JP2005020216A - 無線位置測定方法と装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決する課題は、ビル街や屋内のようにGPSのみでは位置測定が困難な環境において、端末が自律的に位置測定の実施を可能とすること、すなわちGPSと基地局からの信号の両方を用いて測位を行うハイブリッド型の自律測位を可能とすることである。
【解決手段】(1)該当基地局のブロードキャストチャネルが受信可能な時に該当基地局の位置やID等の情報を収集し、(2)GPSによる単独測位が可能な時にパイロットが受信でいる基地局の受信タイミングと上記基地局情報から該当基地局の信号送信タイミングあるいは送信タイミング誤差を計測しておき、蓄積しておく。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線電波発信源から送信された信号を受信し、端末の位置を測定する無線位置測定装置の位置計算方法に関する。特にGPS受信機を端末内に持ち、GPS衛星からの信号とセルラ基地局からの信号との両方を使って端末の位置を特定するシステムであって、端末が自律的に連続して自身の位置計算を行う方法について記載している。
【0002】
【従来の技術】
図2、3、4を用いて、従来の技術による位置計算方法について説明する。図2はGPS衛星からの信号とセルラ基地局からの信号の両方を使って端末の位置を特定するシステムの概念図を示している。図2で、端末100はGPS受信機を内蔵している。このGPS受信機を使ってGPS衛星400〜403が送信する信号を受信し、受信タイミングから端末の位置を測定している。通常、端末はビル街や屋内においても使用されるが、こうした環境においては、微弱な電波であるGPS衛星からの電波を捕らえることは難しく、観測できる衛星数が4未満となってしまう。図では403のGPS衛星の信号が建物に遮蔽されて端末に受信できなくなっていることを概念的に示している。GPSは、X,Y,Zの3次元の位置と測定時刻が未知数であるため、端末位置を求めるためには、少なくとも4つ以上のGPS衛星からの信号を受信する必要があり、上記のように観測できる衛星数が4未満になると位置測定が不可能となる。こうした場合の対策として、例えば、特許文献1がある。ここで開示されている技術は、より高い感度を得る処理を高速に行うためにFFTを利用したソフトウェアによる信号処理技術の応用技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、以下に示すハイブリッド測位方式が開示されている。これは、GPSのみではなく、セルラ基地局500、501を信号発信源のひとつとして扱い、セルラ基地局から送信されている信号の受信タイミングを測定することでセルラ基地局をあたかもGPS衛星と同等に扱い、信号源の数が4以下にならないように工夫して様々な場所で位置測定が可能となる方法である。
【0003】
図3は従来技術からなるシステム構成を示す図である。この方式は無線アシステッドGPS(WAGあるいはAGPS)と呼ばれている。端末100はセルラ通信機102とGPS受信機101を内蔵し、セルラ通信機102によってセルラ基地局500と通信することができる。セルラ基地局500がつながるセルラ網600には、情報サーバー700がつながり、ここで端末が必要とするGPS情報を供給することができる。こうしたGPSのアシスト情報については、特許文献3に開示されている。無線ネットワークを介して端末100にGPSの情報を送ることで、GPSはコールドスタートが可能となり、消費電力の低減や精度を向上させることができる。図3で、端末100内のセルラ通信機102は、サーバー700から受け取ったGPS衛星の情報をGPS受信機101に供給し、GPS受信機101は、この情報を使って観測するべきGPS衛星を特定し、さらには受信信号と相関演算を行う窓の位相も特定する。また、ドップラー周波数の補正に関する情報も供給できる。これによって上記GPS受信機は衛星の位置情報などのアルマナック情報を、自らがGPS衛星の信号を受信することで得る必要がなくなる。衛星から送信されているアルマナック情報は50BPSの低速チャネルで送信されている関係から電源を投入してからすべての衛星の情報を得るには、15分程度の時間が必要となり、コールドスタートができない欠点があったが、本従来例により、コールドスタートによる測定が可能となる。GPS受信機101は、端末100の位置計算を行うことも可能であるが、計算に必要となる計算能力を端末に持たなければならないために端末のCPU負荷が上がることや、位置情報に対して課金するための手段がないことなどを理由として、無線ネットワーク600につながるサーバー700において位置計算を実施する方法が一般的である。この場合、端末100は、衛星のIDと受信タイミングの情報だけをメモリ装置107に蓄積し、セルラ通信機102を介して、この情報を無線でセルラ基地局500に転送し、更には無線ネットワーク600を介して情報サーバー700にこの情報を転送する。最終的には、サーバー700において端末から得られた情報と、サーバーに蓄えられたGPS衛星位置の情報(アルマナック情報)と信号送信タイミング情報を使って、上記端末100の位置計算を実施する。
【0004】
上記では情報サーバー700を利用したGPS単独測位について説明しているが、既に説明済みであるハイブリッド測位を利用して端末100の位置を計算する場合についても、従来例の組み合わせで実施可能である。この場合、セルラ通信機は、特定基地局のIDを受信信号から取り出し、さらにはその特定の基地局から送信された信号の受信タイミングを測定し、これをGPSと同様に、上記メモリ装置107に蓄積し、必要に応じて無線回線を介して情報サーバー700に得た情報(基地局IDあるいはそれ相当の情報と受信タイミング情報)を送り、サーバーにおいて端末位置を計算する。端末位置を計算するには、使われた衛星・基地局を特定するIDと、衛星・基地局から送信された信号の送信タイミングと受信タイミング、さらには衛星・基地局の位置が判明している必要がある。GPSについては、既に紹介している通り、サーバー700は観測可能なGPS衛星の信号送信タイミング、衛星位置を蓄えており、信号受信タイミングは端末100から送られてくる。基地局に関しても、サーバー700は基地局位置と信号送信タイミングを予め蓄えており、信号受信タイミングは端末100から送られてくる。これによって全ての情報が整い、端末の位置を求めることが可能となる。
