JP2005027430A - 電力変換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力貯蔵システムに無停電電源機能を併設した電力変換システムを低コストで提供する。
【解決手段】半導体電力変換器であってその一端を交流電源系統3に、他端を第1の直流回路に接続されて交流側から直流側への電力変換ならびに直流側から交流側への電力変換が可能な大電力の双方向変換器11と、前記第1の直流回路に接続されて直流電力を充放電する蓄電池12とで構成される電力貯蔵システム1に、交流電源系統3と第2の直流回路の間に接続される高い信頼性水準の順変換器21と、第2の直流回路と交流負荷5との間に接続される逆変換器22と、第1の直流回路から第2の直流回路の方向に電流を流すことが出来るように設置された半導体スイッチ13とで構成された無停電電源システム2を併設した電力変換システム。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体電力変換器であってその一端を交流電源系統3に、他端を第1の直流回路に接続されて交流側から直流側への電力変換ならびに直流側から交流側への電力変換が可能な大電力の双方向変換器11と、前記第1の直流回路に接続されて直流電力を充放電する蓄電池12とで構成される電力貯蔵システム1に、交流電源系統3と第2の直流回路の間に接続される高い信頼性水準の順変換器21と、第2の直流回路と交流負荷5との間に接続される逆変換器22と、第1の直流回路から第2の直流回路の方向に電流を流すことが出来るように設置された半導体スイッチ13とで構成された無停電電源システム2を併設した電力変換システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、双方向変換器と蓄電池からなる電力貯蔵システムにおいて、電力貯蔵用蓄電池を活用して無停電電源システムを併設することを目的とした電力変換システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3を用いて、一般的な蓄電池を使用した電力貯蔵システムの構成を説明する。従来の電力貯蔵システム1は、一端を交流電源系統3に、他端を直流回路に接続されて交流側から直流側への電力変換ならびに直流側から交流側への電力変換が可能な双方向変換器11と、前記直流回路に接続されて直流電力を充放電する蓄電池12とで構成され、交流電源系統3に一般負荷4と並列に接続される。
【0003】
一方、一般的な無停電電源システム2の主要な回路は、交流電源系統3の交流電力を直流電力に変換する順変換器21と、これに直流回路を介して接続され、直流電力を再び交流電力に変換し無停電電源システムに接続された重要負荷5に供給する逆変換器22、さらに交流電源系統3が停電した場合においても無停電電源システムがその負荷に電力を供給できるように、直流回路に挿入された電力貯蔵手段である蓄電池23から構成されている。
【0004】
ここで交流系統の電力を直流電力に変換する順変換器には、従来サイリスタ整流器などが使用されてきたが、交流入力の電流波形や力率を改善する目的でIGBTなどのオンオフ制御デバイスを使用した自励式変換器が採用されるようになってきている。この変換器は、交流側から直流側への電力変換だけでなく、交流側から直流側への電力変換も可能な双方向変換器である。このような無停電電源装システムの例を図4に示す。この場合の無停電電源システムの構成から逆変換器を除外した双方向変換器と蓄電池の構成は、交流電源系統の負荷平準化のために用いられる電力貯蔵装置と同一である。したがって、電力貯蔵システムの直流回路に逆変換器を接続し、その出力に重要負荷をつなぐことで、交流電源系統の負荷平準化を行なう電力貯蔵システムの機能と、重要負荷に無停電の電力供給を行なう無停電電源システムの機能を併せ持つ電源システムを構築することが可能である。
【0005】
