JP2005038969A - 基板処理方法及び基板処理液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して、例えばアルカリ溶液である所定の処理液を用いて例えばエッチングなどの所定の処理を行う際に、チオシアン酸塩を含み、10重量%以上のアルカリ溶液からなる処理液を基板に供給してこの基板に所定の処理をする一方で、処理液中に分散した金属不純物又は前記所定の処理が行われて処理液中に分散する基板に付着していた金属不純物とチオシアン酸塩とを反応させる構成とする。この場合、金属不純物とチオシアン酸塩とが反応して金属不純物を捕獲することができるので、基板に金属不純物が付着して汚染されるのが抑えられる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばシリコンインゴットから切り出されたシリコンウエハ又はシリコン酸化物に対してアルカリ溶液である処理液により例えばエッチング、洗浄などの所定の処理を行う基板処理方法および、この基板処理方法に用いられる基板処理液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体デバイスの製造に用いられる例えばシリコンインゴットからスライスして切り出されたシリコンウエハは、例えば周縁の面取りがされる面取り工程、厚みが整えられるラッピング工程、エッチング液をなす処理液を用いてウエットエッチングされるエッチング工程、表面を研磨して鏡面化するポリッシング工程およびシリコンウエハに付着した不純物を取り除く洗浄工程などの所定の処理が施されて製造される。
【0003】
前記エッチング工程あるいは洗浄工程に用いられる処理液の一つとして、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などのアルカリ溶液が用いられることが一般的に知られており、例えばこのアルカリ溶液が満たされた処理槽にシリコンウエハが浸漬されて処理がされる。
【0004】
ここでアルカリ溶液を用いてシリコンウエハに処理を行う場合、この処理液に不純物が含まれていると被処理基板であるシリコンウエハに不純物が付着してしまうといった問題点が従来から指摘されている。ここで問題となる不純物としては、特にシリコンウエハの表層部にあるシリコンの分子構造内に潜り込んで化学的に付着してしまう例えばニッケル、銅、クロム、鉄などの金属不純物であるが、近年においては金属不純物によるシリコンウエハの汚染防止策としてアルカリ溶液にキレート剤例えばEDTA、HBED、DTPAなどを添加して、キレート反応により金属錯化合物を形成させることでシリコンウエハに付着するのを抑える手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−91290号公報(段落0038)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらが、上述のアルカリ溶液にキレート剤を添加する手法においては、例えば10重量%以上の高濃度アルカリ溶液になるとキレート反応が充分に促進されない場合がある。更にキレート剤である有機物は高濃度のアルカリ溶液に溶解し難い。従ってキレート反応が促進される低濃度のアルカリ溶液を選択しなければならず、エッチングに長時間を要するか、あるいは予定とするエッチングができない懸念がある。そのためアルカリ溶液は主としてパーティクルを取り除くための洗浄液として用いられ、例えばフッ酸、塩酸、硫酸などの別の処理液を用いて別工程にてエッチングおよび金属不純物の除去を行っているのが実情であり、結果として処理工程が複雑となる分、例えば多数枚の基板を順次処理する場合には高いスループットを確保することが難しかった。また酸、アルカリといった液性の異なる複数の処理液を管理しなければならず、作業員の負担が大きかった。
【0007】
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対してアルカリ溶液をなす処理液により所定の処理を行う際に、基板への不純物汚染が少ない基板処理方法及び基板処理液を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板処理方法は、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して所定の処理液により所定の処理を行う基板処理方法において、
チオシアン酸塩を含み、10重量%以上のアルカリ溶液からなる処理液を基板に供給してこの基板に所定の処理をする工程と、