【0005】
図4は、端末100において、GPSを用いてトラッキングを行う場合の装置構成を示している。無線アシステッドGPSにおいてトラッキングを行う場合には、即応性や通信コストが問題となる。応答性を妨げる主な遅延要因は無線通信の伝送遅延であり、また、これが通信コスト上昇の原因でもある。
【0006】
この課題を解決するために、端末100で位置計算する方法がある。これには、端末100がGPS衛星の信号送信タイミングや衛星位置を把握している必要がある。このため、サーバー700はこれらのGPSの情報を無線で端末100に供給する。サーバー700から供給されるGPSの情報は、30分程度は更新の必要がない。端末の動きが大きい場合にはGPS衛星を観測するときの窓の大きさが問題となる時があるが、トラッキングのように連続して測定している状態では、過去に測定した結果を使って、上記相関演算を行う窓の位相を調整することでこうした課題は解決される。したがって、端末100でGPSによる位置計算演算を行うこと、また、ある時刻のある特定エリアにおいてのGPSの情報をもらい、連続して端末位置を測定し続けながらGPSの情報を端末100の内部で更新することによって、非常に利便性のよいトラッキングアプリケーションの実行が可能となる。上記で説明したGPSのみによる自立的な測位方法については、非特許文献1において情報が示されており、公知である。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5874914号明細書
【特許文献2】米国特許第6188354号明細書
【特許文献3】米国特許第5825327号明細書
【非特許文献1】斎藤健二、”自律測位でさらに進化する、gpsOne”、[online]、2002年8月6日、Softbank Publishing、[2003年4月7日検索]、インターネット<URL:http://www.zdnet.co.jp/mobile/0208/06/n_gpsone.html>
【非特許文献2】土屋他、「GPS測量の基礎」、社団法人日本測量協会、1995年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下では、IS−95を例に挙げて説明する。従来技術では、(1)ネットワークアシストによるGPS方式、(2)GPSとセルラ基地局との情報を使うハイブリッド測位、そして(3)自律的GPS測位についての技術が開示されていることを説明した。本発明が解決する課題は、ビル街や屋内のようにGPSのみでは位置測定が困難な環境において、端末が自律的に位置測定の実施を可能とすること、すなわちGPSと基地局からの信号の両方を用いて測位を行うハイブリッド型の自律測位を可能とすることである。
【0009】
既に述べているように、ハイブリッド測位を実施するためには、使われた衛星・基地局を特定するIDと、衛星・基地局から送信された信号の送信タイミングと受信タイミング、さらには衛星・基地局の位置が判明している必要がある。衛星については、上記従来例において、図4を使った説明で、衛星の情報を無線で端末100に通知する方法を述べている。基地局についても同様な処理を行うことで、ハイブリッド測位が可能となる。しかしここで別の課題が発生する。それは、以下に示される。
【0010】
▲1▼一般にアンテナの位置は、保安上の理由から公開されていないことが多い。したがって、基地局の位置を保持するサーバーが、安易に情報を端末に伝えることは難しい。
【0011】
▲2▼システム時間上の送信タイミングと、アンテナから実際に電波が出されるタイミングとの間に誤差がある。この誤差のために端末が測定した受信タイミングから、予め定めてあるPNオフセットから予測される送信タイミングを引いて求められる伝搬時間(=伝搬距離)に誤差が発生してしまう。結果、計算した端末の位置には大きな誤差が含まれる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では、次のような手段によりこれらの課題を解決し、端末におけるハイブリッド型の自律測位を実現する。
【0013】
上記課題は、GPS受信機が受信した信号とセルラ無線通信機が受信した信号から自身の位置を計算するハイブリッド型の無線位置測定端末において、GPS信号を捕らえるための情報をネットワークに接続されるサーバー装置から間欠的に供給してもらい、GPS衛星と基地局から送信される特定の信号の受信タイミングの測定を行い、得られた受信タイミングから端末の位置を求めることを特徴とする第1の無線位置測定方法により解決される。
【0014】
上記課題は、上記第1の無線位置測定方法であって、上記セルラ無線通信機によって少なくとも1つの基地局から送信される信号を受信し、それを復調することで上記基地局に関する情報を得ると共に、GPSのみで上記装置の位置が計算できる状態の時に、上記基地局から送信されている特定の信号の受信タイミングを測定し、GPSのみを用いて求めた端末位置と上記基地局情報を使って、伝搬距離を算出することで伝搬時間を推定し、上記受信タイミングと伝搬時間を使い、セルラ基地局が上記特定信号を送信した送信タイミングを求め、上記セルラ基地局の情報と送信タイミングを端末に保持することを特徴とする第2の無線位置測定方法によって解決される。
【0015】
