JP2005026349A - 電気化学キャパシタ用電極の製造方法及び電気化学キャパシタの製造方法 - Google Patents

電気化学キャパシタ用電極の製造方法及び電気化学キャパシタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性及び高温保存時の安定性に優れた電気化学キャパシタを構成可能な電気化学キャパシタ用電極の製造方法及び電気化学キャパシタの製造方法の提供。
【解決手段】集電体と、該集電体上に電気的接触を保つ状態で形成された電子伝導性の多孔体層とを有し、かつ、多孔体層には、電子伝導性を有する炭素材料からなる多孔体粒子と多孔体粒子を結着可能なバインダーとが少なくとも含まれている電気化学キャパシタ用電極の製造方法であって、プラズマガス雰囲気中において、原料に対して高周波熱プラズマ処理を施すことにより多孔体粒子を得るプラズマ処理工程を有しており、プラズマ処理工程後における全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ用電極の製造方法及び電気化学キャパシタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタは、小型化、軽量化が容易に可能であるため、例えば、携帯機器(小型電子機器)等の電源又はバックアップ用電源、電気自動車やハイブリッド車向けの補助電源等として期待されており、その性能(容量、耐電圧特性、サイクル特性、高温保存時の安定性)の更なる向上のための様々な検討がなされている。また、電気化学キャパシタの更なる性能向上を実現するために、電気化学キャパシタ内の電極の更なる性能向上も望まれている。
【0003】
上記の電極及びこれを備える電気化学キャパシタの特性の更なる向上を意図した電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタの製造技術としては、特に、不可逆容量を低減することを意図した、電極活物質となる炭素材料(賦活処理後のもの,活性炭等)に熱プラズマ処理を施し、該炭素材料の表面を清浄化する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
詳細なメカニズムについては解明されていないが、一般に、電気化学キャパシタの可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性、高温保存時の安定性といった電気化学特性は、電極活物質となる炭素材料からなる粒子の結晶化度(黒鉛化度)、表面形態、内部構造、表面化学組成、吸着水分量などに大きな影響を受けることが知られている。また、炭素材料の粒子表面における、カルボキシ基やカルボニル基などの含酸素官能基の量も上記の電気化学特性に大きな影響を与えることが知られている。
【0005】
上記技術は、熱プラズマ処理により、電極活物質となる炭素材料の表面を清浄化するとともに、その表面の物理的状態及び化学的状態を十分な電気化学的特性を得るために適した状態とすることを意図したものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−92432号公報
【特許文献2】
特開2000−223121号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1及び特許文献2に示されている技術をはじめとする熱プラズマ処理を用いる電極及びこれを備える電気化学キャパシタを製造する技術であっても、得られる電気化学キャパシタの電気化学特性、すなわち、可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性、高温保存時の安定性は未だ十分なものではなく、更なる改善の余地を有していた。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性及び高温保存時の安定性に優れた電気化学キャパシタを構成可能な電気化学キャパシタ用電極の製造方法及び電気化学キャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、熱プラズマ処理を用いる電極及びこれを備える電気化学キャパシタを製造する技術で製造した電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタあっても十分な電気化学特性が得られないのは、プラズマ処理後の電極の製造及び電気化学キャパシタの製造の工程において、表面を清浄化された炭素材料が、大気中などの水分及び酸素、更には有機化合物を含む雰囲気中に曝されてしまうことが、大きな原因の一つとなっていることを見出した。
【0009】
すなわち、熱プラズマ処理を用いる従来技術においては、表面を清浄化された炭素材料は、熱プラズマ処理後において、大気中などの水分及び酸素、更には有機化合物を含む雰囲気中に曝される。そのため、プラズマ処理後の炭素材料の清浄化された表面に再び水分が付着したり、該表面で酸素との(更に有機化合物が存在する時は該有機化合物も反応に関与する場合もある)反応が進行して表面に先に述べた酸素含有官能基が結合するため、これらの影響によりプラズマ処理による電気化学特性の向上が期待されるほど十分に得られていないことを本発明者らは見出した。
【0010】
例えば、電極中の炭素材料に水分が付着している場合には、電気化学キャパシタに電圧印加した際にこの水が容易に分解し、不可逆容量の発生要因となりサイクル特性が低下する。更に、電極中において、水の分解により発生するガスが存在するか或いは水が水蒸気として存在することにより十分な電気二重層が形成できず容量が低下する。更に、水分(液体又は固体)が付着していると電極のインピーダンスが増加して、サイクル特性が低下する。また、電極中の微量の水分により、特に高温(45℃以上)における非水電解質溶液の分解反応が促進されるため、特に高温(45℃以上)保存時における安定性が低下する。更に、酸素含有官能基が存在すると、十分な電気二重層が形成できず容量が低下する。
【0011】
例えば、本発明者らは、高周波熱プラズマ処理が施された炭素材料のうち大気中(温度:25℃、相対湿度:45%)に2時間放置したものについて、昇温脱離質量分析計(TDS)により測定を行ったところ、水酸基に由来するガスが炭素材料表面から大量に発生することを確認した。
【0012】
そして、本発明者らは、更に検討を重ねた結果、プラズマ処理後の電極製造及び電気化学キャパシタ製造の全工程を不活性ガス雰囲気中で行なうことが上述の目的達成のために極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明は、集電体と、該集電体上に電気的接触を保つ状態で形成された電子伝導性の多孔体層とを有し、かつ、多孔体層には、電子伝導性を有する炭素材料からなる多孔体粒子と多孔体粒子を結着可能なバインダーとが少なくとも含まれている電気化学キャパシタ用電極の製造方法であって、
プラズマガス雰囲気中において、原料に対して高周波熱プラズマ処理を施すことにより多孔体粒子を得るプラズマ処理工程を有しており、
プラズマ処理工程後における全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行うこと、
を特徴とする電気化学キャパシタ用電極の製造方法を提供する。
【0014】
ここで本発明において、「不活性ガス」とは、希ガス及び窒素ガスを示す。また、「不活性ガス雰囲気」とは、不活性ガスの割合が99.9%以上、好ましくは99.9%以上でありかつ、相対湿度が0.5%(露点温度で約−40℃)以下、好ましくは0.04%(露点温度で約−60℃)以下であり、酸素の割合が10ppm以下、好ましくは1ppm以下である雰囲気を示す。更に、プラズマ処理工程後の全ての製造工程における「不活性ガス雰囲気」は、プラズマ処理工程後の全ての製造工程をドライルーム又はグローブボックス内で行なうこと等により実現することができる。
