JP2005025368A - Icカード処理装置及び払い戻しシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ICカードに対して適切な払い戻しが可能なICカード処理装置を提供すること。
【解決手段】ICカードに記録された情報を読み取る読取手段(112)と、前記読取手段により読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断する判断手段(150)と、前記判断手段による判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段(112)とを備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】ICカードに記録された情報を読み取る読取手段(112)と、前記読取手段により読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断する判断手段(150)と、前記判断手段による判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段(112)とを備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道などの交通機関における運賃の払い戻しに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、改札処理における係員の省力化を目的として、自動改札装置が導入されている。自動改札装置は、ストアードフェアカード(SFカード)、定期券、普通乗車券などの磁気券を受け取り、磁気券に記録された情報を読み取り、入場又は出場の改札可否を判定し、磁気券を返却又は回収する。自動改札装置が、乗車情報の読み取り結果に基づき、運賃不足、期限切れ、区間外乗車などの理由から改札否と判定すると、ドアの開閉を制御して乗客を駅構内に入場させない、駅構内から出場させない、又は乗り換えを許可しないようにする。
【0003】
上記した自動改札装置は、例えば入場改札時にSFカードを受け取ると、SFカードにチャージされている金額情報から初乗り運賃を差し引き、SFカードを返却する。例えば、SFカード利用客が、自動改札装置を経て誤入場してしまった場合であっても、当然ながらSFカードからは初乗り運賃が差し引かれてしまう。このようなケースにおける出場改札処理及び初乗り運賃の払い戻しを行なう技術が、特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−345351号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の技術によると、払い戻しの正当性を自動的に判断する際、入場データのみに基づいていた。これ以外の条件については記載されていない。
【0006】
これに対し本発明は、列車の運行状態も反映することができるようにした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、この発明のICカード処理装置及び払い戻しシステムは、以下のように構成されている。
【0008】
(1)この発明のICカード処理装置は、ICカードに記録された情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段とを備え、前記判断手段は外部入力される列車運行情報に基づき払い戻しの正当性を判断する。
【0009】
(2)この発明の払い戻しシステムは、ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき入場改札判定を行い、前記ICカードから所定の金額を引き去り入場情報を記録する入場改札手段と、前記ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき出場改札判定を行い、必要に応じて前記ICカードから不足分の金額を引き去り出場情報を記録する出場改札手段と、前記ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき払い戻しの正当性を判断し、判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段とを備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、この発明の一例に係る払い戻しシステムの概略構成を示す図である。図1に示すように、払い戻しシステムは、ICカード処理装置1、自動改札装置2、監視端末3、監視カメラ4を備えている。
【0012】
まず、ICカード処理装置1、自動改札装置2、及び監視端末3の概略構成について説明する。
【0013】
図2は、ICカード処理装置1の外観を示す斜視図であり、図3はICカード処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0014】
図2に示すように、ICカード処理装置1は、表示部102、紙幣取り扱い口103、カード取り扱い口104、硬貨投入口105、カメラ106、硬貨排出口107、及び受け皿108を備えている。なお、ICカード処理装置1は、磁気券を発行する券売機能を備えた装置であってもよい。
【0015】
表示部102は、図3に示すLCD表示部121及びタッチパネル部122で構成されており、各種処理に応じた画面が表示され、この画面の所定位置に対するタッチ操作に対応して各種情報入力が可能となっている。紙幣取り扱い口103は、顧客により挿入される紙幣を受け取ったり、顧客に対してつり銭としての紙幣を返却したりする。カード取り扱い口104は、顧客に対して発行したICカード4を提供したり、顧客から投入されるICカード4を受け取ったりする。硬貨投入口105は、顧客により投入される硬貨を受け入れる。カメラ106は、ICカードの発行を希望する利用客の顔画像を撮影したり、後述する払い戻し処理を希望する利用客の顔画像を撮影したりする。硬貨排出口107は、顧客に対してつり銭としての硬貨を返却する。受け皿108は、硬貨排出口107から返却されるつり銭としての硬貨を受け止める。
【0016】
図3に示すように、ICカード処理装置1は、主制御部100を備えており、この主制御部100によりICカードの発行及びICカードに対する金額チャージ等の処理が制御される。主制御部100には、ユニット伝送部110、接客部120、係員操作部130、記憶部140、払い戻し判定部150、及び通信制御部160などが接続されている。
【0017】
