JP2005016266A - 地盤補強方法及びその方法による地盤補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤1に、路盤5から1m超える深さの法面2に、路盤5に対し平行から路盤5より深くなる方向で口径60mm〜100mmの掘削孔7を形成する掘削工程と、掘削孔7よりもやや大きい小径部10とその小径部10に対し1.3〜2.0倍の大径部9が軸方向に対して交互に連続して形成された織物からなる地盤補強用袋体3及びこの地盤補強用袋体3内に設置された鋼棒8を前記掘削孔7に挿入する挿入工程と、掘削孔7内に挿入された地盤補強用袋体3内に自硬化性流体14を加圧注入して、地盤補強用袋体3を膨張させ、この地盤補強用袋体3を硬化させる注入、硬化工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物が設置されている盛土・切土法面又は擁壁等の斜面で形成された地盤の補強方法及びその方法による地盤補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地盤補強方法として、地盤の安定性を向上させるための各種の補強工法が公知であり、施工場所や施工内容により最適な工法が適宜選択される。例えば、地表面に開口部が出るように地盤中に設置された布製袋体中に引張材が挿入されている状態で布製袋体の開口部よりグラウト材を加圧注入し、布製袋体を拡大膨張させて引張材及び地盤と一体化したアンカー体を作り、構造物を地盤に定着させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
経糸と緯糸とで織製された筒状袋体において、前記経糸が筒長方向に直線状に伸びた状態で織製され、前記緯糸が屈曲した状態で織製された筒状袋体とすることによって、筒状袋体の膨張が、主に筒径方向へ膨張するようにし、表層の隆起を抑えることができる大径地中補強用袋体もある(例えば、特許文献2参照。)。この袋体は、両端部の径が袋体の中央部の径よりも小さく織製されることが好ましいものである。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−55216号公報
【特許文献2】
特開2002−30645号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上部に家屋などの構造物が設置されている盛土・切土法面又は擁壁等の斜面で形成された地盤を補強する場合、その構造物に影響がでない方法で補強する必要がある。例えば、鉄道線路が敷設されている路盤は、列車の走行上、路盤表面を平らに保つ必要がある。また、鉄道線路下の法面は、その大きさも決まっており、土被りや打設角度を大きくとることができず、特許文献1に示されているような布製袋体を拡大膨張させると路盤の変形を伴うので、大きな引き抜き抵抗力をもったアンカー体を構築することができない。また、盛土、切土の補強工法として法面に複数の小さな孔を掘削し、その中に注入材および補強材となる鉄筋からなるアンカー体を挿入し、地山と一体化させる方法がある。しかし、この方法では、アンカー体1本当たりの引抜き力が小さいため、施工本数が増え、作業が煩雑であり時間がかかるという問題がある。
また、特許文献2に示されているような袋体を用いる場合、地面の垂直方向を掘削する、又は法面などにおいては、その法面上部からかなり深いところを掘削し、その掘削孔内に袋体を挿入して、地山を補強するときには、補強する表層については隆起させることなく大きな引抜き抵抗力を得ることができるが、鉄道線路下に用いた場合、小径部と大径部の差が大きく、かつ緯糸が屈曲した状態となっているので、袋体の拡大膨張時に径方向によく膨張し、地面や法面が隆起することがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高い引抜き抵抗力を実現しながら容易に施工することが可能である地盤補強方法及びその方法による地盤補強構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の地盤補強方法は、斜面で形成された地盤の、その斜面上部から1mを超える深さのところに、水平よりも深くなる方向に口径60mm〜100mmの掘削孔を形成する掘削工程と、前記掘削孔よりもやや大きい小径部と、その小径部に対し1.3〜2.0倍の大径部が軸方向に対して交互に連続して形成された織物からなる地盤補強用袋体及びこの地盤補強用袋体内に設置された鋼棒を前記掘削孔に挿入する挿入工程と、前記掘削孔内に挿入された前記地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧注入して、前記地盤補強用袋体を膨張させ、この地盤補強用袋体を硬化させる注入、硬化工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、斜面上部から1mを超える深さのところに、地盤補強用袋体を地山に対し挿入するため、この地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧注入した場合であっても、斜面が盛り上がったり、斜面に亀裂が生じたりすることを抑制できる。
【0009】
