JP2005032311A - 情報再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時刻n−1における第1状態から時刻nにおける第2状態へと遷移するm通りの状態遷移列のうちから最も確からしい状態遷移列を選択する最尤復号化によって再生信号を2値化する際、所定の時刻において、最も確からしい状態遷移列と2番目に確からしい状態遷移列とのメトリック差を算出し、該メトリック差に基づいて最尤復号器のパラメータ(振幅基準値或いはメトリック)を補正し、最尤復号動作を最適化する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク(CD)、CD−R等の情報記録媒体から情報の再生を行う情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より光ディスクドライブ等の光学的情報再生装置における信号処理方式としてPRML(Partial Response Maximum Likelihood)がある。PRML方式では記録再生系の特性に応じたPR方式で再生信号を等化し、ビタビ復号等の最尤復号により復号処理を行うことにより符号間干渉の大きい再生信号においても誤り率の低いデータを得ることができる。PRMLを用いた再生系における信号品質の評価方式は、特開2003−141823号公報に開示されている。
【0003】
この評価方式の概要を図10に示す。図10はPR特性としてPR(1,2,2,1)を用いたPRMLにおける状態遷移をトレリス線図により示したものである。上記従来例では図10の時刻k−4における状態S0から時刻kにおいて状態S5に遷移するパスにおいて、所定のパスAまたはパスBに対応する復号データを検出し、再生信号を基に生成されるPR出力値から各々のパスA及びパスBのメトリックMa及びMbを生成する。次に生成したメトリックMaとMbのメトリック差|Ma−Mb|を用いて信号品質の評価を行う。上記メトリック差を検出する際の所定のパスとしては、例えばPR(1,2,2,1)においてユークリッド距離が最小となるパスを設定する。前記図10は最小ユークリッド距離が最小となるパスの一例である。また図11に、前記図10に示すパスA及びパスBのPR(1,2,2,1)による基準振幅を示す。図11に示すようにPR(1,2,2,1)における振幅基準値は0〜6の7値となる。従ってパスAに対応する振幅基準値は[0 1 3 5]となり、パスBに対応する振幅基準値は[1 3 5 6]となる。
【0004】
ここで、再生信号のPR(1,2,2,1)による振幅値が[0.2 1.33.5 4.8]である場合、即ち図11においてPで示す振幅値が得られたときには、パスA及びパスBのメトリックは以下となる。
Ma=(0.0−0.2)2+(1.0−1.3)2+(3.0−3.5)2+(5.0−4.8)2=0.42
Mb=(1.0−0.2)2+(3.0−1.3)2+(5.0−3.5)2+(6.0−4.8)2=7.22
上記Ma及びMbからメトリック差|Ma−Mb|=6.8となる。
【0005】
PRMLの復号過程において最小ユークリッド距離のパスを検出して、そのパスのメトリック差のみを統計処理すると図12に示すような分布を示す。このとき、PR(1,2,2,1)のPRMLにおける最小ユークリッド距離は10であるので、中心値は10となる。上記従来例では、上記メトリック差を統計処理して平均値、標準偏差値等から信号の評価指標を生成し信号品質を評価している。
【0006】
さらに、この品質評価指標を用いて、サーボ制御値や波形等化器の等化特性を調整することで、再生品位を最適化している。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−141823号公報
【特許文献2】
特開2003−151220号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例ではPRMLのメトリック差から信号品質を評価し、また上記評価指標を用いてサーボ制御値、記録パワー制御値を調整する装置について示しているが、復号信号を生成するビタビ復号器の最適化については記載されていない。
【0009】
再生信号にはアシンメトリ等の歪があり、サーボ系の最適化や等化器の最適化のみでは除去できない歪成分がビタビ復号器の入力信号に混入することは避けられない。従って、この歪成分によりメトリックに誤差が生じ正確な復号処理を妨げる要因となっている。
【0010】