処理液中の金属不純物又は前記所定の処理が行われて処理液中に分散する基板に付着していた金属不純物と、チオシアン酸塩と、を反応させる工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の基板処理方法によれば、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して、チオシアン酸塩を含む10重量%以上のアルカリ溶液である処理液により所定の処理を行うことにより、金属不純物とチオシアン酸塩とが反応して当該金属不純物を捕獲することができるので、基板に金属不純物が付着して汚染されるのが抑えられる。そのため処理後の基板の金属不純物を極めて少なくすることができる。
【0010】
前記処理液は、少なくとも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムのうちのいずれか一つを含むようにしてもよい。またチオシアン酸塩は、少なくともチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのうちのいずれか一つを含むようにしてもよい。更にアルカリ溶液の濃度は45重量%〜55重量%であり、所定の処理はエッチングであってもよい。あるいは所定の処理はエッチングおよび洗浄であり、洗浄に用いる処理液はエッチング用の処理液を稀釈したものであってもよい。更にまた、処理液は、チオシアン酸塩を有機溶媒に溶解させた後に、この有機溶媒とアルカリ溶液とを混合して得られたものであってもよい。また処理液中の金属不純物の濃度は0.5ppb以下であり、0.5ppbを越えると処理液を取り替えられるようにしてもよい。
【0011】
本発明の基板処理液は、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して所定の処理を行う基板処理液において、
処理液中の金属不純物又は所定の処理が行われて基板から処理液中に分散する当該基板に付着していた金属不純物と反応するチオシアン酸塩を含み、10重量%以上のアルカリ溶液からなることを特徴とする。
【0012】
前記アルカリ溶液は、少なくとも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムのうちのいずれか一つを含む構成であってもよい。またチオシアン酸塩は、少なくともチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのうちのいずれか一つを含む構成であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。先ず基板処理液(以下、単に処理液と呼ぶ)について述べておく。処理液はその溶液中に水酸化物イオン(OH−)を含むアルカリ溶液であり、例えば少なくとも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムのアルカリ成分のうちのいずれか一つを含む溶液、特に水酸化ナトリウムを含む溶液が選択される。更に処理液は、当該処理液中に分散する金属不純物と反応していわば当該金属不純物を捕獲するためのチオシアン酸塩例えば少なくともチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのうちから選択されたものを含んでいる。チオシアン酸塩の捕獲対象となる金属不純物としては、例えば処理液の精製技術の限界から処理液中に含まれているもの、および例えば前段の工程にて基板に付着して処理液中に持ち込まれるものがあり、具体的としては例えばニッケル、銅、クロム、鉄およびこれらの化合物、特にアルカリ溶液中にて形成されるこれらの金属水酸化物又は金属水酸化物イオンである。このうちシリコンウエハに対する付着力が強く、取り除くのが難しいのはニッケルであるため、例えば工程分析においてニッケル汚染がなければ他の金属の汚染もないものと推測し、例えば作業員の監視負担の軽減を図るようにしてもよい。
【0014】
更に処理液のアルカリ濃度(複数のアルカリ成分を選択した場合は各アルカリ成分濃度の和)は例えば10重量%以上、高いエッチング速度を確保するために好ましくは45重量%〜55重量%の高濃度に設定される。特に工業的に生産されて市販されている48重量%のものを用いるのが濃度調整などの手間を必要としない点で得策である。一方、チオシアン酸塩の濃度(複数のチオシアン酸塩を選択した場合は各チオシアン酸塩の濃度の和)は特に限定されるものではなく、例えば飽和する濃度であってもよいが、捕獲対象となる前記金属不純物は数ppbとごく微量であること、液温が低下すると析出して基板に付着してしまうことが懸念されるので、例えば5重量%〜10重量%に設定される。このような処理液の調製については、先ず選択された一のチオシアン酸塩又は複数のチオシアン酸塩は例えば水に溶解させるか、あるいはエタノール、アセトンなど水に溶解可能な有機溶媒に溶解させた後、選択された一のアルカリ成分又は複数のアルカリ成分が所定の濃度に設定されたアルカリ溶液と混合して調製する手法が一例として挙げられる。