上記課題は、上記第1の無線位置測定方法であって、上記セルラ無線通信機によって少なくとも1つの基地局から送信される信号を受信し、それを復調することで上記基地局に関する情報を得ると共に、GPSのみを用いて上記装置の位置が計算できる状態の時に、上記基地局から送信されている特定の信号の受信タイミングを測定し、GPSのみを用いて求めた端末位置と上記基地局情報を使って、伝搬距離を算出することで伝搬時間を推定し、上記受信タイミングと伝搬時間を使い、セルラ基地局が上記特定信号を送信した送信タイミングを求め、更には上記送信タイミングとGPSが生成する時刻との比較から送信タイミングの補正値を求め、上記セルラ基地局の情報と送信タイミングの補正値を端末に保持することを特徴とする第3の無線位置測定方法によって解決される。
【0016】
上記課題は、上記第2の無線位置測定方法であって、上記GPSのみで位置が計算できない時に、セルラ通信機によって周囲の基地局から送信される特定の信号を受信し、上記端末に保持された送信タイミングを使って端末で観測された信号の受信タイミングから伝搬時間を計算し、更にはGPS衛星からの信号と上記基地局からの信号を使って端末位置を計算することを特徴とする第4の無線位置測定方法によって解決される。
【0017】
上記課題は、上記第3の無線位置測定方法であって、上記GPSのみで位置が計算できない時に、セルラ通信機によって周囲の基地局から送信される特定の信号を受信し、上記端末に保持された送信タイミングの補正値と各基地局によって決まっている上記特定信号の送信タイミングを使って端末で観測された信号の受信タイミングから伝搬時間を計算し、更にはGPS衛星からの信号と上記基地局からの信号を使って端末位置を計算することを特徴とする第5の無線位置測定方法によって解決される。
【0018】
上記課題は、上記第2の無線位置測定方法であって、上記端末は得られた基地局の送信タイミングを無線ネットワークにつながるサーバー装置に伝達することを特徴とする第6の無線位置測定方法によって解決される。
【0019】
上記課題は、上記第3の無線位置測定方法であって、上記端末は得られた基地局の送信タイミングの補正値を無線ネットワークにつながるサーバー装置に伝達することを特徴とする第7の無線位置測定方法によって解決される。
【0020】
上記課題は、上記第1の無線位置測定方法であって、上記端末は、GPSのみでは位置計算を完了できない場合に、最寄り基地局を特定する情報を上記無線ネットワークにつながるサーバー装置に伝え、サーバーは送信タイミング(または送信タイミングの補正値)を、上記無線ネットワークを介して上記端末に送信し、上記端末はその情報を使って、GPS衛星と基地局から送信される信号を使って端末の位置を求めることを特徴とする第8の無線位置測定方法によって解決される。
【0021】
上記課題は、GPS受信機が受信した信号とセルラ無線通信機が受信した信号から端末の位置を計算するハイブリッド型の無線位置測定装置において、上記端末はまず自身の持つGPS信号の受信に関する情報が更新の必要性があるかを判断するステップ201と、上記ステップ201において、更新の必要と判断した場合に、無線ネットワークを通じてサーバー装置と交信し、GPS信号の受信に関する情報を更新するステップ202と、上記ステップ202終了後、あるいは上記ステップ201においてGPS情報を更新しなくて良いと判断された場合に、上記GPS情報を利用してGPS衛星からの信号を受信して、GPSのみを用いた測位を試みるステップ203と、それによりGPSのみを用いた測位が可能であるかを判断するステップ204と、GPSのみを用いた測位が可能であるならば、上記端末のメモリ内に蓄積された基地局情報の調査を行い、その情報の更新が必要であるかを判断するステップ205と、上記ステップ205で判断した結果、更新が必要な場合には基地局情報を収集し、収集した情報をメモリに蓄積するステップ206と、上記ステップ205で基地局情報の更新が不要である場合か、あるいはステップ206が終了した後に、既に完了している上記GPS測位の結果を端末位置として測位処理を終了するステップ207と、上記ステップ204においてGPSのみを用いた測定が不可能な場合にGPSと基地局から送信された信号で端末位置を測定するハイブリッド測位の実施を試みるステップ208と、それによりハイブリッド測位が可能であるかを判断するステップ209と、ハイブリッド測位が可能であるならば、ハイブリッド測位結果を端末位置として測位処理を終了するステップ210と、ステップ209において、ハイブリッド測位が不可能な場合には、測位不能として測位処理を終了するステップ210ならなることを特徴とする第9の無線位置測定方法によって解決される。
【0022】
上記課題は、上記第9の無線位置測定方法であって、上記ステップ206は、セルラ通信機で基地局が送信しているシステム情報を取得して、近接基地局の特徴を調査するステップ301と、調査結果から近接基地局の情報を既に取得済みであるかを判断するステップ302と、上記判断の結果、情報をもっていない基地局がある場合には、該当基地局の制御情報を観測し、該当基地局に関する基地局情報を取得して、取得結果を上記装置内のメモリに蓄積するステップ303と、ステップ303終了後あるいは、上記ステップ302において基地局情報収集の必要性がない場合、該当基地局の遅延プロファイルを作成するステップ304と、得られた遅延プロファイルに対してパス検出を行い、受信タイミングを測定するステップ305と、GPSで得られた上記装置の位置と基地局情報から得られる基地局位置から伝搬時間を推定するステップ306と、上記受信タイミングから上記伝搬時間を引き、送信タイミングを算出するステップ307と、上記送信タイミングと上記GPSで得られた時刻と更には予めメモリに蓄積された送信タイミング補正値とを比較し、上記補正値の誤差が閾値以下あるいは既に測定済みであるかを判断するステップ308と、誤差が閾値以上あるいは測定未済の場合には、測定した送信タイミングとGPS時刻を使ってメモリに蓄積されている上記補正値を更新するステップ309と、ステップ309終了かあるいはステップ308で補正値の誤差が閾値よりも小さい場合にステップ206を終了することを特徴とする第10の無線位置測定方法によって解決される。
