JP2005014266A - Decorative sheet and its manufacturing method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、建物の外壁、住宅の玄関扉などの建築部材、自動車の外装・内装、車両・船舶の外装・内装、看板・サインなどの意匠性を高めるために、着色などの化粧が施された化粧シートを貼付することがある。
【0003】
従来、施工現場にて簡単に作業できるとともに、耐候性や耐磨耗性に優れ、微細な模様の表現も可能な化粧シートとして、特許文献1には、離型シートの離型面にインキによって印刷され、離型面に対して離型性を有する印刷層と、熱硬化性樹脂塗料、電子線硬化性樹脂塗料、放射線硬化性樹脂塗料、紫外線硬化性樹脂塗料からなる群より選ばれた1種の硬化性樹脂塗料が前記印刷層の表面を覆うように塗布後硬化されて形成された塗膜層とからなる箔本体を備える化粧シートが記載されている。
【0004】
このようなものであると、熱や電子線や放射線や紫外線によって硬化する硬化型塗料によって塗膜層が形成されているため、上記のように耐候性や耐磨耗性にすぐれた化粧シートを得ることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−1483号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建築物の外壁や内壁などの基材表面などの被化粧面に長期にわたって使用される場合に、表面拭き掃除による塗膜表面への傷つきが生じることがある。あるいは、風の中に含まれる細かい砂などが長期にわたって繰り返し摩擦する結果として、塗膜層の表面に傷がついて、その外観の価値が低下することがある。このため、従来の化粧シートでは、その使用対象の範囲が制限されていたのが実情である。
【0007】
そこで本発明は、このような従来の化粧シートをさらに改良して、すぐれた長期耐候性と表面耐擦傷性の物理的性質を併せ持ち、しかも微細な模様の表現も可能な化粧シートを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明の化粧シートは、対象物に粘着する粘着剤層と、この粘着剤層に積層されたプライマ層と、熱硬化性樹脂塗料、電子線硬化樹脂塗料、放射線硬化樹脂塗料、紫外線硬化樹脂塗料からなる群より選ばれた硬化性塗料にて形成された硬化型塗膜層と、この硬化型塗膜層の表面にモース硬度5以上の多数のビーズが配置されたビーズ層とを有することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の化粧シートの製造方法は、プライマ塗膜を形成する工程と、このプライマ塗膜に重なるように、熱硬化性樹脂塗料、電子線硬化樹脂塗料、放射線硬化樹脂塗料、紫外線硬化樹脂塗料からなる群より選ばれた硬化型塗料の層を形成する工程と、この硬化型塗料の表面を、モース硬度5以上の多数の微細なビーズを保持した離型性の層を有する離型シートで覆うことで、前記ビーズを硬化型塗料に付着させる工程と、熱と電子線と放射線と紫外線とのいずれかの照射により前記硬化型塗料とプライマ塗膜を硬化させて硬化型塗膜層とプライマ層とを形成する工程と、前記硬化の終了後に剥離シートを剥離することで前記ビーズからなるビーズ層を硬化型塗膜層の表面に転写する工程とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、モース硬度5以上の微細なビーズがガラス球状粒子であることが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の化粧シートの断面構造を示す。この化粧シート10は、離型シート11と、粘着剤層12と、プライマ層13と、化粧層14と、硬化型塗膜層15と、ビーズ層16とがこの順で積層されたものである。
【0012】
ここで、硬化型塗膜層15とは、自然乾燥により硬化する塗料ではなしに、熱硬化性樹脂塗料や、電子線硬化樹脂塗料や、放射線硬化樹脂塗料や、紫外線硬化樹脂塗料などの、特殊な処理に硬化する樹脂により形成された塗料の層であることを意味する。
【0013】
ビーズ層16は、多数のビーズ20すなわち微細な球状粒子が密に配列されることによって形成されている。
化粧シート10の製造段階においては、ビーズ層16の表面は、転写フィルム層17によって覆われている。この転写フィルム層17は、ビーズ層16に接する易剥離層19と、この易剥離層19に接する転写ベース層18とによって構成されている。
【0014】
このような化粧シート10の使用時には、離型シート11を剥がして粘着剤層12を露出させ、この粘着剤層12を利用して対象物に化粧シート10を貼り付ける。そうすることで、対象物は、その表面が、最外層がビーズ層16にて形成された化粧シートで覆われることになる。
【0015】
離型シート11は、粘着剤層12の粘着剤が接着しないものであればいずれを用いてもよく、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるシート、シリコーンなどの離型剤がコーティングされた紙などを用いることができる。その厚さは、取扱性やコストなどの点から、10〜150μmであることが好ましく、20〜100μmであることがさらに好ましい。
【0016】
粘着剤層12は、耐候性にすぐれた粘着剤からなるものが好ましい。そのような粘着剤としては、たとえば、アクリル重合体と粘着性付与剤とを含有したアクリル系粘着剤があげられる。このアクリル系粘着剤のアクリル重合体を構成する単量体単位としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどがあげられる。ここで、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸またはアクリル酸を意味する。粘着性付与剤としては、ロジン系、テルペン系、フェノール系、クマロン系などがあげられる。
【0017】
粘着剤層12の厚さは、30〜100μmであることが好ましく、35〜80μmであることがさらに好ましい。粘着剤層12の厚さが30μm未満であると、化粧シートを対象物に粘着させたときの粘着強度が不十分なるおそれがある。反対に100μmを超えると、必要以上の厚さとなる。
【0018】
プライマ層13は、粘着剤層12と化粧層14との接着性を向上させるものである。そうすることによって、対象物に貼付された化粧シートの表面が傷付いた場合などにおいてその化粧シートを剥がして新たな化粧シートに貼り替えるときに、その化粧シートを対象物から剥がす際に、粘着剤層12が対象物の表面に転写してしまうことを、効果的に防止することができる。
【0019】
このプライマ層13は、上記のように粘着剤層12と化粧層14との接着性の向上を図るために、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂のうちの少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂を25質量%以上含有していることが好適である。このうち、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂としては、任意のものを使用できるが、化粧層14に用いられるインキ用として適したものであることから、共重合樹脂中の塩化ビニル/酢酸ビニルの質量比が92/8〜75/25、重量平均分子量が2.5万〜4.5万の範囲であることが好ましい。また、アクリル樹脂としては、化粧層14に用いられるインキ用として適したアクリルポリオール樹脂などが好ましい。また、ウレタン樹脂としては、化粧層14に用いられるインキ用として適したものであるところの、たとえばアクリルポリオールとジイソシアネートとの反応で得られるアクリルウレタン樹脂があげられる。なお、アクリルポリオールの代わりに、他のポリオール、たとえば、ポリカーボネートジオール、ポリオールジエーテル、ポリウレタンポリオールなどを使用して得られるアクリルウレタン樹脂であってもよく、また2種以上のポリオールを併用して得られるアクリルウレタン樹脂であってもよい。
【0020】
またプライマ層13は、反対側の化粧層14との接着性の向上を図るために、アクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の少なくとも一つを25質量%以上含有していることが好適である。30質量%以上含有していることが、さらに好ましい。
【0021】
このうち、アクリル系オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどがあげられる。なかでも、ウレタンアクリレートオリゴマーとアクリル樹脂アクリレートとが好ましい。ここで、アクリル樹脂アクリレートとは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル共重合樹脂中に、あらかじめ、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを共重合させ、各々の官能基に対応して付加反応する官能基を持つアクリレート系モノマーと付加反応させて二重結合が導入されたものである。このアクリル樹脂アクリレートの硬化物も、ウレタンアクリレートオリゴマーの硬化物と同様に、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性にすぐれている。
【0022】