一般的に、需要家が無停電電源システムを設置する場合、コストを抑えるためにその負荷は真に重要な負荷に限定されるため、需要家の全負荷に占める無停電電源システムの負荷の割合は小さなものとなる。一方で、負荷平準化のための電力貯蔵システムでは、その設置効果を大きなものとするためには需要家の全負荷容量に対し、比較的大きな割合の容量の変換器が必要となる。したがって、無停電電源システムの順変換装置を電力貯蔵システムの双方向変換器で代替する場合、変換器の容量の面からは、
無停電電源用順変換器容量≪電力貯蔵用双方向変換器容量
となるため、あまり問題にはならない。
【0006】
ここで、変換システムに求められる信頼性を考察すると、無停電電源システムは、停電があってはならない重要負荷に電源を供給するために設置される機器であり、当然ながら高い信頼性を要求されるシステムである。一方で負荷平準化のための電力貯蔵システムは万一システムが故障しても、必要な電力は電源系統から供給されるために需要家の負荷運用には影響を与えることはない。デメリットはシステム故障により夜間電力等の安い電力料金の電気を使えないことによるシステム導入のメリットである電力料金低減の効果が僅かに減殺されることである。したがって、電力貯蔵システムに要求される信頼性は無停電電源システムに要求される信頼性に比較して高いものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前記の様な無停電電源機能併設の電力貯蔵システムを考えた場合、無停電電源に要求される高い信頼性水準で電力貯蔵と無停電電源に要求される大容量の変換器を製作する必要があり、通常の電力貯蔵システムを製作する場合に比較して著しくコストが増大する問題が発生する。
【0008】
上記に鑑み、本発明の目的は、電力貯蔵システムに無停電電源機能を併設した電力変換システムを低コストで提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、無停電電源機能併設の電力貯蔵システムを双方向電力変換器と蓄電池で構成される電力貯蔵システムと順変換器と逆変換器で構成される無停電電源システム、さらに電力貯蔵システムの直流回路と無停電電源システムの直流回路を接続する半導体スイッチで構成することにより達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1および請求項3に関して図1を用いて説明する。
【0011】
本発明にかかる電力変換システムは、双方向変換器11と電力貯蔵手段として働く蓄電池12とを有する電力貯蔵システム1に、順方向変換器21と逆方向変換器22とを有する重要負荷5に接続される無停電電源システム2を併設して構成され、電力貯蔵システムと、無停電電源システム2と一般負荷4とを並列に交流電源系統3に並列に接続して構成される。さらに、本発明にかかる電力変換システムは、電力貯蔵システム1の電力貯蔵手段12の出力と、無停電電源システム2の順方向変換器21と逆方向変換器22との接続点との間に、半導体スイッチとして働くダイオード13を設けて構成される。
【0012】
電力貯蔵システム1の双方向変換器11は交流電源系統3に接続され、同系統に接続された一般負荷4の消費電力の変動を平準化するように動作する。無停電電源システム2の順変換器21は交流電源系統3に接続され、逆変換器22は重要負荷5に無停電電力を供給する。順変換器21の直流電圧は電力貯蔵システム1の蓄電池12の電圧よりも高くなるように制御される。
【0013】
これにより、電源系統3が正常なときは、無停電電源システム2は順変換器21および逆変換器22を通して電源系統3から重要負荷5へ電力を供給する。万一電源系統3が停電した場合は、電力貯蔵システム1の蓄電池12からダイオード13を介して直流電力が無停電電源システム2の逆変換器22を通して交流に変換され重要負荷5に供給される。また、電力貯蔵システム1の双方向変換器11が万一故障して蓄電池電圧の喪失や異常低下を生じた場合においても、ダイオード13により無停電電源システム2の直流回路の電圧は影響を受けることはない。したがって、電力貯蔵システム1と無停電電源システム2を併設したことによる重要負荷5に電力供給が出来なくなる機会の増加は、電力貯蔵システムの故障停止により蓄電池電圧13の異常低下や喪失が発生し、なお且つ交流電源系統3の停電が発生した場合に限られる。
【0014】
