JP2005013776A - 液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器 - Google Patents
液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】液滴を吐出することなくノズルの詰まりを検出できる液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器を提供する。
【解決手段】被処理基材上に液状体を吐出して所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、吐出部内の液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段20と、吐出部または液状体表面を観測する観測手段100とを備え、観測手段100が吐出部または液状体表面を外部から観測するとともに、液状体移動手段20が吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させて、液滴吐出検査を行うことを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】被処理基材上に液状体を吐出して所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、吐出部内の液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段20と、吐出部または液状体表面を観測する観測手段100とを備え、観測手段100が吐出部または液状体表面を外部から観測するとともに、液状体移動手段20が吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させて、液滴吐出検査を行うことを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータディスプレイや大型テレビジョン等の電子機器の発達に伴い、液晶表示装置、特にカラー液晶表示装置の使用が増加している。この種の液晶表示装置には、通常、表示画像をカラー化するためにカラーフィルターが用いられている。カラーフィルターには、例えばガラス基板に対してR(赤)、G(緑)、B(青)のインクを所定のパターンで吐出させ、このインクを基板上で乾燥させることで着色層を形成するものがある。このような基板に対してインクを吐出する方式としては、例えばインクジェット方式の液滴吐出装置が採用されている。
【0003】
インクジェット方式の液滴吐出装置を採用した場合、インクジェットヘッドからガラス基板に対して所定量のインクを吐出して着弾させる。この場合、例えば直交する2方向(X方向、Y方向)に移動可能、および任意の回転軸を中心として回転可能とされたXYθステージにガラス基板を搭載し、インクジェットヘッドを固定したタイプの装置を用いることができる。このタイプの装置は、XYθステージの駆動によりインクジェットヘッドに対してガラス基板を所定の位置に位置決めした後、ガラス基板をX方向、Y方向に走査しながらインクジェットヘッドからインクを吐出することで、ガラス基板の所定の位置にインクを着弾させる構成となっている。
【0004】
この種の液滴吐出装置を用いたカラーフィルター製造装置の例が、下記の特許文献1に開示されている。この文献に開示されたカラーフィルター製造装置は、ベースと、液滴を吐出するインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)と、インクジェットヘッドとガラス基板とを相対移動可能とする第1の移動手段および第2の移動手段と、インクジェットヘッドに対してキャッピングやワイピングなどのメンテナンスを施すクリーニングユニットと、コントローラなどを有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−248926号公報 (第5頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液滴吐出装置においては、ガラス基板上に液滴を吐出する前に液滴が確実に吐出されるかどうかを確認するために、ガラス基板の製品に利用される以外の領域(上記特許文献1においてはガラス基板を支えるテーブルに設けられた捨て打ちエリア)に、液滴の捨て打ちを行っていた。この捨て打ちに使われる液滴(インク)は、製品に利用されることがなく無駄に捨てられていたという問題があった。
【0007】
さらに、上記のように捨て打ちを行う方法では、液滴が吐出されないという現象が判るのみで、その原因が液滴を吐出するノズルの詰まりによるものなのか、電気系統の不具合によるものなのか区別がつかなかったという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液滴を吐出することなくノズルの詰まりを検出できる液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液滴吐出装置は、被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、前記液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに設けられ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段と、前記吐出部または液状体表面を観測する観測手段と、を備え、前記観測手段が、前記吐出部または液状体表面を外部から観測するとともに、前記液状体移動手段が、前記吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させて、液滴吐出検査を行うことを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明の液滴吐出装置は、吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を移動させ、その時の吐出部または液状体表面を観測手段により観測している。つまり、液状体が液滴吐出方向に移動した時には、液状体が吐出部から飛び出した状態が観測され、上記逆方向に移動した時には、液状体が奥に引き込まれ吐出部自身が観測される。
吐出部が詰まっている時と、詰まっていない時とでは上記液状体の動きが異なるため、吐出部と上記液状体表面との位置関係も変化して吐出部が詰まっているか否かを判断することができる。また、液状体移動手段に不具合が発生したときには、上記液状体は移動しないので吐出部と上記液状体表面との位置関係も変化せず吐出部が詰まっている時と区別することができる。なお、吐出部が液状体の凝固などにより完全に塞がれると、吐出部と上記液状体表面との位置関係が変化せず吐出部詰まりと液状体移動手段の不具合との区別がつかなくなる。しかし、この液滴吐出検査を所定の頻度で行うことで吐出部が完全に塞がれる前に吐出部詰まりを検出することができる。
さらに、上記液状体の移動量は、上記液状体を吐出する時よりも小さいため吐出部から吐出されることがない。そのため、従来の液滴吐出装置のように液状体の無駄を減らすことができると同時に、吐出部の詰まりを検査することができる。
【0011】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッドには、液状体をその内部に蓄えるとともに、吐出部と連通する液溜まり室が設けられ、液溜まり室の容積が前記液状体移動手段により変化可能とされ、制御部が液状体移動手段により液溜まり室の容積を変化させ、吐出部内の液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させることが望ましい。
この構成によれば、液状体移動手段により液溜まり室の容積を広げれば、吐出部内の液状体は液溜まり室内に引き込まれ、上記逆方向に移動し液状体が奥に引き込まれ吐出部が見える状態にすることができる。逆に液溜まり室の容積を小さくすると、液溜まり室内の液状体は吐出部内に流入し、吐出部内の液状体は液滴吐出方向に移動し吐出部から飛び出した状態にすることができる。そのため、吐出部が詰まっているか否かを判断することができるとともに、吐出部が詰まった時と液状体移動手段に不具合が発生した時とを区別することができる。
【0012】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液状体移動手段が通電させる電流または電圧を制御することによりその形状変化を制御できる圧電素子であってもよい。
この構成によれば、液状体移動手段として電圧または電流によりその形状変化を制御できる圧電素子が用いられているため、電流または電圧により吐出部内の液状体の移動量を制御できる。電流または電圧の制御は容易に行うことができるため、容易に吐出部が詰まっているか否かを判断することができるとともに、吐出部が詰まった時と液状体移動手段に不具合が発生した時とを区別することができる。
【0013】
上記の構成を実現するために、より具体的には、制御部が液状体を吐出する時に通電する電流または電圧よりも小さい電流または電圧を圧電素子に通電してもよい。
この構成によれば、圧電素子に通電する電流または電圧が、上記液状体を吐出する時よりも小さい電流または電圧であるので、圧電素子の変形量も上記液状体を吐出する時よりも小さくなる。そのため、上記液溜まり室の容積変化も小さくなり、上記液状体が吐出部から吐出されることがない。つまり、従来の液滴吐出装置のように液状体の無駄を減らすことができると同時に、吐出部の詰まりを検査することができる。
【0014】
上記の構成を実現するために、より具体的には、観測手段が液滴吐出ヘッドと被処理基材との間から吐出部またはその内部の液状体表面を観測可能に配置されていてもよい。
この構成によれば、観測手段と液滴吐出ヘッドとの間に被処理基材が無いため、観測手段は吐出部およびその内部の液状体表面を直接観察することができる。そのため、吐出部と上記液状体表面との位置関係の動きも観察しやすくなり、吐出部の詰まりを検査しやすくなる。
【0015】
上記の構成を実現するために、より具体的には、被処理基材が光透過性を有する材料から形成され、観測手段が被処理基材を介して吐出部またはその内部の液状体表面を観測可能に配置されていてもよい。