【0015】
上述のように、本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造方法では、プラズマ処理工程後の全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行なうことにより、プラズマ処理により、電極活物質となる炭素材料の表面を清浄化するとともに、その表面の物理的状態及び化学的状態を十分な電気化学的特性を得るために適した状態を保持したまま電極を形成することができる。
【0016】
ここで、「高周波熱プラズマ」は、中圧(10〜70kPa程度)から1気圧において発生するプラズマであり、通常の低圧プラズマと異なり熱平衡に近いプラズマが得られるため、単にプラズマ等で局所的な反応を行うだけでなく、系に存在する物質まで高温にすることができる。したがって、高周波熱プラズマにより高温相の生成及び表面改質の両方が可能になる。具体的な現象としては、例えばプラズマガスにNを用いたときの表面の窒素化、Hを用いたときの表面の水素化、あるいは原子レベルでの物理的破壊、あるいは粒子表面のクリーニング等が考えられる。
【0017】
高周波熱プラズマを炭素材料からなる粒子の表面処理に用いる場合、炭素材料からなる粒子の「原料」(炭素材料又は樹脂材料)を高周波熱プラズマ雰囲気を用いて超高温処理によって黒鉛化し、更に、表面をイオン、ラジカル等で叩いて修飾する。
【0018】
そして、本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造方法により得られる電極の構成材料となる炭素材料は、このような高周波熱プラズマ処理が施されているため、材料表面近傍が乱層構造化しており、且つ、材料表面に存在していた微量の酸素や水素が該表面と反応し、新たな官能基が導入されるなど、十分な電気化学的特性を得るために適した表面の状態が実現されていると考えられる。
【0019】
従って、本発明の製造方法では、可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性及び高温保存時の安定性に優れた電気化学キャパシタを構成可能な電気化学キャパシタ用電極を容易かつ確実に得ることができる。
【0020】
また、本発明は、互いに対向する第1の電極及び第2の電極と、絶縁性を有しており第1の電極と第2の電極との間に隣接して配置されるセパレータと、非水電解質溶液と、第1の電極、第2の電極、セパレータ及び非水電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、を有する電気化学キャパシタの製造方法であって、
第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも一方を、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極の製造方法により製造し、かつ、
全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行うこと、
を特徴とする電気化学キャパシタの製造方法を提供する。
【0021】
上述の本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造方法により作製した電極を、第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも一方、好ましくは両方として使用し、かつ、全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行うことにより、プラズマ処理により、電極活物質となる炭素材料の表面を清浄化するとともに、その表面の物理的状態及び化学的状態を十分な電気化学的特性を得るために適した状態を保持したまま電気化学キャパシタを製造することができる。そのため、本発明の電気化学キャパシタの製造方法によれば、可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性及び高温保存時の安定性に優れた電気化学キャパシタを構成可能な電気化学キャパシタを容易かつ確実に形成できる。
【0022】
また、本発明において、互いに対向する第1の電極、セパレータ及び第2の電極がこの順で順次積層された積層体を「素体」という。また、この素体は、3層構造(第1の電極、セパレータ及び第2の電極)のものの他に、電極(第1の電極又は第2の電極)をセパレータとが、キャパシタの機能を発現するように交互に積層された5層以上の構成を有する積層体であってもよい。
【0023】
本発明において、「非水電解質溶液」は、電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタに使用可能な非水電解質溶液を示す。また、「非水電解質溶液」は液状の状態以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
図1は本発明の製造方法の好適な一実施形態により製造される電気化学キャパシタの一例(電気二重層キャパシタ)を示す正面図である。また、図2は図1に示す電気化学キャパシタ1の内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。更に、図3は図1に示す電気化学キャパシタを図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。また、図4は図1に示す電気化学キャパシタを図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。更に、図5は図1に示す電気化学キャパシタを図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【0026】
図1〜図5に示すように、電気化学キャパシタ1は、主として、互いに対向する平板状のアノード10(第1の電極)及び平板状のカソード20(第2の電極)と、アノード10とカソード20との間に隣接して配置される平板状のセパレータ40と、非水電解質溶液30と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、アノード10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるアノード用リード12(第1のリード)と、カソード20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるカソード用リード22(第2のリード)とから構成されている。ここで、「アノード」10及び「カソード」20は説明の便宜上、電気化学キャパシタ1の放電時の極性を基準に決定したものである。
【0027】
そして、電気化学キャパシタ1は、以下に説明する構成を有している。以下、図1〜図9に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細を説明する。
【0028】
ケース50は、先に述べたように、互いに対向する第1のフィルム51及び第2のフィルム52とを有している。ここで、図2に示すように、この電気化学キャパシタ1においては、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は連結されている。すなわち、ケース50は、一枚の複合包装フィルムからなる矩形状のフィルムを、図2に示す折り曲げ線X3−X3において折り曲げ、矩形状のフィルムの対向する1組の縁部同士(図中の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52B)を重ね合せ、後述する熱融着工程においてヒートシール(熱融着)を行うことにより形成されている。