そこで本発明では、PRMLの信号品質を評価するメトリック差を基に、ビタビ復号のパラメータを調整することで、歪みが多い記録が行われた媒体に対しても、エラーレートを向上させることのできる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、時刻k−nにおける第1状態から時刻kにおける第2状態へと遷移するm通りの状態遷移列のうちから最も確からしい状態遷移列を選択する最尤復号化によって再生信号を2値化する最尤復号器と、所定の時刻において、最も確からしい状態遷移列と2番目に確からしい状態遷移列とのメトリック差を算出する演算器と、前記メトリック差に基づいて前記最尤復号器のパラメータを補正し、最尤復号動作を最適化するパラメータ調整手段とを備えることを特徴とする情報処理装置によって達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下において、本発明に係る情報再生装置の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1において、11は光ディスクであり光学的に情報の記録・再生を行う媒体である。12は光学ヘッドであり光ディスクからの再生信号を検知する。13はプリアンプであり光ヘッドからの再生アナログ信号を増幅する。14はAGCであり、信号振幅が一定となるようにゲイン調整を行う。15は波形等化器であり波形整形を行う。16はA/D変換器であり再生アナログ信号をサンプリングしデジタル再生信号に変換する。
【0014】
17はデジタルフィルタであり、変換されたデジタル再生信号を所望のPR特性となるように等化する。18はビタビ復号器であり、PR等化された信号からメトリックを算出して復号データを生成する。20は評価指標生成器でありデジタルフィルタ17からの信号を基にビタビ復号の所定の復号パターン間のメトリック差から評価指標を生成する。評価指標の生成は、前述の特開2003−141823号公報または特開2003−151220号公報等に開示されている公知の技術を用いることができる。尚、評価指標生成の概略は前述したとおりである。19は振幅基準値更新器であり、評価指標生成器20からの信号を基にビタビ復号に用いる振幅基準値を再生信号に対応した最適な値となるように設定する。
【0015】
次に、ビタビ復号の動作について説明する。図2にPR(1,2,2,1)によるビタビ復号の状態遷移図を示す。尚、記録符号としてRLL(1,7)符号を用い、記録の際にはNRZI変換して記録する場合について示す。PR(1,2,2,1)によるPR方式を用いると図2に示すように6状態の遷移により復号過程を表すことができる。
【0016】
ここで、各時刻における状態S(0,0,0)をS0、状態S(0,0,1)をS1、状態S(0,1,1)をS2、状態S(1,0,0)を状態S3、状態S(1,1,0)を状態S4、状態S(1,1,1)を状態S5とする。
【0017】
尚、状態S(dk−2,dk−1,dk)とは、現時刻の復号データがdk、1時刻前の復号データがdk−1、2時刻前の復号データがdk−2であることを示す。また、各遷移の際の復号データ及びPR(1,2,2,1)による理想サンプル値をdk/Pkと表している。
【0018】
図3は、図2の状態遷移図を時間軸方向に展開したトレリス線図である。
【0019】
ビタビ復号では、図3に示すトレリス線図に従って、各状態S0〜S5の時刻kでのパスメトリックm0[k]〜m5[k]は、時刻k−1の所定の状態のメトリックm0[k−1]〜m5[k−1]と時刻kでの実際のPR出力値y[k]とを用いて以下のようになる。尚、PR出力値とは、図1のデジタルフィルタ17より出力される値である。
【0020】
【外1】
【0021】
但し、式(1)においてa0〜a6は振幅基準値を示す。
【0022】
ここで、上記振幅基準値はPR(1,2,2,1)の理想サンプル値を表す。
【0023】
状態S0、状態S1、状態S4及び状態S5では、各時刻毎に2つのパスが合流するため、合流する2つのパスのうち、パスメトリック値が小さい方を生き残りパスとして選択する。
【0024】
また、図3のトレリス線図に示すように時刻k−1から時刻kの各状態に遷移する際には、各遷移により定まるPR(1,2,2,1)の理想サンプル値と実際の再生信号をPR(1,2,2,1)処理した出力値とのユークリッド距離をブランチメトリックとして加算する。式(1)において、(y[k]−an)2項は、ブランチメトリックであり、各時刻毎の状態遷移の確からしさを表す。 ビタビ復号では、各時刻において式(1)によりメトリック値を算出し、また合流点において、より確からしいパスを選択することにより、所定の区間において最も確からしいパスに対応する復号データを出力する。ここで、パスとは所定の区間における状態遷移の履歴、即ち状態遷移列である。