この構成によれば、観測手段が液滴吐出ヘッドとの間に光透過性を有する被処理基材を配置した状態で吐出部または液状体表面を観測している。そのため、吐出部内の液状体を移動させているときに、液状体が吐出部から間違って吐出されても観測手段には着弾せず、観測手段に対して液状体を拭き取るなどのメンテナンスを行うことなく、次の吐出検査を行うことができる。
また、観測手段が吐出部または液状体表面を観測する時に、被処理基材を液滴吐出ヘッドの液滴吐出方向から退避させる必要がない。そのため、吐出部詰まりの確認を行う時間を短縮することができる。
【0016】
本発明の液滴吐出装置の制御方法は、被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置の制御方法であって、前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、前記液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに設けられ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段と、前記吐出部またはその内部の液状体表面を観測する観測手段と、を備えた液滴吐出装置を用い、前記観測手段により前記吐出部内の液状体表面形状を液滴吐出方向から観測しながら、前記液状体移動手段により前記吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で、液状体が液滴吐出方向またはその逆方向に移動させ、液滴吐出検査を行うように制御することを特徴とする。
この構成によれば、観測手段により吐出部内の液状体表面形状を液滴吐出方向から観測しながら、液状体移動手段により吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で、液状体が液滴吐出方向またはその逆方向に移動させるように制御して液滴吐出検査を行うことができる。
【0017】
本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するカラーフィルター製造装置であって、上記本発明の液滴吐出装置が複数備えられ、各液滴吐出装置で用いる前記液状体がそれぞれ異なる色の色素を含み、各液滴吐出装置が異なる色の着色層をそれぞれ形成することを特徴とする。
すなわち、本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層、例えばR、G、Bの着色層をそれぞれ形成する複数の液滴吐出装置を備え、この液滴吐出装置が上記本発明の液滴吐出装置で構成されたものである。この構成によれば、カラーフィルターの品質を向上させることができるとともに、製造コスト低減を図ることができるカラーフィルター製造装置を実現することができる。
【0018】
本発明のカラーフィルターの製造方法は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターの製造方法であって、上記本発明のカラーフィルター製造装置を用いて前記着色層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、カラーフィルターの品質を向上させることができるとともに、製造コスト低減を図ることができる。
【0019】
本発明のカラーフィルターは、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターであって、上記本発明のカラーフィルターの製造方法により製造されたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラーフィルターを提供することができる。
【0020】
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶が挟持された液晶装置であって、上記本発明のカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態について図1から図12を参照して説明する。
図1は本実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図であり、R、G、Bの3色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するための装置である。
本実施形態のカラーフィルター製造装置1は、図1に示すように、上流側からインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5、本焼成装置6が配置され、これらの装置が任意の搬送装置(図示略)を介して連結されたものである。このカラーフィルター製造装置1には、R、G、Bの各着色層のパターンを区画する隔壁(バンクとも言う)が形成されたガラス、プラスチック等からなる透明基板(被処理基材)が供給される。インク受容層形成装置2は、隔壁で区画された領域内に樹脂組成物からなるインク受容層を下地層として形成するための装置である。R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5は、それぞれ後で着色層となるR、G、Bのインクからなる液状体を塗布するための装置である。本焼成装置6は、塗布後のR、G、Bのインクからなる液状体を一括して加熱、焼成するための装置である。これらの装置のうち、インク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の4台には、本発明の液滴吐出装置(インクジェット装置)が用いられている。
【0022】
図2は、本実施形態のカラーフィルター製造装置1の要部である液滴吐出装置の部分のみを示す概略構成斜視図である。液滴吐出装置が用いられるインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の基本構成は全て同様であるため、ここではR着色層形成装置3を一例として説明する。
R着色層形成装置3は、図2に示すように、上流側から下流側(図2における右側から左側)に向けて給材部61、表面改質部62、描画部63、検査部64、仮焼成部65、除材部66が備えられている。大まかな処理の流れとしては、給材部61から供給された描画前の基板に対し、表面改質部62において親液処理、撥液処理が施され、描画部63において隔壁で区画された所定の領域にRのインクが吐出、描画される。次いで、検査部64において描画状態が検査され、仮焼成部65でインクの仮焼成が施された後、描画後の基板が除材部66により排出される。本装置において、これら各部は基板の流れ方向に沿って直線状に配置されている。なお、本装置は大型の基板を処理可能な大規模な装置であるため、作業者が後述するヘッドユニットのメンテナンスを行うための通路67が設けられている。給材部61および除材部66は任意の基板搬送手段で構成することができ、例えばローラコンベア、ベルトコンベア等が用いられる。表面改質部62は、プラズマ処理室を備えており、親液処理としては大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)が行われ、基板の表面及び隔壁の側面が親液化される。撥液処理としては大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)が行われ、隔壁の上面が撥液化される。
【0023】
図3は、描画部63の近傍のみを示す概略構成斜視図である。描画部63は、図3に示すように、一方向に移動可能なステージ70上に基板Sを吸着保持し、その状態で基板Sを一方向(図3における右側から左側)に搬送する構成となっており、基板Sの搬送方向と直交して延びるヘッドユニット71が装置本体に架設されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置72は、液滴吐出ヘッド側が移動せず、基板側のみが移動する構成である。ヘッドユニット71は、基板Sの搬送方向と直交する方向に配列された複数個の液滴吐出ヘッド34が固定された大型基準プレート74を備えている。図4(a)は、大型基準プレート74を液滴吐出ヘッド34のノズル側から見た斜視図、図4(b)は1個の液滴吐出ヘッド34の拡大図(図4(a)の符号Hの円内の拡大図)である。これらの図に示すように、1枚の小型基準プレート73に対して1個の液滴吐出ヘッド34が固定され、1枚の大型基準プレート74に対してヘッドの個数分の小型基準プレート73が固定されている。本実施形態の場合、複数個の液滴吐出ヘッド34は複数個ずつ3列に配列されており、各列間で大型基準プレート74の長手方向にずれた位置に配置されている。また、各液滴吐出ヘッド34は、複数のノズル(液滴吐出部、図4では図示せず)18を有している。この構成により、このヘッドユニット71は、大型基準プレート74の長手方向、すなわち基板Sの搬送方向と直交する方向で例えば数mという長い寸法にわたって所定のピッチでインク滴を吐出可能となっている。そして、液滴吐出ヘッド34の配列方向と直交する方向に基板Sを搬送しつつインク滴を吐出することで、基板Sの全面にわたって所望のパターン形状でRのインクを描画することができる。また、図3における符号76はインクタンクである。インクタンク76はインクを貯留するものであり、配管(図示せず)を介してインクを液滴吐出ヘッド34に供給するものとなっている。
【0024】
液滴吐出ヘッド34は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、上述したように、一列または複数列に配列された複数のノズルを有している。この液滴吐出ヘッド34の構造の一例を説明すると、液滴吐出ヘッド34は、図5(a)に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間(液溜まり室)15と液溜まり(液溜まり室)16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル18が形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
【0025】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図5(b)に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)(液状体移動手段)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けてインクの液滴Lが吐出される。
【0026】