ユニット伝送部110には、カード発行ユニット111、カード処理ユニット112、紙幣処理ユニット113、及び硬貨処理ユニット114などが接続されている。接客部120には、上記説明したLCD表示部121及びタッチパネル部122などが接続されている。係員操作部130は、各種情報を表示する係員表示部、各種情報を入力する係員入力部等を備えている。通信制御部160は、図1に示す監視端末3と交信し、各種情報を受け渡しする。記憶部140は、通信制御部160を介して受信した各種情報を記憶する。払い戻し判断部150は、払い戻しの正当性を判断する。払い戻しの正当性の判断については、後に詳しく説明する。
【0018】
カード発行ユニット111は、タッチパネル部122を介して入力される個人情報に基づき、所定の代金投入と引き換えに、乗車券媒体として利用可能なICカード4を発行する。個人情報とは、例えば、氏名、電話番号、住所などの情報である。また、カード発行ユニット111は、タッチパネル部122を介して入力される個人情報に加えて、カメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報に基づき、所定の代金投入と引き換えに、乗車券媒体として利用可能なICカード4を発行するようにしてもよい。
【0019】
カード発行ユニット111により発行されるICカード4には、少なくともIDコードが記憶されている。さらに、ICカード4には、上記したようにカメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報を記憶するようにしてもよい。なお、ICカード4にはIDコードだけを記憶し、別のサーバ等でIDコードと顔画像情報を対応付けて管理するようにしてもよい。いずれにしても、ICカード4の利用者の顔画像情報を利用登録し、ICカード4のセキュリティを高めることができる。
【0020】
カード発行ユニット111により発行されるICカード4は、所定の金額情報がチャージされたストアードフェア(SF)機能を有するカードであり、さらに定期券としての機能を有するカードであってもよい。また、このICカード4は、例えば無線通信可能なICカードであってもよい。
【0021】
カード処理ユニット112は、カード取り扱い口104を介して投入されたICカード4と交信し(又は所定位置にかざされたICカード4と交信し)、ICカード4に記録された情報を読み取ったり、ICカード4に対して情報を記録したりする。例えば、カード処理ユニット112は、カード取り扱い口104を介して投入されたICカード4に対して、利用者により投入されるチャージ金額に応じた金額情報をチャージする。さらに、このカード処理ユニット112は、払戻手段としても機能し、後述する払い戻し処理を実行する。
【0022】
図4は自動改札装置2の外観を示す斜視図であり、図5は自動改札装置2の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
自動改札装置2は、通常、2台1組として設置され、両者の間に通行者が通行する通路が形成される。そして、この自動改札装置2は、例えば磁気券及びICカードの両方を処理できる。
【0024】
図4に示すように、自動改札装置2の上面の一端部には、たとえば、有効期間や利用可能区間などの改札情報が磁気エンコード記録された乗車券(定期券、普通乗車券、回数券など)やSFカードなどの磁気券を受け取る投入口201が設けられている。他端部には、投入口201から投入された磁気券を返却する排出口202が設けられている。排出口202の前方には、通行者や駅員などに対して各種案内を行なうための案内表示部203が設けられている。
【0025】
投入口201の前方には、無線通信部204が設けられている。無線通信部204は、たとえば、ループ状アンテナなどで構成されており、入出場客によりかざされるICカード4と無線通信を行なう。これにより、無線通信部204は、ICカード4から送信されるデータを受信(読取)したり、ICカード4に対してデータを送信(書込)したりする。
【0026】
自動改札装置2の側面の両端部には、通行者の通行を制御する開閉動作可能なドア205が設けられており、通行可否の判定結果に基づき、このドア205が開閉制御される。さらに、自動改札装置2には、センサ取付体206が立設されている。センサ取付体206には、通行者を検知する複数の光学的なセンサが設けられている。さらに、センサ取付体206には、自動改札装置の動作状態(小児券の投入、無効券の投入や機器の異常など)を表示する表示灯207が設けられている。
【0027】
図5に示すように、自動改札装置2は、主制御部200、記憶部211、乗車券処理部212、改札判定部213、通行検知部214、開閉制御部215、表示制御部216、表示灯駆動制御部217、精算処理部218、通信制御部220などを備えている。
【0028】
主制御部200は、各部を制御し、改札処理に関する一連の動作を制御する。記憶部211は、改札判定及び精算処理に必要な運賃情報を記憶したり、ICカード4又は磁気券から読み取った乗車情報等を一時記憶したりする。
【0029】
乗車券処理部212は、投入口203を介して受け取られた磁気券を搬送したり、磁気券から乗車情報を読み取ったり、磁気券に対して必要な情報を書き込んだり、磁気券を回収したり又は返却したりする。改札判定部213は、磁気券又はICカード4から読み取られた情報に基づき通行の可否を判定する。
【0030】
通行検知部214は、自動改札装置2の所定の位置に設置された検知器からの検知出力を受け取り、利用者の通行状況を検知する。開閉制御部215は、改札判定結果に基づき、ドア205の開閉を制御する。表示制御部216は、例えば改札判定結果に基づき表示部203の表示内容を制御する。表示灯駆動制御部217は、磁気券又はICカード4から読み取った情報に基づき表示灯214の駆動を制御する。例えば、小児券の投入、無効券の投入、機器の異常などの動作状態に応じて表示灯214の駆動を制御する。精算処理部218は、必要に応じてICカード4から読み取られる金額情報に基づき精算処理を行なう。例えば、精算処理部218は、SF機能を有したICカードによる入場改札時には、ICカードにチャージされた金額情報から初乗り運賃を差し引く処理を行なう(実際の初乗り運賃の差し引き処理は無線通信部204が担う)。また、精算処理部218は、SF機能を有したICカードによる出場改札時には、必要に応じてICカードにチャージされた金額情報から不足分の運賃を差し引く処理を行なう(実際の不足分の運賃の差し引き処理は無線通信部204が担う)。通信制御部220は、図1に示す監視端末3と交信し、各種情報を交換する。
【0031】
図6は、監視端末3の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、監視端末3は、主制御部300、通信制御部302、記憶部303、表示部304、操作部305、モニタ306を備えている。