【0023】
上記課題は、無線位置測定端末であって、GPS衛星からの信号を受信して受信機位置と時刻を算出するGPS受信手段101と、セルラ基地局と交信し、且つ最寄りの基地局の送信する信号を受信し、その基地局あるいは周囲基地局の情報を入手し、且つ相関器を使って受信信号の受信タイミングを測定するセルラ通信手段102と、セルラ通信機につながり、上記GPS受信機に無線通信により得られたGPS衛星の情報を伝え、またGPS受信機から得られたGPS衛星の更新情報に基づいて上記GPS衛星の情報を更新する衛星情報管理手段106と、上記最寄りの基地局あるいは周囲基地局の情報と、上記最寄りあるいは周囲の基地局から送信されている信号の受信タイミング測定結果の情報を上記セルラ受信手段から入手し、且つGPSのみによる端末位置と時刻の情報を上記GPS受信手段から入手して上記最寄りあるいは周囲基地局に関する送信タイミング補正情報を求め、送信タイミング補正情報を作成するセルラ基地局情報解析手段103と、上記セルラ基地局情報解析手段が作成した送信タイミング補正情報と信号受信により得られた基地局の情報を蓄積するメモリ104と、上記GPS受信手段の受信したGPS衛星の情報と受信タイミング測定結果および上記セルラ通信手段の受信した基地局情報と受信タイミング測定結果と上記メモリに蓄積された最寄り基地局の情報を使って端末の位置を計算するハイブリッド位置検出手段105からなる第1の無線位置測定端末によって解決される。
【0024】
上記課題は、上記第1の無線位置測定端末であって、基地局から制御チャネルによって基地局の情報の収集指示が出されている場合に、上記該当基地局に関する補正情報の測定結果を、セルラ通信手段を介して無線ネットワークにつながるサーバー装置に送信することを特徴とする第2の無線位置測定端末によって解決される。
【0025】
上記課題は、第1の無線位置測定端末であって、上記メモリに最寄りの基地局の情報がない場合に、上記該当基地局に関する補正情報の測定結果を、セルラ通信手段を介して無線ネットワークにつながるサーバー装置から得ることを特徴とする第3の無線位置測定端末によって解決される。
【0026】
上記課題は、無線ネットワークに接続されるサーバー装置であって、端末から最寄りの基地局のIDを元に上記基地局の情報を要求された場合に、メモリに蓄積されていた基地局送信タイミング補正情報を上記端末に無線を介して送信することを特徴とする第1のサーバー装置によって解決される。
【0027】
上記課題は、無線ネットワークに接続されるサーバー装置であって、端末から基地局IDと測定された送信タイミング補正情報が送られてきた場合に、上記情報をメモリに蓄積することを特徴とする第2のサーバー装置によって解決される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下では、端末100の機能ブロック、測位の手順、基地局情報収集の手順について、図1、図5、図6、図7を用いて説明する。
【0029】
1.端末の機能ブロック
図1を使い、上記課題を解決する端末の構成について説明する。図1は、本発明からなる第1の実施例の構成図である。以下では、説明の便宜上、6つの機能ブロックに分けて説明しているが、全体あるいは一部を1つのLSIやDSP等で構成しても本発明の効果は変わらない。
【0030】
第1のブロックはGPS受信部101である。このブロックには、GPS受信用のアンテナ、RF部、相関部や信号処理部が含まれ、全体として機能している。図1ではGPSアンテナは後に説明するセルラ通信部102のアンテナと別々に描かれているが、両方の信号を受信できる周波数特性をもったアンテナであるならば、共通化しても本発明の効果は変わらない。
【0031】
GPS受信部101の機能は、GPSアンテナが受信した信号を、後に説明する衛星情報管理部106からの情報に基づいてパス検出を行い、信号処理を行って端末の位置と時刻を測定することである。
【0032】
上記で「パス検出」とはGPS受信部101の相関部によって実施される処理を示している。ここでは、衛星情報管理部106が供給する(1)信号系列の情報と(2)おおよその受信タイミングを使い、GPS受信部101のRF部が受信した信号と既知である送信信号系列との相関演算を行う。この相関演算により、衛星からの信号の受信タイミングを求めることができる。相関演算を行う信号系列のある特定区間の位相を窓と呼び、相関演算はこの窓について実施される。
【0033】
上記で「信号処理」とは、GPS受信部101の信号処理部で実施される処理を示し、上記解析によって得られた4つ以上の衛星に関する受信タイミングと衛星情報管理部106が提供する衛星の軌道情報を使って、端末の位置と時刻を計算する処理を示す。GPS受信部101の信号処理部では、最小二乗法などの計算手法を利用して、端末位置と時刻を求める。これらを求めるために実施する計算は通常のGPSにおいて実施される方法に等しい。詳しい計算方法は、例えば非特許文献2に記載されている。
【0034】
GPS受信部101は後で述べるハイブリッド位置検出部105に上記GPS信号の受信タイミングの測定結果を供給する。ハイブリッド位置検出部105はGPS衛星と基地局からの信号を使って位置検出を行う機能ブロックであるが、このGPS受信部101からは、GPS衛星に関わる測定結果が供給される。
【0035】
第2のブロックはセルラ通信部102である。このブロックにはアンテナ、RF部、モデム部が含まれ、全体として機能している。セルラ通信部102はセルラ無線ネットワークと通信し、必要な情報の入手を行うのに使われる。必要な情報はGPSと基地局の情報の2つに分類される。
【0036】