図3に示すように、ヘッドユニット71の長手方向の側方には、吸引・クリーニング部80が設けられている。吸引・クリーニング部80は、各液滴吐出ヘッド34の詰まり等による吐出不良を防止すべく所定の頻度で各液滴吐出ヘッド34の吸引・クリーニング作業を行うためのものである。具体的な構成としては、吸引・クリーニング部80には、吸引時に各液滴吐出ヘッド34のノズルを塞ぐキャッピングユニット81や、ノズルを拭うためのワイパー82が備えられている。また、ヘッドユニット71の下流側には、描画後の基板Sの描画状態、すなわち所定の位置にインク滴が確実に吐出されているか否かを検査する検査部85が設けられている。検査部85は、例えばCCD等を用いたラインセンサにより構成されている。さらに本実施形態の場合、検査部85により所定の位置にインクが吐出されていない不良箇所が発見された時にその箇所にのみ再度インクを吐出して不良箇所を補修するための補修用ヘッド86がヘッドユニット71の上流側に設置されている。補修用ヘッド86がヘッドユニット71の上流側に位置しているため、補修時のみはステージ70が逆方向(図3における左側から右側)に移動するようになっている。補修用ヘッド86は1個の液滴吐出ヘッド34のみを有しており、基板Sの搬送方向と直交する方向に移動可能となっている。もしくは、補修用ヘッド86はヘッドユニット71の下流側に位置していてもよく、その場合にはステージ70が逆方向に移動する必要はない。また、検査部85の下流側には、例えばレーザー乾燥方式による仮焼成部88が設けられている。仮焼成部の焼成条件は、R、G、Bの各色によってそれぞれ最適化される。
【0027】
図3に示すように、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側には、ノズル観測ユニット(観測手段)100が、基材搬送方向およびその直交方向に移動可能に設けられている。なお、ノズル観測ユニット100は、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側に設ける代わりに下流側に設けることもできる。
ノズル観測ユニット100は、図6に示すように、液滴吐出検査を行う時に、液滴吐出方向からノズル18およびインク表面を観測するものである。ノズル観測ユニット100は、液滴吐出方向から液滴吐出ヘッド34を観測するCCDカメラ101を備えている。
【0028】
R着色層形成装置3には、図7に示すように、基板Sを搬送するステージ70と、液滴を吐出する圧電素子20と、ノズル18を観測するノズル観測ユニット100とを制御する制御部110が備えられている。制御部110は、ステージを駆動制御することにより基板Sの移動を制御し、圧電素子20への通電を制御することでノズル18内のインクの移動を制御し、ノズル観測ユニット100を駆動制御することにより観測されるノズル18を選択している。
【0029】
以上、液滴吐出装置の構成をR着色層形成装置3の例を挙げて説明したが、カラーフィルター製造装置1の初段にあるインク受容層形成装置2のみは表面改質部62の上流側に洗浄部90を備えている。インク受容層形成装置2には隔壁が形成された基板Sが供給されるが、基板Sの表面改質を行う前にウェット洗浄、オゾン洗浄等の方法により基板Sを洗浄し、清浄になった基板Sを表面改質部62に供給する構成となっている。この構成により、基板Sに付着した異物等に起因する描画不良の発生が抑えられ、歩留りを向上することができる。
【0030】
次に、本実施形態のカラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法の一例を説明する。
上記カラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法は、図7に示すように、生産性を高める観点から長方形状の基板S上に、複数個のカラーフィルター領域51をマトリクス状に形成する際に適用することができる。これらのカラーフィルター領域51は、後で基板Sを切断することにより、液晶表示装置に適合する個々のカラーフィルターとして用いることができる。なお、各カラーフィルター領域51においては、図8に示したように、Rのインク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成して配置する。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウェアー型等としてもよい。
【0031】
このようなカラーフィルター領域51を形成するには、まず、図9(a)に示すように、透明の基板Sの一方の面に対し、ブラックマトリクス52を形成する。このブラックマトリクス52を形成する際には、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色樹脂)を、スピンコート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングする。このブラックマトリクス52の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルターエレメント53については、例えばX軸方向の幅を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。このブラックマトリクスは充分な高さを有しており、インク吐出時の隔壁として機能する。
次に、図9(b)に示すように、本実施形態のカラーフィルター製造装置1におけるインク受容層形成装置2の液滴吐出ヘッド34からインク受容層となる樹脂組成物を含有するインク滴54(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、インク受容層形成装置2の焼成部においてインク滴の焼成を行い、図9(c)に示すようなインク受容層60とする。
【0032】
次に、図9(d)に示すように、R着色層形成装置3の液滴吐出ヘッド34からRのインク滴54R(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、R着色層形成装置3の仮焼成部65においてインクの仮焼成を行い、図9(e)に示すようなR着色層34Rとする。以上の工程を、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5においても繰り返し、図9(f)に示すように、G着色層34G、B着色層34Bを順次形成する。R着色層34R、G着色層34G、B着色層34Bを全て形成した後、本焼成装置6においてこれら着色層34R,34G,34Bを一括して焼成する。
次いで、基板Sを平坦化し、かつ着色層34R,34G,34Bを保護するため、図9(g)に示すように各着色層34R,34G,34Bやブラックマトリクス52を覆うオーバーコート膜(保護膜)56を形成する。このオーバーコート膜59の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法等の方法を採用することもできるが、着色層34R,34G,34Bの場合と同様に液滴吐出装置を用いることもできる。
【0033】
次に本発明の特徴部である液滴の吐出検査方法の一例について説明する。
最初にカラーフィルター領域51のフィルターエレメント53に液滴を吐出させる時には、液滴が正常に吐出されるか検査を行う。制御部110は、ステージ70を駆動して基板Sを液滴吐出ヘッド34の下方から退避させ、ノズル観測ユニット100を駆動して液滴吐出検査を行うノズル18の下方に移動させる。
【0034】
ノズル観測ユニット100がノズル18の下方に移動されると、制御部100は、そのノズル18に対応する圧電素子20に図10に示すパターンの電流を供給する。
このとき圧電素子20に供給される電圧は、図10に示すように、通常インク滴を吐出する時に供給される電圧V1よりも低い電圧V2である。この電圧V2は、インク滴を吐出しない程度の電圧に設定されている。また、供給時間も、通常インク滴を吐出する時の供給時間t1よりも短い時間t2に設定されている。なお、この供給時間t2はt1と同等の時間であってもよいし、t1より長い時間であってもかまわない。また、圧電素子20に供給する電圧のパターンは、図10に示すパターンに限られることなく、ランプ状に電圧をかけるパターンなど、その他さまざまなパターンでもよい。
圧電素子20に電圧V2が供給されると、図5(b)に示すように、圧電素子20は電圧に応じて外側に撓曲し空間15の容積が広がる。すると、インクが液溜まり16から供給口17を介して流入するとともに、ノズル18内のインクも空間15に流入する。
【0035】
ノズル18内のインクの表面形状は、通常インクを吐出する時には、図11のAに示すように、ノズル18の液滴吐出方向端部からわずかに凹んだ形状(以後、メニスカスと表記する)をしている。それが上述したように、ノズル18内のインクが空間15に流入すると、図11のBに示すように、さらに凹んだメニスカス形状となる。すると、ノズル18内のインクはCCDカメラ101から観測されにくくなるとともに、ノズル18の液滴吐出方向端部の形状は、ノズル18内のインクとノズル18の液滴吐出方向端部との区別がしやすくなるためCCDカメラ101により観測される。
【0036】
時間t2だけ電圧V2の電流が供給された後、電圧の供給が解除されると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻り、空間15の容積も元に戻る。すると、空間15内のインクはノズル18に流入し、図11のCに示すように、ノズル18内のインクはノズル18の液滴吐出方向端部から突出した形状となる。この状態においては、ノズル18内のインクはCCDカメラ101から観測されやすくなるとともに、ノズル18の液滴吐出方向端部の形状は、上記突出したインクによりCCDカメラ101により観測されなくなる。
【0037】
次に、ノズル18にインクの凝固物などの異物が詰まり、液滴が吐出されないノズル18の液滴吐出検査について説明する。
ノズル18にインクの凝固物などの異物が詰まると、ノズル18内でのインクの流れ方が、ノズル18が詰まっていない時の流れ方から変化する。ノズル18内に詰まった異物は、インクが流れるのに抵抗となるため、インクがノズル18内を移動する移動量が減少する。インクの移動量が減少すると、その表面の凹み量や、突出する量が減少し、ノズル18内に異物が詰まっていない時との区別がつく。
【0038】
