JP2005017349A - Ledフラッシュ機能を有する携帯情報端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体に対し液晶表示部のバックライトの発光を制御することにより、フラット照射を行って調光,マクロ撮影,ズーム角相当の発光,多点発光を可能とし、デザイン上優れた外観を構築するのに支障のないLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末を提供する。
【解決手段】液晶パネル3の周辺位置にカメラ部2が配置され、液晶パネル3のバックライトとして液晶パネル3の背面に複数のLED5が配置されている。カメラ機能を起動してフラッシュ発光を行う場合、LED5が発光したフラッシュ光の反射光をSPD素子4が測光し、測光データに基づきカメラ部2が受光する光量が適正になるように液晶パネル3のネマチックのティルト角を制御して調光する。また、マクロ撮影時の適正発光を行う。さらにズームレンズの場合、ズーム角対応になるように液晶パネル3の中央部と周辺部の発光制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶パネル3の周辺位置にカメラ部2が配置され、液晶パネル3のバックライトとして液晶パネル3の背面に複数のLED5が配置されている。カメラ機能を起動してフラッシュ発光を行う場合、LED5が発光したフラッシュ光の反射光をSPD素子4が測光し、測光データに基づきカメラ部2が受光する光量が適正になるように液晶パネル3のネマチックのティルト角を制御して調光する。また、マクロ撮影時の適正発光を行う。さらにズームレンズの場合、ズーム角対応になるように液晶パネル3の中央部と周辺部の発光制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はLEDフラッシュ装置、さらに詳しくいえば、該LEDフラッシュ機能を搭載した携帯電話機,PHS,PDAなどの携帯情報端末に関する。
本発明に用いるLEDは、light emitter diode(発光ダイオード) の略で、特にストロボ光に適した白色光を発する発光ダイオードであり、この他の色(例えば赤,青,緑など)を発する発光ダイオードも含むものである。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、携帯電話用フラッシュとして、LED使用による小型ストロボ装置を提案している(特許文献1)。
この小型ストロボ装置は、点光源のLED構成となっており、また、このLEDは、被写体を照らす光源として用いるものである。
【0003】
ところで、この提案のLEDは、点光源であるため被写体に照射する光量にフラット性はなく、画像の中心と周辺の光量差が大きい。そのため照射光の均一性を確保するのが困難である。
また、LEDフラッシュ1灯において、画角を満足した適正露出を得られる撮影距離は50〜60cmである。例えば1mで3灯必要とすれば、照射強度は距離の2乗の反比例するため、2mではLEDが12灯必要となる。よって、多灯にするとLEDを携帯電話外観面に置くスペースはなく、デザイン的にも見栄えが悪くなる。
さらに点光源であるため被写体の影が強くでてしまうという問題がある。特に直ぐ後ろに壁などの背景を控えた人物撮影などは顕著である。
【0004】
そこで、カメラ機能付き携帯情報端末にストロボ装置を設ける一形態として液晶表示部のバックライトを利用するものが提案されているが、実用的なフラットなストロボ光として利用する場合、適切なフラットストロボ光を得るために従来のストロボ装置にはない特別な回路機構が必要になる。
例えば、被写体に対し適正な露出を得るために点光源とは異なる発光量を制御する機構が必要となる。また、銀塩カメラにおけるマクロ撮影(接写)では、特別な形状(例えばリング状)のストロボ光を用いて照射ムラを極力なくし、かつ適切な光量になるように制御しているが、液晶表示部のバックライトは、表示部特有の発光制御がされているため、これをフラットなストロボ光にしてマクロ撮影するためには特別の制御が必要となる。さらに、従来のストロボ装置ではレンズのズーム倍率にしたがって点光源の反射板の位置を前後させて発光角を変更できるものが存在するが、液晶表示部のバックライトにそのような機構を盛り込むことは困難である。
【0005】
また、携帯情報端末がストロボ機能付き携帯電話機である場合には、他人の携帯電話機を借りることにより一時的に複数台揃えることが容易であるので、複数台の携帯電話機のストロボを用いて多点フラッシュ装置を構築することが考えられる。
【特許文献1】
特開2003−101836号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題を解決するもので、その目的は、被写体に対し液晶表示部のバックライト発光を種々制御することにより、フラット照射を行いつつ調光,マクロ撮影,ズーム角相当の発光,多点発光を可能とし、デザイン上も優れた外観を構築できるLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、前記LEDが発光したフラッシュ光の反射光を測光する測光部と、前記測光部からの測光データに基づき、前記カメラ部が受光する光量が適正になるように前記液晶表示部のネマチックのティルト角を可変させるティルト角制御部とを備え、液晶表示部のチィルト角の制御によって調光することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、前記発光制御部は、レリーズオンによってプレ発