また、斜面上部から1mを超える深さのところに、水平より深くなる方向で挿入することによって、地盤のすべり面を地盤補強用袋体が貫通する。
【0010】
また、地盤補強用袋体に形成する大径部の寸法を、小径部に対し1.3〜2.0倍に設定することによって、自硬化性流体の加圧注入時に地盤表面が盛り上がったり、亀裂が生じたりすることがなく、また、地盤補強用袋体の小径部の緯糸が、膨張時の応力によって、破断することを防止することができる。また、自硬化性流体の硬化後には、十分な引抜き抵抗力を持たせることができる。
【0011】
また、小径部と大径部を軸方向に対して交互に連続して形成することによって、自硬化性流体の加圧注入により膨張した袋体は、掘削孔の内壁を押し広げると共に表面が凹凸形状となるため、造成される棒状体の外周表面積が大きくなり周面摩擦力・支圧力が増大する。従って、1本当りの引抜き力が高い地盤補強用の棒状体を確実に形成することができ、表面が凹凸形状ではない場合と比べて掘削される掘削孔を短いものとすることができる。また、同時に施工本数も少なくすることができる。
【0012】
また、鋼棒を挿入することによって、棒状体の一体化が可能となるとともに、地盤補強用袋体を掘削孔に挿入する際に、容易に挿入することが可能となる。また、地盤補強用袋体内に設置された鋼棒に沿わせて大径部と小径部が伸張された状態で挿入されるため、掘削孔は地盤補強用袋体が挿入方向に伸張した状態で挿入可能な径を有していればよく、地盤補強用袋体を伸張させずに掘削孔内に挿入して造成される棒状体と比較して掘削孔を極めて小さい径の掘削孔径とすることができる。従って、造成される棒状体の強度を保持しながら掘削孔径を小さいものとすることができるため、人力や小型機械による掘削が可能となり、且つ掘削土が少量ですむため、高い強度を実現しながら容易に施工することが可能である。
【0013】
また、掘削孔よりもやや大きい小径部とその小径部に対し1.3〜2.0倍の大径部が軸方向に対して交互に連続して形成された、織物からなる地盤補強用袋体及びこの地盤補強用袋体内に設置された鋼棒を同時に挿入してゆくので、地盤補強用袋体は鋼棒により伸ばされた状態となっており、自硬化性流体が加圧注入され膨張する際、袋体は大径部の半径方向への膨張が主となるので、軸方向への伸びは吸収され、棒状体の造成時に、地盤補強用袋体は軸方向に伸張しない。このため、施工時に地盤の表層面に突出してしまうことがない。更に、地盤補強用袋体の自硬化性流体の注入に伴う伸張は、孔への挿入方向のみで起こるため、自硬化性流体の注入に伴い袋体が押しつぶされるキンク状態を起こすことがない。従って、鋼棒は所定のグラウト被りが確保され、補強効果が確実に得られる。
【0014】
また、請求項2に記載の地盤補強方法は、請求項1において、前記織物からなる地盤補強用袋体に、自硬化性流体を加圧注入した後、前記自硬化性流体の水分を脱水させて、短時間に水分の少ない自硬化性流体にすることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、自硬化性流体を加圧注入することによって、織物からの水分の脱水が促進され、自硬化性流体の硬化が早くなる。そのため、硬化物の強度が向上すると共に、強度の発現が早くなる。
【0016】
また、請求項3に記載の地盤補強方法は、請求項1において、前記地盤補強用袋体は、前記法面から前記掘削孔に向かって400mm超える長さが小径部となるように形成されているものである。
【0017】
上記構成によれば、斜面から掘削孔に向かって400mmを超える長さ、好ましくは500mmを超える長さが小径部となるように地盤補強用袋体が形成されているため、この地盤補強用袋体内に自硬化性流体を注入して、膨張、硬化した場合であっても、斜表面に亀裂や、隆起が生じることを抑制できる。
【0018】
また、請求項4に記載の地盤補強方法は、請求項3において、前記地盤補強用袋体の大径部の頂点間のピッチが150〜350mmであるものである。
【0019】
上記構成によれば、地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧、注入する際に、小径部が破断することなく、また、硬化後にも、十分な引抜き抵抗力を持たせることができる。
【0020】
また、請求項5に記載の地盤補強方法は、請求項3又は4において、前記地盤補強用袋体の大径部間に位置する小径部の長さが50mmを超えるものである。
【0021】
上記構成によれば、地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧、注入する際に、小径部が破断することを抑制できる。
【0022】
また、請求項6に記載の地盤補強方法は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記鋼棒に、前記地盤補強用袋体に対するスペーサーが設けられていることを特徴とするものである。
【0023】
上記構成によれば、鋼棒の地盤補強用袋体に対する間隔を保持することができ、形成される棒状体内での鋼棒の被り厚さを確保することができる。
【0024】
また、請求項7に記載の地盤補強方法は、請求項6において、前記鋼棒が複数であり、長さ方向に継ぎ足しながら前記掘削孔内に挿入されることを特徴とするものである。
【0025】