GPS衛星に関わる情報について説明する。端末は、例えば自分の最寄り基地局のID等の端末のおおよその位置がわかる情報を、セルラ無線ネットワークにつながるサーバーに供給し、サーバーから以下の情報を受け取る。すなわち(1)GPS衛星の位置・速度・軌道あるいはそれに関連するアルマナック情報、(2)送信されている信号の系列、および(3)端末のおおよその位置で観測されるGPS衛星信号の受信タイミング概算値、の3つの情報である。これらの情報は衛星情報管理部106に送られる。これらの情報に加え、ドップラー周波数に関する情報や電離層遅延に関わる誤差情報等も同時に送ることで、GPSによる位置同定の精度を向上させることもできる。
【0037】
基地局に関する情報について説明する。この情報はさらに2つの種類に分類することができる。1つは基地局自身が送信するブロードキャスト信号の受信により得られる情報で、端末は通常からこの情報を受信している。このブロードキャスト信号の例として、図7にはIS−95におけるシステムパラメータメッセージを挙げている。システムパラメータメッセージはページングチャネル上に配置されるメッセージであり、各基地局は定期的にこのメッセージを送信している。このメッセージの中で、本発明に利用する重要な情報は、項番2のパイロット信号送信タイミングオフセットを示すPILOT_PNと、項番4、5のSID、NIDと、項番22、23のアンテナ緯度、経度である。端末は、適時、これらの情報をセルラ基地局情報メモリ部104に蓄積して、情報収集を行っている。基地局に関するもう1つの情報は、基地局が送信しているパイロット信号の受信タイミングに関する情報である。IS−95を例に挙げ、パイロット信号による受信タイミングについて説明する。各基地局がGPS受信機を持っていて、それに同期して各基地局はパイロット信号を送信している。したがって異なる基地局間はGPS受信機の精度で同期していることになる。セルラ通信部102は、上記のパイロット信号を受信し、例えばモデム内の相関器の機能を使って受信タイミングを測定する。測定した結果は後に説明するセルラ基地局情報解析部103に送られる。
【0038】
セルラ通信部102は後で述べるハイブリッド位置検出部105に上記受信タイミングの測定結果を供給する。ハイブリッド位置検出部105はGPS衛星と基地局からの信号を使って位置検出を行う機能ブロックであるが、このセルラ通信部102からは、基地局に関わる測定結果が供給される。
【0039】
第3のブロックはセルラ基地局情報解析部103である。このブロックは従来技術にはなかった機能である。このブロックの機能は、GPS受信部101により供給される端末100の位置やGPS時刻と、セルラ通信部102により供給される受信タイミングや基地局位置から、基地局送信タイミングあるいは送信タイミング補正値を求めることにある。
【0040】
GPS受信部101からは端末100の現在位置と時刻が供給される。供給される時刻は、端末が独自に持っている時計の進み/遅れを測るために利用される。この正確な時計によって、端末もGPSに同期して各基地局が送信するパイロット信号の受信タイミングを測定することができる。他方、セルラ通信部102からは特定基地局に関するIDあるいはPNコード、受信タイミング、そして基地局位置が供給される。これらの情報を使ってセルラ基地局情報解析部103は各基地局の送信タイミングを推定し、セルラ基地局情報メモリ部104に情報を蓄積しておく。
【0041】
送信タイミングの推定方法は以下に示される。端末の位置はGPS受信部101から判明しており、これと基地局位置を使うことで端末―基地局間の距離が判明する。距離を伝搬速度である光速で割ることで伝搬に要する時間が判明する。したがって、受信タイミングから得られた伝搬時間を引くことで送信タイミングが判明する。
【0042】
ここで、基地局位置は半固定であるため、過去に該当基地局のブロードキャスト信号を受信した際に得た情報でもよい。この場合、得られた情報はセルラ基地局情報メモリ部104に蓄積されているから、セルラ基地局情報メモリ部104にアクセスすることで過去に測定された基地局位置の情報を取り出すことができる。セルラ基地局情報メモリ部104から情報を取り出すためのインデックスとして基地局のIDを利用することができる。IS−95では、既に説明したようにSIDとNIDの2つのIDが各基地局にユニークに与えられるので、この情報を使うことができるが、これを取り出すためには、上記ブロードキャスト信号を受信する必要がある。しかしながら、常に利用したい基地局の上記ブローキャスト信号を正しく復調することができるとは限らない。そこで、IDは今ブロードキャスト信号が受信可能な基地局のものを使用して地域を限定し、最終的な基地局の特定にはPILOT_PN情報を使うことが実用上は有効である。この方法によってセルラ基地局情報メモリ部104に蓄積された必要な情報を取り出すことができる。
【0043】
第4のブロックはセルラ基地局情報メモリ部104である。このブロックの機能は、既に述べられているが、各基地局の情報を蓄積しておくことであり、必要に応じてセルラ基地局情報解析部103や、後に説明するハイブリッド位置検出部105に蓄積情報を供給することである。
【0044】
セルラ基地局情報メモリ104は、セルラ基地局情報解析部103から受け取った情報(セルラ通信部102から得た基地局IDや基地局位置に関する情報、更には受信タイミングと他の情報から作成した基地局送信タイミングの情報)を受け取り、これを蓄積しておく。また、既に述べた通り、セルラ基地局情報解析部103が過去に蓄積していた基地局の位置情報が必要な場合には、ブロードキャスト信号が受信可能な基地局のIDと該当局のPILOT_PN情報を元に蓄積情報を検索し、必要な基地局の位置情報を提供する。また、後に説明するハイブリッド位置検出部105が必要な基地局の送信タイミングおよび基地局位置情報は、最寄り基地局のIDとPILOT_PNを使って、あるいは該当基地局のIDを使って基地局を特定し、蓄積情報を検索して必要な情報を渡す。
【0045】