光を行い、その後に本発光を行うように構成され、前記LEDが発光したプレ発光の反射光を測光する測光部と、レンズ距離データと前記測光部の測定値より発光量を決定する発光量判定部と、前記発光量判定部で決定した発光量対応の電流で前記LEDを駆動する駆動電流制御部とを備え、被写体までの距離が所定値以下の場合、LED駆動電流を減少制御し接写撮影に対し適正発光を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、前記カメラ部はズームレンズであり、前記ズームレンズをズーミングする操作部と、前記操作部のズーミング操作に従って前記液晶表示部の周辺部エリアと中央部エリアに配置されたLEDの発光による輝度をそれぞれ制御する制御部とを備え、前記ズームレンズの画角に応じて前記液晶表示部の周辺部エリアの発光量と中央部エリアの発光量を変えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、スレーブ機能を起動する操作部と、測光部と、前記スレーブ機能の起動により、前記LEDをフラッシュモードに切り替える切替部と、前記測光部が所定以上の光量を検知したとき、前記LEDをフラッシュモードで同期発光させる同期制御部とを備え、主ストロボ発光手段の発光を受けてスレーブ発光し多灯フラッシュ撮影を可能にしたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明において前記液晶表示部に拡散板を装着する手段を有し、前記拡散板の装着によって前記LED発光をさらにフラット化することを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1によれば、液晶表示部のバックライトのLEDの発光量を制御でき、適切な調光が可能となる。請求項2によれば、マクロ撮影の適正発光が可能となる。請求項3によれば、ズームレンズの画角に応じて照射角を変えることができる。請求項4によれば、液晶表示部のバックライトによる多点フラッシュ発光が可能となる。請求項5によれば、液晶バックライト光を一層フラット化できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるLEDフラシュ機能を有する携帯情報端末の外観を示す斜視図である。
図1(a)においてフリップ式携帯電話機1の蓋側1aの中央に液晶パネル3が配置されている。液晶パネル3の上部にカメラ部2が、さらにその上部にスピーカ20が配置されている。液晶パネル3の下部には被写体からの反射光を受光するSPD素子4が配置されいる。
【0010】
一方、基部側1bには主にボタン類が配置されており、中央にテン・文字入力キー8が、上部に決定ボタン(レリーズボタンにもなる)10が、その周囲に移動方向を選択する選択キー11がそれぞれ配置されている。さらにその右上にカメラ起動キー12が配置されている。基部側1bの下端にはマイク9が配置されている。カメラが起動されてフラッシュ撮影が選択されれば、液晶パネル面はフラッシュ発光面となり、フラットなフラッシュ光3aを発光する。
図1(b)に液晶バックライト部6の構成を示す。液晶バックライト部6には複数の白色光のLED5が縦横に配置され、LED5の光が前面側に出射される。フラッシュ発光時はバックライト時よりLED5に多くの電流を流すように制御される。
【0011】
図2は、本発明によるLEDフラシュ機能を有する携帯情報端末の回路の実施の形態を示すブロック図である。
本図は本発明に直接関連する回路部分のみを記載し、他の部分は省略してある。CPU21はカメラ動作および発光に関する制御を行う回路であり、主な制御内容はカメラ回路7の制御,調光制御,複数のLED5によりなるバックライト部6への電流供給制御である。また、レンズがズームレンズであれば、バックライト部6の中央部と周辺部にそれぞれ配置されたLEDの発光強度を制御する機能を有し、選択キーにより操作された場合も、操作にしたがってバックライト部6の中央部と周辺部の発光強度を変える。さらにスレーブフラッシュ機能が選択された場合にはスレーブ制御を行う。
【0012】
CPU21には至近から無限を示すレンズデータ18,カメラモード設定スイッチ(カメラ起動キー)19からの信号,SPD4からの入射光の検知信号およびその他のキー入力信号が入力される。偏光角度制御部22は、CPU21が適正光量を受光したときに送られてくる制御信号により、液晶パネル3の偏光角を制御してバックライト部のLED5からの光を遮光することにより調光制御を行う。LED電源IC13は、LEDドライバ14,定電圧の昇圧回路16およびLED電流切替スイッチ16を有しており、バックライト部6のLED15の駆動制御およびLED15の駆動電流の切り替えを行う。LED電流切替スイッチ16は定電流回路の抵抗値を抵抗R1またはR2に切り替える電子スイッチで、抵抗値を切り替えることによってLEDの駆動電流を変えることができる。例えば、抵抗R1に切り替った場合にはLED15に20mAが、抵抗R2に切り替った場合には200mAの駆動電流が流れる。20mA場合には通常の液晶パネルのバックライトとしての駆動であり、200mAの場合にはフラッシュ発光時の駆動である。
【0013】
I2 C17は、バックライト部6の中央部と周辺部の発光強度を任意に変えるための回路で、携帯電話やカメラの通信に用いる制御信号であり、これに同期させることにより8ビットで可変でき256段階で中央部と周辺部の発光強度をコントロールすることができる。
