも不利であるため0.4%以下とする。
B:0.0005〜0.0050%
Ti:0.010〜0.100%
Bは焼入れ性を高めるとともに粒界破壊を抑制して強度向上に有効な元素である。その効果を得るために0.0005%以上含有させる。
但し0.0050%を超えて含有させると、Feのホウ化物を形成し、靭性を低下せしめるので0.0050%以下とする。
一方TiはBがNと結合して窒化物を形成し、Bによる粒界破壊の抑制効果が減殺されるのを防止する働きがある。
即ちTiはBよりも優先してNと結合し、BがNと結合して窒化物を形成するのを抑制する働きがある。即ちBの添加効果を十分に引き出す働きがある。その効果を得るために0.010%以上含有させる。
但し0.100%を超えて含有させると、Bの窒化物形成を抑制する効果が飽和し、Ti炭硫化物を形成することにより靭性を低下させるので0.100%以下とした。
尚Tiを含有させるとTiがNと結合してしまい、AlNが形成されず、そのままでは結晶粒粗大化が発生する。そのため、これらB,Tiを含有させる場合にはNb:0.005〜0.060%若しくはV:0.05〜0.50%を併せて含有させるのが望ましい。
表層部のC濃度:0.75〜1.50%
エレメントは、同じく浸炭材(浸炭焼入れ・焼戻し材)であるプーリと接触して動力を伝達するため、耐摩耗性が必要である。エレメントの耐摩耗性を確保するために表層部のC濃度は0.75%以上必要である。
一方1.50%を超えるとエレメントの表層部がプーリの表層部の硬度を大きく超えてしまい、プーリの摩耗を招くため1.50%以下とする。
次に本発明の実施形態を以下に詳述する。
表1に示す各種組成の鋼を溶製し、以下の条件で打抜試験,シャルピー衝撃試験,熱処理後硬さ測定,結晶粒粗大化調査及び表層部炭素濃度測定をそれぞれ行った。
<打抜試験>
150kg真空溶解炉を用いてインゴット150kgを溶製−熱間鍛造(サイズ50×200mm,1150℃×5時間)−焼ならし(900℃×60分,空冷)−球状化焼鈍(750℃×4時間,炉冷)−冷間圧延(1.5mm厚さ)−焼鈍(750℃×4時間,炉冷)−冷間打抜試験
尚打抜試験は図5に示す方法で行った。
即ち、鋼板10の打抜用としてダイス12とパンチ14,カウンタパンチ16とを用い、そしてパンチ14を図中下向きに押し込みながら反対側からカウンタパンチ16で支持し、カウンタパンチ16をパンチ14の押込方向に後退させながら打抜きを行った。
その際の具体的条件は下記の通りである。
・ダイス
材質:溶製ハイス
硬さ:57HRC
コーナR:40μm
・パンチ,カウンタパンチ
材質:溶製ハイス
硬さ:57HRC
コーナR:40μm
・打抜試験条件
板厚:1.5mm
打抜サイズ:φ20mm
カウンタパンチ荷重:5t(トン)
クリアランス:10μm
n数:10000ショット
<シャルピー衝撃試験>
150kg真空溶解炉を用いてインゴット150kgを溶製−熱間鍛造(図1のL方向試料用:サイズ35×35mm,図2のT方向試料用:サイズ15×80mm,1150℃×5時間)−試験片粗加工(6×11×55mm)−熱処理(浸炭焼入れ処理(CQT)若しくは完全焼入れ処理(QT))−試験片精加工(5×10×55mm,R10ノッチ,ノッチの最高深さ2mm)−シャルピー衝撃試験(常温で試験。n=3試験を行い平均した)
尚、具体的には浸炭焼入れ処理(CQT)は図3に示す条件に従って行った。また完全焼入れ処理(QT)は図4に示す条件に従って行った。
<熱処理(浸炭焼入れ処理(CQT)又は完全焼入れ処理(QT))後硬さ測定>
冷間打抜きした円盤(φ20×t1.5mm)の熱処理(CQT若しくはQT)−円盤のほぼ中央部の硬さ測定(n=5の平均)
<結晶粒粗大化調査>
冷間打抜きした円盤(φ20×t1.5mm)の熱処理(CQT若しくはQT)−円盤のほぼ中央部の断面を切断−樹脂埋込み−研磨−腐食−表層全周を顕微鏡観察,結晶粒異常成長の有無を判定(n=1)
<表層部炭素濃度測定>
冷間打抜きした円盤(φ20×t1.5mm)の熱処理(CQT若しくはQT)−円盤のほぼ中央部の断面を切断−樹脂埋込み−研磨−EPMAで表層部の炭素濃度を定量分析(n=1)
これらの試験結果が表2及び図6,図7に示してある。
尚図6は、上記打抜試験における球状化焼鈍後硬さ(表2中板材硬さ)と下記の径変化との関係を示したものである。
径変化=(9991〜10000ショット目に打ち抜かれた円盤の平均直径)−(1〜10ショット目に打ち抜かれた円盤の平均直径)
この径変化の測定は、打抜用の金型(ダイス12,パンチ14,カウンタパンチ16)の摩耗を評価するために行ったもので、径変化が大きいほど金型の摩耗が大きいことを意味している。
尚、図6は表1に示した実施例及び比較例の結果をプロットしたものであって、比較例の中にも径変化が目標値以下のものもあるが、これら比較例は衝撃値その他の特性においてそれぞれの目標値を下回っている。
Figure 2005068482
Figure 2005068482
これらの結果において、比較例1はC量が0.86%で本発明の上限値である0.7%よりも高く、型摩耗(径変化)が目標値35よりも大きい39.5となっており、また衝撃値も低くなっている。
