JP2005005444A - アライメント装置、露光装置、アライメント方法、露光方法及び位置情報検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透過性基板に設けられたマークを透過性基板のいずれの面側からでも検出することができるアライメント装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】所定パターンPAが転写される基板Wと所定パターンPAとをアライメントするアライメント装置ALにおいて、基板Wが透過性基板Wであり、所定パターンPAを転写される透過性基板Wの第1面側から透過性基板Wを通して、第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出する検出系10を有するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】所定パターンPAが転写される基板Wと所定パターンPAとをアライメントするアライメント装置ALにおいて、基板Wが透過性基板Wであり、所定パターンPAを転写される透過性基板Wの第1面側から透過性基板Wを通して、第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出する検出系10を有するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクのパターンを半導体ウエハ等の基板に位置合わせして投影露光する露光装置に用いられる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路、液晶ディスプレイ等の電子デバイスの微細パターンを形成するフォトリソグラフィ工程では、レチクルやフォトマスク等のマスクのパターンをウエハやガラスプレート等の基板上に転写する走査露光方式等の露光装置が知られている。このような露光装置においては、基板上に複数層にわたって相互に所定の位置関係を保ってパターンを露光する必要があるため、基板上の2層目以降の層にパターンを転写する際には、その下の層に形成されているパターンとこれから転写するパターンとの位置合わせ(アライメント)が高精度に行なわれる。したがって、投影露光装置には、基板上の各ショット領域に形成した位置検出用(アライメント用)のマークを検出するアライメントセンサが設けられ、このアライメントセンサの検出結果に基づいて基板上の各ショット領域に形成された既存パターンの正確な位置を計測している。通常、アライメントセンサは、基板の露光面に設けられたマークを検出するので露光装置の露光照明系側に設けられるが、例えば、特開平9−139342号公報で示すようにノッチやオリフラ(オリエンテーション・フラット)と呼ばれる切り欠きの無い基板(ノッチレスウエハ)に設けられたマークを検出する場合や、特開平9−115812号公報で示すように基板の両面に相互に所定の位置関係を保つようにパターンを形成する場合のように、ウエハステージ側に配置したアライメントセンサを用いて基板に設けられたマークを検出する技術がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−139342号公報(第3頁、第4図)
【特許文献2】
特開平9−115812号公報(第6頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような技術では、基板に対して露光照明系側に配置したアライメントセンサとは別個にウエハステージ側にもアライメントセンサ(あるいはその一部)を配置する必要があるため、装置が複雑化して高価になるという問題がある。また、ウエハステージの下方にアライメントセンサを配置するため、ウエハステージの形状に制約が生じたり、アライメントセンサの設置場所を確保するために装置が大型化したりするという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、透過性を有する基板の片面に設けられたマークを基板のいずれの面側からでも検出することができるアライメント装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のアライメント装置、露光装置、アライメント方法、及び露光方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、所定パターン(PA)が転写される基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントするアライメント装置(AL)であって、基板(W)が透過性基板(W)であり、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から透過性基板(W)を通して第1面(S1)とは反対の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出する検出系(10)を有するようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第1面側から行うことができるので、検出系を第2面側に配置する必要がなく、第1面側に配置すれば足りる。したがって、第1面及び第2面のアライメントにおいて、同一の検出系を用いることができるので、複数の検出系を配置することによる装置の大型化、複雑化、高コスト化を抑えることができる。また、透過性基板の両面が所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークと同一の検出系を用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差がなく、第1面と第2面とを所定の位置関係を持つように正確にアライメントを行うことができる。
【0006】
また、検出系(10)がマーク(M)の像を検出する像検出部(27)を有するものでは、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合であっても、像検出部がマークの像のみを検出するので、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、検出系(10)が検出光学系(12)を含み、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整する調整部(30)を備えるものでは、検出光学系の焦点位置とマークとの位置がずれているためにマークを検出できない場合であっても、調整部により検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出系がマークを検出することが可能となる。また、調整部(30)が検出系(10)とマーク(M)との相対距離(L)を変化させることによって、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、例えば、検出光学系をマークに近づけたり、或いはマークを検出光学系に近づけたりすることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部(30)が検出系(10)の検出特性を変化させる検出特性調整部(33)を含むものでは、例えは、検出系の光学特性を変化させて焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)に対してビームを照射する照明系(11)を備え、検出特性調整部(33)がビームの波長を調整するものでは、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の像を検出する像検出部(27)がマーク(M)の像に応じた信号(CS)を発生する出力部(28)を備え、調整部(30)が信号(CS)のゲインを調整するものでは、出力部から発生するマークの像に応じた信号が検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部(30)が透過性基板(W)の厚み(wt)に応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マーク(M)に対してビームを照射する照明系(11)を備え、ビームに対する透過性基板(W)の屈折率(nd)に応じて検出光学系(12)の光軸(AB)方向のおけるマーク(M)の位置を調整するものでは、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、検出系(10)の検出特性を変化させる検出特性調整部(33)を含むものでは、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、検出系(10)がマーク(M)に対してビームを照射する照明系(11)を備え、検出特性調整部(33)がビームの波長を調整するものでは、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マーク(M)の像を検出する像検出部(27)がマークの像に応じた信号(CS)を発生する出力部(28)を備え、調整部(30)が信号(CS)のゲインを調整するものでは、検出部によるマークの検出が最適な時に出力部から発生する信号のゲインが略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0007】
第2の発明は、透過性基板(W)に所定パターン(PA)を転写する露光装置(STP)であって、第1の発明のアライメント装置(AL)を備え、アライメント装置(AL)で透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントして、所定パターン(PA)を透過性基板(W)に転写するようにした。この発明によれば、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、アライメント装置の検出系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる。
【0008】
第3の発明は、透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(PA)を露光するための露光装置(STP)であって、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から透過性基板(W)を通して第1面(S1)とは反対側の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出する検出系(10)を含み、検出系(10)による検出結果に応じて透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントするアライメント装置(AL)を備え、アライメント装置(AL)によってアライメントされた透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(PA)を露光するようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第1面側から検出することができるので、検出系を第2面側(ウエハステージ側)に配置する必要がなく、スペース効率がよくなる。したがって、このような検出系を含むアライメント装置を用いることで、露光装置が大型化または複雑化せず、装置の製造コストを抑えることができる。
【0009】
また、所定パターン(PA)を投影する投影光学系(90)と、投影光学系(90)による像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係を検出する検出装置(61)を備え、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整する調整部(30)が、検出装置(61)による検出結果に基づいて、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)に位置を調整するものでは、露光装置に備わる検出装置の検出結果を用いて検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部(30)が透過性基板(W)の厚み(wt)と検出装置(61)による検出結果とに応じて、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、アライメント装置(AL)がマーク(M)に対してビームを投射する照明系(11)を備え、調整部(30)がビームに対する透過性基板(W)の屈折率(nd)と検出装置(61)の検出結果とに応じて、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【0010】
第4の発明は、所定パターン(PA)が転写される基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントするアライメント方法であって、基板(W)が透過性基板(W)であり、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から透過性基板(W)を通して、第1面(S1)とは反対側の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出する工程を含むようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側からのみならず、1面側からも行うことができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面を所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面と第2面とが所定の位置関係を持つように正確にアライメントすることができる。
【0011】
また、マーク(M)を検出する工程が、マーク(M)の像を検出する工程を含むものでは、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合には、マークの像を検出する工程を設けることにより、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、マーク(M)を検出する工程が、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整する工程を含むものでは、検出光学系がマークを検出できない場合であっても、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する工程を設けることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の光軸(AB)方向の位置を調整する工程において、検出光学系(12)とマーク(M)との相対距離(L)を変化させることによって、光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置が不適当なためにマークを検出できない場合であっても、検出光学系とマークとの相対距離を変化させることによって、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の光軸(AB)方向の位置を調整する工程が、検出光学系(12)の検出特性を変化させる工程を含むものでは、例えは、検出光学系の光学特性を変化させて検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)を検出する工程が、マーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、さらに、ビームの波長を調整するものでは、マークに照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)を検出する工程が、マーク(M)の像に応じた信号(CS)を発生する工程を含み、さらに、信号(CS)のゲインを調整するものでは、検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してマークの像に応じた信号のゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出光学系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の光軸(AB)方向の位置を調整する工程において、透過性基板(W)の厚み(wt)に応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、ビームに対する透過性基板(W)の屈折率(nd)に応じて検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、マーク(M)を検出する際の検出特性を変化させる工程を含むものでは、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マーク(M)を検出する際に、マーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、検出特性を変化させる際に、ビームの波長を調整するものでは、マークに対して照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マーク(M)を検出する際に、マーク(M)の像に応じた信号(CS)を発生する工程を含み、さらに、信号(CS)のゲインを調整するものでは、マークの像に応じた信号のゲインが検出光学系によるマークの検出が良好な時に略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出光学系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0012】
第5の発明は、透過性基板(W)に所定パターン(PA)を転写する露光方法であって、第4の発明のアライメント方法で透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントして、所定パターン(PA)を透過性基板(W)に転写するようにした。この発明によれば、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、検出光学系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出光学系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出光学系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出光学系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出光学系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる
【0013】
第6の発明は、透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(S1)を露光するための露光方法であって、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から、透過性基板(W)を通して、第1面(S1)とは反対の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出し、検出結果に応じて透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントし、アライメントされた透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(PA)を露光するようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出光学系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第2面側からのみならず、第1面側からも検出することができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面のそれぞれに所定の位置関係を持つようにパターンを露光する場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面のパターンと第2面のパターンとが所定の位置関係を持つように正確に露光することができる。