【0015】
更に処理液は、必要ならばシリコンを酸化してシリコン酸化膜とするための酸化剤例えば30重量%の過酸化水素水を例えばウエハ洗浄用の処理液と過酸化水素水との容量比が1:1〜1:2の割合となるように混合してもよい。このような構成にあってはウエハ表面のシリコンを直接エッチングする場合に比して高いエッチング速度を確保できると共に、エッチング面をマイルドに仕上げることができる点で有利である。
【0016】
続いて、上述の処理液を用いて少なくとも表面部にシリコン又はシリコン酸化物からなる基板例えばシリコンウエハに対して所定の処理をする手法について説明する。ここでは処理液の一例としてチオシアン酸ナトリウムを含み、45〜55重量%の水酸化ナトリウム溶液を用いて、シリコンウエハをエッチングする例を挙げて説明する。更に反応のメカニズム等の説明を分かり易くするために金属不純物としてニッケルを例に挙げて説明する。先ず、例えば固体状のチオシアン酸ナトリウムを溶解せしめた溶液と、所定の濃度になるように設定された水酸化ナトリウム溶液とが混合されてエッチング用の処理液が調製される。この調製時において例えば精製技術の限界からアルカリ溶液中に予め分散するニッケルと、チオシアン酸ナトリウムとが反応し、このチオシアン酸ナトリウムのナトリウムと交換されてチオシアン酸ニッケルである別のチオシアン酸塩が生成される一方で、交換されたナトリウムは例えばイオン状態で処理液中に分散される。
【0017】
またエッチングは所定の温度例えば40℃〜70℃に設定された処理液が満たされた処理槽に例えば多数枚のシリコンウエハが浸漬することにより行うことができる。ここで水酸化ナトリウム溶液にシリコンウエハが浸漬されると、この水酸化ナトリウム溶液中の水酸化物イオン(OH−)がエッチャントとして作用し、シリコンウエハの表面がエッチングされる。シリコンウエハの表面に付着していたパーティクルおよび、シリコン分子構造内にもぐり込んでいたニッケルが、シリコンウエハの表面がエッチングされることでその表面からリフトアップされ、水酸化ナトリウム溶液中に分散する。そして前記したように水酸化ナトリウム溶液中に分散したニッケルと、チオシアン酸ナトリウムとが反応してチオシアン酸ニッケルである別のチオシアン酸塩が生成される。即ち、アルカリ溶液中においてチオシアン酸イオンは、ニッケルの他、銅、クロム、鉄である金属不純物と選択的に反応し、このチオシアン酸イオンと金属不純物との結合力は、シリコン又はシリコン酸化物と金属不純物との結合力に比して大きい。
【0018】
しかる後、例えば所定の時間が経過して予定とするエッチングがなされると、シリコンウエハは処理槽から引き上げられ、例えば純水、超純水などのリンス液でアルカリ成分、チオシアン酸ナトリウムおよびチオシアン酸ニッケルなどが洗い流されて処理を終える。なお処理液中の金属不純物濃度と、シリコンウエハ表面の不純物濃度は化学的に平衡関係が成立するので、処理液中の金属不純物の濃度が高くなると、その分シリコンウエハに付着しようとする金属不純物が多くなる。従って、例えば繰り返しシリコンウエハが処理されて処理液中の金属不純物の濃度が例えば0.5ppb以上になると処理液を取り替えるようにするのが好ましく、このような措置を行うことでより確実に金属汚染を抑えることができる。
【0019】
上述の実施の形態においては、チオシアン酸ナトリウムを含む水酸化ナトリウム溶液でシリコンウエハのエッチングを行う構成とすることにより、金属不純物であるニッケルとチオシアン酸ナトリウムとが反応して別のチオシアン酸塩であるチオシアン酸ニッケルにすることができる。チオシアン酸イオンとニッケルとの結合力は、シリコンとニッケルとの結合力よりも大きいので、ニッケルが解離してシリコンウエハに付着することが抑えられ、またチオシアン酸ニッケルの状態でシリコンウエハの表面に付着したとしても、分子サイズの大きいチオシアンニッケルはシリコンの分子構造内にもぐり込めずシリコンウエハの表面にいわば物理的に付着しているので、例えば純水によるリンスで簡単に取り除くことができる。そのため処理後のシリコンウエハの金属不純物を極めて少なくすることができ、結果として高精度な電気特性を有する清浄なシリコンウエハを得ることができる。なお、上述の例では金属不純物としてニッケルを挙げているが、既述した他の金属不純物においても同様の作用・効果を得ることができる。またアルカリ成分、チオシアン酸塩に既述した他のものを選択しても同様の作用・効果を得ることができる。更に基板がシリコン酸化物例えばガラス基板であっても同様の作用・効果を得ることができる。
【0020】