上記の構成によれば、ノズル18内のインクを吐出させる時より小さい移動量で液状体を移動させ、その時のノズル18またはインク表面をCCDカメラ101により観測している。つまり、インクが液滴吐出方向に移動した時には、インクがノズル18から突出した状態が観測され、上記逆方向に移動した時には、インクがノズル18内に引き込まれノズル18が観測される。ノズル18が詰まっている時と、詰まっていない時とではノズル18内のインク表面の動きが異なるため、ノズル18とインク表面との位置関係も変化してノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0039】
また、圧電素子20自身または圧電素子20に通電する電気系統に不具合が発生したときには、ノズル18内のインクは移動しないのでノズル18とインク表面との位置関係も変化せずノズル18が詰まっている時と区別することができる。
さらに、ノズル18内のインクの移動量は、インクを吐出する時よりも小さいためノズル18から吐出されることがない。そのため、従来の液滴吐出装置のように試し打ちによるインクの無駄を減らすことができると同時に、ノズル18の詰まりを検査することができる。
【0040】
圧電素子20により空間15の容積を広げれば、ノズル18内のインクは空間15内に引き込まれ、上記逆方向に移動しインクが奥に引き込まれノズル18が見える状態にすることができる。逆に空間15の容積を小さくすると、空間15内のインクはノズル18内に流入し、ノズル18内のインクは液滴吐出方向に移動しノズル18から突出した状態にすることができる。そのため、ノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0041】
電圧によりその形状変化を制御できる圧電素子20を用いているため、電圧によりノズル18内のインクの移動量を制御することができる。電圧の制御は容易に行うことができるため、容易にノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0042】
圧電素子20に通電する電圧が、インクを吐出する時よりも小さい電圧であるので、圧電素子20の変形量もインクを吐出する時よりも小さくなる。そのため、空間15の容積変化も小さくなり、インクがノズル18から吐出されることがない。つまり、従来の液滴吐出装置のように試し打ちによるインクの無駄を減らすことができると同時に、ノズル18の詰まりを検査することができる。
【0043】
CCDカメラ101と液滴吐出ヘッド34との間に基板Sが無いため、CCDカメラ101はノズル18およびインク表面を直接観察することができる。そのため、ノズル18とインク表面との位置関係が観察しやすくなり、ノズル18の詰まりを検査しやすくなる。
【0044】
CCDカメラ101を用いてノズル18またはインク表面を観測しているため、ノズル18またはインク表面をデジタル画像として取り込み、画像解析を行うことができる。画像解析を行うことにより、ノズル18とインク表面との位置関係をより確実に観測することができる。つまり、より確実にノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0045】
なお、上記の実施の形態においては、基板Sを液滴吐出ヘッド34の下方から退避させて、その空いた空間にノズル観測ユニット100を移動させる構成で説明したが、基板Sが透明なガラス基板などの場合、ノズル観測ユニット100を、図12に示すように、基板Sの下方に配置することもできる。
この構成によれば、ノズル観測ユニット100が液滴吐出ヘッド34との間に透明な基板Sを配置した状態でノズル18またはインク表面を観測している。そのため、ノズル18内のインクを移動させているときに、インクがノズル18から間違って吐出されてもノズル観測ユニット100には着弾せず、ノズル観測ユニット100に対してインクを拭き取るなどのメンテナンスを行うことなく、次の液滴吐出検査を行うことができる。
また、ノズル観測ユニット100がノズル18またはインク表面を観測する時に、基板Sを液滴吐出ヘッド34の液滴吐出方向から退避させる必要がない。そのため、ノズル18詰まりの確認を行う時間を短縮することができる。
【0046】
次に、上記カラーフィルターを備えた液晶装置(電気光学装置)の一実施形態を示す。図13はパッシブマトリクス型の液晶装置を示す図であり、図13中の符号30は液晶装置である。この液晶装置30は透過型のもので、一対のガラス基板31、32の間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶層33が挟持されてなるものである。
一方のガラス基板31には、その内面に上記カラーフィルター55が形成されている。カラーフィルター55は、R、G、Bの各色からなる着色層34R、34G、34Bが規則的に配列されて構成されたものである。なお、これらの色素層34R(34G、34B)間には、ブラックマトリクス52が形成されている。そして、これらカラーフィルター55およびブラックマトリクス52の上には、カラーフィルター55やブラックマトリクス52によって形成される段差をなくしてこれを平坦化するため、オーバーコート膜(保護膜)56が形成されている。オーバーコート膜56の上には複数の電極37がストライプ状に形成され、さらにその上には配向膜38が形成されている。
【0047】
他方のガラス基板32には、その内面に、カラーフィルター55側の電極と直交するようにして、複数の電極39がストライプ状に形成されており、これら電極39上には、配向膜40が形成されている。なお、前記カラーフィルター55の各着色層34R、34G、34Bは、それぞれ各ガラス基板32上の電極39、37の交差する位置に配置されている。また、電極37、39は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成されている。さらに、ガラス基板32とカラーフィルター55の外面側にはそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられ、ガラス基板31、32間にはこれら基板31、32間の間隔(セルギャップ)を一定に保持するためスペーサ41が設けられている。さらに、これらガラス基板31、32間には液晶33を封入するためのシール材42が設けられている。
【0048】
本実施形態の液晶装置30では、上記カラーフィルター製造装置1を用いて製造されるカラーフィルター55を適用しているため、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を実現することができる。
【0049】
次に、上記液晶装置からなる表示手段を備えた電子機器の具体例について説明する。
図14は、液晶テレビジョンの一例を示した斜視図である。図14において、符号500は液晶テレビジョン本体を示し、符号501は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。このように、図14に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるから、安価で表示品位に優れたカラー液晶表示を有する電子機器を実現することができる。
【0050】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置をカラーフィルターの製造に応用する例を挙げたが、カラーフィルターのみならず、有機EL素子等のデバイス形成技術、あるいは各種配線形成技術に適用することも可能である。
また、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置を基板が一方向に流れる構成に適応して説明したが、基板が一方向に流れる構成に限られることなく、基板が液滴吐出装置を双方向に移動するものなど、各種の構成に適応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図である。
【図2】同、カラーフィルター製造装置の液滴吐出装置を示す斜視図である。
【図3】同、液滴吐出装置の描画部を示す斜視図である。
【図4】液滴吐出ヘッドの配置を示す斜視図である。
【図5】液滴吐出ヘッドの内部構成を示す斜視図である。
【図6】ヘッドユニットの周辺の構成を示す概略構成図である。
【図7】液滴吐出装置の吐出検査回路の構成を示すブロック図である。
【図8】カラーフィルター形成用基板を示す斜視図である。
【図9】カラーフィルターの製造方法を順を追って示す工程断面図である。
【図10】圧電素子に通電する電圧のパターンを示す図である。
【図11】ノズル端部のインク表面形状を示す図である。
【図12】液滴吐出装置の吐出検査回路の別の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態の液晶装置の断面図である。
【図14】本発明の電子機器の一実施形態の液晶テレビジョンの斜視図である。
【符号の説明】
1・・・カラーフィルター製造装置、 15・・・空間(液溜まり室)、 16・・・液溜まり(液溜まり室)、 18・・・ノズル(液滴吐出部)、 20・・・圧電素子(液状体移動手段)、 34・・・液滴吐出ヘッド、100・・・ノズル観測ユニット(観測手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータディスプレイや大型テレビジョン等の電子機器の発達に伴い、液晶表示装置、特にカラー液晶表示装置の使用が増加している。この種の液晶表示装置には、通常、表示画像をカラー化するためにカラーフィルターが用いられている。カラーフィルターには、例えばガラス基板に対してR(赤)、G(緑)、B(青)のインクを所定のパターンで吐出させ、このインクを基板上で乾燥させることで着色層を形成するものがある。このような基板に対してインクを吐出する方式としては、例えばインクジェット方式の液滴吐出装置が採用されている。
【0003】
インクジェット方式の液滴吐出装置を採用した場合、インクジェットヘッドからガラス基板に対して所定量のインクを吐出して着弾させる。この場合、例えば直交する2方向(X方向、Y方向)に移動可能、および任意の回転軸を中心として回転可能とされたXYθステージにガラス基板を搭載し、インクジェットヘッドを固定したタイプの装置を用いることができる。このタイプの装置は、XYθステージの駆動によりインクジェットヘッドに対してガラス基板を所定の位置に位置決めした後、ガラス基板をX方向、Y方向に走査しながらインクジェットヘッドからインクを吐出することで、ガラス基板の所定の位置にインクを着弾させる構成となっている。
【0004】