カメラ回路部7は、CPU21からの指示によってカメラ撮影動作を行う回路で、撮像素子,撮像素子制御部,画像処理部,メモリ部などからなる。CPU21は本発光制御をしたとき、所定のタイミングでカメラ回路部7に指示信号を出力し、カメラ回路部7は指示信号により被写体像を読み込み、所定処理をしてメモリ部に記憶する。
【0014】
図3はツイステッドネマティック(TN)液晶パネルのティルト角および透過率の電圧依存性を示すグラフである。
SPD素子4によってフラッシュ光を受けて調光する場合の液晶の印加電圧であり、横軸は印加電圧(V)、縦軸はティルト角(度)と光透過率(%)を示している。
例えば、1Vの電圧が印加されると、液晶部のネマチックのティルト角は約20度であり、光透過率は100%近い値となり、LED発光量の略100%が通過する。2.5Vの電圧が印加されると、ティルト角は約70%で、光透過率は略0%になる。
図4にTN液晶を通過する直線偏光の位相のズレを示す。
印加する電圧値により分子配列が変わり透過率を変える。電圧値によって位相が90度捩じれる。例えばディレクタと直線偏光のなす角が0度の場合には、直線偏光は100%通過するが、なす角が20度の場合、通過光量は減少する。
【0015】
図5はバックライト点灯とフラッシュ点灯時の波形の一例を示す図で、図6は発光に関する各信号のタイミングチャートである。
液晶表示動作ではCPU21は、液晶バックライト部のLED5に流す電流を図5(a)に示すように例えば20mAになるように制御する。
一方、カメラ機能が起動されてフラッシュ発光を選択した場合には、図5(b)に示すように例えば200mAのパルス電流を流してプレ発光を行い、画像取り込みに同期して200mAの電流を500mSの期間流して本発光を行う。
図6においてプレ発光信号が出力されると、水平同期信号VD に同期してシャッタ信号SUBが出力され、本発光を受けた被写体の反射光は撮像素子上に結像し、その像は撮像素子に読み込まれる。撮像素子に蓄積された電荷は転送され画像データとして所定処理がされてメモリ部に記憶される。
【0016】
図7はフラッシュ撮影動作の流れを説明するためのフローチャートである。
カメラ起動キー12を押してカメラ機能を起動すると、液晶パネル3にはフラッシュ発光するか否かを選択するための選択アイコンが表示され、フラッシュ発光を選択しない場合には、シャッタボタンを兼ねる決定ボタン10をレリーズするとフラッシュ発光することなく撮影が行われる。フラッシュ発光を選択した場合には、フラッシュ発光撮影となる。
構図を決めて決定ボタン10を押すと、CPU21はレリーズ信号を検知してLED電源IC13を制御し、LED電流切替スイッチ16を切り替えLED5に大電流の駆動電流を流しプレ発光を行う(ステップ(以下「S」という)01)。プレ発光は中心付近のLEDのみを発光させても良いし、またすべてLEDを発光させてもよい。CPU21はI2 C17のシリアルデータによって中心付近のLEDのみか、すべてのLEDを発光させる制御を行うことができる。
【0017】
CPU21はレンズデータ18(至近または無限のデータ)から被写体の位置を判定する(S02)。被写体の位置は距離または画角を示すデータによって行なわれる。そして、プレ発光の反射光をSPD素子4で測光し反射光量を判断する。CPU21は、SPD4からの測光データからフル発光では光量が多すぎると判定した場合にはフル発光において偏光角度制御部22を制御し適正な光量を受けた時点で液晶ネマチックのティルト角を変えてLED5の発光を遮断する。すなわち調光を行う(S03,S04)。フル発光でも光量が少ない場合にはフル発光を行う(S03,S04)。
上記SPDでフラッシュ光量を被写体の反射光で判断しているのは、被写体の反射率も含めて測光ができるためであり、被写体の反射率に左右されないからである。図8にレンズデータとプレ発光の反射を検知してフラッシュ光制御を行う過程を示す。
【0018】
なお、レンズデータから所定の距離(例えば15cm)以内、すなわち接写すると判定した場合には、通常のフラッシュ発光量、例えば駆動電流200mAでは大きすぎる。そこでCPU21はLED5の電流駆動量を減少させる。図2のLED電流切替スイッチ16の例は抵抗R1,R2の2段階で切り替えているが、フル発光駆動電流より減少させた電流を流す抵抗値を増設することにより対応することができる。例えば、電流70mAをLED5に供給できるような値の抵抗を設け、定電流回路の抵抗値として切り替える。
【0019】
図9は液晶表示部のバックライトLEDの配置例を示す図である。
LEDを中央部Aに含まれるものと、その周辺部Bに含まれるものとに分け、中央部のLEDと周辺のLEDの発光強度をレンズのズーム角に対応して変えるように制御することができる。
カメラ部2がズームレンズの場合、ズームボタン機能を兼ねるテン・文字入力キー8によってズーミングが可能である。CPU21はこのズーミングに対応して中央部のLEDと周辺のLEDの発光強度(輝度)を制御し実質的に照射画角を変えることができる。
【0020】
また、中央部Aと周辺部Bに含まれるLEDの発光強度を操作によって変えることもできる。かかる場合、フラッシュ時のLED光量設定の画面を表示させ、周辺部と中央部の何れかを選択キー11により選択し、その発光強度すなわち駆動電流を選ぶこととなる。これにより接写時の周辺光量落ちを補正することが可能となる。また、キャッチアイを被写体に入れる場合には、A部中央のみの発光を選択することもできる。
液晶画面の中央に対し周囲の光量が落ちる原因は、レンズの特性と発光光量の特性劣化の2つが考えられる。
【0021】
図10は、スレーブ機能に用いる場合のSPD素子の配置例を示す図、図11は、多点フラッシュの例を説明するための図である。