【0014】
また、所定パターン(PA)を投影する投影光学系(90)による像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係を検出する工程を含み、投影光学系(90)の像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係に基づいて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、投影光学系による像面位置と第1面との相対位置の検出結果を用いて、検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、投影光学系(90)の像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係と、透過性基板(W)の厚み(wt)とに応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マーク(M)を検出する際にマーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、さらに、投影光学系(90)の像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係と、ビームに対する透過性基板(W)の透過率(nd)とに応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【0015】
第6の発明は、基板保持部(53)上に保持された透過性基板(W)上の複数のショット領域(SA)それぞれの位置情報を検出する方法であって、複数のショット領域(SA)のうちの所定数のショット領域(SA)に対応して形成されたマーク(M)の位置情報を計測し、所定数の位置情報に基づく所定演算処理を実行することによって、複数のショット領域(SA)それぞれの位置情報を決定する位置情報検出方法において、所定数のショット領域(SA)を決定する際に、基板保持部材(53)上の構造物とマーク(M)との相対位置関係に基づいて、マーク(M)の位置情報計測が実行される所定数のショット領域(SA)を決定するようにした。この発明によれば、アライメントセンサがマークを検出する際に、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないショットについて選択的にマーク検出を行い、その結果に基づいて基板上の複数のショット領域の位置情報を求めることが可能となる。特に、ウエハホルダ上の構造物とマークとが重ならないショットを選択することにより、確実にアライメントを行うことができる。
【0016】
また、基板保持部材(53)上の構造物とマーク(M)との相対位置関係を、基板保持部材(53)上で構造物での位置情報、又は基板保持部材(53)上の構造物の形状情報に基づいて決定するようにしたものでは、ウエハホルダ上の構造物とマークとが所定の位置関係となるショットを確実に選択することが可能となる。
また、相対位置関係を、透過性基板(W)のサイズ情報、複数ショット領域(SA)それぞれのショットサイズ情報、透過性基板(W)上での複数ショット領域(SA)の配列情報、各ショット(SA)内におけるマーク(M)の位置情報、マーク(M)のサイズ情報、の少なくとも1つに基づいて決定するものでは、ウエハホルダ上の構造物とマークとが所定の位置関係となるショットのなかから、更にアライメント処理に有利等の条件に合うショットを選択することが可能となる。
また、基板保持部材(53)上の構造物とマーク(M)との間の距離が、マーク(M)の位置情報の計測に干渉しない距離以上離れているショット(SA)を、マーク(M)の位置情報計測が実行されるショット領域(SA)として選択するものでは、ウエハホルダ上の構造物とマークとが重ならないショットを確実に選択することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアライメント装置、及び露光装置の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に適用される半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置STPの構成を示す模式図である。この露光装置STPは、レチクル(マスク)Rとガラス等の透過性基板(ウエハ)Wとを一次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成された所定パターンPA(回路パターン等)を投影光学系90を介して基板Wの各ショット領域SAに転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパ)であり、レチクルRの所定パターンPAの像を基板Wの各ショット領域に位置合わせするアライメント系(アライメント装置)AL、露光装置STP全体を統括的に制御する主制御系40、基板Wを保持するウエハステージ50、パターンPAの結像面に基板Wの露光面Wfを焦点合わせする合焦系60、レチクルRを保持するレチクルステージ70、光源からの照明光(エネルギビーム)によりレチクルRを照明する露光照明系80、及びレチクルRから射出される照明光を基板W上に投射する投影光学系90等から構成される。
なお、図1において、投影光学系90の光軸に平行な方向をZ方向とし、投影光学系90の光軸に垂直な平面内で紙面に平行な方向をX方向、これに直交する方向(紙面に直交)をY方向とする。
【0018】
アライメント系ALは、基板W上のショット領域SAに設けられたアライメント用のマークMをオフ・アクシス方式でFIA(Field Image Alignment)式のアライメントセンサ(検出系)10で測定し、その測定結果に基づいて基板Wを載せたウエハステージ50を所定の位置に移動させることにより、レチクルRの所定パターンPAの像を基板Wの各ショット領域SAに正確に位置合わせする、いわゆるアライメントを行う。アライメントセンサ10は、照明系11、検出光学系12、撮像素子25、画像処理部26から構成され、投影光学系90の側方に、投影光学系90と所定の位置関係で配置される。照明系11は、ハロゲンランプ13から対物レンズ19により構成され、ハロゲンランプ13より照射された広帯域の光(ビーム)をコンデンサーレンズ14によって光ガイド15の一端面に集光し、光ガイド15を通ってフォトレジスト層の感光波長(短波長)域と赤外波長域とをカットするフィルター16に到達させる。そして、レンズ系17を経てハーフミラー18で反射させた照明光を対物レンズ19を介して基板Wに垂直に照射する。検出光学系12は、ハーフミラー18から第2リレー系24により構成される。そして、基板Wからの反射光が対物レンズ19を通り、ハーフミラー18を透過して、レンズ系20によって指標板21に結像する。この指標板21は対物レンズ19とレンズ系20とによって基板Wと共役に配置され、矩形の透明窓内にX方向とY方向とのそれぞれに伸びた直線状の指標マークを有する。そして、マークMの像が指標板21の透明窓内に結像されると、この指標マーク像及びマークMの像の光束が第1リレー系22を経てハーフミラー23に入射して二分割される。二分割された光束は、それぞれ第2リレー系24X、及び24Yを経て、CCDカメラ等の撮像素子25X及び25Y上に結像する。そして、結像した像の画像情報が撮像素子25X、25Yから画像処理部26に出力される。なお、検出光学系12の光軸ABは基板W上で垂直となるように定められており、マークMの検出時に光軸ABの倒れによる検出誤差はほとんど生じない。画像処理部26は、撮像素子25X、25Yからの画像情報を受け取るとともに、後述する干渉計52からのウエハステージ50の位置情報も受け取る。そして、指標マークに対するマークMのずれを画像処理(波形処理)により求め、そのずれと干渉計52から得た位置情報に基づいて、マークMのX方向の位置、及びY方向の位置を算出し、主制御系40に出力する。なお、画像処理部26は、画像処理に先だって撮像素子25X、25Yから得た画像情報からマークMの像のみを検出する像検出部27としても機能する。また、画像処理部26は、検出されたマークMの像に応じた信号(以下、画像信号CSと称す)を主制御系40に出力する出力部28を備える。
【0019】
ところで、アライメントセンサ10によりマークMを検出する際に、その焦点位置FP付近にマークMが存在していないと、撮像素子25X及び25Yにより得られる画像がいわゆるピンぼけ状態となり、画像処理部26によるマークMの検出精度が低下し、正確なアライメントを行うことが困難となる。なお、焦点位置FPをマークMに合わせた場合に最適な検出結果を得られるとは限らないが、焦点位置FP付近にマークMが存在すれば良好な検出が可能となる。そのため、アライメント系ALは、検出光学系12の光軸AB方向(略Z方向に等しい)におけるマークMの位置を調整する調整部30を備える。そして、調整部30は、Zステージ駆動部66がZステージ65とともに基板WをZ方向に移動させることにより、アライメントセンサ10とマークMとの相対距離L(図5参照)を変化させる。なお、Zステージ65及びZステージ駆動部66は、合焦系60の一部でもある。更に、調整部30は、出力部28から得られる画像信号CSのゲインが最大となるように基板WをZ方向に移動させて、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる。すなわち、図2に示すように、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの相対距離Lが変化すると、画像信号CSがそれに対応して変化し、焦点位置FPがマークMに略合致すると画像信号CSのゲインが最大となる性質を利用して、焦点位置FPをマークMに合わせるものである。図2は、アライメントセンサ10の焦点位置FPと、その際に得られる画像信号CSのゲインとの関係を示す模式図である。なお、画像信号CSとして、例えば、検出されたマークMの像のコントラスト成分を利用することが考えられる。
【0020】
図1に戻り、アライメントセンサ10から画像情報等を受け取る主制御系40は、各種演算処理を行う演算部41と、各種情報を記録する記憶部42とから構成され、アライメントセンサ10の他、後述する干渉計52、73、オートフォーカスセンサ61等から各種情報を得て、演算部41がそれらの情報と記憶部42に記憶された各種情報とに基づいてレチクルステージ駆動部72、ウエハステージ駆動部51等の各駆動部を駆動することにより、露光装置STP全体を統括的に制御する。例えば、主制御系40は、アライメントセンサ10から基板Wに設けられたマークMの位置情報を受け取ると、その情報に基づいてウエハステージ駆動部51を駆動して、ウエハステージ50を所定の位置に移動させることにより、レチクルRの所定パターンPAの像を基板Wの各ショット領域SAに正確に合わせるように制御する。また、Zステージ駆動部66駆動して、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせるように制御する。
【0021】
アライメントの際に基板WをX方向またはY方向に移動させるウエハステージ50は、ウエハステージ駆動部51によって駆動されて、基板W上に形成された各ショット領域SAにレチクルRの所定パターンPAの像を転写するためにX方向およびY方向に一定量ずつステッピング移動し、さらに回転方向(θ方向)に微動可能である。そして、ウエハステージ50のX方向およびY方向の位置は、レーザ干渉式測長器(以下、干渉計52と称す)により逐次検出され主制御系40に出力される。なお、ウエハステージ50上には、Zステージ65と、基板Wを真空吸着して保持するウエハホルダ(基板保持部)53とが搭載される。
【0022】
Zステージ65及びZステージ駆動部66を構成要素とする合焦系60は、基板Wの露光面Wfの高さ(Z方向の位置)を斜入射光式のオートフォーカスセンサ(検出装置)61で測定し、その測定結果に基づいてウエハステージ50上に設けられたZステージ65が基板WをZ方向に微小移動させることにより、投影光学系90の像面に対する焦点深度内に露光面Wfを収める、焦点合わせを行う。オートフォーカスセンサ61は、投影光学系90の側方に設けられ、露光面Wfに対して斜め方向から非感光性の光を照射する投光系62と、その反射光を受光する受光系63と、受光系63からの信号を処理する信号処理部64とから構成され、露光面Wfと投影光学系90の像面とのずれ量(Z方向のずれ量)を検出して主制御系40に出力する。そして、そのずれ量に対応して、主制御系40がZステージ駆動部66を駆動し、Zステージ65が移動して、露光面Wfの高さ及びその傾斜角が制御される。
【0023】
レチクルステージ70は、コラム71に支持されており、レチクルRの所定パターンPAの面側を下方にして保持するとともにレチクルステージ駆動部72によって駆動されてX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(θ方向)に微動可能である。なお、レチクルステージ70のX方向およびY方向の位置は、レーザ干渉式測長器(以下、干渉計73と称す)によって逐次検出され主制御系40に出力される。
【0024】
露光照明系80は、露光用光源81から照射された露光光を照明光学系82を介してレチクルR上の所定の照明領域内に均一な照度分布で照射させる。露光光としては、例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプの紫外域の輝線(g線、i線等)等が用いられる。
【0025】
投影光学系90は、レチクルRを通して射出される照明光を所定の投影倍率β(βは、例えば1/5)で縮小して、レチクルRの所定パターンPAの像を基板W上の1つのショット領域SA内に結像させる。
【0026】
次に、第1実施形態に係るアライメント装置AL、及び露光装置STPの動作について図を参照して説明する。図3は、露光装置STPにおける露光手順を示すフローチャート図である。また、基板Wは、所定の厚みwtを有し、その片面にアライメント用のマークMが予め設けられる(以下、この面を第2面S2と称す)。図4(a)は、基板Wの第2面S2の各ショット領域SAに設けられたマークMを示す模式図であり、図4(b)は、マークMXを拡大した図である。基板Wの第2面S2の各ショット領域SAには、X方向用のマークMXとY方向用のマークMYが設けられ、マークMX及びマークMYには、所定の長さNと幅Hを持った帯状マークが一定間隔Pで5本並べたものが設けられる。
まず、ステップ100において、透過性を有する基板Wが、不図示のウエハローダによりウエハステージ50上のウエハホルダ53に搬入される。そして、第2面の反対の面(以下、第1面S1と称す)が露光照明系80側を向くように搬入される。したがって、第2面がウエハステージ50側を向くように搬入されてウエハホルダ53によって保持されるので、マークMとウエハホルダ53とが接する状態となり、第1面S1側から透過性基板Wを通して、第2面S2に設けられたマークMを検出する必要が生じることになる。なお、前工程において、露光面Wfにはフォトレジストを塗布しておく。
【0027】
ステップ110において、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークに合わせる作業に先だって、投影光学系90の像面を露光面Wfである第1面S1に合わせる合焦作業が行われる。オートフォーカスセンサ61の出力結果に基づいて、Zステージ駆動部66を駆動して、Zステージ65を移動させることにより、投影光学系90の像面に対する焦点深度内に露光面Wfが収められる。そして、ステップ120において、ウエハステージ50が基板Wをアライメントセンサ10の直下に移動させた後に、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる(マークMの位置調整)作業が行われる。ここで、アライメントセンサ10と投影光学系90とは予め所定の位置関係で配置されていることから、その位置関係に基づいてZステージ65を更に移動させることにより、焦点位置FPをマークMに合わせることができる。すなわち、マークMが露光面Wfにある場合には、オートフォーカスセンサ61の検出結果に基づいて焦点位置FPをマークMに合わせることができる。しかし、第1面S1を露光する場合には、マークMがウエハホルダ側に存在するので、焦点位置PFを露光面WfからマークMまで移動させる作業が必要となる。なお、アライメントセンサ10の焦点深度が基板Wの厚みwt程度の深さを有していれば、アライメントセンサ10の焦点位置FPを露光面Wf上から移動させることなく、そのまま基板Wを通してマークMを検出できる可能性があるが、通常、アライメントセンサ10の焦点深度は基板Wの厚みwtよりも浅いのでアライメントセンサ10の焦点位置FPを露光面Wf(第1面S1)からマークMまで移動させる必要がある。ところで、第1面S1からマークMまでの距離D(図5参照)は、予め求めることができる距離である。したがって、焦点位置FPが第1面S1にある場合には、焦点位置FPとマークMとの相対距離Lを距離Dだけ変化させれば、確実にアライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに略一致させることができる。そこで、第1面S1からマークMまでの距離Dを予め記憶部42に記憶させ、その情報に基づいて主制御系40がZステージ駆動部66を駆動することにより、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの相対距離Lが変化して、短時間かつ確実に焦点位置FPをマークMに合わせることができる。ここで、図5は、図1におけるアライメントセンサ10と基板Wとを拡大した概念図である。なお、第1面S1からマークMまでの距離Dは、基板Wの厚みwtと基板Wの屈折率ndとを考慮して定める。例えば、基板Wの厚みwtが2.0mm、屈折率ndが1.5の場合には、距離Dを3.0mm(=2.0mm×1.5)と設定しておくことにより、基板Wの屈折率ndに影響されずに焦点位置FPをマークMに略一致させることができる。なお、マークM自体の厚みは、アライメントセンサ10の焦点深度に比べて薄い場合が多いので無視してもよい。同様に、基板Wの塗布されたレジスト膜の屈折率も無視可能である。そして、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに略一致させるとともに、更に、主制御系40が画像信号CSを監視しながら、Zステージ駆動部66を駆動してZステージ65を微動させて、画像信号CSが略最大となる状態で基板Wを保持する。このようにして、マークMの検出を良好に行える状態が確保される。
なお以上では、一旦、投影光学系90の像面を第1面S1に合わせる合焦作業を行った後に、Zステージ65を移動させることにより、アライメントセンサの焦点位置FPにマークMを合わせる作業を行う方法を記載している。これは、最初から調整部30の機能を用いてアライメントセンサの焦点位置FPにマークMをあわせようとした場合、調整部30が基板Wの厚みのばらつき等の影響により誤差が発生して適正な位置にマークMを合わせられない可能性があるためである。基板Wの厚みのばらつき等が調整部30による調整にどの程度影響するかは、アライメントセンサのNAなどの特性と関連している。よって、アライメントセンサが基板Wの厚みのばらつき等による影響を充分に許容できる特性を備えている場合、一旦、投影光学系90の像面を第1面S1に合わせる合焦作業を行うことなく、最初から調整部30の機能を用いてアライメントセンサの焦点位置FPにマークMを合わせる方法を採用してもよい。
【0028】