このようなアクリル系オリゴマーの具体例としては、昭和インク工業所社製「CSEB5メジューム」(ウレタンアクリレートオリゴマー)、同「CSEB12メジューム」(アクリル樹脂アクリレート系オリゴマー)などがあげられる。
【0023】
また、プライマ層13は、アクリル系オリゴマー以外のオリゴマー硬化物を少量含んでいてもよい。このようなアクリル系オリゴマー以外のオリゴマーとしては、たとえば、アリルエーテル系オリゴマー、アクリルウレタン系オリゴマー、ビニルエーテル系オリゴマーなどがあげられる。
【0024】
プライマ層13の厚さは、0.1〜4μmの範囲であることが好適である。
プライマ層13に使用される樹脂は、長期間使用しても粘着剤層12や化粧層14との層間剥離が生じにくいようにするために、樹脂分子の分子鎖に、架橋剤と反応する官能基を有していることが好ましい。このとき、架橋剤との反応容易性を考えると、官能基がカルボキシル基と水酸基との少なくともいずれかを有しているものであることが好ましい。また、高分子樹脂の分子鎖に化学的な装飾を施してカルボキシル基と水酸基との少なくともいずれかを導入したものを使用することもできる。このような樹脂としては、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも一つの成分を含んでいるものを用いることができる。また、相溶性がある樹脂どうしの場合は、これらの樹脂を混合し、または複層にして用いることもできる。
【0025】
またプライマ層13には、層間の結合を強固なものとするために架橋剤を含ませることが好ましい。このように構成することで、プライマ層13と粘着剤層12および/または化粧層14との間に架橋剤によって架橋された樹脂架橋物を含ませることができるため、上記のように層間の結合を強固なものとすることができる。
【0026】
このような性質を引き出すために用いることができる架橋剤の例として、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルミキレート系架橋剤をあげることができる。これらは、プライマ層13の樹脂分子の官能基、特にカルボキシル基または水酸基と化学結合し、プライマ層13と粘着剤層12および/または化粧層14との界面を超えて立体的な化学構造をとることに寄与することから、上記のように層間の結合を強固なものとする役割を果たすものである。なかでも、プライマ層13に塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂またはアクリル系樹脂が用いられている場合には、架橋剤として樹脂の水酸基と反応しやすいイソシアネート系架橋剤を用いることで、層間の化学結合が強固なものとなる。
【0027】
化粧層14は、たとえば着色インキによる印刷模様を有して、意匠性を向上させるための化粧が施されたものである。化粧としては、多色の模様や絵柄の印刷であってもよい。
【0028】
着色インキとしては、任意のものを使用できるが、たとえば、アクリル樹脂系のもの、フッ素樹脂系のもの、無機系のものなどがあげられる。耐候性を考慮するとアクリルウレタン樹脂系のものが好ましい。
【0029】
着色インキに含有される着色成分としては、たとえぱ、ラーベン420(コロンビアン社製)、カーボンブラックFW200(デグッサ社製)、モナーク1000(キャボット社製)、カーボンブラック2400B(三菱化学社性)などのカーボン系(黒色系)顔料、ヘリオゲンブル−L−6900、ヘリオゲングリーン−L−8605(以上、BASF社製)、パロマーンブルー−B−4806(バイエル社製)、ファーストゲンブルー5030F、ファーストゲングリーンS(以上、大日本インキ化学工業社製)などのブルー系・グリーン系の顔料、酸化チタンなどの白色系顔料、他の色の顔料などがあげられる。
【0030】
また、意匠性をさらに高めることを目的として、光輝顔料を添加することもできる。光輝顔料としては、たとえば、アルミペースト8820YF、アルミペースト7130N(以上、東洋アルミニウム社製)、SAP210N、SAPFm4000(以上、昭和アルミパウダー社製)などのアルミニウム系メタリック顔料、イリオジン101、イリオジン205、イリオジン321(以上、メルク社製)、エクステリアマーリンブライトホワイト1389X、エクステリアマーリンスーパーゴールド239Z、エクステリアマーリンスーパーブロンズ259X(以上、マール社製)などのパール顔料があげられる。
【0031】
以上に例示した着色成分は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。このような着色成分を含む化粧層14を設けることにより、化粧シート10の意匠性を向上させることができる。
【0032】
なお着色インキのバインダ成分としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などがあげられるが、同バインダ成分は、これらの樹脂のうちの少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂が樹脂成分の100%を占めるものであってもよい。
【0033】
あるいは、化粧層14は、金属薄膜層によって構成することもできる。このような構成であると、めっき調の意匠効果が現れるようにすることができる。この金属薄膜層は、たとえば金属をスパッタリング法または蒸着法などの一般的な金属薄膜形成方法によって積層させることにより、形成することができる。このようにスパッタリング法を適用すると、低蒸気圧の金属であっても積層することができるので、金属の種類を問わず使用することができる。その一例として、クロム、アルミニウム、チタン、金、銀などを用いることができる。また、複数の金属を用いて合金とすることもできる。さらに、金属の種類を選択することにより、金属自身の色彩による無色または有色の金属光沢を得ることができる。
【0034】
化粧層14の厚さは、任意に選定することができる。ただし、金属薄膜を用いた場合は、厚さ数μm程度でめっき調の意匠効果が得られるため、10μm以上の厚さとする必要はない。なお、スパッタリング法や蒸着法によつて化粧層14を形成した場合は、印刷法では困難な10μm未満の厚さで容易に形成することができる。よって、たとえば厚さを0.1μm以下に抑えて、透明でありながら金属の反射効果を有する、特徴的な意匠を作成することもできる。
【0035】
金属薄膜の形成工程において、特定形状の積層遮断板を用いることで、必要とする形状の部分にめっき調意匠効果を有する層を形成することができる。さらに、金属薄膜層の上にインキによる印刷層を設けたものとすることもできる。この場合は、この積層物を転写することによって、金属薄膜層と、金属薄膜層の存在しない部分から見ることができる印刷層とによる意匠とすることができる。
【0036】
硬化型塗膜層15は、不揮発分100%の無溶剤型であって、熱線や、電子線や、放射線や、紫外線などの照射により硬化される硬化型材料からなる塗料の硬化物を有する。このような硬化型材料として、硬化型樹脂と重合性モノマーとを含むものがあげられる。このうち、硬化型樹脂としては、たとえば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどのアクリル系オリゴマーからなるものがあげられる。重合性モノマーとしては、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどがあげられる。硬化性樹脂が紫外線により硬化されるものである場合は、光開始剤などが含まれる。
【0037】
上述のアクリル系オリゴマーとしては、高分子量のイソシアネートとヒドロキシル基を有するアクリレートとからなるウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、重量平均分子量は、400〜7000が好適である。重量平均分子量が400〜7000のウレタンアクリレートオリゴマーは、耐候性、可撓性に特に優れる。
【0038】
ウレタンアクリレートオリゴマーを構成する高分子量のイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するアクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレートなどがあげられる。
【0039】
なお、ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、耐候性、可撓性、密着性が特にすぐれることから、脂肪族イソシアネートとヒドロキシル基を有するアクリレートとからなる脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと重合性モノマーとを含む無溶剤型の放射線硬化型塗料としては、例えば、ダイセルUCB社製「KRM7818」「KRM7842」「KRM7946」などをあげることができる。また、ウレタンアクリレートオリゴマーは、3官能以下であることが好ましい。
【0040】
硬化型塗料23は、粘度調節や硬度調節を目的として、重合性モノマーを含有している。このような重合性モノマーとしては、たとえば、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エトキシ−エチルアクリレート、ラウリルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、N−ビニルホルムアミド、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ビニル−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどがあげられる。これらの中でも、耐候性にすぐれることから、イソボルニルアクリレートが好ましい。