【0029】
そして、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は、1枚の矩形状のフィルムを上述のように折り曲げた際にできる互いに対向する面(F51及びF52)を有する該フィルムの部分をそれぞれ示す。ここで、接合された後の第1のフィルム51及び第2のフィルム52のそれぞれの縁部を「シール部」という。
【0030】
これにより、折り曲げ線X3−X3の部分に第1のフィルム51と第2のフィルム52とを接合させるためのシール部を設ける必要がなくなるため、ケース50におけるシール部をより低減することができる。その結果、電気化学キャパシタ1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度をより向上させることができる。
【0031】
そして、本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、アノード10に接続されたアノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれの一端が上述の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bとを接合したシール部から外部に突出するように配置されている。そして、このアノード用リード12及びカソード用リード22と、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bとは、例えば、金型(図示せず)などの部材を用いてヒートシール(熱融着)されている。これにより、ケース50の充分な密封性が確保されている。
【0032】
また、第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは、可とう性を有するフィルムである。フィルムは軽量であり薄膜化が容易なため、電気化学キャパシタ1自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、電気化学キャパシタ1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度も容易に向上させることができる。
【0033】
このフィルムは可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケース50の十分な機械的強度と軽量性を確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層と、最内部の層の上方に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
【0034】
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムとしては、例えば、図6及び図7に示す構成の複合包装フィルムが挙げられる。
【0035】
図6示す複合包装フィルム53は、その内面F50aにおいて非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層50aと、最内部の層50aのもう一方の面(外側の面)上に配置される金属層50cと有する。また、図7示す複合包装フィルム54は、図6示す複合包装フィルム53の金属層50cの外側の面に更に合成樹脂製の最外部の層50bが配置された構成を有する。
【0036】
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムは、上述の最内部の層50aをはじめとする1以上の合成樹脂の層、金属箔などの金属層50cを備えた2以上の層を有する複合包装材であれば特に限定されないが、上記と同様の効果をより確実に得る観点から、図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50aと、最内部の層50aから最も遠いケース50の外表面の側に配置される合成樹脂製の最外部の層50bと、最内部の層50aと最外部の層50bとの間に配置される少なくとも1つの金属層50cとを有する3層以上の層から構成されていることがより好ましい。
【0037】
最内部の層50aは可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、かつ、使用される非水電解質溶液に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している合成樹脂であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0038】
また、上述した図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50a以外に、最外部の層50b等のような合成樹脂製の層を更に設ける場合、この合成樹脂製の層も、上記最内部の層と同様の構成材料を使用してよい。更に、この合成樹脂製の層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)等のエンジニアリングプラスチックからなる層を使用してもよい。
【0039】
また、ケース50における全てのシール部のシール方法は、生産性の観点から、ヒートシール(熱溶着)法であることが好ましい。この電気化学キャパシタの場合、特に、アノード用リード12及びカソード用リード22がケース50外部に突出する部分のシール部はヒートシール(熱溶着)法によりシールされている。
【0040】
金属層50cとしては、酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、ニッケル等からなる金属箔を使用してもよい。
【0041】
次に、アノード10及びカソード20について説明する。図8は図1に示す電気化学キャパシタのアノード10の基本構成の一例を示す模式断面図である。また、図9は、図1に示す電気化学キャパシタ1のカソード20の基本構成の一例を示す模式断面図である。アノード10及びカソード20は何れも本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造方法の好適な一実施形態により形成されるものである。
【0042】
図8に示すようにアノード10は、電子伝導性を有する集電体からなる集電体層16と、該集電体層16上に形成された電子伝導性を有する多孔体からなる多孔体層18とからなる。また、図9に示すようにカソード20は、集電体26と、該集電体26上に形成された電子伝導性の多孔体からなる多孔体層28とからなる。
【0043】
集電体層16及び集電体26は、多孔体層18及び多孔体層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている集電体を使用することができる。例えば、集電体層16及び集電体26としては、アルミニウムなどの金属箔等が挙げられる。
【0044】
多孔体層18及び多孔体層28の構成材料としての電子伝導性を有する炭素材料からなる多孔体粒子は、賦活処理の後において後述するプラズマ処理を施された電子伝導性を有する多孔質の炭素材料からなる粒子であれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている炭素電極等の分極性電極を構成する多孔体層に使用されているものと同様のものを使用することができる。例えば、原料炭(例えば、石油系重質油の流動接触分解装置のボトム油や減圧蒸留装置の残さ油を原料油とするディレードコーカーより製造された石油コークス或いはフェノール樹脂を炭化したもの、又は、天然のやしがら等)を賦活処理することにより得られる炭素材料からなる粒子を構成材料の主成分としているものを使用することができる。