図10に示すように基部1bの背面にSPD素子23を設け、携帯電話機にスレーブ機能を持たせ多灯LEDフラッシュができるようにしている。
被写体にフラッシュ光を照射させる場合、1灯発光では、被写体の影が強くでてしまうため多灯で影を少なくするものである。
携帯電話機の選択キー11を押してフラッシュ撮影のスレーブ機能を選択する。CPU21はLEDをフラッシュ発光のモードに切り替え、SPD素子23からの光の入力に同期してLEDを発光するように制御する。このような制御により携帯電話機はスレーブフラッシュ発光を行うことができる。
【0022】
一方、カメラ撮影をする携帯電話機(以下「撮影携帯電話機」と称す)25のカメラ起動キー12が押されると、液晶パネル3にはフラッシュ撮影するか否かの選択画面が表示されるためフラッシュモードを選択する。撮影携帯電話機25は被写体28に対しスレーブフラッシュ発光を行う2つの携帯電話機26,27の後ろ側または側部であって、撮影携帯電話機25のフラッシュ光の一部が、携帯電話機26,27の背面のSPD素子23に入射するような位置での構えとなる。撮影者が決定ボタン10を押してレリーズすると、撮影携帯電話機25のフラッシュが発光し、発光の一部は携帯電話機26,27のSPD素子にそれぞれ入射し、各携帯電話機26,27のスレーブ機能がトリガーされ、SPD素子の入射光に同期して各携帯電話機26,27のLEDフラッシュが発光する。
各方向からフラッシュ光を当てることができ、光量が増加するため、ストロボ撮影できる被写体までの距離が伸び、しかも影の発生が緩和される。
この実施の形態では撮影携帯電話機の発光を検知するためのSPD素子を基部1bの背面に設けた例を説明したが、スレーブ側の携帯電話機は被写体に対し液晶パネルを向け、かつSPD素子を、撮影携帯電話機の発光を受信する方向に向けなければならない。フリップ式携帯電話機では折曲量によって方向をある程度調整することができるが、限界がある。そこで、360度何れにも回転可能な突起部を設け、その一部にSPD素子を設けることもできる。
【0023】
図12は液晶表示部に拡散板を装着する場合の例を示す図である。
さらにフラッシュ光のフラット化を図るため発光時には液晶パネル面にディフューザを取り付けることができる。
携帯裏面カバー29にディフュザー機能をもたせ、携帯裏面カバー29を携帯電話機1から取り外して二点鎖線28aに示すように液晶パネル3の前面に取り付けフラッシュ光を拡散させるようにできる。
【0024】
以上の実施の形態は、携帯情報端末として携帯電話機を用いた例を示したが、この他にPHS,PDAに適用することができ、ディジタルカメラにも適用することもできる。また、LEDの取付け密度を周辺位置ほど大きくして周辺光量落ちを予め少なくるするように構成することもできる。また、白色光ではなく色の付いた光を発光させることも可能で、色付きの照明光による撮影も可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、液晶表示部のバックライトをフラッシュ光として用いる携帯情報端末において、簡易な回路構成で調光が可能になり、被写体が遠距離から接写位置にいずれにあってもストロボ光が適正になるように制御でき、レンズ画角に対応した発光角度に実質的に同じになるような発光も可能である。また、多点フラッシュとしても容易に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明によるLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】ツイステッドネマティック液晶パネルのティルト角および透過率の電圧依存性を示すグラフである。
【図4】TN液晶を通過する直線偏光の位相のズレを説明するための図である。
【図5】バックライト点灯とフラッシュ点灯時の波形を示す図である。
【図6】発光に関する各信号のタイミングチャートである。
【図7】フラッシュ撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】フラッシュ光制御に到る動作を説明するための図である。
【図9】液晶表示部のバックライトLEDの配置例を示す図である。
【図10】スレーブ機能に用いる場合のSPD素子の配置例を示す図である。
【図11】多点フラッシュの例を説明するための図である。
【図12】液晶表示部に拡散板を装着する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機(携帯情報端末)
2 カメラ部
3 液晶パネル(液晶表示部)
4 SPD素子(フォトダイオード)
5 LED
6 液晶バックライト部
8 テン・文字入力キー
9 マイク
11 選択キー
12 カメラ起動キー
13 LED電源IC
14 ドライバ
15 昇圧回路
16 LED電流切替スイッチ
17 I2 C
18 レンズデータ
19 カメラモード設定スイッチ
20 スピーカ
21 CPU
22 偏光角度制御部
【発明の属する技術分野】
本発明はLEDフラッシュ装置、さらに詳しくいえば、該LEDフラッシュ機能を搭載した携帯電話機,PHS,PDAなどの携帯情報端末に関する。
本発明に用いるLEDは、light emitter diode(発光ダイオード) の略で、特にストロボ光に適した白色光を発する発光ダイオードであり、この他の色(例えば赤,青,緑など)を発する発光ダイオードも含むものである。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、携帯電話用フラッシュとして、LED使用による小型ストロボ装置を提案している(特許文献1)。