【0041】
また、硬化型塗膜層15には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とが含まれることが好ましい。これらが含まれると、耐候性をさらに向上させることができる。なお、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤のいずれか一方のみを含有させることも可能であるが、両者を併用した方が、相乗効果を発現するので耐候性をより向上させることができる。
【0042】
なお、これらベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤は、硬化型塗膜層15以外の層にも含有させることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、チヌビンP(2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール),234,400(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、Sumisorb300(住友化学工業社製)などがあげられる。また、ヒンダードアミン系光安定剤としては、たとえば、チヌビン292,622LD(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、サノールLS770,765(以上、三共化成工業社製)などがあげられる。
【0043】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤の配合割合は、硬化型塗料100質量部に対して、それぞれ0.1〜5.0質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3.0質量部であり、特に好ましくは0.8〜2.0質量部である。0.1質量部未満であると、耐候性を向上させることができないことがあり、5.0質量部を超えると、添加量に比した効果が発揮されず、コストを高くすることになる。
【0044】
さらに、必要に応じて、その他の添加剤として、他の紫外線吸収剤、他の光安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填剤、有機系充填剤、紫外線吸収能や近赤外線吸収能を有する酸化チタン、酸化亜鉛、ITOなどの金属(複合)酸化物微粒子などを添加することもできる。
【0045】
また、硬化型塗膜層15には、着色顔料を含有させることができる。硬化型塗膜層15に含有可能な着色顔料としては、例えば、ラーベン420(コロンビアン社製)、カーボンブラックFW200(デグッサ社製)、モナーク1000(キャボット社製)、カーボンブラック2400B(三菱化学社製)などの黒色のカーボン系顔料、ヘリオゲンブルーL−6900、ヘリオゲングリーンL−8605(以上、BASF社製)、パロマーンブルーB−4806(バイエル社製)、ファーストゲンブルー5030F、ファーストゲングリーンS(大日本インキ化学工業社製)などのブルー系、グリーン系の顔料、酸化チタンなどの白色系顔料、他の色の顔料などが挙げられる。
【0046】
さらに、意匠性をいっそう高めることを目的として、硬化型塗膜層15に光輝顔料を添加することもできる。光輝顔料としては、たとえば、アルミペースト8820YF、アルミペースト7130N(東洋アルミニウム社製)、SAP210N、SAPFM4000(昭和アルミパウダー社製)などのアルミニウム系メタリック顔料、イリオジン101、イリオジン205、イリオジン321(以上、メルク社製)、エクステリアマーリンブライトホワイト1389X、エクステリアマーリンスーパーゴールド239Z、エクステリアマーリンスーパーブロンズ259X(以上、マール社製)などのパール顔料があげられる。
【0047】
以上に例示した着色顔料は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。このように、硬化型塗膜層15に着色顔料を添加することにより、化粧シート10に自由に着色可能で、しかも透明にすることも可能であるため、意匠性を向上させることができる。
【0048】
硬化型塗膜層15の厚さは、5〜500μm、好ましくは10〜300μmの範囲である。硬化型塗膜層15の厚さが5μm未満であると、意匠性が発揮されないので、化粧シート10としての用をなすことが困難となる。反対に500μmを超えると、化粧シート10の可撓性が低くなり、取扱性が低下することがある。
【0049】
微細な多数のビーズ20が密に配列されることによって構成されたビーズ層16は、化粧シート10に長期耐候性と表面耐擦傷性を付与するために形成されるもので、このため、所定の耐候性と硬度とを有することが必要である。また、化粧層14の意匠性を発現させるために、透光性を有することが必要である。
【0050】
ビーズ20は、最終的に得られる化粧シート10の表面の耐擦傷性の要求レベルに応じて選ばれるが、所要の表面耐擦傷性を発揮するためには、少なくともモース硬度が5以上であることが必要である。モース硬度が5未満では、化粧シート10の表面の傷つきを長期にわたって防止する能力が不十分である。一方、モース硬度が高ければ、傷には強くなるが、高価であったり、球状粒子として得られにくい場合もある。
【0051】
無色で、下部の化粧層14の意匠を透過する透光性があり、容易に微細球状粒子として得られ、かつ適度な硬度を併せ持つ材料としては、ガラスビーズが好適である。また、ガラスビーズの表面に、ガラスビーズより硬度の高い材料被膜が形成されているものでも良い。
【0052】
ガラスビーズのガラス組成は任意であり、最終的に得られる化粧シート10の用途によって適宜選択される。特に屈折率が高いガラスビーズでは光の反射効果が大きいことから、表面の耐擦傷性のほかに、化粧シート10の意匠性などに特異な効果が得られる場合もある。
【0053】
ビーズ20として、樹脂ビーズを採用することもできる。樹脂ビーズとしては、硬質あるいは軟質のウレタンビーズなどを用いることができる。このような樹脂ビーズを用いると、化粧シート10をスエード調に仕上げることができる。また、その硬度を任意に選定することができる。
【0054】
ビーズ20の粒子径は、最終的に得られる化粧シート10の要求表面特性や硬化型塗膜層15の厚みによって適宜選択されるべきものであるが、1〜100μmの平均径の範囲で選ぶのが好ましい。より好ましい範囲は、平均径で5〜50μmである。粒子径が細かすぎると粒子の凝集性が大きくなってビーズ20を転写フィルム層17に均一に散布することが難しくなったり、転写フィルム層17の中に埋没してしまったりして、望ましい表面特性を持った化粧シート10が得られない。また、粒子径が大き過ぎると、化粧シート10の表面のざらつきが大きくなって美麗なものが得られにくくなったり、硬化型塗膜層15の強度が弱くなって使用に問題が生じることともなる。
【0055】
一方、ビーズ20の粒度の分布については、特に制限は無く、経済性と最終製品の要求性能とを勘案して選ぶことができる。
ビーズ層16は、当初はビーズ20の一方の半球側が転写フィルム層17によって保持されており、このビーズ層16を保持した転写フィルム層17が未硬化の塗料層に被せられ、これによりビーズ層16が未硬化の塗料層に付着し、その状態で塗料層に電子線などが照射されることでこの塗料層が硬化して硬化型塗膜層15が形成され、それによってビーズ20の他方の半球側が硬化型塗膜層15に埋設状態で接着一体化される。その後に転写フィルム層17を剥がすと、表面にビーズ層16が形成された化粧シート10が得られることになる。ビーズ層16において、各ビーズ20は、上記のように他方の半球側が硬化型塗膜層15に埋設一体化された状態で、上記一方の半球側が露出状態で硬化型塗膜層15から突出する。ビーズ20は、硬化型塗膜層15との接着性を向上させるためにシランカップリング剤などにより表面処理が施されたものであってもよい。
【0056】
転写フィルム層17としては、転写ベース層18を構成するポリエステルフィルムに、球状粒子の保持層である易剥離層19としてのオレフィン系の樹脂層を積層したものが好適に用いられる。ただし、易剥離層19を構成する樹脂は、粘着力によるビーズ20の保持性と、硬化型塗膜層15に接着一体化されたビーズ20から剥がすことができる離型性を有し、かつ適度な熱可塑性を有するものであれば、オレフィン系の樹脂に限定されるものではない。また、ビーズ20との離型性を増すために、各種離型剤を塗布したり、樹脂を混入させたりしたものを用いても良い。
【0057】
転写ベース層18の表面に易剥離層19を形成する手段としては、コーティング、ドライラミネーション、共押出しなど各種の手段が用いられる。
易剥離層19の厚みは、用いるビーズ20の粒子径によって適宜に選択され、通常、ビーズ20の粒子径が大きくなれば易剥離層19も厚いものが選ばれる。しかし、原則的には最終製品として得られる化粧シート10の表面設計に応じて選ぶことができる。通常は10〜150μmの範囲内にあるが、ビーズ20を適度に埋設保持するためや、優れた熱溶融変形性が得られるようにするために、また加えて製造コスト等を考慮すれば、易剥離層19の厚さは、一般に10〜100μm、好ましくは20〜50μmとするのが適当である。