【0045】
また、多孔体層18及び多孔体層28には、バインダーが含有されている。このようなバインダーとしては、後述の吸着処理工程において使用する有機溶媒には溶解しない合成樹脂が好ましい。これにより、多孔体粒子表面がバインダー粒子により過剰に被覆され該表面が有効に利用できなくことをより確実に防止することができる。更には、バインダーとしては、上記の特性を有しかつケトン系の溶剤に溶解可能な合成樹脂がより好ましい。このようなケトン系の溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサン等が挙げられる。
【0046】
具体的には、バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)、ポリフッ化ビニリデン(以下、「PVDF」という)、ポリエチレン(以下、「PE」という)、ポリプロピレン(以下、「PP」という)、フッ素系樹脂が好ましく挙げられる。特に、多孔体粒子表面がバインダー粒子により被覆され該表面が有効に利用できなくことをより確実に防止するの観点から、後述の吸着処理工程において使用する有機溶媒には溶解せず、かつ、ケトン系の溶剤に溶解可能なフッ素系樹脂がより好ましい。
【0047】
このようなフッ素系樹脂としては、フッ化ビニリデン(VDF)及びテトラフルオロエチレン(TFE)に基づく繰り返し単位を併有する共重合体、VDF及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)に基づく繰り返し単位を併有する共重合体、VDF、TFE及びHFPに基づく繰り返し単位を有する共重合体が挙げられる。
【0048】
多孔体層18及び多孔体層28には、例えば、炭素粉末に導電性を付与するための導電助剤(カーボンブラック等)が添加されていてもよい。
【0049】
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、イオン透過性を有しかつ絶縁性を有する多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタに用いられているセパレータを使用することができる。例えば、絶縁性の多孔体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
【0050】
また、カソード20の集電体28は、例えばアルミニウムからなるカソード用リード22の一端に電気的に接続され、カソード用リード22の他端はケース50の外部に延びている。一方、アノード10の集電体18も、例えば銅又はニッケルからなるアノード用リード導体12の一端に電気的に接続され、アノード用リード導体12の他端はケース14の外部に延びている。
【0051】
非水電解質溶液30はケース50の内部空間に充填され、その一部は、アノード10及びカソード20、及びセパレータ40の内部に含有されている。
【0052】
この非水電解質溶液30は、特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタに用いられている非水電解質溶液(有機溶媒を使用する非水電解質溶液)を使用することができる。
【0053】
更に、非水電解質溶液30の種類は特に限定されないが、一般的には溶質の溶解度、解離度、液の粘性を考慮して選択され、高導電率でかつ高電位窓(分解開始電圧が高い)の非水電解質溶液であることが望ましい。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、アセトニトリルが挙げられる。また、電解質としては、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(4フッ化ホウ素テトラエチルアンモニウム)のような4級アンモニウム塩が挙げられる。なお、この場合、混入水分を厳重に管理する必要がある。
【0054】
更に、図1及び図2に示すように、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなるケースのシール部に接触するアノード用リード12の部分の部分には、アノード用リード12と各フィルムとの密着性を充分に確保するとともにアノード用リード12と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層50cとの電気的な接触を防止するための接着剤(絶縁体)からなる接着剤層14が被覆されている。更に、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなるケースのシール部に接触するカソード用リード22の部分には、カソード用リード22と各フィルムとの密着性を充分に確保するとともにカソード用リード22と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層50cとの電気的な接触を防止するための接着剤(絶縁体)からなる接着剤層24が被覆されている。
【0055】
これら接着剤層14及び接着剤層24の構成材料となる接着剤は金属と合成樹脂の両方に密着することが可能な合成樹脂を含む接着剤であれば特に限定されないが、充分な密着性を確保する観点から、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を構成材料として含む接着剤であることが好ましい。なお、アノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれに対する複合包装フィルムの密着性を確保し、複合包装フィルム中の金属層の接触が充分に防止可能であれば、これら接着剤層14及び接着剤層24は配置しない構成としてもよい。
【0056】
次に、上述したケース50及び電気化学キャパシタ1(電気二重層キャパシタ)の作製方法(本発明の製造方法の好適な一実施形態)について説明する。
【0057】
先ず、素体60(アノード10、セパレータ40及びカソード20がこの順で順次積層された積層体)の製造方法の一例について説明する。以下、アノード10及びカソード20となる電極の製造方法について説明する。
【0058】
先ず、プラズマ処理工程において、図10に示す高周波熱プラズマの発生装置(プラズマトーチ)を用い、公知の賦活処理技術により賦活処理した原料から、アノード10の多孔体層18及びカソード20の多孔体層の構成材料となる炭素材料からなる粒子(以下、「多孔体粒子P1」という)を得る。具体的には、プラズマガス雰囲気中において、原料に対して高周波熱プラズマ処理を施すことにより形成する。図10は、プラズマ処理を行うために用いる高周波熱プラズマの発生装置(プラズマトーチ)の概略構成図である。
【0059】
ここで、上記原料としては、炭素材料及び高周波熱プラズマ処理により炭素材料となる材料が挙げられる。
【0060】
上記高周波熱プラズマ処理により炭素材料となる原料としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、フラン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル等の鎖状ビニル系高分子、ポリフェニレンのようなビフェニル結合からなる高分子等の各種樹脂が挙げられ、含窒素樹脂、例えばポリアニリン、ポリイミド、ナイロン等のポリアミド、窒素含有フェノール樹脂等も使用可能である。また、このほか、多糖類等の各種糖類を用いることも可能である。これらのうちではフェノール樹脂、特に真球状のフェノール樹脂が好ましい。
【0061】