この小型ストロボ装置は、点光源のLED構成となっており、また、このLEDは、被写体を照らす光源として用いるものである。
【0003】
ところで、この提案のLEDは、点光源であるため被写体に照射する光量にフラット性はなく、画像の中心と周辺の光量差が大きい。そのため照射光の均一性を確保するのが困難である。
また、LEDフラッシュ1灯において、画角を満足した適正露出を得られる撮影距離は50〜60cmである。例えば1mで3灯必要とすれば、照射強度は距離の2乗の反比例するため、2mではLEDが12灯必要となる。よって、多灯にするとLEDを携帯電話外観面に置くスペースはなく、デザイン的にも見栄えが悪くなる。
さらに点光源であるため被写体の影が強くでてしまうという問題がある。特に直ぐ後ろに壁などの背景を控えた人物撮影などは顕著である。
【0004】
そこで、カメラ機能付き携帯情報端末にストロボ装置を設ける一形態として液晶表示部のバックライトを利用するものが提案されているが、実用的なフラットなストロボ光として利用する場合、適切なフラットストロボ光を得るために従来のストロボ装置にはない特別な回路機構が必要になる。
例えば、被写体に対し適正な露出を得るために点光源とは異なる発光量を制御する機構が必要となる。また、銀塩カメラにおけるマクロ撮影(接写)では、特別な形状(例えばリング状)のストロボ光を用いて照射ムラを極力なくし、かつ適切な光量になるように制御しているが、液晶表示部のバックライトは、表示部特有の発光制御がされているため、これをフラットなストロボ光にしてマクロ撮影するためには特別の制御が必要となる。さらに、従来のストロボ装置ではレンズのズーム倍率にしたがって点光源の反射板の位置を前後させて発光角を変更できるものが存在するが、液晶表示部のバックライトにそのような機構を盛り込むことは困難である。
【0005】
また、携帯情報端末がストロボ機能付き携帯電話機である場合には、他人の携帯電話機を借りることにより一時的に複数台揃えることが容易であるので、複数台の携帯電話機のストロボを用いて多点フラッシュ装置を構築することが考えられる。
【特許文献1】
特開2003−101836号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題を解決するもので、その目的は、被写体に対し液晶表示部のバックライト発光を種々制御することにより、フラット照射を行いつつ調光,マクロ撮影,ズーム角相当の発光,多点発光を可能とし、デザイン上も優れた外観を構築できるLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、前記LEDが発光したフラッシュ光の反射光を測光する測光部と、前記測光部からの測光データに基づき、前記カメラ部が受光する光量が適正になるように前記液晶表示部のネマチックのティルト角を可変させるティルト角制御部とを備え、液晶表示部のチィルト角の制御によって調光することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、前記発光制御部は、レリーズオンによってプレ発光を行い、その後に本発光を行うように構成され、前記LEDが発光したプレ発光の反射光を測光する測光部と、レンズ距離データと前記測光部の測定値より発光量を決定する発光量判定部と、前記発光量判定部で決定した発光量対応の電流で前記LEDを駆動する駆動電流制御部とを備え、被写体までの距離が所定値以下の場合、LED駆動電流を減少制御し接写撮影に対し適正発光を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、前記カメラ部はズームレンズであり、前記ズームレンズをズーミングする操作部と、前記操作部のズーミング操作に従って前記液晶表示部の周辺部エリアと中央部エリアに配置されたLEDの発光による輝度をそれぞれ制御する制御部とを備え、前記ズームレンズの画角に応じて前記液晶表示部の周辺部エリアの発光量と中央部エリアの発光量を変えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、スレーブ機能を起動する操作部と、測光部と、前記スレーブ機能の起動により、前記LEDをフラッシュモードに切り替える切替部と、前記測光部が所定以上の光量を検知したとき、前記LEDをフラッシュモードで同期発光させる同期制御部とを備え、主ストロボ発光手段の発光を受けてスレーブ発光し多灯フラッシュ撮影を可能にしたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明において前記液晶表示部に拡散板を装着する手段を有し、前記拡散板の装着によって前記LED発光をさらにフラット化することを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1によれば、液晶表示部のバックライトのLEDの発光量を制御でき、適切な調光が可能となる。請求項2によれば、マクロ撮影の適正発光が可能となる。請求項3によれば、ズームレンズの画角に応じて照射角を変えることができる。請求項4によれば、液晶表示部のバックライトによる多点フラッシュ発光が可能となる。請求項5によれば、液晶バックライト光を一層フラット化できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるLEDフラシュ機能を有する携帯情報端末の外観を示す斜視図である。
図1(a)においてフリップ式携帯電話機1の蓋側1aの中央に液晶パネル3が配置されている。液晶パネル3の上部にカメラ部2が、さらにその上部にスピーカ20が配置されている。液晶パネル3の下部には被写体からの反射光を受光するSPD素子4が配置されいる。