ここで本例においては、シリコンウエハに対して処理液がある程度のエッチング作用を有していなければ、予定とするエッチングに時間がかかるだけでなく、シリコンの分子構造内に潜り込んだ金属不純物をこのシリコンウエハの表面からリフトアップすることができない。更にリフトアップされたとしてもこの金属不純物がシリコンウエハの近傍例えば電気二重層などと呼ばれるシリコンウエハの表面から例えば100nm程度外側に至る領域内にあると、シリコンウエハとの間に働くファンデルワールス力と呼ばれる引力により金属不純物がシリコンウエハ側に引き寄せられて再付着してしまうので、瞬間的なエッチング代を例えば前記電気二重層の厚みよりも大きくして、リフトアップされた金属不純物が例えば前記電気二重層よりも外側にくる程度にシリコンウエハの表面から遠ざけることで再付着が抑制される。即ち、先に述べたように本例を適用することで処理液中に分散している金属不純物および、シリコンの分子構造内に潜り込んでいる金属不純物を捕獲して清浄なシリコンウエハを得ることができるのは、シリコンウエハをエッチングすることのできる例えば10重量%以上、特に45〜55重量%のアルカリ溶液と、このようなアルカリ溶液中においても金属不純物と反応することのできるチオシアン酸塩とを組み合わせたことにより実現することができる。
【0021】
更に上述の実施の形態においては、エッチングおよびパーティクルの除去を共通の工程で行うことができ、また処理されたシリコンウエハの金属不純物が極めて少なくできるので、例えばフッ酸、塩酸、硫酸などの別の処理液を用いて金属不純物を取り除く工程を要しないか、あるいはそのような工程を行うにしても処理時間の短縮又は工程回数の低減により処理を簡単にすることができる。
【0022】
なお、処理液に含まれるアルカリ成分とチオシアン酸塩との組み合わせについて特に限定はされないが、チオシアン酸塩由来のアルカリ金属の混入防止といった理由から水酸化物イオンと結合する塩(成分)と、チオシアン酸イオンと結合する塩(成分)とが同じになるものを選択するのが好ましい。具体的には水酸化ナトリウムを選択した場合には、チオシアン酸ナトリウムが選択されることが挙げられる。
【0023】
本発明においては、所定の処理はエッチングに限られず、例えば面取り工程、研磨工程および洗浄工程であってもよい。この場合、各工程に応じてアルカリ濃度を決めるのが好ましく、例えばpH9の希薄溶液から55重量%の高濃度溶液に亘る範囲内から選択される濃度に設定される。もちろん例えば10重量%よりも低濃度のアルカリ溶液を用いた処理にあっては、「従来の技術」の欄に記載したようなキレート剤を添加することによって金属不純物の汚染を少なくすることができるのは言うまでもない。しかしながらこの場合には新たにキレート剤を準備しなければならず、その分手間がかかる上に経済的でない。またアルカリ濃度を調整すればエッチング液および例えば洗浄工程で用いる洗浄液として用いることができることに着目すれば、例えば水で稀釈することでエッチングに用いられる処理液を洗浄に用いられる処理液に流用することができるので処理液の調製および例えば作業者の管理が簡単になる点で得策である。
【0024】
【実施例】
続いて本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
(実施例1)
本例は、上述の基板洗浄装置を用いて2インチサイズのシリコンウエハWのエッチングを行った実施例である。チオシアン酸アンモニウムの濃度が7重量%となるようにして調製された47重量%の水酸化ナトリウム水溶液に、濃度が0.5ppbとなるようにニッケルを添加した。この溶液を60℃に温調しながらシリコンウエハを1時間浸漬してエッチングし、純水でリンスしてから乾燥させた。処理後のシリコンウエハのニッケル量を全反射蛍光X線分析計で測定し、単位面積あたりのニッケル濃度を計算により求めた。
【0025】
(比較例1)
本例は、チオシアン酸アンモニウムを含まないことを除いて実施例1と同じ比較例である。
【0026】
(比較例2)
本例は、チオシアン酸アンモニウムに替えて種々のキレート剤であるEDTA、HBED、DTPAのいずれかを用いたことを除いて実施例1と同じ比較例である。
【0027】
(実施例1および比較例1、2の結果と考察)
実施例1においては、シリコンウエハの単位面積あたりのニッケル原子の個数は0.7×1010atoms/cm2未満(用いた分析計の測定限界以下)であった。チオシアン酸アンモニウムを含まない比較例1においては、シリコンウエハの単位面積あたりのニッケル原子の個数は、9.1×1010atoms/cm2であった。キレート剤を添加した比較例3においては、EDTA、HBED、DTPAのいずれもアルカリ溶液に溶解させることができなかった。
以上の結果から分かるように、チオシアン酸アンモニウムを含む所定の濃度の水酸化ナトリウム溶液を用いてシリコンウエハをエッチングすれば、シリコンウエハに付着する金属不純物の量を極めて少なくできることが確認された。