【0032】
次に、上記説明した払い戻しシステムによる払い戻し処理、例えば無人駅における払い戻し処理について説明する。図1に示すように、例えば、監視カメラ4により、自動改札装置2に沿って形成された改札通路を経て、駅構内へ入場する利用客が監視されている。また、監視カメラ4により、ICカード処理装置1を利用する利用客も監視されている。監視カメラ4の映像は、監視端末3のモニタ306に出力される。つまり、監視端末2のオペレータは、監視カメラ4の映像をモニタ306で確認することができる。
【0033】
まず、図7に示すフローチャートを参照して、SFカード機能を搭載したICカード4によるSFカード機能を利用した改札処理について説明する。
【0034】
SFカード機能を搭載したICカード4を所持した利用客が、駅構内への入場に際して、自動改札装置2に沿って形成された改札通路を通過しようとすると、利用客に所持されたICカード4と自動改札装置2の無線通信部204との交信により、ICカード4に記録された情報が読み取られる。改札判定部213がICカード4から読み取った情報に基づき入場改札であると判断すると(ST11、YES)、入場改札処理が実行される(ST12)。例えば、精算処理部218により、ICカード4にチャージされた金額情報から初乗り運賃が差し引かれ残額が計算され、無線通信部204によりICカード4の金額情報が更新され(残額が記録され)、さらに入場情報が記録される。入場情報とは、例えば、入場駅、入場時刻等の情報である。
【0035】
この後、利用客が、入場駅と同じ駅で出場しなければならない事態が発生したとする。例えば、列車の不通により入場駅と同じ駅で出場しなければならない事態が発生したとする。この場合、SFカード機能を搭載したICカード4を所持した利用客が、駅構外への出場に際して、自動改札装置2に沿って形成された改札通路を通過しようとすると、利用客に所持されたICカード4と自動改札装置2の無線通信部204との交信により、ICカード4に記録された情報が読み取られる。改札判定部213がICカード4から読み取った情報に基づき入場駅と同駅での出場改札であると判断すると(ST13、YES)、同駅での出場改札処理が実行される(ST14)。例えば、案内表示部203により「払い戻し処理を受けることができます」などが案内表示され、ドア205が開き、利用客が駅構外へ導かれる。このとき、無線通信部204によりICカード4に対して出場情報を記録するようにしてもよい。出場情報とは、例えば、出場駅、出場時刻等の情報である。
【0036】
一方、改札判定部213がICカード4から読み取った情報に基づき入場駅と異なる駅での出場改札であると判断すると(ST13、NO)、通常の出場改札処理が実行される(ST15)。例えば、必要に応じて、精算処理部218により、ICカード4にチャージされた金額情報から不足分の運賃が差し引かれ残額が計算され、無線通信部204によりICカード4の金額情報が更新され(残額が記録され)、さらに出場情報が記録される。
【0037】
続いて、図8に示すフローチャートを参照して、上記説明した同駅での出場改札処理を受けたICカード4による払い戻し処理について説明する。
【0038】
監視端末3のオペレータは、監視カメラ5の映像をモニタ306で確認し、払い戻しを許可する場合、オペレータは、監視端末3の操作部305を介して払い戻しを許可する指示を入力する。これに対応して監視端末3はICカード処理装置1に対して払い戻しを許可する情報を送信すると、ICカード処理装置1が監視端末3からの払い戻しを許可する情報を受信する(ST21、YES)。
【0039】
或いは、監視端末3が上位サーバから運行情報(運行不通などの情報)を受信すると、これに対応して監視端末3はICカード処理装置1に対して運行情報及び払い戻しを許可する情報を送信すると、ICカード処理装置1が監視端末3からの運行情報(運行不通などの情報)及び払い戻しを許可する情報を受信する(ST21、YES)。
【0040】
その後、ICカード処理装置1のカード取り扱い口104がICカード4を受け取ると(ST22、YES)、カード処理ユニット112がICカード4に記録された情報を読み取る(ST23)。払い戻し判断部150は、読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断し(ST24)、払い戻しの正当性が確認されると(ST25、YES)、カード処理ユニット112がICカード4に対して払い戻し処理を行なう(ST26)。
【0041】
払い戻し処理では、ICカード4による入場処理において引き去られた金額(初乗り運賃)が払い戻される。また、ICカード4に出場情報が記録されていない場合は、この払い戻し処理において出場情報が記録される(ICカード4による次回の入場改札が許可されるようにする)。
【0042】
払い戻しの正当性が確認されなければ(ST25、NO)、表示部102を介して異常が通知され(ST27)、以後、係員対応となる。
【0043】
ここで払い戻しの正当性判断について説明する。払い戻し判断部150は、監視端末3から提供される払い戻しを許可する情報、入場記録、出場記録、及び運行情報などに基づき払い戻し許可の判断を下す。
【0044】
例えば、払い戻し判断部150は、カード処理ユニット112によりICカードから読み取られた情報に含まれる入場記録に基づき払い戻しの正当性を判断する。入場記録には、上記したように、入場駅、入場時刻等の情報が含まれている。例えば、カード処理装置1の設置駅と入場駅が異なる場合には、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。また、入場時刻から所定時間以上経過している場合にも、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。
【0045】
或いは、払い戻し判断部150は、カード処理ユニット112によりICカードから読み取られた情報に出場記録が含まれていれば、この出場記録に基づき払い戻しの正当性を判断する。出場記録には、上記したように、出場駅、出場時刻等の情報が含まれている。例えば、カード処理装置1の設置駅と出場駅が異なる場合には、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。また、出場時刻から所定時間以上経過している場合にも、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。なお、上記した入場記録と出場記録とを組み合わせて、払い戻しの正当性を判断するようにしてもよい。
【0046】