【0058】
転写ベース層18を構成するポリエステルフィルムとしては、配向ポリエステルフィルムが好適に用いられる。このほかに、易剥離層19のオレフィン系の樹脂の軟化点付近で充分な強度と寸法安定性を持つポリカーボネートなどのフィルムを用いることもできる。その厚さは、特に限定されないが、硬化型塗膜層15の保護および後述する電子線などの照射による塗膜形成工程での充分な力学的強度や寸法安定性などの要求から、数十μmから数百μmの範囲で適宜選択する。好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmであるが、塗膜層15を硬化させるために使用される紫外線、電子線、放射線の透過強さも考慮して選ばれる。
【0059】
易剥離層19にビーズ20を保持させる方法としては、従来から公知の再帰反射シートや再帰反射クロスを製造する際にガラスビーズを保持させる方法が好適に用いられる。すなわち、たとえば転写ベース層18を構成する2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、易剥離層19を構成するポリエチレン層を形成した積層フィルムを、熱ロールや熱風乾燥オーブン等に通して、ポリエチレン層を軟化点以上に加熱し、その後、ビーズ20としてのガラスビーズを、過剰量でポリエチレン層に散布し付着させる。そして、ポリエチレン層に付着しなかったガラスビーズを除去し、その後、再びフィルムを加熱ゾーンに送り、ポリエチレン層を軟化させ、付着ガラスビーズをポリエチレン層に適度に沈み込ませる。個々のガラスビーズは、その一部分が、ポリエチレン樹脂に覆われることなしに、易剥離層19を構成するポリエチレン層の表面から突出した状態となる。突出の程度は、最終的に得られる化粧フィルム10の表面特性の設計に応じて制御する。
【0060】
ビーズ20の散布密度や粒子の大きさに応じて、加熱温度、沈み込ませる時間、上述の易剥離層19の厚み、易剥離層19の樹脂の分子量などを含め制御因子を適宜コントロールする。
【0061】
次に、図1に示す化粧シート10の製造方法について、図2〜図8を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、剥離フィルム21を準備し、この剥離フィルム21の上にプライマ塗膜22を形成する。ここで、剥離フィルム21は、仮のベースフィルムとして機能するもので、プライマ塗膜22を構成する未硬化のプライマ材料が接着しないような表面を有するフィルムにて構成される。具体的には、たとえば、離型シート11と同様のもので、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるシートや、シリコーンなどの離型剤がコーティングされた紙などがあげられる。
【0062】
次に、図3に示すように、プライマ塗膜22の上に化粧層14を形成する。この化粧層14が着色インキによる印刷模様を有するものである場合において、着色インキの塗工方法とては、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの方法があげられる。
【0063】
次いで、図4に示すように、化粧層14の上に硬化型塗料23を所定の厚さで塗布する。
プライマ塗膜22と硬化型塗料23との塗布方法は任意であり、たとえば、バーコート法、ロールコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアナイフコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、トランスファコート法、ファウンテンコート法、スリットダイコート法、ダイコート法などにより塗布することができる。
【0064】
これらの中でも、プライマ塗膜22の塗布には、グラビアコート法の適用が好ましい。グラビアコート法によりプライマ塗膜22を塗布すると、塗膜厚さを均一に薄くでき、かつ表面にきめ細かな凹凸を形成させることができて化粧層14と物理的に良好に密着させることができる。なお、グラビアコート法でプライマ塗膜22を塗布する際には、80メッシュから150メッシュのグラビア製版ロールを用いることが好ましく、塗布量は2〜6g/m2であることが好ましい。
【0065】
硬化型塗料23の塗布には、スリットダイコート法の適用が好ましい。硬化型塗料23をスリットダイコート法により塗布すると、泡や異物の巻き込みが少なくなるので、表面欠陥がなくなり、外観が良好となる。また、厚み精度を向上させることができ、具体的な厚み誤差を3%以下とすることができる。
【0066】
次に、図5に示すように、易剥離層19に多数のビーズ20の一方の半球側を埋設させるようにして、これらのビーズ20を保持した状態の転写フィルム層17を、未硬化状態の塗料23に被せる。これにより、各ビーズ20が塗料23に付着した状態で、図示のような断面構造の積層体が得られる。
【0067】
そして、図6に示すように、得られた積層体のうちの、少なくとも硬化型塗料23に、この塗料23を硬化させるための電子線24などを照射する。そのときに、一例として上記のように電子線24を照射する場合には、たとえば窒素ガス雰囲気中(残存酸素濃度100ppm)で、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で照射する。これにより、硬化型塗料23に含まれるオリゴマー成分や重合性モノマーに電子線24が照射され、これらが重合して硬化することで、硬化型塗膜層15が形成される。
【0068】
具体的に説明すると、電子線24の照射装置は、特にその方式を限定するものではなく、たとえばバンデグラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、カーテンビーム方式のような電子線照射装置を使用することができる。これらの中でも、比較的安価で電子線の照射出力の大きいカーテンビーム方式が好ましい。必要加速電圧は、塗布する膜厚によって選択するが、100〜500kVであることが好ましい。電子線の透過率を上げるため、250kV以上のほうがより好ましい。電子線照射雰囲気は、窒素ガスその他の、酸素やオゾン等を含有しない不活性ガス中が望ましい。電子線の吸収線量は、電子線硬化性樹脂組成物に所望の硬化を施すことができる程度であればよく、特に限定するものではないが、0.1〜10Mradの範囲が好適であり、より好ましくは0.2〜7Mradである。吸収線量が0.1Mrad未満の場合には、電子線照射量による電子線硬化性樹脂組成物の硬化が不十分になることがある。また吸収線量が10Mradを越えると、シート状基材を劣化させたり変色させたりすることがあり、またエネルギーの無駄でもある。
【0069】
硬化型塗料23は粘度調節や硬度調節を目的として重合性モノマーを含有しているが、この重合性モノマーは、電子線または紫外線が照射された際に、アクリル系オリゴマーなどの放射線硬化型樹脂とともに硬化する。
【0070】
また、プライマ塗膜22のプライマ材料にアクリル系オリゴマーが配合されている場合には、照射された電子線24によってアクリレート不飽和基にラジカルが発生し、このラジカルによりアクリレートが重合して硬化する。その結果、プライマ塗膜22が硬化してプライマ層13が形成される。なお、プライマ材料にアクリル系オリゴマーなどの放射線硬化型樹脂を含有せず、アクリル系樹脂のみを含有する場合には、電子線24によっては硬化せず、したがって他の硬化手法を採用することになる。
【0071】
これにより、図7に示すように、多数のビーズ20によりビーズ層16が形成される。そこで、図示のように、硬化形成されたプライマ層13から剥離フィルム21を剥離する。そして、これに代えて、図8に示すように、離型シート11に粘着剤を塗布して粘着剤層12を形成したものをプライマ層13に貼り合わせ、40〜50℃で2日間養生して化粧シート10を得る。
【0072】
このような化粧シート10の使用時には、剥離シート11を剥がし、粘着剤層12を露出させて、対象物に貼り付ける。なお、転写フィルム層17は、化粧シート10の使用時には剥がしてビーズ層16を露出させるが、それまで転写フィルム層17によってビーズ層16を覆っておくことで、このビーズ層16や硬化型塗膜層15を保護することができ、使用前に化粧シート10が傷付くことを防止することができる。なお、転写フィルム層17の剥離の際に化粧シート10の表面へのビーズ20の転写を容易に行うために、易剥離層19を構成する樹脂を選択したり、易剥離層19へのビーズ20の沈み込み量を調整したりする。
【0073】
上記においては、アクリル系オリゴマーが配合されたプライマ材料および硬化型塗料に光開始剤を添加したうえで、これらプライマ材料および硬化型塗料に紫外線を照射して硬化させることもできる。すなわち、紫外線によって光開始剤がラジカルを発生し、このラジカルによってアクリレートが重合して硬化する。光開始剤の添加量は、2〜5質量部であることが好ましい。さらに、光開始剤とともに光開始助剤を添加することにより、紫外線によるラジカル発生効率を高めることができる。
【0074】
本発明によれば、化粧層14のみならず、硬化型塗膜層15にも着色成分を含有させることができる。その際に使用される着色成分としては、化粧層14で使用される着色成分を使用することができる。このように硬化型塗膜層15にも着色成分を含有させると、化粧の深みが増すので、得られる化粧シート10の意匠性をさらに向上させることができる。