【0025】
尚、PR(1,2,2,1)の理想サンプル値は0,1,2,3,4,5,6の7値となる。
【0026】
従ってビタビ復号の振幅基準値は理想的には0〜6の値となる。しかしながら、再生信号の歪等によりPR(1,2,2,1)の出力が変動している場合には理想的な振幅基準値を用いるとメトリックに誤差が生じビタビ復号の性能が劣化する要因となる。
【0027】
従って、本発明に係る装置のビタビ復号器18においては、再生信号に対応して上記式(1)の振幅基準値を最適な値となるように制御する。
【0028】
以下は、本実施例に係るビタビ復号器18のメトリック算出方式である。
【0029】
【外2】
【0030】
ここで、g0〜g6は再生信号の状態に応じて更新される振幅基準値を表す。
【0031】
また、評価指標生成器20においてメトリック差を算出する際においても上記式(2)により状態遷移列のメトリック値を算出するものとする。
【0032】
次に、振幅基準値更新器19の動作について説明する。本実施例の装置においては、評価指標生成器20の信号を基に上記式(2)の振幅基準値を更新する。
【0033】
評価指標生成器20においては、ビタビ復号器18の復号データ及びPR(1,2,2,1)出力を入力して、復号データ列が所定のパターンの場合にメトリック差の検出を行う。所定のパターンとして、ここではPR(1,2,2,1)のビタビ復号において最小ユークリッド距離10を与えるパターンの組み合わせを図4のように設定する。
【0034】
評価指標生成器20においてはビタビ復号器18の復号データが図4に示すパターンのいずれかに一致する場合、パスAのメトリック(尤度)及びパスBのメトリックからメトリック差(尤度差)Eを算出する。図4のパスAとパスBのユークリッド距離は10であるので、メトリック差Eの分布は図12に示すように平均値10の正規分布のようになる。ここでは、以降の計算を単純にするためにED(=E−10)をメトリック誤差とし、これを基に振幅基準値の更新を行う。図5にメトリック誤差EDの分布を示す。
【0035】
また、更新する振幅基準値は以下のように設定する。
【0036】
図6のA1及びB1の信号系列は、それぞれ図4のパターン1のパスAとパスBに対応するPR(1,2,2,1)の出力値である。また、P1は実際の再生信号から得られるPR(1,2,2,1)出力値の信号系列である。ここで、ビタビ復号器18における復号データはパターン1のパスAに一致するものとする。このとき、PR(1,2,2,1)の理想信号系列は図6のA1に対応している。
【0037】
上記の状態で、評価指標生成器20はメトリック差Eを算出する。以下にパスA及びパスBのメトリックを示す。
Ma=(4.0−4.3)2+(3.0−3.1)2+(1.0−1.3)2+(0.0−0.4)2=0.35
Mb=(5.0−4.3)2+(5.0−3.1)2+(3.0−1.3)2+(1.0−0.4)2=7.35
従って、メトリック差Eは以下となる。
E=|Ma−Mb|=7
また、メトリック誤差EDは以下となる。
ED=E−10=−3
理想的にはメトリック誤差EDA1=0であるが、実際には再生信号のノイズ及び歪等によりPR(1,2,2,1)の出力値が図6の信号系列P1に示すように理想値A1からずれているためにメトリック誤差EDが発生している。
【0038】
ここで、図4のパターン1のパスAの復号データに対応する信号系列A1は、図6の塗りつぶしの□点に示すように理想サンプル値(振幅基準値)として0,1,3,4の4つの出力値に関係している。従って、復号データとしてパターン1のパスAが検出された場合のメトリック誤差EDに応じて、関係する振幅基準値0,1,3,4の値を補正することによりメトリック誤差EDを最小化することができる。
【0039】
図7により振幅基準値の補正の概略について示す。図7はいずれもビタビ復号器18の復号データとして図4のパターン1のパスAが検出された場合のPR(1,2,2,1)の理想サンプル値A1と実際のPR出力値を示したものである。
【0040】
図7(A)のP2は、ある媒体の実際の再生信号から得られたPR出力値であり、このときのメトリック誤差EDは、以下のように求めることができる。
Ma=(4.0−4.1)2+(3.0−3.1)2+(1.0−1.1)2+(0.0−0.1)2=0.04
Mb=(5.0−4.1)2+(5.0−3.1)2+(3.0−1.1)2+(1.0−0.1)2=8.84
従って、メトリック差Eは以下となる。
E=|Ma−Mb|=8.8
また、メトリック誤差EDは以下となる。
ED=E−10=−1.2