或いは、払い戻し判断部150は、監視端末3から提供される運行情報(運行不通などの情報)に基づき払い戻しの正当性を判断する。例えば、入場記録及び出場記録のうちの少なくとも一方と運行情報とに基づき、実際に運行不通になっていた時間帯に駅構内に入場していたかどうかを判断することができ、不当な払い戻しを防止することができる。
【0047】
或いは、監視端末3側で払い戻しの正当性を判断するようにしてもよい。つまり、カード処理ユニット112によりICカードから読み取られた情報を監視端末3に転送する。監視端末3の表示部304には、ICカードから読み取られた情報が表示される。監視端末3のオペレータは、表示部304に表示されたICカードの情報、つまり、入場記録や出場記録などの情報を確認し、正当な払い戻しか否かを判断する。オペレータが正当な払い戻しであると判断した場合には、操作部305から払い戻しの最終許可を入力する。これに対応して監視端末3からICカード処理装置1に対して最終許可が指示され、ICカード処理装置1による払い戻し処理が実行される。なお、ここでは、監視端末3側で払い戻しの正当性を判断するケースについて説明したが、監視端末3ではなく、ICカード処理装置1の係員操作部130において払い戻しの正当性を判断するようにしてもよい。
【0048】
なお、上記説明では、ICカード処理装置1が監視端末3からの払い戻しを許可する情報を受信することが払い戻し処理の前提として説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、払い戻しを許可する情報を受信しなくても(オペレータの対応がなくても)、上記したように、入場記録、出場記録、運行情報のうちの少なくとも一つの情報から、払い戻しの正当性を判断し払い戻しをするようにしてもよい。
【0049】
或いは、カメラ106により払い戻しを希望する利用客の顔画像を撮影して、ICカード4の利用者の正当性を確認した上で、上記したような正当性判断を下すようにしてもよい。上記説明したように、ICカード4を発行する際に、カード発行ユニット111は、タッチパネル部122を介して入力される個人情報に加えて、カメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報に基づき、所定の代金投入と引き換えに、乗車券媒体として利用可能なICカード4を発行するようにしてもよい。この場合、カード発行ユニット111により発行されるICカード4には、IDコードに加えて、カメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報が記憶される。或いは、ICカード4には、IDコードだけを記憶し、別のサーバ等でIDコードと顔画像情報を対応付けて管理するようにしてもよい。いずれにしても、ICカード4の利用者の顔画像情報が利用登録される。払い戻し処理の際には、カメラ106により払い戻し処理を希望する利用客の顔画像を撮影する。払い戻し判断部150は、撮影された払い戻し処理を希望する利用客の顔画像情報と、予めICカード4又は別のサーバ等に利用登録された顔画像情報とを比較し、ICカード4の利用者の正当性を確認した上で、上記説明したような払い戻しの正当性判断を下すようにしてもよい。
【0050】
上記説明したように、様々な払い戻しの正当性判断の手法、及びICカードの利用者の正当性を確認する手法がある。これら手法を組み合わせることにより、不正な払い戻しを防止することができ、確実に正規の払い戻しを希望する利用客に対する払い戻しが可能となる。
【0051】
上記説明では、主に無人駅でも適用可能な払い戻し方法について説明したが、有人駅であっても同様に適用することができる。有人駅の場合、ICカード処理装置1を係員カウンター内に設置し、ICカード処理装置1の利用者を係員だけに限定することもできる。この場合、払い戻しを希望する利用客は、係員カウンターに出向いてICカード4を係員に手渡し、係員によるICカード処理装置1の操作により払い戻し処理を受け、係員の誘導により有人通路を経て駅構外へ出場する。
【0052】
さらに、近年は、携帯電話の普及が進んでおり、上記したICカード4の機能を携帯電話に搭載することも可能である。この場合、この発明の払い戻しシステムでは、携帯電話が利用されることになり、携帯電話を利用した払い戻しが可能となる。基本的な払い戻し処理は上記説明した通りであるが、ICカード処理装置1が携帯電話とのインターフェースを備え(例えば携帯電話の差込口)、このインターフェースを介して携帯電話から情報を読み取ったり、携帯電話に対して情報を送信したりする。
【0053】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0054】
【発明の効果】
この発明によれば、ICカードに対して適切な払い戻しが可能なICカード処理装置及び払い戻しシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例に係る払い戻しシステムの概略構成を示す図である。
【図2】ICカード処理装置の外観を示す斜視図である。
【図3】ICカード処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】自動改札装置の外観を示す斜視図である。
【図5】自動改札装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】監視端末の概略構成を示すブロック図である。
【図7】ICカードによるSFカード機能を利用した改札処理を説明するフローチャートである。
【図8】入場駅と同駅での出場改札処理を受けたICカードによる払い戻し処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…ICカード処理装置、2…自動改札装置、3…監視端末、4…監視カメラ、106…カメラ、払い戻し判断部150
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道などの交通機関における運賃の払い戻しに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、改札処理における係員の省力化を目的として、自動改札装置が導入されている。自動改札装置は、ストアードフェアカード(SFカード)、定期券、普通乗車券などの磁気券を受け取り、磁気券に記録された情報を読み取り、入場又は出場の改札可否を判定し、磁気券を返却又は回収する。自動改札装置が、乗車情報の読み取り結果に基づき、運賃不足、期限切れ、区間外乗車などの理由から改札否と判定すると、ドアの開閉を制御して乗客を駅構内に入場させない、駅構内から出場させない、又は乗り換えを許可しないようにする。
【0003】