次に、ステップ130において、アライメントセンサ10は画像情報を取得し、画像処理部26において画像処理技術を用いてマークMの像のみを検出する。ここで、図6は、透過性基板Wが載せられたウエハホルダ53を示す模式図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。ウエハホルダ53の吸着面には、基板Wを吸着するために、図6に示すような複数の円形の溝が所定の幅で一定間隔で刻まれている。このウエハホルダ53上に透過性基板Wを載せると、ウエハホルダ53の溝が基板Wを透過して見える(図6(a)参照)。そして、マークMも一定間隔Pで並べられた帯状のマーク(図4参照)であることから、マークMがウエハホルダ53の溝と略平行に並んだ場合には、アライメントセンサ10がウエハホルダの溝をマークMと間違えて検出してしまう可能性が生じる。特に、第2面S2がウエハホルダ53側を向く場合には、マークMとウエハホルダ53の溝とが接するので、アライメントセンサ10がマークMとウエハホルダ53との像を同時に取得してしまうので、検出ミスの可能性が高い。そこで、画像処理部26において、画像処理を行うことによりマークMのみを検出することにより、ウエハホルダ53の溝をマークMと見誤って検出しないようにしている。画像処理の方法としては、例えば、事前にマークMの特徴を記憶しておき、記憶された特徴に類似しているものを画像内から1つまたは複数ヶ所探し出し(サーチ)、その位置と品質(登録された物との類似度)を検出するパターン認識(サーチ)技術等が用いられる。そして、マークMが検出されると、画像処理部26によりマークMのX位置、Y位置が求められ、主制御系40に出力される。
【0029】
ステップ140において、主制御系40は、マークMのX位置、Y位置に基づき基板Wのサーチアライメントやグローバルアライメント(EGA)などのアライメント作業を行う。そして、ステップS150において、アライメントされた基板Wの各ショット領域SAにレチクルRの所定パターンPAが投影露光される。露光された基板Wは、ウエハローダにより露光装置STPから搬出され(S160)、現像、エッチング、ドーピング処理が順次行われる(S170)。
【0030】
そして、ステップ180において、更に層を重ねてパターンを形成するか否かが判断され、層を重ねる場合にはステップ190において第1面S1にフォトレジストが塗布され、再度、ステップ100に戻る。なお、ここでレチクルRの入れ換えが行われる場合もある。このような処理が複数回行われることにより、第1面S1に多層のパターンが形成されて、第1面S1の処理が完了する。
【0031】
第1面S1の処理が完了すると、ステップ200において、裏面(ここでは第2面S2)にパターンを形成(露光)するか否かが判断される。裏面の露光を行わない場合には、一連の処理を終了する。一方、裏面にもパターンを形成する場合には、ステップ210において、基板Wを反転させ、基板Wの第2面S2が露光照明系80側を向くようにして、再度、ウエハステージ50上に運ばれてウエハホルダ53により保持される。したがってアライメント用のマークMが露光照明系80側に配置されるので、マークMを透過性基板Wを通して検出する必要がなくなり、従来の露光装置における作業と同様な作業を行うことにより、第2面S2が処理される。このようにして、基板Wの第1面S1及び第2面S2にパターンが形成され、第1面S1に形成されるパターンと第2面S2に形成されるパターンとの位置関係が所定の位置関係を正確に備える透過性基板Wが製造される。なお、第1面S1を処理した後に第2面S2の処理を行う場合に限らず、第2面S2の処理の後に第1面S1を処理してもよい。また、第1面S1及び第2面S2の両面にパターンを形成する場合に限らず、第1面S1或いは第2面S2のいずれかの面のみにパターンを形成する場合であってもよい。
なお以上では、ウエハホルダ53上に透過性基板Wを載せると、ウエハホルダ53の溝が基板Wを透過して見えるが、これを画像処理を用いてマークMを特定する方法を述べた。
ところで、アライメントセンサがマークを検出する際にウエハホルダの溝が基板を透過してみえることにより悪影響を受けるのは、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重なる場合である。言い換えると、ウエハホルダの溝の縁の部分マークとが重ならない状況では、たとえウエハホルダの溝が基板を透過して見えていたとしても、アライメントセンサによるマークの検出には影響がない。
通常、基板W上には、複数のショット領域が形成されており、各ショット領域に対応してマークが形成されている。一方、基板上の複数のショット領域それぞれに位置情報を検出する方法としては、各ショットに対応するマークを逐一検出する方法の他に、基板上の複数のショット領域から所定数(例えば8つ)のサンプルショット領域を選択し、このサンプルショット領域の対応するマークをアライメントセンサで検出し、その結果に基づいて、基板上の複数のショット領域全ての位置情報を計算によって求める方法がある(以下、この方法をEGAと称す)。言い換えると、たとえ検出不可能なマークがあろうとも、検出可能なマークだけを選択的に検出して、全てのショット領域の位置情報を求めることが可能である。
アライメントセンサがマークを検出する再にウエハホルダの溝が基板を透過して見えるという問題でいうと、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないショットについて選択的にマーク検出を行い、その結果に基づいて基板上の複数のショット領域の位置情報を求めることが可能である。そして、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重なるか否かは、基板上のショット配列、及びショット内でのマーク位置に基づいて求めることが可能となる。
以下、ウエハホルダの溝の寸法情報、基板上のショット配列、及びショットないでのマークの位置に基づいて、どのショットにおいて、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないかを求め、この結果に基づいてマーク検出を実行するショットを自動的に選択し、選択的なマーク検出を行うアライメント方法を説明する。
【0032】
選択的なマーク検出を行うアライメント方法では、ウエハ裏面に形成された全てのアライメントマークのうち、以下の条件を満たすものを選出してアライメントを行う。第1に、ウエハ上、計測可能な位置にあること(すなわち、有効ウエハ径以内のショット上にあること等)。第2に、ウエハホルダ上の構造物と重ならないこと、である。
そして、図7に示すフローチャートに従って、アライメントマークの選択を行う。
まず、ステップ310(S310)では、アライメントマークMの検出の障害となるウエハホルダ上での構造物(例えば、リングチャック部分など)の位置又は形状が入力される。
ステップ320では、ウエハWのサイズ、ウエハWのショットサイズ、ショット配列、マークサイズ、ショット内のマーク位置等、ウエハW上でアライメントマークMがどの位置にあるかを計算するために必要な情報が入力される。
さらに、ステップ330では、禁止領域情報が入力される。禁止領域情報とは、アライメントマークMと構造物とが、どの程度の距離だけ離間していなければならないのか、すなわち、アライメントマークMと構造物とが干渉しないための距離情報等である。禁止領域は、ウエハホルダとウエハWとの位置関係に生じ得る誤差量などから求められる。例えば、ウエハWの投入精度やウエハ外形に対するアライメントマーク位置の変動量などである。
ステップ340では、判定対象ショットを選択する。判定対象ショットは、任意に選ばれる。例えば、エッジ部分のショットから、順次、隣り合うショットが選択される。
ステップ350では、ステップ320において入力された各種情報に基づいて、判定対象ショット内にあるアライメントマークMの座標を算出する。
さらに、ステップ360では、アライメント可能なショット上のアライメントマークMであるとともに、アライメントマークM自体も有効ウエハ径内に存在するかが判断される。
ステップ370では、ステップ310,320,350において入力或いは求められた情報に基づいて、ウエハホルダ上の構造物と干渉するか否かが判断される。そして、ウエハホルダ上の構造物と干渉しないと判断された場合にのみ、ステップ380に進み、そのショット領域を有効ショットとして記憶する。
そして、ステップ390において、判断したショットが最終ショットであるかが判断される。更に次のショット領域のアライメントマークMについて処理を行う場合には、再度、ステップ340に戻り、上述した処理を繰り返す。
そして、最終ショットと判断された場合には、ステップ400において、有効ショットのうち、アライメントに使用するショットを選択する。
以上のように、ウエハホルダの溝の寸法情報、基板上のショット配列、及びショット内でのマークの位置に基づいて、どのショットにおいて、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないかを求め、この結果に基づいてマーク検出を実行するショットを自動的に選択し、選択されたマークにより、アライメント処理を行う。
【0033】
なお、アライメントマークは、ショット内に複数配置することが可能である。この場合、マーク毎に上述した有効ショット判定を行い、もっともアライメント(EGA)に有効なショット配列が選択できるマークを採用することにより、よりアライメント精度を向上させることができる。
EGAに有効なショットの配列の判断方法として、最も単純なのは、ショット数が多いほど有利とする方法である。しかしながら、ショット数が多くても、それらが狭い範囲に密集して存在する場合には、アライメントショットから遠く離れたショットにおいて重ね合わせ精度が不利になってしまう。また、アライメントショットが縦一列、或いは横一列などの配列になった場合には、EGA計算自体が不可能となってしまう。したがって、一般的にはアライメントに有利と考えられるショットの配置、すなわち、アライメントショットは、なるべくウエハの中心からある程度の半径(ウエハ半径の1/2程度)以上にあり、かつ互いの間隔が大きいものが有利であると判断されるべきである。
このような判定を定量的に行うためには、以下のような方法がある。
EGAは、アライメントセンサの計測再現性を一定(計測対象のマークにより誤差が変化することがない)と仮定し、最小自乗法によりショット配列の近似式を計算する方法である。したがって、ショット配列が決まれば、アライメントセンサの計測再現性がショット配列式の計算誤差にどのように伝播するかが計算可能である。ショット配列式の誤差が推測できれば、この式に基づいて露光を行った際の重ね合わせ誤差も計算できる。そこで、アライメントショット配列から予想される重ね合わせ精度を比較することで、ショット配列の有利さを定量的に判断できる。
なお、アライメントに必要なショット数を超える多くのショットが有効となった場合、使用するショットを絞り込むことにより、処理時間を短縮することができる。どのショットを使用するかについては、上述したショット配列の有利さの判定を用いることができる。
【0034】
次に、本発明に係るアライメント装置AL、及び露光装置STPの第2実施形態について図を参照して説明する。図8は、第2実施形態に適用される半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置STP2の構成を示す模式図である
露光装置STP2のアライメント系ALは、検出光学系12の光軸AB方向におけるマークMの位置を調整するために調整部31を備える。調整部31は、アライメントセンサ10とマークMとの相対距離L(図5参照)を変化させるセンサ駆動部32、Zステージ駆動部66、及びアライメントセンサ10の検出特性を変化させる検出特性調整部33とから構成される。センサ駆動部32は、アライメントセンサ10全体を検出光学系12の光軸AB方向に移動させるものであり、また、Zステージ駆動部66は、Zステージ65とともに基板WをZ方向に移動させるものであって、これらを単独或いは複合的に駆動することにより、アライメントセンサ10と基板Wとの相対距離Lを変化させる。また、検出特性調整部33は、例えば、検出光学系12の光学特性を調整したり、ハロゲンランプ13から照射されるビームの波長を調整したりすることにより、アライメントセンサ10の焦点距離L1(図5参照)を延ばしたり、焦点深度を深くしたりして、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの位置を調整する。そして、Zステージ駆動部66、センサ駆動部32、及び検出特性調整部33のなかから最適な手段を選択して駆動させたり、或いはこれらを複合的に駆動させたりして、相対距離Lや焦点距離L1を変化させて、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる。なお、これらの駆動部は、主制御系40により制御される。更に、調整部31は、出力部28から得られる画像信号CSのゲインが最大となるように、Zステージ駆動部66、センサ駆動部32、及び検出特性調整部33を選択的或いは複合的に駆動して、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる。また、アライメントセンサ10から照射されるビームの波長を調整することにより、マークMの検出を良好に行える状態にすることも可能である。
なお、露光装置STP2の他の構成要素は、露光装置STPと同一であり、同一の符号を付してあるので、説明を省略する。
【0035】
露光装置STP2の動作は、露光装置STPの動作と略同一である。ただし、上述したステップ120(図2参照)等において、主制御系40がセンサ駆動部32、Zステージ駆動部66、検出特性調整部33を駆動することにより、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの相対距離Lや焦点距離L1等を変化させて、短時間かつ確実に焦点位置FPをマークMに合わせる。更に、画像信号CSを監視しながら、センサ駆動部32及びZステージ駆動部66を駆動してアライメントセンサ10及びZステージ65を上下させるとともに、検出特性調整部33を駆動してアライメントセンサ10の検出特性を変化させことにより、画像信号CSが略最大となる状態で基板Wとアライメントセンサ10とを保持する。すなわち、露光装置STP2は、状況に応じて調整部31を選択的或いは複合的に駆動させて、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせることができる。
【0036】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
【0037】
アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとのずれを検出する方法として、画像信号CSを利用した方式を用いたが、これに限らず、位相検出方式を用いてもよい。また、これらパッシブ方式に限らず、赤外光で距離を測定するアクティブ方式を用いてもよい。
アライメントセンサには、FIA式のアライメントセンサに限らず、LSA(Laser step Alignment)方式やLIA(Laser Interferometric Alignment)方式のアライメントセンサを用いてもよい。
また、投影光学系を介することなく直接基板上のマークの位置情報を検出するオフ・アクシス方式のアライメントセンサに限らず、投影光学系を介して基板上のマークの位置情報を検出するTTL(Through the lens)方式や投影光学系を介して基板とレチクルとを同時に観察して両者の相対位置関係を検出するTTR(Through the reticule)方式のアライメントセンサを用いてもよい。
アライメント方法としては、グローバルアライメント方法に限らず、ダイ・バイ・ダイ方法を用いてもよい。
【0038】
また、パターン形成板に形成されるパターンの数や配置位置、及び形状は任意に定めてよい。
【0039】
また、任意の露光層を有する基板に対しても良好に基板表面の位置情報を検出するために、特開平9−266149号公報に記載されているように、露光すべき感光基板を用いて面位置検出装置の検出誤差を算出するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明が適用される露光装置として、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置を用いてもよい。
【0041】
また、本発明が適用される露光装置として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置を用いてもよい。
【0042】
また、露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、本発明が適用される工程、あるいは装置としては、DVD等の光ピックアップ素子、特に、その有機プレーナー素子の製造工程、装置が挙げられる。
【0043】
また、本発明が適用される露光装置の光源は、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合、マスクを用いる構成としてもよいし、マスクを用いずに直接基板上にパターンを形成する構成としてもよい。さらに、投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでもよい。
【0044】
また、投影光学系としては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(このとき、レチクルも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0045】
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0046】
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0047】
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0048】
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0049】
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、所定パターンが転写される基板と所定パターンとをアライメントするアライメント装置であって、基板が透過性基板であり、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から透過性基板を通して第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出する検出系を有するようにした。このため、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第1面側から行うことができるので、検出系を第2面側に配置する必要がなく、第1面側に配置すれば足りる。したがって、第1面及び第2面のアライメントにおいて、同一の検出系を用いることができるので、複数の検出系を配置することによる装置の大型化、複雑化、高コスト化を抑えることができる。また、透過性基板の両面が所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークと同一の検出系を用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差がなく、第1面と第2面とを所定の位置関係を持つように正確にアライメントを行うことができる。
【0051】