上記炭素材料からなる原料としては、グラファイト、グラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンファイバー、カーボンペースト、活性炭等が挙げられるが、特に活性炭が好ましい。活性炭であれば特に制限はなく、原料炭{例えば、石油系重質油の流動接触分解装置のボトム油や減圧蒸留装置の残さ油を原料油とするディレードコーカーより製造された石油コークス又は樹脂を炭化したもの(フェノール樹脂など)や天然材料を炭化したもの(例えばヤシ殻炭)等}を賦活処理することにより得られるものを主成分としているものが好ましい。
【0062】
これらの中では、特にMCMB(メソフェーズカーボンマイクロビーズ)が好ましい。このMCMBはピッチから得られる真球状の炭素質材料を黒鉛化したものであり、従来の黒鉛材料に比べて電極材料の作製において取扱いが容易である。すなわち、流動性に優れているので、高周波熱プラズマ処理に供するのに適し、大量処理が可能で生産性に優れる傾向がある。また、電極を形成する際の膜化が容易となる傾向がある。
【0063】
高周波熱プラズマ処理に供される材料及び高周波熱プラズマ処理後の炭素質材料は、粒子状又は粉末状であることが好ましく、その平均粒径は0.5〜100μm程度であることが好ましい。これらの粒子は球状であることが好ましいが、球状以外の形状、例えば、回転楕円体状や不定形状であってもよい。
【0064】
本発明における高周波熱プラズマ処理は、例えば、「石垣隆正,セラミックス,30(1995)No.11,1013〜1016」、特開平7−31873号公報、特開平10−92432号公報及び特開2000−223121号公報に従って行うことができる。
【0065】
図10に示す高周波熱プラズマ発生装置(熱プラズマトーチ)100は、プラズマトーチ中へ連続的に対象物を導入し、下部において回収するものである。高周波熱プラズマ発生装置100は、水冷二重管110の外周に高周波コイル12を巻いた構成を有する。そして、高周波電磁誘導を行い、水冷二重管110の内部に熱プラズマを形成するものである。水冷二重管11の上部に位置する開口部には蓋130が取り付けられており、蓋130には高周波熱プラズマ処理に供する原料の粉末とキャリアガスとを供給する粉末供給用水冷プローブ140が設置されている。また、装置100内部には、主としてプラズマ流を形成するためのセントラルガス(Gp)、主としてプラズマ流の外側を包むためのシースガス(Gs)が導入される。
【0066】
なお、本発明においては、セントラルガス、シースガス及びキャリアガスを合わせて「プラズマガス」という。そして、このプラズマガス雰囲気中において、高周波熱プラズマ処理が行われる。
【0067】
また、プラズマガスとしては、少なくともArを用いることが好ましく、N、H、CO及びCOのうちの少なくとも一種と、Arとを併用することがより好ましい。特に、N又はHとArとの併用や、これらに更にCOを加えることが好ましい。プラズマガス中のAr以外のガスの含有量は、プラズマガス全量に対して1〜20体積%であることが好ましい。セントラルガス、シースガス及びキャリアガスのそれぞれに用いるガスの種類は特に制限されないが、いずれも少なくともArを含むことが好ましく、特にシースガスには、トーチ内壁を保護するため、NやHのような二原子気体を混合することが好ましい。プラズマガスとして少なくともHを用いると、不可逆容量を低減して、初回の充放電効率をより十分に向上することができる傾向がある。セントラルガスとシースガスとの合計流量は、通常、2〜200L/minであり、好ましくは30〜130L/minである。
【0068】
更に、導入する原料の量は、1〜500g/minとすることが好ましく、キャリアガスの流量は、1〜100L/minとすることが好ましい。
【0069】
また、プラズマガスを適宜選択することにより、高周波熱プラズマ処理による効果を制御することができ、例えば、Nに比べてHは熱伝導率が高いので、Hを用いた場合には、通常、加熱効率が高くなる傾向がある。
【0070】
高周波熱プラズマの発生条件は、通常、周波数が0.5〜6MHz、好ましくは3〜6MHzであり、投入電力が3〜60kWであり、トーチ内部の圧力が1〜100kPa、好ましくは10〜70kPaである。
【0071】
このような装置100を用いることにより、3,000〜15,000℃での高周波熱プラズマ処理が可能となる。本発明では、3,000〜15,000℃の温度域における原料の滞留時間を、0.001〜10秒、特に0.02〜0.5秒程度とすることが好ましい。
【0072】
また、高周波熱プラズマ発生装置100(プラズマトーチ)の大きさは特に制限されないが、図10に示す構造とする場合には、管径を10〜1000mmとすることが好ましく、50〜100mmとすることがより好ましく、高さを50〜3000mmとすることが好ましく、200〜3000mmとすることがより好ましい。
【0073】
なお、原料は、単独で高周波熱プラズマ処理してもよいが、酸化物を混合した状態で高周波熱プラズマ処理してもよい。この場合に用いる酸化物としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、リチウムバナジウム化合物、V、オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe)等が好ましい。酸化物の配合量は、混合物(原料+酸化物)全量を基準として、10質量%以下とすることが好ましい。
【0074】
得られる多孔質粒子は、窒素吸着等温線からBET等温吸着式を用いて求められるBET比表面積が1000m/g以上であることが好ましく、1500〜3000m/gであることがより好ましい。このようなBET比表面積を有する電極用炭素材料であれば、電気化学キャパシタ用電極の構成材料として用いた場合に、十分な電極特性を得ることがより確実にできる。
【0075】
次に、アノード10及びカソード20を形成する。本発明の場合、後述する湿式法及び乾式法の何れの方法でもアノード10及びカソード20を形成することができる。但し、何れの方法の場合にも、不活性ガス雰囲気中で作業を進行する。例えば、内部を不活性ガスで満たし、酸素濃度を1ppm以下に調節し、かつ、相対湿度を0.04%(露点温度で約−60℃)以下に調節したグローブボックス中で作業を行なう。
【0076】
(湿式法)
湿式法によりアノード10及びカソード20を形成する場合について説明する。先ず、塗布液調製工程において電極形成用塗布液L2を調製する。図11(a)及び(b)は、電極形成用塗布液を調製する塗布液調製工程を説明するための説明図である。
【0077】
先ず、図11(a)に示すように、非水電解質溶液に使用可能な有機溶媒L1と撹拌子SB1とを入れた容器C1中に、多孔体粒子P1を投入し撹拌する。ここで使用する有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0078】
次に、多孔体粒子P1を含む有機溶媒L1中に、導電助剤(先に述べたカーボンブラック、粉末グラファイト等)からなる粒子P2、バインダー(先に述べたPTFE、PVDF、PE、PP、フッ素ゴム等)からなる粒子P3、上記バインダーからなる粒子P3を溶解又は分散するとともに多孔体粒子P4及び粒子P2を分散可能な液体S(好ましくはバインダーからなる粒子P3を溶解する液体)を投入し、撹拌することにより電極形成用塗布液L2を調製する。
【0079】
次に、上記の電極形成用塗布液L2、並びに、図12及び図13に示すような装置70及び装置80を用いて図16に示す電極シートES10を形成する。なお、以下の説明においては、アノード10用の電極シートES10(図16参照)、及び、電極シートES10から得られるアノード10の形成方法について説明し、アノード10と同様の構成を有するカソード20の形成方法については省略する。