電力貯蔵システム1の故障において、双方向変換器部分で発生する故障に関しては、制御装置やヒューズによる保護動作で蓄電池電圧の異常低下や喪失に発展することは希頻度と言って良い。交流電源系統の停電も低頻度であることから両者の積条件である上記した重要負荷5に電力供給が出来なくなる機会の発生は非常に希頻度であると言ってよい。逆に、無停電電源システム2の順変換装置21が故障停止した場合において、電力貯蔵システム1の双方向変換器11から直流電力を供給することも可能であり、この場合、無停電電源システムと電力貯蔵システムの併設により、無停電電源の信頼性を向上させる側面もあると言うことが出来る。以上から無停電電源システムとしての信頼度は、電力貯蔵システムとの併設システムとしたことによっても、ほとんど悪影響を受けないと言うことが出来る。
【0015】
このように電力貯蔵システム1の双方向変換器11と無停電電源システム2の順変換器21を分離することで、それぞれの変換器を適正な容量と必要な信頼性水準で製作することが可能となる。これにより、無停電電源に要求される高い信頼性水準で電力貯蔵と無停電電源に要求される大容量の変換器を製作する必要がある従来の無停電電源機能併設の電力貯蔵システムに比べて、著しくコストを抑制したシステムを構築することが出来る。
【0016】
また、蓄電池12に関しても以下に記す理由から通常の電力貯蔵システムに比較して、ほとんどコストの増加はない。前記したように、概ね重要負荷5は通常負荷4に比べて小さい。また電力供給する時間は電力貯蔵システムに比較して無停電電源システムの方が大幅に短い時間である。すなわち、よく用いられる昼間の電力と夜間電力の差を平準化する電力貯蔵システムでは数時間程度であるのに対し、無停電電源の蓄電池が重要負荷5に対して電力供給をしなければならない時間は、概ね交流電源系統3が停電してからディーゼル発電機などの非常用発電設備が立ち上がるまでの時間や、コンピュータなどの機器が安全に停止処理を終えるまでの時間の数分間程度である。これらのことから無停電電源システム2用に必要とされる蓄電池12の容量は、電力貯蔵システム1の必要とする容量に比べ非常に小さなものとなる。このため、電力貯蔵システム1に無停電電源機能を併設した場合の電池容量の増加は僅かである場合がほとんどであり、電力貯蔵システム1に無停電電源機能を併設したことによる蓄電池コストの増加は僅かなものにとどまることになる。
【0017】
尚、無停電電源システム2の順変換器21ならびに逆変換器22は、単独の無停電電源システムに用いられる変換器と何ら違いのないものであることから、本発明は新設の電源システムばかりでなく、既設の無停電電源システムの非常用蓄電池のリプレースにあわせて、その変換器を流用することも可能である。
【0018】
以上請求項1および請求項3による実施形態を示した。
【0019】
ここで、請求項3によらない場合、すなわち電力貯蔵システム1の直流回路電圧が無停電電源システム2の直流電圧よりも高い場合においては、半導体スイッチ13をゲート信号によるオン制御が可能なサイリスタやGTOなどの半導体デバイスとし、無停電電源システム2の直流電圧が、交流電源系統3の停電や、その他何らかの原因で異常低下や喪失した場合に上記半導体デバイスを点弧させることで、上述と同様の動作をさせることが可能である。
【0020】
図2のブロック図を用いて、請求項第2に相当する電力貯蔵システムに無停電電源システムの機能を併設した電力変換システムの構成を説明する。この電力変換システムは、第1の交流電源系統31に接続され、双方向変換器11と電力貯蔵手段として働く蓄電池12とを有する電力貯蔵システム1と、第2の交流電源系統32に接続され、順方向変換器21と逆方向変換器22とを有する重要負荷5に接続される無停電電源システム2とからなり、電力貯蔵システム1の電力貯蔵手段12の出力と、無停電電源システム2の順方向変換器21と逆方向変換器22との接続点との間に、半導体スイッチとして働くダイオード13を設けて構成される。第1の交流電源系統31には、電力貯蔵システム1と、一般負荷4とを並列に接続して構成される。
【0021】
本発明は、このように受電する交流電源系統が互いに異なる電力貯蔵システムと無停電電源システムとの間の複合化にも適用が可能である。