また、検出系がマークの像を検出する像検出部を有するようにしたので、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合であっても、像検出部がマークの像のみを検出するので、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、検出系が検出光学系を含み、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する調整部を備えるようにしたので、検出光学系の焦点位置とマークとの位置がずれているためにマークを検出できない場合であっても、調整部により検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出系がマークを検出することが可能となる。また、調整部が検出系とマークとの相対距離を変化させることによって、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、例えば、検出光学系をマークに近づけたり、或いはマークを検出光学系に近づけたりすることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部が検出系の検出特性を変化させる検出特性調整部を含むようにしたので、例えは、検出系の光学特性を変化させて焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークに対してビームを照射する照明系を備え、検出特性調整部がビームの波長を調整するようにしたので、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の像を検出する像検出部がマークの像に応じた信号を発生する出力部を備え、調整部が信号のゲインを調整するようにしたので、出力部から発生するマークの像に応じた信号が検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部が透過性基板の厚みに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マークに対してビームを照射する照明系を備え、ビームに対する透過性基板の屈折率に応じて検出光学系の光軸方向のおけるマークの位置を調整するようにしたので、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、検出系の検出特性を変化させる検出特性調整部を含むようにしたので、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、検出系がマークに対してビームを照射する照明系を備え、検出特性調整部がビームの波長を調整するようにしたので、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マークの像を検出する像検出部がマークの像に応じた信号を発生する出力部を備え、調整部が信号のゲインを調整するようにしたので、検出部によるマークの検出が最適な時に出力部から発生する信号のゲインが略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0052】
第2の発明は、透過性基板に所定パターンを転写する露光装置であって、請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載のアライメント装置を備え、アライメント装置で透過性基板と所定パターンとをアライメントして、所定パターンを透過性基板に転写するようにした。これにより、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、アライメント装置の検出系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる。
【0053】
第3の発明は、透過性基板の第1面に所定パターンを露光するための露光装置であって、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から透過性基板を通して第1面とは反対側の第2面に形成されたマークを検出する検出系を含み、検出系による検出結果に応じて透過性基板と所定パターンとをアライメントするアライメント装置を備え、アライメント装置によってアライメントされた透過性基板の第1面に所定パターンを露光するようにした。これにより、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第1面側から検出することができるので、検出系を第2面側(ウエハステージ側)に配置する必要がなく、スペース効率がよくなる。したがって、このような検出系を含むアライメント装置を用いることで、露光装置が大型化または複雑化せず、装置の製造コストを抑えることができる。
【0054】
また、所定パターンを投影する投影光学系と、投影光学系による像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係を検出する検出装置を備え、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する調整部が、検出装置による検出結果に基づいて、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整するようにしたので、露光装置に備わる検出装置の検出結果を用いて検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部が透過性基板の厚みと検出装置による検出結果とに応じて、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、アライメント装置がマークに対してビームを投射する照明系を備え、調整部がビームに対する透過性基板の屈折率と検出装置の検出結果とに応じて、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【0055】
第4の発明は、所定パターンが転写される基板と所定パターンとをアライメントするアライメント方法であって、基板が透過性基板であり、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から透過性基板を通して、第1面とは反対側の第2面に形成されたマークを検出する工程を含むようにした。これにより、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側からのみならず、1面側からも行うことができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面を所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面と第2面とが所定の位置関係を持つように正確にアライメントすることができる。
【0056】
また、マークを検出する工程が、マークの像を検出する工程を含むようにしたので、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合には、マークの像を検出する工程を設けることにより、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、マークを検出する工程が、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する工程を含むようにしたので、検出光学系がマークを検出できない場合であっても、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する工程を設けることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークの光軸方向の位置を調整する工程において、検出光学系とマークとの相対距離を変化させることによって、光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置が不適当なためにマークを検出できない場合であっても、検出光学系とマークとの相対距離を変化させることによって、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークの光軸方向の位置を調整する工程が、検出光学系の検出特性を変化させる工程を含むようにしたので、例えは、検出光学系の光学特性を変化させて検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークを検出する工程が、マークに対してビームを照射する工程を含み、さらに、ビームの波長を調整するようにしたので、マークに照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークを検出する工程が、マークの像に応じた信号を発生する工程を含み、さらに、信号のゲインを調整するようにしたので、検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してマークの像に応じた信号のゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出光学系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークの光軸方向の位置を調整する工程において、透過性基板の厚みに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マークに対してビームを照射する工程を含み、ビームに対する透過性基板の屈折率に応じて検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、マークを検出する際の検出特性を変化させる工程を含むようにしたので、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マークを検出する際に、マークに対してビームを照射する工程を含み、検出特性を変化させる際に、ビームの波長を調整するようにしたので、マークに対して照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マークを検出する際に、マークの像に応じた信号を発生する工程を含み、さらに、信号のゲインを調整するようにしたので、マークの像に応じた信号のゲインが検出光学系によるマークの検出が良好な時に略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出光学系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0057】
第5の発明は、透過性基板に所定パターンを転写する露光方法であって、請求項18から請求項29のうちいずれか一項に記載のアライメント方法で透過性基板と所定パターンとをアライメントして、所定パターンを透過性基板に転写するようにした。これにより、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、検出光学系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出光学系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出光学系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出光学系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出光学系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる
【0058】
第6の発明は、透過性基板の第1面に所定パターンを露光するための露光方法であって、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から、透過性基板を通して、第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出し、検出結果に応じて透過性基板と所定パターンとをアライメントし、アライメントされた透過性基板の第1面に所定パターンを露光するようにした。これにより、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出光学系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第2面側からのみならず、第1面側からも検出することができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面のそれぞれに所定の位置関係を持つようにパターンを露光する場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面のパターンと第2面のパターンとが所定の位置関係を持つように正確に露光することができる。
【0059】
また、所定パターンを投影する投影光学系による像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係を検出する工程を含み、投影光学系の像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係に基づいて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、投影光学系による像面位置と第1面との相対位置の検出結果を用いて、検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、投影光学系の像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係と、透過性基板の厚みとに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マークを検出する際にマークに対してビームを照射する工程を含み、さらに、投影光学系の像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係と、ビームに対する透過性基板の透過率とに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に適用される露光装置の構成を示す模式図である。
【図2】アライメントセンサの焦点位置と、その際に得られる画像信号のゲインとを示す模式図である。
【図3】露光装置における露光手順を示すフローチャート図である。
【図4】基板に設けられたマークを示す模式図である。
【図5】図1におけるアライメントセンサの要部と基板とを拡大した概念図である。
【図6】透過性基板が載せられたウエハホルダを示す模式図である。
【図7】選択的なマーク検出を行うアライメント方法の手順を示すフローチャート図である。
【図8】第2実施形態に適用される露光装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
PA 所定パターン
SA ショット領域
W 基板(透過性基板)
AL アライメント系(アライメント装置)
S1 第1面
S2 第2面
M マーク
AB 光軸
L 相対距離
wt 厚み
CS 画像信号(信号)
STP、STP2 露光装置
10 アライメントセンサ(検出系)
11 照明系
12 検出光学系
27 像検出部
28 出力部
30、31 調整部
32 検出特性調整部
53 ウエハホルダ(基板保持部)
61 オートフォーカスセンサ(検出装置)
90 投影光学系
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクのパターンを半導体ウエハ等の基板に位置合わせして投影露光する露光装置に用いられる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路、液晶ディスプレイ等の電子デバイスの微細パターンを形成するフォトリソグラフィ工程では、レチクルやフォトマスク等のマスクのパターンをウエハやガラスプレート等の基板上に転写する走査露光方式等の露光装置が知られている。このような露光装置においては、基板上に複数層にわたって相互に所定の位置関係を保ってパターンを露光する必要があるため、基板上の2層目以降の層にパターンを転写する際には、その下の層に形成されているパターンとこれから転写するパターンとの位置合わせ(アライメント)が高精度に行なわれる。したがって、投影露光装置には、基板上の各ショット領域に形成した位置検出用(アライメント用)のマークを検出するアライメントセンサが設けられ、このアライメントセンサの検出結果に基づいて基板上の各ショット領域に形成された既存パターンの正確な位置を計測している。通常、アライメントセンサは、基板の露光面に設けられたマークを検出するので露光装置の露光照明系側に設けられるが、例えば、特開平9−139342号公報で示すようにノッチやオリフラ(オリエンテーション・フラット)と呼ばれる切り欠きの無い基板(ノッチレスウエハ)に設けられたマークを検出する場合や、特開平9−115812号公報で示すように基板の両面に相互に所定の位置関係を保つようにパターンを形成する場合のように、ウエハステージ側に配置したアライメントセンサを用いて基板に設けられたマークを検出する技術がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−139342号公報(第3頁、第4図)
【特許文献2】
特開平9−115812号公報(第6頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような技術では、基板に対して露光照明系側に配置したアライメントセンサとは別個にウエハステージ側にもアライメントセンサ(あるいはその一部)を配置する必要があるため、装置が複雑化して高価になるという問題がある。また、ウエハステージの下方にアライメントセンサを配置するため、ウエハステージの形状に制約が生じたり、アライメントセンサの設置場所を確保するために装置が大型化したりするという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、透過性を有する基板の片面に設けられたマークを基板のいずれの面側からでも検出することができるアライメント装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のアライメント装置、露光装置、アライメント方法、及び露光方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、所定パターン(PA)が転写される基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントするアライメント装置(AL)であって、基板(W)が透過性基板(W)であり、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から透過性基板(W)を通して第1面(S1)とは反対の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出する検出系(10)を有するようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第1面側から行うことができるので、検出系を第2面側に配置する必要がなく、第1面側に配置すれば足りる。したがって、第1面及び第2面のアライメントにおいて、同一の検出系を用いることができるので、複数の検出系を配置することによる装置の大型化、複雑化、高コスト化を抑えることができる。また、透過性基板の両面が所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークと同一の検出系を用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差がなく、第1面と第2面とを所定の位置関係を持つように正確にアライメントを行うことができる。
【0006】