第5のブロックはハイブリッド位置検出部105である。本ブロックで行う位置計算の方法は、例えば、特許文献2に示されている方法と同じであり、基地局をGPS衛星の1つとみなし、軌道情報の代わりに基地局の位置情報を使い、端末の位置を求める。既に述べられているが、各基地局のアンテナから送信しているパイロット信号の送信タイミングは、各基地局のPILOT_PNで指示されたPNオフセットの値からは若干のずれが発生している。これは、主にアンテナまでのケーブルによる伝搬遅延と基地局装置内の処理遅延が影響していると考えられる。セルラ基地局情報メモリ104には、GPSを使って測定した正確な送信タイミングあるいはその補正値が格納されているため、このずれ(誤差)を補償することができる。また、位置計算に必要な基地局位置やPILOT_PN等の情報もセルラ基地局情報メモリ104に格納されているため、この情報を元に端末が自律的に測定を行うことができる。
【0046】
最後のブロックは衛星情報管理部106である。本ブロックの機能は、GPS受信器をコールドスタートで動作させるために、GPSの受信情報を格納し、必要に応じてその情報を更新することである。
【0047】
既に述べられている通り、サーバー装置からはGPS衛星を受信するための情報(衛星の軌道情報や送信系列の情報、受信窓の情報、ドップラー周波数等の誤差情報)を受け取る。これによって上記GPS受信機は衛星のアルマナック情報を、自らがGPS衛星の信号を受信することで得る必要がなくなり、コールドスタートによる測定が可能となる。サーバー700から供給されるGPSの情報は、30分程度は更新の必要がないため、この間は、衛星情報管理部106が衛星位置を軌道情報に従って計算し、連続するトラッキング動作の場合には、相関演算を行う窓を前回の測定結果に従って更新する等の処理を行い、情報の更新を端末内部で実行する。
【0048】
6つのブロックに分けて説明したが、本発明の特徴となるブロックは、セルラ基地局情報解析部103とセルラ基地局情報メモリ104である。この2つのブロックが、機能することで、(1)該当基地局のブロードキャストチャネルが受信可能な時に該当基地局の位置やID等の情報を収集し、(2)GPSによる単独測位が可能な時にパイロットが受信でいる基地局の受信タイミングと上記基地局情報から該当基地局の信号送信タイミングあるいは送信タイミング誤差を計測しておき、蓄積しておくことができる。また、この情報を利用して、無線ネットワークにつながるサーバーから基地局の情報をもらわずに測位に必要な全ての情報を収集することが可能となる。よって端末においてサーバー700からの間欠的なGPS受信のためのアシスト情報だけで、自律的にGPSとセルラ基地局から送信される信号を使って測位を行うことが可能となり課題は解決される。
ところで上記実施例の場合、端末は、最初にGPSによる単独測位に成功し、該当基地局の送信タイミングに関する情報を持っていないとハイブリッド測位が実施できない。この場合、送信タイミング(あるいは送信タイミング補正)に関する情報だけをサーバー700から供給する方法が有効である。送信タイミング(あるいは送信タイミング補正)情報は機密情報ではないため、無線を介して情報を端末に対して供与することは何ら問題はない。そこで、端末は、GPSの単独測位ができない場合であって、かつ現在接続可能な基地局が存在するが、その基地局の送信タイミングに関する情報が取得できていない場合に、該当基地局の情報をセルラ基地局情報メモリ104から、あるいは該当基地局の送信するブロードキャスト信号から得て、かつ、該当基地局の送信タイミングに関する情報をサーバー700に要求する。サーバー700では、予め蓄えられていた要求された基地局の送信タイミング情報を、無線を介して端末に伝える。これによって端末は該当基地局についての全ての情報を収集することが可能となり、ハイブリッド測位を実施することができる。
【0049】
サーバー700に予め蓄えられていた情報は、別途取得した値でもよいし、他の端末がGPSによる単独測位に成功したときに上記別の端末のセルラ基地局情報解析手段が求めた情報を、無線回線を介してサーバーに登録したものでもよい。端末が独自に求めた値を使えば、別途送信タイミングを測定する手間を省くことができるため、システムの構築が安価に実現可能である。端末が測定結果をサーバーにレポートするかどうかを判断する情報が必要となるが、例えば基地局のブロードキャストチャネルを使ってレポートの指示を各端末にすることで、そのエリアの端末は、GPSの単独測位に成功した時点で、追加的に該当基地局の送信タイミングを測定し、結果をサーバーに報告させることも1つの実施例である。また、従来例であるサーバーにおいて端末位置を計算させる端末の測定結果を利用する方法もある。この場合には、サーバーは、端末がGPS測位を完了し測定結果を報告してきた時に、追加的に基地局の受信タイミングの測定の実施を指示し、その結果を送信タイミング測定に利用することができる。いずれの方法であっても、別途送信タイミングオフセットを測定する必要はないため、容易にシステムの立ち上げが実施できる。
【0050】
2.測位の手順
本ブロック内で実行される解析の手順を説明する。望ましい実施形態として、図5に測位のフローチャート200を示す。
【0051】
“スタート”から開始し、まずGPSによる測定を試みる。そのため、ステップ201では、端末内に蓄積、更新しているGPS情報が有効であるかを判定する。端末が持つGPS情報を更新する必要がある場合には、ステップ202にてGPS情報の更新を行う。必要なければステップ203にてGPS単独測位を試みる。ステップ204では、観測衛星数や測位誤差判定を利用し、GPS単独測位が可能であるかを判断する。
【0052】
ステップ204でGPS単独測位が可能な場合には、基地局情報収集を行う。まずステップ205にて、基地局情報の更新が必要であるかを判断する。判断基準は、ブロードキャスト情報が受信可能で該当基地局の送信タイミング情報が不明であるか、あるいは内部のセルラ基地局情報メモリに基地局の情報が蓄積されていて該当基地局の送信タイミングが不明である場合に基地局情報の更新が必要であると判断する。あるいは、過去に情報を収集した時から一定時間以上の経過がある場合や、ハイブリッド測位を実施した場合に誤差が大きい場合や、仮に送信タイミングを測定してみて、今回測定した送信タイミングの値と、過去にセルラ基地局情報メモリに蓄積された値との差が規定以上の場合等に更新が必要と判断する。更新が必要な場合には、ステップ206にて基地局情報の収集、蓄積を行う。最後にGPS測位を結果とするステップ207を実施して処理を終える。