上記構成によれば、障害物等の存在により挿入方向の作業空間が掘削孔長よりも短い場合でも、蛇腹状の地盤補強用袋体と継ぎ足される鋼棒とをセットできる作業空間が確保されていれば、掘削孔に対する地盤補強用袋体の挿入を容易に行うことができる。
【0026】
また、請求項8に記載の地盤補強方法は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記挿入工程において、前記地盤補強用袋体が前記大径部と小径部とを用いて伸張可能に蛇腹状に折り畳まれており、前記鋼棒により伸張されながら前記孔内に挿入されることを特徴とするものである。
【0027】
上記構成によれば、掘削孔への挿入方向に形成された大径部と小径部とを用いて伸張可能に蛇腹状に折り畳まれているため、高い収納性を得ることができると共に、掘削孔に挿入される先端部を後端部側から視通することができ、この結果、掘削孔の開口に地盤補強用袋体の先端部を位置させるようにセットした後に、鋼棒の先端を地盤補強用袋体の後端部側から先端部に突き当てながら伸張させることにより地盤補強用袋体を掘削孔内に挿入することができる。このような方法によると、掘削孔は地盤補強用袋体が鋼棒により挿入方向に伸張された状態で挿入可能な径を有していればよく、表面が凹凸形状ではない袋体を用いて造成される棒状体と比較して掘削される孔を極めて小さい径の掘削孔径とすることができる。
【0028】
請求項9に記載の地盤補強方法は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記地盤補強用袋体の先端部に、前記大径部よりも大きな径に設定された拡径部が形成されていることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、更に引抜き力が高い棒状体を確実に造成することができる。そのため、造成される棒状体を更に短くすることができ、同時に施工本数も少なくすることができ、現場での施工が容易となる。
【0030】
請求項10に記載の地盤補強方法は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、前記地盤補強用袋体は後端部側に嵌合された筒状体を含んでおり、該筒状体は、前記大径部と小径部とが長手方向全体に設けられていることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、地盤補強用袋体と筒状体とが嵌合した部分を出し入れすることによって長さを調整することができるため、設計変更その他施工上の問題等により削孔長が短くなった場合でも、地盤の表面に必要以上に長さの地盤補強用袋体を出すことがなく自硬化性流体の注入を行うことができる。
【0032】
また、請求項11に記載の地盤補強構造は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された地盤補強方法により形成されたことを特徴とするものである。
【0033】
上記構成によれば、掘削された孔内に、表面が凹凸形状を有する袋体の中に鋼棒が挿入された状態で自硬化性流体が硬化されるため、地盤の中に凹凸面を有し、その中に鋼棒を有する硬化した自硬化性流体からなる棒状体が設置されることになるため、地盤を補強することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。本実施形態は、図1に示すように、構造物が設置されている盛土として鉄道線路が設置されている鉄道土構造物を例として挙げ、盛土からなる地盤1を補強するものである。図1において、2は地盤1の法面であり、3は地盤補強用袋体であり、4(4a,4b)は鉄道線路であり、5は斜面上部(この場合は路盤)を示している。
【0035】
また、図1において、Lは路盤長を示し、Dは斜面上部5から掘削孔入り口までの深さを示し、L2は地盤1内に挿入されている地盤補強用袋体3の長さを示し、Hは地盤の高さを示し、L1は路盤の底部長さを示している。
【0036】
図2に示すように、地盤1には、地すべり面6を境に主動領域1aと抵抗領域1bとが存在する。主動領域1aは地すべりが起こった場合に地すべりに抵抗することができず、崩落する領域であり、抵抗領域1bは地滑りに抵抗して残存する領域である。図中のθは、地盤補強用袋体3の斜面上部5に対する傾斜角、即ち、路盤より深くなる方向での俯角を示している。
【0037】
図1に示すように、地盤1には掘削孔7が、法面2の斜面上部5からの深さDが1mを超えるところに形成されている。そして、この掘削孔7は、口径60mm〜100mmで、掘り下げられている。鉄道線路の盛土などを補強する場合には、路盤長Lの半分程度から9割程度にわたる長さで、斜面上部(路盤)に対してやや深くなる方向で掘り下げて行くのがよい。
【0038】
ここで、1mを超える深さDに掘削孔7を設けることによって、後述する、地盤補強用袋体3を挿入し、その内部にセメントペースト等の自硬化性流体を0.5〜1.5MPaの圧力で注入した場合であっても、斜面上部5の盛り上がりや、斜面上部5の亀裂の発生を防止することができる。
【0039】
また、掘削孔7の口径が小さすぎると十分な補強効果が得られず、たくさんの数の袋体が必要となる。また、大きすぎると自硬化性流体14の加圧注入時に斜面上部5が盛り上がってきたり、亀裂が生じたりする。掘削孔7の口径を60mm〜100mmとすることによって、斜面上部5の亀裂等を発生させることなく、かつ十分な補強効果を得ることができ、挿入する地盤補強用袋体3の数も少なくできる。また、掘削廃土も少なくなる。