【0022】
上記説明において、電力貯蔵手段として蓄電池を用いたが、本発明はこれに限らず他の電力貯蔵手段、例えば、フライホイール、充放電できる燃料電池、その他を用いることができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、電力貯蔵システム1の双方向変換器11と無停電電源システム2の順変換器21のそれぞれを適正な容量と必要な信頼性水準で製作することが可能となる。これにより、無停電電源に要求される高い信頼性水準で電力貯蔵と無停電電源に要求される大容量の変換器を製作する必要がある従来の無停電電源機能併設の電力貯蔵システムに比べて、著しくコストを抑制したシステムを構築することが出来る。
【0024】
また、本発明は、既設の無停電電源システムに電力貯蔵システムを増設する場合に、無停電電源システムの変換器をそのまま流用可能であり、資源の有効活用が出来ることとともに、増設工事期間中の重要負荷設備への無停電電源供給の停止時間を最小にすることが可能となる。
【0025】
請求項2の発明によれば、需要家の受電系統や構内系統が重要負荷設備用の電源系統と通常負荷用の電源系統とで別れているような電力設備においても本発明が適用でき、そのコスト低減効果を享受することが可能である。
【0026】
請求項3の発明によれば、交流電源系統の停電やその他何らかの原因で無停電電源装置2の直流回路電圧が異常低下や喪失した場合における逆変換器22への直流電力の供給を、順変換器21から蓄電池13に切り替える場合に何ら制御回路を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に対応するブロック図。
【図2】本発明の請求項2に対応するブロック図。
【図3】従来よりある電力貯蔵システムのブロック図。
【図4】従来よりある無停電電源システムの主要部のブロック図。
【符号の説明】
1 電力貯蔵システム
2 無停電電源システム
3、31、32 交流電源系統
4 一般負荷
5 重要負荷
11 双方向変換器
12 蓄電池
13 ダイオード
21 順変換器
22 逆変換器
【発明の属する技術分野】
本発明は、双方向変換器と蓄電池からなる電力貯蔵システムにおいて、電力貯蔵用蓄電池を活用して無停電電源システムを併設することを目的とした電力変換システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3を用いて、一般的な蓄電池を使用した電力貯蔵システムの構成を説明する。従来の電力貯蔵システム1は、一端を交流電源系統3に、他端を直流回路に接続されて交流側から直流側への電力変換ならびに直流側から交流側への電力変換が可能な双方向変換器11と、前記直流回路に接続されて直流電力を充放電する蓄電池12とで構成され、交流電源系統3に一般負荷4と並列に接続される。
【0003】
一方、一般的な無停電電源システム2の主要な回路は、交流電源系統3の交流電力を直流電力に変換する順変換器21と、これに直流回路を介して接続され、直流電力を再び交流電力に変換し無停電電源システムに接続された重要負荷5に供給する逆変換器22、さらに交流電源系統3が停電した場合においても無停電電源システムがその負荷に電力を供給できるように、直流回路に挿入された電力貯蔵手段である蓄電池23から構成されている。
【0004】
ここで交流系統の電力を直流電力に変換する順変換器には、従来サイリスタ整流器などが使用されてきたが、交流入力の電流波形や力率を改善する目的でIGBTなどのオンオフ制御デバイスを使用した自励式変換器が採用されるようになってきている。この変換器は、交流側から直流側への電力変換だけでなく、交流側から直流側への電力変換も可能な双方向変換器である。このような無停電電源装システムの例を図4に示す。この場合の無停電電源システムの構成から逆変換器を除外した双方向変換器と蓄電池の構成は、交流電源系統の負荷平準化のために用いられる電力貯蔵装置と同一である。したがって、電力貯蔵システムの直流回路に逆変換器を接続し、その出力に重要負荷をつなぐことで、交流電源系統の負荷平準化を行なう電力貯蔵システムの機能と、重要負荷に無停電の電力供給を行なう無停電電源システムの機能を併せ持つ電源システムを構築することが可能である。