【0028】
(実施例2)
本例は、チオシアン酸ナトリウムを含む10重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いたことを除いて実施例1と同じ処理を行った実施例である。但し、発明の効果をより理解し易くするため、ニッケルの濃度を100ppbに調整した。
【0029】
(実施例3)
本例は、チオシアン酸ナトリウムに代えてチオシアン酸アンモニウムを用いたことを除いて実施例2と同じ実施例である。
【0030】
(比較例3)
本例は、チオシアン酸塩を含まないことを除いて実施例2と同じ処理を行った比較例である。
【0031】
(実施例2、3および比較例3の結果と考察)
チオシアン酸ナトリウムを用いた実施例2においては、シリコンウエハの単位面積あたりのニッケル原子の個数は306.8×1010atoms/cm2であった。チオシアン酸アンモニウムを用いた実施例3においては、シリコンウエハの単位面積あたりのニッケル原子の個数は301.2×1010atoms/cm2であった。一方、チオシアン酸塩を含まない比較例3においては、シリコンウエハの単位面積あたりのニッケル原子の個数は、624.1×1010atoms/cm2であった。以上の結果から分かるように、10重量%の水酸化ナトリウムを用いた場合であってもシリコンウエハに付着する金属不純物の量を極めて少なくできることが確認された。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して、チオシアン酸塩を含む例えば10重量%以上のアルカリ溶液である処理液により所定の処理を行うことにより、金属不純物とチオシアン酸塩とが反応して当該金属不純物を捕獲することができるので、基板に金属不純物が付着して汚染されるのが抑えられ、また基板に付着したとしても例えば純水などで簡単に取り除くことができる。そのため処理後の基板の金属不純物を極めて少なくすることができる。
Claims (10)
- 少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して所定の処理液により所定の処理を行う基板処理方法において、
チオシアン酸塩を含み、10重量%以上のアルカリ溶液からなる処理液を基板に供給してこの基板に所定の処理をする工程と、
処理液中に分散した金属不純物又は前記所定の処理が行われて処理液中に分散する基板に付着していた金属不純物と、チオシアン酸塩と、を反応させる工程と、を含むことを特徴とする基板処理方法。 - 処理液は、少なくとも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
- チオシアン酸塩は、少なくともチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の基板処理方法。
- アルカリ溶液の濃度は45重量%〜55重量%以上であり、所定の処理はエッチングであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
- 所定の処理はエッチングおよび洗浄であり、洗浄に用いる処理液はエッチング用の処理液を稀釈したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
- 処理液中の金属不純物の濃度は0.5ppb以下であり、0.5ppbを越えると処理液が取り替えられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理方法。
- 処理液は、チオシアン酸塩を有機溶媒に溶解させた後に、この有機溶媒とアルカリ溶液とを混合して得られたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理方法。
- 少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して所定の処理を行う基板処理液において、
処理液中に分散した金属不純物又は所定の処理が行われて基板から処理液中に分散する当該基板に付着していた金属不純物と反応するチオシアン酸塩を含み、10重量%以上のアルカリ溶液からなることを特徴とする基板処理液。 - アルカリ溶液は、少なくとも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項8記載の基板処理液。
- チオシアン酸塩は、少なくともチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項8又は9記載の基板処理液。
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