上記した自動改札装置は、例えば入場改札時にSFカードを受け取ると、SFカードにチャージされている金額情報から初乗り運賃を差し引き、SFカードを返却する。例えば、SFカード利用客が、自動改札装置を経て誤入場してしまった場合であっても、当然ながらSFカードからは初乗り運賃が差し引かれてしまう。このようなケースにおける出場改札処理及び初乗り運賃の払い戻しを行なう技術が、特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−345351号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の技術によると、払い戻しの正当性を自動的に判断する際、入場データのみに基づいていた。これ以外の条件については記載されていない。
【0006】
これに対し本発明は、列車の運行状態も反映することができるようにした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、この発明のICカード処理装置及び払い戻しシステムは、以下のように構成されている。
【0008】
(1)この発明のICカード処理装置は、ICカードに記録された情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段とを備え、前記判断手段は外部入力される列車運行情報に基づき払い戻しの正当性を判断する。
【0009】
(2)この発明の払い戻しシステムは、ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき入場改札判定を行い、前記ICカードから所定の金額を引き去り入場情報を記録する入場改札手段と、前記ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき出場改札判定を行い、必要に応じて前記ICカードから不足分の金額を引き去り出場情報を記録する出場改札手段と、前記ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき払い戻しの正当性を判断し、判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段とを備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、この発明の一例に係る払い戻しシステムの概略構成を示す図である。図1に示すように、払い戻しシステムは、ICカード処理装置1、自動改札装置2、監視端末3、監視カメラ4を備えている。
【0012】
まず、ICカード処理装置1、自動改札装置2、及び監視端末3の概略構成について説明する。
【0013】
図2は、ICカード処理装置1の外観を示す斜視図であり、図3はICカード処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0014】
図2に示すように、ICカード処理装置1は、表示部102、紙幣取り扱い口103、カード取り扱い口104、硬貨投入口105、カメラ106、硬貨排出口107、及び受け皿108を備えている。なお、ICカード処理装置1は、磁気券を発行する券売機能を備えた装置であってもよい。
【0015】
表示部102は、図3に示すLCD表示部121及びタッチパネル部122で構成されており、各種処理に応じた画面が表示され、この画面の所定位置に対するタッチ操作に対応して各種情報入力が可能となっている。紙幣取り扱い口103は、顧客により挿入される紙幣を受け取ったり、顧客に対してつり銭としての紙幣を返却したりする。カード取り扱い口104は、顧客に対して発行したICカード4を提供したり、顧客から投入されるICカード4を受け取ったりする。硬貨投入口105は、顧客により投入される硬貨を受け入れる。カメラ106は、ICカードの発行を希望する利用客の顔画像を撮影したり、後述する払い戻し処理を希望する利用客の顔画像を撮影したりする。硬貨排出口107は、顧客に対してつり銭としての硬貨を返却する。受け皿108は、硬貨排出口107から返却されるつり銭としての硬貨を受け止める。
【0016】
図3に示すように、ICカード処理装置1は、主制御部100を備えており、この主制御部100によりICカードの発行及びICカードに対する金額チャージ等の処理が制御される。主制御部100には、ユニット伝送部110、接客部120、係員操作部130、記憶部140、払い戻し判定部150、及び通信制御部160などが接続されている。
【0017】
ユニット伝送部110には、カード発行ユニット111、カード処理ユニット112、紙幣処理ユニット113、及び硬貨処理ユニット114などが接続されている。接客部120には、上記説明したLCD表示部121及びタッチパネル部122などが接続されている。係員操作部130は、各種情報を表示する係員表示部、各種情報を入力する係員入力部等を備えている。通信制御部160は、図1に示す監視端末3と交信し、各種情報を受け渡しする。記憶部140は、通信制御部160を介して受信した各種情報を記憶する。払い戻し判断部150は、払い戻しの正当性を判断する。払い戻しの正当性の判断については、後に詳しく説明する。
【0018】
カード発行ユニット111は、タッチパネル部122を介して入力される個人情報に基づき、所定の代金投入と引き換えに、乗車券媒体として利用可能なICカード4を発行する。個人情報とは、例えば、氏名、電話番号、住所などの情報である。また、カード発行ユニット111は、タッチパネル部122を介して入力される個人情報に加えて、カメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報に基づき、所定の代金投入と引き換えに、乗車券媒体として利用可能なICカード4を発行するようにしてもよい。
【0019】
カード発行ユニット111により発行されるICカード4には、少なくともIDコードが記憶されている。さらに、ICカード4には、上記したようにカメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報を記憶するようにしてもよい。なお、ICカード4にはIDコードだけを記憶し、別のサーバ等でIDコードと顔画像情報を対応付けて管理するようにしてもよい。いずれにしても、ICカード4の利用者の顔画像情報を利用登録し、ICカード4のセキュリティを高めることができる。
【0020】
カード発行ユニット111により発行されるICカード4は、所定の金額情報がチャージされたストアードフェア(SF)機能を有するカードであり、さらに定期券としての機能を有するカードであってもよい。また、このICカード4は、例えば無線通信可能なICカードであってもよい。
【0021】