比較例2はC量が1.08%で本発明の上限値である0.7%よりも高く、型摩耗(径変化)が45.3で目標値である35よりも大きく、また衝撃値も低いものとなっている。
比較例3はC量が1.05%で本発明の上限値である0.7%よりも高く、またMn量が2.33%で本発明の上限値である2.0%よりも高く、型摩耗(径変化)が大きいものとなっている。また衝撃値も低いものとなっている。
比較例4はC量が0.83%で本発明の上限値の0.7%よりも高く、またSiが1.92%で本発明の上限値である1.5%よりも高い。
その結果として型摩耗(径変化)が著しく大となっている。
比較例5はCr量が3.82%で本発明の上限値である2.0%よりも高く、また熱処理も完全焼入れ処理で熱処理後の硬さ及び表層部の炭素濃度が低下している。
比較例6は熱処理が完全焼入れ処理であり、熱処理後の硬さ及び表層部の炭素濃度が低いものとなっている。
比較例7はC量が0.08%と本発明の下限値である0.1%よりも低く、またMn量も0.14%で本発明の下限値である0.2%よりも低くなっている。
その結果として熱処理後の硬さ及び表層部の炭素濃度が低いものとなっている。
比較例8はCr量が0.05%で本発明の下限値である0.1%よりも低く、熱処理後の硬さ及び表層部の炭素濃度が低いものとなっている。
比較例9はP含有量が0.036%で本発明の上限値である0.030%よりも高く、衝撃強度の低いものとなっている。
比較例10はS含有量が0.041%で本発明の上限値である0.030%よりも高く、L方向の衝撃値に比べ、T方向の衝撃値が著しく低くなっている。
比較例11はN含有量が低く、そのため結晶粒が粗大化し、衝撃強度の低いものとなっている。
比較例12はB含有量が本発明の上限を超えて高く、これにより衝撃強度が低いものとなっている。
比較例13はNb含有量が本発明の上限値よりも高く、型摩耗(径変化)が目標値を超えて大きいものとなっている。
比較例14はAl含有量が低く、そのため結晶粒が粗大化し、衝撃強度の低いものとなっている。
これに対し、本実施例のものは何れも型摩耗,衝撃値その他の特性が良好なものとなっている。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
圧延方向とシャルピー衝撃試験用の試料の切出方向との関係を示す図である。 圧延方向とシャルピー衝撃試験用の試料の切出方向との関係を示す図である。 浸炭焼入れの際の処理条件を表す図である。 完全焼入れの際の処理条件を表す図である。 打抜試験の方法を示す説明図である。 本発明の実施形態において得られた球状化焼鈍後硬さと型摩耗との関係を表す図である。 本発明の実施形態において得られた熱処理後硬さと衝撃値との関係を表す図である。 ベルト式CVTのスチールベルトをスチールバンド,エレメント等とともに示す図である。 ベルト式CVTの説明図である。 エレメントの構成を示す図である。
符号の説明
10 鋼板

Claims (4)

  1. ベルト式CVTにおける無端環状の金属バンドに沿って並べられ、動力伝達をなす鋼製且つ板状のエレメントであって、
    質量%で
    C :0.1〜0.7%
    Si:≦1.5%
    Mn:0.2〜2.0%
    Cr:0.1〜2.0%
    P :≦0.030%
    S :≦0.030%
    Al:0.003〜0.100%
    更にNb,N,Vの何れか1種若しくは2種以上を、
    Nb:0.005〜0.060%
    N :0.008〜0.050%
    V :0.05〜0.50%
    の範囲で含有し、残部不可避的不純物及びFeの組成を有する鋼板の打抜品から成り、浸炭処理後における表層部のC濃度が質量%で0.75〜1.50%であることを特徴とするベルト式CVT用エレメント。
  2. 請求項1において、前記鋼板がNi,Moの何れか1種若しくは2種を、
    Ni:0.10〜3.0%
    Mo:0.05〜0.4%
    の範囲で更に含有することを特徴とするベルト式CVT用エレメント。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記鋼板がB及びTiを前記Nb:0.005〜0.060%若しくはV:0.05〜0.50%とともに
    B :0.0005〜0.0050%
    Ti:0.010〜0.100%
    の範囲で更に含有していることを特徴とするベルト式CVT用エレメント。
  4. ベルト式CVTにおける無端環状の金属バンドに沿って並べられ、動力伝達をなす鋼製且つ板状のエレメントの製造方法であって、
    請求項1〜3の何れかの組成を有する前記鋼板を打抜きした後に、該打抜品の表層部のC濃度が質量%で0.75〜1.50%となるように浸炭処理を行うことを特徴とするベルト式CVT用エレメントの製造方法。
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