【0005】
一般的に、需要家が無停電電源システムを設置する場合、コストを抑えるためにその負荷は真に重要な負荷に限定されるため、需要家の全負荷に占める無停電電源システムの負荷の割合は小さなものとなる。一方で、負荷平準化のための電力貯蔵システムでは、その設置効果を大きなものとするためには需要家の全負荷容量に対し、比較的大きな割合の容量の変換器が必要となる。したがって、無停電電源システムの順変換装置を電力貯蔵システムの双方向変換器で代替する場合、変換器の容量の面からは、
無停電電源用順変換器容量≪電力貯蔵用双方向変換器容量
となるため、あまり問題にはならない。
【0006】
ここで、変換システムに求められる信頼性を考察すると、無停電電源システムは、停電があってはならない重要負荷に電源を供給するために設置される機器であり、当然ながら高い信頼性を要求されるシステムである。一方で負荷平準化のための電力貯蔵システムは万一システムが故障しても、必要な電力は電源系統から供給されるために需要家の負荷運用には影響を与えることはない。デメリットはシステム故障により夜間電力等の安い電力料金の電気を使えないことによるシステム導入のメリットである電力料金低減の効果が僅かに減殺されることである。したがって、電力貯蔵システムに要求される信頼性は無停電電源システムに要求される信頼性に比較して高いものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前記の様な無停電電源機能併設の電力貯蔵システムを考えた場合、無停電電源に要求される高い信頼性水準で電力貯蔵と無停電電源に要求される大容量の変換器を製作する必要があり、通常の電力貯蔵システムを製作する場合に比較して著しくコストが増大する問題が発生する。
【0008】
上記に鑑み、本発明の目的は、電力貯蔵システムに無停電電源機能を併設した電力変換システムを低コストで提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、無停電電源機能併設の電力貯蔵システムを双方向電力変換器と蓄電池で構成される電力貯蔵システムと順変換器と逆変換器で構成される無停電電源システム、さらに電力貯蔵システムの直流回路と無停電電源システムの直流回路を接続する半導体スイッチで構成することにより達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1および請求項3に関して図1を用いて説明する。
【0011】
本発明にかかる電力変換システムは、双方向変換器11と電力貯蔵手段として働く蓄電池12とを有する電力貯蔵システム1に、順方向変換器21と逆方向変換器22とを有する重要負荷5に接続される無停電電源システム2を併設して構成され、電力貯蔵システムと、無停電電源システム2と一般負荷4とを並列に交流電源系統3に並列に接続して構成される。さらに、本発明にかかる電力変換システムは、電力貯蔵システム1の電力貯蔵手段12の出力と、無停電電源システム2の順方向変換器21と逆方向変換器22との接続点との間に、半導体スイッチとして働くダイオード13を設けて構成される。
【0012】
電力貯蔵システム1の双方向変換器11は交流電源系統3に接続され、同系統に接続された一般負荷4の消費電力の変動を平準化するように動作する。無停電電源システム2の順変換器21は交流電源系統3に接続され、逆変換器22は重要負荷5に無停電電力を供給する。順変換器21の直流電圧は電力貯蔵システム1の蓄電池12の電圧よりも高くなるように制御される。
【0013】
これにより、電源系統3が正常なときは、無停電電源システム2は順変換器21および逆変換器22を通して電源系統3から重要負荷5へ電力を供給する。万一電源系統3が停電した場合は、電力貯蔵システム1の蓄電池12からダイオード13を介して直流電力が無停電電源システム2の逆変換器22を通して交流に変換され重要負荷5に供給される。また、電力貯蔵システム1の双方向変換器11が万一故障して蓄電池電圧の喪失や異常低下を生じた場合においても、ダイオード13により無停電電源システム2の直流回路の電圧は影響を受けることはない。したがって、電力貯蔵システム1と無停電電源システム2を併設したことによる重要負荷5に電力供給が出来なくなる機会の増加は、電力貯蔵システムの故障停止により蓄電池電圧13の異常低下や喪失が発生し、なお且つ交流電源系統3の停電が発生した場合に限られる。
