JP2005066663A - 鋳鉄のチクソキャスティング装置と方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半溶融状態の鋳鉄が加圧充填されるべきキャビティ60を構成する一対の開閉自在な金型10、20と、前記キャビティ60内へ射出路80を経て半溶融の被射出体Bを射出する射出手段とを少なくとも備え、前記キャビティ60への入口に該入口を絞るゲートを設けた鋳鉄のチクソキャスティング装置であって、前記ゲートは、独立したゲート体50で構成すると共に各射出成形毎に前記キャビティ60の入口に配置し、各射出成形後に成形体と共に取り出される。
【選択図】 図1
Description
ところが上記従来の鋳鉄のチクソキャスティングにおいては、鋳鉄を半溶融状態に加熱する工程で、材料表面に形成される酸化皮膜が成形時に成形体に混入する欠陥が発生することがあり、安定して健全な製品を得ることが困難であるという問題があった。
また高温材料である鋳鉄の半溶融成形において、金型への熱負荷により金型に溶損、割れが発生することが大きな技術的問題であった。これらの溶損又は割れは、射出スリーブからキャビティ(鋳型空間)への射出路の末端、即ちキャビティの入口に設けられるゲートにおいて発生しやすく、金型全体の寿命を左右したり、金型補修に時間がかかる要因になっていた。
更にアルミニウムのチクソキャスティングにおいて、前記酸化皮膜の混入を防止するためにキャビティの入口に設けるゲートを、スライドゲート方式にしたものがある。このスライドゲート方式は、ゲートを2分割し、その各分割ゲートを左右の位置から開閉自在にスライドさせることで、閉合状態でゲートを完成して射出成形に供すると共に、開放した状態で待機するようにした方式である。
また本発明の鋳鉄のチクソキャスティング装置は、上記第1の特徴に加えて、ゲート体は射出路に面するゲート穴の周囲を一定範囲にわたって凸部に形成してあることを第2の特徴としている。
また本発明の鋳鉄のチクソキャスティング方法は半溶融状態とされた鋳鉄からなる被射出体を金型内のキャビティに該キャビティの入口を絞るゲートを介して加圧充填する鋳鉄のチクソキャスティング方法であって、前記被射出体の外側周面を被射出体の鋳鉄よりも融点の高い鋼からなる0.2〜0.5mm厚さの薄板で被覆しておくことを第3の特徴としている。
成形体と共に取り出されたゲート体は、成形体に付随するゲート部の部分を本来のキャビティ内の部分と割り分ける等により、回収して再使用に供することが可能となる。
一定の範囲とは、被射出体との関係において、少なくとも被射出体の側周部の酸化皮膜が凸部から十分に外れる状態となるようなゲート穴周囲の範囲である。また凸部は2mm以上突出していることが好ましい。
前記鋼としては、例えばSUS系鋼を用いることができる。
また従来のスライドゲート方式の場合は高価なベリリウム銅等を用いる必要があったが、本発明の場合はゲート体として球状黒鉛鋳鉄等の安価な材料でも十分に割れや溶損に耐えることができる。
更に型の構造を十分に簡素化することができるため、熱歪みによりスライドゲートの開閉が困難となるといったスライドゲート方式での問題も生じない。
勿論、本発明の場合はゲート体が成形体と一体に鋳包まれることになるが、鋳鉄のチクソキャストの場合、成形後の組織は白銑となっているため、成形体のゲート部分を折るのは容易であり、ゲート体を取り出して再使用できる。
また被射出体の外側周面を被射出体の鋳鉄よりも融点の高い鋼からなる薄板で被覆しておくことで、被射出体を固液共存状態に加熱しても酸化皮膜の発生を少なくすることができる。
また被覆した鋼板は薄板であるので、被射出体の加圧充填の際に、ゲート体の手前で折り畳まれる状態となり、この折り畳まれた薄板により被射出体の表面の酸化皮膜を捕まえてキャビティ内への混入を防止することができる。
図1は本発装置の実施形態を示す縦断面図、図2は本発明装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
前記スリーブ40には、ビレットBを射出路80に入れる投入口41が設けられる。
前記ビレットBとしての被射出体は鋳鉄材料とし、半溶融状態で投入口41から射出路80に入れられる。
ゲート体50には貫通穴からなるゲート穴51が設けられる。このゲート穴51の径(直径)は前記射出路80の径(直径)よりも当然小さく、また前記ビレットBの径(直径)よりも小さくなるようにする。そしてゲート穴51の中心が射出されるビレットBの断面中央付近に位置するように、ゲート体50が前記金型の嵌合凹所21に嵌合されて配置される。
ゲート体50は、一対の金型10、20が閉止される前に、固定金型20の嵌合凹所21に嵌め合わされる。この嵌め合わせに際しては、ゲート体50と固定金型20とを機械的に結合することは行わず、固定金型20が可動金型10とが合わされた状態においてゲート体50が確実に固定状態となるようにしている。