【0080】
図12に示す装置70は、主として、第1のロール71と、第2のロール72と、第1のロール71と第2のロール72との間に配置される乾燥機73と、2つの支持ロール79とから構成されている。第1のロール71は、円柱状の巻心74とテープ状の積層体シート75とから構成されている。この積層体シート75の一端は巻心74に接続されており、更に積層体シート75は巻心74に巻回されている。更に積層体シート75は、基体シートB1上に金属箔シート16Aが積層された構成を有している。
【0081】
また、第2のロール72は、上記積層体シート75の他端が接続された円柱状の巻芯76を有している。更に、第2のロール72の巻芯76には当該巻芯76を回転させるための巻芯駆動用モータ(図示せず)が接続されており、電極形成用の塗布液L1を塗布し更に乾燥機73中において乾燥処理を施された後の積層体シート77が所定の速度で巻回されるようになっている。
【0082】
先ず、巻芯駆動用モータが回転すると、第2のロール72の巻芯76が回転し、第1のロール71の巻心74に巻回されている積層体シート75が第1のロール71の外部に引き出される。次に、引き出された積層体シート75の金属箔シート16A上に、電極形成用塗布液L2を塗布する(塗布工程)。これにより、金属箔シート16A上には電極形成用塗布液L2からなる塗膜L4が形成される。
【0083】
次に、巻芯駆動用モータの回転により、塗膜L4の形成された積層体シート75の部分は、支持ロール79により乾燥機73中に導かれる。乾燥機73中において、積層体シート75上の塗膜L4は乾燥されて電極とされたときの多孔体層18の前駆体となる層78(以下、「前駆体層78」という)となる(液体除去工程)。そして、巻芯駆動用モータの回転により、積層体シート75上に前駆体層78の形成された積層体シート77は、支持ロール79により巻芯76へ導かれて巻芯76に巻回される。
【0084】
次に、上記の積層体シート77と、図13に示す装置80を使用して電極シートES10を作製する。
【0085】
図13に示す装置80は、主として、第1のロール81と、第2のロール82と、第1のロール81と第2のロール82との間に配置されるロールプレス機83とから構成されている。第1のロール81は、円柱状の巻心84と先に述べたテープ状の積層体シート77とから構成されている。この積層体シート77の一端は巻心84に接続されており、更に積層体シート77は巻心84に巻回されている。積層体シート77は、基体シートB1上に金属箔シート16Aが積層された積層体シート75上に前駆体層78が更に積層された構成を有している。
【0086】
また、第2のロール82は、上記積層体シート77の他端が接続された円柱状の巻芯86を有している。更に、第2のロール82の巻芯86には当該巻芯86を回転させるための巻芯駆動用モータ(図示せず)が接続されており、ロールプレス機83中においてプレス処理を施された後の積層体シート87が所定の速度で巻回されるようになっている。
【0087】
先ず、巻芯駆動用モータが回転すると、第2のロール82の巻芯86が回転し、第1のロール81の巻心84に巻回されている積層体シート77が第1のロール81の外部に引き出される。次に、巻芯駆動用モータの回転により、積層体シート77は、ロールプレス機83中に導かれる。ロールプレス機83中には、2つの円柱状のローラ83Aとローラ83Bが配置されている。ローラ83Aとローラ83Bとは、これらの間に積層体シート77が挿入されるように配置されており、これらの間に積層体シート77が挿入される際に、ローラ83Aの側面と積層体シート77の前駆体層78の外表面が接触し、ローラ83Bの側面と積層体シート77の基体シートB1の外表面(裏面)が接触する状態となり、かつ、所定の温度と圧力で積層体シート77を押圧できるように設置されている。
【0088】
また、この円柱状のローラ83A及びローラ83Bは、それぞれが積層体シート77の移動方向に従う方向に回転する回転機構が備えられている。更に、この円柱状のローラ83A及びローラ83Bは、それぞれの底面間の長さが積層体シート77の幅以上となる大きさを有している。
【0089】
ロールプレス機83中において、積層体シート77上の前駆体層78は必要に応じて加熱及び加圧処理され、多孔体層18A(アノードとされたときの多孔体層18)となる。そして、巻芯駆動用モータの回転により、積層体シート77上に多孔体層18Aの形成された積層体シート87は、巻芯86に巻回される。
【0090】
次に、図14(a)に示すように、巻芯86に巻回された積層体シート87を所定の大きさに切断し、電極シートES10を得る。なお、図14(a)に示す電極シートES10の場合、金属箔シート16Aの表面が露出した縁部12Aが形成されている。縁部12Aは、電極形成用塗布液L2を積層体シート75の金属箔シート16A上に塗布する際に、金属箔シート16Aの中央部にのみ電極形成用塗布液L2を塗布するように調節することにより形成することができる。
【0091】
次に、図14(b)に示すように、作製する電気化学キャパシタのスケールに合わせて、電極シートES10を打ち抜き、図14(c)に示すアノード10を得る。このとき、先に述べた縁部12Aの部分がアノード用リード12として含まれるように電極シートES10を打ち抜くことにより、予めアノード用リード12が一体化された状態のアノード10を得ることができる。なお、アノード用リード導体12及びカソード用リード22を接続していない場合には、アノード用リード導体12及びカソード用リード22を別途用意し、アノード10及びカソード20のそれぞれに対して電気的に接続する。
【0092】
次に、別途用意したセパレータ40をアノード10とカソード20との間に接触した状態で配置し、素体60を完成する。
【0093】
ここで、電気化学キャパシタ1において、アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、その一方の面をアノード10のカソード20側の面(以下、「内面」という)に接触した状態で配置されており、かつ、他方の面をカソード20のアノード10側の面(以下、「内面」という)に接触した状態で配置されている。すなわち、セパレータ40は、アノード10及びカソード20に対して接触した状態で配置されているが、熱圧着等により接合された状態とはなっていない。
【0094】
セパレータ40を熱圧着等によりアノード10及びカソード20に接合させると、1)両電極中の電気二重層形成に寄与する細孔或は空隙が潰される、2)セパレータ40中の細孔も部分的に潰されるため、内部抵抗が大きくなる。特に、小型電子機器に搭載されるキャパシタ容量の小さな小型の電気化学キャパシタとして使用する場合では、内部抵抗(インピーダンス)の僅かの差が顕著に放電特性に影響する。内部抵抗が増大すると、オーム損(IR損)が大きくなり放電特性が低下する。特に大電流を放電させる場合にオーム損が大きくなり、放電が不可能になる場合がある。そのため、この電気化学キャパシタ1(電気二重層キャパシタ)では、セパレータ40がアノード10及びカソード20に対して上述のように接触した状態で配置された構成を採用する。
【0095】
また、上述のようにセパレータ40がアノード10及びカソード20に対して接触した状態で配置された構成を採用する場合、セパレータ40とアノード10との接触状態、及び、セパレータ40とカソード20との接触状態は、それぞれ空隙が最小値となるように調節されることが必要となる。セパレータ40とアノード10との接触状態及びセパレータ40とカソード20との接触状態が不十分であると、電気化学キャパシタ1(電気二重層キャパシタ)の内部抵抗が増大して放電特性が低下する。