この種の液滴吐出装置を用いたカラーフィルター製造装置の例が、下記の特許文献1に開示されている。この文献に開示されたカラーフィルター製造装置は、ベースと、液滴を吐出するインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)と、インクジェットヘッドとガラス基板とを相対移動可能とする第1の移動手段および第2の移動手段と、インクジェットヘッドに対してキャッピングやワイピングなどのメンテナンスを施すクリーニングユニットと、コントローラなどを有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−248926号公報 (第5頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液滴吐出装置においては、ガラス基板上に液滴を吐出する前に液滴が確実に吐出されるかどうかを確認するために、ガラス基板の製品に利用される以外の領域(上記特許文献1においてはガラス基板を支えるテーブルに設けられた捨て打ちエリア)に、液滴の捨て打ちを行っていた。この捨て打ちに使われる液滴(インク)は、製品に利用されることがなく無駄に捨てられていたという問題があった。
【0007】
さらに、上記のように捨て打ちを行う方法では、液滴が吐出されないという現象が判るのみで、その原因が液滴を吐出するノズルの詰まりによるものなのか、電気系統の不具合によるものなのか区別がつかなかったという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液滴を吐出することなくノズルの詰まりを検出できる液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液滴吐出装置は、被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、前記液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに設けられ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段と、前記吐出部または液状体表面を観測する観測手段と、を備え、前記観測手段が、前記吐出部または液状体表面を外部から観測するとともに、前記液状体移動手段が、前記吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させて、液滴吐出検査を行うことを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明の液滴吐出装置は、吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を移動させ、その時の吐出部または液状体表面を観測手段により観測している。つまり、液状体が液滴吐出方向に移動した時には、液状体が吐出部から飛び出した状態が観測され、上記逆方向に移動した時には、液状体が奥に引き込まれ吐出部自身が観測される。
吐出部が詰まっている時と、詰まっていない時とでは上記液状体の動きが異なるため、吐出部と上記液状体表面との位置関係も変化して吐出部が詰まっているか否かを判断することができる。また、液状体移動手段に不具合が発生したときには、上記液状体は移動しないので吐出部と上記液状体表面との位置関係も変化せず吐出部が詰まっている時と区別することができる。なお、吐出部が液状体の凝固などにより完全に塞がれると、吐出部と上記液状体表面との位置関係が変化せず吐出部詰まりと液状体移動手段の不具合との区別がつかなくなる。しかし、この液滴吐出検査を所定の頻度で行うことで吐出部が完全に塞がれる前に吐出部詰まりを検出することができる。
さらに、上記液状体の移動量は、上記液状体を吐出する時よりも小さいため吐出部から吐出されることがない。そのため、従来の液滴吐出装置のように液状体の無駄を減らすことができると同時に、吐出部の詰まりを検査することができる。
【0011】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッドには、液状体をその内部に蓄えるとともに、吐出部と連通する液溜まり室が設けられ、液溜まり室の容積が前記液状体移動手段により変化可能とされ、制御部が液状体移動手段により液溜まり室の容積を変化させ、吐出部内の液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させることが望ましい。
この構成によれば、液状体移動手段により液溜まり室の容積を広げれば、吐出部内の液状体は液溜まり室内に引き込まれ、上記逆方向に移動し液状体が奥に引き込まれ吐出部が見える状態にすることができる。逆に液溜まり室の容積を小さくすると、液溜まり室内の液状体は吐出部内に流入し、吐出部内の液状体は液滴吐出方向に移動し吐出部から飛び出した状態にすることができる。そのため、吐出部が詰まっているか否かを判断することができるとともに、吐出部が詰まった時と液状体移動手段に不具合が発生した時とを区別することができる。
【0012】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液状体移動手段が通電させる電流または電圧を制御することによりその形状変化を制御できる圧電素子であってもよい。
この構成によれば、液状体移動手段として電圧または電流によりその形状変化を制御できる圧電素子が用いられているため、電流または電圧により吐出部内の液状体の移動量を制御できる。電流または電圧の制御は容易に行うことができるため、容易に吐出部が詰まっているか否かを判断することができるとともに、吐出部が詰まった時と液状体移動手段に不具合が発生した時とを区別することができる。
【0013】
上記の構成を実現するために、より具体的には、制御部が液状体を吐出する時に通電する電流または電圧よりも小さい電流または電圧を圧電素子に通電してもよい。
この構成によれば、圧電素子に通電する電流または電圧が、上記液状体を吐出する時よりも小さい電流または電圧であるので、圧電素子の変形量も上記液状体を吐出する時よりも小さくなる。そのため、上記液溜まり室の容積変化も小さくなり、上記液状体が吐出部から吐出されることがない。つまり、従来の液滴吐出装置のように液状体の無駄を減らすことができると同時に、吐出部の詰まりを検査することができる。
【0014】
上記の構成を実現するために、より具体的には、観測手段が液滴吐出ヘッドと被処理基材との間から吐出部またはその内部の液状体表面を観測可能に配置されていてもよい。
この構成によれば、観測手段と液滴吐出ヘッドとの間に被処理基材が無いため、観測手段は吐出部およびその内部の液状体表面を直接観察することができる。そのため、吐出部と上記液状体表面との位置関係の動きも観察しやすくなり、吐出部の詰まりを検査しやすくなる。
【0015】
上記の構成を実現するために、より具体的には、被処理基材が光透過性を有する材料から形成され、観測手段が被処理基材を介して吐出部またはその内部の液状体表面を観測可能に配置されていてもよい。
この構成によれば、観測手段が液滴吐出ヘッドとの間に光透過性を有する被処理基材を配置した状態で吐出部または液状体表面を観測している。そのため、吐出部内の液状体を移動させているときに、液状体が吐出部から間違って吐出されても観測手段には着弾せず、観測手段に対して液状体を拭き取るなどのメンテナンスを行うことなく、次の吐出検査を行うことができる。
また、観測手段が吐出部または液状体表面を観測する時に、被処理基材を液滴吐出ヘッドの液滴吐出方向から退避させる必要がない。そのため、吐出部詰まりの確認を行う時間を短縮することができる。
【0016】
本発明の液滴吐出装置の制御方法は、被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置の制御方法であって、前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、前記液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに設けられ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段と、前記吐出部またはその内部の液状体表面を観測する観測手段と、を備えた液滴吐出装置を用い、前記観測手段により前記吐出部内の液状体表面形状を液滴吐出方向から観測しながら、前記液状体移動手段により前記吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で、液状体が液滴吐出方向またはその逆方向に移動させ、液滴吐出検査を行うように制御することを特徴とする。
この構成によれば、観測手段により吐出部内の液状体表面形状を液滴吐出方向から観測しながら、液状体移動手段により吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で、液状体が液滴吐出方向またはその逆方向に移動させるように制御して液滴吐出検査を行うことができる。
【0017】
本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するカラーフィルター製造装置であって、上記本発明の液滴吐出装置が複数備えられ、各液滴吐出装置で用いる前記液状体がそれぞれ異なる色の色素を含み、各液滴吐出装置が異なる色の着色層をそれぞれ形成することを特徴とする。
すなわち、本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層、例えばR、G、Bの着色層をそれぞれ形成する複数の液滴吐出装置を備え、この液滴吐出装置が上記本発明の液滴吐出装置で構成されたものである。この構成によれば、カラーフィルターの品質を向上させることができるとともに、製造コスト低減を図ることができるカラーフィルター製造装置を実現することができる。
【0018】
本発明のカラーフィルターの製造方法は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターの製造方法であって、上記本発明のカラーフィルター製造装置を用いて前記着色層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、カラーフィルターの品質を向上させることができるとともに、製造コスト低減を図ることができる。
【0019】
本発明のカラーフィルターは、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターであって、上記本発明のカラーフィルターの製造方法により製造されたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラーフィルターを提供することができる。