【0040】
また、掘削孔7を、路盤長Lの半分程度から9割程度に渡る長さで、掘り下げることによって、地すべり面6(図2参照)を貫通することができ、地盤1全体を確実に補強することができる。
【0041】
この掘削孔7に挿入される地盤補強用袋体3は織物であり、図3にその一例を示すように、軸方向に対して大径部9と小径部10とが交互に連続して形成され、その内部に鋼棒8が挿入されている。小径部10の直径R2が掘削孔7よりも少し大きめに形成されており、大径部9の直径R1は、その小径部10に対し1.3〜2.0倍の大きさに形成されている。小径部10の直径R2は、掘削孔7の径よりも5〜10mm程度大きくしておくことが好ましく、例えば、掘削孔の孔径が60mmであれば小径部10の直径R2は65〜70mm、大径部9の直径R1は84.5mm〜140mmに設定したものがよい。小径部10は、掘削孔7よりも大きめに形成することで、自硬化性流体が注入された場合に、地盤1との間に空間を形成することがなく、確実に地盤1を補強することができる。ここで、大径部9が小径部10に対し、1.3倍よりも小さい場合は、引抜き抵抗力が大きくならず、十分な地盤補強ができない。これに対し、2.0倍よりも大きい場合は、自硬化性流体の加圧注入時に路盤が盛り上がってきたり、斜面上部(路盤)に亀裂が生じるおそれもあり、好ましくない。また、織物であるため、自硬化性流体を加圧注入することによって、自硬化性流体の水分の脱水を促進させることができ、これによって硬化を早くすることができる。このため、硬化物の強度が向上し、強度の発現が早くなる。
【0042】
そして、図4に拡大して示すように、大径部9は、その大径部間距離L3が150〜350mmとなるように形成されている。また、小径部10の長さL4は、50mmを超えるように形成されている。
【0043】
自硬化性流体を袋体の中に加圧注入した場合、図5に示すように、膨張しようとする圧力Pは大径部9及び小径部10に働き、大径部9及び小径部10において、単位長さ当たりに作用する力はその径の大きさに比例する。すなわち、小径部10に作用する力F2は、大径部9に作用する力F1よりも計算上は小さい。しかしながら、袋体は織物であり、大径部9から小径部10にわたって経糸が連続しているので、小径部10の経糸には、その径R2から計算される引張力F2よりも大きな、大径部9の径R1から計算される引張力F1が作用する。そのため、L4が50mmよりも小さい場合、小径部10では、経糸に作用する力によって緯糸が径方向に引っ張られ、破断することもある。
【0044】
また、図6に示すように、地盤補強用袋体3に引抜き力Fが作用したとき、各々の大径部9,9の間に存在する土塊がこれら大径部によって圧縮された後、土塊が周辺の地盤から切れて袋体3が掘削孔から抜けだすのであるが、大径部9,9間距離L3が350mm以上となって大径部9,9間に存在する土塊の量Vが増えると、土塊が完全に圧縮されるまでの間に袋体3に発生する変位量が大きくなり、結果として同じ引抜き抵抗力が発生するまでの全変位量が大きくなり、好ましくない。
【0045】
また、この地盤補強用袋体3は、図1、3に示すように、法面2から掘削孔7の深さ方向に向かう長さL5が400mmを超える長さ、好ましくは500mm以上となるように形成されている。これによって、法面2から一つ目の大径部9までの間に距離が確保されるので、地盤補強用袋体3内に自硬化性流体を注入して、膨張、硬化させた場合であっても、法面2表面に亀裂や、隆起が生じることを抑制できる。
【0046】
また、図7に示すように、鋼棒8は、引張り強度を有する補強材であり、掘削孔7長よりもやや長いものとされている。鋼棒8には、地盤補強用袋体3に対するスペーサー11が設けられている。スペーサー11は、中央に鋼棒8を貫通させることができ、鋼棒8の地盤補強用袋体3に対する一定の間隔を常に確保する。スペーサー11は、後述するように自硬化性流体が注入された地盤補強用袋体3内において、鋼棒8の地盤補強用袋体1に対する間隔が全長にわたって保たれるように適宜設けられる。
【0047】
また、この地盤補強用袋体3は、図8に示すように、筒状体の一端側が縫製部3aとされ、他端側が開口部3bとされ、前述同様に、軸方向に大径部9と小径部10とを連続して有しており、縫製部3a側に大径部9よりも大きな径に設定された拡径部12が形成されているものを使用することもできる。この大径部9部分は直径R1、小径部10部分は直径R2であり、直径R1及び直径R2はいずれも掘削孔7の孔径よりも大きい。そして、拡径部12の直径R3は更に大きい。また、この地盤補強用袋体3は、長手方向に長さL2を有しており、拡径部12は長さlを有している。
【0048】
尚、本実施形態においては、実施補強用袋体3は1つの筒状体の一端を縫製することにより形成されたものである場合について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、図9(a)の示すように、地盤補強用袋体3の開口部3b側に嵌合された筒状体32を含んでおり、該筒状体32は、大径部9と小径部10とが長手方向全体に設けられている地山補強用袋体31であってもよい。これにより、図9(b)に示すように、地盤補強用袋体3と筒状体32が嵌合している部分を出し入れすることによって長さを調整することができるため、設計変更その他施工上の問題等により削孔長が短くなった場合でも、法面2の表面に必要以上の長さの地山補強用袋体31を出すことなく自硬化性流体14の注入を行うことができる。