【0096】
(乾式法)
また、本発明においては、上記の電極形成用塗布液を調製せずに、乾式法でアノード10及びカソード20を作製してもよい。
【0097】
乾式法は、溶媒を用いずに電極を形成する方法であり、1)溶媒が不溶で安全である、2)溶媒を使用せず粒子のみを圧延するため電極(多孔体層)の高密度化を容易に行なうことができる、3)溶媒を使用しないので、湿式法で問題となる、集電体上に塗布した電極形成用塗布液からなる液膜の乾燥過程において、多孔体粒子P1、導電性を付与するための導電助剤からなる粒子P2、及び、バインダーからなる粒子P3の凝集及び偏在が発生しない、等の利点がある。
【0098】
例えば、多孔体粒子P1と、導電性を付与するための導電助剤からなる粒子P2と、例えば、バインダーからなる粒子P3とを添加して混練して混練物を調製し(混練物調製工程)、この混練物を圧延伸してシート状に成形することにより電極を製造してもよい。
【0099】
図15は乾式法による電極シートの形成工程を説明するための説明図である。例えば、図15に示すように、熱ロール機の一対の熱ロール84及び85の間に、多孔体粒子P1と、導電性を付与するための導電助剤からなる粒子P2と、例えば、バインダーからなる粒子P3とを投入し、これらを混合して混練すると共に、熱及び圧力により圧延し、シート状に成形する。このとき、熱ロール84及び85の表面温度は60〜120℃であることが好ましく、圧力は線圧10kgf/cm〜5000kgf/cmであることが好ましい。
【0100】
なお、集電体と活物質含有層とを電気的に接触させることは、活物質含有層を熱ロールで成形してから行ってもよいが、集電体と、該集電体の一方の面上に撒布された活物質含有層の構成材料とを熱ロールに供給して、活物質含有層のシート成形及び活物質含有層と集電体との電気的な接続を同時に行うようにしてもよい。
【0101】
次に、ケース50の作製方法について説明する。まず、第1のフィルム及び第2のフィルムを先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネ−ション法、ウエットラミネ−ション法、ホットメルトラミネ−ション法、エクストル−ジョンラミネ−ション法等の既知の製造法を用いて作製する。なお、このケースの作製は、不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましいが、必ずしも不活性ガス雰囲気中で行わなくてもよい。ただし、ケース50中に素体60、電解質溶液30を封入する作業は不活性ガス雰囲気中で行なう。
【0102】
例えば、複合包装フィルムを構成する合成樹脂製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
【0103】
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、合成樹脂製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
【0104】
次に、先に図2を参照して説明したように、1枚のフィルム53を折り曲げて、素体60を配置する。
【0105】
次に、第1のフィルム51及び第2のフィルム52の熱融着させるべき接触部分のうち、第1のフィルム51の熱融着すべき縁部(シール部51B)と第2のフィルム52の熱融着すべき縁部(シール部52B)との間に第1のリード及び第2のリードが配置される部分に対して熱融着処理を行う。ここで、アノード用リード12の表面にはケース50の充分な密封性をより確実に得る観点から、先に述べた接着剤を塗布しておくことが好ましい。これにより、熱融着処理の後において、アノード用リード12と、第1のフィルム51及び第2のフィルム52との間には、これらの密着性に寄与する接着剤からなる接着剤層14が形成される。次に、以上説明した手順と同様の手順で、カソード用リード22の周囲の部分についても熱融着処理を上記の熱融着処理と同時或いは別途行うことにより、充分な密封性を有するケー−ス50を形成することができる。
【0106】
次に、第1のフィルム51のシール部51B(縁部51B)と第2のフィルムのシール部52B(縁部52B)のうち、上述のアノード用リード12の周囲の部分及びカソード用リード22の周囲の部分以外の部分を、例えば、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシール(熱溶着)する。
【0107】
このとき、図16に示すように、非水電解質溶液30を注入するための開口部H51を確保するために、一部のヒートシールを行わない部分を設けておく。これにより開口部開口部H51を有した状態のケース50が得られる。
【0108】
そして、不活性ガス雰囲気中で、図16に示すように、開口部H51から非水電解質溶液30を注入する。続いて、減圧シール機を用いて、ケース50の開口部H51をシールする。更に、図17に示すように、得られる電気化学キャパシタ1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度を向上させる観点から、必要に応じてケース50シール部を折り曲げる。このようにしてケース50及び電気化学キャパシタ1(電気二重層キャパシタ)の作製が完了する。
【0109】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の説明において、電気化学キャパシタ1のシール部を折り曲げることにより、よりコンパクトな構成としてもよい。また、上記実施形態の説明においては、アノード10及びカソード20をそれぞれ1つずつ備えた電気化学キャパシタ1について説明したが、アノード10及びカソード20をそれぞれ1以上備え、アノード10とカソード20との間にセパレータ40が常に1つ配置される構成としてもよい。
【0110】
また、上記実施形態の説明においては、主として、本発明の製造方法により電気二重層キャパシタを製造する場合について説明したが、本発明の製造方法により製造される電気化学キャパシタは電気二重層キャパシタに限定されるものではなく、例えば、本発明の製造方法は、擬似容量キャパシタ、シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学キャパシタの製造にも適用可能である。
【0111】
例えば、本発明の電極は、単位セル(アノード2、カソード3及びセパレータを兼ねる電解質層4からなるセル)を複数積層し、これを所定のケース内に密閉した状態で保持させた(パッケージ化した)モジュールの構成を有していてもよい。
【0112】
更に、この場合、各単位セルを並列に接続してもよく、直列に接続してもよい。また、例えば、このモジュールを更に直列又は並列に複数電気的に接続させた電池ユニットを構成してもよい。この電池ユニットとしては、例えば、1つのモジュールのカソード端子と別のモジュールのアノード端子とが金属片により電気的に接続されることにより、直列接続の電池ユニットを構成することができる。
【0113】
例えば、3つのアノード10a〜10c及びカソード20a〜20c及び5つのセパレータ40a〜40eを積層した構成とする場合には、例えば、図18に示すように、不活性ガス雰囲気中で、3つのアノード10a〜10c及びカソード20a〜20c及び5つのセパレータ40a〜40eを順次積層した積層体60Aを形成する。そして、不活性ガス雰囲気中で、積層体60Aをケース50中に密封する。
【0114】