【0010】
一方、基部側1bには主にボタン類が配置されており、中央にテン・文字入力キー8が、上部に決定ボタン(レリーズボタンにもなる)10が、その周囲に移動方向を選択する選択キー11がそれぞれ配置されている。さらにその右上にカメラ起動キー12が配置されている。基部側1bの下端にはマイク9が配置されている。カメラが起動されてフラッシュ撮影が選択されれば、液晶パネル面はフラッシュ発光面となり、フラットなフラッシュ光3aを発光する。
図1(b)に液晶バックライト部6の構成を示す。液晶バックライト部6には複数の白色光のLED5が縦横に配置され、LED5の光が前面側に出射される。フラッシュ発光時はバックライト時よりLED5に多くの電流を流すように制御される。
【0011】
図2は、本発明によるLEDフラシュ機能を有する携帯情報端末の回路の実施の形態を示すブロック図である。
本図は本発明に直接関連する回路部分のみを記載し、他の部分は省略してある。CPU21はカメラ動作および発光に関する制御を行う回路であり、主な制御内容はカメラ回路7の制御,調光制御,複数のLED5によりなるバックライト部6への電流供給制御である。また、レンズがズームレンズであれば、バックライト部6の中央部と周辺部にそれぞれ配置されたLEDの発光強度を制御する機能を有し、選択キーにより操作された場合も、操作にしたがってバックライト部6の中央部と周辺部の発光強度を変える。さらにスレーブフラッシュ機能が選択された場合にはスレーブ制御を行う。
【0012】
CPU21には至近から無限を示すレンズデータ18,カメラモード設定スイッチ(カメラ起動キー)19からの信号,SPD4からの入射光の検知信号およびその他のキー入力信号が入力される。偏光角度制御部22は、CPU21が適正光量を受光したときに送られてくる制御信号により、液晶パネル3の偏光角を制御してバックライト部のLED5からの光を遮光することにより調光制御を行う。LED電源IC13は、LEDドライバ14,定電圧の昇圧回路16およびLED電流切替スイッチ16を有しており、バックライト部6のLED15の駆動制御およびLED15の駆動電流の切り替えを行う。LED電流切替スイッチ16は定電流回路の抵抗値を抵抗R1またはR2に切り替える電子スイッチで、抵抗値を切り替えることによってLEDの駆動電流を変えることができる。例えば、抵抗R1に切り替った場合にはLED15に20mAが、抵抗R2に切り替った場合には200mAの駆動電流が流れる。20mA場合には通常の液晶パネルのバックライトとしての駆動であり、200mAの場合にはフラッシュ発光時の駆動である。
【0013】
I2 C17は、バックライト部6の中央部と周辺部の発光強度を任意に変えるための回路で、携帯電話やカメラの通信に用いる制御信号であり、これに同期させることにより8ビットで可変でき256段階で中央部と周辺部の発光強度をコントロールすることができる。
カメラ回路部7は、CPU21からの指示によってカメラ撮影動作を行う回路で、撮像素子,撮像素子制御部,画像処理部,メモリ部などからなる。CPU21は本発光制御をしたとき、所定のタイミングでカメラ回路部7に指示信号を出力し、カメラ回路部7は指示信号により被写体像を読み込み、所定処理をしてメモリ部に記憶する。
【0014】
図3はツイステッドネマティック(TN)液晶パネルのティルト角および透過率の電圧依存性を示すグラフである。
SPD素子4によってフラッシュ光を受けて調光する場合の液晶の印加電圧であり、横軸は印加電圧(V)、縦軸はティルト角(度)と光透過率(%)を示している。
例えば、1Vの電圧が印加されると、液晶部のネマチックのティルト角は約20度であり、光透過率は100%近い値となり、LED発光量の略100%が通過する。2.5Vの電圧が印加されると、ティルト角は約70%で、光透過率は略0%になる。
図4にTN液晶を通過する直線偏光の位相のズレを示す。
印加する電圧値により分子配列が変わり透過率を変える。電圧値によって位相が90度捩じれる。例えばディレクタと直線偏光のなす角が0度の場合には、直線偏光は100%通過するが、なす角が20度の場合、通過光量は減少する。
【0015】
図5はバックライト点灯とフラッシュ点灯時の波形の一例を示す図で、図6は発光に関する各信号のタイミングチャートである。
液晶表示動作ではCPU21は、液晶バックライト部のLED5に流す電流を図5(a)に示すように例えば20mAになるように制御する。
一方、カメラ機能が起動されてフラッシュ発光を選択した場合には、図5(b)に示すように例えば200mAのパルス電流を流してプレ発光を行い、画像取り込みに同期して200mAの電流を500mSの期間流して本発光を行う。
図6においてプレ発光信号が出力されると、水平同期信号VD に同期してシャッタ信号SUBが出力され、本発光を受けた被写体の反射光は撮像素子上に結像し、その像は撮像素子に読み込まれる。撮像素子に蓄積された電荷は転送され画像データとして所定処理がされてメモリ部に記憶される。
【0016】
図7はフラッシュ撮影動作の流れを説明するためのフローチャートである。
カメラ起動キー12を押してカメラ機能を起動すると、液晶パネル3にはフラッシュ発光するか否かを選択するための選択アイコンが表示され、フラッシュ発光を選択しない場合には、シャッタボタンを兼ねる決定ボタン10をレリーズするとフラッシュ発光することなく撮影が行われる。フラッシュ発光を選択した場合には、フラッシュ発光撮影となる。