【0020】
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶が挟持された液晶装置であって、上記本発明のカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態について図1から図12を参照して説明する。
図1は本実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図であり、R、G、Bの3色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するための装置である。
本実施形態のカラーフィルター製造装置1は、図1に示すように、上流側からインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5、本焼成装置6が配置され、これらの装置が任意の搬送装置(図示略)を介して連結されたものである。このカラーフィルター製造装置1には、R、G、Bの各着色層のパターンを区画する隔壁(バンクとも言う)が形成されたガラス、プラスチック等からなる透明基板(被処理基材)が供給される。インク受容層形成装置2は、隔壁で区画された領域内に樹脂組成物からなるインク受容層を下地層として形成するための装置である。R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5は、それぞれ後で着色層となるR、G、Bのインクからなる液状体を塗布するための装置である。本焼成装置6は、塗布後のR、G、Bのインクからなる液状体を一括して加熱、焼成するための装置である。これらの装置のうち、インク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の4台には、本発明の液滴吐出装置(インクジェット装置)が用いられている。
【0022】
図2は、本実施形態のカラーフィルター製造装置1の要部である液滴吐出装置の部分のみを示す概略構成斜視図である。液滴吐出装置が用いられるインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の基本構成は全て同様であるため、ここではR着色層形成装置3を一例として説明する。
R着色層形成装置3は、図2に示すように、上流側から下流側(図2における右側から左側)に向けて給材部61、表面改質部62、描画部63、検査部64、仮焼成部65、除材部66が備えられている。大まかな処理の流れとしては、給材部61から供給された描画前の基板に対し、表面改質部62において親液処理、撥液処理が施され、描画部63において隔壁で区画された所定の領域にRのインクが吐出、描画される。次いで、検査部64において描画状態が検査され、仮焼成部65でインクの仮焼成が施された後、描画後の基板が除材部66により排出される。本装置において、これら各部は基板の流れ方向に沿って直線状に配置されている。なお、本装置は大型の基板を処理可能な大規模な装置であるため、作業者が後述するヘッドユニットのメンテナンスを行うための通路67が設けられている。給材部61および除材部66は任意の基板搬送手段で構成することができ、例えばローラコンベア、ベルトコンベア等が用いられる。表面改質部62は、プラズマ処理室を備えており、親液処理としては大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)が行われ、基板の表面及び隔壁の側面が親液化される。撥液処理としては大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)が行われ、隔壁の上面が撥液化される。
【0023】
図3は、描画部63の近傍のみを示す概略構成斜視図である。描画部63は、図3に示すように、一方向に移動可能なステージ70上に基板Sを吸着保持し、その状態で基板Sを一方向(図3における右側から左側)に搬送する構成となっており、基板Sの搬送方向と直交して延びるヘッドユニット71が装置本体に架設されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置72は、液滴吐出ヘッド側が移動せず、基板側のみが移動する構成である。ヘッドユニット71は、基板Sの搬送方向と直交する方向に配列された複数個の液滴吐出ヘッド34が固定された大型基準プレート74を備えている。図4(a)は、大型基準プレート74を液滴吐出ヘッド34のノズル側から見た斜視図、図4(b)は1個の液滴吐出ヘッド34の拡大図(図4(a)の符号Hの円内の拡大図)である。これらの図に示すように、1枚の小型基準プレート73に対して1個の液滴吐出ヘッド34が固定され、1枚の大型基準プレート74に対してヘッドの個数分の小型基準プレート73が固定されている。本実施形態の場合、複数個の液滴吐出ヘッド34は複数個ずつ3列に配列されており、各列間で大型基準プレート74の長手方向にずれた位置に配置されている。また、各液滴吐出ヘッド34は、複数のノズル(液滴吐出部、図4では図示せず)18を有している。この構成により、このヘッドユニット71は、大型基準プレート74の長手方向、すなわち基板Sの搬送方向と直交する方向で例えば数mという長い寸法にわたって所定のピッチでインク滴を吐出可能となっている。そして、液滴吐出ヘッド34の配列方向と直交する方向に基板Sを搬送しつつインク滴を吐出することで、基板Sの全面にわたって所望のパターン形状でRのインクを描画することができる。また、図3における符号76はインクタンクである。インクタンク76はインクを貯留するものであり、配管(図示せず)を介してインクを液滴吐出ヘッド34に供給するものとなっている。
【0024】
液滴吐出ヘッド34は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、上述したように、一列または複数列に配列された複数のノズルを有している。この液滴吐出ヘッド34の構造の一例を説明すると、液滴吐出ヘッド34は、図5(a)に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間(液溜まり室)15と液溜まり(液溜まり室)16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル18が形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
【0025】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図5(b)に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)(液状体移動手段)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けてインクの液滴Lが吐出される。
【0026】
図3に示すように、ヘッドユニット71の長手方向の側方には、吸引・クリーニング部80が設けられている。吸引・クリーニング部80は、各液滴吐出ヘッド34の詰まり等による吐出不良を防止すべく所定の頻度で各液滴吐出ヘッド34の吸引・クリーニング作業を行うためのものである。具体的な構成としては、吸引・クリーニング部80には、吸引時に各液滴吐出ヘッド34のノズルを塞ぐキャッピングユニット81や、ノズルを拭うためのワイパー82が備えられている。また、ヘッドユニット71の下流側には、描画後の基板Sの描画状態、すなわち所定の位置にインク滴が確実に吐出されているか否かを検査する検査部85が設けられている。検査部85は、例えばCCD等を用いたラインセンサにより構成されている。さらに本実施形態の場合、検査部85により所定の位置にインクが吐出されていない不良箇所が発見された時にその箇所にのみ再度インクを吐出して不良箇所を補修するための補修用ヘッド86がヘッドユニット71の上流側に設置されている。補修用ヘッド86がヘッドユニット71の上流側に位置しているため、補修時のみはステージ70が逆方向(図3における左側から右側)に移動するようになっている。補修用ヘッド86は1個の液滴吐出ヘッド34のみを有しており、基板Sの搬送方向と直交する方向に移動可能となっている。もしくは、補修用ヘッド86はヘッドユニット71の下流側に位置していてもよく、その場合にはステージ70が逆方向に移動する必要はない。また、検査部85の下流側には、例えばレーザー乾燥方式による仮焼成部88が設けられている。仮焼成部の焼成条件は、R、G、Bの各色によってそれぞれ最適化される。
【0027】
図3に示すように、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側には、ノズル観測ユニット(観測手段)100が、基材搬送方向およびその直交方向に移動可能に設けられている。なお、ノズル観測ユニット100は、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側に設ける代わりに下流側に設けることもできる。
ノズル観測ユニット100は、図6に示すように、液滴吐出検査を行う時に、液滴吐出方向からノズル18およびインク表面を観測するものである。ノズル観測ユニット100は、液滴吐出方向から液滴吐出ヘッド34を観測するCCDカメラ101を備えている。
【0028】
R着色層形成装置3には、図7に示すように、基板Sを搬送するステージ70と、液滴を吐出する圧電素子20と、ノズル18を観測するノズル観測ユニット100とを制御する制御部110が備えられている。制御部110は、ステージを駆動制御することにより基板Sの移動を制御し、圧電素子20への通電を制御することでノズル18内のインクの移動を制御し、ノズル観測ユニット100を駆動制御することにより観測されるノズル18を選択している。
【0029】
以上、液滴吐出装置の構成をR着色層形成装置3の例を挙げて説明したが、カラーフィルター製造装置1の初段にあるインク受容層形成装置2のみは表面改質部62の上流側に洗浄部90を備えている。インク受容層形成装置2には隔壁が形成された基板Sが供給されるが、基板Sの表面改質を行う前にウェット洗浄、オゾン洗浄等の方法により基板Sを洗浄し、清浄になった基板Sを表面改質部62に供給する構成となっている。この構成により、基板Sに付着した異物等に起因する描画不良の発生が抑えられ、歩留りを向上することができる。
【0030】