更に、上述のモジュールや電池ユニットを構成する場合、必要に応じて、既存の電池に備えられているものと同様の保護回路やPTCを更に設けてもよい。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造方法によれば、可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性及び高温保存時の安定性に優れた電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタを容易かつ確実に形成できる。また、本発明の電気化学キャパシタの製造方法によれば、可逆容量、耐電圧特性、サイクル特性及び高温保存時の安定性に優れた電気化学キャパシタを容易かつ確実に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造方法の好適な一実施形態により製造される電気化学キャパシタの一例(電気二重層キャパシタ)を示す正面図である。
【図2】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)の内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。
【図3】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)を図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。
【図4】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)を図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【図5】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)を図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【図6】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)のケースの構成材料となるフィルムの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図7】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)のケースの構成材料となるフィルムの基本構成の別の一例を示す模式断面図である。
【図8】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)のアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図9】図1に示す電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)のカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図10】プラズマ処理を行うために用いる高周波熱プラズマの発生装置(プラズマトーチ)の概略構成図である。
【図11】(a)及び(b)は、電極形成用塗布液を調製する塗布液調製工程を説明するための説明図である。
【図12】電極形成用塗布液を用いた電極シートの形成工程を説明するための説明図である。
【図13】電極形成用塗布液を用いた電極シートの形成工程を説明するための説明図である。
【図14】(a)〜(c)は電極シートから電極を形成する工程を説明するための説明図である。
【図15】乾式法による電極シートの形成工程を説明するための説明図である。
【図16】ケース内に非水電解質溶液を充填する際の手順の一例を示す説明図である。
【図17】ケースのシール部を折り曲げた場合の電気化学キャパシタを示す斜視図である。
【図18】複数の電極及びセパレータからなる積層体を形成する場合の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1…電気化学キャパシタ、10…アノード、12…アノード用リード、14…接着剤層、20…カソード、22…カソード用リード、24…接着剤層、30…非水電解質溶液、40…セパレータ、50…ケース、60…素体、100・・・高周波熱プラズマの発生装置(プラズマトーチ)、110…水冷二重管、120・・・高周波コイル、130…蓋、140・・・粉末(電極活物質からなる粒子)供給用水冷プローブ、150…チャンバ、L1・・・有機溶媒、L2・・・電極形成用塗布液、P1・・・多孔体粒子、P2・・・導電助剤からなる粒子、P3・・・バインダーからなる粒子、S・・・液体、SB1・・・撹拌子。

Claims (6)

  1. 集電体と、該集電体上に電気的接触を保つ状態で形成された電子伝導性の多孔体層とを有し、かつ、前記多孔体層には、電子伝導性を有する炭素材料からなる多孔体粒子と前記多孔体粒子を結着可能なバインダーとが少なくとも含まれている電気化学キャパシタ用電極の製造方法であって、
    プラズマガス雰囲気中において、原料に対して高周波熱プラズマ処理を施すことにより前記多孔体粒子を得るプラズマ処理工程を有しており、
    前記プラズマ処理工程後における全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行うこと、
    を特徴とする電気化学キャパシタ用電極の製造方法。
  2. 前記プラズマ処理工程後に得られる前記多孔体粒子と、前記バインダーと、該バインダーを溶解又は分散可能な液体とを含む電極形成用塗布液を調製する塗布液調製工程と、
    前記塗布液を前記集電体上に塗布し、更に前記液体を除去して前記多孔体層を形成する多孔体層形成工程と、
    を含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載の電気化学キャパシタ用電極の製造方法。
  3. 前記プラズマ処理工程後に得られる多孔体粒子と、前記バインダーとを含む混合物を混練し、電極形成用混練物を調製する混練物調製工程と、
    熱ロール機を用いて前記混練物をシート化処理し、得られるシートを前記多孔体層として前記集電体上に配置する多孔体層形成工程と、
    を含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載の電気化学キャパシタ用電極の製造方法。
  4. 前記多孔体層形成工程の後、得られる電極を前記不活性ガス雰囲気中で密閉した状態で保存可能なケース内に密閉する保存工程を更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の電気化学キャパシタ用電極の製造方法。
  5. 互いに対向する第1の電極及び第2の電極と、絶縁性を有しており前記第1の電極と前記第2の電極との間に隣接して配置されるセパレータと、非水電解質溶液と、前記第1の電極、前記第2の電極、前記セパレータ及び前記非水電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、を有する電気化学キャパシタの製造方法であって、
    前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも一方を、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極の製造方法により製造し、かつ、
    全ての製造工程を不活性ガス雰囲気中で行うこと、
    を特徴とする電気化学キャパシタの製造方法。
  6. 前記第1の電極及び前記第2の電極の両方を、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極の製造方法により製造すること、を特徴とする請求項5記載の電気化学キャパシタの製造方法。
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