【0075】
また本発明によると、硬化型塗膜層15を複数の層で構成することもできる。この場合、複数の層に、それぞれ別の着色成分を含有させることができ、そうすることで、意匠性をさらに向上させることができる。
【0076】
また本発明によると、プライマ層13を第1のプライマ層として、この第1のプライマ層13のほかに、図1における化粧層14と硬化型塗膜層15との間に第2のプライマ層を配置することもできる。これにより、化粧層14と硬化型塗膜層15との間の接着性を向上させることができる。この場合に、第2のプライマ層は、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどのアクリル系オリゴマーからなる硬化型樹脂の硬化物、アクリルポリオール系などのアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の少なくとも一つを25質量%以上、好ましくは30〜95質量%含有するものであることが好適である。この場合には、第2のプライマ層にも着色成分を含有させることができる。
【0077】
また本発明によると、上記の第2のプライマ層を2層構造とすることもできる。この場合は、第2のプライマ層における硬化型塗膜層15に接する方の層を上述の第2のプライマ層と同じ成分とするとともに、化粧層14に接する方の層を上述の第1のプライマ層13と同じ成分とすることができる。これにより、硬化型塗膜層15に対する接着性と化粧層14に対する接着性との両方の接着性を、それぞれ良好なものにすることができる。この場合も第2のプライマ成分に着色成分を含有させることができるとともに、この第2のプライマ成分における一方および他方の層にそれぞれ別の着色成分を含有させることができ、そうすることで、意匠性をさらに向上させることができる。
【0078】
本発明によると、化粧層14を省略することもでき、これにより簡易な化粧シートを得ることができる。この場合に硬化型塗膜層15は、着色顔料を含ませないものとすることもできるし、含ませたものとすることもできる。着色顔料を含ませる場合は、上述のように硬化型塗膜層15を複数の層で構成して、これら複数の層に、それぞれ別の着色成分を含有させることもできる。そしてこの場合は、プライマ層13にも着色顔料を含ませることができる。
【0079】
また化粧層14を省略する場合に、図9に示すように、プライマ層13、25を2層構造として、一方のプライマ層13を上述のものと同じ粘着剤層12との接着性にすぐれたものとするとともに、他方のプライマ層25を上述の「第2のプライマ層」と称した硬化型塗膜層15との接着性にすぐれたものとすることもできる。またこの場合に、いずれか一方あるいは両方のプライマ層13、25に着色成分を含有させることができるとともに、各プライマ層13、25にそれぞれ別の着色成分を含有させることもできる。
【0080】
以上説明した化粧シート10は、下記のようなすぐれた効果を備えている。
(1)化粧シート10の表面にモース硬度5以上のビーズ20にて構成された均一なビーズ層16が形成されているため、塗料層15の柔らかさなどの物性を維持したうえで化粧シート10に高輝度・高意匠性を付与でき、また高耐候性を有したものとすることができる。このため、建築物・車・家具などの内外装面や土間用マット(鉄道ホーム用・案内シートなど)やその他のものに用いることが好適な、表面硬度が高く、したがって耐擦傷性を著しく高めた化粧シートを得ることができる。
【0081】
(2)ビーズ層16におけるビーズ20の粒子径や易剥離層19への沈み込み度をコントロールすることによって、塗膜層15の表面からのビーズ20の飛び出し高さを制御することができ、これにより最終製品としての化粧シート10の表面のつや・手触り感を適宜コントロールすることができる。
【0082】
(3)化粧層14の表面を覆うように硬化型塗料23を塗布した後、これを硬化させて塗膜層15が形成されるようになっているので、化粧層14として微細なパターンの形成が可能で、意匠性(立体感・形状、色調、多彩感等)の高いものとすることができる。
【0083】
(4)塗膜層15が、不揮発分100%の無溶剤型の電子線硬化性樹脂塗料23にて形成されているので、シックハウス症候群の原因となるVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の発生がなく、室内の建材や家具などの化粧塗膜として好適に使用することができる。
【0084】
(5)塗膜層15は電子線24の照射などにより硬化する硬化型塗料23にて形成されているため、この塗膜層15の黄変等の問題がない。また、紫外線吸収剤を含んでいる場合は、紫外線による化粧層14の劣化を防ぐことができ、より耐久性に優れたものとなる。
【0085】
(6)塗膜層15の厚さが5μm〜500μmと厚膜であるため、机の天板等の家具の表面化粧材としても使用することができる。
一方、上記の化粧シート10の製造方法は、以下のようなすぐれた効果を備えている。
【0086】
(7)ビーズ層16を含む転写フィルム層17を用いるようにしたので、電子線硬化型の塗料23を硬化させるだけで、塗料層15の表面に耐擦傷性のビーズ層16を容易に形成することができる。
【0087】
(8)電子線24の照射により塗料23を硬化させるようにしたので、ビーズ層16を含む転写フィルム層17が着色されていても塗料23を硬化させて化粧シート10を製造することができる。
【0088】
【実施例】
(実施例1)
アクリルウレタン樹脂(昭和インク工業所社製「KA2メジューム」、固形分含料:20質量%)100質量部(樹脂成分中の100質量%)のプライマ材料を、厚さ32μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製)の表面に離型補助剤層を設けた剥離フィルム21の表面にグラビアコート法により塗布し、乾燥して、厚さ2μmの未硬化状態のプライマ塗膜22を形成した(図2)。
【0089】
次に、上記のアクリルウレタン樹脂(昭和インク工業所社製「KA2メジューム」、固形分含料:20質量%)100質量部(樹脂成分中の100質量%)に各種の着色顔料を配合した複数の着色インキを用意し、ダイコート法により上述のプライマ塗膜22上に印刷模様を施して、厚さ3μmの化粧層14を形成した(図3)。
【0090】
また、化粧層14の上に、無溶剤型ウレタンアクリレートオリゴマー系放射線硬化型塗料(ダイセルUCB社製「KRM7818」)10質量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルケミカル社製「チヌビン400」)1.0質量部と、ヒンダートアミン系光安定剤(チバスペシャルケミカル社製「チヌビン290」)1.0質量部とを配合した塗料を、ダイコート法により200μmの厚さに塗布して、未硬化状態の硬化型塗料23の層を形成した(図4)。
【0091】
次に、多数のガラスビーズ20を保持した転写フィルム層17を準備した。すなわち、モース硬度6、平均粒子径約25μmの多数の球状ガラスビーズ20(ユニオン社製「UB02E」)を易剥離層19としての厚さ40μmのポリエチレン層に密に配列して保持させ、かつこのポリエチレン層に転写ベース層18としての厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート層を積層した、ビーズ20を含む転写フィルム層17を準備した。
【0092】
そして、図5に示すように、ガラスビーズ20が硬化型塗料23に付着するようにして、転写フィルム層17を硬化型塗料23に被せた。
さらに、この状態で、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)において、転写フィルム層17の上より、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線24を照射して、硬化型塗料23とプライマ塗膜22とを硬化させ(図6)、硬化型塗膜層15とプライマ層13とを形成した。
【0093】
ついで、プライマ層13から剥離フィルム21を剥離してプライマ層13を露出させ(図7)、この剥離フィルム21に代えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製)からなる厚さ38μmの離型シート11上に形成された厚さ40μm/DRYの粘着剤層12(ビックテクノス社製「リキダインAR−2120」)を貼り合わせ(図8)、40〜50℃にて2日間養生して、外装用化粧シートを得た。
【0094】
最後に、転写フィルム層17を取り除いて、ガラスビーズ層16を表面に転写した化粧シート10を得た(図10)。
得られた化粧シート10は、表面に密に配列された微細なガラスビーズ20の単層からなるビーズ層16が形成されていたため、耐候性にすぐれるとともに、耐磨耗性、耐擦傷にもすぐれたものであった。
【0095】
(実施例2)
図9に示すように、実施例1に比べ、化粧層を設けず、またプライマ層13、25を2層構造にした。
【0096】
すなわち、アクリルウレタン樹脂(昭和インク工業所社製「KA2メジューム」、固形分含料:20質量%)100質量部(樹脂成分中の100質量%)のプライマ材料を、厚さ32μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製)の表面に離型補助剤層を設けた剥離フィルムの表面にグラビアコート法により塗布し、乾燥して、厚さ2μmの未硬化状態の第1のプライマ塗膜を形成した。