また、図7(B)のP3は、特性の異なる他の媒体の再生信号から得られたPR出力値である。このときのメトリック誤差EDは以下のように求めることができる。
Ma=(4.0−3.7)2+(3.0−2.8)2+(1.0−0.6)2+(0.0−0.0)2=0.29
Mb=(5.0−3.7)2+(5.0−2.8)2+(3.0−0.6)2+(1.0−0.0)2=13.29
従って、メトリック差Eは以下となる。
E=|Ma−Mb|=13
また、メトリック誤差EDは以下となる。
ED=E−10=3
従って、メトリック誤差EDは正の値となる。
【0041】
図7(A)に示すように、メトリック誤差EDが負の場合には、理想サンプル値A1に対して実際のPR出力P2は大きめの値を示す。すなわち、パスBに近寄った値となる。一方図7(B)に示すように、メトリック誤差EDが正の場合には、理想サンプル値A1に対して実際のPR出力P3は小さめの値を示す。すなわち、再生波形のPR出力P2は、パスAに近いがパスBから遠ざかるような値になる。
【0042】
一方、図示しないが、パターン1のパスBに対応する復号データが検出されたときは、メトリック誤差EDが負の場合、理想サンプル値B1に対して実際のPR出力は小さめの値となる。すなわち、パスAに近寄った値となる。メトリック誤差EDが正の場合は、PR出力は理想サンプル値に対して大きめの値となる。すなわち、パスBに近いがパスAから遠ざかった値となる。
【0043】
このように、検出されるパスとメトリック誤差の正負に応じて補正の方向が異なる。
【0044】
従って予めテーブル等に、対応するパス毎の補正の方向を保持する。
【0045】
メトリック誤差に応じて振幅基準値の補正量及び補正の方向を設定し、振幅基準値を逐次補正することによりメトリック誤差EDを最小化する。
【0046】
図8は、図4の各パターンのパスA及びパスBに対応したPR(1,2,2,1)の理想サンプル値である。図8に示すように、各パターン及びパスに応じて関係する理想サンプル値が異なっているので図9に示すように、各パターンのパスA及びパスB毎に補正する振幅基準値のレベルg及び補正の方向を示す係数hを設定する。
【0047】
これは、変調方式及びPR方式に応じて定義することが可能である。つまり、本実施例のようにPR(1,2,2,1)だけではなく、PR(1,2,1),PR(1,0,−1)等の他のPR特性においても適用可能である。
【0048】
振幅基準値更新器19は、評価指標生成器20で検出された復号パターン信号及びメトリック差Eを基に、図9に示す表から更新する振幅基準値を選択する。また、メトリック差Eからメトリック誤差EDを算出し、更新係数αを乗じて振幅基準値を更新する。
gn[k]=gn[k−1]+(h・α・ED) ・・・(3)
尚、式(3)においてgn(n=0〜6の整数)は、式(2)の振幅基準値である。また、各振幅基準値の初期値としては、対応するPR(1,2,2,1)の理想サンプル値として以下の値を設定することができる。
g0=0.0,g1=1.0,g2=2.0,g3=3.0,g4=4.0,g5=5.0,g6=6.0
更新した振幅基準値gは、ビタビ復号器18のメトリック算出に用いられると共に、評価指標生成器20におけるメトリック差の算出にも用いられる。
【0049】
上記の方式により逐次振幅基準値gが更新されると、再生信号に対応した振幅基準値に収束し、例えば図6に示すような再生信号に対して適用した場合以下のような値となる。
g0=0.4,g1=1.3,g2=2.1,g3=3.1,g4=4.3,g5=5.2,g6=6.1
図6の信号系列P1に示す再生信号に対して上記振幅基準値を適用することにより、信号系列P1に関わる振幅基準値g0,g1,g3,g4が再生信号に対応した最適な値に補正されるので、尤度誤差が低減する。
【0050】
上記においては、振幅基準値を所定のパターンに応じて逐次更新している場合について示しているが、以下の方式により振幅基準値を補正することもできる。即ち、一定期間復号処理を実行して、図4に示す所定のパターンが検出された場合にメトリック差を算出し、所定のパターン毎にメトリック差情報を保持する。次に、所定数のメトリック差情報が得られたら、パターン毎に統計処理して、統計処理したメトリック差を基に、各々の所定のパターンのパスメトリック算出に関わる振幅基準値を補正するものである。
【0051】
本実施例に係る装置においては、ビタビ復号の復号処理過程で用いられるメトリック情報に基いて振幅基準値を補正するので、再生信号の状態が劣化してもエラーの発生を抑制することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