また、検出系(10)がマーク(M)の像を検出する像検出部(27)を有するものでは、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合であっても、像検出部がマークの像のみを検出するので、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、検出系(10)が検出光学系(12)を含み、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整する調整部(30)を備えるものでは、検出光学系の焦点位置とマークとの位置がずれているためにマークを検出できない場合であっても、調整部により検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出系がマークを検出することが可能となる。また、調整部(30)が検出系(10)とマーク(M)との相対距離(L)を変化させることによって、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、例えば、検出光学系をマークに近づけたり、或いはマークを検出光学系に近づけたりすることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部(30)が検出系(10)の検出特性を変化させる検出特性調整部(33)を含むものでは、例えは、検出系の光学特性を変化させて焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)に対してビームを照射する照明系(11)を備え、検出特性調整部(33)がビームの波長を調整するものでは、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の像を検出する像検出部(27)がマーク(M)の像に応じた信号(CS)を発生する出力部(28)を備え、調整部(30)が信号(CS)のゲインを調整するものでは、出力部から発生するマークの像に応じた信号が検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部(30)が透過性基板(W)の厚み(wt)に応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マーク(M)に対してビームを照射する照明系(11)を備え、ビームに対する透過性基板(W)の屈折率(nd)に応じて検出光学系(12)の光軸(AB)方向のおけるマーク(M)の位置を調整するものでは、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、検出系(10)の検出特性を変化させる検出特性調整部(33)を含むものでは、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、検出系(10)がマーク(M)に対してビームを照射する照明系(11)を備え、検出特性調整部(33)がビームの波長を調整するものでは、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マーク(M)の像を検出する像検出部(27)がマークの像に応じた信号(CS)を発生する出力部(28)を備え、調整部(30)が信号(CS)のゲインを調整するものでは、検出部によるマークの検出が最適な時に出力部から発生する信号のゲインが略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0007】
第2の発明は、透過性基板(W)に所定パターン(PA)を転写する露光装置(STP)であって、第1の発明のアライメント装置(AL)を備え、アライメント装置(AL)で透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントして、所定パターン(PA)を透過性基板(W)に転写するようにした。この発明によれば、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、アライメント装置の検出系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる。
【0008】
第3の発明は、透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(PA)を露光するための露光装置(STP)であって、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から透過性基板(W)を通して第1面(S1)とは反対側の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出する検出系(10)を含み、検出系(10)による検出結果に応じて透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントするアライメント装置(AL)を備え、アライメント装置(AL)によってアライメントされた透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(PA)を露光するようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第1面側から検出することができるので、検出系を第2面側(ウエハステージ側)に配置する必要がなく、スペース効率がよくなる。したがって、このような検出系を含むアライメント装置を用いることで、露光装置が大型化または複雑化せず、装置の製造コストを抑えることができる。
【0009】
また、所定パターン(PA)を投影する投影光学系(90)と、投影光学系(90)による像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係を検出する検出装置(61)を備え、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整する調整部(30)が、検出装置(61)による検出結果に基づいて、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)に位置を調整するものでは、露光装置に備わる検出装置の検出結果を用いて検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部(30)が透過性基板(W)の厚み(wt)と検出装置(61)による検出結果とに応じて、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、アライメント装置(AL)がマーク(M)に対してビームを投射する照明系(11)を備え、調整部(30)がビームに対する透過性基板(W)の屈折率(nd)と検出装置(61)の検出結果とに応じて、アライメント装置(AL)の検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【0010】
第4の発明は、所定パターン(PA)が転写される基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントするアライメント方法であって、基板(W)が透過性基板(W)であり、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から透過性基板(W)を通して、第1面(S1)とは反対側の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出する工程を含むようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側からのみならず、1面側からも行うことができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面を所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面と第2面とが所定の位置関係を持つように正確にアライメントすることができる。
【0011】
また、マーク(M)を検出する工程が、マーク(M)の像を検出する工程を含むものでは、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合には、マークの像を検出する工程を設けることにより、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、マーク(M)を検出する工程が、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整する工程を含むものでは、検出光学系がマークを検出できない場合であっても、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する工程を設けることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の光軸(AB)方向の位置を調整する工程において、検出光学系(12)とマーク(M)との相対距離(L)を変化させることによって、光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置が不適当なためにマークを検出できない場合であっても、検出光学系とマークとの相対距離を変化させることによって、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の光軸(AB)方向の位置を調整する工程が、検出光学系(12)の検出特性を変化させる工程を含むものでは、例えは、検出光学系の光学特性を変化させて検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)を検出する工程が、マーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、さらに、ビームの波長を調整するものでは、マークに照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)を検出する工程が、マーク(M)の像に応じた信号(CS)を発生する工程を含み、さらに、信号(CS)のゲインを調整するものでは、検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してマークの像に応じた信号のゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出光学系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の光軸(AB)方向の位置を調整する工程において、透過性基板(W)の厚み(wt)に応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、ビームに対する透過性基板(W)の屈折率(nd)に応じて検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、検出光学系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、マーク(M)を検出する際の検出特性を変化させる工程を含むものでは、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マーク(M)を検出する際に、マーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、検出特性を変化させる際に、ビームの波長を調整するものでは、マークに対して照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マーク(M)を検出する際に、マーク(M)の像に応じた信号(CS)を発生する工程を含み、さらに、信号(CS)のゲインを調整するものでは、マークの像に応じた信号のゲインが検出光学系によるマークの検出が良好な時に略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出光学系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0012】
第5の発明は、透過性基板(W)に所定パターン(PA)を転写する露光方法であって、第4の発明のアライメント方法で透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントして、所定パターン(PA)を透過性基板(W)に転写するようにした。この発明によれば、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、検出光学系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出光学系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出光学系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出光学系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出光学系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる
【0013】
第6の発明は、透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(S1)を露光するための露光方法であって、所定パターン(PA)を転写される透過性基板(W)の第1面(S1)側から、透過性基板(W)を通して、第1面(S1)とは反対の第2面(S2)に形成されたマーク(M)を検出し、検出結果に応じて透過性基板(W)と所定パターン(PA)とをアライメントし、アライメントされた透過性基板(W)の第1面(S1)に所定パターン(PA)を露光するようにした。この発明によれば、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出光学系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第2面側からのみならず、第1面側からも検出することができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面のそれぞれに所定の位置関係を持つようにパターンを露光する場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面のパターンと第2面のパターンとが所定の位置関係を持つように正確に露光することができる。
【0014】
また、所定パターン(PA)を投影する投影光学系(90)による像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係を検出する工程を含み、投影光学系(90)の像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係に基づいて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、投影光学系による像面位置と第1面との相対位置の検出結果を用いて、検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、投影光学系(90)の像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係と、透過性基板(W)の厚み(wt)とに応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マーク(M)を検出する際にマーク(M)に対してビームを照射する工程を含み、さらに、投影光学系(90)の像面位置と透過性基板(W)の第1面(S1)との相対位置関係と、ビームに対する透過性基板(W)の透過率(nd)とに応じて、検出光学系(12)の光軸(AB)方向におけるマーク(M)の位置を調整するものでは、照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【0015】
第6の発明は、基板保持部(53)上に保持された透過性基板(W)上の複数のショット領域(SA)それぞれの位置情報を検出する方法であって、複数のショット領域(SA)のうちの所定数のショット領域(SA)に対応して形成されたマーク(M)の位置情報を計測し、所定数の位置情報に基づく所定演算処理を実行することによって、複数のショット領域(SA)それぞれの位置情報を決定する位置情報検出方法において、所定数のショット領域(SA)を決定する際に、基板保持部材(53)上の構造物とマーク(M)との相対位置関係に基づいて、マーク(M)の位置情報計測が実行される所定数のショット領域(SA)を決定するようにした。この発明によれば、アライメントセンサがマークを検出する際に、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないショットについて選択的にマーク検出を行い、その結果に基づいて基板上の複数のショット領域の位置情報を求めることが可能となる。特に、ウエハホルダ上の構造物とマークとが重ならないショットを選択することにより、確実にアライメントを行うことができる。
【0016】
また、基板保持部材(53)上の構造物とマーク(M)との相対位置関係を、基板保持部材(53)上で構造物での位置情報、又は基板保持部材(53)上の構造物の形状情報に基づいて決定するようにしたものでは、ウエハホルダ上の構造物とマークとが所定の位置関係となるショットを確実に選択することが可能となる。
また、相対位置関係を、透過性基板(W)のサイズ情報、複数ショット領域(SA)それぞれのショットサイズ情報、透過性基板(W)上での複数ショット領域(SA)の配列情報、各ショット(SA)内におけるマーク(M)の位置情報、マーク(M)のサイズ情報、の少なくとも1つに基づいて決定するものでは、ウエハホルダ上の構造物とマークとが所定の位置関係となるショットのなかから、更にアライメント処理に有利等の条件に合うショットを選択することが可能となる。
また、基板保持部材(53)上の構造物とマーク(M)との間の距離が、マーク(M)の位置情報の計測に干渉しない距離以上離れているショット(SA)を、マーク(M)の位置情報計測が実行されるショット領域(SA)として選択するものでは、ウエハホルダ上の構造物とマークとが重ならないショットを確実に選択することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアライメント装置、及び露光装置の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に適用される半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置STPの構成を示す模式図である。この露光装置STPは、レチクル(マスク)Rとガラス等の透過性基板(ウエハ)Wとを一次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成された所定パターンPA(回路パターン等)を投影光学系90を介して基板Wの各ショット領域SAに転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパ)であり、レチクルRの所定パターンPAの像を基板Wの各ショット領域に位置合わせするアライメント系(アライメント装置)AL、露光装置STP全体を統括的に制御する主制御系40、基板Wを保持するウエハステージ50、パターンPAの結像面に基板Wの露光面Wfを焦点合わせする合焦系60、レチクルRを保持するレチクルステージ70、光源からの照明光(エネルギビーム)によりレチクルRを照明する露光照明系80、及びレチクルRから射出される照明光を基板W上に投射する投影光学系90等から構成される。
なお、図1において、投影光学系90の光軸に平行な方向をZ方向とし、投影光学系90の光軸に垂直な平面内で紙面に平行な方向をX方向、これに直交する方向(紙面に直交)をY方向とする。
【0018】
アライメント系ALは、基板W上のショット領域SAに設けられたアライメント用のマークMをオフ・アクシス方式でFIA(Field Image Alignment)式のアライメントセンサ(検出系)10で測定し、その測定結果に基づいて基板Wを載せたウエハステージ50を所定の位置に移動させることにより、レチクルRの所定パターンPAの像を基板Wの各ショット領域SAに正確に位置合わせする、いわゆるアライメントを行う。アライメントセンサ10は、照明系11、検出光学系12、撮像素子25、画像処理部26から構成され、投影光学系90の側方に、投影光学系90と所定の位置関係で配置される。照明系11は、ハロゲンランプ13から対物レンズ19により構成され、ハロゲンランプ13より照射された広帯域の光(ビーム)をコンデンサーレンズ14によって光ガイド15の一端面に集光し、光ガイド15を通ってフォトレジスト層の感光波長(短波長)域と赤外波長域とをカットするフィルター16に到達させる。そして、レンズ系17を経てハーフミラー18で反射させた照明光を対物レンズ19を介して基板Wに垂直に照射する。検出光学系12は、ハーフミラー18から第2リレー系24により構成される。そして、基板Wからの反射光が対物レンズ19を通り、ハーフミラー18を透過して、レンズ系20によって指標板21に結像する。この指標板21は対物レンズ19とレンズ系20とによって基板Wと共役に配置され、矩形の透明窓内にX方向とY方向とのそれぞれに伸びた直線状の指標マークを有する。そして、マークMの像が指標板21の透明窓内に結像されると、この指標マーク像及びマークMの像の光束が第1リレー系22を経てハーフミラー23に入射して二分割される。二分割された光束は、それぞれ第2リレー系24X、及び24Yを経て、CCDカメラ等の撮像素子25X及び25Y上に結像する。そして、結像した像の画像情報が撮像素子25X、25Yから画像処理部26に出力される。なお、検出光学系12の光軸ABは基板W上で垂直となるように定められており、マークMの検出時に光軸ABの倒れによる検出誤差はほとんど生じない。画像処理部26は、撮像素子25X、25Yからの画像情報を受け取るとともに、後述する干渉計52からのウエハステージ50の位置情報も受け取る。そして、指標マークに対するマークMのずれを画像処理(波形処理)により求め、そのずれと干渉計52から得た位置情報に基づいて、マークMのX方向の位置、及びY方向の位置を算出し、主制御系40に出力する。なお、画像処理部26は、画像処理に先だって撮像素子25X、25Yから得た画像情報からマークMの像のみを検出する像検出部27としても機能する。また、画像処理部26は、検出されたマークMの像に応じた信号(以下、画像信号CSと称す)を主制御系40に出力する出力部28を備える。