【0049】
次いで、以上の構成において、地盤補強構造の造成方法、即ち、本発明に係る鉄道線路下補強方法の一例について説明する。
【0050】
先ず、図示しない掘削機により、掘削孔7を掘削する(掘削工程)。掘削孔7は、全長に渡って口径60〜100mmを有しており、孔長は路盤長Lの半分程度から9割程度にわたる長さである。
【0051】
この掘削孔7内に、軸方向に大径部9と小径部10とを連続して有する地盤補強用袋体3が、この地盤補強用袋体3内の鋼棒8に沿わされて大径部9と小径部10が軸方向に伸張された状態で挿入される(挿入工程)。なお、鋼棒8には、スペーサー11が設けられている。
【0052】
その後、図10に示すように、地盤補強用袋体3の開口部に、その先に自硬化性流体注入機構(図示せず)が接続された注入接続口13及び逆止弁13aを接続する。そして、ポンプ(図示せず)により地盤補強用袋体3内に自硬化性流体を1.0MPaの圧力を3回程度加圧注入して地盤補強用袋体3を膨張させ、自硬化性流体の脱水を促進させる(注入、硬化工程)。尚、自硬化性流体14としては、グラウトやモルタル等が用いられる。
【0053】
地盤補強用袋体3内に自硬化性流体14が注入され膨張した後、図11に示すように注入接続口13が取り除かれる。この時、逆止弁13aを取り付けておくことにより、注入工程において、極めて短時間で注入接続口13を取外すことが可能である。
【0054】
その後、法面2から突出した部分の地盤補強用袋体3及び鋼棒8を、法面2に沿って切断する。そして、自硬化性流体14が完全に硬化した後、必要に応じ支圧板(図示せず)を取り付けると、図12に示すように地盤補強は完成する。
【0055】
以上示したように、本実施形態の地盤補強方法は、法面2に掘削孔7を掘削する掘削工程と、掘削孔7内に、軸方向に大径部9と小径部10とを連続して有する地盤補強用袋体3を、鋼棒8とともに挿入する挿入工程と、掘削孔7内に挿入された地盤補強用袋体3内に自硬化性流体14を加圧注入して膨張させて棒状体とする注入、硬化工程とを有する。本法によると、地盤補強用袋体3は軸方向に大径部9と小径部10とを連続して有しているため、自硬化性流体14の加圧注入により膨張し、掘削孔7の内壁を押し広げると共に表面が凹凸形状となるため、造成される棒状体の外周表面積が大きくなり周面摩擦力・支圧力が増大する。従って、1本当りの引抜き抵抗力が高い棒状体を確実に形成することができ、径の変化がない袋体を用いた場合と比べて削孔される掘削孔7を短いものとすることができる。
【0056】
また、地盤補強用袋体3内の鋼棒8に沿って大径部9と小径部10とが伸張された状態で挿入されるため、掘削孔7は地盤補強用袋体3が挿入方向に伸張した状態で挿入可能な径を有していればよく、表面が凹凸形状ではない袋体を用いて造成される棒状体と比較して、削孔される掘削孔7を極めて小さい径の削孔径とすることができ、同時に施工本数も少なくすることができる。
【0057】
従って、造成される棒状体の強度を保持しながら削孔される掘削孔7を短くて径の小さいものとすることができるため、人力や小型機械による削孔が可能となり、掘削土が少量で済み、高い強度を実現しながら容易に施工することが可能である。
【0058】
尚、本実施形態においては、地盤補強用袋体3は1つの筒状体の一端を縫製することにより形成されたものである場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0059】
また、本実施形態においては、地盤補強用袋体3は伸張された状態で用いられる場合について説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、図13に示すように、地盤補強用袋体3は、大径部9と小径部10とを用いて伸張可能に蛇腹状に折り畳まれて用いられてもよい。
【0060】
このように、地盤補強用袋体3を蛇腹状に折り畳むことができると、高い収納性を得ることができると共に、掘削孔7に挿入される先端部3aを開口部3b側から視通することができ、この結果、掘削孔7の開口部3bに地盤補強用袋体3の先端部3aを位置させるようにセットした後に、鋼棒8の先端を地盤補強用袋体3の開口部3b側から先端部3aに突き当てながら蛇腹状に折り畳まれている地盤補強用袋体3を伸張させることにより、地盤補強用袋体3を掘削孔7内に挿入することができる。このような方法によると、掘削孔7は地盤補強用袋体3が鋼棒8により挿入方向に伸張した状態で挿入可能な径を有していればよく、径の変化がない袋体によって造成される棒状体と比較して、掘削孔7を極めて小さい径の削孔径とすることができる。
【0061】