構図を決めて決定ボタン10を押すと、CPU21はレリーズ信号を検知してLED電源IC13を制御し、LED電流切替スイッチ16を切り替えLED5に大電流の駆動電流を流しプレ発光を行う(ステップ(以下「S」という)01)。プレ発光は中心付近のLEDのみを発光させても良いし、またすべてLEDを発光させてもよい。CPU21はI2 C17のシリアルデータによって中心付近のLEDのみか、すべてのLEDを発光させる制御を行うことができる。
【0017】
CPU21はレンズデータ18(至近または無限のデータ)から被写体の位置を判定する(S02)。被写体の位置は距離または画角を示すデータによって行なわれる。そして、プレ発光の反射光をSPD素子4で測光し反射光量を判断する。CPU21は、SPD4からの測光データからフル発光では光量が多すぎると判定した場合にはフル発光において偏光角度制御部22を制御し適正な光量を受けた時点で液晶ネマチックのティルト角を変えてLED5の発光を遮断する。すなわち調光を行う(S03,S04)。フル発光でも光量が少ない場合にはフル発光を行う(S03,S04)。
上記SPDでフラッシュ光量を被写体の反射光で判断しているのは、被写体の反射率も含めて測光ができるためであり、被写体の反射率に左右されないからである。図8にレンズデータとプレ発光の反射を検知してフラッシュ光制御を行う過程を示す。
【0018】
なお、レンズデータから所定の距離(例えば15cm)以内、すなわち接写すると判定した場合には、通常のフラッシュ発光量、例えば駆動電流200mAでは大きすぎる。そこでCPU21はLED5の電流駆動量を減少させる。図2のLED電流切替スイッチ16の例は抵抗R1,R2の2段階で切り替えているが、フル発光駆動電流より減少させた電流を流す抵抗値を増設することにより対応することができる。例えば、電流70mAをLED5に供給できるような値の抵抗を設け、定電流回路の抵抗値として切り替える。
【0019】
図9は液晶表示部のバックライトLEDの配置例を示す図である。
LEDを中央部Aに含まれるものと、その周辺部Bに含まれるものとに分け、中央部のLEDと周辺のLEDの発光強度をレンズのズーム角に対応して変えるように制御することができる。
カメラ部2がズームレンズの場合、ズームボタン機能を兼ねるテン・文字入力キー8によってズーミングが可能である。CPU21はこのズーミングに対応して中央部のLEDと周辺のLEDの発光強度(輝度)を制御し実質的に照射画角を変えることができる。
【0020】
また、中央部Aと周辺部Bに含まれるLEDの発光強度を操作によって変えることもできる。かかる場合、フラッシュ時のLED光量設定の画面を表示させ、周辺部と中央部の何れかを選択キー11により選択し、その発光強度すなわち駆動電流を選ぶこととなる。これにより接写時の周辺光量落ちを補正することが可能となる。また、キャッチアイを被写体に入れる場合には、A部中央のみの発光を選択することもできる。
液晶画面の中央に対し周囲の光量が落ちる原因は、レンズの特性と発光光量の特性劣化の2つが考えられる。
【0021】
図10は、スレーブ機能に用いる場合のSPD素子の配置例を示す図、図11は、多点フラッシュの例を説明するための図である。
図10に示すように基部1bの背面にSPD素子23を設け、携帯電話機にスレーブ機能を持たせ多灯LEDフラッシュができるようにしている。
被写体にフラッシュ光を照射させる場合、1灯発光では、被写体の影が強くでてしまうため多灯で影を少なくするものである。
携帯電話機の選択キー11を押してフラッシュ撮影のスレーブ機能を選択する。CPU21はLEDをフラッシュ発光のモードに切り替え、SPD素子23からの光の入力に同期してLEDを発光するように制御する。このような制御により携帯電話機はスレーブフラッシュ発光を行うことができる。
【0022】
一方、カメラ撮影をする携帯電話機(以下「撮影携帯電話機」と称す)25のカメラ起動キー12が押されると、液晶パネル3にはフラッシュ撮影するか否かの選択画面が表示されるためフラッシュモードを選択する。撮影携帯電話機25は被写体28に対しスレーブフラッシュ発光を行う2つの携帯電話機26,27の後ろ側または側部であって、撮影携帯電話機25のフラッシュ光の一部が、携帯電話機26,27の背面のSPD素子23に入射するような位置での構えとなる。撮影者が決定ボタン10を押してレリーズすると、撮影携帯電話機25のフラッシュが発光し、発光の一部は携帯電話機26,27のSPD素子にそれぞれ入射し、各携帯電話機26,27のスレーブ機能がトリガーされ、SPD素子の入射光に同期して各携帯電話機26,27のLEDフラッシュが発光する。
各方向からフラッシュ光を当てることができ、光量が増加するため、ストロボ撮影できる被写体までの距離が伸び、しかも影の発生が緩和される。
この実施の形態では撮影携帯電話機の発光を検知するためのSPD素子を基部1bの背面に設けた例を説明したが、スレーブ側の携帯電話機は被写体に対し液晶パネルを向け、かつSPD素子を、撮影携帯電話機の発光を受信する方向に向けなければならない。フリップ式携帯電話機では折曲量によって方向をある程度調整することができるが、限界がある。そこで、360度何れにも回転可能な突起部を設け、その一部にSPD素子を設けることもできる。
【0023】
図12は液晶表示部に拡散板を装着する場合の例を示す図である。
さらにフラッシュ光のフラット化を図るため発光時には液晶パネル面にディフューザを取り付けることができる。
携帯裏面カバー29にディフュザー機能をもたせ、携帯裏面カバー29を携帯電話機1から取り外して二点鎖線28aに示すように液晶パネル3の前面に取り付けフラッシュ光を拡散させるようにできる。
【0024】