次に、本実施形態のカラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法の一例を説明する。
上記カラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法は、図7に示すように、生産性を高める観点から長方形状の基板S上に、複数個のカラーフィルター領域51をマトリクス状に形成する際に適用することができる。これらのカラーフィルター領域51は、後で基板Sを切断することにより、液晶表示装置に適合する個々のカラーフィルターとして用いることができる。なお、各カラーフィルター領域51においては、図8に示したように、Rのインク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成して配置する。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウェアー型等としてもよい。
【0031】
このようなカラーフィルター領域51を形成するには、まず、図9(a)に示すように、透明の基板Sの一方の面に対し、ブラックマトリクス52を形成する。このブラックマトリクス52を形成する際には、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色樹脂)を、スピンコート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングする。このブラックマトリクス52の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルターエレメント53については、例えばX軸方向の幅を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。このブラックマトリクスは充分な高さを有しており、インク吐出時の隔壁として機能する。
次に、図9(b)に示すように、本実施形態のカラーフィルター製造装置1におけるインク受容層形成装置2の液滴吐出ヘッド34からインク受容層となる樹脂組成物を含有するインク滴54(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、インク受容層形成装置2の焼成部においてインク滴の焼成を行い、図9(c)に示すようなインク受容層60とする。
【0032】
次に、図9(d)に示すように、R着色層形成装置3の液滴吐出ヘッド34からRのインク滴54R(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、R着色層形成装置3の仮焼成部65においてインクの仮焼成を行い、図9(e)に示すようなR着色層34Rとする。以上の工程を、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5においても繰り返し、図9(f)に示すように、G着色層34G、B着色層34Bを順次形成する。R着色層34R、G着色層34G、B着色層34Bを全て形成した後、本焼成装置6においてこれら着色層34R,34G,34Bを一括して焼成する。
次いで、基板Sを平坦化し、かつ着色層34R,34G,34Bを保護するため、図9(g)に示すように各着色層34R,34G,34Bやブラックマトリクス52を覆うオーバーコート膜(保護膜)56を形成する。このオーバーコート膜59の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法等の方法を採用することもできるが、着色層34R,34G,34Bの場合と同様に液滴吐出装置を用いることもできる。
【0033】
次に本発明の特徴部である液滴の吐出検査方法の一例について説明する。
最初にカラーフィルター領域51のフィルターエレメント53に液滴を吐出させる時には、液滴が正常に吐出されるか検査を行う。制御部110は、ステージ70を駆動して基板Sを液滴吐出ヘッド34の下方から退避させ、ノズル観測ユニット100を駆動して液滴吐出検査を行うノズル18の下方に移動させる。
【0034】
ノズル観測ユニット100がノズル18の下方に移動されると、制御部100は、そのノズル18に対応する圧電素子20に図10に示すパターンの電流を供給する。
このとき圧電素子20に供給される電圧は、図10に示すように、通常インク滴を吐出する時に供給される電圧V1よりも低い電圧V2である。この電圧V2は、インク滴を吐出しない程度の電圧に設定されている。また、供給時間も、通常インク滴を吐出する時の供給時間t1よりも短い時間t2に設定されている。なお、この供給時間t2はt1と同等の時間であってもよいし、t1より長い時間であってもかまわない。また、圧電素子20に供給する電圧のパターンは、図10に示すパターンに限られることなく、ランプ状に電圧をかけるパターンなど、その他さまざまなパターンでもよい。
圧電素子20に電圧V2が供給されると、図5(b)に示すように、圧電素子20は電圧に応じて外側に撓曲し空間15の容積が広がる。すると、インクが液溜まり16から供給口17を介して流入するとともに、ノズル18内のインクも空間15に流入する。
【0035】
ノズル18内のインクの表面形状は、通常インクを吐出する時には、図11のAに示すように、ノズル18の液滴吐出方向端部からわずかに凹んだ形状(以後、メニスカスと表記する)をしている。それが上述したように、ノズル18内のインクが空間15に流入すると、図11のBに示すように、さらに凹んだメニスカス形状となる。すると、ノズル18内のインクはCCDカメラ101から観測されにくくなるとともに、ノズル18の液滴吐出方向端部の形状は、ノズル18内のインクとノズル18の液滴吐出方向端部との区別がしやすくなるためCCDカメラ101により観測される。
【0036】
時間t2だけ電圧V2の電流が供給された後、電圧の供給が解除されると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻り、空間15の容積も元に戻る。すると、空間15内のインクはノズル18に流入し、図11のCに示すように、ノズル18内のインクはノズル18の液滴吐出方向端部から突出した形状となる。この状態においては、ノズル18内のインクはCCDカメラ101から観測されやすくなるとともに、ノズル18の液滴吐出方向端部の形状は、上記突出したインクによりCCDカメラ101により観測されなくなる。
【0037】
次に、ノズル18にインクの凝固物などの異物が詰まり、液滴が吐出されないノズル18の液滴吐出検査について説明する。
ノズル18にインクの凝固物などの異物が詰まると、ノズル18内でのインクの流れ方が、ノズル18が詰まっていない時の流れ方から変化する。ノズル18内に詰まった異物は、インクが流れるのに抵抗となるため、インクがノズル18内を移動する移動量が減少する。インクの移動量が減少すると、その表面の凹み量や、突出する量が減少し、ノズル18内に異物が詰まっていない時との区別がつく。
【0038】
上記の構成によれば、ノズル18内のインクを吐出させる時より小さい移動量で液状体を移動させ、その時のノズル18またはインク表面をCCDカメラ101により観測している。つまり、インクが液滴吐出方向に移動した時には、インクがノズル18から突出した状態が観測され、上記逆方向に移動した時には、インクがノズル18内に引き込まれノズル18が観測される。ノズル18が詰まっている時と、詰まっていない時とではノズル18内のインク表面の動きが異なるため、ノズル18とインク表面との位置関係も変化してノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0039】
また、圧電素子20自身または圧電素子20に通電する電気系統に不具合が発生したときには、ノズル18内のインクは移動しないのでノズル18とインク表面との位置関係も変化せずノズル18が詰まっている時と区別することができる。
さらに、ノズル18内のインクの移動量は、インクを吐出する時よりも小さいためノズル18から吐出されることがない。そのため、従来の液滴吐出装置のように試し打ちによるインクの無駄を減らすことができると同時に、ノズル18の詰まりを検査することができる。
【0040】
圧電素子20により空間15の容積を広げれば、ノズル18内のインクは空間15内に引き込まれ、上記逆方向に移動しインクが奥に引き込まれノズル18が見える状態にすることができる。逆に空間15の容積を小さくすると、空間15内のインクはノズル18内に流入し、ノズル18内のインクは液滴吐出方向に移動しノズル18から突出した状態にすることができる。そのため、ノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0041】
電圧によりその形状変化を制御できる圧電素子20を用いているため、電圧によりノズル18内のインクの移動量を制御することができる。電圧の制御は容易に行うことができるため、容易にノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0042】
圧電素子20に通電する電圧が、インクを吐出する時よりも小さい電圧であるので、圧電素子20の変形量もインクを吐出する時よりも小さくなる。そのため、空間15の容積変化も小さくなり、インクがノズル18から吐出されることがない。つまり、従来の液滴吐出装置のように試し打ちによるインクの無駄を減らすことができると同時に、ノズル18の詰まりを検査することができる。
【0043】
CCDカメラ101と液滴吐出ヘッド34との間に基板Sが無いため、CCDカメラ101はノズル18およびインク表面を直接観察することができる。そのため、ノズル18とインク表面との位置関係が観察しやすくなり、ノズル18の詰まりを検査しやすくなる。
【0044】
CCDカメラ101を用いてノズル18またはインク表面を観測しているため、ノズル18またはインク表面をデジタル画像として取り込み、画像解析を行うことができる。画像解析を行うことにより、ノズル18とインク表面との位置関係をより確実に観測することができる。つまり、より確実にノズル18が詰まっているか否かを判断することができる。
【0045】
なお、上記の実施の形態においては、基板Sを液滴吐出ヘッド34の下方から退避させて、その空いた空間にノズル観測ユニット100を移動させる構成で説明したが、基板Sが透明なガラス基板などの場合、ノズル観測ユニット100を、図12に示すように、基板Sの下方に配置することもできる。