以下において、本発明に係る情報再生装置の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施例の装置においては、評価指標検出器からのメトリック差情報を基に、ビタビ復号器30のパスメトリック値を補正するものである。
【0053】
図13は、本発明に係る装置のビタビ復号器30である。
【0054】
図13において、31はブランチメトリック算出部であり、1サンプル時刻毎にブランチメトリックを算出する。32はパスメトリック算出部であり、1時刻前の各状態のメトリック値に、ブランチメトリック値を加算してパスメトリック値を更新する。また、複数のパスが合流する場合は、パスメトリック値を比較して、確からしいパスの方を選択する。33はパスメモリであり、32のパスメトリック算出部で生成される情報を基にパスメモリを更新する。34は補正メトリック生成部であり、パスメモリを参照して特定のパターンが検出された場合に、パスメトリック算出時にメトリック誤差情報に基いた補正値を加える。
【0055】
次に、本発明に係る装置の動作について説明する。
【0056】
第1の実施例に記したように、評価指標生成器20において所定のパターンが発生した場合に、メトリック差Eを算出する。算出したメトリック差情報は、パターン情報と共に補正メトリック生成部34に出力される。
【0057】
補正メトリック生成部34においては、パターン情報を基に各パターン毎のメトリック差情報を平均化処理する。パターンとしては、図4に示す各パターンのパスA及びパスBに対応した16個のパターンを設定する。前述のように図4はPR(1,2,2,1)において最小ユークリッド距離10を与えるパターンである。
【0058】
図14(A)は、図6の信号系列P1に対する信号系列A1及びB1のメトリックのメトリック差の分布であり、図14(B)は、図7(A)の信号系列P2に対する信号系列A1及び信号系列B1のメトリックのメトリック差の分布である。図14のような分布が図4に示す全てのパターンについて検出される。
【0059】
補正メトリック生成部34においては、上記各パターン毎のメトリック差分布の平均値から補正メトリック値を生成する。ここで、図4における各パターンは最小ユークリッド距離10となるパターンである。従って、メトリック差の分布は、図14に示すようにメトリック差10の近傍をピークとする分布となる。
【0060】
補正メトリック生成部34においては、図14に示すメトリック差の分布を基に以下により補正値rを算出する。
r=β(μ―10)
ここで、βは所定の係数である。
【0061】
図13のビタビ復号器30において復号動作を行う際に、パスメモリ33を参照し図4の各パターンに対応するパスが発生する可能性があるかを判断する。
【0062】
図15は、図4のパターン1に対応するパスのトレリス線図である。また、図16は時刻k−1時点での状態S0及び状態S3のパスメモリの内容である。
【0063】
パスメモリを参照すると時刻kの時点で状態S0に合流する2つのパス、即ち図15におけるパスは、図4のパターン1の復号パターンと一致する。
【0064】
従って、時刻k−1の状態S0及び状態S3のパスメモリの内容が図16に示すパターンの場合には、補正メトリック生成部34において生成されているパターン1のパスA及びパスBに対応する補正メトリック値rを設定して、パスメトリック算出部32においてパスメトリックを算出する。パスメトリック算出部32においては式(4)によりパスメトリックを算出する。この場合S0で合流する2つのパスのメトリック値に補正を加えるので、式(4)のk1及びk2に補正値が設定される。他の合流点においても、パスメモリを参照して所定のパターンが検出された場合には、補正値kj(j=1,...8)に補正メトリック生成部34において生成された補正値rを設定する。所定のパターン以外の場合には、補正値kj=0とする。
【0065】
【外3】
【0066】
より具体的には、図10に示すようなパスA及びパスBが上記方式により検出された場合、時刻kにおいて状態S5で合流するので、以下の式によりメトリック値が算出され、生き残りパスが決定される。
【0067】
【外4】
【0068】
ここで、min{}内の第1項はパスBに対応するメトリック値であり、第2項はパスAに対応するメトリック値である。ここで、パスA及びパスBに対応する補正メトリック値rAn及びrBn(An=A1〜A8,Bn=B1〜B8)は、補正メトリック生成部34において生成されており、この場合以下の値が得られているものとする。
rA=−0.3
rB=−0.5
この場合、上記の式(5)においてk7及びk8に以下の値を設定することになる。