【0097】
次いで、ウレタンアクリレートオリゴマー(昭和インク工業所社製「CSEB5メジューム」)100質量部(樹脂成分中の100質量%)を希釈溶剤で固形分35%に希釈した第2のプライマ材料溶液を、上記の第1のプライマ塗膜上にグラビアコート法により塗布し、乾燥させて、厚さ3μmの未硬化状態の第2のプライマ塗膜を形成した。
【0098】
そして、第2のプライマ塗膜上に、無溶剤型ウレタンアクリレートオリゴマー系放射線硬化型塗料(ダイセルUCB社製「KRM7818」)10質量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルケミカル社製「チヌビン400」)1.0質量部と、ヒンダートアミン系光安定剤(チバスペシャルケミカル社製「チヌビン290」)1.0質量部とを配合した塗料を、ダイコート法により200μmの厚さに塗布して、未硬化状態の硬化型塗料の層を形成した。
【0099】
次に、図9に示すように、モース硬度6、平均粒子径約25μmの多数の球状ガラスビーズ(ユニオン社製「UB02E」)20を易剥離層19としての厚さ40μmのポリエチレン層に密に配列して保持させ、かつこのポリエチレン層に転写ベース層18としての厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート層を積層した、ビーズ20を含む転写フィルム層17を準備した。そして、ガラスビーズ20が硬化型塗料に付着するようにして、転写フィルム層17を硬化型塗料に被せた。
【0100】
さらに、この状態で、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)において、転写フィルム層の上より、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して、硬化型塗料と第1および第2のプライマ塗膜とを硬化させ、硬化型塗膜層15と第1のプライマ層13と第2のプライマ層25とを形成した。
【0101】
ついで、第1のプライマ層13から剥離フィルムを剥離してこの第1のプライマ層13を露出させ、この剥離フィルムに代えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製)からなる厚さ38μmの離型シート11上に形成された厚さ40μm/DRYの粘着剤層(ビックテクノス社製「リキダインAR−2120」)12を貼り合わせ、40〜50℃にて2日間養生して、外装用化粧シート10を得た。
【0102】
最後に、転写フィルム層17を取り除いて、ガラスビーズ層16を表面に転写した化粧シート10を得た。
得られた化粧シート10は、実施例1の化粧シートと同様に、表面に密に微細なガラスビーズ20の単層からなるビーズ層16が形成されていたため、耐候性にすぐれるとともに、耐磨耗性、耐擦傷にもすぐれたものであった。
【0103】
【発明の効果】
以上のように本発明の化粧シートによると、建築物の外壁や内壁などの基材表面等の被化粧面に現場施工で簡単に化粧を施すことができるとともに、表面にビーズ層を有するため、耐候性や耐磨耗性等の物理的性質に優れ、しかも微妙な模様の表現も可能で意匠性の高いものとすることができる。
【0104】
また本発明の化粧シートの製造方法によると、硬化性樹脂塗料の層を形成した後にこれを硬化させるようにしたので、ダイコーター、ロールコーター、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の剪定力、機械的外力のかかる塗布方法によっても化粧シートを製造することができる。
【0105】
また、硬化性樹脂を硬化させるだけで、塗膜層の表面を硬度の高いビーズの層で覆った構成とすることができる。しかも、ビーズの粒子径や、塗膜層からのビーズのとび出し高さをコントロールすることによって、耐擦傷性にすぐれた表面を持つ、艶消し面、鏡面などのいろいろな意匠を自由に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の化粧シートの断面構造を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の化粧シートの製造方法を示す断面図である。
【図3】図2の次の工程を示す断面図である。
【図4】図3の次の工程を示す断面図である。
【図5】図4の次の工程を示す断面図である。
【図6】図5の次の工程を示す断面図である。
【図7】図6の次の工程を示す断面図である。
【図8】図7の次の工程を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の化粧シートの断面構造を示す図である。
【符号の説明】
12 粘着剤層
13 プライマ層
15 硬化型塗膜層
16 ビーズ層
20 ビーズ
22 プライマ塗膜
23 硬化型塗料
24 電子線[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative sheet and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
For example, makeup with coloring or other makeup applied to enhance the design of building components such as building exterior walls, house entrance doors, exterior / interior of automobiles, exterior / interior of vehicles / ships, signs / signs, etc. A sheet may be attached.
[0003]
Conventionally, as a decorative sheet that can be easily operated at a construction site, has excellent weather resistance and abrasion resistance, and can express a fine pattern, Patent Document 1 discloses that a release surface of a release sheet is made of ink. 1 selected from the group consisting of a printed layer which is printed and has releasability with respect to the release surface, and a thermosetting resin paint, electron beam curable resin paint, radiation curable resin paint, and ultraviolet curable resin paint. There is described a decorative sheet comprising a foil body composed of a coating layer formed by coating and curing a seed curable resin coating so as to cover the surface of the printing layer.
[0004]
In such a case, since the coating layer is formed by a curable coating that is cured by heat, electron beam, radiation, or ultraviolet rays, a decorative sheet having excellent weather resistance and abrasion resistance as described above can be obtained. Obtainable.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2001-1483 A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, when it is used for a long time on a surface to be coated such as a substrate surface such as an outer wall or an inner wall of a building, the surface of the coating film may be damaged due to surface wiping. Alternatively, as a result of the fine sand contained in the wind repeatedly rubbing over a long period of time, the surface of the coating layer may be damaged and the value of its appearance may be reduced. For this reason, in the conventional decorative sheet, the range of the use object is restricted.