【0014】
電力貯蔵システム1の故障において、双方向変換器部分で発生する故障に関しては、制御装置やヒューズによる保護動作で蓄電池電圧の異常低下や喪失に発展することは希頻度と言って良い。交流電源系統の停電も低頻度であることから両者の積条件である上記した重要負荷5に電力供給が出来なくなる機会の発生は非常に希頻度であると言ってよい。逆に、無停電電源システム2の順変換装置21が故障停止した場合において、電力貯蔵システム1の双方向変換器11から直流電力を供給することも可能であり、この場合、無停電電源システムと電力貯蔵システムの併設により、無停電電源の信頼性を向上させる側面もあると言うことが出来る。以上から無停電電源システムとしての信頼度は、電力貯蔵システムとの併設システムとしたことによっても、ほとんど悪影響を受けないと言うことが出来る。
【0015】
このように電力貯蔵システム1の双方向変換器11と無停電電源システム2の順変換器21を分離することで、それぞれの変換器を適正な容量と必要な信頼性水準で製作することが可能となる。これにより、無停電電源に要求される高い信頼性水準で電力貯蔵と無停電電源に要求される大容量の変換器を製作する必要がある従来の無停電電源機能併設の電力貯蔵システムに比べて、著しくコストを抑制したシステムを構築することが出来る。
【0016】
また、蓄電池12に関しても以下に記す理由から通常の電力貯蔵システムに比較して、ほとんどコストの増加はない。前記したように、概ね重要負荷5は通常負荷4に比べて小さい。また電力供給する時間は電力貯蔵システムに比較して無停電電源システムの方が大幅に短い時間である。すなわち、よく用いられる昼間の電力と夜間電力の差を平準化する電力貯蔵システムでは数時間程度であるのに対し、無停電電源の蓄電池が重要負荷5に対して電力供給をしなければならない時間は、概ね交流電源系統3が停電してからディーゼル発電機などの非常用発電設備が立ち上がるまでの時間や、コンピュータなどの機器が安全に停止処理を終えるまでの時間の数分間程度である。これらのことから無停電電源システム2用に必要とされる蓄電池12の容量は、電力貯蔵システム1の必要とする容量に比べ非常に小さなものとなる。このため、電力貯蔵システム1に無停電電源機能を併設した場合の電池容量の増加は僅かである場合がほとんどであり、電力貯蔵システム1に無停電電源機能を併設したことによる蓄電池コストの増加は僅かなものにとどまることになる。
【0017】
尚、無停電電源システム2の順変換器21ならびに逆変換器22は、単独の無停電電源システムに用いられる変換器と何ら違いのないものであることから、本発明は新設の電源システムばかりでなく、既設の無停電電源システムの非常用蓄電池のリプレースにあわせて、その変換器を流用することも可能である。
【0018】
以上請求項1および請求項3による実施形態を示した。
【0019】
ここで、請求項3によらない場合、すなわち電力貯蔵システム1の直流回路電圧が無停電電源システム2の直流電圧よりも高い場合においては、半導体スイッチ13をゲート信号によるオン制御が可能なサイリスタやGTOなどの半導体デバイスとし、無停電電源システム2の直流電圧が、交流電源系統3の停電や、その他何らかの原因で異常低下や喪失した場合に上記半導体デバイスを点弧させることで、上述と同様の動作をさせることが可能である。
【0020】
図2のブロック図を用いて、請求項第2に相当する電力貯蔵システムに無停電電源システムの機能を併設した電力変換システムの構成を説明する。この電力変換システムは、第1の交流電源系統31に接続され、双方向変換器11と電力貯蔵手段として働く蓄電池12とを有する電力貯蔵システム1と、第2の交流電源系統32に接続され、順方向変換器21と逆方向変換器22とを有する重要負荷5に接続される無停電電源システム2とからなり、電力貯蔵システム1の電力貯蔵手段12の出力と、無停電電源システム2の順方向変換器21と逆方向変換器22との接続点との間に、半導体スイッチとして働くダイオード13を設けて構成される。第1の交流電源系統31には、電力貯蔵システム1と、一般負荷4とを並列に接続して構成される。