k7=−0.5
k8=−0.3
これにより、メトリック差の情報を基に所定のパターンにおける合流点でのパスメトリックに補正を加えることにより生き残りパスを選択する際の精度を向上することができる。
【0069】
前述のように、図4の各パターンがPR(1,2,2,1)のPRMLにおいてユークリッド距離が最小となるパターンの組み合わせである。従って、図4のパターンで誤る可能性が高い。
【0070】
また、本実施例の装置においては、所定のパターン毎のメトリック差を保持して統計処理することによりメトリック補正値を算出しているが、所定のパターン毎のメトリック差を基にメトリック補正値を逐次更新してビタビ復号の際のメトリック算出に反映させることもできる。
【0071】
本実施例に示すように実際の再生信号の状態に対応したメトリック差の情報を基に誤りやすいパターンが発生する場合に、メトリック値に補正を加えることによって、ビタビ復号の性能を向上することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ビタビの判定精度を示すメトリック差を用いた評価指標を基にして、ビタビ復号器のパタメータを補正するので、符号間干渉等による非線形歪を補正する効果がある。
【0073】
また、補正するパラメータとしてビタビ復号器動作における振幅基準値を更新することにより、再生信号に応じた最適な復号動作が実現でき、エラーレートの向上を図ることができる。
【0074】
また、補正するパラメータとして前記ビタビ復号器動作におけるメトリック値を補正することにより、誤りやすいパターンにおいてビタビ復号の検出精度を向上することができる。
【0075】
また、パラメータの補正を所定の復号パターンが発生したときに行うことにより、誤りが発生しやすい所定のパターンに対応した補正処理が可能となり、再生信号の特性に応じた適切な復号動作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報処理装置の第1の実施例を示すブロック図。
【図2】PR(1,2,2,1)のビタビ復号の状態遷移図。
【図3】PR(1,2,2,1)のビタビ復号のトレリス線図。
【図4】メトリック差を検出する復号パターンの概略図。
【図5】メトリック差の分布を示す図。
【図6】PR(1,2,2,1)の理想サンプル値と実波形出力値の関係を示す図。
【図7】PR出力の変化を説明する図。
【図8】所定の復号パターンに対応するPR出力値の説明図。
【図9】ビタビ復号器における振幅基準値の補正を説明する図。
【図10】評価指標生成器の動作を説明する図。
【図11】評価指標生成器の動作を説明する図。
【図12】評価指標生成器で生成されるメトリック差の分布を説明する図。
【図13】本発明の情報処理装置の第2の実施例に係るビタビ復号器の構成を説明する図。
【図14】所定のパターンに対応するメトリック差の分布を示す概略図。
【図15】図13図示のビタビ復号器の動作を説明する図。
【図16】図13図示のビタビ復号器の動作を説明する図。
【符号の説明】
11 光ディスク
12 光ピックアップ
13 プリアンプ
14 AGC
15 波形等化器
16 A/D変換器
17 デジタルフィルタ
18 ビタビ復号器
19 振幅基準値更新器
20 評価指標生成器
Claims (4)
- 時刻k−nにおける第1状態から時刻kにおける第2状態へと遷移するm通りの状態遷移列のうちから最も確からしい状態遷移列を選択する最尤復号化によって再生信号を2値化する最尤復号器と、所定の時刻において、最も確からしい状態遷移列と2番目に確からしい状態遷移列とのメトリック差を算出する演算器と、前記メトリック差に基づいて前記最尤復号器のパラメータを補正し、最尤復号動作を最適化するパラメータ調整手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
- 前記パラメータは、最尤復号器の振幅基準値であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記パラメータは、各時刻において取り得る各状態遷移列の夫々の確からしさを示すパスメトリック値に加算される補正値であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記所定の時刻は、特定の状態遷移列が発生したことによって特定される時刻であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
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