カード処理ユニット112は、カード取り扱い口104を介して投入されたICカード4と交信し(又は所定位置にかざされたICカード4と交信し)、ICカード4に記録された情報を読み取ったり、ICカード4に対して情報を記録したりする。例えば、カード処理ユニット112は、カード取り扱い口104を介して投入されたICカード4に対して、利用者により投入されるチャージ金額に応じた金額情報をチャージする。さらに、このカード処理ユニット112は、払戻手段としても機能し、後述する払い戻し処理を実行する。
【0022】
図4は自動改札装置2の外観を示す斜視図であり、図5は自動改札装置2の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
自動改札装置2は、通常、2台1組として設置され、両者の間に通行者が通行する通路が形成される。そして、この自動改札装置2は、例えば磁気券及びICカードの両方を処理できる。
【0024】
図4に示すように、自動改札装置2の上面の一端部には、たとえば、有効期間や利用可能区間などの改札情報が磁気エンコード記録された乗車券(定期券、普通乗車券、回数券など)やSFカードなどの磁気券を受け取る投入口201が設けられている。他端部には、投入口201から投入された磁気券を返却する排出口202が設けられている。排出口202の前方には、通行者や駅員などに対して各種案内を行なうための案内表示部203が設けられている。
【0025】
投入口201の前方には、無線通信部204が設けられている。無線通信部204は、たとえば、ループ状アンテナなどで構成されており、入出場客によりかざされるICカード4と無線通信を行なう。これにより、無線通信部204は、ICカード4から送信されるデータを受信(読取)したり、ICカード4に対してデータを送信(書込)したりする。
【0026】
自動改札装置2の側面の両端部には、通行者の通行を制御する開閉動作可能なドア205が設けられており、通行可否の判定結果に基づき、このドア205が開閉制御される。さらに、自動改札装置2には、センサ取付体206が立設されている。センサ取付体206には、通行者を検知する複数の光学的なセンサが設けられている。さらに、センサ取付体206には、自動改札装置の動作状態(小児券の投入、無効券の投入や機器の異常など)を表示する表示灯207が設けられている。
【0027】
図5に示すように、自動改札装置2は、主制御部200、記憶部211、乗車券処理部212、改札判定部213、通行検知部214、開閉制御部215、表示制御部216、表示灯駆動制御部217、精算処理部218、通信制御部220などを備えている。
【0028】
主制御部200は、各部を制御し、改札処理に関する一連の動作を制御する。記憶部211は、改札判定及び精算処理に必要な運賃情報を記憶したり、ICカード4又は磁気券から読み取った乗車情報等を一時記憶したりする。
【0029】
乗車券処理部212は、投入口203を介して受け取られた磁気券を搬送したり、磁気券から乗車情報を読み取ったり、磁気券に対して必要な情報を書き込んだり、磁気券を回収したり又は返却したりする。改札判定部213は、磁気券又はICカード4から読み取られた情報に基づき通行の可否を判定する。
【0030】
通行検知部214は、自動改札装置2の所定の位置に設置された検知器からの検知出力を受け取り、利用者の通行状況を検知する。開閉制御部215は、改札判定結果に基づき、ドア205の開閉を制御する。表示制御部216は、例えば改札判定結果に基づき表示部203の表示内容を制御する。表示灯駆動制御部217は、磁気券又はICカード4から読み取った情報に基づき表示灯214の駆動を制御する。例えば、小児券の投入、無効券の投入、機器の異常などの動作状態に応じて表示灯214の駆動を制御する。精算処理部218は、必要に応じてICカード4から読み取られる金額情報に基づき精算処理を行なう。例えば、精算処理部218は、SF機能を有したICカードによる入場改札時には、ICカードにチャージされた金額情報から初乗り運賃を差し引く処理を行なう(実際の初乗り運賃の差し引き処理は無線通信部204が担う)。また、精算処理部218は、SF機能を有したICカードによる出場改札時には、必要に応じてICカードにチャージされた金額情報から不足分の運賃を差し引く処理を行なう(実際の不足分の運賃の差し引き処理は無線通信部204が担う)。通信制御部220は、図1に示す監視端末3と交信し、各種情報を交換する。
【0031】
図6は、監視端末3の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、監視端末3は、主制御部300、通信制御部302、記憶部303、表示部304、操作部305、モニタ306を備えている。
【0032】
次に、上記説明した払い戻しシステムによる払い戻し処理、例えば無人駅における払い戻し処理について説明する。図1に示すように、例えば、監視カメラ4により、自動改札装置2に沿って形成された改札通路を経て、駅構内へ入場する利用客が監視されている。また、監視カメラ4により、ICカード処理装置1を利用する利用客も監視されている。監視カメラ4の映像は、監視端末3のモニタ306に出力される。つまり、監視端末2のオペレータは、監視カメラ4の映像をモニタ306で確認することができる。
【0033】
まず、図7に示すフローチャートを参照して、SFカード機能を搭載したICカード4によるSFカード機能を利用した改札処理について説明する。
【0034】
SFカード機能を搭載したICカード4を所持した利用客が、駅構内への入場に際して、自動改札装置2に沿って形成された改札通路を通過しようとすると、利用客に所持されたICカード4と自動改札装置2の無線通信部204との交信により、ICカード4に記録された情報が読み取られる。改札判定部213がICカード4から読み取った情報に基づき入場改札であると判断すると(ST11、YES)、入場改札処理が実行される(ST12)。例えば、精算処理部218により、ICカード4にチャージされた金額情報から初乗り運賃が差し引かれ残額が計算され、無線通信部204によりICカード4の金額情報が更新され(残額が記録され)、さらに入場情報が記録される。入場情報とは、例えば、入場駅、入場時刻等の情報である。
【0035】
この後、利用客が、入場駅と同じ駅で出場しなければならない事態が発生したとする。例えば、列車の不通により入場駅と同じ駅で出場しなければならない事態が発生したとする。この場合、SFカード機能を搭載したICカード4を所持した利用客が、駅構外への出場に際して、自動改札装置2に沿って形成された改札通路を通過しようとすると、利用客に所持されたICカード4と自動改札装置2の無線通信部204との交信により、ICカード4に記録された情報が読み取られる。改札判定部213がICカード4から読み取った情報に基づき入場駅と同駅での出場改札であると判断すると(ST13、YES)、同駅での出場改札処理が実行される(ST14)。例えば、案内表示部203により「払い戻し処理を受けることができます」などが案内表示され、ドア205が開き、利用客が駅構外へ導かれる。このとき、無線通信部204によりICカード4に対して出場情報を記録するようにしてもよい。出場情報とは、例えば、出場駅、出場時刻等の情報である。