この構成によれば、ノズル観測ユニット100が液滴吐出ヘッド34との間に透明な基板Sを配置した状態でノズル18またはインク表面を観測している。そのため、ノズル18内のインクを移動させているときに、インクがノズル18から間違って吐出されてもノズル観測ユニット100には着弾せず、ノズル観測ユニット100に対してインクを拭き取るなどのメンテナンスを行うことなく、次の液滴吐出検査を行うことができる。
また、ノズル観測ユニット100がノズル18またはインク表面を観測する時に、基板Sを液滴吐出ヘッド34の液滴吐出方向から退避させる必要がない。そのため、ノズル18詰まりの確認を行う時間を短縮することができる。
【0046】
次に、上記カラーフィルターを備えた液晶装置(電気光学装置)の一実施形態を示す。図13はパッシブマトリクス型の液晶装置を示す図であり、図13中の符号30は液晶装置である。この液晶装置30は透過型のもので、一対のガラス基板31、32の間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶層33が挟持されてなるものである。
一方のガラス基板31には、その内面に上記カラーフィルター55が形成されている。カラーフィルター55は、R、G、Bの各色からなる着色層34R、34G、34Bが規則的に配列されて構成されたものである。なお、これらの色素層34R(34G、34B)間には、ブラックマトリクス52が形成されている。そして、これらカラーフィルター55およびブラックマトリクス52の上には、カラーフィルター55やブラックマトリクス52によって形成される段差をなくしてこれを平坦化するため、オーバーコート膜(保護膜)56が形成されている。オーバーコート膜56の上には複数の電極37がストライプ状に形成され、さらにその上には配向膜38が形成されている。
【0047】
他方のガラス基板32には、その内面に、カラーフィルター55側の電極と直交するようにして、複数の電極39がストライプ状に形成されており、これら電極39上には、配向膜40が形成されている。なお、前記カラーフィルター55の各着色層34R、34G、34Bは、それぞれ各ガラス基板32上の電極39、37の交差する位置に配置されている。また、電極37、39は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成されている。さらに、ガラス基板32とカラーフィルター55の外面側にはそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられ、ガラス基板31、32間にはこれら基板31、32間の間隔(セルギャップ)を一定に保持するためスペーサ41が設けられている。さらに、これらガラス基板31、32間には液晶33を封入するためのシール材42が設けられている。
【0048】
本実施形態の液晶装置30では、上記カラーフィルター製造装置1を用いて製造されるカラーフィルター55を適用しているため、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を実現することができる。
【0049】
次に、上記液晶装置からなる表示手段を備えた電子機器の具体例について説明する。
図14は、液晶テレビジョンの一例を示した斜視図である。図14において、符号500は液晶テレビジョン本体を示し、符号501は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。このように、図14に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるから、安価で表示品位に優れたカラー液晶表示を有する電子機器を実現することができる。
【0050】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置をカラーフィルターの製造に応用する例を挙げたが、カラーフィルターのみならず、有機EL素子等のデバイス形成技術、あるいは各種配線形成技術に適用することも可能である。
また、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置を基板が一方向に流れる構成に適応して説明したが、基板が一方向に流れる構成に限られることなく、基板が液滴吐出装置を双方向に移動するものなど、各種の構成に適応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図である。
【図2】同、カラーフィルター製造装置の液滴吐出装置を示す斜視図である。
【図3】同、液滴吐出装置の描画部を示す斜視図である。
【図4】液滴吐出ヘッドの配置を示す斜視図である。
【図5】液滴吐出ヘッドの内部構成を示す斜視図である。
【図6】ヘッドユニットの周辺の構成を示す概略構成図である。
【図7】液滴吐出装置の吐出検査回路の構成を示すブロック図である。
【図8】カラーフィルター形成用基板を示す斜視図である。
【図9】カラーフィルターの製造方法を順を追って示す工程断面図である。
【図10】圧電素子に通電する電圧のパターンを示す図である。
【図11】ノズル端部のインク表面形状を示す図である。
【図12】液滴吐出装置の吐出検査回路の別の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態の液晶装置の断面図である。
【図14】本発明の電子機器の一実施形態の液晶テレビジョンの斜視図である。
【符号の説明】
1・・・カラーフィルター製造装置、 15・・・空間(液溜まり室)、 16・・・液溜まり(液溜まり室)、 18・・・ノズル(液滴吐出部)、 20・・・圧電素子(液状体移動手段)、 34・・・液滴吐出ヘッド、100・・・ノズル観測ユニット(観測手段)
Claims (12)
- 被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、
前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、前記液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、
該液滴吐出ヘッドに設けられ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段と、
前記吐出部または液状体表面を観測する観測手段と、を備え、
前記観測手段が、前記吐出部または液状体表面を外部から観測するとともに、
前記液状体移動手段が、前記吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させて、液滴吐出検査を行うことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出ヘッドには、前記液状体をその内部に蓄えるとともに、前記吐出部と連通する液溜まり室が設けられ、
前記液溜まり室の容積が前記液状体移動手段により変化可能とされ、
前記制御部が、前記液状体移動手段により前記液溜まり室の容積を変化させ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。 - 前記液状体移動手段が、通電させる電流または電圧を制御することによりその形状変化を制御できる圧電素子であることを特徴とする請求項2記載の液滴吐出装置。
- 前記制御部が、前記液状体を吐出する時に通電する電流または電圧よりも小さい電流または電圧を前記圧電素子に通電することを特徴とする請求項3記載の液滴吐出装置。
- 前記観測手段が、前記液滴吐出ヘッドと前記被処理基材との間から前記吐出部またはその内部の前記液状体表面を観測可能に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
- 前記被処理基材が光透過性を有する材料から形成され、
前記観測手段が、前記被処理基材を介して前記吐出部またはその内部の前記液状体表面を観測可能に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液滴吐出装置。 - 被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置の制御方法であって、
前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列され、前記液状体を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッドと、
該液滴吐出ヘッドに設けられ、前記吐出部内の前記液状体を液滴吐出方向またはその逆方向に移動させる液状体移動手段と、
前記吐出部またはその内部の液状体表面を観測する観測手段と、
を備えた液滴吐出装置を用い、
前記観測手段により前記吐出部内の液状体表面形状を液滴吐出方向から観測しながら、前記液状体移動手段により前記吐出部内の液状体を吐出させる時より小さい移動量で、液状体が液滴吐出方向またはその逆方向に移動させ、液滴吐出検査を行うように制御することを特徴とする液滴吐出装置の制御方法。 - 異なる色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するカラーフィルター製造装置であって、
請求項1から6のいずれかに記載の液滴吐出装置が複数備えられ、各液滴吐出装置で用いる前記液状体がそれぞれ異なる色の色素を含み、各液滴吐出装置が異なる色の着色層をそれぞれ形成することを特徴とするカラーフィルター製造装置。 - 異なる色の着色層を備えたカラーフィルターの製造方法であって、
請求項8記載のカラーフィルター製造装置を用いて前記着色層を形成することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。 - 異なる色の着色層を備えたカラーフィルターであって、
請求項9に記載のカラーフィルターの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルター。 - 一対の基板間に液晶が挟持された液晶装置であって、
請求項10に記載のカラーフィルターを備えたことを特徴とする液晶装置。 - 請求項11に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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JP2009122278A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタ形成用基板およびカラーフィルタの製造方法 |
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