【0019】
ところで、アライメントセンサ10によりマークMを検出する際に、その焦点位置FP付近にマークMが存在していないと、撮像素子25X及び25Yにより得られる画像がいわゆるピンぼけ状態となり、画像処理部26によるマークMの検出精度が低下し、正確なアライメントを行うことが困難となる。なお、焦点位置FPをマークMに合わせた場合に最適な検出結果を得られるとは限らないが、焦点位置FP付近にマークMが存在すれば良好な検出が可能となる。そのため、アライメント系ALは、検出光学系12の光軸AB方向(略Z方向に等しい)におけるマークMの位置を調整する調整部30を備える。そして、調整部30は、Zステージ駆動部66がZステージ65とともに基板WをZ方向に移動させることにより、アライメントセンサ10とマークMとの相対距離L(図5参照)を変化させる。なお、Zステージ65及びZステージ駆動部66は、合焦系60の一部でもある。更に、調整部30は、出力部28から得られる画像信号CSのゲインが最大となるように基板WをZ方向に移動させて、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる。すなわち、図2に示すように、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの相対距離Lが変化すると、画像信号CSがそれに対応して変化し、焦点位置FPがマークMに略合致すると画像信号CSのゲインが最大となる性質を利用して、焦点位置FPをマークMに合わせるものである。図2は、アライメントセンサ10の焦点位置FPと、その際に得られる画像信号CSのゲインとの関係を示す模式図である。なお、画像信号CSとして、例えば、検出されたマークMの像のコントラスト成分を利用することが考えられる。
【0020】
図1に戻り、アライメントセンサ10から画像情報等を受け取る主制御系40は、各種演算処理を行う演算部41と、各種情報を記録する記憶部42とから構成され、アライメントセンサ10の他、後述する干渉計52、73、オートフォーカスセンサ61等から各種情報を得て、演算部41がそれらの情報と記憶部42に記憶された各種情報とに基づいてレチクルステージ駆動部72、ウエハステージ駆動部51等の各駆動部を駆動することにより、露光装置STP全体を統括的に制御する。例えば、主制御系40は、アライメントセンサ10から基板Wに設けられたマークMの位置情報を受け取ると、その情報に基づいてウエハステージ駆動部51を駆動して、ウエハステージ50を所定の位置に移動させることにより、レチクルRの所定パターンPAの像を基板Wの各ショット領域SAに正確に合わせるように制御する。また、Zステージ駆動部66駆動して、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせるように制御する。
【0021】
アライメントの際に基板WをX方向またはY方向に移動させるウエハステージ50は、ウエハステージ駆動部51によって駆動されて、基板W上に形成された各ショット領域SAにレチクルRの所定パターンPAの像を転写するためにX方向およびY方向に一定量ずつステッピング移動し、さらに回転方向(θ方向)に微動可能である。そして、ウエハステージ50のX方向およびY方向の位置は、レーザ干渉式測長器(以下、干渉計52と称す)により逐次検出され主制御系40に出力される。なお、ウエハステージ50上には、Zステージ65と、基板Wを真空吸着して保持するウエハホルダ(基板保持部)53とが搭載される。
【0022】
Zステージ65及びZステージ駆動部66を構成要素とする合焦系60は、基板Wの露光面Wfの高さ(Z方向の位置)を斜入射光式のオートフォーカスセンサ(検出装置)61で測定し、その測定結果に基づいてウエハステージ50上に設けられたZステージ65が基板WをZ方向に微小移動させることにより、投影光学系90の像面に対する焦点深度内に露光面Wfを収める、焦点合わせを行う。オートフォーカスセンサ61は、投影光学系90の側方に設けられ、露光面Wfに対して斜め方向から非感光性の光を照射する投光系62と、その反射光を受光する受光系63と、受光系63からの信号を処理する信号処理部64とから構成され、露光面Wfと投影光学系90の像面とのずれ量(Z方向のずれ量)を検出して主制御系40に出力する。そして、そのずれ量に対応して、主制御系40がZステージ駆動部66を駆動し、Zステージ65が移動して、露光面Wfの高さ及びその傾斜角が制御される。
【0023】
レチクルステージ70は、コラム71に支持されており、レチクルRの所定パターンPAの面側を下方にして保持するとともにレチクルステージ駆動部72によって駆動されてX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(θ方向)に微動可能である。なお、レチクルステージ70のX方向およびY方向の位置は、レーザ干渉式測長器(以下、干渉計73と称す)によって逐次検出され主制御系40に出力される。
【0024】
露光照明系80は、露光用光源81から照射された露光光を照明光学系82を介してレチクルR上の所定の照明領域内に均一な照度分布で照射させる。露光光としては、例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプの紫外域の輝線(g線、i線等)等が用いられる。
【0025】
投影光学系90は、レチクルRを通して射出される照明光を所定の投影倍率β(βは、例えば1/5)で縮小して、レチクルRの所定パターンPAの像を基板W上の1つのショット領域SA内に結像させる。
【0026】
次に、第1実施形態に係るアライメント装置AL、及び露光装置STPの動作について図を参照して説明する。図3は、露光装置STPにおける露光手順を示すフローチャート図である。また、基板Wは、所定の厚みwtを有し、その片面にアライメント用のマークMが予め設けられる(以下、この面を第2面S2と称す)。図4(a)は、基板Wの第2面S2の各ショット領域SAに設けられたマークMを示す模式図であり、図4(b)は、マークMXを拡大した図である。基板Wの第2面S2の各ショット領域SAには、X方向用のマークMXとY方向用のマークMYが設けられ、マークMX及びマークMYには、所定の長さNと幅Hを持った帯状マークが一定間隔Pで5本並べたものが設けられる。
まず、ステップ100において、透過性を有する基板Wが、不図示のウエハローダによりウエハステージ50上のウエハホルダ53に搬入される。そして、第2面の反対の面(以下、第1面S1と称す)が露光照明系80側を向くように搬入される。したがって、第2面がウエハステージ50側を向くように搬入されてウエハホルダ53によって保持されるので、マークMとウエハホルダ53とが接する状態となり、第1面S1側から透過性基板Wを通して、第2面S2に設けられたマークMを検出する必要が生じることになる。なお、前工程において、露光面Wfにはフォトレジストを塗布しておく。
【0027】
ステップ110において、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークに合わせる作業に先だって、投影光学系90の像面を露光面Wfである第1面S1に合わせる合焦作業が行われる。オートフォーカスセンサ61の出力結果に基づいて、Zステージ駆動部66を駆動して、Zステージ65を移動させることにより、投影光学系90の像面に対する焦点深度内に露光面Wfが収められる。そして、ステップ120において、ウエハステージ50が基板Wをアライメントセンサ10の直下に移動させた後に、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる(マークMの位置調整)作業が行われる。ここで、アライメントセンサ10と投影光学系90とは予め所定の位置関係で配置されていることから、その位置関係に基づいてZステージ65を更に移動させることにより、焦点位置FPをマークMに合わせることができる。すなわち、マークMが露光面Wfにある場合には、オートフォーカスセンサ61の検出結果に基づいて焦点位置FPをマークMに合わせることができる。しかし、第1面S1を露光する場合には、マークMがウエハホルダ側に存在するので、焦点位置PFを露光面WfからマークMまで移動させる作業が必要となる。なお、アライメントセンサ10の焦点深度が基板Wの厚みwt程度の深さを有していれば、アライメントセンサ10の焦点位置FPを露光面Wf上から移動させることなく、そのまま基板Wを通してマークMを検出できる可能性があるが、通常、アライメントセンサ10の焦点深度は基板Wの厚みwtよりも浅いのでアライメントセンサ10の焦点位置FPを露光面Wf(第1面S1)からマークMまで移動させる必要がある。ところで、第1面S1からマークMまでの距離D(図5参照)は、予め求めることができる距離である。したがって、焦点位置FPが第1面S1にある場合には、焦点位置FPとマークMとの相対距離Lを距離Dだけ変化させれば、確実にアライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに略一致させることができる。そこで、第1面S1からマークMまでの距離Dを予め記憶部42に記憶させ、その情報に基づいて主制御系40がZステージ駆動部66を駆動することにより、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの相対距離Lが変化して、短時間かつ確実に焦点位置FPをマークMに合わせることができる。ここで、図5は、図1におけるアライメントセンサ10と基板Wとを拡大した概念図である。なお、第1面S1からマークMまでの距離Dは、基板Wの厚みwtと基板Wの屈折率ndとを考慮して定める。例えば、基板Wの厚みwtが2.0mm、屈折率ndが1.5の場合には、距離Dを3.0mm(=2.0mm×1.5)と設定しておくことにより、基板Wの屈折率ndに影響されずに焦点位置FPをマークMに略一致させることができる。なお、マークM自体の厚みは、アライメントセンサ10の焦点深度に比べて薄い場合が多いので無視してもよい。同様に、基板Wの塗布されたレジスト膜の屈折率も無視可能である。そして、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに略一致させるとともに、更に、主制御系40が画像信号CSを監視しながら、Zステージ駆動部66を駆動してZステージ65を微動させて、画像信号CSが略最大となる状態で基板Wを保持する。このようにして、マークMの検出を良好に行える状態が確保される。
なお以上では、一旦、投影光学系90の像面を第1面S1に合わせる合焦作業を行った後に、Zステージ65を移動させることにより、アライメントセンサの焦点位置FPにマークMを合わせる作業を行う方法を記載している。これは、最初から調整部30の機能を用いてアライメントセンサの焦点位置FPにマークMをあわせようとした場合、調整部30が基板Wの厚みのばらつき等の影響により誤差が発生して適正な位置にマークMを合わせられない可能性があるためである。基板Wの厚みのばらつき等が調整部30による調整にどの程度影響するかは、アライメントセンサのNAなどの特性と関連している。よって、アライメントセンサが基板Wの厚みのばらつき等による影響を充分に許容できる特性を備えている場合、一旦、投影光学系90の像面を第1面S1に合わせる合焦作業を行うことなく、最初から調整部30の機能を用いてアライメントセンサの焦点位置FPにマークMを合わせる方法を採用してもよい。
【0028】
次に、ステップ130において、アライメントセンサ10は画像情報を取得し、画像処理部26において画像処理技術を用いてマークMの像のみを検出する。ここで、図6は、透過性基板Wが載せられたウエハホルダ53を示す模式図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。ウエハホルダ53の吸着面には、基板Wを吸着するために、図6に示すような複数の円形の溝が所定の幅で一定間隔で刻まれている。このウエハホルダ53上に透過性基板Wを載せると、ウエハホルダ53の溝が基板Wを透過して見える(図6(a)参照)。そして、マークMも一定間隔Pで並べられた帯状のマーク(図4参照)であることから、マークMがウエハホルダ53の溝と略平行に並んだ場合には、アライメントセンサ10がウエハホルダの溝をマークMと間違えて検出してしまう可能性が生じる。特に、第2面S2がウエハホルダ53側を向く場合には、マークMとウエハホルダ53の溝とが接するので、アライメントセンサ10がマークMとウエハホルダ53との像を同時に取得してしまうので、検出ミスの可能性が高い。そこで、画像処理部26において、画像処理を行うことによりマークMのみを検出することにより、ウエハホルダ53の溝をマークMと見誤って検出しないようにしている。画像処理の方法としては、例えば、事前にマークMの特徴を記憶しておき、記憶された特徴に類似しているものを画像内から1つまたは複数ヶ所探し出し(サーチ)、その位置と品質(登録された物との類似度)を検出するパターン認識(サーチ)技術等が用いられる。そして、マークMが検出されると、画像処理部26によりマークMのX位置、Y位置が求められ、主制御系40に出力される。
【0029】
ステップ140において、主制御系40は、マークMのX位置、Y位置に基づき基板Wのサーチアライメントやグローバルアライメント(EGA)などのアライメント作業を行う。そして、ステップS150において、アライメントされた基板Wの各ショット領域SAにレチクルRの所定パターンPAが投影露光される。露光された基板Wは、ウエハローダにより露光装置STPから搬出され(S160)、現像、エッチング、ドーピング処理が順次行われる(S170)。
【0030】
そして、ステップ180において、更に層を重ねてパターンを形成するか否かが判断され、層を重ねる場合にはステップ190において第1面S1にフォトレジストが塗布され、再度、ステップ100に戻る。なお、ここでレチクルRの入れ換えが行われる場合もある。このような処理が複数回行われることにより、第1面S1に多層のパターンが形成されて、第1面S1の処理が完了する。
【0031】
第1面S1の処理が完了すると、ステップ200において、裏面(ここでは第2面S2)にパターンを形成(露光)するか否かが判断される。裏面の露光を行わない場合には、一連の処理を終了する。一方、裏面にもパターンを形成する場合には、ステップ210において、基板Wを反転させ、基板Wの第2面S2が露光照明系80側を向くようにして、再度、ウエハステージ50上に運ばれてウエハホルダ53により保持される。したがってアライメント用のマークMが露光照明系80側に配置されるので、マークMを透過性基板Wを通して検出する必要がなくなり、従来の露光装置における作業と同様な作業を行うことにより、第2面S2が処理される。このようにして、基板Wの第1面S1及び第2面S2にパターンが形成され、第1面S1に形成されるパターンと第2面S2に形成されるパターンとの位置関係が所定の位置関係を正確に備える透過性基板Wが製造される。なお、第1面S1を処理した後に第2面S2の処理を行う場合に限らず、第2面S2の処理の後に第1面S1を処理してもよい。また、第1面S1及び第2面S2の両面にパターンを形成する場合に限らず、第1面S1或いは第2面S2のいずれかの面のみにパターンを形成する場合であってもよい。
なお以上では、ウエハホルダ53上に透過性基板Wを載せると、ウエハホルダ53の溝が基板Wを透過して見えるが、これを画像処理を用いてマークMを特定する方法を述べた。
ところで、アライメントセンサがマークを検出する際にウエハホルダの溝が基板を透過してみえることにより悪影響を受けるのは、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重なる場合である。言い換えると、ウエハホルダの溝の縁の部分マークとが重ならない状況では、たとえウエハホルダの溝が基板を透過して見えていたとしても、アライメントセンサによるマークの検出には影響がない。
通常、基板W上には、複数のショット領域が形成されており、各ショット領域に対応してマークが形成されている。一方、基板上の複数のショット領域それぞれに位置情報を検出する方法としては、各ショットに対応するマークを逐一検出する方法の他に、基板上の複数のショット領域から所定数(例えば8つ)のサンプルショット領域を選択し、このサンプルショット領域の対応するマークをアライメントセンサで検出し、その結果に基づいて、基板上の複数のショット領域全ての位置情報を計算によって求める方法がある(以下、この方法をEGAと称す)。言い換えると、たとえ検出不可能なマークがあろうとも、検出可能なマークだけを選択的に検出して、全てのショット領域の位置情報を求めることが可能である。
アライメントセンサがマークを検出する再にウエハホルダの溝が基板を透過して見えるという問題でいうと、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないショットについて選択的にマーク検出を行い、その結果に基づいて基板上の複数のショット領域の位置情報を求めることが可能である。そして、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重なるか否かは、基板上のショット配列、及びショット内でのマーク位置に基づいて求めることが可能となる。
以下、ウエハホルダの溝の寸法情報、基板上のショット配列、及びショットないでのマークの位置に基づいて、どのショットにおいて、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないかを求め、この結果に基づいてマーク検出を実行するショットを自動的に選択し、選択的なマーク検出を行うアライメント方法を説明する。
【0032】
選択的なマーク検出を行うアライメント方法では、ウエハ裏面に形成された全てのアライメントマークのうち、以下の条件を満たすものを選出してアライメントを行う。第1に、ウエハ上、計測可能な位置にあること(すなわち、有効ウエハ径以内のショット上にあること等)。第2に、ウエハホルダ上の構造物と重ならないこと、である。
そして、図7に示すフローチャートに従って、アライメントマークの選択を行う。
まず、ステップ310(S310)では、アライメントマークMの検出の障害となるウエハホルダ上での構造物(例えば、リングチャック部分など)の位置又は形状が入力される。
ステップ320では、ウエハWのサイズ、ウエハWのショットサイズ、ショット配列、マークサイズ、ショット内のマーク位置等、ウエハW上でアライメントマークMがどの位置にあるかを計算するために必要な情報が入力される。
さらに、ステップ330では、禁止領域情報が入力される。禁止領域情報とは、アライメントマークMと構造物とが、どの程度の距離だけ離間していなければならないのか、すなわち、アライメントマークMと構造物とが干渉しないための距離情報等である。禁止領域は、ウエハホルダとウエハWとの位置関係に生じ得る誤差量などから求められる。例えば、ウエハWの投入精度やウエハ外形に対するアライメントマーク位置の変動量などである。
ステップ340では、判定対象ショットを選択する。判定対象ショットは、任意に選ばれる。例えば、エッジ部分のショットから、順次、隣り合うショットが選択される。