また、図13に示すような蛇腹状に折り畳まれた地盤補強用袋体3を用いる地盤補強方法において、長さ方向に分割した、鋼棒を継ぎ足しながら、その鋼棒により地盤補強用袋体3を伸張させて掘削孔7内に挿入する挿入工程であってもよい。これにより、障害物等の存在により挿入方向の作業空間が掘削孔7長よりも狭い場合でも、蛇腹状に折り畳まれた地盤補強用袋体3と継ぎ足される鋼棒とをセットできる作業空間が確保されていれば、掘削孔7に対する地盤補強用袋体3の挿入を容易に行うことができる。尚、鋼棒8の長さは限定されるものではなく、折り畳まれた地盤補強用袋体3内に設置して掘削孔7内に挿入可能な長さを有していれば、可能な限り短いものであってもよい。この鋼棒の長さにより、必要とされる施工スペースが決定される。
【0062】
この挿入工程について詳述する。図14において、鋼棒22として、それぞれが掘削孔7の孔長を3等分した長さを有する第1鋼棒22a・第2鋼棒22b・第3鋼棒22cが用意されている。先ず、法面2の掘削孔7の開口部に地盤補強用袋体3の先端部3aを掘削孔7に対向するように設置し、地盤補強用袋体3内に第1鋼棒22aを挿入する。そして、図15に示すように第1鋼棒22aの先端を地盤補強用袋体3の開口部3b側から先端部3aに突き当てながら、折り畳まれている地盤補強用袋体3を伸張させて掘削孔7内に挿入する。
【0063】
第1鋼棒22aが略後端まで挿入されたら、図16に示すように、第1鋼棒22aの後端と第2鋼棒22bの先端とを連結する。この連結部分の強度は、十分確保されているものとする。そして、この連結部分の周囲には地盤補強用袋体3に対するスペーサー11が設けられる。これにより、鋼棒22が地盤補強用袋体3内で中央に保持され、造成される棒状体の鋼棒22の被り厚さが確保される。
【0064】
上記のように連結された鋼棒22が、図17に示すように、袋体3内に挿入され、第2鋼棒22bの後端が袋体3の開口部3b付近まで挿入されたら、第2鋼棒22bの後端に第3鋼棒22cの先端が連結され、その連結部分にスペーサー7が設けられる。このようにして、第1鋼棒22a、第2鋼棒22b及び第3鋼棒22cが連結され、地盤補強用袋体3内に完全に挿入される。以降、上述した注入工程が行われ、棒状体が造成される。
【0065】
【実施例】
以下、具体的な実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0066】
(実施例1)
図18に示すように、地盤補強用袋体3の形状を、R1=150(mm)、R2=80(mm)、L3=200(mm)、L4=50(mm)、L5=400(mm)とし、長さL6を4000(mm)とした。そして、鋼棒8としてφ19(mm)、長さ4500(mm)の鉄筋棒を用い、自硬化性流体にセメント系ミルクを用いて、棒状体の造成を行った。
【0067】
(比較例1)
図19に示すように、地盤補強用袋体3の形状を、R1=200(mm)、R2=80(mm)、L3=320(mm)、L4=50(mm)、L5=400(mm)とし、長さL6を4000(mm)とした。そして、鋼棒8としてφ19(mm)、長さ4500(mm)の鉄筋棒を用い、自硬化性流体にセメント系ミルクを用いて、棒状体の造成を行った。
【0068】
(実施例2)
図20に示すように、地盤補強用袋体3の形状を、R1=150(mm)、R2=80(mm)、L3=275(mm)、L4=125(mm)、L5=700(mm)とし、長さL6を4000(mm)とした。そして、鋼棒8としてφ19(mm)、長さ4500(mm)の鉄筋棒を用い、自硬化性流体にセメント系ミルクを用いて、棒状体の造成を行った。
【0069】
(比較例2)
図21に示すように、地盤補強用袋体3の形状を、R1=150(mm)、R2=80(mm)、L3=380(mm)、L4=230(mm)、L5=700(mm)とし、長さL6を4000(mm)とした。そして、鋼棒8としてφ19(mm)、長さ4500(mm)の鉄筋棒を用い、自硬化性流体にセメント系ミルクを用いて、棒状体の造成を行った。
【0070】
実施例1,2及び比較例1,2の棒状体の造成結果について、以下に示す。
【0071】
比較例1のものは、自硬化性流体を加圧注入したときに、路盤5に亀裂が発生したため、途中で造成を中止した。地盤補強用袋体3の大径部の大きさが小径部の2.5倍となっており、地盤に作用した力が強過ぎたためであると思われる。
【0072】
また、実施例1,2および比較例2については、セメント系ミルク注入時には特に問題は起こらなかったので、形成された棒状体について、引き抜き耐力と変位との関係を測定した。引き抜き耐力−変位曲線を図22にまとめて示す。大径部間距離L3が350mm以上である比較例2は、引き抜き耐力−変位曲線の初期の傾きが実施例1,2よりも小さく、変位が大きくなるに従って、ほぼ同じ傾きで引き抜き耐力は上昇している。比較例2は大径部間距離L3が大きいため、各々の大径部間における土塊が完全に圧縮されるまでの間に発生する変位量が実施例1,2よりも大きくなっていると思われる。
【0073】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、請求項1の発明によれば、路盤から1mを超える深さに地盤補強用袋体を挿入するため、この地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧注入した場合であっても、路盤が盛り上がったり、路盤に亀裂が生じたりすることを抑制できる。
【0074】
また、鉄道線路下などの法面に地盤補強用袋体を路盤に対し平行から路盤より深くなる方向に挿入することによって、地盤のすべり面を地盤補強用袋体が貫通する。