【0053】
ステップ204でGPS単独測位が不可能な場合には、ハイブリッド測位を試みる。ステップ208では、パイロット信号が受信可能で、且つ該当基地局の基地局情報(基地局位置、PNオフセット、および送信タイミング(あるいは送信タイミング補正値)の情報)が全て取得済みである基地局を利用して、それをGPS衛星の1つとして三辺測量を実施し、例えば最小2乗法等の計算手法を使って端末の位置を算出する。ステップ209ではハイブリッド測位後に測位の精度を評価する。ステップ209で、ハイブリッド測位可能ならば、ハイブリッド測位を結果とするステップ210を実行して処理を終了する。もし、ステップ209においてハイブリッド測位が不可能であると評価された場合には、測位不能として、処理を終えるステップ211を実行する。
【0054】
3.基地局情報収集の手順
図6を用いて、ステップ206の基地局情報収集および蓄積についてより詳細に説明する。図6はステップ206のフローを示すフローチャートである。
【0055】
ステップ206は“スタート”から開始する。まず現在従属しているアクティブな基地局から送信されているネイバーリストをチェックし、近接する基地局のPNオフセットをリストアップするステップ301を実施する。次にステップ302において、該当ネイバーリスト内の基地局について基地局情報を取得済みであるかをチェックする。取得していない基地局の情報があれば、ステップ303に制御を移し、該当基地局のブロードキャストチャネル(ページングチャネル)を観測する。ブロードキャストチャネル内には、図7で説明したように、基地局位置、PNオフセット等の基地局情報が格納されており、それを復調して取り出し、基地局情報メモリに格納する。
【0056】
ネイバーリストに挙げられた全ての基地局のブロードキャストチャネルが正しく復調できるわけではない。所要E/Iが規定に満たない基地局からの信号は高い確率でブロードキャストチャネルの正しい復調ができないため、先にパイロット信号の受信電力を測定し、E/Iを推定してから、それによりブロードキャストチャネルが受信可能かどうかを判定するようにすれば、ステップ303の実行速度を高速化することができる。
【0057】
以下のステップでは、相関演算を使って受信信号のタイミングを測定する。まずステップ304では、該当基地局の送信するパイロット信号を受信し、これを相関演算器にかけて遅延プロファイルを作成する。次にステップ305では、作成した遅延プロファイルに対してパス検出を行い、受信タイミングを測定する。
【0058】
以下のステップでは、受信タイミングから送信タイミングを算出する。まずステップ306では、GPS単独測位で得た端末位置と既に取得済みである基地局位置から、両者間の距離を算出する。得られた距離を光速で割ることで、伝搬時間を求める。次にステップ307では、測定により得られた受信タイミングから、上記伝搬時間を引いて送信タイミングを算出する。
【0059】
以下のステップでは、得られた送信タイミングの誤差を判定し、誤差が規定値以内であれば、得られた送信タイミング(補正値)をセルラ基地局情報メモリに格納する。ここで、補正値を格納する場合には、基準値が必要となる。IS−95では、各基地局はCDMA基準時間に対して、各基地局が持つPNオフセット×64チップ分だけ、送信しているパイロット信号のPN位相を遅らせている。したがって、該当基地局のPNオフセット値から送信タイミングの基準値を算出することができる。測定結果から、この基準値を差し引いた値が補正値となる。まずステップ308では、例えば測定した送信タイミングから上記送信タイミングの基準値を引いて補正値を求める。補正値は、平均的なアンテナケーブル長や基地局装置内の内部遅延によって決まるおおよその遅れがあるため、これを予め定義しておき、この値をさらに上記補正値から引く。すると平均的なオフセットに対する測定結果の誤差が得られるから、これの絶対値が規定の値以下となる場合には誤差が少ないと判断することができる。セルラ通信では、セルのサービスエリアを広げるために、リピータ局が設置されている場合がある。リピータ局は、セルラ基地局のアンテナから送信される信号を一部取り出してケーブルで引き回した後に再度信号を増幅して送信するような構造となっているため、通常の自由空間伝搬よりも大きな遅延をもって受信されることが一般的である。そのため、リピータが送信する信号を、本発明の端末が受信すると、大きな誤差を持った基地局として登録してしまい、不都合が生じる。こうした現象を防止するためにステップ308は必要である。ステップ308で、誤差小さいと判断された場合には、ステップ309に制御が移り、セルラ基地局情報メモリに、測定された送信タイミング(補正値)が格納される。そしてステップ310で本ルーチンから復帰する。
【0060】
【発明の効果】
以上、説明した本発明によれば、ビル街や屋内のようにGPSのみでは位置測定が困難な環境において、端末が自律的に位置測定の実施が可能となる。すなわち、GPSと基地局からの信号の両方を用いて測位を行うハイブリッド型の自律測位が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明からなる端末の構成図。
【図2】従来技術の概要を示す図。
【図3】従来技術からなる測位システムの構成図。
【図4】従来技術からなる端末の構成図。
【図5】測位の手順を示すフローチャート。
【図6】基地局情報収集の手順を示すフローチャート。
【図7】IS−95Bのブローキャスト情報(システムパラメータメッセージの内容)。
【符号の説明】