【0036】
一方、改札判定部213がICカード4から読み取った情報に基づき入場駅と異なる駅での出場改札であると判断すると(ST13、NO)、通常の出場改札処理が実行される(ST15)。例えば、必要に応じて、精算処理部218により、ICカード4にチャージされた金額情報から不足分の運賃が差し引かれ残額が計算され、無線通信部204によりICカード4の金額情報が更新され(残額が記録され)、さらに出場情報が記録される。
【0037】
続いて、図8に示すフローチャートを参照して、上記説明した同駅での出場改札処理を受けたICカード4による払い戻し処理について説明する。
【0038】
監視端末3のオペレータは、監視カメラ5の映像をモニタ306で確認し、払い戻しを許可する場合、オペレータは、監視端末3の操作部305を介して払い戻しを許可する指示を入力する。これに対応して監視端末3はICカード処理装置1に対して払い戻しを許可する情報を送信すると、ICカード処理装置1が監視端末3からの払い戻しを許可する情報を受信する(ST21、YES)。
【0039】
或いは、監視端末3が上位サーバから運行情報(運行不通などの情報)を受信すると、これに対応して監視端末3はICカード処理装置1に対して運行情報及び払い戻しを許可する情報を送信すると、ICカード処理装置1が監視端末3からの運行情報(運行不通などの情報)及び払い戻しを許可する情報を受信する(ST21、YES)。
【0040】
その後、ICカード処理装置1のカード取り扱い口104がICカード4を受け取ると(ST22、YES)、カード処理ユニット112がICカード4に記録された情報を読み取る(ST23)。払い戻し判断部150は、読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断し(ST24)、払い戻しの正当性が確認されると(ST25、YES)、カード処理ユニット112がICカード4に対して払い戻し処理を行なう(ST26)。
【0041】
払い戻し処理では、ICカード4による入場処理において引き去られた金額(初乗り運賃)が払い戻される。また、ICカード4に出場情報が記録されていない場合は、この払い戻し処理において出場情報が記録される(ICカード4による次回の入場改札が許可されるようにする)。
【0042】
払い戻しの正当性が確認されなければ(ST25、NO)、表示部102を介して異常が通知され(ST27)、以後、係員対応となる。
【0043】
ここで払い戻しの正当性判断について説明する。払い戻し判断部150は、監視端末3から提供される払い戻しを許可する情報、入場記録、出場記録、及び運行情報などに基づき払い戻し許可の判断を下す。
【0044】
例えば、払い戻し判断部150は、カード処理ユニット112によりICカードから読み取られた情報に含まれる入場記録に基づき払い戻しの正当性を判断する。入場記録には、上記したように、入場駅、入場時刻等の情報が含まれている。例えば、カード処理装置1の設置駅と入場駅が異なる場合には、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。また、入場時刻から所定時間以上経過している場合にも、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。
【0045】
或いは、払い戻し判断部150は、カード処理ユニット112によりICカードから読み取られた情報に出場記録が含まれていれば、この出場記録に基づき払い戻しの正当性を判断する。出場記録には、上記したように、出場駅、出場時刻等の情報が含まれている。例えば、カード処理装置1の設置駅と出場駅が異なる場合には、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。また、出場時刻から所定時間以上経過している場合にも、不当な払い戻しと判断するようにしてもよい。なお、上記した入場記録と出場記録とを組み合わせて、払い戻しの正当性を判断するようにしてもよい。
【0046】
或いは、払い戻し判断部150は、監視端末3から提供される運行情報(運行不通などの情報)に基づき払い戻しの正当性を判断する。例えば、入場記録及び出場記録のうちの少なくとも一方と運行情報とに基づき、実際に運行不通になっていた時間帯に駅構内に入場していたかどうかを判断することができ、不当な払い戻しを防止することができる。
【0047】
或いは、監視端末3側で払い戻しの正当性を判断するようにしてもよい。つまり、カード処理ユニット112によりICカードから読み取られた情報を監視端末3に転送する。監視端末3の表示部304には、ICカードから読み取られた情報が表示される。監視端末3のオペレータは、表示部304に表示されたICカードの情報、つまり、入場記録や出場記録などの情報を確認し、正当な払い戻しか否かを判断する。オペレータが正当な払い戻しであると判断した場合には、操作部305から払い戻しの最終許可を入力する。これに対応して監視端末3からICカード処理装置1に対して最終許可が指示され、ICカード処理装置1による払い戻し処理が実行される。なお、ここでは、監視端末3側で払い戻しの正当性を判断するケースについて説明したが、監視端末3ではなく、ICカード処理装置1の係員操作部130において払い戻しの正当性を判断するようにしてもよい。
【0048】
なお、上記説明では、ICカード処理装置1が監視端末3からの払い戻しを許可する情報を受信することが払い戻し処理の前提として説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、払い戻しを許可する情報を受信しなくても(オペレータの対応がなくても)、上記したように、入場記録、出場記録、運行情報のうちの少なくとも一つの情報から、払い戻しの正当性を判断し払い戻しをするようにしてもよい。
【0049】