射出成形が終了すると、金型10、20が開放され、押し出しピン70によってキャビティ60内の成形体がゲート体50と共に取り出される。
取り出された成形体はゲート体50のゲート穴51内の凝固部によってゲート体50と一体になっているが、鋳鉄のチクソキャスティングの場合は、成形後の組織は白銑となっているため、成形体の前記ゲート体50の凝固部分を容易に折ることができ、分離してゲート体50の再利用に供することができる。
また凸部は2mmから10mm程度とする。
ゲート体50のゲート穴51の周囲を凸部52に形成することで、ビレットBに生じた酸化皮膜のキャビティ60内への混入(巻込み)を防止する効果が上がる。
鋼の薄板の役割は、ビレットBが加熱された際に変形するのを防止すること、ビレットBの表面に生じる酸化皮膜の生成を少なくすること、及び射出成形の際に鋼の薄板がゲート体50の存在によってゲート穴51に入ること無くゲート体50の手前で折り畳まれて残留し、その折り畳まれた薄板によってビレットBの酸化皮膜を捕まえ、酸化皮膜がゲート穴51内に入っていくのを防止することである。
従って前記薄板の厚みは、理論的には該薄板が射出成形の際にうまく折り畳まれ、且つビレットBの表面に生じる酸化皮膜の生成を良好に予防できるような厚みであればよく、具体的な寸法が限定されるものではない。
各実施例1〜6及び比較例1〜4とも各20本のテストピースを成形した。
実施例1、2は凸部の無い(フラットな)ゲート体を用いたチクソキャスティングの場合、実施例3、4は凸部の有るゲート体を用いたチクソキャスティングの場合、実施例5、6は実施例1、2に0.3mm厚さのSUS鋼の薄板をビレットに被覆した場合である。比較例1、2はゲートそのものを用いないチクソキャスティングの場合、比較例3、4は、凸部の無い(フラットな)ゲート体を用いた場合であるが、0.6mm厚さのSUS鋼の薄板をビレットに被覆した場合である。
目視及び超音波探傷検査により、ビレット加熱時のビレットの変形の有無、成形後の酸化皮膜の巻込み欠陥の有無、その他の欠陥の有無を検査した。
表2に射出成形の条件と酸化被膜の巻込み欠陥の発生した成形体の数、及びその他の欠陥の有無を示す。
なお表2の「酸化被膜の巻込み欠陥」の欄において、例えば「2P/20」と記載されているのは、テストピース20本のうち2本に欠陥が有ったことを示す。
実施例1、2はフラット(凸部無し)のゲート体を用い、ビレットの被覆をしないもので、酸化皮膜の巻込みを大幅に減少でき、その他の欠陥も発生しなかったが、ビレットの加熱温度を1220℃にするとビレットの変形が生じた。
実施例3、4は凸部を形成したゲート体を用い、ビレットの被覆をしないもので、酸化皮膜の巻込みもほぼ無く、その他の欠陥も発生しなかったが、ビレットの加熱温度を1220℃にするとビレットの変形が生じた。
実施例5、6はフラット(凸部なし)のゲート体を用い、且つビレットをSUS系鋼の0.3mm板で被覆したもので、酸化皮膜の巻込みやその他の欠陥が発生しない他、ビレットの加熱温度を1220℃にしてもビレットの変形が生じなかった。
比較例3、4は実施例5、6と同じであるが、ビレットを被覆するSUS系鋼の板厚を0.6mmとしたものである。ビレットを1205℃に加熱したものでは被覆板がゲート体のゲート穴を詰まらせて、充填不良が発生した。また1220℃でも被覆板を変形させる抵抗が大きく、充填不良が発生した。0.6mmは厚過ぎて不適当であった。
20 固定金型
21 嵌合凹所
22 貫通穴
30 プランジャー
40 スリーブ
41 投入口
50 ゲート体
51 ゲート穴
52 凸部
60 キャビティ
70 押し出しピン
80 射出路
B ビレット
Claims (3)
- 半溶融状態の鋳鉄が加圧充填されるべきキャビティを構成する一対の開閉自在な金型と、前記キャビティ内へ射出路を経て半溶融の被射出体を射出する射出手段とを少なくとも備え、前記キャビティへの入口に該入口を絞るゲートを設けた鋳鉄のチクソキャスティング装置であって、前記ゲートは、独立したゲート体で構成すると共に各射出成形毎に前記キャビティの入口に配置し、各射出成形後に成形体と共に取り出される構成としたことを特徴とする鋳鉄のチクソキャスティング装置。
- ゲート体は射出路に面するゲート穴の周囲を一定範囲にわたって凸部に形成してあることを特徴とする請求項1に記載の鋳鉄のチクソキャスティング装置。
- 半溶融状態とされた鋳鉄からなる被射出体を金型内のキャビティに該キャビティの入口を絞るゲートを介して加圧充填する鋳鉄のチクソキャスティング方法であって、前記被射出体の外側周面を被射出体の鋳鉄よりも融点の高い鋼からなる0.2〜0.5mm厚さの薄板で被覆しておくことを特徴とする鋳鉄のチクソキャスティング方法。
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