【0075】
また、地盤補強用袋体に形成する大径部の寸法を、小径部に対し1.3〜2.0倍に設定することによって、自硬化性流体の加圧注入時に路盤が盛り上がったり、亀裂が生じたりすることがない。また、自硬化性流体の硬化後には、十分な引き抜き抵抗を持たせることができる。
【0076】
また、地盤補強用袋体は軸方向に大径部と小径部とを交互に連続して有しているため、自硬化性流体の加圧注入によって膨張し、掘削孔の内壁を押し広げると共に表面が凹凸形状となるため、造成される棒状体の外周表面積が大きくなり周面摩擦力・支圧力が増大する。従って、1本当りの引き抜き力が高い地盤補強用の棒状体を確実に形成することができ、表面が凹凸形状ではない場合と比べて掘削される掘削孔を短いものとすることができる。また、同時に地盤補強用袋体の施工本数も少なくすることができる。
【0077】
また、鋼棒を挿入することによって、棒状体の一体化が可能となるとともに、地盤補強用袋体を掘削孔に挿入する際に、容易に挿入することが可能となる。さらに、地盤補強用袋体内に設置された鋼棒に沿わせて大径部と小径部が伸張された状態で挿入されるため、掘削孔は地盤補強用袋体が挿入方向に伸張した状態で挿入可能な径を有していればよく、地盤補強用袋体のみが膨張して造成される棒状体と比較して掘削孔を極めて小さい径の掘削孔径とすることができる。従って、造成される棒状体の強度を保持しながら掘削孔を短くて径の小さいものとすることができるため、人力や小型機械による掘削が可能となり、且つ掘削土が少量ですむため、高い強度を実現しながら容易に施工することが可能である。
【0078】
また、自硬化性流体が加圧注入され膨張する際、袋体は大径部の半径方向への膨張が主となり、軸方向への伸びが吸収されるので、棒状体の造成時に、地盤補強用袋体は軸方向に伸張せず、施工時に地盤の表層面に突出してしまうことがない。更に、地盤補強用袋体の自硬化性流体の注入に伴う伸張は、孔への挿入方向のみで起こるため、自硬化性流体の注入に伴いキンクを起こすことがない。従って、鋼棒は所定のグラウト被りが確保され、補強効果が確実に得られる。
【0079】
また、請求項2によれば、自硬化性流体を加圧注入することによって、織物からの水分の脱水が促進され、自硬化性流体の硬化が早くなる。そのため、硬化物の強度が向上すると共に、強度の発現が早くなる効果が得られる。
【0080】
また、請求項3によれば、法面から掘削孔に向かって400mmを超える長さ、好ましくは500mm以上が小径部となるように地盤補強用袋体が形成されているため、法面2から一つ目の大径部までの距離が確保され、この地盤補強用袋体内に自硬化性流体を注入して、膨張、硬化した場合であっても、法面表面に亀裂や、隆起が生じることを抑制できる。
【0081】
また、請求項4によれば、地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧、注入する際に、小径部が破断することなく、また、硬化後にも、十分な引き抜き抵抗を持たせることができる。
【0082】
また、請求項5によれば、地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧、注入する際に、小径部が破断することを抑制できる。
【0083】
また、請求項6によれば、鋼棒の地盤補強用袋体に対する間隔を保持することができ、形成される棒状体内での鋼棒の被り厚さを確保することができる。
【0084】
また、請求項7によれば、障害物等の存在により挿入方向の作業空間が掘削孔長よりも短い場合でも、蛇腹状の地盤補強用袋体と継ぎ足される鋼棒とをセットできる作業空間が確保されていれば、掘削孔に対する地盤補強用袋体の挿入を高い強度を実現しながら容易に行うことができる。
【0085】
また、請求項8によれば、掘削孔への挿入方向に形成された大径部と小径部とを用いて伸張可能に蛇腹状に折り畳まれているため、高い収納性を得ることができると共に、掘削孔に挿入される先端部を後端部側から視通することができ、この結果、掘削孔の開口に地盤補強用袋体の先端部を位置させるようにセットした後に、鋼棒の先端を地盤補強用袋体の後端部側から先端部に突き当てながら伸張させることにより地盤補強用袋体を掘削孔内に挿入することができる。このような方法によると、掘削孔は地盤補強用袋体が鋼棒により挿入方向に伸張された状態で挿入可能な径を有していればよく、造成される棒状体と比較して掘削される孔を極めて小さい径の掘削孔径とすることができる。
【0086】
請求項9の発明によれば、更に引抜き力が高い棒状体を確実に造成することができる。そのため、造成される棒状体を更に短くすることができ、同時に施工本数も少なくすることができ、現場での施工が容易となる。
【0087】
請求項10の発明によれが、地盤補強用袋体と筒状体とが嵌合した部分を出し入れすることによって長さを調整することができるため、設計変更その他施工上の問題等により削孔長が短くなった場合でも、地盤の表面に必要以上に長さの地盤補強用袋体を出すことがなく自硬化性流体の注入を行うことができる。
【0088】
また、請求項11によれば、掘削された孔内に、鋼棒が配置された表面が凸凹形状の自硬化性流体が効果した棒状体が設置されているため、地盤を補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地盤補強方法の一実施形態例を示す概略図である。