或いは、カメラ106により払い戻しを希望する利用客の顔画像を撮影して、ICカード4の利用者の正当性を確認した上で、上記したような正当性判断を下すようにしてもよい。上記説明したように、ICカード4を発行する際に、カード発行ユニット111は、タッチパネル部122を介して入力される個人情報に加えて、カメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報に基づき、所定の代金投入と引き換えに、乗車券媒体として利用可能なICカード4を発行するようにしてもよい。この場合、カード発行ユニット111により発行されるICカード4には、IDコードに加えて、カメラ106の撮影により得られるカード発行希望者の顔画像情報が記憶される。或いは、ICカード4には、IDコードだけを記憶し、別のサーバ等でIDコードと顔画像情報を対応付けて管理するようにしてもよい。いずれにしても、ICカード4の利用者の顔画像情報が利用登録される。払い戻し処理の際には、カメラ106により払い戻し処理を希望する利用客の顔画像を撮影する。払い戻し判断部150は、撮影された払い戻し処理を希望する利用客の顔画像情報と、予めICカード4又は別のサーバ等に利用登録された顔画像情報とを比較し、ICカード4の利用者の正当性を確認した上で、上記説明したような払い戻しの正当性判断を下すようにしてもよい。
【0050】
上記説明したように、様々な払い戻しの正当性判断の手法、及びICカードの利用者の正当性を確認する手法がある。これら手法を組み合わせることにより、不正な払い戻しを防止することができ、確実に正規の払い戻しを希望する利用客に対する払い戻しが可能となる。
【0051】
上記説明では、主に無人駅でも適用可能な払い戻し方法について説明したが、有人駅であっても同様に適用することができる。有人駅の場合、ICカード処理装置1を係員カウンター内に設置し、ICカード処理装置1の利用者を係員だけに限定することもできる。この場合、払い戻しを希望する利用客は、係員カウンターに出向いてICカード4を係員に手渡し、係員によるICカード処理装置1の操作により払い戻し処理を受け、係員の誘導により有人通路を経て駅構外へ出場する。
【0052】
さらに、近年は、携帯電話の普及が進んでおり、上記したICカード4の機能を携帯電話に搭載することも可能である。この場合、この発明の払い戻しシステムでは、携帯電話が利用されることになり、携帯電話を利用した払い戻しが可能となる。基本的な払い戻し処理は上記説明した通りであるが、ICカード処理装置1が携帯電話とのインターフェースを備え(例えば携帯電話の差込口)、このインターフェースを介して携帯電話から情報を読み取ったり、携帯電話に対して情報を送信したりする。
【0053】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0054】
【発明の効果】
この発明によれば、ICカードに対して適切な払い戻しが可能なICカード処理装置及び払い戻しシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例に係る払い戻しシステムの概略構成を示す図である。
【図2】ICカード処理装置の外観を示す斜視図である。
【図3】ICカード処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】自動改札装置の外観を示す斜視図である。
【図5】自動改札装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】監視端末の概略構成を示すブロック図である。
【図7】ICカードによるSFカード機能を利用した改札処理を説明するフローチャートである。
【図8】入場駅と同駅での出場改札処理を受けたICカードによる払い戻し処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…ICカード処理装置、2…自動改札装置、3…監視端末、4…監視カメラ、106…カメラ、払い戻し判断部150
Claims (4)
- ICカードに記録された情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段と、
を備え、
前記判断手段は、外部入力される列車運行情報に基づき払い戻しの正当性を判断することを特徴とするICカード処理装置。 - ICカードに記録された情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた情報に基づき払い戻しの正当性を判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段と、
を備え、
前記判断手段は、外部入力される払い戻し指示に基づき払い戻し許可の判断を下すことを特徴とするICカード処理装置。 - 利用者の顔画像を撮影し顔画像情報を取得する顔画像情報取得手段を備え、
前記判断手段は、前記読取手段により読み取られた情報に含まれる顔画像情報、及び前記顔画像情報取得手段により取得された顔画像情報に基づき、前記ICカードの利用者の正当性を確認した上で、払い戻し許可の判断を下すことを特徴とする請求項1に記載のICカード処理装置。 - ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき入場改札判定を行い、前記ICカードから所定の金額を引き去り入場情報を記録する入場改札手段と、
前記ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき出場改札判定を行い、必要に応じて前記ICカードから不足分の金額を引き去り出場情報を記録する出場改札手段と、
前記ICカードに記録された情報を読み取り、読み取った情報に基づき払い戻しの正当性を判断し、判断結果に基づき前記ICカードに対して所定の金額を払い戻す払戻手段と、
を備えたことを特徴とする払い戻しシステム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008225881A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Jr East Mechatronics Co Ltd | 駅務システム及び駅務処理方法 |
JP2008299379A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Casio Hitachi Mobile Communications Co Ltd | 携帯端末装置、通過管理システム及びプログラム |
CN107123170A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-09-01 | 北京万集科技股份有限公司 | 一种etc自动收费系统及方法 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188495A patent/JP2005025368A/ja active Pending
Cited By (3)
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