[0007]
Therefore, the present invention further improves such a conventional decorative sheet to obtain a decorative sheet having excellent long-term weather resistance and physical properties of surface scratch resistance, and capable of expressing fine patterns. Objective.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
To achieve this object, the decorative sheet of the present invention includes an adhesive layer that adheres to an object, a primer layer laminated on the adhesive layer, a thermosetting resin paint, an electron beam curable resin paint, and a radiation curable resin. A curable coating layer formed of a curable coating selected from the group consisting of a coating material and an ultraviolet curable resin coating, and a bead in which a large number of beads having a Mohs hardness of 5 or more are arranged on the surface of the curable coating layer And a layer.
[0009]
The decorative sheet manufacturing method of the present invention includes a step of forming a primer coating, and a thermosetting resin coating, an electron beam curable resin coating, a radiation curable resin coating, and an ultraviolet curable resin so as to overlap the primer coating. A step of forming a layer of a curable paint selected from the group consisting of paints, and a release sheet having a releasable layer holding a number of fine beads having a Mohs hardness of 5 or more on the surface of the curable paint A step of adhering the beads to the curable coating, and curing the curable coating and the primer coating by irradiation with any one of heat, electron beam, radiation, and ultraviolet rays, A step of forming a primer layer, and a step of transferring the bead layer made of the beads to the surface of the curable coating layer by peeling off the release sheet after completion of the curing. .
[0010]
According to the present invention, it is preferable that fine beads having a Mohs hardness of 5 or more are glass spherical particles.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows a cross-sectional structure of a decorative sheet according to an embodiment of the present invention. This
[0012]
Here, the curable
[0013]
The
In the manufacturing stage of the
[0014]
When using such a
[0015]
Any
[0016]
The pressure-sensitive
[0017]
The thickness of the pressure-sensitive
[0018]
The
[0019]
In order to improve the adhesion between the pressure-
[0020]
Further, the
[0021]
Among these, examples of acrylic oligomers include urethane acrylate oligomers, ester acrylate oligomers, epoxy acrylate oligomers, and acrylic resin acrylates. Of these, urethane acrylate oligomers and acrylic resin acrylates are preferred. Here, the acrylic resin acrylate is obtained by copolymerizing a (meth) acrylate monomer having a functional group such as a carboxyl group, an epoxy group, or a hydroxyl group in advance in an acrylic copolymer resin mainly composed of polymethyl methacrylate. A double bond is introduced by addition reaction with an acrylate monomer having a functional group that undergoes addition reaction corresponding to each functional group. The cured product of acrylic resin acrylate is also excellent in weather resistance, chemical resistance, and solvent resistance, similar to the cured product of urethane acrylate oligomer.
[0022]
Specific examples of such acrylic oligomers include “CSEB5 medium” (urethane acrylate oligomer) and “CSEB12 medium” (acrylic resin acrylate oligomer) manufactured by Showa Ink Industries, Ltd.
[0023]
The
[0024]
The thickness of the
The resin used for the
[0025]
The
[0026]
Examples of the crosslinking agent that can be used to bring out such properties include an isocyanate crosslinking agent, an epoxy crosslinking agent, and an aluminum chelate crosslinking agent. These chemically bond with the functional groups of the resin molecules of the
[0027]
The
[0028]
Any color ink can be used, and examples thereof include acrylic resin type, fluororesin type, and inorganic type. In view of weather resistance, an acrylic urethane resin type is preferable.
[0029]
Examples of coloring components contained in the color ink include Raven 420 (Colombian), Carbon Black FW200 (Degussa), Monarch 1000 (Cabot), Carbon Black 2400B (Mitsubishi Chemical). Carbon-based (black) pigments, Heliogen Bull-L-6900, Heliogen Green-L-8605 (above, manufactured by BASF), Paloman Blue-B-4806 (manufactured by Bayer), Fast Gen Blue 5030F, Fast Gen Green Examples thereof include blue and green pigments such as S (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.), white pigments such as titanium oxide, and other color pigments.
[0030]
Moreover, a luster pigment can also be added for the purpose of further improving the designability. Examples of the bright pigment include aluminum-based metallic pigments such as aluminum paste 8820YF, aluminum paste 7130N (manufactured by Toyo Aluminum Co., Ltd.), SAP210N, SAPFm4000 (manufactured by Showa Aluminum Powder Co., Ltd.), Iriodin 101, Iriodin 205, and Iriodin 321. (Merck, Inc.), pearl pigments such as Exterior Marlin Bright White 1389X, Exterior Marlin Super Gold 239Z, Exterior Marlin Super Bronze 259X (Mall).
[0031]
The coloring components exemplified above can be used alone or in combination of two or more. By providing the
[0032]
Examples of the binder component of the colored ink include vinyl chloride-vinyl acetate copolymer resin, acrylic resin, and urethane resin. The binder component is made of a thermoplastic resin containing at least one of these resins. It may occupy 100% of the component.
[0033]
Or the
[0034]
The thickness of the
[0035]
In the formation process of the metal thin film, a layer having a plating design effect can be formed in a portion having a required shape by using a laminated barrier plate having a specific shape. Furthermore, the printing layer by an ink can be provided on the metal thin film layer. In this case, it can be set as the design by a metal thin film layer and the printing layer which can be seen from the part which a metal thin film layer does not exist by transferring this laminated body.
[0036]
The
[0037]
As the above-mentioned acrylic oligomer, a urethane acrylate oligomer composed of a high molecular weight isocyanate and an acrylate having a hydroxyl group is preferable, and the weight average molecular weight is preferably 400 to 7000. A urethane acrylate oligomer having a weight average molecular weight of 400 to 7000 is particularly excellent in weather resistance and flexibility.
[0038]
Examples of the high molecular weight isocyanate constituting the urethane acrylate oligomer include aromatic isocyanates such as tolylene diisocyanate and xylylene diisocyanate, and aliphatic isocyanates such as hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, and hydrogenated xylylene diisocyanate. Examples of the acrylate having a hydroxyl group include 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, pentaerythritol acrylate, and the like.
[0039]
The urethane acrylate oligomer is preferably an aliphatic urethane acrylate oligomer comprising an aliphatic isocyanate and an acrylate having a hydroxyl group, since weather resistance, flexibility and adhesion are particularly excellent. Examples of the solvent-free radiation curable paint containing an aliphatic urethane acrylate oligomer and a polymerizable monomer include “KRM7818”, “KRM7842”, and “KRM7946” manufactured by Daicel UCB. Moreover, it is preferable that a urethane acrylate oligomer is trifunctional or less.
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
These benzotriazole ultraviolet absorbers and hindered amine light stabilizers can be contained in layers other than the curable
Examples of the benzotriazole ultraviolet absorber include Tinuvin P (2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole), 234,400 (above, manufactured by Ciba Specialty Chemicals), Sumisorb 300 (Sumitomo Chemical Industries). Etc.). Examples of the hindered amine light stabilizer include Tinuvin 292,622LD (above, manufactured by Ciba Specialty Chemicals), Sanol LS770,765 (above, manufactured by Sankyo Kasei Kogyo Co., Ltd.), and the like.
[0043]
The blending ratio of the benzotriazole ultraviolet absorber and the hindered amine light stabilizer is preferably 0.1 to 5.0 parts by mass, more preferably 0.5 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the curable paint. 3.0 parts by mass, particularly preferably 0.8 to 2.0 parts by mass. When the amount is less than 0.1 parts by mass, the weather resistance may not be improved. When the amount exceeds 5.0 parts by mass, the effect as compared with the amount added is not exhibited, and the cost is increased.