ステップ350では、ステップ320において入力された各種情報に基づいて、判定対象ショット内にあるアライメントマークMの座標を算出する。
さらに、ステップ360では、アライメント可能なショット上のアライメントマークMであるとともに、アライメントマークM自体も有効ウエハ径内に存在するかが判断される。
ステップ370では、ステップ310,320,350において入力或いは求められた情報に基づいて、ウエハホルダ上の構造物と干渉するか否かが判断される。そして、ウエハホルダ上の構造物と干渉しないと判断された場合にのみ、ステップ380に進み、そのショット領域を有効ショットとして記憶する。
そして、ステップ390において、判断したショットが最終ショットであるかが判断される。更に次のショット領域のアライメントマークMについて処理を行う場合には、再度、ステップ340に戻り、上述した処理を繰り返す。
そして、最終ショットと判断された場合には、ステップ400において、有効ショットのうち、アライメントに使用するショットを選択する。
以上のように、ウエハホルダの溝の寸法情報、基板上のショット配列、及びショット内でのマークの位置に基づいて、どのショットにおいて、ウエハホルダの溝の縁の部分とマークとが重ならないかを求め、この結果に基づいてマーク検出を実行するショットを自動的に選択し、選択されたマークにより、アライメント処理を行う。
【0033】
なお、アライメントマークは、ショット内に複数配置することが可能である。この場合、マーク毎に上述した有効ショット判定を行い、もっともアライメント(EGA)に有効なショット配列が選択できるマークを採用することにより、よりアライメント精度を向上させることができる。
EGAに有効なショットの配列の判断方法として、最も単純なのは、ショット数が多いほど有利とする方法である。しかしながら、ショット数が多くても、それらが狭い範囲に密集して存在する場合には、アライメントショットから遠く離れたショットにおいて重ね合わせ精度が不利になってしまう。また、アライメントショットが縦一列、或いは横一列などの配列になった場合には、EGA計算自体が不可能となってしまう。したがって、一般的にはアライメントに有利と考えられるショットの配置、すなわち、アライメントショットは、なるべくウエハの中心からある程度の半径(ウエハ半径の1/2程度)以上にあり、かつ互いの間隔が大きいものが有利であると判断されるべきである。
このような判定を定量的に行うためには、以下のような方法がある。
EGAは、アライメントセンサの計測再現性を一定(計測対象のマークにより誤差が変化することがない)と仮定し、最小自乗法によりショット配列の近似式を計算する方法である。したがって、ショット配列が決まれば、アライメントセンサの計測再現性がショット配列式の計算誤差にどのように伝播するかが計算可能である。ショット配列式の誤差が推測できれば、この式に基づいて露光を行った際の重ね合わせ誤差も計算できる。そこで、アライメントショット配列から予想される重ね合わせ精度を比較することで、ショット配列の有利さを定量的に判断できる。
なお、アライメントに必要なショット数を超える多くのショットが有効となった場合、使用するショットを絞り込むことにより、処理時間を短縮することができる。どのショットを使用するかについては、上述したショット配列の有利さの判定を用いることができる。
【0034】
次に、本発明に係るアライメント装置AL、及び露光装置STPの第2実施形態について図を参照して説明する。図8は、第2実施形態に適用される半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置STP2の構成を示す模式図である
露光装置STP2のアライメント系ALは、検出光学系12の光軸AB方向におけるマークMの位置を調整するために調整部31を備える。調整部31は、アライメントセンサ10とマークMとの相対距離L(図5参照)を変化させるセンサ駆動部32、Zステージ駆動部66、及びアライメントセンサ10の検出特性を変化させる検出特性調整部33とから構成される。センサ駆動部32は、アライメントセンサ10全体を検出光学系12の光軸AB方向に移動させるものであり、また、Zステージ駆動部66は、Zステージ65とともに基板WをZ方向に移動させるものであって、これらを単独或いは複合的に駆動することにより、アライメントセンサ10と基板Wとの相対距離Lを変化させる。また、検出特性調整部33は、例えば、検出光学系12の光学特性を調整したり、ハロゲンランプ13から照射されるビームの波長を調整したりすることにより、アライメントセンサ10の焦点距離L1(図5参照)を延ばしたり、焦点深度を深くしたりして、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの位置を調整する。そして、Zステージ駆動部66、センサ駆動部32、及び検出特性調整部33のなかから最適な手段を選択して駆動させたり、或いはこれらを複合的に駆動させたりして、相対距離Lや焦点距離L1を変化させて、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる。なお、これらの駆動部は、主制御系40により制御される。更に、調整部31は、出力部28から得られる画像信号CSのゲインが最大となるように、Zステージ駆動部66、センサ駆動部32、及び検出特性調整部33を選択的或いは複合的に駆動して、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせる。また、アライメントセンサ10から照射されるビームの波長を調整することにより、マークMの検出を良好に行える状態にすることも可能である。
なお、露光装置STP2の他の構成要素は、露光装置STPと同一であり、同一の符号を付してあるので、説明を省略する。
【0035】
露光装置STP2の動作は、露光装置STPの動作と略同一である。ただし、上述したステップ120(図2参照)等において、主制御系40がセンサ駆動部32、Zステージ駆動部66、検出特性調整部33を駆動することにより、アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとの相対距離Lや焦点距離L1等を変化させて、短時間かつ確実に焦点位置FPをマークMに合わせる。更に、画像信号CSを監視しながら、センサ駆動部32及びZステージ駆動部66を駆動してアライメントセンサ10及びZステージ65を上下させるとともに、検出特性調整部33を駆動してアライメントセンサ10の検出特性を変化させことにより、画像信号CSが略最大となる状態で基板Wとアライメントセンサ10とを保持する。すなわち、露光装置STP2は、状況に応じて調整部31を選択的或いは複合的に駆動させて、アライメントセンサ10の焦点位置FPをマークMに合わせることができる。
【0036】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
【0037】
アライメントセンサ10の焦点位置FPとマークMとのずれを検出する方法として、画像信号CSを利用した方式を用いたが、これに限らず、位相検出方式を用いてもよい。また、これらパッシブ方式に限らず、赤外光で距離を測定するアクティブ方式を用いてもよい。
アライメントセンサには、FIA式のアライメントセンサに限らず、LSA(Laser step Alignment)方式やLIA(Laser Interferometric Alignment)方式のアライメントセンサを用いてもよい。
また、投影光学系を介することなく直接基板上のマークの位置情報を検出するオフ・アクシス方式のアライメントセンサに限らず、投影光学系を介して基板上のマークの位置情報を検出するTTL(Through the lens)方式や投影光学系を介して基板とレチクルとを同時に観察して両者の相対位置関係を検出するTTR(Through the reticule)方式のアライメントセンサを用いてもよい。
アライメント方法としては、グローバルアライメント方法に限らず、ダイ・バイ・ダイ方法を用いてもよい。
【0038】
また、パターン形成板に形成されるパターンの数や配置位置、及び形状は任意に定めてよい。
【0039】
また、任意の露光層を有する基板に対しても良好に基板表面の位置情報を検出するために、特開平9−266149号公報に記載されているように、露光すべき感光基板を用いて面位置検出装置の検出誤差を算出するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明が適用される露光装置として、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置を用いてもよい。
【0041】
また、本発明が適用される露光装置として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置を用いてもよい。
【0042】
また、露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、本発明が適用される工程、あるいは装置としては、DVD等の光ピックアップ素子、特に、その有機プレーナー素子の製造工程、装置が挙げられる。
【0043】
また、本発明が適用される露光装置の光源は、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合、マスクを用いる構成としてもよいし、マスクを用いずに直接基板上にパターンを形成する構成としてもよい。さらに、投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでもよい。
【0044】
また、投影光学系としては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(このとき、レチクルも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0045】
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0046】
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0047】
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0048】
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0049】
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、所定パターンが転写される基板と所定パターンとをアライメントするアライメント装置であって、基板が透過性基板であり、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から透過性基板を通して第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出する検出系を有するようにした。このため、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第1面側から行うことができるので、検出系を第2面側に配置する必要がなく、第1面側に配置すれば足りる。したがって、第1面及び第2面のアライメントにおいて、同一の検出系を用いることができるので、複数の検出系を配置することによる装置の大型化、複雑化、高コスト化を抑えることができる。また、透過性基板の両面が所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークと同一の検出系を用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差がなく、第1面と第2面とを所定の位置関係を持つように正確にアライメントを行うことができる。
【0051】
また、検出系がマークの像を検出する像検出部を有するようにしたので、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合であっても、像検出部がマークの像のみを検出するので、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、検出系が検出光学系を含み、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する調整部を備えるようにしたので、検出光学系の焦点位置とマークとの位置がずれているためにマークを検出できない場合であっても、調整部により検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出系がマークを検出することが可能となる。また、調整部が検出系とマークとの相対距離を変化させることによって、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、例えば、検出光学系をマークに近づけたり、或いはマークを検出光学系に近づけたりすることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部が検出系の検出特性を変化させる検出特性調整部を含むようにしたので、例えは、検出系の光学特性を変化させて焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークに対してビームを照射する照明系を備え、検出特性調整部がビームの波長を調整するようにしたので、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マーク(M)の像を検出する像検出部がマークの像に応じた信号を発生する出力部を備え、調整部が信号のゲインを調整するようにしたので、出力部から発生するマークの像に応じた信号が検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部が透過性基板の厚みに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マークに対してビームを照射する照明系を備え、ビームに対する透過性基板の屈折率に応じて検出光学系の光軸方向のおけるマークの位置を調整するようにしたので、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、検出系の検出特性を変化させる検出特性調整部を含むようにしたので、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、検出系がマークに対してビームを照射する照明系を備え、検出特性調整部がビームの波長を調整するようにしたので、検出特性調整部がビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マークの像を検出する像検出部がマークの像に応じた信号を発生する出力部を備え、調整部が信号のゲインを調整するようにしたので、検出部によるマークの検出が最適な時に出力部から発生する信号のゲインが略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0052】
第2の発明は、透過性基板に所定パターンを転写する露光装置であって、請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載のアライメント装置を備え、アライメント装置で透過性基板と所定パターンとをアライメントして、所定パターンを透過性基板に転写するようにした。これにより、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、アライメント装置の検出系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる。
【0053】
第3の発明は、透過性基板の第1面に所定パターンを露光するための露光装置であって、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から透過性基板を通して第1面とは反対側の第2面に形成されたマークを検出する検出系を含み、検出系による検出結果に応じて透過性基板と所定パターンとをアライメントするアライメント装置を備え、アライメント装置によってアライメントされた透過性基板の第1面に所定パターンを露光するようにした。これにより、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第1面側から検出することができるので、検出系を第2面側(ウエハステージ側)に配置する必要がなく、スペース効率がよくなる。したがって、このような検出系を含むアライメント装置を用いることで、露光装置が大型化または複雑化せず、装置の製造コストを抑えることができる。
【0054】
また、所定パターンを投影する投影光学系と、投影光学系による像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係を検出する検出装置を備え、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する調整部が、検出装置による検出結果に基づいて、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整するようにしたので、露光装置に備わる検出装置の検出結果を用いて検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、調整部が透過性基板の厚みと検出装置による検出結果とに応じて、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、アライメント装置がマークに対してビームを投射する照明系を備え、調整部がビームに対する透過性基板の屈折率と検出装置の検出結果とに応じて、アライメント装置の検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、照明系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【0055】
第4の発明は、所定パターンが転写される基板と所定パターンとをアライメントするアライメント方法であって、基板が透過性基板であり、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から透過性基板を通して、第1面とは反対側の第2面に形成されたマークを検出する工程を含むようにした。これにより、透過性基板の第1面をアライメントする場合に、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側からのみならず、1面側からも行うことができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面を所定の位置関係を持つようにアライメントする場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面と第2面との相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面と第2面とが所定の位置関係を持つように正確にアライメントすることができる。
【0056】