【0021】
本発明は、このように受電する交流電源系統が互いに異なる電力貯蔵システムと無停電電源システムとの間の複合化にも適用が可能である。
【0022】
上記説明において、電力貯蔵手段として蓄電池を用いたが、本発明はこれに限らず他の電力貯蔵手段、例えば、フライホイール、充放電できる燃料電池、その他を用いることができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、電力貯蔵システム1の双方向変換器11と無停電電源システム2の順変換器21のそれぞれを適正な容量と必要な信頼性水準で製作することが可能となる。これにより、無停電電源に要求される高い信頼性水準で電力貯蔵と無停電電源に要求される大容量の変換器を製作する必要がある従来の無停電電源機能併設の電力貯蔵システムに比べて、著しくコストを抑制したシステムを構築することが出来る。
【0024】
また、本発明は、既設の無停電電源システムに電力貯蔵システムを増設する場合に、無停電電源システムの変換器をそのまま流用可能であり、資源の有効活用が出来ることとともに、増設工事期間中の重要負荷設備への無停電電源供給の停止時間を最小にすることが可能となる。
【0025】
請求項2の発明によれば、需要家の受電系統や構内系統が重要負荷設備用の電源系統と通常負荷用の電源系統とで別れているような電力設備においても本発明が適用でき、そのコスト低減効果を享受することが可能である。
【0026】
請求項3の発明によれば、交流電源系統の停電やその他何らかの原因で無停電電源装置2の直流回路電圧が異常低下や喪失した場合における逆変換器22への直流電力の供給を、順変換器21から蓄電池13に切り替える場合に何ら制御回路を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に対応するブロック図。
【図2】本発明の請求項2に対応するブロック図。
【図3】従来よりある電力貯蔵システムのブロック図。
【図4】従来よりある無停電電源システムの主要部のブロック図。
【符号の説明】
1 電力貯蔵システム
2 無停電電源システム
3、31、32 交流電源系統
4 一般負荷
5 重要負荷
11 双方向変換器
12 蓄電池
13 ダイオード
21 順変換器
22 逆変換器
Claims (3)
- 半導体電力変換器であってその一端を交流電源系統に、他端を第1の直流回路に接続されて交流側から直流側への電力変換ならびに直流側から交流側への電力変換が可能な双方向変換器と、前記第1の直流回路に接続されて直流電力を充放電する電力貯蔵手段とで構成される電力貯蔵システムに、
前記交流電源系統と第2の直流回路の間に接続される順変換器と、前記第2の直流回路と交流負荷との間に接続される逆変換器と、前記第1の直流回路から前記第2の直流回路の方向に電流を流すことが出来るように設置された半導体スイッチとで構成された無停電電源システムを併設することを特徴とする電力変換システム。 - 半導体電力変換器であってその一端を第1の交流電源系統に、他端を第1の直流回路に接続されて交流側から直流側への電力変換ならびに直流側から交流側への電力変換が可能な双方向変換器と、前記第1の直流回路に接続されて直流電力を充放電する電力貯蔵手段とで構成される電力貯蔵システムに、
前記第1の交流電源系統とは別系統の第2の交流電源系統と第2の直流回路の間に接続される順変換器と、前記第2の直流回路と交流負荷との間に接続される逆変換器と、前記第1の直流回路から前記第2の直流回路の方向に電流を流すことが出来るように設置された半導体スイッチとで構成された無停電電源システムを併設することを特徴とする電力変換システム。 - 前記請求項1または請求項2の電力変換システムにおいて、第1の直流回路電圧を第2の直流回路電圧よりも低く設定したことを特徴とする電力変換システム。
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