以上の実施の形態は、携帯情報端末として携帯電話機を用いた例を示したが、この他にPHS,PDAに適用することができ、ディジタルカメラにも適用することもできる。また、LEDの取付け密度を周辺位置ほど大きくして周辺光量落ちを予め少なくるするように構成することもできる。また、白色光ではなく色の付いた光を発光させることも可能で、色付きの照明光による撮影も可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、液晶表示部のバックライトをフラッシュ光として用いる携帯情報端末において、簡易な回路構成で調光が可能になり、被写体が遠距離から接写位置にいずれにあってもストロボ光が適正になるように制御でき、レンズ画角に対応した発光角度に実質的に同じになるような発光も可能である。また、多点フラッシュとしても容易に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明によるLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】ツイステッドネマティック液晶パネルのティルト角および透過率の電圧依存性を示すグラフである。
【図4】TN液晶を通過する直線偏光の位相のズレを説明するための図である。
【図5】バックライト点灯とフラッシュ点灯時の波形を示す図である。
【図6】発光に関する各信号のタイミングチャートである。
【図7】フラッシュ撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】フラッシュ光制御に到る動作を説明するための図である。
【図9】液晶表示部のバックライトLEDの配置例を示す図である。
【図10】スレーブ機能に用いる場合のSPD素子の配置例を示す図である。
【図11】多点フラッシュの例を説明するための図である。
【図12】液晶表示部に拡散板を装着する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機(携帯情報端末)
2 カメラ部
3 液晶パネル(液晶表示部)
4 SPD素子(フォトダイオード)
5 LED
6 液晶バックライト部
8 テン・文字入力キー
9 マイク
11 選択キー
12 カメラ起動キー
13 LED電源IC
14 ドライバ
15 昇圧回路
16 LED電流切替スイッチ
17 I2 C
18 レンズデータ
19 カメラモード設定スイッチ
20 スピーカ
21 CPU
22 偏光角度制御部
Claims (5)
- カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、
前記LEDが発光したフラッシュ光の反射光を測光する測光部と、
前記測光部からの測光データに基づき、前記カメラ部が受光する光量が適正になるように前記液晶表示部のネマチックのティルト角を可変させるティルト角制御部とを備え、液晶表示部のチィルト角の制御によって調光することを特徴とするLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末。 - カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、
前記発光制御部は、レリーズオンによってプレ発光を行い、その後に本発光を行うように構成され、
前記LEDが発光したプレ発光の反射光を測光する測光部と、
レンズ距離データと前記測光部の測定値より発光量を決定する発光量判定部と、
前記発光量判定部で決定した発光量対応の電流で前記LEDを駆動する駆動電流制御部とを備え、
被写体までの距離が所定値以下の場合、LED駆動電流を減少制御し接写撮影に対し適正発光を行うことを特徴とするLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末。 - カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、
前記カメラ部はズームレンズであり、
前記ズームレンズをズーミングする操作部と、
前記操作部のズーミング操作に従って前記液晶表示部の周辺部エリアと中央部エリアに配置されたLEDの発光による輝度をそれぞれ制御する制御部とを備え、
前記ズームレンズの画角に応じて前記液晶表示部の周辺部エリアの発光量と中央部エリアの発光量を変えることを特徴とするLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末。 - カメラ部と、液晶表示部のバックライトとして該液晶表示部の背面に配置された複数のLEDと、カメラをレリーズオンしたとき、撮像動作に同期して前記LEDを発光させる発光制御部とを有し、前記LEDを液晶表示部のバックライトとストロボ撮影のフラッシュ光源として共用できる携帯情報端末において、
スレーブ機能を起動する操作部と、
測光部と、
前記スレーブ機能の起動により、前記LEDをフラッシュモードに切り替える切替部と、
前記測光部が所定以上の光量を検知したとき、前記LEDをフラッシュモードで同期発光させる同期制御部とを備え、
主ストロボ発光手段の発光を受けてスレーブ発光し多灯フラッシュ撮影を可能にしたことを特徴とするLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末。 - 前記液晶表示部に拡散板を装着する手段を有し、
前記拡散板の装着によって前記LED発光をさらにフラット化することを特徴とする請求項1乃至4記載のLEDフラッシュ機能を有する携帯情報端末。
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