また、マークを検出する工程が、マークの像を検出する工程を含むようにしたので、例えば、基板を保持するためにウエハホルダ上に彫られた溝が基板をとおして見える場合には、マークの像を検出する工程を設けることにより、この溝をマークと見誤って検出することを防止できる。また、マークを検出する工程が、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する工程を含むようにしたので、検出光学系がマークを検出できない場合であっても、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整する工程を設けることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークの光軸方向の位置を調整する工程において、検出光学系とマークとの相対距離を変化させることによって、光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置が不適当なためにマークを検出できない場合であっても、検出光学系とマークとの相対距離を変化させることによって、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークの光軸方向の位置を調整する工程が、検出光学系の検出特性を変化させる工程を含むようにしたので、例えは、検出光学系の光学特性を変化させて検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークを検出する工程が、マークに対してビームを照射する工程を含み、さらに、ビームの波長を調整するようにしたので、マークに照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を移動させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークを検出する工程が、マークの像に応じた信号を発生する工程を含み、さらに、信号のゲインを調整するようにしたので、検出光学系の焦点位置とマークとの相対距離に対応してマークの像に応じた信号のゲインが変化する特性を利用して、この信号のゲインが上昇するように検出光学系の検出特性を変化させることにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、マークの光軸方向の位置を調整する工程において、透過性基板の厚みに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系の焦点位置が第1面に合っている場合に、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を透過性基板の厚みの分だけ変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マークに対してビームを照射する工程を含み、ビームに対する透過性基板の屈折率に応じて検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、検出光学系から照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに確実に合わせることができる。また、マークを検出する際の検出特性を変化させる工程を含むようにしたので、例えば、検出光学系の焦点距離や焦点深度等を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マークを検出する際に、マークに対してビームを照射する工程を含み、検出特性を変化させる際に、ビームの波長を調整するようにしたので、マークに対して照射するビームの波長を調整して検出光学系の焦点位置を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。また、マークを検出する際に、マークの像に応じた信号を発生する工程を含み、さらに、信号のゲインを調整するようにしたので、マークの像に応じた信号のゲインが検出光学系によるマークの検出が良好な時に略最大となる特性を利用して、この信号のゲインが最大となるように検出光学系の検出特性を変化させることにより、マークの検出を良好な状態で行うことができる。
【0057】
第5の発明は、透過性基板に所定パターンを転写する露光方法であって、請求項18から請求項29のうちいずれか一項に記載のアライメント方法で透過性基板と所定パターンとをアライメントして、所定パターンを透過性基板に転写するようにした。これにより、透過性基板の第2面に設けられたマークの検出を第2面側のみならず、第1面側からも行うことができるので、検出光学系をウエハステージ側に設けたり、透過性基板の両面側にそれぞれ異なる検出光学系を設けたりする必要がなくなる。また、透過性基板の両面にそれぞれ所定の位置関係を持つようにパターンを形成する場合には、それぞれの面の露光処理に先立つアライメントでは、同一のマークを同一の検出光学系で検出してアライメントを行うので、第1面に形成されるパターンと第2面に形成されるパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、透過性基板の両面にそれぞれマークを設けたり、2つの検出光学系を設けたりする必要がないので、両面のマークの相対位置ずれや2つの検出光学系の相対検出誤差に起因する第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置ずれをなくすことができる
【0058】
第6の発明は、透過性基板の第1面に所定パターンを露光するための露光方法であって、所定パターンを転写される透過性基板の第1面側から、透過性基板を通して、第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出し、検出結果に応じて透過性基板と所定パターンとをアライメントし、アライメントされた透過性基板の第1面に所定パターンを露光するようにした。これにより、透過性基板の第1面に所定パターンを転写する場合に、検出光学系が透過性基板の第2面に設けられたマークを第2面側からのみならず、第1面側からも検出することができるので、必要に応じてマークを検出する方向を変えることが可能となる。また、透過性基板の両面のそれぞれに所定の位置関係を持つようにパターンを露光する場合には、それぞれの面を同一のマークを用いてアライメントを行うので、第1面のパターンと第2面のパターンとの相対位置の誤差の発生を抑えることができる。すなわち、基板の両面にそれぞれマークを設ける必要がないので、両面のマークの相対位置ずれがなく、第1面のパターンと第2面のパターンとが所定の位置関係を持つように正確に露光することができる。
【0059】
また、所定パターンを投影する投影光学系による像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係を検出する工程を含み、投影光学系の像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係に基づいて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、投影光学系による像面位置と第1面との相対位置の検出結果を用いて、検出光学系の焦点位置を第1面に合わせた後に、さらに検出光学系の光軸方向におけるマークに位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置をマークに合わせることが可能となる。また、投影光学系の像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係と、透過性基板の厚みとに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、透過性基板の厚みも考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を変化させることにより、容易に検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。また、マークを検出する際にマークに対してビームを照射する工程を含み、さらに、投影光学系の像面位置と透過性基板の第1面との相対位置関係と、ビームに対する透過性基板の透過率とに応じて、検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整するようにしたので、照射されたビームが透過性基板を透過する際の屈折を考慮して検出光学系の光軸方向におけるマークの位置を調整することにより、検出光学系の焦点位置を第1面から第2面に設けられたマークに合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に適用される露光装置の構成を示す模式図である。
【図2】アライメントセンサの焦点位置と、その際に得られる画像信号のゲインとを示す模式図である。
【図3】露光装置における露光手順を示すフローチャート図である。
【図4】基板に設けられたマークを示す模式図である。
【図5】図1におけるアライメントセンサの要部と基板とを拡大した概念図である。
【図6】透過性基板が載せられたウエハホルダを示す模式図である。
【図7】選択的なマーク検出を行うアライメント方法の手順を示すフローチャート図である。
【図8】第2実施形態に適用される露光装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
PA 所定パターン
SA ショット領域
W 基板(透過性基板)
AL アライメント系(アライメント装置)
S1 第1面
S2 第2面
M マーク
AB 光軸
L 相対距離
wt 厚み
CS 画像信号(信号)
STP、STP2 露光装置
10 アライメントセンサ(検出系)
11 照明系
12 検出光学系
27 像検出部
28 出力部
30、31 調整部
32 検出特性調整部
53 ウエハホルダ(基板保持部)
61 オートフォーカスセンサ(検出装置)
90 投影光学系
Claims (38)
- 所定パターンが転写される基板と前記所定パターンとをアライメントするアライメント装置であって、
前記基板が透過性基板であり、前記所定パターンを転写される前記透過性基板の第1面側から前記透過性基板を通して、前記第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出する検出系を有することを特徴とするアライメント装置。 - 前記検出系は、前記マークの像を検出する像検出部を有することを特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
- 前記検出系は検出光学系を含み、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整する調整部を備えることを特徴とする請求項2に記載のアライメント装置。
- 前記調整部は、前記検出系と前記マークとの相対距離を変化させることによって、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする請求項3に記載のアライメント装置。
- 前記調整部は、前記検出系の検出特性を変化させる検出特性調整部を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のアライメント装置。
- 前記マークに対してビームを照射する照明系を備え、
前記検出特性調整部は、前記ビームの波長を調整することを特徴とする請求項5に記載のアライメント装置。 - 前記マークの像を検出する像検出部は、前記マークの像に応じた信号を発生する出力部を備え、
前記調整部は、前記信号のゲインを調整することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のアライメント装置。 - 前記調整部は、前記透過性基板の厚みに応じて、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする請求項3に記載のアライメント装置。
- 前記マークに対してビームを照射する照明系を備え、
前記ビームに対する前記透過性基板の屈折率に応じて前記検出光学系の光軸方法のおける前記マークの位置を調整することを特徴とする請求項3又は請求項8に記載のアライメント装置。 - 前記検出系の検出特性を変化させる検出特性調整部を含むことを特徴とする請求項2に記載のアライメント装置。
- 前記検出系は、前記マークに対してビームを照射する照明系を備え、
前記検出特性調整部は、前記ビームの波長を調整することを特徴とする請求項10に記載のアライメント装置。 - 前記マークの像を検出する像検出部は、前記マークの像に応じた信号を発生する出力部を備え、
前記調整部は、前記信号のゲインを調整することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のアライメント装置。 - 透過性基板に所定パターンを転写する露光装置であって、請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載のアライメント装置を備え、該アライメント装置で前記透過性基板と前記所定パターンとをアライメントして、前記所定パターンを前記透過性基板に転写することを特徴とする露光装置。
- 透過性基板の第1面に所定パターンを露光するための露光装置であって、
前記所定パターンを転写される前記透過性基板の第1面側から前記透過性基板を通して前記第1面とは反対側の第2面に形成されたマークを検出する検出系を含み、該検出系による検出結果に応じて前記透過性基板と前記所定パターンとをアライメントするアライメント装置を備え、
前記アライメント装置によってアライメントされた透過性基板の第1面に前記所定パターンを露光することを特徴とする露光装置。 - 請求項14に記載の露光装置は、さらに、前記所定パターンを投影する投影光学系と、前記投影光学系による像面位置と前記透過性基板の前記第1面との相対位置関係を検出する検出系を備え、
前記アライメント装置の検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整する調整部が、前記検出系による検出結果に基づいて、前記アライメント装置の検出光学系の光軸方向における前記マークに位置を調整することを特徴とする露光装置。 - 請求項15に記載の露光装置において、
前記調整部は、前記透過性基板の厚みと前記検出系による検出結果とに応じて、前記アライメント装置の検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする露光装置。 - 請求項15又は請求項16に記載の露光装置において、
前記アライメント装置は前記マークに対してビームを投射する照明系を備え、
前記調整部は、前記ビームに対する前記透過性基板の屈折率と前記検出系の検出結果とに応じて、前記アライメント装置の検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする露光装置。 - 所定パターンが転写される基板と前記所定パターンとをアライメントするアライメント方法であって、
前記基板が透過性基板であり、前記所定パターンを転写される前記透過性基板の第1面側から前記透過性基板を通して、前記第1面とは反対側の第2面に形成されたマークを検出する工程を含むことを特徴とするアライメント方法。 - 前記マークを検出する工程は、前記マークの像を検出する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載のアライメント方法。
- 前記マークを検出する工程は、検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載のアライメント方法。
- 前記マークの前記光軸方向の位置を調整する工程において、前記検出光学系と前記マークとの相対距離を変化させることによって、前記光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする請求項20に記載のアライメント方法。
- 前記マークの前記光軸方向の位置を調整する工程は、前記検出光学系の検出特性を変化させる工程を含むことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載のアライメント方法。
- 前記マークを検出する工程は、前記マークに対してビームを照射する工程を含み、さらに、前記ビームの波長を調整することを特徴とする請求項22に記載のアライメント方法。
- 前記マークを検出する工程は、前記マークの像に応じた信号を発生する工程を含み、さらに、前記信号のゲインを調整することを特徴とする請求項22又は請求項23に記載のアライメント方法。
- 前記マークの前記光軸方向の位置を調整する工程において、前記透過性基板の厚みに応じて、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする請求項20に記載のアライメント方法。
- 前記マークに対して前記ビームを照射する工程を含み、
前記ビームに対する前記透過性基板の屈折率に応じて前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする請求項20又は請求項25に記載のアライメント方法。 - 前記マークを検出する際の検出特性を変化させる工程を含むことを特徴とする請求項19に記載のアライメント方法。
- 前記マークを検出する際に、前記マークに対してビームを照射する工程を含み、前記検出特性を変化させる際に、前記ビームの波長を調整することを特徴とする請求項27に記載のアライメント方法。
- 前記マークを検出する際に、前記マークの像に応じた信号を発生する工程を含み、さらに、前記信号のゲインを調整することを特徴とする請求項27又は請求項28に記載のアライメント方法。
- 透過性基板に所定パターンを転写する露光方法であって、
請求項18から請求項29のうちいずれか一項に記載のアライメント方法で前記透過性基板と前記所定パターンとをアライメントして、前記所定パターンを前記透過性基板に転写することを特徴とする露光方法。 - 透過性基板の第1面に所定パターンを露光するための露光方法であって、
前記所定パターンを転写される前記透過性基板の第1面側から、前記透過性基板を通して、前記第1面とは反対の第2面に形成されたマークを検出し、前記検出結果に応じて前記透過性基板と前記所定パターンとをアライメントし、アライメントされた前記透過性基板の第1面に前記所定パターンを露光することを特徴とする露光方法。 - 請求項31に記載の露光方法は、さらに、
前記所定パターンを投影する投影光学系による像面位置と前記透過性基板の前記第1面との相対位置関係を検出する工程を含み、
前記投影光学系の像面位置と前記透過性基板の前記第1面との相対位置関係に基づいて、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする露光方法。 - 請求項32に記載の露光方法において、
前記投影光学系の像面位置と前記透過性基板の前記第1面との相対位置関係と、前記透過性基板の厚みとに応じて、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする露光方法。 - 請求項32又は請求項33に記載の露光方法において、
前記マークを検出する際に前記マークに対してビームを照射する工程を含み、さらに、前記投影光学系の像面位置と前記透過性基板の前記第1面との相対位置関係と、前記ビームに対する前記透過性基板の透過率とに応じて、前記検出光学系の光軸方向における前記マークの位置を調整することを特徴とする露光方法。 - 基板保持部上に保持された透明基板上の複数のショット領域それぞれの位置情報を検出する方法であって、前記複数のショット領域のうちの所定数のショット領域に対応して形成されたマークの位置情報を計測し、前記所定数の位置情報に基づく所定演算処理を実行することによって、前記複数のショット領域それぞれの位置情報を決定する位置情報検出方法において、
前記所定数のショット領域を決定する際に、前記基板保持部材上の構造物と前記マークとの相対位置関係に基づいて、前記マークの位置情報計測が実行される前記所定数のショット領域を決定することを特徴とする位置情報検出方法。 - 請求項35の方法において、
前記基板保持部材上の構造物と前記マークとの相対位置関係を、前記基板保持部材上での前記構造物の位置情報、又は、前記基板保持部材上の前記構造物の形状情報に基づいて決定することを特徴とする位置情報検出方法。 - 請求項35又は請求項36に記載の方法において、
前記相対位置関係を、前記透明基板のサイズ情報、前記複数ショット領域それぞれのショットサイズ情報、前記透明基板上での前記複数ショット領域の配列情報、各ショット内における前記マークの位置情報、前記マークのサイズ情報、の少なくとも1つに基づいて決定することを特徴とする位置情報検出方法。 - 請求項35から請求項37のうちいずれか一項に記載の方法において、
前記基板保持部材上の構造物と前記マークとの間の距離が、前記マークの位置情報の計測に干渉しない距離以上離れているショットを、前記マークの位置情報計測が実行されるショット領域として選択することを特徴とする位置情報検出方法。
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