100...端末、101...GPS受信機、 102...セルラ通信機、103...セルラ基地局情報解析部、104...セルラ基地局情報メモリ、105...ハイブリッド位置検出部、106...衛星情報管理部、107...データ蓄積部、200〜211...測位手順の各ブロック、301〜310...基地局情報収集の手順の各ブロック、400〜403...GPS衛星、500〜501...セルラ基地局、600...無線ネットワーク、700...サーバー。

Claims (12)

  1. GPS受信器とセルラ無線通信機とを有し、上記GPS受信機が受信したGPS信号または上記セルラ無線通信機が受信したセルラ信号を用いて位置を計算する無線位置測定端末において、上記無線位置測定端末内に保持した上記GPS信号を捕らえるために必要なGPS情報または上記セルラ信号を捕らえるために必要なセルラ情報を使い、上記GPS信号または上記セルラ信号の受信タイミングの測定を行い、該測定された受信タイミングと上記端末内に保持した上記セルラ基地局の情報から端末の位置を求めることを特徴とする無線位置測定方法。
  2. 請求項1記載の無線位置測定方法であって、GPS信号のみを用いて上記装置の位置が計算できる状態のときに、上記セルラ信号の受信タイミングを測定し、上記受信タイミング、測定された端末位置および上記基地局の位置情報を使って上記基地局が上記セルラ信号を送信した送信タイミングを求め、上記基地局の情報と上記送信タイミング情報を無線位置測定端末に保持することを特徴とする無線位置測定方法。
  3. 請求項1記載の無線位置測定方法であって、GPS信号のみを用いて上記装置の位置が計算できる状態のときに、上記セルラ信号の受信タイミングを測定し、上記受信タイミング、測定された端末位置および上記基地局の位置情報を使って上記基地局が上記セルラ信号を送信した送信タイミングを求め、上記送信タイミングとGPSが生成する時刻との比較から該送信タイミングの補正値を求め、上記セルラ基地局の情報と上記送信タイミングの補正値情報を無線位置測定端末に保持することを特徴とする無線位置測定方法。
  4. 請求項2または3記載の無線位置測定方法であって、上記GPS信号のみで位置が計算できないときに、上記セルラ無線通信機によって周囲の基地局から送信されるセルラ信号を受信し、上記無線位置測定端末に保持された情報を使って、端末で観測された信号の受信タイミングから伝搬時間を計算し、GPS衛星からの信号と上記基地局からの信号を使って端末位置を計算することを特徴とする無線位置測定方法。
  5. 請求項2または3記載の無線位置測定方法であって、上記無線位置測定端末は、上記セルラ信号を用いて得られた上記基地局についての情報を上記サーバー装置に伝達することを特徴とする無線位置測定方法。
  6. 請求項1記載の無線位置測定方法であって、上記端末は、上記GPS信号のみでは位置測定ができない場合に、受信されるセルラ信号から判断される最寄り基地局を特定する情報を上記サーバー装置に伝え、ネットワークを介して該無線位置測定端末に接続されるサーバー装置は送信タイミングまたは送信タイミングの補正値を、上記無線ネットワークを介して上記無線位置測定端末に送信し、上記無線位置測定端末はその情報を使って、上記GPS信号と上記セルラ信号を使って端末の位置を求めることを特徴とする無線位置測定方法。
  7. 請求項1記載の無線位置測定方法であって、上記端末は、上記サーバー装置から供給される上記GPS情報を保持しておき、該保持されているGPS情報の更新の必要性を判断し、該GPS情報の更新が必要と判断された場合に上記サーバー装置から新たに上記GPS情報の供給を受けることを特徴とする無線位置測定方法。
  8. 請求項7記載の無線位置測定方法であって、上記セルラ通信機で基地局が送信しているシステム情報を取得して近接する基地局の情報を既に取得済みであるかを判断し、上記判断の結果、情報をもっていない基地局がある場合には、該当基地局の制御情報を観測し、該当基地局に関する基地局情報を取得して、取得結果を上記無線位置測定端末内のメモリに蓄積することを特徴とする無線位置測定方法。
  9. 無線位置測定端末であって、GPS衛星からの信号を受信して受信機位置と時刻を算出するGPS受信手段と、周囲基地局からの信号の受信タイミングを測定するセルラ通信機と、該セルラ通信機に接続され、セルラ通信及びGPS受信器により受信される情報を用いて上記GPS衛星の情報を更新する衛星情報管理手段と、周囲基地局の情報と、上記周囲基地局から送信されている信号の受信タイミング測定結果の情報を上記セルラ受信手段から入手し、且つGPS衛星からの信号のみによる端末位置と時刻の情報を上記GPS受信手段から入手して上記周囲基地局に関する送信タイミング補正情報を求め、送信タイミング補正情報を作成するセルラ基地局情報解析手段と、上記セルラ基地局情報解析手段が作成した送信タイミング補正情報と信号受信により得られた基地局の情報を蓄積するメモリと、上記GPS受信手段の受信した上記GPS衛星の情報と受信タイミング測定結果とを、または上記セルラ通信手段の受信した基地局情報と受信タイミング測定結果と上記メモリに蓄積された周囲基地局の情報とを使って位置を計算する位置検出手段からなる無線位置測定端末。
  10. 請求項9記載の無線位置測定端末であって、上記該当基地局に関する補正情報の測定結果を、セルラ通信手段を介して無線ネットワークにつながるサーバー装置に送信することを特徴とする無線位置測定端末。
  11. 請求項9記載の無線位置測定端末であって、上記メモリに周囲基地局の情報がない場合に、上記該当基地局に関する補正情報の測定結果を、セルラ通信手段を介して無線ネットワークにつながるサーバー装置から得ることを特徴とする無線位置測定端末。
  12. 無線ネットワークに接続されるサーバー装置であって、端末から基地局IDと測定された送信タイミング補正情報が送られてきた場合に、上記情報をメモリに蓄積することを特徴とするサーバー装置。
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