【図2】図1における地盤1の主動領域と抵抗領域を説明するための図である。
【図3】本発明に係る地盤補強方法に用いられる地盤補強用袋体の一例を側面視した説明図である。
【図4】図3の一部拡大図である。
【図5】小径部の長さが短い場合における袋体への応力の作用状態を示す図である。
【図6】大径部間距離が長い場合における大径部間に存在する土塊の状態を説明するための図である。
【図7】地盤補強用袋体内に設けられている鋼棒およびスペーサーを説明するための図である。
【図8】本発明に係る地盤補強方法に用いられる地盤補強用袋体の他の形態例を示す図であり、縫製部側に拡径部が形成された袋体の一例を側面視した説明図である。
【図9】別形態例の地山補強用袋体を側面視した断面図であり、(a)は筒状体と地山補強用袋体が重ねられた状態、(b)は筒状体が地山補強用袋体から引き出された状態である。
【図10】本発明に係る地盤補強方法の一例を説明するための図である。
【図11】本発明に係る地盤補強方法の一例を説明するための図である。
【図12】本発明に係る地盤補強方法による地盤補強構造を示す概略図である。
【図13】本発明に係る地盤補強方法に用いられる地盤補強用袋体の使用例の一例を示す図である。
【図14】本発明に係る地盤補強方法、特に、鋼棒の挿入工程の一例を説明するための図である。
【図15】本発明に係る地盤補強方法、特に、鋼棒の挿入工程の一例を説明するための図である。
【図16】本発明に係る地盤補強方法、特に、鋼棒の挿入工程における鋼棒の継ぎ足す方法の一例を説明するための図である。
【図17】本発明に係る地盤補強方法、特に、鋼棒の挿入工程の一例を説明するための図である。
【図18】本発明に係る実施例1における地盤補強用袋体の側面図を示す図である。
【図19】本発明に係る比較例1における地盤補強用袋体の側面図を示す図である。
【図20】本発明に係る実施例2における地盤補強用袋体の側面図を示す図である。
【図21】本発明に係る比較例2における地盤補強用袋体の側面図を示す図である。
【図22】実施例及び比較例の地盤補強用袋体の引抜き耐力と変位との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 地盤
2 法面
3 地盤補強用袋体
4 鉄道線路
5 斜面上部(路盤)
6 地すべり面
7 掘削孔
8 鋼棒
9 大径部
10 小径部
11 スペーサー
12 拡径部
13 注入接続口
14 自硬化流体
15 用地境
Claims (11)
- 斜面で形成された地盤の、その斜面上部から1mを超える深さのところに、水平よりも深くなる方向に口径60mm〜100mmの掘削孔を形成する掘削工程と、
前記掘削孔よりもやや大きい小径部と、その小径部に対し1.3〜2.0倍の大径部が軸方向に対して交互に連続して形成された織物からなる地盤補強用袋体及びこの地盤補強用袋体内に設置された鋼棒を前記掘削孔に挿入する挿入工程と、
前記掘削孔内に挿入された前記地盤補強用袋体内に自硬化性流体を加圧注入して、前記地盤補強用袋体を膨張させ、この地盤補強用袋体を硬化させる注入、硬化工程と、を有することを特徴とする地盤補強方法。 - 前記織物からなる地盤補強用袋体に、自硬化性流体を加圧注入した後、前記自硬化性流体の水分を脱水させて、水分の少ない自硬化性流体にすることを特徴とする請求項1に記載の地盤補強方法。
- 前記地盤補強用袋体は、前記斜面から前記掘削孔に向かって400mmを超える長さが小径部となるように形成されている請求項1に記載の地盤補強方法。
- 前記地盤補強用袋体の大径部の頂点間のピッチが150〜350mmである請求項3に記載の地盤補強方法。
- 前記地盤補強用袋体の大径部間に位置する小径部の長さが50mmを超える請求項3又は4に記載の地盤補強方法。
- 前記鋼棒に、前記地盤補強用袋体に対するスペーサーが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の地盤補強方法。
- 前記鋼棒が複数であり、長さ方向に継ぎ足しながら前記掘削孔内に挿入されることを特徴とする請求項6に記載の地盤補強方法。
- 前記挿入工程において、前記地盤補強用袋体が前記大径部と小径部とを用いて伸張可能に蛇腹状に折り畳まれており、前記鋼棒により伸張されながら前記掘削孔内に挿入されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の地盤補強方法。
- 前記地盤補強用袋体の先端に、前記大径部より大きな径に設定された拡径部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の地盤補強方法。
- 前記地盤補強用袋体は後端部側に嵌合させた筒状体を含んでおり、該筒状体は、前記大径部と小径部とが長手方向全体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の地盤補強方法。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載された地盤補強方法により形成されたことを特徴とする地盤補強構造。
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