[0044]
Furthermore, as necessary, other ultraviolet absorbers, other light stabilizers, antioxidants, anti-aging agents, leveling agents, antistatic agents, storage stabilizers, plasticizers, lubricants, inorganics as other additives. It is also possible to add a metal filler, an organic filler, metal (composite) oxide fine particles such as titanium oxide, zinc oxide and ITO having an ultraviolet absorbing ability and a near infrared absorbing ability.
[0045]
Moreover, the curable
[0046]
Furthermore, a bright pigment can be added to the
[0047]
The color pigments exemplified above can be used alone or in combination of two or more. Thus, by adding a color pigment to the
[0048]
The thickness of the curable
[0049]
The
[0050]
The
[0051]
Glass beads are suitable as a material that is colorless and has a light-transmitting property that allows the design of the lower
[0052]
The glass composition of the glass beads is arbitrary and is appropriately selected depending on the use of the
[0053]
Resin beads can also be adopted as the
[0054]
The particle diameter of the
[0055]
On the other hand, the particle size distribution of the
In the
[0056]
As the
[0057]
Various means such as coating, dry lamination, co-extrusion and the like are used as means for forming the easily
The thickness of the easy-
[0058]
As the polyester film constituting the
[0059]
As a method for holding the
[0060]
Control factors are appropriately controlled according to the spraying density of the
[0061]
Next, the manufacturing method of the
First, as shown in FIG. 2, a
[0062]
Next, as shown in FIG. 3, the
[0063]
Next, as shown in FIG. 4, a
The
[0064]
Among these, the gravure coating method is preferably applied to the
[0065]
For the application of the
[0066]
Next, as shown in FIG. 5, the
[0067]
Then, as shown in FIG. 6, at least the
[0068]
Specifically, the irradiation device for the
[0069]
The
[0070]
When an acrylic oligomer is blended in the primer material of the
[0071]
Thereby, as shown in FIG. 7, the
[0072]
When such a
[0073]
In the above, after adding a photoinitiator to the primer material and the curable coating material in which the acrylic oligomer is blended, the primer material and the curable coating material can be cured by irradiating with ultraviolet rays. That is, the photoinitiator generates radicals by ultraviolet rays, and the acrylate is polymerized and cured by the radicals. It is preferable that the addition amount of a photoinitiator is 2-5 mass parts. Furthermore, the radical generation efficiency by ultraviolet rays can be increased by adding a photoinitiator auxiliary together with the photoinitiator.
[0074]
According to the present invention, not only the
[0075]
Further, according to the present invention, the curable
[0076]
According to the present invention, the
[0077]
In addition, according to the present invention, the second primer layer may have a two-layer structure. In this case, the layer in contact with the curable
[0078]
According to the present invention, the
[0079]
Further, when the
[0080]
The
(1) Since the
[0081]
(2) By controlling the particle size of the
[0082]
(3) Since the
[0083]
(4) Since the
[0084]
(5) Since the
[0085]
(6) Since the thickness of the
On the other hand, the method for manufacturing the
[0086]
(7) Since the
[0087]
(8) Since the
[0088]
【Example】
(Example 1)
A primer material of 100 parts by mass (100% by mass in the resin component) of acrylic urethane resin (“KA2 medium” manufactured by Showa Ink Industry Co., Ltd., solid content: 20% by mass) was added to a polyethylene terephthalate film (Unitika) having a thickness of 32 μm. Was applied to the surface of the
[0089]
Next, a plurality of color pigments blended with 100 parts by mass (100% by mass in the resin component) of the above acrylic urethane resin (“KA2 medium” manufactured by Showa Ink Industries, Ltd., solid content: 20% by mass) A colored ink was prepared, and a printing pattern was applied on the above-described
[0090]
Further, on the
[0091]
Next, a
[0092]
Then, as shown in FIG. 5, the
Further, in this state, in the nitrogen gas atmosphere (residual oxygen 100 ppm), the
[0093]
Next, the
[0094]
Finally, the
The resulting
[0095]
(Example 2)
As shown in FIG. 9, compared with Example 1, the decorative layer was not provided, and the primer layers 13 and 25 had a two-layer structure.
[0096]
That is, a primer material of 100 parts by mass (100% by mass in the resin component) of acrylic urethane resin (“KA2 medium” manufactured by Showa Ink Industries Co., Ltd., solid content: 20% by mass), a polyethylene terephthalate film having a thickness of 32 μm The surface of a release film provided with a release auxiliary agent layer (manufactured by Unitika Co., Ltd.) was applied to the surface of the release film by a gravure coating method and dried to form an uncured first primer coating having a thickness of 2 μm.
[0097]
Next, a second primer material solution obtained by diluting 100 parts by mass of urethane acrylate oligomer (“CSEB5 medium” manufactured by Showa Ink Industries Co., Ltd.) (100% by mass in the resin component) to 35% solid content with a diluent solvent The first primer coating film was applied by a gravure coating method and dried to form an uncured second primer coating film having a thickness of 3 μm.
[0098]
On the second primer coating, 10 parts by mass of a solvent-free urethane acrylate oligomer radiation curable paint (“KRM7818” manufactured by Daicel UCB) is added to a benzotriazole ultraviolet absorber (Cinuvin manufactured by Ciba Special Chemical). 400 ") 1.0 part by mass and a paint blending 1.0 part by mass of a hindered amine light stabilizer (" Cinuvin 290 "manufactured by Ciba Special Chemical Co., Ltd.) was applied to a thickness of 200 μm by a die coating method. Thus, an uncured curable coating layer was formed.
[0099]
Next, as shown in FIG. 9, a large number of
[0100]
Furthermore, in this state, in a nitrogen gas atmosphere (residual oxygen 100 ppm), an electron beam is irradiated from above the transfer film layer under the conditions of an absorbed dose of 7 Mrad and a passing speed of 50 m / min. The second primer coating film was cured to form a curable
[0101]
Next, the release film is peeled off from the
[0102]
Finally, the
The resulting
[0103]
【The invention's effect】
As described above, according to the decorative sheet of the present invention, it is possible to easily apply makeup on the surface of the base material such as the outer wall or inner wall of a building by on-site construction, and since the surface has a bead layer, It is excellent in physical properties such as weather resistance and abrasion resistance, and is capable of expressing delicate patterns and having high design properties.
[0104]
Further, according to the method for producing a decorative sheet of the present invention, since the curable resin coating layer is formed and then cured, the die coater, roll coater, gravure printing, offset printing, pruning force such as screen printing, A decorative sheet can also be produced by an application method that requires a mechanical external force.
[0105]
Moreover, it can be set as the structure which covered the surface of the coating-film layer with the layer of a bead with high hardness only by hardening a curable resin. In addition, by controlling the bead particle size and the protruding height of the beads from the coating layer, you can freely select various designs such as matte and mirror surfaces with a surface with excellent scratch resistance. be able to.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a cross-sectional structure of a decorative sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view illustrating a method for manufacturing a decorative sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a step subsequent to that in FIG. 2;
4 is a cross-sectional view showing a step subsequent to that in FIG. 3; FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a step subsequent to that in FIG. 4;
6 is a cross-sectional view showing a step subsequent to FIG. 5. FIG.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing a step subsequent to that in FIG. 6;
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a step subsequent to that in FIG. 7;
FIG. 9 is a diagram showing a cross-sectional structure of a decorative sheet according to another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
12 Adhesive layer
13 Primer layer
15 Curable coating layer
16 Bead layer
20 beads
22 Primer coating
23 Curing paint
24 electron beam
Claims (4)
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US10773497B2 (en) | 2013-03-29 | 2020-09-15 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Decorative sheet and decorative resin molded article |
-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003178816A patent/JP2005014266A/en active Pending
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